JP3278256B2 - 特殊断面仮撚捲縮加工糸とその製造法 - Google Patents
特殊断面仮撚捲縮加工糸とその製造法Info
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Description
糸とその製造法に関し,さらに詳しくは,断面形状が各
単糸毎に異なる特殊断面仮撚捲縮加工糸とその製造法に
関するものである。
た糸条について多数提案されているが,これらの糸条を
得る方法としては,紡糸口金の紡糸孔形状を特殊なもの
にする方法と,易溶性熱可塑性重合体と難溶性熱可塑性
重合体を用いて複合糸となし,易溶性熱可塑性重合体を
後で溶出除去する方法があり,後者については特開平4
−245907号公報で提案されている。
た特開平4−245907号公報に記載されている方法も含め
て,従来の方法では,繊維製造時に断面形状が決定され
るため,繊維軸方向の断面は同じであり,繊維軸方向に
も断面形状が変化する糸条を得ることは困難であった。
また,紡糸口金の個々の紡糸孔断面形状を変えることに
より各単糸の断面形状を変えることは可能であるが,高
価な紡糸口金を必要とし,かつ操業性に問題がある。
ことが困難であった各単糸の断面形状がランダムに異な
っているとともに, 繊維軸方向にも断面形状が変化する
特殊断面仮撚捲縮加工糸とその製造法を提供することを
技術的な課題とするものである。
題を解決するために鋭意検討した結果, 特定範囲の異形
度P0 の異形断面中空糸条に仮撚捲縮加工を施せば,糸
条を構成する各単糸の断面形状がランダムに変化すると
ともに, 繊維軸方向にも断面形状が変化することを知見
して本発明に到達した。すなわち, 本発明は次の構成を
有するものである。(1) 最外部に突起状のフィンを有す
る異形断面中空糸条に仮撚捲縮加工を施して得られた加
工糸であって,糸条を構成する単糸の平均中空率が0〜
3%であり,かつ各単糸の横断面形状が異なり,構成単
糸数の70%以上が下記異形度Pの横断面形状を有してい
ることを特徴とする特殊断面仮撚捲縮加工糸。 P=2.5〜4.0 ただし,Pは, 単糸横断面の外接円と内接円の直径の比
である。
45%で,かつ最外部に突起状のフィンを有し,下記異形
度P0 の異形断面中空繊維糸条に仮撚捲縮加工を施し,
単糸の平均中空率を3%以下にすることを特徴とする特
殊断面仮撚捲縮加工糸の製造法。 P0 =1.5〜3.5 ただし,P0 は, 単糸横断面の外接円と内接円の直径の
比である。
発明の特殊断面仮撚捲縮加工糸は,各単糸の断面形状が
ランダムに異なり,かつ構成単糸数の70%以上が異形度
P=2.5〜4.0であることが必要である。異形度Pが2.
5より低いと加工糸の嵩高性が低くなり,織編物にした
場合,軽量感,ドライ感等が少なくなる。また,異形度
Pが4.0より大きくなると,織編物にした場合,耐摩耗
性が低くなり,摩擦により繊維がフィブリル化しやすく
なる。異形度P=2.5〜4.0を満足する単糸が存在した
としても,その単糸数が構成単糸数の70%未満になる
と,軽量感,ドライ感等を布帛に付与することができな
い。
(c) で示したように最外部に突起状のフィンを有する異
形断面中空糸条に仮撚捲縮加工を施して得られた加工糸
であって,特定範囲の異形度P0 の糸条に仮撚捲縮加工
を施して得らたものであるため,仮撚時の単糸のマイグ
レーションによって各単糸は繊維軸方向にも断面形状が
変化しており,このため,製編織して得られる布帛に微
妙な外観,風合の変化を付与することができる。
は,平均中空率が0〜3%の範囲である。中空繊維を仮
撚すると,大部分の中空部は押しつぶされるが,中空部
が一部残存し,0〜3%の平均中空率を有する加工糸と
なるものである。
製造法を説明する。
糸条を構成する単糸の形状が極めて重要であり,中空率
が8〜45%で, かつ図1(a) (b) (c) で示したように最
外部に突起状のフィンを有する異形度P0 が1.5〜3.5
の異形断面中空糸条を用い,仮撚捲縮加工によって中空
率を3%以下,好ましくは0〜1%にする必要がある。
供給糸の中空率が8%より低いと,仮撚捲縮加工時,断
面の変形が少なく,仮撚捲縮加工後の異形度を高くする
ことが難しい。また,中空率が45%より大きい場合は,
つぶれ代が大きく,仮撚捲縮加工時,単糸が割れたりし
て仮撚操業性に問題があるので,中空率は8〜40%が好
ましい。さらに,供給糸の異形度P0 が1.5より小さい
と仮撚捲縮加工後の異形度Pが2.5より大きくなり難
く,3.5より大きいと,紡糸操業性に問題があるととも
に,仮撚捲縮加工後の異形度Pが4より大きくなり,仮
撚捲縮加工時に繊維の割れが発生しやい。
ディスク又はベルト等によるフリクション方式等いずれ
でもよい。また,一旦延伸した後仮撚加工しても,延伸
と仮撚加工とを同時に行う,いわゆるDTY方式を用い
てもよい。
する必要はなく,通常の条件を採用することができる。
繊維の例を示す断面図,図2は,本発明に適用できない
異形断面中空繊維の例を示す断面図である。また,図3
は,図1(c)の井型断面中空糸を仮撚捲縮加工して得
た特殊断面仮撚捲縮加工糸の断面図を示すものである。
素材は,溶融紡糸可能な重合体であれば特に限定される
ものではないが,得られる繊維性能よりポリアミド,ポ
リエステルが好ましく用いられる。ポリアミドとして
は,ナイロン6,ナイロン66等が,また,ポリエステ
ルとしては,ポリエチレンテレフタレート,ポリブチレ
ンテレフタレートが好ましく用いられる。これらの熱可
塑性重合体は,繊維性能向上のため第3成分が添加ある
いは共重合されていてもよい。
る中空部の総面積に対する単糸断面の外周部で囲まれた
面積の比である。また,異形度P及びP0 は,各単糸の
異形度の平均値である。
る。
℃)3.40のナイロン6チップを用い,図1(c)の井型
中空断面形状となる紡糸口金を用いて,通常の溶融紡糸
法により紡糸,延伸し,80d/16f の井型断面中空糸条を
得た。得られた糸条を構成する単糸の中空率は12%,異
形度P0 は2.1であった。
度 175℃,加工速度 100m/分の条件で通常の仮撚捲縮
加工を施した。得られた仮撚捲縮加工糸の横断面形状を
図3に示す。各単糸はランダムに変形し,異形度Pは2.
7,平均中空率は0.1%であった。
度48本/cm,緯密度32本/cmのツイル織物を製織し,染
色加工を行った。得られた織物は,軽量感,ドライ感と
ともに,ハリ,腰のある良好なものであった。
の田型中空断面形状となる紡糸口金を用いて実施例1と
同様に80d/16f の田型断面中空糸条を得た。得られた糸
条を構成する単糸の中空率は23%,異形度P0 は1.4で
あった。
度 175℃,加工速度 100m/分の条件で通常の仮撚捲縮
加工を施した。得られた仮撚捲縮加工糸の横断面形状
は,各単糸とも類似したものであり,異形度Pも1.9と
低く,平均中空率は1.2%であった。実施例1と同様に
してツイル織物を製織し,染色加工した織物は,ドライ
感,軽量感に乏しいものであった。
1と同様にして80d/16f の中空繊維糸条を得た。得られ
た糸条の中空率は7%,異形度P0 は2.0であった。こ
の糸条に, 実施例1と同様に仮撚捲縮加工を施した。得
られた仮撚捲縮加工糸は,平均中空率が0.1%,異形度
Pが2.3であった。実施例1と同様にしてツイル織物を
製織し,染色加工した織物は,ドライ感,軽量感ともに
乏しいものであった。
単糸の横断面形状がランダムに異なり,また,繊維軸方
向にも断面形状が変化しているので,この加工糸を製編
織して得られる布帛に,重量感,ドライ感とともに,ハ
リ,腰を付与することができる。また,本発明の製造法
によれば,上記の利点を有する特殊断面仮撚捲縮加工糸
を容易にかつ安定して製造することができる。
形断面中空繊維の例を示す横断面図である。
異形断面中空繊維の例を示す横断面図である。
断面図である。
Claims (2)
- 【請求項1】 最外部に突起状のフィンを有する異形断
面中空糸条に仮撚捲縮加工を施して得られた加工糸であ
って,糸条を構成する単糸の平均中空率が0〜3%であ
り,かつ各単糸の横断面形状が異なり,構成単糸数の70
%以上が下記異形度Pの横断面形状を有していることを
特徴とする特殊断面仮撚捲縮加工糸。 P=2.5〜4.0 ただし,Pは, 単糸横断面の外接円と内接円の直径の比
である。 - 【請求項2】 糸条を構成する各単糸の中空率が8〜45
%で,かつ最外部に突起状のフィンを有し,下記異形度
P0 の異形断面中空糸条に仮撚捲縮加工を施し,単糸の
平均中空率を3%以下にすることを特徴とする特殊断面
仮撚捲縮加工糸の製造法。 P0 =1.5〜3.5 ただし,P0 は, 単糸横断面の外接円と内接円の直径の
比である。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP23871993A JP3278256B2 (ja) | 1993-08-30 | 1993-08-30 | 特殊断面仮撚捲縮加工糸とその製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP23871993A JP3278256B2 (ja) | 1993-08-30 | 1993-08-30 | 特殊断面仮撚捲縮加工糸とその製造法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH0770849A JPH0770849A (ja) | 1995-03-14 |
JP3278256B2 true JP3278256B2 (ja) | 2002-04-30 |
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Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP23871993A Expired - Fee Related JP3278256B2 (ja) | 1993-08-30 | 1993-08-30 | 特殊断面仮撚捲縮加工糸とその製造法 |
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TWI658183B (zh) * | 2016-06-21 | 2019-05-01 | 三菱化學股份有限公司 | 扁平剖面捲縮絲、該捲縮絲的製造方法和含有該捲縮絲的編織物 |
-
1993
- 1993-08-30 JP JP23871993A patent/JP3278256B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JPH0770849A (ja) | 1995-03-14 |
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