JP6409977B2 - 扁平断面捲縮糸、該捲縮糸の製造方法及び該捲縮糸を含む織編物 - Google Patents

扁平断面捲縮糸、該捲縮糸の製造方法及び該捲縮糸を含む織編物 Download PDF

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Description

本発明は、繊維軸方向に垂直な繊維断面が扁平形状であって、捲縮加工が施され、捲縮特性に優れる捲縮糸、該捲縮糸の製造方法及び該捲縮糸を含有し、密度が小さいあるいは目付が軽い織編物であっても、防透性、冷感性に優れる織編物に関する。
従来、衣料用に使用される長繊維には捲縮加工を施し、膨らみを付与してきた。捲縮加工としては、仮撚加工、座屈捲縮などの方法が使用されており、ポリエステル系長繊維、ナイロン系長繊維、アセテート系長繊維、ポリオレフィン系長繊維には、主に仮撚加工が施されている。
また、これらの長繊維の繊維軸方向に垂直な繊維断面(以下、単に「繊維断面」という。)の形状は、丸型、三角型、Y型、菊型など様々な形状がある。
一方、繊維断面が扁平形状の長繊維は仮撚加工の際、解舒撚が起因と思われる糸転びによるガイド外れが発生し、加工安定性に問題がある。
特開2004−346461号公報(特許文献1)には、繊維断面形状が2個所以上のくびれ部を有する扁平繊維の仮撚加工糸が開示されている。しかしながら、ガイドから糸が外れる工程通過性の課題や、捲縮率CCが高くできない物性の課題が残っている。
繊維断面が扁平形状の捲縮糸は、防透性、遮熱性、紫外線遮蔽性の効果や、織編物にした時のハリ感のある風合いが期待されるため、上記課題の解決が求められている。
また、防透性、遮熱性、紫外線遮蔽性を目的としたカーテンや衣服に用いる繊維としては、酸化チタン、タルクまたは硫酸バリウムといった白色顔料や、カーボンブラック、アルミニウム粉末といった無機微粒子を繊維中に分散含有させた繊維が、例えば特開平11−81048号公報(特許文献2)や特開平9−137345号公報(特許文献3)などに開示されている。
さらには、例えば特開2012−12726号公報(特許文献4)には、扁平断面の繊維を使用して織編物の遮熱性を高める方法が開示され、また特開2014−177716号公報(特許文献5)には、断面形状が葉状の繊維であって、芯成分が微小な太陽光遮蔽物質を8重量%以上70重量%以下含有する熱可塑性重合体からなり、鞘成分が無機微粒子0.5重量%以上10重量%以下含有するポリエステル系重合体からなる芯鞘型異形断面複合繊維の繊維集合体は、優れた遮熱性及び防透性を示すことが開示されている。
特開2004−346461号公報 特開平11−81048号公報 特開平9−137345号公報 特開2012−12726号公報 特開2014−177716号公報
本発明の課題は、繊維断面が扁平形状で、捲縮率CCに優れた捲縮糸を提供すること及び工程通過性に優れた前記捲縮糸の製造方法を提供することにある。
また、本発明の課題は、密度を小さくあるいは目付を軽くしても、防透性、冷感性に優れる織編物を提供することにもある。
本発明の主な構成は、以下の1〜13のいずれかを満足する。
1.マルチフィラメントからなる捲縮糸であって、前記マルチフィラメントを構成する50〜100質量%の中空部を有する単繊維が、繊維軸方向に垂直な断面の断面形状が扁平形状であり、前記扁平形状の扁平度が2.0〜5.5であり、単繊維における繊維軸方向に垂直な断面に、前記中空部の内壁面同士が接触している接触面を有し、16Gの横編機にてリブ編地で、目付が220〜250g/mの編地にした時の波長が400〜780nmの可視光の透過率が33%以下である捲縮糸。
2.前記マルチフィラメントの捲縮率CCが15〜60%であり、捲縮回復率CRが80%以上である1に記載の捲縮糸。
.前記マルチフィラメントを構成する単繊維の単繊維繊度が1〜8dtex、酸化チタンの含有量が1.5〜5質量%、マルチフィラメントの総繊度が33〜250dtexである1または2に記載の捲縮糸。
.繊維軸方向に垂直な断面の断面形状が中空部を有する単繊維を50質量%以上含むマルチフィラメントを、仮撚係数が16000〜42000で仮撚加工を行い、前記単繊維が、繊維軸方向に垂直な断面の断面形状が扁平形状であり、前記扁平形状の扁平度が2.0〜5.5であり、前記単繊維における繊維軸方向に垂直な断面に、前記中空部の内壁面同士が接触している接触面を有する捲縮糸の製造方法。
仮撚係数=(スピンドル回転数rpm/仮撚速度m/分)×(仮撚捲縮糸の総繊度dtex)1/2
.前記繊維軸方向に垂直な断面の断面形状が中空部を有する単繊維における繊維軸方向に垂直な断面の断面形状が、4角〜8角の多角形であるに記載の捲縮糸の製造方法。
.マルチフィラメントからなる捲縮糸の含有量が50〜100質量%、織物密度が0.40g/cm以下、波長が400〜780nmの可視光の透過率が33%以下であり、
前記マルチフィラメントを構成する50〜100質量%の中空部を有する単繊維の繊維軸方向に垂直な断面の形状が扁平形状であり、前記扁平形状の扁平度が2.0〜5.5であり、前記単繊維における繊維軸方向に垂直な断面に、前記中空部の内壁面同士が接触している接触面を有する織編物。
.前記捲縮糸は捲縮率CCが15〜60%であるマルチフィラメントであるに記載の織編物。
.目付が50〜200g/m、布厚が0.2〜0.5mmである6または7に記載の織編物。
.前記捲縮糸が仮撚加工糸であるのいずれかに記載の織編物。
10.前記捲縮糸の単繊維繊度が1〜8dtexであり、総繊度が33〜250dtexであるのいずれかに記載の織編物。
11.前記捲縮糸の捲縮回復率CRが80%以上である10のいずれかに記載の織編物。
12.遮熱性が41.5℃以下、Qmaxが0.22以上である11のいずれかに記載の織編物。
13.前記捲縮糸が織物の片面に配されている12のいずれかに記載の織編物。
本発明により、捲縮率CCに優れ、捲縮加工の工程安定性に優れた捲縮糸を提供することができる。また、本発明により、工程通過性に優れた捲縮糸の製造方法を提供することができる。また、本発明により、密度を小さくあるいは目付を軽くしても、従来を越える優れた防透性及び冷感性を備えた織編物を提供することができる。
捲縮を付与する前のマルチフィラメントの断面写真である。 捲縮を付与した後の捲縮糸の断面写真である。
以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。
本発明の捲縮糸は、マルチフィラメントからなる捲縮糸であって、前記マルチフィラメントを構成する50〜100質量%の単繊維が、繊維軸方向に垂直な断面の断面形状が扁平形状であり、前記扁平形状の扁平度が2.0〜5.5であり、目付が220〜250g/mの編地にした時の波長が400〜780nmの可視光の透過率が33%以下である。
ここで扁平度とは、単繊維の繊維軸方向に対する垂直な断面において、外接長方形の長辺の長さ(A)と短辺の長さ(B)との比(A/B)が最大の値となる外接長方形における前記比を扁平度とする。
扁平度が2.0以上であれば、優れた防透性、遮熱性、遮光性が得られ、5.5以下であれば、織編物にした時に風合いが硬くなり過ぎない。
これらの観点から、前記扁平度は、2.2〜5.0がより好ましく、2.4〜4.0がさらに好ましい。
前記繊維軸方向に垂直な断面の断面形状が扁平形状の単繊維が、マルチフィラメントに対し50質量%以上含有されていれば、目付が220〜250g/mの編地にした時の波長が400〜780nmの可視光の透過率を33%以下とし易くなる。
この観点から、マルチフィラメントに対する前記扁平形状の単繊維の含有率は、70質量%以上がより好ましく、90質量%以上がさらに好ましい。
目付が220〜250g/mの編地にした時の波長が400〜780nmの可視光の透過率が33%以下になれば、織編物が薄くなっても、防透性が得られ易くなる。
本発明の捲縮糸は、前記マルチフィラメントの捲縮率CCが15〜60%であり、捲縮回復率CRが80%以上であることが好ましい。
前記捲縮率CCが15%以上であれば、織編物にしたときのふくらみ感や反発感が得られ、60%以下であれば、ふかつき感も無く、適度なふくらみ感が得られる。
これらの観点から、前記捲縮率CCは、25%〜55%がより好ましい。
また、捲縮回復率CRが80%以上であれば、ふくらみ感と反発感を同時に得られ易い。この観点から、前記捲縮回復率CRは、85%以上がより好ましい。
本発明の捲縮糸は、単繊維における繊維軸方向に垂直な断面に中空部または接触面を有することが好ましい。
中空部または接触面を有することで、繊維内部での反射、散乱の効果があることから、優れた防透性、遮熱性、遮光性が得られる。
接触面とは、中空部が潰れて中空部の内壁面同士が接触している部分を言う。
本発明の捲縮糸は、マルチフィラメントを構成する単繊維の単繊維繊度が1〜8dtex、酸化チタンの含有量が1.5〜5質量%、マルチフィラメントの総繊度が33〜250dtexであることが好ましい。
前記単繊維繊度が1dtex以上であれば、扁平度2.0以上の扁平形状になり易く、8dtex以下であれば、織編物にした時に柔らかな風合いにし易くできる。
これらの観点から、前記単繊維繊度は1.5〜6.0dtexがより好ましく、2.0〜4.0dtexがさらに好ましい。
前記酸化チタンの含有量が1.5質量%以上であれば、防透性、遮熱性、遮光性が得られ易くなり、5質量%以下であれば、糸切れが少なく紡糸性が良好となる。
これらの観点から、前記酸化チタンの含有量は、1.7〜3質量%がより好ましい。
また、前記マルチフィラメントの総繊度が33dtex以上であれば、マルチフィラメントの構成本数が多くでき、防透性、遮熱性が得られ易くなる。また、250dtex以下であれば、衣料用途での風合いが硬くなり過ぎないので好ましい。
これらの観点から、総繊度は50〜200dtexがより好ましく、70〜170dtexがさらに好ましい。
本発明の捲縮糸の製造方法は、繊維軸方向に垂直な断面に中空部を有する単繊維を50質量%以上含むマルチフィラメントを、仮撚係数が16000〜42000で仮撚加工を行う捲縮糸の製造方法である。
仮撚係数は、スピンドル回転数T(rpm)、仮撚速度S(m/分)と仮撚加工糸の総繊度D(dtex)から、(T/S)×D1/2で算出される。
前記断面形状に中空部を有していると、仮撚加工をした際に中空部が潰れるため、断面形状が扁平になり易い。
仮撚係数が16000以上であれば、中空部が潰れて繊維の断面形状が扁平になり、捲縮率CCが15%以上の捲縮糸が得られ、42000以下であれば、捲縮率CCが60%以下で毛羽などがない安定した品質の捲縮糸が得られる。
これらの観点から、前記仮撚係数は、18000〜38000がより好ましく、20000〜35000がさらに好ましい。
本発明の捲縮糸の製造方法は、前記繊維軸方向に垂直な断面の断面形状が中空部を有する単繊維における繊維軸方向に垂直な断面の断面形状が、4角〜8角の多角形であることがより好ましい。
多角形にすることで、頂点を中心として断面が変形しやすく、より扁平になりやすい。この観点から、前記断面形状が5角〜7角がさらに好ましい。
前記多角形は角部が丸みを帯びていてもよいが、その丸みの曲率半径は、該多角形の内接円の半径未満である。そして、全ての辺が直線からなっていなくてもよく、マルチフィラメントには繊維断面形状が一部の辺が曲線であったり、一部の角部が丸みを帯びている前記多角形の単糸を含んでいてもよい。
本発明の捲縮糸は、各単繊維の中空部を潰して扁平形状にしているが、扁平度が2.0〜5.5の範囲になれば、中空部は残っていても良い。中空部があると、光の屈折や散乱が大きくなるため、可視光の透過率を低くし易くなる。
単繊維の繊維断面が扁平形状であるマルチフィラメントを仮撚加工すると、解舒撚が起因と思われる糸転びによるガイド外れが発生し、マルチフィラメントが供給ローラー等から外れ易く、生産安定性に問題がある。
単繊維の断面形状を丸断面や多角形状とすることにより、供給ローラー等から外れるのを防止できる。
本発明の捲縮糸の製造方法においては、仮撚温度を160〜220℃とすることが好ましい。
仮撚温度とは、仮撚を付与するスピンドルの直前にある熱板の温度である。
該仮撚温度が160℃以上であれば捲縮率CCが高くでき、220℃以下であれば繊維が溶融して切断することが少なくできる。これらの観点から、前記仮撚温度を170〜210℃とすることがより好ましい。
本発明の捲縮糸の製造方法は、前記マルチフィラメントの中空部の中空率を10〜40%とすることが好ましい。中空率が10%以上であれば、扁平形状になり易く、40%以下であれば、紡糸性が良好で均質なフィラメントとなり、均一な品位の本発明の捲縮糸を得ることができる。これらの観点から、中空率を12〜30%とすることがより好ましい。
本発明の捲縮糸は、使用する繊維の種類は特に限定されるものではなく、化学繊維であればよい。例えば、ポリエチレンテレフタレート繊維、ナイロン繊維、ポリプロピレン繊維、アクリル繊維が挙げられる。中でも、清涼感があり、異型断面中空繊維を製造することから、ポリエチレンテレフタレート繊維がより好ましい。
捲縮糸を構成するポリマ−としては、エチレンテレフタレ−トを主たる構成単位とするポリエステルが挙げられ、ポリエステルには共重合成分が含まれていてもよい。共重合成分にはイソフタル酸成分、スルホン酸金属塩基含有イソフタル酸成分、アジピン酸成分等のテレフタル酸成分以外の芳香族、脂肪族のジカルボン酸成分、エチレングリコ−ル成分以外の脂肪族のジオ−ル成分等が挙げられる。
本発明の捲縮糸は、単繊維強度が2.0〜5.0cN/dtexであることが好ましい。前記単繊維強度が2.0cN/dtex以上であれば、織編物の織成或いは編成時に繊維束が切断し難くなるので好ましい。単繊維強度の上限は5.0cN/dtex程度であれば、十分である。
本発明の捲縮糸に使用する前記マルチフィラメントの製造方法は、ポリエチレンテレフタレ−トの通常の溶融紡糸と同様に、一般的な溶融紡糸工程及び延伸工程を採用することができる。
まず、溶融紡糸工程で、原料の熱可塑性樹脂を紡糸口金から溶融押出して未延伸糸を得て一旦巻き取った後、延伸工程で延伸することにより繊維を得る。延伸工程は、未延伸糸が紡糸されてからインラインで連続して延伸を行ってもよく、一旦巻取った後、別ラインで独立して延伸を行ってもよい。また、延伸工程は1段でもよく2段以上の多段であってもよい。さらに延伸工程で用いる熱源は、接触型或いは非接触型いずれの熱源でもよい。延伸倍率についても、溶融紡糸された未延伸糸の破断伸度に達する前の範囲で任意に設定することが可能である。
例えば、紡糸温度270〜300℃で紡糸口金より吐出し、紡糸(引取)速度1000〜2000m/分で引き取り未延伸糸とし、延伸速度が200〜800m/分、延伸倍率が最大延伸倍率の0.65〜0.80倍、延伸温度が60〜90℃、熱セット温度が100〜170℃の条件で延伸し、延伸糸として中空断面ポリエステルマルチフィラメントを得る。最大延伸倍率とは、延伸温度が80℃、熱セット温度が145℃、延伸速度600m/分で未延伸糸が切断されるまで延伸したときの倍率をいう。
また、紡糸過程においては、紡糸した未延伸糸を一旦巻き取った後延伸する、紡糸した未延伸糸を巻き取ることなく延伸する、紡糸速度が3000m/分以上の高速紡糸により高配向未延伸糸として巻き取る、或いは高速紡糸して巻き取ることなく延伸する等の方法が用いられる。
また、本発明の捲縮糸を効率的に得るためには、紡糸速度3000m/分以上の高速紡糸により、高配向未延伸糸を用いることがより好ましい。延伸糸の場合は、結晶配向化が進行しているため、中空部が変形しにくく、扁平度が低くなる傾向がある。
本発明の織編物は、マルチフィラメントからなる捲縮糸の含有量が50〜100質量%、織物密度が0.40g/cm以下、波長が400〜780nmの可視光の透過率が33%以下であり、前記マルチフィラメントを構成する50〜100質量%の単繊維の繊維軸方向に垂直な断面の形状が扁平形状であり、前記扁平形状の扁平度が2.0〜5.5である。
本発明の織編物は、前記仮撚加工糸がマルチフィラメントで構成されていることが好ましい。
マルチフィラメントとは、複数の長繊維の集合体のことであり、複数の繊維があることで、光が反射及び散乱し易くなり、可視光の透過率が低くなり易くなる。
この観点から、マルチフィラメントを構成する繊維の本数は、20本以上が好ましく、30本以上がより好ましい。
繊維軸方向に垂直な断面の形状が扁平形状の繊維を含有することで、可視光、赤外光が反射・散乱し易くなるため、光透過防止効果が得易く、仮撚加工糸にすることで、衣料用に適したソフトな風合いにすることができる。
また、本発明の織編物は、織物密度が0.40g/cm以下、波長が400〜780nmの可視光の透過率が33%以下であるので、軽量かつ防透性が良好なものであり、スポーツ用途の衣料、ユニフォームに特に適している。
軽量にする観点から、前記透過率が33%以下であれば、前記織物密度は0.30g/cm以下がより好ましく、0.192g/cm以下がさらに好ましい。
マルチフィラメントからなる捲縮糸の含有量が50質量%以上であれば、波長が400〜780nmの可視光の透過率を33%以下とし易くなる。
マルチフィラメントからなる捲縮糸の含有量が高いほど、防透性の効果は高くなるが、波長が400〜780nmの可視光の透過率が33%以下になれば、他の繊維と複合することができる。
本発明の織編物は、波長が400〜780nmの可視光の透過率が33%以下であれば、織編物が透けて下着等が見えにくくなるので好ましい。この観点から、前記透過率は31%以下が好ましく、29%以下がより好ましい。
前記仮撚加工糸は、波長が400〜780nmの可視光の透過率が33%以下になれば、他の繊維を複合して複合仮撚加工糸としても良く、この複合仮撚加工糸を含むものである。
例えば、ポリウレタン繊維を複合してストレッチ性を付与することもできる。
仮撚加工糸に対する前記他の繊維を複合する割合は、20質量%以下にすることが、可視光の透過率を低くできる点で好ましい。
また、織編物に対する前記捲縮糸の含有率が50質量%以上であれば、可視光、赤外光の透過防止効果が得られ易くなる。この観点から、織編物に対する前記捲縮糸の含有率は60質量%以上が好ましく、70質量%以上がさらに好ましい。
本発明の織編物は、前記扁平形状の扁平度が2.0〜5.5であることが好ましい。
前記扁平形状の扁平度が2.0以上であれば、可視光・赤外光の透過防止効果が得られ易く、5.5以下であれば、仮撚加工等の糸加工時に毛羽等が発生し難いので好ましい。
これらの観点から、前記扁平形状の扁平度は2.2〜5.0であることが好ましく、2.4〜4.0であることがさらに好ましい。
本発明の織編物は、前記捲縮糸の捲縮率CCが15〜60%であるマルチフィラメントであることが好ましい。
前記捲縮率CCが15%以上であれば、織編物のふくらみ感や反発感が得られ、60%以下であれば、ふかつき感も無く、適度なふくらみ感が得られる。
これらの観点から、前記捲縮率CCは、25〜55%がより好ましい。
本発明の織編物は、前記単繊維の繊維軸方向に垂直な断面に中空部または接触面を有することが好ましい。
繊維軸方向に垂直な断面中に中空部または接触面を有することで、光の屈折や散乱が発生するため、可視光の透過率を低くし易くなる。接触面とは、中空部が潰れて中空部の内壁面同士が接触している部分、中空部の内壁面と気層との面、芯鞘構造の芯部と鞘部の境界面を言う。
本発明の織編物は、目付が50〜200g/m、布厚が0.2〜0.5mmであることが好ましい。
織編物の目付が50g/m以上であれば、可視光、赤外光の透過防止効果が得られ、200g/m以下であれば、可視光、赤外光の透過防止効果が求められる春夏素材として織編物を薄く、軽量にできる。これらの観点から、織編物の目付の下限は60g/m以上が好ましく、70g/m以上がより好ましい。また、織編物の目付の上限は180g/m以下が好ましく、170g/m以下がより好ましい。
本発明の織編物は、布厚が0.2〜0.5mmであることが好ましい。
布厚が0.2mm以上であれば、可視光、赤外光を透過防止効果が得られ易く、布厚が0.5mm以下であれば、織編物が薄くなり、春夏ものの素材に適することができる。
これらの観点から、前記布厚は、0.3〜0.45mmであることがより好ましい。
本発明の織編物は、前記捲縮糸が仮撚加工糸であることが好ましい。
仮撚加工糸であれば、単繊維の繊維断面が扁平形状になり易く、捲縮率CCを15〜60%にし易くなる。
本発明の織編物は、前記捲縮糸の単繊維繊度が1〜8dtexであり、総繊度が33〜250dtexであることが好ましい。
前記捲縮糸を構成する繊維の単繊維繊度が1dtex以上であれば、糸強力が十分であり、製織、製編時に糸切れが発生し難く、8dtex以下であれば、光が散乱し易くなり、また織編物の風合いが損なわれにくい。
これらの観点から、前記捲縮糸を構成する繊維の単繊維繊度は、1.5〜6.0dtexであることがより好ましく、2.0〜4.0dtexであることがさらに好ましい。
前記捲縮糸の総繊度が33dtex以上であれば、マルチフィラメントの構成本数を多くできるので、防透性が良好となり、製織・製編時に必要な糸強力を有することができ、250dtex以下であれば、生地を薄手化できる。これらの観点から、前記捲縮糸の総繊度は、50〜200dtexであることがより好ましく、70〜170dtexであることがさらに好ましい。
本発明の織編物は、前記捲縮糸の捲縮回復率CRが80%以上であることが好ましい。
前記捲縮糸の捲縮回復率CRが80%以上であれば、ふくらみ感と反発感を同時に得られ易い。この観点から、前記捲縮糸の捲縮回復率CRは85%以上がより好ましい。
本発明の織編物は、遮熱性が41.5℃以下、Qmaxが0.22以上であることが好ましい。
前記遮熱性が41.5℃以下であれば、太陽光に当たっても、衣服内の温度上昇が少なく、快適な着用感が得られる。この観点から、前記遮熱性は41℃以下がより好ましい。
また、前記Qmaxが0.22以上であれば、織編物と肌が接触した時に冷感を感じやすい。これらの観点から、前記Qmaxは、0.23以上であることがより好ましく、0.24以上であることがさらに好ましい。
本発明の織編物は、前記捲縮糸が織物の片面に配されていることが好ましい。
前記捲縮糸が織物の片面に配されていれば、該面を外側に配し、防透性、遮熱性が良好にでき、もう一方の片面を肌側にすることで、肌触りの良い素材や、吸水速乾性の素材等の様々な素材を使用することができる。
本発明の織編物は、前記繊維軸方向に垂直な断面の形状が扁平形状の繊維がポリエステル繊維であることが好ましい。前記繊維がポリエステル繊維であることで、織物強度・耐光性・染色性・堅牢度等に優れる。
前記ポリエステル繊維は、酸化チタン微粒子の含有率が1〜3質量%であることが、光透過防止の点から好ましい。前記ポリエステル繊維に対する酸化チタン微粒子の含有率が1質量%以上であれば、光透過防止効果が得られ易く、3質量%以下であれば紡糸時の糸切れを減らすことができるので好ましい。
本発明の織編物は、可視光の透過率が33%を超えない範囲で、他の繊維を含有することができる。
他の繊維は、天然繊維、化学繊維でも良く、特に制限されるものではない。
本発明の織編物は、織編物の組織は、特に限定されるものではない。
以下、本発明を実施例に基づいてより具体的に説明する。
<実施例1〜4及び比較例1〜2>
〔扁平度〕
単繊維の繊維軸方向に対する垂直な断面において、外接長方形の長辺の長さ(A)と短辺の長さ(B)との比(A/B)が最大の値となる外接長方形のおける前記比を扁平度とする。
〔捲縮率CC、捲縮回復率CR〕
捲縮回復率CRは「JIS1013 8.11 C法」に基づき測定・算出される伸縮弾性率を言う。
捲縮率CCは前記「JIS1013 8.11 C法」に於ける「(b−c/b)×100」の値を言う。
〔仮撚係数〕
仮撚係数は、以下の式から算出する。
仮撚係数=(T/S)×D1/2
T:スピンドル回転数(rpm)、S:仮撚速度(m/分)、D:捲縮糸の総繊度(dtex)
(可視光及び赤外光の透過率の測定方法)
30cm×30cmの織編物試料を、雰囲気温度が20℃、湿度が65%に管理された試験室に24時間静置した。前記織物試料を、分光光度計(日立社製U−3400型)を用い、以下の(1)〜(5)の操作を順に行い、測定した。
(1)測定する織編物を準備する。
(2)光の波長が250〜2000nmの範囲において5nmごとに、試料なしの状態の透過率(%)(以下、Tgという。)を測定した。
(3)試料を分光光度計に取り付け、光の波長が250〜2000nmの範囲において5nmごとに、試料ありの状態の透過率(%)(以下、Tsという。)を測定した。
(4)250〜2000nmの範囲において5nmごとに、Tsを以下の式を用いて補正し、補正した透過率(以下、Tという。)を算出した。
T=(Ts/Tg)×100
(5)可視光領域400〜780nm及び赤外光領域780〜2000nmにおけるそれぞれのTの算術平均値を算出し、可視光透過率及び赤外光透過率とした。
(布厚の測定方法)
JIS L 1096(2010)8.4 A法に準拠して測定した。
(通気度の測定方法)
20℃、相対湿度65%の環境可変室内で、JIS L 1096 通気性A法(フラジール形法)に従い、通気度試験機FX3300(TEXTEST社製)を用いて測定したときの通気度(cm/cm/秒)を求めた。
(遮熱性の測定方法)
30cm×30cmの織物試料を、雰囲気温度が20℃、湿度が65%に管理された試験室に24時間静置した。前記織物試料を、熱線受光体(黒画用紙)の5mm上に保持し、レフランプのランプ光を、試料上側の50cmの距離から試料に向かって照射し、熱線受光体中央の温度を熱電対で経時的に15分間測定し、15分後の温度を遮熱性の温度とした。
試験は6回測定し、そのデータを平均した値を試験結果とした。
使用ランプ:岩崎電気(株)製 アイランプ<スポット>PRS100V500W
<実施例1>
二酸化チタンを2質量%含有する固有粘度0.676のポリエチレンテレフタレ−トを溶融した溶融体を280℃に加熱して、内角120度の中折れスリットが6ケ環状に配置されてなり、外接円の直径が1.1mmΦの吐出孔を1組として、前記吐出孔が36組有する紡糸口金の吐出孔から吐出し、引取速度3000m/分で巻き取り高配向未延伸糸とし、135dtex/36フィラメント(f)のポリエステルマルチフィラメントを製造した。得られたポリエステルマルチフィラメントは、図1に示すように、マルチフィラメントの繊維断面において、繊維断面形状が正六角形で、繊維断面内に単一で円形状の中空部を有し、中空率が17.5%である単繊維が全単繊維本数の89%を占めるマルチフィラメントであった。
次に、得られたポリエステルマルチフィラメントを仮撚ヒーター温度を200℃、スピンドル回転数を402300rpm、仮撚速度を100m/分の条件で仮撚加工を行い、96.7dtex/36フィラメントの捲縮糸を得た。この時の仮撚係数は39561であった。その物性を表1に示す。
仮撚加工では、解舒撚が起因と思われる糸転びによるガイド外れは発生しなかった。
また、仮撚加工した捲縮糸について、その単繊維の繊維断面は、図2に示す扁平形状であった。
さらに、得られた捲縮糸を4本引き揃えて、16Gの横編機にてリブ編地を編成した。
その編地の可視光透過率、赤外光透過率、通気度、目付、布厚、遮熱性を測定した。また密度は、目付と布厚から算出した。その結果を表1に示す。
<実施例2、3>
実施例1で得られたマルチフィラメントを使用し、仮撚条件について、スピンドル回転数を表1に示す条件に変更した以外は実施例1と同様にして捲縮糸を得た。その物性を表1に示す。
仮撚加工では、解舒撚が起因と思われる糸転びによるガイド外れは発生しなかった。
また、仮撚加工した捲縮糸について、その単繊維の繊維断面は、扁平形状であった。
さらに、得られた捲縮糸を4本引き揃えて、16Gの横編機にてリブ編地を編成した。
その編地の可視光透過率、赤外光透過率、通気度、目付、布厚、遮熱性を測定した。また密度は、目付と布厚から算出した。その結果を表1に示す。
<実施例4>
二酸化チタンを0.35質量%含有し、繊維軸方向に垂直な断面形状が丸断面で、単一の円形状の中空部を有する110dtex/30フィラメントのポリエステルマルチフィラメントの延伸糸を使用し、表1に示す仮撚条件に変更した以外は実施例1と同様に仮撚加工を行い、捲縮糸を得た。その物性を表1に示す。
仮撚加工では、解舒撚が起因と思われる糸転びによるガイド外れは発生しなかった。
また、仮撚加工した捲縮糸は、その単繊維の繊維断面を観察したところ、扁平形状の仮撚加工糸が得られた。
さらに、得られた捲縮糸を3本引き揃えて、16Gの横編機にてリブ編地を編成した。
その編地の可視光透過率、赤外光透過率、通気度、目付、布厚、遮熱性を測定した。また密度は、目付と布厚から算出した。その結果を表1に示す。
扁平度が高く、単繊維繊度が少し大きいため、丸断面の原糸を仮撚加工した捲縮糸では得られない、ハリ感が増した風合いの編物が得られた。
<比較例1>
実施例1で得られたマルチフィラメントを使用し、仮撚条件について、表1に示す条件に変更した以外は実施例1と同様にして捲縮糸を得た。その物性を表1に示す。
仮撚加工した加工糸は、その単繊維の繊維断面を観察したところ、扁平形状の仮撚加工糸が得られたが、扁平度と捲縮率CCは低いものであった。
仮撚加工では、解舒撚が起因と思われる糸転びによるガイド外れは発生しなかった。
さらに、得られた捲縮糸を4本引き揃えて、16Gの横編機にてリブ編地を編成した。
その編地の可視光透過率、赤外光透過率、通気度、目付、布厚、遮熱性を測定した。また密度は、目付と布厚から算出した。その結果を表1に示す。
仮撚係数を下げると扁平度が下がり、同じ原糸を使用した実施例1〜3と比較して、可視光透過率が高いものであった。
<比較例2>
二酸化チタンを0.35質量%含有し、繊維軸方向に垂直な断面形状が丸断面で、中空部を有さない90dtex/36フィラメントの高配向未延伸糸のポリエステルマルチフィラメントを使用し、表1に示す条件に変更した以外は実施例1と同様にして捲縮糸を得た。
前記捲縮糸は、その単繊維の繊維断面は、断面変形した仮撚加工糸が得られたが、扁平度は低いものであった。その物性を表1に示す。
丸断面の原糸を仮撚りしても、扁平度の高い捲縮糸は得ることができず、可視光透過率が高いものであった。
さらに、得られた捲縮糸を6本引き揃えて、16Gの横編機にてリブ編地を編成した。
その編地の可視光透過率、赤外光透過率、通気度、目付、布厚、遮熱性を測定した。また密度は、目付と布厚から算出した。その結果を表1に示す。
また、実施例1で作製した編地と、比較例2で作製した編地とで、変退色用カラースケールを使用して、実施例1と比較例2の編地で防透性を比較したところ、実施例1の編地の方が防透性に優れていた。
なお、これらの編地は染色していないものである。
<実施例5及び比較例3>
(織編物試料)
以下に述べる織物試料とは、後述する実施例5及び比較例3にて使用される各織物を、それぞれ30cm×30cmに裁断して得られる織編物片をいう。
(Qmaxの測定方法)
カトーテック社製サーモラボIIで環境温度20℃、熱板温度40℃の条件で、接触温冷感Q−max値を測定した。
<実施例5>
二酸化チタンを2質量%含有し、固有粘度が0.676のポリエチレンテレフタレ−トを溶融し、280℃に加熱した溶融体を、内角120度の中折れスリットが6ケ環状に配置されてなり、外接円の直径が1.1mmΦの吐出孔を1組として、前記吐出孔を36組有する紡糸口金の吐出孔から吐出して繊維状とし、引取速度3000m/分で巻き取り高配向未延伸糸とし、135dtex/36フィラメント(f)のポリエステルマルチフィラメントを製造した。得られたポリエステルマルチフィラメントは、マルチフィラメントの単繊維断面において、繊維断面形状が正六角形で、繊維断面内に単一で円形状の中空部を有し、中空率が17.5%である単繊維が全単繊維本数の89%を占めるマルチフィラメントであった。
次に、得られたポリエステルマルチフィラメントを、仮撚ヒーター温度が180℃、スピンドル回転数が495000rpm、仮撚速度が150m/分の条件で仮撚加工を行い、84dtex/36フィラメントの捲縮糸を得た。この時の仮撚係数は29700であった。
仮撚加工では、解舒撚が起因と思われる糸転びによるガイド外れは発生しなかった。
また、仮撚加工した捲縮糸の扁平度は表2に示す。
得られた前記仮撚加工糸と綿100質量%からなる紡績糸(綿番手:40/−)とを使用して鹿の子組織の編物を作製した。
染色加工工程では、ポリエステル繊維に親水化処理を施し吸水性を付与した。
得られた編物の混率、目付、布厚を表2に示す。
さらに、得られた編物の可視光透過率、赤外光透過率、Qmaxを測定した。その結果を表2に示す。
<比較例3>
二酸化チタンの含有量が0.8質量%であり、繊維軸方向に垂直な断面の形状が丸断面のセミダルポリエステル繊維を仮撚加工した仮撚加工糸(84dtex/36フィラメント)、二酸化チタンの含有量が0.8質量%であり、繊維軸方向に垂直な断面の形状が丸断面のセミダルポリエステル繊維を仮撚加工した仮撚加工糸(88dtex/36フィラメント)及び綿100質量%からなる紡績糸(綿番手:40/−)を使用して鹿の子組織の編物を作製した。
染色加工工程では、ポリエステル繊維に親水化処理を施し吸水性を付与した。
得られた編物の混率、目付、布厚を表2に示す。
さらに、得られた編物の可視光透過率、赤外光透過率、Qmaxを測定した。その結果を表2に示す。
得られた編物は、実施例5の編物と比較して、可視光透過率、赤外光透過率が高く、防透性に劣るものであり、Qmaxは数値が低く、冷感性に劣るものであった。
本発明の捲縮糸は、扁平断面の捲縮糸であり、様々なテキスタイル用の素材として好適なものである。

Claims (13)

  1. マルチフィラメントからなる捲縮糸であって、前記マルチフィラメントを構成する50〜100質量%の中空部を有する単繊維が、繊維軸方向に垂直な断面の断面形状が扁平形状であり、前記扁平形状の扁平度が2.0〜5.5であり、前記単繊維における繊維軸方向に垂直な断面に、前記中空部の内壁面同士が接触している接触面を有し、16Gの横編機にてリブ編地で、目付が220〜250g/mの編地にした時の波長が400〜780nmの可視光の透過率が33%以下である捲縮糸。
  2. 前記マルチフィラメントの捲縮率CCが15〜60%であり、捲縮回復率CRが80%以上である請求項1に記載の捲縮糸。
  3. 前記マルチフィラメントを構成する単繊維の単繊維繊度が1〜8dtex、酸化チタンの含有量が1.5〜5質量%、マルチフィラメントの総繊度が33〜250dtexである請求項1または2に記載の捲縮糸。
  4. 繊維軸方向に垂直な断面の断面形状が中空部を有する単繊維を50質量%以上含むマルチフィラメントを、仮撚係数が16000〜42000で仮撚加工を行い、前記単繊維が、繊維軸方向に垂直な断面の断面形状が扁平形状であり、前記扁平形状の扁平度が2.0〜5.5であり、前記単繊維における繊維軸方向に垂直な断面に、前記中空部の内壁面同士が接触している接触面を有する捲縮糸の製造方法。
    仮撚係数=(スピンドル回転数rpm/仮撚速度m/分)×(仮撚捲縮糸の総繊度dtex)1/2
  5. 前記繊維軸方向に垂直な断面の断面形状が中空部を有する単繊維における繊維軸方向に垂直な断面の断面形状が、4角〜8角の多角形である請求項に記載の捲縮糸の製造方法。
  6. マルチフィラメントからなる捲縮糸の含有量が50〜100質量%、織物密度が0.40g/cm以下、波長が400〜780nmの可視光の透過率が33%以下であり、前記マルチフィラメントを構成する50〜100質量%の中空部を有する単繊維の繊維軸方向に垂直な断面の形状が扁平形状であり、前記扁平形状の扁平度が2.0〜5.5であり、前記単繊維における繊維軸方向に垂直な断面に、前記中空部の内壁面同士が接触している接触面を有する織編物。
  7. 前記捲縮糸は捲縮率CCが15〜60%であるマルチフィラメントである請求項に記載の織編物。
  8. 目付が50〜200g/m、布厚が0.2〜0.5mmである請求項6または7に記載の織編物。
  9. 前記捲縮糸が仮撚加工糸である請求項のいずれか一項に記載の織編物。
  10. 前記捲縮糸の単繊維繊度が1〜8dtexであり、総繊度が33〜250dtexである請求項のいずれか一項に記載の織編物。
  11. 前記捲縮糸の捲縮回復率CRが80%以上である請求項10のいずれか一項に記載の織編物。
  12. 遮熱性が41.5℃以下、Qmaxが0.22以上である請求項11のいずれか一項に記載の織編物。
  13. 前記捲縮糸が織物の片面に配されている請求項12のいずれか一項に記載の織編物。
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