JP4140151B2 - ポリエステル複合仮撚糸およびその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、適度なストレッチ特性と膨らみ、表面タッチの柔らかさを有し、手持ち感に芯がなく、風合いに優れた織編物を製造するのに適したポリエステル複合仮撚糸およびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
高齢化社会の到来を目前にして軽量感、風合いの向上、着用快適性の更なる向上を求めるニーズがある。これに対して、例えば特公平7−91709号公報において、伸度差を有するポリエステルマルチフィラメント未延伸糸を延伸仮撚後、熱処理することにより収縮差を付与させることが提案されている。しかしながら、この提案は、軽量感や表面風合いとしては優れているものの、着用快適性にとって重要なファクターであるストレッチ特性は十分でなかった。
【0003】
一方、特開平11−140732号公報では、鞘糸として自発伸長特性を有するポリエステル繊維を用い、芯糸としてポリメチレンテレフタレートやポリブチレンテレフタレート繊維のポリエステル系弾性繊維を用いて、両者を混繊することにより表面風合いだけでなく、ストレッチ特性を付与することが提案されている。しかしながら、収縮特性の異なるマルチフィラメントを混繊または流体処理した糸条に共通していえることであるが、高収縮側のマルチフィラメントが織編物中で針金状に突っ張った形状となるために、手持ち感として芯のある風合いとなってしまい、好ましくなかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、軽量感や表面風合いに優れるだけでなく、着用快適性にとって重要なファクターである適度なストレッチ特性を有し、かつ手持ち感として芯のない優れた風合いを有する織編物を製造するに適したポリエステル複合仮撚糸とその製造方法を提供せんとするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明のポリエステル複合仮撚糸は、少なくとも下記(1)および(2)に示す2種のマルチフィラメントから構成されているものである。
(1)高伸度マルチフィラメント:60%以上の伸度を有し、ヤング率が12〜35cN/dtexであるポリエチレンテレフタレート繊維。
(2)低伸度マルチフィラメント:20〜50%の伸度を有し、熱水収縮率が15%以下でかつ、高伸度マルチフィラメントの値よりも、2〜15%高いポリプロピレンテレフタレート繊維。
【0006】
また、本発明のポリエステル複合仮撚糸の製造方法は、少なくとも下記(1)および(2)に示す2種のマルチフィラメントを含み、これらのマルチフィラメントを引き揃えた後に、室温〜80℃に加熱しながら延伸同時仮撚を行い、低伸度マルチフィラメントに対して高伸度マルチフィラメントに糸長差を生じさせた後、130℃以上の温度で熱処理するものである。
(1)高伸度マルチフィラメント:複屈折率5×10-3〜60×10-3のポリエチレンテレフタレート繊維。
(2)低伸度マルチフィラメント:高伸度マルチフィラメントとの伸度差が60〜250%である複屈折率30×10-3〜70×10-3のポリプロピレンテレフタレート繊維。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下に本発明をさらに詳細に説明する。
【0008】
本発明のポリエステル複合仮撚糸は、少なくとも以下の(1)および(2)に示す2種のマルチフィラメントから構成されているものである。
(1)高伸度マルチフィラメント:60%以上の伸度を有し、ヤング率が12〜35cN/dtexであるポリエチレンテレフタレート繊維。
(2)低伸度マルチフィラメント:20〜50%の伸度を有し、熱水収縮率が15%以下でかつ、高伸度マルチフィラメントの値よりも、2〜15%高いポリプロピレンテレフタレート繊維。
【0009】
すなわち、ポリエチレンテレフタレート繊維に比べてポリプロピレンテレフタレート繊維の収縮が高い異収縮特性を有する複合仮撚糸である。
【0010】
従来より伸度差を有する複数のマルチフィラメントを引き揃えた後、比較的高温で延伸仮撚することが行われてきた。これらは延伸仮撚時に伸度の高いマルチフィラメントが低いマルチフィラメントに対して糸長大となり、両フィラメントの捲縮が細かく強いために、伸度の低いマルチフィラメントのまわりに伸度の高いマルチフィラメントが交互撚糸状に巻き付く形態をとっていて、しかも両マルチフィラメント間に収縮差は存在しなかった。
【0011】
一方、本発明の複合仮撚糸は比較的低温で延伸仮撚した後、引き続いて2ndヒーターによって熱処理されているために、従来の伸度差複合仮撚糸とは異なり、交互撚糸状の形態はとらず、複合仮撚糸の捲縮は弱いかほぼフラットで、糸長差とトルクもほとんどないため、製織時の取り扱い性が極めて良好である。しかしながら、製編織後にリラックス熱処理することにより仮撚時に付与された緩やかな捲縮が発現し、針金状に突っ張ったフィラメントとならず、織編物中で繊維間に空隙を生ずることとなる。
【0012】
高伸度マルチフィラメントは、低伸度マルチフィラメントよりも収縮率が低いために、織編物中で低伸度マルチフィラメントより表面に多く存在することになり、すなわち鞘糸となる。そのとき、伸度が60%以上、ヤング率が12〜35cN/dtexの特性を有するポリエチレンテレフタレート繊維は、表面タッチがやわらかい風合いとなる。上記収縮特性、伸度、ヤング率の各特性は密接に関連しており、両特性を同時に満たさないものは好ましくない。低収縮性、高伸度、低ヤング率のポリエチレンテレフタレートは、配向が従来の仮撚糸に比べて進んでいない。一方、伸度が60%未満となったり、ヤング率が35cN/dtexを超える値となる場合、配向や結晶化度が高くなるために表面タッチの風合いが従来のポリエステル織編物風合いと変わらず硬いものとなってしまい、好ましくない。逆にヤング率が12cN/dtex未満の時は、糸強度は実用に耐えられなくなり、また耐候性に欠けるため好ましくない。同様に伸度が高すぎる場合、糸強度低下等を伴うので伸度は150%以下が好ましい。
【0013】
ここで、ポリエチレンテレフタレートとは、80%以上のエチレンテレフタレート単位を含有するエチレンテレフタレート系重合体が好ましい。このエチレンテレフタレートには、共重合成分として、例えばアジピン酸、セバシン酸、イソフタル酸、ジフェニルジカルボン酸、ナフタリンジカルボン酸等の二塩基酸類、オキシ安息香酸等のオキシ酸類およびジエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール等のグリコール類および5−ナトリウムスルホイソフタル酸等の1種または2種以上を共重合することができる。さらに酸化チタン等の艶消し剤、カオリナイト等の微細孔形成剤および帯電防止剤等が少量添加されていても良い。また、繊維の断面形状は、丸断面、多葉断面、多角断面、扁平断面、中空断面、その他特殊異形断面のどのような形状のものでも適用可能であり、さらにそれらの組み合わせでも良い。単糸繊度としては0.1〜4.5dtexのとき、優れた表面風合いを発現し、好ましい。
【0014】
一方、低伸度マルチフィラメントは、熱水収縮率が15%以下でかつ高伸度マルチフィラメントよりも2〜15%高収縮であるため、織編物中で芯側となる。そのとき、20〜50%の伸度を有するポリプロピレンテレフタレート繊維は、良好なストレッチ特性を有する。すなわち、良好なストレッチ特性を有するポリプロピレンテレフタレートを芯糸として用いることにより、編織物に優れたストレッチを付与し、着用快適性を高めるのである。ここで、良好なストレッチ特性を付与させるには10%伸長回復率が90%以上、ヤング率が14〜30cN/dtexを有するマルチフィラメントであることが好ましく、それぞれの値が95%以上、17〜25cN/dtexであることがさらに好ましい。さらに、熱水収縮率が15%を越える場合、織物が詰まってしまい、硬い風合いとなり好ましくない。また、高伸度マルチフィラメントの熱水収縮率に比べて2%未満しか大きくない場合や逆に熱水収縮率が小さい場合は、低伸度マルチフィラメントがストレッチ特性を有していても、高伸度マルチフィラメントは塑性変形してしまうため、好ましくない。一方、15%を越える熱水収縮差が存在する場合、糸長差が高すぎてフカツキ気味となるため好ましくない。適度なストレッチ特性と嵩高性を発現させるには低伸度マルチフィラメントの熱水収縮率が3〜10%であることが好ましく、高伸度マルチフィラメントの熱水収縮率に比べ、2〜10%高いことがより好ましい。また、伸度が20%未満の場合、毛羽が発生し易くなり、取り扱いにくく、逆に伸度が50%を越える場合、伸縮弾性率が低下するため好ましくない。
【0015】
また、先にも述べたように複合仮撚糸ではほぼフラットな形態ではあるが、潜在的にゆるやかな捲縮能を有しており、熱処理をすることにより緩やかな捲縮を発現するため、織編物中で単糸間に適度な空隙を生み出す。このため、異収縮混繊糸に共通した風合いである手持ち感として芯のある風合いにはならず、優れた反発感を有する織編物を製造することが可能となる。
【0016】
ここで、ポリプロピレンテレフタレート繊維とは、テレフタル酸を主たる酸成分とし、1,3プロパンジオールを主たるグリコール成分として得られるポリエステルからなる繊維である。ただし、20モル%以下、より好ましくは10モル%以下の割合で、他のエステル結合の形成可能な共重合成分を含むものであっても良い。共重合可能な化合物として、例えばイソフタル酸、コハク酸、シクロヘキサンジカルボン酸、アジピン酸、ダイマ酸、セバシン酸などのジカルボン酸類、一方,グリコール成分として、例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサンジメタノール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールなどを挙げることができるが、これらに限られるものではない。また、艶消剤として二酸化チタン、滑剤としてのシリカやアルミナの微粒子、抗酸化剤としてヒンダードフェノール誘導体、着色顔料などを必要に応じて添加することができる。さらに繊維の断面形状は、丸断面、多葉断面、多角断面、扁平断面、中空断面、その他特殊異形断面のどのような形状のものでも適用可能であり、さらにそれらの組み合わせでも良い。単糸繊度としては1〜11dtexのとき、優れたストレッチ特性を発現し、好ましい。
【0017】
引き続き、ポリエステル複合仮撚糸の製造方法について詳細に説明する。
【0018】
本発明のポリエステル複合仮撚糸の製造方法は少なくとも以下の(1)および(2)に示す2種のマルチフィラメントを含み、これらのマルチフィラメントを引き揃えた後に室温〜80℃に糸条を加熱しながら延伸同時仮撚を行った後、130℃以上の温度で熱処理するものである。
(1)高伸度マルチフィラメント:複屈折率5×10-3〜60×10-3のポリエチレンテレフタレート繊維。
(2)低伸度マルチフィラメント:高伸度マルチフィラメントとの伸度差が60〜250%である複屈折率30×10-3〜70×10-3のポリプロピレンテレフタレート繊維。
【0019】
すなわち、少なくとも上記(1)および(2)に示す2種のマルチフィラメントを引き揃えた後、延伸仮撚する際、仮撚ヒーター温度を室温から80℃に設定し、さらに引き続いて130℃以上の温度で熱処理するものである。
【0020】
本発明における延伸仮撚加工は、糸道順に少なくとも1stフィードローラー、1stヒーター、冷却板、ツイスター、2ndフィードローラー、2ndヒーター、3rdフィードローラー、ワインダーからなる仮撚機を用い、1stフィードローラーと2ndフィードローラー間で1.03倍〜1.70倍の延伸を行い、ツイスターにて上流を加撚し、ヒーターにより加熱し、冷却板により形態固定するものであることが好ましい。ここで重要なことは仮撚ヒーター温度を室温から80℃に設定して、ヒーター出口の糸条温度を78℃以下にすることである。これにより高伸度・低伸度マルチフィラメントとも過度な配向結晶化を進めず、高伸度マルチフィラメントを低伸度マルチフィラメントに対して糸長大にせしめることが可能となる。ここで室温とは10〜40℃を意味し、この範囲外では作業環境として適していない。また、ヒーター温度を80℃を超える温度に設定した場合、特に高伸度マルチフィラメントの配向結晶化が進みすぎて、強い捲縮を有すると共に収縮性が低下するため、引き続いて行う2ndヒーターを用いた熱処理により収縮させることができなくなるため、狙いとする表面風合いを発現させることができず、好ましくない。
【0021】
この後引き続いて130℃以上の温度で2ndヒーターにより0〜15%のリラックス状態で熱処理することにより、糸長大の高伸度マルチフィラメント側を大きく収縮させ、低配向化、高伸度化、低収縮化および結晶化を進める。また複合仮撚糸全体としても糸長差、トルクがほとんどなくなり、捲縮も低減またはほとんどフラットヤーンの形態をとる。熱処理条件としては130℃以上にて0.1秒以上加熱することが好ましく、130〜220℃にて0.1〜0.3秒加熱することがより好ましく、150〜210℃にて0.15〜0.25秒加熱することがさらに好ましい。
【0022】
延伸仮撚に供給するマルチフィラメントは、少なくとも高伸度マルチフィラメントとして、複屈折率5×10-3〜60×10-3のポリエチレンテレフタレート繊維と、低伸度マルチフィラメントとして高伸度マルチフィラメントとの伸度差が60〜250%である複屈折率30×10-3〜70×10-3のポリプロピレンテレフタレート繊維である。
【0023】
複屈折率5×10-3〜60×10-3のポリエチレンテレフタレート繊維は定法の溶融紡糸において紡糸引き取り速度をおおむね1000〜4000m/minに設定することによって得ることができる。
【0024】
一方、複屈折率30×10-3〜70×10-3のポリプロピレンテレフタレート繊維は、ポリプロピレンテレフタレートを定法により溶融紡糸して紡糸引き取り速度を2500〜7000m/minで紡糸を行うか、紡糸引き取り速度1000m/min以上で紡糸を行った後、定法に従い延伸することによって得ることができる。
【0025】
しかし、紡糸速度2500m/min未満の未延伸糸は構造が形成されていないために、巻き取った後、遅延収縮によってパッケージに巻き締まりが生じやすく、特に紡糸速度1000〜2500m/minで巻き取った未延伸糸の巻き締まりは顕著で経時変化が生じて物性が変化し、さらにパッケージの端面と中央部、内層と外層との間に収縮差が生じ、延伸仮撚糸に糸長手方向の染めムラが生じる原因となる。したがって、紡糸速度2500m/min以上のポリプロピレンテレフタレート繊維を用いることが好ましい。
【0026】
また、紡糸速度3000m/min付近でも依然遅延収縮は生じており、糸長手方向の染めムラを生じさせる原因となる。そのため、下記(1)〜(4)式を満足するポリプロピレンテレフタレート繊維を用いることがさらに好ましい。
【0027】
(1)強度ST(cN/dtex):2.2≦ST
(2)複屈折率Δn(×10-3):30≦Δn≦60
(3)伸度EL(%):80≦EL≦250
(4)熱水収縮率SW(%):3≦SW≦15
すなわち、熱セットにより構造形成されており、遅延収縮による未延伸糸パッケージの巻き締まりがほとんど生じないため、糸長手方向に染めムラが生じなくなる。
【0028】
上記ポリプロピレンテレフタレート繊維の製造方法としては、繊維を構成するポリマー成分の少なくとも90モル%がプロピレンテレフタレート単位で構成されたポリエステル高配向未延伸糸を製造するに際し、紡糸速度2500〜4500m/分で引き取りつつ熱処理を行い巻き取る方法が挙げられる。ここでは、引き取りつつ熱処理を行うことが重要であり、引き取りと熱処理の工程を連続して行うことにより熱処理による繊維の構造安定化が達成され、さらには巻取後の経時変化が抑制され、巻取糸の経時変化での繊維収縮に起因する繊維の端面周期ムラや内外層差を回避することが出来る。
【0029】
上記熱処理は乾熱、湿熱処理のいずれも採用できるが、乾熱処理は温度70〜130℃、湿熱処理は温度70〜120℃であることが好ましく、さらに好ましくは、乾熱処理は温度100〜125℃、湿熱処理は温度100〜120℃である。
【0030】
ここで、本発明のポリエステル複合仮撚糸の製造方法について図を用いて説明する。図1に本発明に係る仮撚装置の一例を示した。
【0031】
供給原糸1aとしてポリエチレンテレフタレートマルチフィラメントを、供給原糸1bとしてポリプロピレンテレフタレートマルチフィラメントを用い、フィードローラー2に供給し、1stフィードローラー4との間で交絡ノズル3を用いて交絡を付与する。このように延伸仮撚の前に2つのマルチフィラメントを交絡することは必須ではないが、糸加工時に2糸条の分離を防ぐために有効であり、好ましい。引き続いて1stフィードローラー4と2ndフィードローラー8との間で延伸しながらツイスター7を用いて仮撚を与えた状態で1stヒーター5により撚形態を熱セットし、冷却板6により形態固定するものである。
【0032】
1stヒーター5としては、熱媒を加熱、循環させたり、電熱ヒーターにより加熱した金属板上や、高温雰囲気下を走行させる方法がある。また高温雰囲気下を走行させる場合には走行安定性を高めるためにガイド等で糸道を固定したいわゆる非接触式高温ヒーターを用いることが好ましい。仮撚糸の毛羽、糸切れ率を低下させたり、加工速度の高速化のためには接触抵抗のより低い非接触式高温ヒーターを用いることがより好ましい。
【0033】
冷却板6としても必要以上に長くない方が好ましく、冷却水を循環させて冷却板を冷却したりして冷却板を短くしたり、空気を吸引することで排煙を吸引し、同時に糸条を冷却することは好ましく行われる。
【0034】
ツイスター7としては施撚作用と共に送り作用を有するものであれば、内接型、外接型摩擦仮撚装置のいずれにおいても問題ないが、外接型3軸ツイスター、ベルトニップツイスターが好ましく用いられる。仮撚数としては、冷却板6上において、24500/D1/2〜28000/D1/2(D:仮撚糸のdtex繊度)に設定することが好ましい。
【0035】
延伸仮撚後の複合仮撚糸は引き続いて2ndヒーター9を用いて熱処理を行い、必要に応じて交絡ノズル11を用いて交絡・集束させた後、ワインダー13を用いて巻き取る。2ndヒーターとして1stヒーター5と同様に糸加熱する方法として限定されるものではないが、接触式のヒーターの場合、低張力で加工することが難しく、毛羽等が発生しやすいため、中空ヒーターが好ましく用いられる。
【0036】
製織性を向上させために、交絡ノズル11によって交絡を付与することは好ましく行われる。また、集束性を向上させる方法としては撚糸、追油等の方法があり、必要に応じて用いればよい。
【0037】
【実施例】
以下実施例により本発明をより詳細に説明する。なお実施例中の各特性値は次の方法で求めた。
A.熱水収縮率
枠周0.5mの検尺機を用い、繊度(tex)×8.82mNの初荷重をかけ60回/分の速度で巻き返し、巻き数10回の小カセをつくり、初荷重の20倍の荷重をかけてカセ長をはかる。次に荷重をはずし、試料を98℃の熱水中に15分間浸漬した後取り出し、自然乾燥し再び荷重をかけてカセ長をはかり次の式により熱水収縮率を算出した。
【0038】
熱水収縮率(%)={(L0−L1)/L0}×100
ここで、L0:浸漬前の長さ(mm)
L1:風乾後の長さ(mm)
ただし、高伸度マルチフィラメントと低伸度マルチフィラメントは予め、分離したものを用い、繊度として各マルチフィラメントの繊度を用いる。
B.強伸度・ヤング率
強伸度、ヤング率、はJIS L1013に準じオリエンテック社製テンシロンUCT−100を用いて測定した。ただし、高伸度マルチフィラメントは予め、分離したものを用い、繊度として高伸度マルチフィラメントの繊度を用いる。
C.複屈折率
複屈折率はOLYMPUS社製BH−2偏光顕微鏡を用いレターデーションΓと光路長dより複屈折率=Γ/dを求めた。なお、dは繊維中心でのΓと繊維径より求めた。
D.10%伸長回復率
試料を自記記録装置付定速伸長形引張試験機を用い、dtex当たり0.029cNの初荷重をかけた状態で20cmのつかみ間隔に取り付け、引張速度を、つかみ間隔の10%にして10%の伸度まで引き伸ばす。直ちに、同じ速度で除重し記録した応力−歪曲線から、伸度10%までの一定伸びをα(α=2cm)、応力が初荷重と等しくなるまで低下した回復伸びをβとすると下式で求められる。
【0039】
10%伸長回復率(%)=β/α×100
[実施例1]
ポリプロピレンテレフタレートポリマーを定法により、紡糸温度260℃で形状が丸形で36孔の口金を用いて、吐出し、3000m/minの紡糸速度で引き取りつつ110℃に加熱された2ゴデーロールで乾熱処理を行い、78dtex、36フィラメントの未延伸糸を巻き取り、次いで1stホットロール温度70℃、延伸倍率1.4倍、2ndホットロール温度130℃、延伸速度600m/minで延伸した後、スピンドル巻き取り装置を用いて巻き取り、56dtex、36フィラメントの延伸糸を得た。延伸糸の物性を表1に示す。この延伸糸を図1のポリプロピレンテレフタレート供給原糸1bとして用いた。一方、ポリエチレンテレフタレートポリマーを定法により溶融紡糸し、94dtex、48フィラメントの高配向未延伸糸として巻き取り、ポリエチレンテレフタレート供給原糸1aとして用いた。高配向未延伸糸の物性は表1に示す。図1の装置を用いて、表2に示す加工条件にて延伸仮撚加工を行った。1stヒーター5としては2.5mの接触式ヒーターを用い、2ndヒーター9として1m中空ヒーターを用いた。交絡ノズル3および11は、共に圧空圧0.29MPaにて交絡を付与した。
[実施例2]
ポリプロピレンテレフタレートポリマーを定法により、紡糸温度260℃で形状が丸形で36孔の口金を用いて、吐出し、3000m/minの紡糸速度で引き取りつつ110℃に加熱された2ゴデーロールで乾熱処理を行い、156dtex、72フィラメントの未延伸糸を巻き取り、ポリプロピレンテレフタレート供給原糸1bとして用いた。本供給原糸の物性を表1に示す。一方、ポリエチレンテレフタレートポリマーを定法により溶融紡糸し、141dtex、72フィラメントの高配向未延伸糸として巻き取り、ポリエチレンテレフタレート供給原糸1aとして用いた。高配向未延伸糸の物性は表1に示す。実施例1と同じ装置を用いて、表2に示す加工条件にて延伸仮撚加工を行った。交絡ノズル3および11は、共に圧空圧0.29MPaにて交絡を付与した。
[実施例3]
実施例2と同一のポリプロピレンテレフタレート未延伸糸を供給原糸1bとして用い、一方、ポリエチレンテレフタレートポリマーを定法により溶融紡糸し、111dtex、48フィラメントの未延伸糸として巻き取り、ポリエチレンテレフタレート供給原糸1aとして用いた。未延伸糸の物性は表1に示す。実施例1と同じ装置を用いて、表2に示す加工条件にて延伸仮撚加工を行った。交絡ノズル3および11は、共に圧空圧0.29MPaにて交絡を付与した。
【0040】
実施例1〜3の複合延伸仮撚糸は糸長差がなく、ほとんど捲縮は消えてフラットな糸形態であった。また、加工は安定して行うことが可能であった。仮撚糸の物性を表3に示した。
[比較例1]
実施例1と同一のポリプロピレンテレフタレート延伸糸を供給原糸1bとして用い、一方、ポリエチレンテレフタレートポリマーを定法により紡糸速度3000m/minで溶融紡糸し、89dtex、24フィラメントの高配向未延伸糸(複屈折率26×10-3)として巻き取り、次いで1stホットロール温度85℃、1.7倍にて延伸倍率した後、220℃の中空ヒーターを用いて30%のリラックス熱処理(加熱時間0.1秒)を行い、スピンドル巻き取り装置を用いて巻き取り、67dtexの延伸糸を得て、ポリエチレンテレフタレート供給原糸1aとして用いた。延伸糸の物性は表1に示す。上記2糸条を引き揃えて、交絡ノズルを用いて、混繊糸を得た。混繊糸の物性を表3に示した。
[比較例2]
実施例1と同じ供給原糸1aと、供給原糸1bとしてポリエチレンテレフタレート延伸糸(83dtex、36フィラメント)を用いた。供給原糸の物性は表1に示す。実施例1と同じ装置を用い、表2に示すように条件で延伸仮撚加工を行った。交絡ノズル3および11は、共に圧空圧0.29MPaにて交絡を付与した。比較例2の複合延伸仮撚糸は糸長差がなく、ほとんど捲縮は消えてフラットな糸形態であり、実施例と同様な形態をとっていた。また、加工は安定して行うことが可能であった。仮撚糸の物性を表3に示した。
[比較例3]
実施例1と同じ供給原糸1a、1bを用い、実施例1と同じ装置を用い、表2に示すように実施例1と同じ条件で延伸仮撚した後、2ndヒーター温度を100℃とする熱処理を行った。交絡ノズル3および11は、共に圧空圧0.29MPaにて交絡を付与した。加工は共に安定して行うことが可能であったが、低伸度マルチフィラメントに対して高伸度マルチフィラメントの糸長が長く、嵩高いものであった。また、延伸仮撚時に付与された高伸度マルチフィラメントの捲縮はほとんど消えず残っていた。仮撚糸の物性を表3に示した。
[比較例4]
実施例2と同一のポリプロピレンテレフタレート未延伸糸を供給原糸1bとして用い、一方、ポリエチレンテレフタレートポリマーを定法により溶融紡糸し、145dtex、72フィラメントの高配向未延伸糸として巻き取り、ポリエチレンテレフタレート供給原糸1aとして用いた。高配向未延伸糸の物性は表1に示す。実施例1と同じ装置を用いて、表2に示す加工条件にて延伸仮撚加工を行った。交絡ノズル3および11は、共に圧空圧0.29MPaにて交絡を付与した。比較例4の複合延伸仮撚糸は糸長差がなく、ほとんど捲縮は消えてフラットな糸形態であり、実施例と同様な形態を取っていた。また、加工は安定して行うことが可能であった。仮撚糸の物性を表3に示した。
【0041】
実施例および比較例の加工糸について製品評価を行うために83dtex、24フィラメントのポリエチレンテレフタレート延伸糸(撚糸:200T/m)を用いて表4に示すように整経し、緯糸として上記実施例1〜3および比較例1〜4の糸を500T/mの撚糸を施した後、表4に示すように、打ち込んでそれぞれ製織し、生機を得た(織組織:1/2綾)。
【0042】
織り上がった生機をリラックス精練、中間セット、染色、仕上げセットと通常の染色工程を通した。
【0043】
実施例1〜3では高伸度マルチフィラメントが外側に糸長差を持って現れ、優れた嵩高性を発現し、軽量感を有しながら、さらに適度なストレッチ特性を有しており、着用快適性に有効であることが明らかになった。これは、織物中で芯糸として存在している低伸度マルチフィラメントであるポリプロピレンテレフタレートによる効果であることが判明した。また、低温で延伸仮撚しているため、断面変形が小さく、織物はまろやかな光沢を有し、さらに高伸度マルチフィラメントのヤング率が低いために表面タッチもやわらかく、優れた風合いを有していた。一方、比較例1は、実施例と同様に優れた嵩高性を有しており、ストレッチ特性、織物表面風合いも優れたものであったが、手持ち感として芯のある風合いが存在していた。これは、比較例1では低伸度マルチフィラメントとしてポリプロピレンテレフタレート延伸糸を用いており、織物中で針金状に突っ張った形態をとっているためと考えられる。これに比べて実施例1〜3は芯のない風合いとなっており、緩やかながらも織物中で低伸度マルチフィラメントが捲縮発現して繊維間空隙を形成しているためと考えられる。また、比較例2では低伸度マルチフィラメントがポリエチレンテレフタレート繊維であるため、ストレッチ性がほとんどないものであった。高伸度マルチフィラメントの収縮が大きすぎて硬い風合いとなった。比較例3および4でも高伸度と低伸度マルチフィラメント間の収縮率差がほとんど発現しないために糸長差が地厚感に乏しく、硬い風合いとなった。
【0044】
【表1】
【0045】
【表2】
【0046】
【表3】
【0047】
【表4】
【0048】
【発明の効果】
織編物としたとき、膨らみ、表面タッチの柔らかさを有し、ポリプロピレンテレフタレート繊維を複合仮撚糸の芯糸に配置することにより優れたストレッチ特性を生かすことが可能となり、さらに織物中で潜在的な捲縮を発現させて、手持ち感として芯のない優れた風合いを表現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る延伸仮撚装置の一例を説明するための概略図である。
【符号の説明】
1a:ポリエチレンテレフタレート供給原糸
1b:ポリプロピレンテレフタレート供給原糸
2:フイードローラ
3:交絡ノズル
4:1stフィードローラ
5:1stヒーター
6:冷却板
7:ツイスター
8:2ndフィードローラ
9:2ndヒーター
10:3rdフィードローラ
11:交絡ノズル
12:4thフィードローラ
13:ワインダー
Claims (2)
- 少なくとも下記(1)および(2)に示す2種のマルチフィラメントから構成されていることを特徴とするポリエステル複合仮撚糸。
(1)高伸度マルチフィラメント:60%以上の伸度を有し、ヤング率が12〜35cN/dtexであるポリエチレンテレフタレート繊維。
(2)低伸度マルチフィラメント:20〜50%の伸度を有し、熱水収縮率が15%以下でかつ、高伸度マルチフィラメントの値よりも、2〜15%高いポリプロピレンテレフタレート繊維。 - 少なくとも下記(1)および(2)に示す2種のマルチフィラメントを含み、これらのマルチフィラメントを引き揃えた後に、室温〜80℃の温度で加熱しながら延伸同時仮撚を行った後、130℃以上の温度で熱処理することを特徴とするポリエステル複合仮撚糸の製造方法。
(1)高伸度マルチフィラメント:複屈折率5×10-3〜60×10-3のポリエチレンテレフタレート繊維。
(2)低伸度マルチフィラメント:高伸度マルチフィラメントとの伸度差が60〜250%である複屈折率30×10-3〜70×10-3のポリプロピレンテレフタレート繊維。
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