JP2840189B2 - 凹凸感に優れた織編物及びその製造方法 - Google Patents
凹凸感に優れた織編物及びその製造方法Info
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Description
調の顕著な凹凸感を現出する撚糸を用いた織編物に関す
る。
織編物としては、紡毛糸を用いたものが一般的である
が、かかる織編物は厚地布帛であって、婦人用等のドレ
ープ性に優れた中肉織編物を得ることは困難であった。
一方、合成繊維フィラメントは、紡毛糸に比べ細繊度で
強度に優れた糸条が得られるため、これらを用いてツィ
ード調の外観が得られれば中肉織編物を得ることが可能
となる。
ツィードの如く凹凸のある外観を得る方法として、壁糸
が良く知られている。すなはち、強撚を施した太繊度糸
と細繊度糸を下撚り方向とは逆方向に撚糸して、細繊度
糸の周囲に太繊度糸を波形に巻きつかせた壁糸を用いて
編織を行ない荒壁の如き外観を持った布帛を得る方法で
ある。よって、合成繊維フィラメンを用いてかかる壁糸
を得、これを編織すれば中肉織編物を得ることができ
る。
るものとしては、特開昭50−40854号公報や特開
昭57−56543号公報に壁糸を仮撚したり、追撚し
たりするものが知られている。また、特開平4−108
135号公報にはタスラン加工を施した異収縮混繊糸を
強撚糸となして、ループと糸足差によりふくらみ感のあ
る布帛を得ることが開示されている。
如き従来技術には以下の如き問題点がある。壁糸は既に
凹凸のある表面形状を有しているため工程通過性が悪く
これを編織することが困難であって、凹凸の程度を顕著
にすればする程製織性は低下する。而して、このような
壁糸を無理に編織すると均一な芯鞘状の形状が崩れ、織
編物の表面が乱れて品位の著しく劣ったものとなってし
まう。
行技術でも、編織による影響を防ぐことはできない。ま
た、壁糸に仮撚や追撚を施したものや、例えタスラン加
工のような手法により得られた糸足差のある加工糸を用
いたとしても、得られる織編物は壁糸本来の風合いとは
異なったものとなってしまう。
って、その目的は、ドレープ性を有した中肉地布帛であ
って、壁糸調の顕著な凹凸感を持ったツィード調織編物
を提供することにある。
0以上の実撚が付与されたマルチフィラメントAと、該
マルチフィラメントAに対し繊度が0.5倍以下のフィ
ラメントBとをマルチフィラメントAの実撚方向とは反
対方向に交撚してなる撚糸を用いた織編物において、マ
ルチフィラメントAの糸長がフィラメントBの糸長に対
して10%以上長いことを特徴とする凹凸感に優れた織
編物であり、かかる織編物は、撚係数8500以上の実
撚が付与されたマルチフィラメントAと、該マルチフィ
ラメントAに対し繊度が0.5倍以下、熱収縮率差が1
0%以上である高収縮フィラメントBの両者をマルチフ
ィラメントAの実撚方向とは反対方向に交撚して撚糸を
得た後、該撚糸を用いて編織を行い、得られた織編物を
熱処理して前記高収縮フィラメントBを収縮せしめ、マ
ルチフィラメントAと高収縮フィラメントBとの糸長差
を10%以上生ぜしめることを特徴とすることにより得
ることができる。
テル、ポリアミド等特に限定はされないが、耐光堅牢度
や張り腰感を得るためにはポリエステル系合成繊維を用
いることが好ましい。
明する。該撚糸は強撚の施された太繊度糸(マルチフィ
ラメントA)と細繊度糸(フィラメントB)とを、マル
チフィラメントAの下撚り方向とは逆方向に交撚してな
るものであり、フィラメントBはマルチフィラメントA
の繊度の0.5倍以下、好ましくは0.25倍以下であ
ればマルチフィラメントAが表面に大きく露出して顕著
な壁糸調となる。また、衣料用途にはマルチフィラメン
トAの繊度は100〜500デニール程度、フィラメン
トBは30〜100デニール程度で前記範囲に属するも
のを用いればよい。
は、繊度0.5 (デニール)*撚り数(T/M)で示され
る撚係数(K)が8500以上となるような実撚であ
る。このような実撚を有することによって、本撚糸は後
述するような顕著な外観を呈し、更にドレープ性を有す
るようになる。また、両糸の交撚数は撚係数(K)を5
000〜18000とすることが好ましく、交撚数が少
ないと引揃え状態に近くなって壁糸調になり難く、逆に
多過ぎると壁糸調よりもむしろカバーリング糸状となっ
て顕著な凹凸感が得られない。
要な点は、マルチフィラメントAの糸長がフィラメント
Bの糸長に対して10%以上、好ましくは15%以上長
い点にある。通常壁糸は、強撚を施されたマルチフィラ
メントAが撚り戻されて伸び、一方フィラメントBは撚
られて縮むため糸長差を有するものであるが、前記範囲
はかかる作用によって生ずる糸長差を更に越えたもので
あり、例えば後述する如くフィラメントBとして高い収
縮性を有するものを用いること等によって得られるもの
である。
よって、前記撚糸はフィラメントAがマルチフィラメン
トBの周囲を大きくうねってリング状に捲回し、これに
よって前記撚糸を用いた本織編物は顕著な凹凸感を有す
ることとなる。さらに、マルチフィラメントAは表層に
近づくに従ってやや拡散しつつも完全にバラけることな
く、ある程度の収束性を持ってフィラメントBの周囲を
大きく捲回している。このようなマルチフィラメントA
の形状は、付与された実撚によるものであり、収束性は
その実撚によって、拡散性は実撚の解撚トルクによって
生ずるものと考えられ、かかる拡散と収束のバランスに
よって、独自の凹凸感とドレープ性が得られる。
ントAは、前記の如き撚数を有した中強撚糸であればよ
いが、特に芯鞘状の構造を呈した複合仮撚加工糸を用い
ればスパンタッチ風合いを更に向上せしめることができ
る。かかる複合仮撚加工糸としては、例えば、特公昭5
9−24212号公報に記載された如く、延伸糸と未延
伸糸とを同時仮撚して延伸糸を芯部に未延伸糸を鞘部に
配した二層構造を持つもの、或いは特公昭58−129
40号公報に記載された如く、未延伸糸と半延伸糸とを
延伸同時仮撚して前述の如き二層構造となしたもの等が
挙げられる。このような、二層構造を持つ複合仮撚加工
糸は撚糸した際、芯部の糸条は強撚されても鞘部の糸条
は余り強撚されず嵩高性が大きく損なわれることは少な
い。
トBは、仮撚捲縮等を有しないフラットヤーンで、沸水
処理後の初期弾性率が500kg/mm2 以下のポリエ
ステル系糸条がドレープ性の向上のため好ましい。
であるが、該撚糸の風合いを損なわない限り他の糸条を
交編織、混繊、交撚、複合等の手段により混用すること
も可能である。例えば、経糸にレギュラー糸とカチオン
可染糸のように異染性の糸条を混繊や合撚したものを、
緯糸に本発明の撚糸を用いて交織を行った織物は凹凸感
と杢調の表面変化を有し秋冬向け素材として好ましい。
る。前述の如き織編物、特に該織編物に用いられる撚糸
については、以下の如き方法にて製造すると高い生産性
を持って編織を行うことができる。
Aに撚係数8500以上の実撚を付与した後、該マルチ
フィラメントAに対し繊度が0.5倍以下のフィラメン
トBをマルチフィラメントAの実撚方向とは反対方向に
交撚して撚糸を得る。また、交撚は、マルチフィラメン
トAを実質的にオーバフィードすることなく撚糸するこ
とが好ましく、フィラメントBに対するマルチフィラメ
ントAのオーバフィード率を5%以下とすることが好ま
しい。
メントAよりも熱収縮率が10%以上、好ましくは15
%以上高い高収縮フィラメントBを用いる。高収縮フィ
ラメントBとしては、ポリエチレンテレフタレート等の
場合、延伸時のヒートセット条件を適宜設定することに
より得たものが一般的であるが、特に収縮時にある程度
の応力を有するものが好ましく、例えばポリエチレンテ
レフタレートにイソフタル酸及び/又はビスフェノール
Aを共重合せしめた共重合ポリエステルは熱収縮率、熱
応力とも高く好ましい。また、フィラメントAは低熱収
縮のものが好ましく、例えば熱収縮率が4.5%以下の
ものや自己伸長性を有するものが好ましい。
フィラメントBを収縮させることなく編織を行った後、
得られた織編物に対してリラックス熱処理等を施して、
フィラメントAが高収縮フィラメントBよりも10%以
上長い糸長を有するように、例えば織編物を15%以上
縮め、高収縮フィラメントBを十分に収縮せしめめる。
カリ減量を施すことはよりドレープ性を高めることがで
きるため好ましい。
3200m/分で紡糸して225d/48fのセミダル
丸断面の半延伸糸と、紡糸速度1500m/分で紡糸し
て240d/72fのセミダル三角断面の未延伸糸とを
得た。次に両糸を引き揃えて1ヒータ仮撚加工機(帝人
製機製)に掛け、延伸倍率1.6倍、ヒータ温度170
℃にてフリクション仮撚し290d/120fの芯鞘型
二層構造仮撚加工糸となし、該二層構造仮撚加工糸にダ
ブルツイスターでS1500T/M(撚係数2554
4)の実撚を付与した(沸水収縮率4.0%)。
フタル酸を8mol%共重合せしめた50d/24fの
セミダル丸断面の高収縮フィラメント(沸水収縮率35
%)と、前記二層構造仮撚加工糸とを引き揃え(オーバ
フィード率0%)合撚糸機にてZ600T/Mで合撚し
て撚糸を得た。
レフタレート延伸糸をスピンドル仮撚加工してS100
0T/Mの追撚を施した仮撚加工糸を経糸に、前記壁糸
を緯糸に用いて2/2の綾組織で経糸密度124本/i
nch、緯糸密度64本/inchの織物を製織し、染
色の後、23%のアルカリ減量を施した。
織物表面に立体的に大きく浮き上がり、ソフトで膨らみ
感があって且つドレープ性にも優れた中肉織物であっ
た。又、仕上げ加工後の織物から壁糸を取り出し、高収
縮フィラメントと二層構造仮撚加工糸に分離して実撚を
解撚し測定した糸長は、二層構造仮撚加工糸の方が高収
縮フィラメントよりも23%長かった。
状に捲回したマルチフィラメントが織編物の表面に顕著
な凹凸感を与え、従来の壁糸では得られなかったような
外観を得ることができる。また、本織編物は中肉地布帛
でありながらドレープ性を有し、前述の外観と合わせて
婦人向けのコート地等として極めて有用である。更に、
本発明方法は、該織編物を編織効率を低下させることな
く高い生産効率をもって工業的に製造することができ、
その有用性は明らかである。
Claims (2)
- 【請求項1】 撚係数8500以上の実撚が付与された
マルチフィラメントAと、該マルチフィラメントAに対
し繊度が0.5倍以下のフィラメントBとをマルチフィ
ラメントAの実撚方向とは反対方向に交撚してなる撚糸
を用いた織編物において、マルチフィラメントAの糸長
がフィラメントBの糸長に対して10%以上長いことを
特徴とする凹凸感に優れた織編物。 - 【請求項2】 撚係数8500以上の実撚が付与された
マルチフィラメントAと、該マルチフィラメントAに対
し繊度が0.5倍以下、熱収縮率差が10%以上である
高収縮フィラメントBの両者をマルチフィラメントAの
実撚方向とは反対方向に交撚して撚糸を得た後、該撚糸
を用いて編織を行い、得られた織編物を熱処理して前記
高収縮フィラメントBを収縮せしめ、マルチフィラメン
トAと高収縮フィラメントBとの糸長差を10%以上生
ぜしめることを特徴とする凹凸感に優れた織編物の製造
方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6019864A JP2840189B2 (ja) | 1994-01-19 | 1994-01-19 | 凹凸感に優れた織編物及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6019864A JP2840189B2 (ja) | 1994-01-19 | 1994-01-19 | 凹凸感に優れた織編物及びその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07216689A JPH07216689A (ja) | 1995-08-15 |
JP2840189B2 true JP2840189B2 (ja) | 1998-12-24 |
Family
ID=12011094
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP6019864A Expired - Fee Related JP2840189B2 (ja) | 1994-01-19 | 1994-01-19 | 凹凸感に優れた織編物及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
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Family Cites Families (3)
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JPS43213Y1 (ja) * | 1965-07-27 | 1968-01-08 | ||
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JPH0830293B2 (ja) * | 1987-07-16 | 1996-03-27 | 東レ株式会社 | 柔軟性編織物およびその製造方法 |
-
1994
- 1994-01-19 JP JP6019864A patent/JP2840189B2/ja not_active Expired - Fee Related
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