JP2014189915A - ポリエステル延伸仮撚加工糸 - Google Patents

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Abstract

【課題】ポリエステル延伸仮撚加工糸の製造に際して紡糸、延伸仮撚工程での毛羽、糸切れの発生がなく、また布帛の製造に際しては編織工程での糸条および織編機の擦過、摩耗がなく、原糸から布帛の製造までを通して操業を良好に維持しつつ、布帛にした際に良好な防透け性を発現できるポリエステル延伸仮撚加工糸の提供。
【解決手段】無機粒子を2.1〜3.8重量%含有したポリエチレンテレフタレートからなるマルチフィラメントであり、マルチフィラメント全単繊維の横断面が4個の凸部を有する断面形状、かつマルチフィラメント全単繊維の15〜55%が3個の凹部を有する断面形状であり、マルチフィラメント全単繊維の50%以上が繊維軸に180°以上のねじれを3個/mm以上有することを特徴とするポリエステル延伸仮撚加工糸である。
【選択図】図1

Description

本発明は、防透け性が良好なポリエステル延伸仮撚加工糸に関する。
合成繊維は、機械的性質等の様々な優れた特性から一般衣料用途をはじめ各種分野に広く利用されている。特に衣料用途では、近年、スポーツ分野で用いられるウェアー、医療分野で用いられる白衣等、防透け性を向上させた透けない素材が求められている。
ポリエステル繊維においても防透け性を向上させるには、旧来より繊維に無機粒子を含有させて、光の透過を抑制することが有効であることが知られている。かかる原則を応用する提案として特許文献1がある。しかしながら、防透け性を向上させるには無機粒子を高濃度に含有させる必要があり、ポリエステル延伸仮撚加工糸を製造する際の紡糸、延伸仮撚工程での糸切れ、毛羽の発生と編織工程での糸条および織編機が擦過、摩耗する課題がある。
一方で無機粒子を含有させたポリエステル繊維として単繊維の横断面形状を異形化することによる防透け性を向上させた提案として特許文献2がある。また防透け性を付与させる以外にも繊維糸条間に空隙を向上させて毛細管現象を利用して吸水、速乾性を付与することによりドライ感を向上させる提案として特許文献3、4、5がある。しかしながらいずれもの提案も防透け性を満足させるには無機粒子を高濃度に含有させる必要があり、紡糸、延伸仮撚工程での糸切れ、毛羽を誘発する課題がある。対して無機粒子の低濃度に含有させた場合は防透け性が低下してしまう課題を残している。
特開2007−247085号公報 特開平8−218247号公報 特開2007−09369号公報 特開2004−346461号公報 特開2010−84270号公報
本発明の課題は、上記従来の問題点を解決しようとするものであり、紡糸、延伸仮撚、織編工程での操業性を良好に維持しつつ、防透け性の良好な織編物を実現できるポリエステル延伸仮撚加工糸を提供することにある。
本発明は、上記課題を解決するため、ポリエステル延伸仮撚加工糸を構成するマルチフィラメントについて、その横断面形状と繊維軸方向の糸条形態を鋭意検討した結果、実現できたものであり、本発明のポリエステル延伸仮撚加工糸は、無機粒子を2.1〜3.8重量%含有したポリエチレンテレフタレートからなるマルチフィラメントであり、マルチフィラメント全単繊維の横断面が4個の凸部を有する断面形状、かつマルチフィラメント全単繊維の15〜55%の横断面に3個の凹部を有する断面形状であり、マルチフィラメント全単繊維の50%以上が180°以上のねじれを3個/mm以上有するポリエステル延伸仮撚加工糸によって、課題解決に至ったものである。
本発明のポリエステル延伸仮撚加工糸の好ましい形態によれば、前記マルチフィラメントの捲縮発現伸長率が7.5〜25.0%である。
本発明のマルチフィラメントの好ましい形態によれば、前記ポリエステル延伸仮撚加工糸を構成する単繊維数が24〜96本である。
本発明のマルチフィラメントの好ましい形態によれば、前記ポリエステル延伸仮撚加工糸の伸縮復元率が17〜60%であり、トルク撚り数が40〜200T/mである。
本発明によればポリエステル延伸仮撚加工糸の製造に際しては紡糸、延伸仮撚工程での毛羽・糸切れの発生がなく、また布帛の製造に際しては編織工程での糸条および織編機の擦過、摩耗を誘発することなく、原糸から布帛の製造までを通して操業を良好に維持しつつ、布帛にした際に良好な防透け性を発現できるポリエステル延伸仮撚加工糸を提供することができる。
本発明のポリエステル延伸仮撚加工糸の横断面形状を例示説明するための模式図 本発明の延伸仮撚加工工程を説明する概略図
本発明のポリエステル延伸仮撚加工糸は、無機粒子を2.1〜3.8質量%含有する。好ましくは2.2〜3.3重量%である。無機粒子が2.1質量%未満では繊維の透過性が低下し、作製した布帛の防透け性が低下する。3.8重量%を越えるような場合は紡糸、延伸仮撚工程および織編工程で糸条と編織機ともに損傷を受けやすく、毛羽・糸切れが発生し、操業性に問題が生じやすくなる。
無機粒子の種類は特に限定されるものではないが、屈折率が1.8以上の無機粒子であることが好ましい。屈折率が1.8以上の無機粒子としては、酸化チタン、酸化亜鉛等が挙げられる。また本発明の目的を逸脱しない範囲で、各種の添加剤などを併用してもよい。例えば難燃剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、赤外線吸収剤および螢光増白剤などが挙げられる。
本発明のポリエステル延伸仮撚加工糸は単成分のポリエチレンテレフタレートからなり、多数の単繊維からなるマルチフィラメントである。用いられるポリエチレンテレフタレートは、ホモポリマーまたはコポリマーからなり、テレフタル酸またはそのエステル形成性誘導体とエチレングリコールから形成されるエステル結合を有する溶融形成可能な重合体である。また本発明の目的を逸脱しない範囲で、第2成分や第3成分を共重合させてもよい。
本発明のポリエステル延伸仮撚加工糸は、マルチフィラメント全単繊維の横断面が4個の凸部を有する断面形状であり、かつマルチフィラメント全単繊維の15〜55%の横断面に3個の凹部を有する断面形状である。好ましくは3個の凹部を有した断面形状は全単繊維の20〜50%である。3個の凹部を有した断面形状が全単繊維の15%未満では光の散乱効果が低下し、作製した布帛の防透け性が低下する。55%を越えるような場合は仮撚加工時に未解撚部が発生しやすくなり、作製した布帛の防透け性は低下する。図1は、本発明のポリエステル延伸仮撚加工糸の横断面形状を例示説明するための模式図であり、(1)4個の凸部を有し、かつ4個の凹部を持つ横断面形状、および(2)4個の凸部を有し、かつ3個の凹部を持つ横断面形状を示す。ここでいう3個の凹部とは、図1に示すとおり、隣り合う凸部の接線を引いた場合に、接線と単繊維の凹部とでなす空間が3個であることである。
本発明のポリエステル延伸仮撚加工糸は、構成するマルチフィラメント全単繊維の50%以上が180°以上のねじれが3個/mm以上存在する。好ましくは構成するマルチフィラメント全単繊維の60%以上が180°以上のねじれが3個/mm以上存在する。180°以上のねじれが3個/mm以上存在する単繊維が構成するマルチフィラメント全単繊維の50%未満では光の散乱効果が低下し、作製した布帛の防透け性が低下する。
本発明のポリエステル延伸仮撚加工糸の横断面形状と単繊維の繊維軸方向のねじれが上記範囲で存在する形状とすることにより、光の散乱効果と単繊維あたりの嵩高性を向上させることを可能とし、布帛にした際に良好な防透け性を発現できるのである。
本発明のポリエステル延伸仮撚加工糸は、捲縮発現伸長率が7.5〜25.0%であることが好ましい。より好ましくは8.0〜23.0%である。捲縮発現伸長率が7.5%以上では糸条の捲縮が光の散乱効果を奏し、作製した布帛の防透け性を向上せしめる。25.0%以下では、加工糸を解舒する際の糸のもつれによる糸切れを防止でき、また布帛にした際の寸法安定性も有することができる。
本発明のポリエステル延伸仮撚加工糸は、糸条を構成する単繊維数が24〜96本であることが好ましい。より好ましくは36〜72本である。単繊維数が24本以上では単位面積あたりの単繊維数が十分となり光の透過を抑制でき、作製した布帛の防透け性を向上せしめることができる。96本以下では紡糸、延伸仮撚の際、糸切れ・毛羽を抑制できる。
本発明のポリエステル延伸仮撚加工糸は、捲縮復元率が17〜60%であることが好ましい。より好ましくは20〜55%である。捲縮復元率が17%以上では糸条の捲縮具合が光の散乱効果を奏し、作製した布帛の防透け性を向上せしめる。60%以下では、布帛にした際の寸法安定性を有することができる。
本発明のポリエステル延伸仮撚加工糸は、トルク撚り数が40〜200T/mであることが好ましい。より好ましくは50〜200T/mである。トルク撚り数が40T/m以上では糸条の捲縮具合が光の散乱効果を奏し、作製した布帛の防透け性を向上せしめる。200T/m以下では、加工糸を解舒する際の糸のもつれによる糸切れを防止できる。
本発明のポリエステル延伸仮撚加工糸により作製された布帛は、防透け性良好な編織物を提供することができ、スポーツウェアー、白衣用途を中心に好適に使用される。
次に、本発明のポリエステル延伸仮撚加工糸の製造方法を記載する。
前記したポリエチレンテレフタレートの原料ポリマーを用いて、溶融紡糸方法を行うことにより、部分配向未延伸糸(マルチフィラメント)を得る。部分配向未延伸糸は、原料ポリマーを好ましくは280℃〜300℃の温度で溶融し、4個の凸部を有した形状の吐出孔を設けた紡糸口金から吐出し、糸条を形成させ、冷却風を吹き付けることによって糸条を冷却して、収束した後、油剤と交絡を付与し、好ましくは紡速2000m/分〜3500m/分の速度で巻き取ったパッケージのことである。部分配向未延伸糸は、ポリマー分子鎖の配向が進んでいる部分とそうでない部分が混在した状態ではなく、糸条長手方向で均一な分子鎖の配向状態である。
次いで、得られた部分配向未延伸糸を延伸仮撚加工することにより、本発明のポリエステル延伸仮撚加工糸を得ることができる。延伸仮撚加工は、マルチフィラメント部分配向未延伸糸を延伸しながら、仮撚を施す加工方法であり、糸条は加熱されながら加撚され、その後、解撚されて嵩高な風合いとなる。本発明のポリエステル延伸仮撚加工糸は、マルチフィラメントを延伸仮撚加工する際に、仮撚ヒーター温度を好ましくは180〜230℃の温度にて糸条を加熱し、加工時の糸速に対するフリクションディスク表面の走行速度を好ましくは1.40〜1.70の範囲で延伸仮撚加工を施すことによりポリエステル延伸仮撚加工糸を横断面形状と単繊維の繊維軸方向のねじれが上記の範囲で存在する形状とすることを可能とし、また仮撚加工時に未解撚部と糸切れの発生がない安定した生産が可能となる。用いるフリクションディスクの材質、構成は特に限定されるものではないが、生産効率の観点からディスクの硬度は90度以上であり、また糸条に捲縮、嵩高性を付与する観点から、3軸回転型ディスクを4枚以上用いた構成であり、ディスク回転軸方向における各々のディスク間隔が0.4〜0.6mmであることが好ましい。また延伸仮撚を施した後に、第2ヒーターを用いて捲縮、トルクの発現具合を任意に調整しても良い。延伸倍率は紡糸速度に影響される部分配向未延伸糸の配向具合に依存するが、1.5〜1.9倍で延伸仮撚を施すことが好ましい。織編の高次通過性の観点から、糸条に対して圧縮エアーにより交絡を付与し、このときの交絡度は、好ましくは20〜250である。交絡度の測定方法は後述する。図2は本発明の延伸仮撚加工工程を説明する概略図である。1は部分配向未延伸糸、2は第1フィードローラー、3は仮撚ヒーター、4はフリクションディスク、5は第2フィードローラー、6は第2ヒーター、7は交絡ノズル、8はポリエステル延伸仮撚加工糸の巻取パッケージである。
次に、実施例により本発明のポリエステル延伸仮撚加工糸について、詳細に説明する。実施例と比較例中に使用した各測定値と評価は、次の測定法により求めた。
<無機粒子の含有量>
ポリエステル延伸仮撚加工糸5gを磁性ルツボに入れ、電気炉を用いて1000℃で灰化し、灼熱残分を無機粒子として重量%で表し無機粒子の含有量とした。
<横断面形状凹凸部の視認>
パラフィン、ステアリン酸、エチルセルロースからなる包理剤を溶解し、ポリエステル延伸仮撚加工糸を導入後室温放置により固化させ、包理剤中の糸条を切断したものをCCDカメラにて撮影し、全単繊維の凹凸部の形状を確認した。糸条1mの3箇所を観測して全単繊維が4個の凸部を有することを確認し、そのうち3個の凹部を有する断面形状の単繊維割合の平均値を算出した。
<全単繊維数>
得られたポリエステル延伸仮撚加工糸を分割し、全単繊維の本数を数えた。
<180°以上のねじれが3個以上/mmの存在する単繊維の割合>
得られたポリエステル延伸仮撚加工糸に銀蒸着を施し、マルチフィラメントの側面を走査型電子顕微鏡(SEM)にて70倍に拡大して視察し、1mmあたり180°以上のねじれが3個以上存在する単繊維を数えた。180°以上のねじれとは、繊維横断面の重心を通る繊維軸方向の繊維断面が、繊維軸に対して垂直方向に180°以上回転するものである。糸条1mの3箇所を確認して1mmあたりに180°以上のねじれが3個以上存在する単糸数を数えて平均値を算出し、全単繊維に対する割合をとった。
<総繊度および単繊維繊度>
ポリエステル延伸仮撚加工糸を解舒張力1/11.1g/dtexで枠周1.0mの検尺機で100回巻き、天秤を用いて重量を測定し、100倍することにより得られた重量を総繊度とした。
得られた総繊度を、糸条を構成する全単繊維数で割り返した値を単繊維繊度とした。
<捲縮発現伸長率TR>
ポリエステル延伸仮撚加工糸を周長1.0mの検尺機にて20回巻きしてカセ取りした後、このカセに繊度×0.0166×巻数×2/1.111gの初荷重をかけ、150℃±2℃で5分間の乾熱処理を行い、処理後のカセの長さを測りAとする。初荷重を外した後に繊度×0.0166×巻取回数×2の定加重をかけ、カセの長さを計りBとする。A、Bはサンプルを変えて3点ずつ測定し、次式により捲縮発現伸長率TRを求めた後、平均値をとった。捲縮発現伸長率TR(%)={(B−A)/B}×100 。
<伸縮復元率CR>
ポリエステル延伸仮撚加工糸を周長1.0mの検尺機を用いて10回巻きしてカセ取りした後、このカセに総繊度×0.002×巻取回数×2/1.111gの初加重をかけて、温度90℃×時間20分間熱水処理し、脱水後12時間以上放置する。放置後のカセに初荷重と総繊度×0.1×巻取回数×2/1.111gの測定加重をかけて水中に垂下し2分間放置する。放置したカセの長さを測りLとする。さらに、測定荷重を除き初荷重だけにした状態で3分間放置し、カセの長さを測りL1とする。L、L1はサンプルを変えて3点ずつ測定し、次式により伸縮復元率CRを求めた後、平均値をとった。
伸縮復元率CR(%)={(L−L1)/L}×100 。
<トルク撚り数>
ポリエステル仮撚加工糸に総繊度/11.1gの初荷重をかけて、パッケージ軸方向に1m取り出して固定する。総繊度/555gの定荷重をかけて糸条を二つ折りにして、トルクによる撚りを与え、検撚機により撚りを戻し、回転数を数えた。
<交絡度>
ROHTSHILD社製ENTANGLEMENT TESTER R−2072を用い、測定速度0.75m/分、トリップテンションレベル13.5cNとし、トリップ後の次回針刺しまでの長さを5mmとし、針刺部からトリップテンションレベル(13.5cN)に達してトリップするまでの糸条長を開繊長と見なし、50回繰り返し測定を行い、平均値を平均開繊長とした。1000mmあたりの開繊部の個数を次式により算出し、交絡度とした。
交絡度=1000(mm)/平均開繊長(mm) 。
<防透け性>
得られたポリエステル延伸仮撚加工糸を用いて筒編みを作製し、背後に黒色格子状の模様を設置して、防透け性を目視により10人のパネラーに10点満点で採点してもらい以下の3段階で評価した。○が目標レベルである。
○:10人のパネラーの平均点が9点以上
△:10人のパネラーの平均点が6点以上9点未満
×:10人のパネラーの平均点が6点未満 。
<紡糸操業性>
ポリエステル未延伸糸を製造する際に紡糸量1tonあたりの糸切れ回数を以下の3段階で評価した。○が目標レベルである。
○:糸切れ2回未満
△:糸切れ2回以上5回未満
×:糸切れ5回以上 。
(実施例1)
原料ポリマーであるポリエチレンテレフタレートに二酸化チタンを2.1重量%含有させて溶融後、36ホールで4個の凸部を設けた形状の吐出孔を有した紡糸口金から吐出し、糸条に冷却風を吹き付け冷却し、油剤を供給し集束させ、交絡付与を行いながら、紡速2700m/分の速度で巻き取り、部分配向未延伸糸を採取した。仮撚ヒーター温度を190℃、加工時の糸速に対するフリクションディスク表面の走行速度を1.55として図2の延伸仮撚工程で延伸仮撚加工を施した。得られた加工糸にて作製した筒編みの防透け性は優れていた。また紡糸工程での糸切れ操業性も良好であった。結果を表1に示す。
(実施例2)
原料ポリマーであるポリエチレンテレフタレートに二酸化チタンを3.8重量%含有させて溶融後、36ホールで4個の凸部を設けた形状の吐出孔を有した紡糸口金から吐出し、糸条に冷却風を吹き付け冷却し、油剤を供給し集束させ、交絡付与を行いながら、紡速2700m/分の速度で巻き取り、部分配向未延伸糸を採取した。仮撚ヒーター温度を190℃、加工時の糸速に対するフリクションディスク表面の走行速度を1.55として図2の延伸仮撚工程で延伸仮撚加工を施した。得られた加工糸にて作製した筒編みの防透け性は優れていた。また紡糸工程での糸切れ操業性も良好であった。結果を表1に示す。
(実施例3)
原料ポリマーであるポリエチレンテレフタレートに二酸化チタンを3.2重量%含有させて溶融後、24ホールで4個の凸部を設けた形状の吐出孔を有した紡糸口金から吐出し、糸条に冷却風を吹き付け冷却し、油剤を供給し集束させ、交絡付与を行いながら、紡速2700m/分の速度で巻き取り、部分配向未延伸糸を採取した。仮撚ヒーター温度を190℃、加工時の糸速に対するフリクションディスク表面の走行速度を1.42として図2の延伸仮撚工程で延伸仮撚加工を施した。得られた加工糸にて作製した筒編みの防透け性は優れていた。また紡糸工程での糸切れ操業性も良好であった。結果を表1に示す。
(実施例4)
原料ポリマーであるポリエチレンテレフタレートに二酸化チタンを2.7重量%含有させて溶融後、24ホールで4個の凸部を設けた形状の吐出孔を有した紡糸口金から吐出し、糸条に冷却風を吹き付け冷却し、油剤を供給し集束させ、交絡付与を行いながら、紡速2700m/分の速度で巻き取り、部分配向未延伸糸を採取した。仮撚ヒーター温度を190℃、加工時の糸速に対するフリクションディスク表面の走行速度を1.69として図2の延伸仮撚工程で延伸仮撚加工を施した。得られた加工糸にて作製した筒編みの防透け性は優れていた。また紡糸工程での糸切れ操業性も良好であった。結果を表1に示す。
(実施例5)
原料ポリマーであるポリエチレンテレフタレートに二酸化チタンを2.5重量%含有させて溶融後、36ホールで4個の凸部を設けた形状の吐出孔を有した紡糸口金から吐出し、糸条に冷却風を吹き付け冷却し、油剤を供給し集束させ、交絡付与を行いながら、紡速2700m/分の速度で巻き取り、部分配向未延伸糸を採取した。仮撚ヒーター温度を182℃、加工時の糸速に対するフリクションディスク表面の走行速度を1.55として図2の延伸仮撚工程で延伸仮撚加工を施した。得られた加工糸にて作製した筒編みの防透け性は優れていた。また紡糸工程での糸切れ操業性も良好であった。結果を表1に示す。
(実施例6)
原料ポリマーであるポリエチレンテレフタレートに二酸化チタンを2.3重量%含有させて溶融後、36ホールで4個の凸部を設けた形状の吐出孔を有した紡糸口金から吐出し、糸条に冷却風を吹き付け冷却し、油剤を供給し集束させ、交絡付与を行いながら、紡速2700m/分の速度で巻き取り、部分配向未延伸糸を採取した。仮撚ヒーター温度を182℃、加工時の糸速に対するフリクションディスク表面の走行速度を1.69として図2の延伸仮撚工程で延伸仮撚加工を施した。得られた加工糸にて作製した筒編みの防透け性は優れていた。また紡糸工程での糸切れ操業性も良好であった。結果を表1に示す。
(実施例7)
原料ポリマーであるポリエチレンテレフタレートに二酸化チタンを2.3重量%含有させて溶融後、20ホールで4個の凸部を設けた形状の吐出孔を有した紡糸口金から吐出し、糸条に冷却風を吹き付け冷却し、油剤を供給し集束させ、交絡付与を行いながら、紡速2700m/分の速度で巻き取り、部分配向未延伸糸を採取した。仮撚ヒーター温度を190℃、加工時の糸速に対するフリクションディスク表面の走行速度を1.55として図2の延伸仮撚工程で延伸仮撚加工を施した。得られた加工糸にて作製した筒編みの防透け性は優れていた。また紡糸工程での糸切れ操業性も良好であった。結果を表1に示す。
(実施例8)
原料ポリマーであるポリエチレンテレフタレートに二酸化チタンを3.5重量%含有させて溶融後、20ホールで4個の凸部を設けた形状の吐出孔を有した紡糸口金から吐出し、糸条に冷却風を吹き付け冷却し、油剤を供給し集束させ、交絡付与を行いながら、紡速2700m/分の速度で巻き取り、部分配向未延伸糸を採取した。仮撚ヒーター温度を182℃、加工時の糸速に対するフリクションディスク表面の走行速度を1.55として図2の延伸仮撚工程で延伸仮撚加工を施した。得られた加工糸にて作製した筒編みの防透け性は優れていた。また紡糸工程での糸切れ操業性も良好であった。結果を表1に示す。
Figure 2014189915
(比較例1)
実施例1において二酸化チタンを2.0重量%含有させる以外は同様にして紡糸、延伸仮撚加工を施し、延伸仮撚加工糸を得た。得られた加工糸にて作製した筒編みの防透け性は不十分であった。しかし紡糸工程での糸切れ操業性は良好であった。結果を表2に示す。
(比較例2)
実施例2において二酸化チタンを3.9重量%含有させる以外は同様にして紡糸、延伸仮撚加工を施し、延伸仮撚加工糸を得た。得られた加工糸にて作製した筒編みの防透け性は優れていた。しかし紡糸工程での糸切れ操業性は不調であった。結果を表2に示す。
(比較例3)
実施例3において加工時の糸速に対するフリクションディスク表面の走行速度を1.39とした以外は同様にして紡糸、延伸仮撚加工を施し、延伸仮撚加工糸を得た。得られた加工糸にて作製した筒編みの防透け性は不十分であった。しかし紡糸工程での糸切れ操業性は良好であった。結果を表2に示す。
(比較例4)
実施例4において加工時の糸速に対するフリクションディスク表面の走行速度を1.71とした以外は同様にして紡糸、延伸仮撚加工を施し、延伸仮撚加工糸を得た。得られた加工糸にて作製した筒編みの防透け性は低かった。しかし紡糸工程での糸切れ操業性は良好であった。結果を表2に示す。
(比較例5)
実施例5において仮撚ヒーター温度を177℃とした以外は同様にして紡糸、延伸仮撚加工を施し、延伸仮撚加工糸を得た。得られた加工糸にて作製した筒編みの防透け性は不十分であった。しかし紡糸工程での糸切れ操業性は良好であった。結果を表2に示す。
(比較例6)
実施例1において3個の凸部を設けた形状の吐出孔を有した紡糸口金を用いた以外は同様にして紡糸、延伸仮撚加工を施し、延伸仮撚加工糸を得た。得られた加工糸にて作製した筒編みの防透け性は不十分であった。しかし紡糸工程での糸切れ操業性は良好であった。結果を表2に示す。
(比較例7)
実施例1において5個の凸部を設けた形状の吐出孔を有した紡糸口金を用いた以外は同様にして紡糸、延伸仮撚加工を施し、延伸仮撚加工糸を得た。得られた加工糸にて作製した筒編みの防透け性は不十分であった。しかし紡糸工程での糸切れ操業性は良好であった。結果を表2に示す。
(比較例8)
実施例1において8個の凸部を設けた形状の吐出孔を有した紡糸口金を用いた以外は同様にして紡糸、延伸仮撚加工を施し、延伸仮撚加工糸を得た。得られた加工糸にて作製した筒編みの防透け性は低かった。しかし紡糸工程での糸切れ操業性は良好であった。結果を表2に示す。
(比較例9)
実施例1において丸断面形状の吐出孔を有した紡糸口金を用い、二酸化チタンを4.0重量%含有させた以外は同様にして紡糸、延伸仮撚加工を施し、延伸仮撚加工糸を得た。得られた加工糸にて作製した筒編みの防透け性は低かった。紡糸工程での糸切れ操業性も不調であった。結果を表2に示す。
(比較例10)
実施例1において3個の凸部を設けた形状の吐出孔を有した紡糸口金を用い、二酸化チタンを4.0重量%含有させた以外は同様にして紡糸、延伸仮撚加工を施し、延伸仮撚加工糸を得た。得られた加工糸にて作製した筒編みの防透け性は不十分であった。紡糸工程での糸切れ操業性も不調であった。結果を表2に示す。
(比較例11)
実施例1において5個の凸部を設けた形状の吐出孔を有した紡糸口金を用い、二酸化チタンを4.0重量%含有させた以外は同様にして紡糸、延伸仮撚加工を施し、延伸仮撚加工糸を得た。得られた加工糸にて作製した筒編みの防透け性は優れていた。しかし紡糸工程での糸切れ操業性は不調であった。結果を表2に示す。
(比較例12)
実施例1において8個の凸部を設けた形状の吐出孔を有した紡糸口金を用い、二酸化チタンを4.0重量%含有させた以外は同様にして紡糸、延伸仮撚加工を施し、延伸仮撚加工糸を得た。得られた加工糸にて作製した筒編みの防透け性は優れていた。しかし紡糸工程での糸切れ操業性は不調であった。結果を表2に示す。
Figure 2014189915
1:部分配向未延伸糸
2:第1フィードローラー
3:仮撚ヒーター
4:フリクションディスク
5:第2フィードローラー
6:第2ヒーター
7:交絡ノズル
8:ポリエステル延伸仮撚加工糸の巻取パッケージ

Claims (4)

  1. 無機粒子を2.1〜3.8重量%含有したポリエチレンテレフタレートからなるマルチフィラメントであり、マルチフィラメント全単繊維の横断面が4個の凸部を有する断面形状、かつマルチフィラメント全単繊維の15〜55%の繊維横断面に3個の凹部を有する断面形状であり、マルチフィラメント全単繊維の50%以上が180°以上のねじれを3個/mm以上有することを特徴とするポリエステル延伸仮撚加工糸。
  2. マルチフィラメントの捲縮発現伸長率が7.5〜25.0%であることを特徴とする請求項1記載のポリエステル延伸仮撚加工糸。
  3. マルチフィラメントを構成する単繊維数が24〜96本であることを特徴とする請求項1または2記載のポリエステル延伸仮撚加工糸。
  4. マルチフィラメントの伸縮復元率が17〜60%であり、トルク撚り数が40〜200T/mであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載のポリエステル延伸仮撚加工糸。
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