JP7205155B2 - 融着延伸仮撚加工糸 - Google Patents

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本発明は、ドライ感に優れながら、かつハリコシが柔らかく、肌触りソフトな天然繊維調の編織物が得られる融着延伸仮撚加工糸に関する。
合成繊維は、機械的特性をはじめ、様々な優れた特性から一般衣料用分野に広く利用されている。ポリエステルにおいては、編織物にした際に天然繊維のような外観を表現する素材として、また清涼感のある麻調風合いの素材として、融着延伸仮撚加工糸が多く提案されている。これらは仮撚加工時に撚り方向と同一方向の実撚部と、撚り方向と反対方向の実撚部、もしくは嵩高捲縮部が糸条長手方向に交互に存在させた加工糸である。この長手方向の形態変化により、視覚的には天然繊維のようなランダム感・ナチュラル感を表現でき、また機能面では、強撚糸調の糸条形態により、ハリコシ、ドライ感のある清涼素材となる。その中でも、撚り形態や実撚部の存在比率をコントロールすることで、ハリコシ感、ドライ感を付与させた融着仮撚加工糸が種々提案されている(例えば特許文献1、特許文献2、特許文献3)。しかしながら、いずれの加工糸も実撚部が多く存在すること、捲縮部の嵩高性・ソフト性が乏しいことから、編織物ではハリコシが強く、肌触りも硬い素材となる。また捲縮部の嵩高性を向上させた形態としながら、さらに実撚部分の平均長さや、バラツキをコントロールすることで、布帛の風合いや外観を変化させた加工糸も種々提案されているが、いずれにおいても強撚調の実撚部によりハリコシが強く、肌触りは硬いといった課題が残る(例えば特許文献4、特許文献5、特許文献6、特許文献7)。
特開2007-162180号公報 特開2000-303287号公報 特開2014-25189号公報 特開2008-121179号公報 特開2017-115266号公報 特開2013-181250号公報 特開昭59-47739号公報
本発明は、ドライ感に優れながら、かつハリコシが柔らかく、肌触りソフトな天然繊維調の編織物が得られる融着延伸仮撚加工糸を提供することである。
上記課題を解決するため、融着延伸仮撚加工糸の糸条形態を鋭意検討した。
その結果、本発明は融着延伸仮撚加工糸において、糸条長手方向に加撚方向の実撚りを有する未解撚部と、該未解撚部と反対方向の撚りを有するオーバー解撚部を有し、かつ下記(1)~(5)の特性を満足することで課題解決に至ったものである。
(1)オーバー解撚部は嵩高捲縮の形態
(2)糸条1m当たりに存在する、各未解撚部分の長さをL1~Lnとし、平均未解撚長L=(L1+L2・・・Ln)/nとしたとき、1.5mm≦L≦18.0mm
(3)糸条長手方向に未解撚部の占める長さ割合を未解撚比率Pとしたとき、10%≦P≦41%
(4)未解撚部の平均外径をd、オーバー解撚部の平均外径をDとし、外径変化率Y={(D-d)/d}×100としたとき、40%≦Y≦150%
(5)未解撚部の糸条表層において、糸条を構成する単フィラメント間に5μm以上の間隔となる融着抑制部を5個/m以上存在する
本発明の融着延伸仮撚糸の好ましい様態によれば、糸中に無機粒子を含有する。
本発明の融着延伸仮撚糸の好ましい様態によれば、糸中に含有する無機粒子が酸化チタンである。
本発明の融着延伸仮撚糸の好ましい様態によれば、糸中の酸化チタン含有量が1.0~3.0wt%である。
本発明の融着延伸仮撚加工糸により、ドライ感に優れながら、かつハリコシが柔らかく、肌触りソフトな天然繊維調の編織物を提供できる。
図1は、本発明の融着延伸仮撚加工糸を例示説明するための模式側面図である。 図2は、本発明の融着延伸仮撚加工糸の融着抑制部を例示説明するための模式側面図である。 図3は、本発明の融着延伸仮撚加工糸の加工機を説明するための概略図である。
本発明の融着延伸仮撚加工糸は、仮撚加工中に糸条を加熱することにより、単フィラメントが部分的に融着し、撚りが固定、集束した撚り方向と同一方向の実撚りを有する未解撚部(図1-1)と、加撚方向とは反対方向に解撚された嵩高捲縮を有するオーバー解撚部(図1-2)が、糸条の長手方向に交互に存在している。
本発明の融着延伸仮撚加工糸において、未解撚部の平均長さである平均未解撚長Lは1.5~18.0mmであり、好ましくは2.0~16.0mmである。平均未解撚長Lが1.5mmより短い場合は、強撚調の未解撚部が不足するためドライ感がなくなる。また18.0mmより長い場合は、オーバー解撚部より相対的に剛直である未解撚部が、糸条長手に分散されていないため、ハリコシが強くなってしまう。
本発明の融着延伸仮撚加工糸において、未解撚部が占める長さ割合である未解撚比率Pは、10~41%であり、好ましくは12~38%である。未解撚比率Pが10%を下回る場合、融着延伸仮撚加工糸特有のドライ感が感じられない。未解撚比率が41%を上回る場合、オーバー解撚部に対して相対的に剛直である未解撚部の存在比率が高いため、ハリコシが強すぎる。
本発明の融着延伸仮撚加工糸において、未解撚部の平均外径をd、オーバー解撚部の平均外径をDとした外径変化率Y={(D-d)/d}×100としたときの外径変化率Yは、40~150%であり、好ましくは45~145%である。外径変化率Yが45%未満の場合、オーバー解撚部の嵩高捲縮が感じられず、肌触りが硬くなってしまう。また150%を超える場合、逆に強撚調の未解撚部が感じられず、ドライ感がなくなる。
本発明の融着延伸仮撚加工糸の未解撚部の糸条表層において、糸条を構成する単フィラメント間に5μm以上の間隔となる融着抑制部(図2-3)が5個/m以上存在している。好ましくは7個/m以上である。融着抑制部が5個未満の場合、未解撚部のハリコシが強くなり、またオーバー解撚部に残存する融着部も多いため、肌触りも硬くなってしまう。
本発明の融着延伸仮撚糸は、糸中に無機粒子を含有することが好ましい。無機粒子を含有させることで、単フィラメント表面に微少な隆起が発現するため、肌との接触の際に低摩擦となり、より肌触りがソフトになる。また単フィラメント同士でも低摩擦化となるため、オーバー解撚部からくる嵩高感、ソフト感が助長され、肌触りもよりソフトになる。有機系の剤を用いた際も表面隆起を施すことが可能であるが、無機粒子機の方が未解撚部の融着抑制部が発現しやすく、ハリコシがより柔らかくなるため好ましい。
本発明の融着延伸仮撚糸は、糸中に含有する無機粒子が酸化チタンであることが好ましい。糸中への分散性や粒子径、二次凝集径の観点で、酸化チタンが安定して表面隆起を発現でき、また融着抑制部も発現しやすい。
本発明の融着延伸仮撚糸は、糸中の酸化チタン含有量が1.0~3.0wt%であることが好ましい。酸化チタン含有量を1.0wt%以上にすることで、単フィラメント表面の隆起の量、分散状態、未解撚部の融着抑制部の頻度が最適となり、ドライ感に優れながらも、理想的なハリコシの柔らかさ、肌触りのソフト感が発現される。酸化チタンの含有量は多い方が、ハリコシ、肌触り共にソフトになるため良好であるが、糸切れによる不具合など、安定した生産性を考慮すると3.0wt%以下が好ましい。
次に、本発明の融着仮撚加工糸の製造方法を記載する。本発明に用いる原料ポリマーはポリエステルであることが好ましく、特に機械的性質と布帛風合いの観点から、ポリエチレンテレフタレートが好適に使用できる。これらは常法により溶融紡糸を行うことで、部分配向未延伸糸(マルチフィラメント)を得ることができる。すなわち、部分配向未延伸糸は、原料ポリマーを好ましくは275~300℃の温度で溶融し、紡糸口金から吐出し、糸条を形成させ、冷却風を吹き付けることによって糸条を冷却して、収束した後、油剤と交絡を付与し、巻取ったパッケージとすることができる。部分配向未延伸糸は、一般的に紡速2000~4000m/分の速度条件で紡糸、巻取られたパッケージのことであり、ポリマー分子鎖の配向が進んでいる部分とそうでない部分が混在した状態ではなく、糸条長手方向で均一な分子鎖の配向状態である。また多数の単フィラメントからなるマルチフィラメントであり総繊度、および単フィラメント数は任意に採用できる。さらには本発明の目的を逸脱しない範囲で、第2成分や第3成分を共重合させてもよい。糸中への有機物添加、無機粒子添加も可能であり、原料ポリマーに高濃度に含有させたマスターバッチを用いた紡糸方法や、無機粒子に関しては溶融直前に粉体として添加する紡糸方法など、任意の方法が採用できる。また繊維の断面形状は丸断面以外に扁平や楕円、2葉~8葉を持った異形断面形状としてもよい。上記の製造方法により得られた部分配向未延伸糸は、延伸仮撚り時の品位安定、操業性の観点から残留伸度が110~210%であることが好ましく、また部分配向未延伸糸の総繊度についても、品位安定の観点から250dtex以下であることが好ましい。
次いで、部分配向未延伸糸を延伸仮撚加工することにより、本発明の融着延伸仮撚加工糸を得ることができる。図3は、本発明の融着延伸仮撚加工糸の加工機を説明するための概略図である。通常、延伸仮撚加工は部分配向未延伸糸を第1フィードローラー(図3-5)と第2フィードローラー(図3-9)間で延伸しながら仮撚りを施す加工方法であり、糸条は加熱されながら加撚され、その後、解撚されて嵩高な風合いとなる。仮撚方法は回転型フリクションディスク(図3-8)に糸条を接触させて撚りを掛ける。本発明の融着延伸仮撚加工糸は、部分配向未延伸糸を延伸仮撚加工する際に、第1ヒーター(図3-6)温度をポリマー融点近傍の温度にて仮撚加工することにより、単フィラメント間で部分的な融着が発現し、撚りが固定された未解撚部となる。また単フィラメント間の融着が弱い部分は、解撚時に融着が解かれるため捲縮嵩高となり、さらに未解撚の存在により過剰に解撚されたオーバー解撚部が形成される。その後、第2ヒーター(図3-10)を用いて糸条のトルクを除去してパッケージに巻き取る。またパッケージに巻き取る直前に第3フィードローラー(図3-11)と第4フィードローラー(図3-12)間で糸条に張力を掛けて、未解撚部の融着抑制部をコントロールすることも可能であり、これらの条件について最適なバランスを採用することで、ドライ感を有しながらもハリコシ柔らかく、ソフトな肌触りの編織物が得られる加工糸となる。
具体的な製造方法の一例として、第1ヒーター温度は、融着性と操業性の観点から、230~249℃が好ましい。第1ヒーター温度は、更に好ましくは232~247℃である。フリクションディスクの使用枚数は3枚以上とすることが好ましい。フリクションディスクを3枚以上とすることで、個々錘でのバラツキが少なく、融着抑制部が適度にある未解撚部を安定して形成できる。延伸倍率は部分配向未延伸糸の配向程度や残留伸度に左右されるが1.25~1.70倍が好ましい。第2ヒーターにてトルクを除去した後、第3フィードローラーと第4フィードローラーの間で0%、もしくは-10~1%のオーバーフィード率にて微少延伸してパッケージに巻取る。
上記の製造方法により得られた融着延伸仮撚加工糸は、残留伸度18~50%の範囲であることが好ましく、さらに好ましくは20~45%である。また総繊度については、170dtex以下が好ましく、さらに好ましくは150dtex以下である。
次に、実施例により本発明の融着仮撚加工糸について、詳細に説明する。実施例と比較例中に使用した各測定値と評価は、次の測定法により求めた。また、全ての測定値は測定を3回行い、その平均値とした。
<平均未解撚長L、未解撚比率P>
平均未解撚長L、および未解撚比率Pは、東レエンジニアリング株式会社製のFPD-500にて、測定条件を測定速度3.0m/分、測定長6.0mとし、加撚方向に撚りを300T/m付与しながら、マルチフィラメントの外径が小さい未解撚部と、マルチフィラメントの外径が大きいオーバー解撚部とを、光センサーにて判別し、出力した値である。
<外径変化率Y>
外径変化率Yは、東レエンジニアリング株式会社製のFPD-500にて、測定条件を測定速度3.0m/分、測定長6.0mとし、加撚方向に撚りを300T/m付与しながら、未解撚部の外径の平均値dと、オーバー解撚部の外径の平均値Dとを用いて以下の式にて算出した。
外径変化率Y={(D-d)/d}×100
<融着抑制部>
融着抑制部は、マイクロスコープにて、未解撚部を1m観測し、未解撚部表層の単フィラメント間で5μm以上の間隔となる融着抑制部の観測数を数えて算出した。
<無機粒子および酸化チタン含有量>
酸化チタン含有量は、加工糸5gを磁性ルツボに入れ、電気炉を用いて1000℃で灰化し、灼熱残分を重量%で表して無機粒子および酸化チタン粒子の含有量とした。
<ドライ感、ハリコシ、肌触りソフト>
本発明の加工糸を使用した織物を作製し、ドライ感、ハリコシ、肌触りのソフト感について、官能評価を実施した。ブランクとして比較例1の加工糸にて作製した織物を用い、10人のパネラーに10点満点で採点してもらい以下の4段階で評価し、○以上を合格とした。
○○:10人のパネラーの平均値が9点以上
○ :10人のパネラーの平均値が7点以上9点未満
△ :10人のパネラーの平均値が5点以上7点未満
× :10人のパネラーの平均値が5点未満 。
(実施例1)
無機粒子として酸化チタン2.2wt%含有のフルダルポリマーを、36ホールの紡糸口金を使用して、溶融温度284℃、紡糸速度2900m/分で溶融紡糸して148dtex-36フィラメント、残留伸度が165%のポリエチレンテレフタレートの部分配向未延伸糸を得た。フリクションディスク5枚を用いて、第1ヒーター温度を247℃、第1フィードローラーと第2フィードローラー間の延伸倍率を1.47倍、第3フィードローラーと第4フィードローラー間のフィード率を0%とした条件にて延伸仮撚を実施し、繊度100dtexの融着延伸仮撚加工糸を得た。得られた加工糸の残留伸度は30%、平均未解撚長Lは12.4mm、未解撚比率Pは37%、外径変化率Yは51、融着抑制部の数は5個/mであった。これらを用いて製作した織物はドライ感、ハリコシ良好で、かつ、肌触りもソフトな織物を得た。結果を表1に示す。
(実施例2)
仮撚条件を1HT温度245℃、第3フィードローラーと第4フィードローラー間のフィード率を-6%とした以外は実施例1と同様の条件にて延伸仮撚を実施した結果、得られた加工糸の残留伸度は24%、平均未解撚長Lは6.5mm、未解撚比率Pは25%、外径変化率Yは80、融着抑制部の数は20個/mであった。これらを用いて製作した織物はドライ感、ハリコシ良好で、かつ、肌触りもソフトな織物を得た。結果を表1に示す。
(実施例3)
酸化チタン含有量を0.3wt%とした以外は実施例2と同様の条件にて延伸仮撚を実施した結果、得られた加工糸の残留伸度は23%、平均未解撚長Lは7.5mm、未解撚比率Pは29%、外径変化率Yは75、融着抑制部の数は10個/mであった。これらを用いて製作した織物はドライ感、ハリコシ良好で、かつ、肌触りもソフトな織物を得た。結果を表1に示す。
(実施例4)
紡糸時に72ホールの紡糸口金を使用し、紡糸条件を紡糸速度2800m/分、仮撚条件の1HT温度243℃とした以外は、実施例1と同様の条件にて延伸仮撚を実施した結果、得られた加工糸の残留伸度は28%、平均未解撚長Lは7.1mm、未解撚比率Pは33%、外径変化率Yは45、融着抑制部の数は17個/mであった。これらを用いて製作した織物はドライ感、ハリコシ良好で、かつ、肌触りもソフトな織物を得た。結果を表1に示す。
(実施例5)
仮撚条件の1HT温度247℃とした以外は、実施例4と同様の条件にて延伸仮撚を実施した結果、得られた加工糸の残留伸度は24%、平均未解撚長Lは14.3mm、未解撚比率Pは40%、外径変化率Yは53、融着抑制部の数は9個/mであった。これらを用いて製作した織物はドライ感、ハリコシ良好で、かつ、肌触りもソフトな織物を得た。結果を表1に示す。
(実施例6)
仮撚条件の1HT温度235℃とした以外は、実施例4と同様の条件にて延伸仮撚を実施した結果、得られた加工糸の残留伸度は36%、平均未解撚長Lは4.4mm、未解撚比率Pは15%、外径変化率Yは119、融着抑制部の数は44個/mであった。これらを用いて製作した織物はドライ感、ハリコシ良好で、かつ、肌触りもソフトな織物を得た。結果を表1に示す。
(実施例7)
仮撚条件のフリクションディスクの枚数を3枚とした以外は、実施例5と同様の条件にて延伸仮撚を実施した結果、得られた加工糸の残留伸度は34%、平均未解撚長Lは17.8mm、未解撚比率Pは39%、外径変化率Yは41、融着抑制部の数は6個/mであった。これらを用いて製作した織物はドライ感、ハリコシ良好で、かつ、肌触りもソフトな織物を得た。結果を表1に示す。
(実施例8)
酸化チタン含有量を1.0wt%とし、仮撚条件の第3フィードローラーと第4フィードローラー間のフィード率を-6%とした以外は、実施例6と同様の条件にて延伸仮撚を実施した結果、得られた加工糸の残留伸度は33%、平均未解撚長Lは1.6mm、未解撚比率Pは11%、外径変化率Yは147、融着抑制部の数は55個/mであった。これらを用いて製作した織物はドライ感、ハリコシ良好で、かつ、肌触りもソフトな織物を得た。結果を表1に示す。
(実施例9)
無機粒子に酸化亜鉛を用いたこと以外は、実施例4と同様の条件にて延伸仮撚を実施した結果、得られた加工糸の残留伸度は22%、平均未解撚長Lは7.5mm、未解撚比率Pは32%、外径変化率Yは50、融着抑制部の数は22個/mであった。これらを用いて製作した織物はドライ感、ハリコシ良好で、かつ、肌触りもソフトな織物を得た。結果を表1に示す。
(実施例10)
有機系の含有物として架橋型のポリメタクリル酸メチルを用いたこと以外は、実施例4と同様の条件にて延伸仮撚を実施した結果、得られた加工糸の残留伸度は24%、平均未解撚長Lは9.0mm、未解撚比率Pは27%、外径変化率Yは61、融着抑制部の数は30個/mであった。これらを用いて製作した織物はドライ感、ハリコシ良好で、かつ、肌触りもソフトな織物を得た。結果を表1に示す。
(実施例11)
酸化チタンを含有しないこと以外は、実施例4と同様の条件にて延伸仮撚を実施した結果、得られた加工糸の残留伸度は25%、平均未解撚長Lは9.0mm、未解撚比率Pは35%、外径変化率Yは58、融着抑制部の数は20個/mであった。これらを用いて製作した織物はドライ感、ハリコシ良好で、かつ、肌触りもソフトな織物を得た。結果を表1に示す。
Figure 0007205155000001
(比較例1)
酸化チタン含有量を0.3wt%とし、仮撚条件を1HT温度250℃として融着抑制部の数を3個/mとした以外は実施例1と同様の条件にて延伸仮撚を実施した結果、得られた加工糸の残留伸度は28%、平均未解撚長Lは10.5mm、未解撚比率Pは39%、外径変化率Yは44、融着抑制部の数は3個/mであった。これらを用いて製作した織物はハリコシ、肌触りとも硬かった。結果を表2に示す。
(比較例2)
仮撚条件の1HT温度250℃とした以外は実施例4と同様の条件にて延伸仮撚を実施した結果、得られた加工糸の残留伸度は18%、平均未解撚長Lは10.0mm、未解撚比率Pは42%、外径変化率Yは43、融着抑制部の数は5個/mであった。これらを用いて製作した織物はハリコシ、肌触りとも硬かった。結果を表2に示す。
(比較例3)
仮撚条件の1HT温度247℃とし、フリクションディスクの枚数を2枚とした以外は比較例2と同様の条件にて延伸仮撚を実施した結果、得られた加工糸の残留伸度は38%、平均未解撚長Lは18.3mm、未解撚比率Pは40%、外径変化率Yは41、融着抑制部の数は4個/mであった。これらを用いて製作した織物は肌触りが硬かった。結果を表2に示す。
(比較例4)
仮撚条件の1HT温度229℃とした以外は比較例2と同様の条件にて延伸仮撚を実施した結果、得られた加工糸の残留伸度は51%、平均未解撚長Lは1.4mm、未解撚比率Pは13%、外径変化率Yは135、融着抑制部の数は45個/mであった。これらを用いて製作した織物はドライ感がなかった。結果を表2に示す。
(比較例5)
仮撚条件の第3フィードローラーと第4フィードローラー間のフィード率を-6%とした以外は比較例4と同様の条件にて延伸仮撚を実施した結果、得られた加工糸の残留伸度は45%、平均未解撚長Lは1.2mm、未解撚比率Pは9%、外径変化率Yは154、融着抑制部の数は78個/mであった。これらを用いて製作した織物はドライ感がなかった。結果を表2に示す。
(比較例6)
酸化チタン含有量を0.9wt%とした以外は比較例2と同様の条件にて延伸仮撚を実施した結果、得られた加工糸の残留伸度は22%、平均未解撚長Lは9.5mm、未解撚比率Pは42%、外径変化率Yは41、融着抑制部の数は3個/mであった。これらを用いて製作した織物はハリコシ、肌触りとも硬かった。結果を表2に示す。
Figure 0007205155000002
1:未解撚部
2:オーバー解撚部
3:融着抑制部
4:部分配向未延伸糸
5:第1フィードローラー
6:第1ヒーター
7:冷却装置
8:フリクションディスク
9:第2フィードローラー
10:第2ヒーター
11:第3フィードローラー
12:第4フィードローラー
13:融着延伸仮撚加工糸

Claims (4)

  1. 糸条長手方向に加撚方向の実撚りを有する未解撚部と、該未解撚部と反対方向の撚りを有するオーバー解撚部を有し、かつ下記(1)~(5)の特性を満足する融着延伸仮撚加工糸。
    (1)オーバー解撚部は嵩高捲縮の形態
    (2)糸条1m当たりに存在する、各未解撚部分の長さをL1~Lnとし、平均未解撚長L=(L1+L2・・・Ln)/nとしたとき、1.5mm≦L≦18.0mm
    (3)糸条長手方向に未解撚部の占める長さ割合を未解撚比率Pとしたとき、10%≦P≦41%
    (4)未解撚部の平均外径をd、オーバー解撚部の平均外径をDとし、外径変化率Y={(D-d)/d}×100としたとき、40%≦Y≦150%
    (5)未解撚部の糸条表層において、糸条を構成する単フィラメント間に5μm以上の間隔となる融着抑制部が5個/m以上存在する
  2. 糸中に無機粒子を含有することを特徴とする請求項1記載の融着延伸仮撚加工糸。
  3. 糸中に含有する無機粒子が酸化チタンであることを特徴とする請求項2記載の融着延伸仮撚加工糸。
  4. 糸中の酸化チタン含有量が1.0~3.0wt%であることを特徴とする請求項3記載の融着延伸仮撚加工糸。
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