JP3423826B2 - カットパイル織編物およびその製造方法 - Google Patents
カットパイル織編物およびその製造方法Info
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、インテリアや車輌等の
椅子張りに好適な異染性で立毛性に優れたカットパイル
織編物およびその製造方法に関する。
椅子張りに好適な異染性で立毛性に優れたカットパイル
織編物およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、インテリアや車輌などの椅子張り
に使われているパイル布帛としては、モケット(二重
織)織機によるパイル織物とダブルラッセル編機による
パイル編地などが高級品として良く知られている。
に使われているパイル布帛としては、モケット(二重
織)織機によるパイル織物とダブルラッセル編機による
パイル編地などが高級品として良く知られている。
【0003】すなわち、いずれのパイル織編物もパイル
糸が機上でナイフによりきれいにカットされること、お
よび、パイル糸が紡績糸のため、比較的低捲縮、かつ、
実撚があって収束していることなどから、トリコットや
丸編によるパイル編地を起毛したものに比べてパイルの
立毛性が良く、外観風合的に優れたものが得られること
が知られている。
糸が機上でナイフによりきれいにカットされること、お
よび、パイル糸が紡績糸のため、比較的低捲縮、かつ、
実撚があって収束していることなどから、トリコットや
丸編によるパイル編地を起毛したものに比べてパイルの
立毛性が良く、外観風合的に優れたものが得られること
が知られている。
【0004】しかし、その反面、パイル糸が紡績糸のた
め、構成フィラメントのパイル長が不揃いでカット面が
フラットに揃い難いとか、脱毛し易いとか、製造工程で
風綿が多発するとか、毛羽などのため、ボビンなどの解
舒性や製織性、編立性などが劣るといった欠点もあり、
改善が望まれていた。また、最近は、品位に対する要求
が一段と高級化し、多様化する風潮にあり、従来と違っ
た新しい質感のカットパイル織編物が強く熱望されてい
る。
め、構成フィラメントのパイル長が不揃いでカット面が
フラットに揃い難いとか、脱毛し易いとか、製造工程で
風綿が多発するとか、毛羽などのため、ボビンなどの解
舒性や製織性、編立性などが劣るといった欠点もあり、
改善が望まれていた。また、最近は、品位に対する要求
が一段と高級化し、多様化する風潮にあり、従来と違っ
た新しい質感のカットパイル織編物が強く熱望されてい
る。
【0005】しかし、これに対しては、いろいろな種類
の原綿を使った多数の紡績糸が種々開発されており、既
に、紡績という一つのプロセスだけではこれらの要求に
対応する品位の飛躍に限界が生じていた。
の原綿を使った多数の紡績糸が種々開発されており、既
に、紡績という一つのプロセスだけではこれらの要求に
対応する品位の飛躍に限界が生じていた。
【0006】一方、これに対し、最近パイル糸にフィラ
メント糸を用いる試みが検討されているが(特開平6―
212515号公報、特開平6―184862号公報、
特開平6―184863号公報参照)、嵩高性、糸染
性、軽量性、コストなどの点で従来の紡績糸を越えるよ
うな品位のものは得られていない。
メント糸を用いる試みが検討されているが(特開平6―
212515号公報、特開平6―184862号公報、
特開平6―184863号公報参照)、嵩高性、糸染
性、軽量性、コストなどの点で従来の紡績糸を越えるよ
うな品位のものは得られていない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、カットパイ
ル織編物のパイル糸に、紡績糸でなくポリエステルフィ
ラメントの特殊な異染性複合仮撚捲縮糸を採用すること
により、従来にない新しい品位の外観と風合特に深みの
ある優れたヘザー効果を示す風合ならびに優れた取扱性
をもった新規なカットパイル織編物およびその製造方法
を提供するものである。
ル織編物のパイル糸に、紡績糸でなくポリエステルフィ
ラメントの特殊な異染性複合仮撚捲縮糸を採用すること
により、従来にない新しい品位の外観と風合特に深みの
ある優れたヘザー効果を示す風合ならびに優れた取扱性
をもった新規なカットパイル織編物およびその製造方法
を提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、ポリエステル
マルチフィラメント(A)及び(B)とからなる複合仮
撚糸(P)を糸染したのち、これをパイル成分に用いた
カットパイル織編物であって、上記フィラメント
(A)、(B)および複合仮撚糸(P)が下記(1)〜
(8)を同時に満足することを特徴とするカットパイル
織編物である。 (A)イオン性染料に可染性である低配向細デニールポ
リエステルマルチフィラメント(B)イオン性染料に不
染性である高配向太デニールポリエステルマルチフィラ
メント (1)0.4≦DA/(DA+DB)≦0.7 (2)3≦NA/NB≦8 (3)CP≦2% (4)1%≦CA≦5% (5)0%<CB≦2% (6)εA<εB≦1 (7) εB≧0.8 (8)SP≦4.5% ここで DA:低配向細デニールポリエステルマルチフィラメン
トAの全デニール(de) DB:高配向太デニールポリエステルマルチフィラメン
トBの全デニール(de) NA:低配向細デニールポリエステルマルチフィラメン
トAのフィラメント数 NB:高配向太デニールポリエステルマルチフィラメン
トBのフィラメント数 CP:複合仮撚糸の捲縮率(%) CA:低配向細デニールポリエステルマルチフィラメン
トAの捲縮率(%) CB:高配向太デニールポリエステルマルチフィラメン
トBの捲縮率(%) εA:低配向細デニールポリエステルマルチフィラメン
トAの断面変形度 εB:高配向太デニールポリエステルマルチフィラメン
トBの断面変形度 SP:複合仮撚糸の沸水収縮率(%) である。
マルチフィラメント(A)及び(B)とからなる複合仮
撚糸(P)を糸染したのち、これをパイル成分に用いた
カットパイル織編物であって、上記フィラメント
(A)、(B)および複合仮撚糸(P)が下記(1)〜
(8)を同時に満足することを特徴とするカットパイル
織編物である。 (A)イオン性染料に可染性である低配向細デニールポ
リエステルマルチフィラメント(B)イオン性染料に不
染性である高配向太デニールポリエステルマルチフィラ
メント (1)0.4≦DA/(DA+DB)≦0.7 (2)3≦NA/NB≦8 (3)CP≦2% (4)1%≦CA≦5% (5)0%<CB≦2% (6)εA<εB≦1 (7) εB≧0.8 (8)SP≦4.5% ここで DA:低配向細デニールポリエステルマルチフィラメン
トAの全デニール(de) DB:高配向太デニールポリエステルマルチフィラメン
トBの全デニール(de) NA:低配向細デニールポリエステルマルチフィラメン
トAのフィラメント数 NB:高配向太デニールポリエステルマルチフィラメン
トBのフィラメント数 CP:複合仮撚糸の捲縮率(%) CA:低配向細デニールポリエステルマルチフィラメン
トAの捲縮率(%) CB:高配向太デニールポリエステルマルチフィラメン
トBの捲縮率(%) εA:低配向細デニールポリエステルマルチフィラメン
トAの断面変形度 εB:高配向太デニールポリエステルマルチフィラメン
トBの断面変形度 SP:複合仮撚糸の沸水収縮率(%) である。
【0009】また、本発明は、複屈折率Δが0.02〜
0.05でイオン性染料に可染性であるポリエステルマ
ルチフィラメントAと、複屈折率Δnが0.07〜0.
1で、イオン性染料に不染性であるポリエステルマルチ
フィラメントBとを引揃えて、空気ノズルで交絡を付与
し、続いて、熱セット温度80〜140℃、延伸倍率
1.1〜1.4倍、仮撚数32500×(0.8〜1.
0)/√(DA+DB)もしくはD/Y1.6〜2.2の
仮撚加工条件で仮撚加工および200〜250℃で弛緩
熱セット加工を施し、次いでこれによって得た前記
(1)〜(8)を同時に満足する複合仮撚糸Pを0.1
〜0.4g/cm3の巻密度でチーズにソフトワインド
したのち、120〜140℃の温度でチーズ染色し、該
染糸を無撚または追撚もしくは合撚して、パイル織機ま
たはダブルラフセル編機に掛けて、カットパイル用織編
物を製造しさらにこの布帛に毛割、剪毛、バッキングな
どの仕上げ加工を施すことを特徴とするカットパイル織
編物の製造方法である。
0.05でイオン性染料に可染性であるポリエステルマ
ルチフィラメントAと、複屈折率Δnが0.07〜0.
1で、イオン性染料に不染性であるポリエステルマルチ
フィラメントBとを引揃えて、空気ノズルで交絡を付与
し、続いて、熱セット温度80〜140℃、延伸倍率
1.1〜1.4倍、仮撚数32500×(0.8〜1.
0)/√(DA+DB)もしくはD/Y1.6〜2.2の
仮撚加工条件で仮撚加工および200〜250℃で弛緩
熱セット加工を施し、次いでこれによって得た前記
(1)〜(8)を同時に満足する複合仮撚糸Pを0.1
〜0.4g/cm3の巻密度でチーズにソフトワインド
したのち、120〜140℃の温度でチーズ染色し、該
染糸を無撚または追撚もしくは合撚して、パイル織機ま
たはダブルラフセル編機に掛けて、カットパイル用織編
物を製造しさらにこの布帛に毛割、剪毛、バッキングな
どの仕上げ加工を施すことを特徴とするカットパイル織
編物の製造方法である。
【0010】ここで、Dは仮撚フリクションディスクの
表面速度(m/分)、Yは糸速度(m/分)である。
表面速度(m/分)、Yは糸速度(m/分)である。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、添付図面により、本発明を
詳述する。
詳述する。
【0012】図1は、本発明のカットパイル織物の一例
を示す断面図である。図中、Pはカットパイル糸、Gは
地糸、Hはカットパイル糸が抜けるのを防止するための
バッキング樹脂を示している。
を示す断面図である。図中、Pはカットパイル糸、Gは
地糸、Hはカットパイル糸が抜けるのを防止するための
バッキング樹脂を示している。
【0013】ここで、カットパイル糸Pは、染色性及び
捲縮率の異なる2種のポリエステルマルチフィラメント
AおよびBからなる複合仮撚糸をチーズ染色法にて糸染
したもので、下記特性(1)〜(8)の要件を満足する
必要がある。 (A)イオン性染料に可染性である低配向細デニールポ
リエステルマルチフィラメント(B)イオン性染料に不
染性である高配向太デニールポリエステルマルチフィラ
メント (1)0.4≦DA /(DA +DB )≦0.7 (2)3≦NA /NB ≦8 (3)CP ≦2% (4)1%≦CA ≦5% (5)0%<CB ≦2% (6)εA <εB ≦1 (7) εB ≧0.8 (8)SP ≦4.5% ここで DA :低配向細デニールポリエステルマルチフィラメン
トAの全デニール(de) DB :高配向太デニールポリエステルマルチフィラメン
トBの全デニール(de) NA :低配向細デニールポリエステルマルチフィラメン
トAのフィラメント数 NB :高配向太デニールポリエステルマルチフィラメン
トBのフィラメント数 CP :複合仮撚糸の捲縮率(%) CA :低配向細デニールポリエステルマルチフィラメン
トAの捲縮率(%) CB :高配向太デニールポリエステルマルチフィラメン
トBの捲縮率(%) εA :低配向細デニールポリエステルマルチフィラメン
トAの断面変形度 εB :高配向太デニールポリエステルマルチフィラメン
トBの断面変形度 SP :複合仮撚糸の沸水収縮率(%) である。
捲縮率の異なる2種のポリエステルマルチフィラメント
AおよびBからなる複合仮撚糸をチーズ染色法にて糸染
したもので、下記特性(1)〜(8)の要件を満足する
必要がある。 (A)イオン性染料に可染性である低配向細デニールポ
リエステルマルチフィラメント(B)イオン性染料に不
染性である高配向太デニールポリエステルマルチフィラ
メント (1)0.4≦DA /(DA +DB )≦0.7 (2)3≦NA /NB ≦8 (3)CP ≦2% (4)1%≦CA ≦5% (5)0%<CB ≦2% (6)εA <εB ≦1 (7) εB ≧0.8 (8)SP ≦4.5% ここで DA :低配向細デニールポリエステルマルチフィラメン
トAの全デニール(de) DB :高配向太デニールポリエステルマルチフィラメン
トBの全デニール(de) NA :低配向細デニールポリエステルマルチフィラメン
トAのフィラメント数 NB :高配向太デニールポリエステルマルチフィラメン
トBのフィラメント数 CP :複合仮撚糸の捲縮率(%) CA :低配向細デニールポリエステルマルチフィラメン
トAの捲縮率(%) CB :高配向太デニールポリエステルマルチフィラメン
トBの捲縮率(%) εA :低配向細デニールポリエステルマルチフィラメン
トAの断面変形度 εB :高配向太デニールポリエステルマルチフィラメン
トBの断面変形度 SP :複合仮撚糸の沸水収縮率(%) である。
【0014】以下各要件別に説明する。
【0015】要件(1)〜(2)
本発明による複合仮撚糸(P)は、以下のポリエステル
マルチフィラメント(A)及び(B)から構成されるこ
とが必要である。 (A)イオン性染料に可染性である低配向細デニールポ
リエステルマルチフィラメント(B)イオン性染料に不
染性である高配向太デニールポリエステルマルチフィラ
メント (1)デニール混繊比率 0.4≦DA /(DA +DB )≦0.7 (2)フィラメント本数比率 3≦NA /NB ≦8 即ち、イオン染料に可染性である低配向、細デニールポ
リエステルマルチフィラメト(以下(A)ポリエステル
と略称する)の混繊比率は40〜70%、本数比率はイ
オン染料に不染性である高配向・太デニールポリエステ
ルマルチフィラメント(以下(B)ポリエステルと略称
する)に対して3〜8倍である。混繊比率については、
(A)ポリエステルが40%未満では、(B)ポリエス
テルの色相が支配的になるので、得られる製品の色相、
濃度範囲が狭くなると共に(A)ポリエステルの特徴が
減少するので好ましくない。また(B)ポリエステルが
30%未満では、耐毛倒れ性の効果を充分に果すことが
できないことと併せて、濃色となりすぎ、好ましくな
い。本数比率は、耐毛倒れ性及び柔軟性に大きく影響す
るので(A)ポリエステルが、(B)ポリエステルに対
して3〜8倍であることが必要である。
マルチフィラメント(A)及び(B)から構成されるこ
とが必要である。 (A)イオン性染料に可染性である低配向細デニールポ
リエステルマルチフィラメント(B)イオン性染料に不
染性である高配向太デニールポリエステルマルチフィラ
メント (1)デニール混繊比率 0.4≦DA /(DA +DB )≦0.7 (2)フィラメント本数比率 3≦NA /NB ≦8 即ち、イオン染料に可染性である低配向、細デニールポ
リエステルマルチフィラメト(以下(A)ポリエステル
と略称する)の混繊比率は40〜70%、本数比率はイ
オン染料に不染性である高配向・太デニールポリエステ
ルマルチフィラメント(以下(B)ポリエステルと略称
する)に対して3〜8倍である。混繊比率については、
(A)ポリエステルが40%未満では、(B)ポリエス
テルの色相が支配的になるので、得られる製品の色相、
濃度範囲が狭くなると共に(A)ポリエステルの特徴が
減少するので好ましくない。また(B)ポリエステルが
30%未満では、耐毛倒れ性の効果を充分に果すことが
できないことと併せて、濃色となりすぎ、好ましくな
い。本数比率は、耐毛倒れ性及び柔軟性に大きく影響す
るので(A)ポリエステルが、(B)ポリエステルに対
して3〜8倍であることが必要である。
【0016】単繊維繊度は、太い程、耐毛倒れ性が良く
なるが、反面風合が粗硬になるため、(A)ポリエステ
ルの単糸繊度は1〜3デニール、(B)ポリエステルの
単糸繊度は4〜7デニールの範囲で用いるのが好まし
い。(B)ポリエステルの単糸繊度が4デニール未満で
は、カットパイル布帛の立毛部を形成した際毛倒れしや
すく、一方、7デニールを超えると、触った時にチクチ
クすることがあり、好ましくない。
なるが、反面風合が粗硬になるため、(A)ポリエステ
ルの単糸繊度は1〜3デニール、(B)ポリエステルの
単糸繊度は4〜7デニールの範囲で用いるのが好まし
い。(B)ポリエステルの単糸繊度が4デニール未満で
は、カットパイル布帛の立毛部を形成した際毛倒れしや
すく、一方、7デニールを超えると、触った時にチクチ
クすることがあり、好ましくない。
【0017】(A)ポリエステルの単糸繊度1〜3de
は、ソフト風合を出す以外に、(B)ポリエステルによ
って生じやすいパイル糸間の空隙を埋め耐毛倒れ性を側
面から、助ける作用も有している。
は、ソフト風合を出す以外に、(B)ポリエステルによ
って生じやすいパイル糸間の空隙を埋め耐毛倒れ性を側
面から、助ける作用も有している。
【0018】更に、染色後の、混色効果(ヘザー効果)
に影響し1デニール未満では、耐フイルブリル性が悪化
すると共に細い杢となり、3デニールを超えると粗い杢
となり、いずれも、好ましくない。
に影響し1デニール未満では、耐フイルブリル性が悪化
すると共に細い杢となり、3デニールを超えると粗い杢
となり、いずれも、好ましくない。
【0019】要件(3)〜(5)
本発明による複合仮撚糸Pの捲縮率は、紡績糸と同様ま
たはそれ以上の立毛性を得るため超低温で仮撚加工し、
かつ、さらに捲縮を熱セットすることにより(3)式を
満足する必要がある。これが2%を超えると、パイル配
列性が悪くなるとともに、色の深味も悪くなる欠点が生
じる。
たはそれ以上の立毛性を得るため超低温で仮撚加工し、
かつ、さらに捲縮を熱セットすることにより(3)式を
満足する必要がある。これが2%を超えると、パイル配
列性が悪くなるとともに、色の深味も悪くなる欠点が生
じる。
【0020】なお、従来からも複合仮撚技術は、いろい
ろ行われており、代表的な例として、例えば、特公昭5
9―39526号公報、あるいは、特公昭61―197
33号公報などが良く知られているが、ともにバルキー
なスパンライク糸を狙ったもので、記載内容より、当
然、捲縮率が糸、芯糸ともに、通常、10〜25%程度
であり、かつ、断面変形もしており、本発明のような高
品位のパイル形態は得られない。特に、後者は伸度差が
大きいため仮撚加工後の芯鞘の糸足差も大きくなり、パ
イルのカット面が不揃いになり易く好ましくない。
ろ行われており、代表的な例として、例えば、特公昭5
9―39526号公報、あるいは、特公昭61―197
33号公報などが良く知られているが、ともにバルキー
なスパンライク糸を狙ったもので、記載内容より、当
然、捲縮率が糸、芯糸ともに、通常、10〜25%程度
であり、かつ、断面変形もしており、本発明のような高
品位のパイル形態は得られない。特に、後者は伸度差が
大きいため仮撚加工後の芯鞘の糸足差も大きくなり、パ
イルのカット面が不揃いになり易く好ましくない。
【0021】一方、低温で複合仮撚するケースも、例え
ば、特開平1―804388号公報などに見られるが、
今度は捲縮がほとんどないフラットヤーンで、かつ、沸
水収縮率が高くなるため、糸染しようとすると、染液の
浸透性が悪くなって染斑が発生したり、かつ、チーズ内
外層で染着差が発生したりする。また、フラットヤーン
では、毛倒れ性も悪くなり好ましくない。
ば、特開平1―804388号公報などに見られるが、
今度は捲縮がほとんどないフラットヤーンで、かつ、沸
水収縮率が高くなるため、糸染しようとすると、染液の
浸透性が悪くなって染斑が発生したり、かつ、チーズ内
外層で染着差が発生したりする。また、フラットヤーン
では、毛倒れ性も悪くなり好ましくない。
【0022】従って、本発明においても、この捲縮率を
低くすると、単繊維がストレート化してパイル糸間の空
隙が多くなり、圧縮を受けた際、変形し易く、かつ、変
形を受けなかった箇所との形態差が大きくなり、その圧
縮跡がいつまでも残り易い傾向、すなわち、毛倒れ性が
悪くなる傾向がある。
低くすると、単繊維がストレート化してパイル糸間の空
隙が多くなり、圧縮を受けた際、変形し易く、かつ、変
形を受けなかった箇所との形態差が大きくなり、その圧
縮跡がいつまでも残り易い傾向、すなわち、毛倒れ性が
悪くなる傾向がある。
【0023】これに対し、本発明は、複屈折度の異なる
原糸を用い仮撚加工時の熱セット条件を工夫することに
よって(4)式、(5)式を満足し、従来、改善が難し
かったソフト風合と耐毛倒れ性を同時に改善することに
成功した。
原糸を用い仮撚加工時の熱セット条件を工夫することに
よって(4)式、(5)式を満足し、従来、改善が難し
かったソフト風合と耐毛倒れ性を同時に改善することに
成功した。
【0024】すなわち、パイル糸全体としては(3)式
に示すように超低捲縮状態にありながら構成フィラメン
ト段階では異捲縮芯鞘混合状態にあり、このうちの高捲
縮側フィラメントAが捲縮による柔軟性を活かしてソフ
ト風合を担い、フラットヤーンに近い低捲縮側フィラメ
ントBが立毛性と耐毛倒れ性を担うものである。
に示すように超低捲縮状態にありながら構成フィラメン
ト段階では異捲縮芯鞘混合状態にあり、このうちの高捲
縮側フィラメントAが捲縮による柔軟性を活かしてソフ
ト風合を担い、フラットヤーンに近い低捲縮側フィラメ
ントBが立毛性と耐毛倒れ性を担うものである。
【0025】なお、ここで、フィラメントAの捲縮は、
ソフト風合を出す以外にフィラメントBによって生じ易
いパイル糸間の空隙を鞘となって埋め、耐毛倒れ性を芯
のフィラメントBの周囲側面から助ける作用も有してい
る。さらに、異捲縮フィラメントの混合は、単一糸の場
合に比べて形態が複雑化し、このため、光の吸収・反射
の方向性を分散させ、形態の変化を目立たなくする作用
も有しているものと思われる。
ソフト風合を出す以外にフィラメントBによって生じ易
いパイル糸間の空隙を鞘となって埋め、耐毛倒れ性を芯
のフィラメントBの周囲側面から助ける作用も有してい
る。さらに、異捲縮フィラメントの混合は、単一糸の場
合に比べて形態が複雑化し、このため、光の吸収・反射
の方向性を分散させ、形態の変化を目立たなくする作用
も有しているものと思われる。
【0026】要件(6)〜(7)
本発明では、上記特性をさらに高めるため、さらに
(6)式、(7)式を満足する必要がある。すなわち、
パイル糸を構成するフィラメントA、B間に捲縮のみな
らず、図2に示すように、断面変形度にも差を付与する
というもので、原糸の複屈折率差、ポリマー差、仮撚加
工の延伸熱セット温度などを工夫し、低捲縮フィラメン
トBの断面変形度をフィラメントAより極力小さくする
ことによりフィラメントBの耐毛倒れ性を高め、同時に
フィラメントAの柔軟性を高めようというものである。
(6)式、(7)式を満足する必要がある。すなわち、
パイル糸を構成するフィラメントA、B間に捲縮のみな
らず、図2に示すように、断面変形度にも差を付与する
というもので、原糸の複屈折率差、ポリマー差、仮撚加
工の延伸熱セット温度などを工夫し、低捲縮フィラメン
トBの断面変形度をフィラメントAより極力小さくする
ことによりフィラメントBの耐毛倒れ性を高め、同時に
フィラメントAの柔軟性を高めようというものである。
【0027】なお、この際、仮撚加工用原糸の複屈折率
Δnが0.02未満になると、断面変形が大きくなり過
ぎ、偏平化してしまい好ましくない。
Δnが0.02未満になると、断面変形が大きくなり過
ぎ、偏平化してしまい好ましくない。
【0028】要件(8)
本発明では、上記特性を満足した複合仮撚糸Pをソフト
ワインドしてチーズ染色法によって糸染する必要があ
る。従って、チーズ染色時に染斑が発生しないように適
用な嵩性と低熱収縮特性が必要であり、この意味からも
(3)式の捲縮率と効果的熱セット条件を用いて(8)
式の低熱収縮率を満足する必要がある。また、チーズ染
色後の解舒性を良くするため、フィラメントAとBの間
には交絡による抱合性を付与しておく必要がある。
ワインドしてチーズ染色法によって糸染する必要があ
る。従って、チーズ染色時に染斑が発生しないように適
用な嵩性と低熱収縮特性が必要であり、この意味からも
(3)式の捲縮率と効果的熱セット条件を用いて(8)
式の低熱収縮率を満足する必要がある。また、チーズ染
色後の解舒性を良くするため、フィラメントAとBの間
には交絡による抱合性を付与しておく必要がある。
【0029】以上のような特性を満足した複合仮撚糸を
糸染し、二重織織機、あるいは、ダブルラッセル編機に
かけてカットパイル織編物を作成すると、立毛性に優れ
且つ非常に深みのあるヘーザー効果を有した風合に優れ
た従来にない品位のカットパイル織編物を得ることがで
きる。
糸染し、二重織織機、あるいは、ダブルラッセル編機に
かけてカットパイル織編物を作成すると、立毛性に優れ
且つ非常に深みのあるヘーザー効果を有した風合に優れ
た従来にない品位のカットパイル織編物を得ることがで
きる。
【0030】次に、本発明におけるカットパイル織編物
の製造方法について述べる。
の製造方法について述べる。
【0031】本発明の目的は、従来にない新しい品位の
外観と風合特に深味のある優れたヘザー効果を示す風合
を有し、かつ、取扱性の良い異染性カットパイル織編物
を提供することである。このためには、連続フィラメン
トを対象にいろいろな捲縮形態を付与したり、充分な熱
セットをする必要があり、本発明は、糸の製造方法とし
て2ヒーター方式の仮撚加工法を最適手段として採用し
た。また、カットパイルの立毛品位を良くするためには
超低捲縮特性が必要であり、本発明ではこの超低捲縮糸
を安定して得るため複屈折率の異なる原糸を供給する。
外観と風合特に深味のある優れたヘザー効果を示す風合
を有し、かつ、取扱性の良い異染性カットパイル織編物
を提供することである。このためには、連続フィラメン
トを対象にいろいろな捲縮形態を付与したり、充分な熱
セットをする必要があり、本発明は、糸の製造方法とし
て2ヒーター方式の仮撚加工法を最適手段として採用し
た。また、カットパイルの立毛品位を良くするためには
超低捲縮特性が必要であり、本発明ではこの超低捲縮糸
を安定して得るため複屈折率の異なる原糸を供給する。
【0032】以下、添付図面により具体例を挙げて詳述
する。図4は、本発明のカットパイル織編物のパイル糸
に使う複合仮撚糸Pを製造する2ヒーター方式の仮撚加
工装置の例である。
する。図4は、本発明のカットパイル織編物のパイル糸
に使う複合仮撚糸Pを製造する2ヒーター方式の仮撚加
工装置の例である。
【0033】ここで、Aはイオン性染料に可染性で且つ
複屈折率Δnが0.02〜0.05のポリエステルマル
チフィラメント糸、いわゆるPOY(高速紡糸による高
配向未延伸糸)を示し、Bはイオン性染料に不染性で且
つ複屈折率Δnが0.07〜0.1のポリエステルマル
チフィラメント糸、いわゆるUSY(超高速紡糸糸)を
示す。
複屈折率Δnが0.02〜0.05のポリエステルマル
チフィラメント糸、いわゆるPOY(高速紡糸による高
配向未延伸糸)を示し、Bはイオン性染料に不染性で且
つ複屈折率Δnが0.07〜0.1のポリエステルマル
チフィラメント糸、いわゆるUSY(超高速紡糸糸)を
示す。
【0034】本発明においていう「イオン性染料に可染
性のマルチフィラメント」とは、分子中にイオン性染料
に可染性の基(例えばスルホネート基)を含有するポリ
エステル或いはイオン性染料に可染性のポリマー(例え
ばナイロン6,ナイロン66等)や添加剤をブレンドし
たポリエステルから成るマルチフィラメントであってイ
オン性染料によって良く染色されるものを総称する。こ
のようなイオン性染料に可染性のポリエステルとして
は、特に酸成分としてイソフタル酸―5―スルホン酸ナ
トリウムを0.5〜10モル%程度含む共重合ポリエチ
レンテレフタレートが好適である。一方「イオン性染料
に不染性のマルチフィラメント」とは、ポリエチレンテ
レフタレートまたはこれにイオン性染料に親和性のない
第3成分(例えばイソフタル酸、アシピン酸、プロピレ
ングリコール等)を少量共重合したマルチフィラメント
であって酸性染料や塩基性染料等のイオン性染料によっ
て実質的に染色されないものを総称する。
性のマルチフィラメント」とは、分子中にイオン性染料
に可染性の基(例えばスルホネート基)を含有するポリ
エステル或いはイオン性染料に可染性のポリマー(例え
ばナイロン6,ナイロン66等)や添加剤をブレンドし
たポリエステルから成るマルチフィラメントであってイ
オン性染料によって良く染色されるものを総称する。こ
のようなイオン性染料に可染性のポリエステルとして
は、特に酸成分としてイソフタル酸―5―スルホン酸ナ
トリウムを0.5〜10モル%程度含む共重合ポリエチ
レンテレフタレートが好適である。一方「イオン性染料
に不染性のマルチフィラメント」とは、ポリエチレンテ
レフタレートまたはこれにイオン性染料に親和性のない
第3成分(例えばイソフタル酸、アシピン酸、プロピレ
ングリコール等)を少量共重合したマルチフィラメント
であって酸性染料や塩基性染料等のイオン性染料によっ
て実質的に染色されないものを総称する。
【0035】また、1は第1供給ローラー、2は空気交
絡ノズル、3は第2供給ローラー、4は第1ヒーター、
5は仮撚装置、6は第1取出しローラー、7は第2ヒー
ター、8は第2取出しローラー、9は巻取装置、Pは本
発明によるカットパイル織編物用複合仮撚糸、10はこ
れを巻上げたチーズを示す。
絡ノズル、3は第2供給ローラー、4は第1ヒーター、
5は仮撚装置、6は第1取出しローラー、7は第2ヒー
ター、8は第2取出しローラー、9は巻取装置、Pは本
発明によるカットパイル織編物用複合仮撚糸、10はこ
れを巻上げたチーズを示す。
【0036】すなわち、上記複屈折率及び染色性の異な
るポリエステルマルチフィラメントAおよびBを引揃え
て2ヒーター方式の仮撚加工装置に供給し、第1供給ロ
ーラー1と第2供給ローラー3の間で弛緩しながら空気
交絡ノズル2に通して交絡を付与し、次いで、第2供給
ローラー3と第1取出しローラー6の間で1.1〜1.
4倍に延伸しながら第1ヒーター4および仮撚装置5を
用いていわゆる延伸仮撚加工を行い、次いで、第1取出
しローラー6と第2取出しローラー8の間で弛緩しなが
ら第2ヒーター7に通して200〜250℃で再熱セッ
トし、得られた複合仮撚糸Pを第2取出しローラー8と
巻取装置9の間で弛緩しながら巻密度が0.4g/cm
3 以下になるようにチーズ10に巻取るというものであ
る。
るポリエステルマルチフィラメントAおよびBを引揃え
て2ヒーター方式の仮撚加工装置に供給し、第1供給ロ
ーラー1と第2供給ローラー3の間で弛緩しながら空気
交絡ノズル2に通して交絡を付与し、次いで、第2供給
ローラー3と第1取出しローラー6の間で1.1〜1.
4倍に延伸しながら第1ヒーター4および仮撚装置5を
用いていわゆる延伸仮撚加工を行い、次いで、第1取出
しローラー6と第2取出しローラー8の間で弛緩しなが
ら第2ヒーター7に通して200〜250℃で再熱セッ
トし、得られた複合仮撚糸Pを第2取出しローラー8と
巻取装置9の間で弛緩しながら巻密度が0.4g/cm
3 以下になるようにチーズ10に巻取るというものであ
る。
【0037】ここで、空気交絡ノズルによる交絡度は、
この後のチーズ染色後の糸の解舒性および製織ならびに
製編がスムースにできる程度の集束性、およびパイル織
物または編物の毛割仕上げ加工がスムースにできる程度
の開繊性などが必要であり、このためには、交絡部にル
ープやたわみか発生しないような比較的弱い交絡条件、
例えば、特公昭37―1175号公報などに示される空
気交絡ノズルを使用し、0〜2%程度の弛緩状態で1.
5〜2.5kg/cm2 程度の圧縮空気圧による交絡処
理が望ましい。すなわち、毛割開繊後も残るような空気
交絡は好ましくない。
この後のチーズ染色後の糸の解舒性および製織ならびに
製編がスムースにできる程度の集束性、およびパイル織
物または編物の毛割仕上げ加工がスムースにできる程度
の開繊性などが必要であり、このためには、交絡部にル
ープやたわみか発生しないような比較的弱い交絡条件、
例えば、特公昭37―1175号公報などに示される空
気交絡ノズルを使用し、0〜2%程度の弛緩状態で1.
5〜2.5kg/cm2 程度の圧縮空気圧による交絡処
理が望ましい。すなわち、毛割開繊後も残るような空気
交絡は好ましくない。
【0038】また、仮撚加工条件のうち、第1ヒーター
温度は、超低捲縮を得るために低温の方が好ましいが、
あまり低温過ぎると複合仮撚糸Pの熱収縮率SP が大き
くなり易く、後工程のチーズ染色時に染斑などが発生し
易くなるなどのため制約があり、80℃〜140℃が好
ましい。
温度は、超低捲縮を得るために低温の方が好ましいが、
あまり低温過ぎると複合仮撚糸Pの熱収縮率SP が大き
くなり易く、後工程のチーズ染色時に染斑などが発生し
易くなるなどのため制約があり、80℃〜140℃が好
ましい。
【0039】延伸倍率は、高複屈折率側のフィラメント
Bの断面変形を防止するため、低倍率が好ましく1.1
〜1.4倍が望ましい。仮撚数は、仮撚装置がスピンド
ル方式の場合、32,500×α/√(DA +DB )
で、αが0.8〜1.0、好ましくは0.8〜0.9、
フリクションディスク方式の場合は、D/Yが1.6〜
2.2、好ましくは1.7〜2.0が望ましい。フィラ
メントBの断面変形を防止するには、αが小さい方が好
ましいが、余りαが小さくなると得られる糸のトルクが
大きくなったり、捲縮が粗くなり、加工が不安定になっ
たりするため上記の範囲が最適となる。このような加工
条件を選定することにより、先述の低温による仮撚条件
とあいまってフィラメントBの断面変形が極めて少ない
複合仮撚糸が得られるほか、繊維内部構造が低配向化す
るため深色性が増すなどの効果が得られる。
Bの断面変形を防止するため、低倍率が好ましく1.1
〜1.4倍が望ましい。仮撚数は、仮撚装置がスピンド
ル方式の場合、32,500×α/√(DA +DB )
で、αが0.8〜1.0、好ましくは0.8〜0.9、
フリクションディスク方式の場合は、D/Yが1.6〜
2.2、好ましくは1.7〜2.0が望ましい。フィラ
メントBの断面変形を防止するには、αが小さい方が好
ましいが、余りαが小さくなると得られる糸のトルクが
大きくなったり、捲縮が粗くなり、加工が不安定になっ
たりするため上記の範囲が最適となる。このような加工
条件を選定することにより、先述の低温による仮撚条件
とあいまってフィラメントBの断面変形が極めて少ない
複合仮撚糸が得られるほか、繊維内部構造が低配向化す
るため深色性が増すなどの効果が得られる。
【0040】また、第2ヒーターによる熱セット条件
は、超低捲縮ならびに低熱収縮特性を得るためにできる
だけ高温の方が好ましく200〜250℃が望ましい。
また、弛緩率は、第2ヒーター条件でのフィラメントB
の熱収縮の±2%位が好ましい。これにより、一般に、
第2ヒーターで捲縮率を2〜3%以下に均一に熱セット
して正常に巻取るのは極めて困難であるがこれが可能と
なる。
は、超低捲縮ならびに低熱収縮特性を得るためにできる
だけ高温の方が好ましく200〜250℃が望ましい。
また、弛緩率は、第2ヒーター条件でのフィラメントB
の熱収縮の±2%位が好ましい。これにより、一般に、
第2ヒーターで捲縮率を2〜3%以下に均一に熱セット
して正常に巻取るのは極めて困難であるがこれが可能と
なる。
【0041】なお、ここでいう適正ヒーター温度は、現
在市販されている仮撚機によるもので、第1ヒーターと
して接触式の1.5〜2.5m長のもの、第2ヒーター
として非接触式の1.0〜1.5m長のもの、糸速とし
て400〜800m/minなどの仕様によるものを想
定しており、従って、特殊なヒーターを用いたり、超高
速度で加工する場合などはこの限りでないことはもちろ
んのことである。
在市販されている仮撚機によるもので、第1ヒーターと
して接触式の1.5〜2.5m長のもの、第2ヒーター
として非接触式の1.0〜1.5m長のもの、糸速とし
て400〜800m/minなどの仕様によるものを想
定しており、従って、特殊なヒーターを用いたり、超高
速度で加工する場合などはこの限りでないことはもちろ
んのことである。
【0042】また、巻取り条件は、上述のほかに巻取っ
てから後でチーズ染色用にソフトワインドしても良い。
ただし、いずれの場合もソフトワインドしたチーズの巻
密度は、チーズ染色時の染斑を防止するために0.4g
/cm3 以下にする必要がある。
てから後でチーズ染色用にソフトワインドしても良い。
ただし、いずれの場合もソフトワインドしたチーズの巻
密度は、チーズ染色時の染斑を防止するために0.4g
/cm3 以下にする必要がある。
【0043】次に、このようにして得た複合仮撚糸Pの
ソフトワインドチーズ10を120〜140℃でチーズ
染色する。たとえば下記の染色条件を挙げることができ
るがこれに限定されるものでないことはいうまでもな
い。 カチオン染料:Sevron Blue 5G 2%o
wf 氷酢酸:2%owf 酢酸ソーダ:1%owf 浴比:1:50 染色時間:120℃×60分 その後無撚または追撚してそのまま、またはさらに双糸
または3本合糸して、二重織織機またはダブルラッセル
編機に掛け、地糸とともにパイル糸として製織または製
編したのち、該布帛に毛割、剪毛などの仕上げ加工を施
してパイルの外観、風合を整え、さらに布帛の裏面に樹
脂をバッキングしてパイル糸を地糸による基布に固定す
ることにより、本発明のカットパイル織編物が得られ
る。
ソフトワインドチーズ10を120〜140℃でチーズ
染色する。たとえば下記の染色条件を挙げることができ
るがこれに限定されるものでないことはいうまでもな
い。 カチオン染料:Sevron Blue 5G 2%o
wf 氷酢酸:2%owf 酢酸ソーダ:1%owf 浴比:1:50 染色時間:120℃×60分 その後無撚または追撚してそのまま、またはさらに双糸
または3本合糸して、二重織織機またはダブルラッセル
編機に掛け、地糸とともにパイル糸として製織または製
編したのち、該布帛に毛割、剪毛などの仕上げ加工を施
してパイルの外観、風合を整え、さらに布帛の裏面に樹
脂をバッキングしてパイル糸を地糸による基布に固定す
ることにより、本発明のカットパイル織編物が得られ
る。
【0044】
【発明の効果】本発明によれば、従来の紡績糸では得ら
れない、新しい品位の外観と風合、並びに優れた取扱性
をもった、インテリア、車輌等の椅子張りに好適な、新
規なカットパイル織編物が提供される。
れない、新しい品位の外観と風合、並びに優れた取扱性
をもった、インテリア、車輌等の椅子張りに好適な、新
規なカットパイル織編物が提供される。
【0045】
【実施例】以下に実施例により、本発明を説明する。な
お、実施例における各評価項目はそれぞれ下記の方法に
従う。
お、実施例における各評価項目はそれぞれ下記の方法に
従う。
【0046】捲縮率
試料を約3,000deの綛にし、0.2g/deの重
荷重を1分間負荷した際の綛長をl1 、次いで、2mg
/deの微荷重下で沸水で20分間処理し、脱水乾燥し
たのち、再度、0.2g/deの重荷重を1分間負荷し
た際の綛長をl 2 、次いで、荷重を除いて2mg/de
の微荷重を1分間負荷した際の綛長をl 3 とし、以下の
計算式で捲縮率Cを算出する。
荷重を1分間負荷した際の綛長をl1 、次いで、2mg
/deの微荷重下で沸水で20分間処理し、脱水乾燥し
たのち、再度、0.2g/deの重荷重を1分間負荷し
た際の綛長をl 2 、次いで、荷重を除いて2mg/de
の微荷重を1分間負荷した際の綛長をl 3 とし、以下の
計算式で捲縮率Cを算出する。
【0047】
C={(l2 −l3 )/l2 }×100(%)
なお、複合仮撚糸Pおよびこれを構成する低複屈折率側
のフィラメントA、高複屈折率側のフィラメントBの各
々について、上式を用い算出した捲縮率を各々CP 、C
A 、CB とする。
のフィラメントA、高複屈折率側のフィラメントBの各
々について、上式を用い算出した捲縮率を各々CP 、C
A 、CB とする。
【0048】沸水収縮率
上記綛長をより、以下の計算式で沸水収縮率Sを算出す
る。
る。
【0049】
S={(l1 −l2 )/l1 }×100(%)
複合仮撚糸Pについて、上式より算出した沸水収縮率を
SP とする。
SP とする。
【0050】断面変形度
図3(a),(b)に示すフィラメントの単繊維の断面
において、最長径の長さをa、この最長径に垂直でかつ
最長の短径をbとし、b/aを変形度εとする。これを
フィラメントAおよびBについて、各々全フィラメント
算出して平均したものをεA およびεB とする。
において、最長径の長さをa、この最長径に垂直でかつ
最長の短径をbとし、b/aを変形度εとする。これを
フィラメントAおよびBについて、各々全フィラメント
算出して平均したものをεA およびεB とする。
【0051】[実施例1]イソフタル酸スルホン酸ソー
ダ共重合ポリエチレンテレフタレートを溶融紡糸し、紡
糸速度2,500m/分で巻取り160de/72fi
lの部分配向糸(カチオン染料可染性POY)フィラメ
ント(A)を得た。又ポリエチレンテレフタレートを溶
融紡糸し、紡糸速度5,000m/分で巻取り75de
/12filの高配向糸(イオン性染料不染性USY)
フィラメント(B)を得た。
ダ共重合ポリエチレンテレフタレートを溶融紡糸し、紡
糸速度2,500m/分で巻取り160de/72fi
lの部分配向糸(カチオン染料可染性POY)フィラメ
ント(A)を得た。又ポリエチレンテレフタレートを溶
融紡糸し、紡糸速度5,000m/分で巻取り75de
/12filの高配向糸(イオン性染料不染性USY)
フィラメント(B)を得た。
【0052】次いで、これらフィラメント(A)、
(B)を、図4に示す仮撚装置を使用して、下記の如く
仮撚加工を施した。
(B)を、図4に示す仮撚装置を使用して、下記の如く
仮撚加工を施した。
【0053】尚原糸として用いたカチオン可染POY
(A)およびUSY(B)の主要物性、仮撚加工条件
は、下記の通りである。
(A)およびUSY(B)の主要物性、仮撚加工条件
は、下記の通りである。
【0054】
【表1】
【0055】ポリエステルフィラメント(A)、及びポ
リエステルフィラメント(B)を、引揃えて、第1供給
ローラー1より供給し、第2供給ローラーとの間で、2
%弛緩した状態で空気交絡ノズル2を通して、45ケ/
mのスムースループ、たるみのほとんどない交絡を付与
し次いで第2供給ローラー3と、第1取出しローラー6
との間で、1.25倍に延伸しながら1stヒーター温
度120℃で、D/Yが2.0のフリクションディスク
方式の仮撚装置5を使用して、加工速度400m/分で
延伸複合仮撚加工を施こし、引き続き、第1取出しロー
ラー6と、第2取出しローラー8との間で、6%弛緩し
ながら、2ndヒーター温度220℃で、熱セットし、
更に捲取装置9との間で4%弛緩しながら、ソフトワイ
ンドし、複合仮撚糸(P)のソフトチーズ10を得た。
得られた複合仮撚加工(P)の物性は、下記の通りであ
る。
リエステルフィラメント(B)を、引揃えて、第1供給
ローラー1より供給し、第2供給ローラーとの間で、2
%弛緩した状態で空気交絡ノズル2を通して、45ケ/
mのスムースループ、たるみのほとんどない交絡を付与
し次いで第2供給ローラー3と、第1取出しローラー6
との間で、1.25倍に延伸しながら1stヒーター温
度120℃で、D/Yが2.0のフリクションディスク
方式の仮撚装置5を使用して、加工速度400m/分で
延伸複合仮撚加工を施こし、引き続き、第1取出しロー
ラー6と、第2取出しローラー8との間で、6%弛緩し
ながら、2ndヒーター温度220℃で、熱セットし、
更に捲取装置9との間で4%弛緩しながら、ソフトワイ
ンドし、複合仮撚糸(P)のソフトチーズ10を得た。
得られた複合仮撚加工(P)の物性は、下記の通りであ
る。
【0056】
【表2】
【0057】複合仮撚糸(P)における(A)ポリエス
テルの混繊率は68%、構成本数比率は6倍、トータル
デニールは200de/84fil、更にソフトワイン
ドしたチーズの捲密度は、0.33g/cm3 であっ
た。
テルの混繊率は68%、構成本数比率は6倍、トータル
デニールは200de/84fil、更にソフトワイン
ドしたチーズの捲密度は、0.33g/cm3 であっ
た。
【0058】次にこのソフトワインドしたチーズ10を
チーズ染色法により、高圧下130℃で糸染し、その後
双糸にして、200T/Mの追撚を加えた後、二重織織
機を使用して、ポリエステル/レーヨン混(65/3
5)20番手/双糸の地糸と共に筬羽数20本/イン
チ、緯密度46本/インチの規格で、パイル長6mmに
製織した。ここで糸染後のチーズの解舒性、撚糸性、製
織性は従来、紡績糸に比べて、非常に良好で風綿などの
発生がなく、かつ、走行や、製織時の開口がスムームな
ため、約20%のスピードアップを行っても、特に問題
なく扱うことが出来た。
チーズ染色法により、高圧下130℃で糸染し、その後
双糸にして、200T/Mの追撚を加えた後、二重織織
機を使用して、ポリエステル/レーヨン混(65/3
5)20番手/双糸の地糸と共に筬羽数20本/イン
チ、緯密度46本/インチの規格で、パイル長6mmに
製織した。ここで糸染後のチーズの解舒性、撚糸性、製
織性は従来、紡績糸に比べて、非常に良好で風綿などの
発生がなく、かつ、走行や、製織時の開口がスムームな
ため、約20%のスピードアップを行っても、特に問題
なく扱うことが出来た。
【0059】次いで、このカットパイル織物の生機を仕
上加工工程に通して、毛割、剪毛を、2回繰り返した
後、生地の裏側に制電性のある樹脂加工を施し、本発明
のカットパイル織物を得た。
上加工工程に通して、毛割、剪毛を、2回繰り返した
後、生地の裏側に制電性のある樹脂加工を施し、本発明
のカットパイル織物を得た。
【0060】この様にして得られたカットパイル織物
は、従来の紡績糸使いものに比べてパイル糸が低捲縮率
で、かつ構成フィラメントのパイル長が揃っているた
め、カット面が、フラットになっており、ソフトタッチ
でありながら弾力性のある風合及び立毛性がよく、ヘザ
ー効果に優れた、色相に深味のある外観等新規品位を呈
していた。又、パイル糸が、従来の紡績糸と異なり、異
捲縮フィラメントの混合嵩高形態をしており、かつ、低
捲縮側のフィラメントの断面変形度がほとんどなく、更
に捲縮形態が座屈形態でなく、スパイラル形態をしてい
るため圧縮変形を受けても回復が良く、かつ、跡が目立
ち難い特性があり、いわゆる耐毛倒れ性にも優れてい
た。更に連続フィラメントのため、紡績糸に比べて、基
布の地糸に、パイル糸全体がしっかり、把持されこのた
め、脱毛が極めて少なく、仕上加工や製品の取扱いが、
非常に容易に出来た。
は、従来の紡績糸使いものに比べてパイル糸が低捲縮率
で、かつ構成フィラメントのパイル長が揃っているた
め、カット面が、フラットになっており、ソフトタッチ
でありながら弾力性のある風合及び立毛性がよく、ヘザ
ー効果に優れた、色相に深味のある外観等新規品位を呈
していた。又、パイル糸が、従来の紡績糸と異なり、異
捲縮フィラメントの混合嵩高形態をしており、かつ、低
捲縮側のフィラメントの断面変形度がほとんどなく、更
に捲縮形態が座屈形態でなく、スパイラル形態をしてい
るため圧縮変形を受けても回復が良く、かつ、跡が目立
ち難い特性があり、いわゆる耐毛倒れ性にも優れてい
た。更に連続フィラメントのため、紡績糸に比べて、基
布の地糸に、パイル糸全体がしっかり、把持されこのた
め、脱毛が極めて少なく、仕上加工や製品の取扱いが、
非常に容易に出来た。
【0061】[実施例2]図4に示した仮撚装置におい
て、仮撚装置5をスピンドル方式のものに交換し、ポリ
エステルフィラメント(A)に複屈折率Δnが0.04
全デニールが125de、フィラメント数が48本、光
沢がセミダル、断面形状が丸断面のカチオン可染性PO
Y、又ポリエステルフィラメント(B)に複屈折率Δn
が、0.095全デニールが75de、フィラメント数
が12本、光沢がセミダル、断面形状が丸断面の高配向
USY糸を使用した。
て、仮撚装置5をスピンドル方式のものに交換し、ポリ
エステルフィラメント(A)に複屈折率Δnが0.04
全デニールが125de、フィラメント数が48本、光
沢がセミダル、断面形状が丸断面のカチオン可染性PO
Y、又ポリエステルフィラメント(B)に複屈折率Δn
が、0.095全デニールが75de、フィラメント数
が12本、光沢がセミダル、断面形状が丸断面の高配向
USY糸を使用した。
【0062】スピンドル方式の仮撚装置を使用すること
によって仮撚数を1800T/Mとかなり低くし、かつ
第2供給ローラー3と第1取出しローラー6との間で1
stヒーター温度120℃で1.10倍に延伸しながら
仮撚し、次いで第1取出しローラー6と第2取出しロー
ラー8との間で弛緩率を3%又、加工速度を250m/
分とした以外の条件は実施例1と同様の条件で、複合仮
撚加工を行った。
によって仮撚数を1800T/Mとかなり低くし、かつ
第2供給ローラー3と第1取出しローラー6との間で1
stヒーター温度120℃で1.10倍に延伸しながら
仮撚し、次いで第1取出しローラー6と第2取出しロー
ラー8との間で弛緩率を3%又、加工速度を250m/
分とした以外の条件は実施例1と同様の条件で、複合仮
撚加工を行った。
【0063】得られた複合仮撚糸(P)のデニールは、
185デニール/60フィラメント、捲縮率CP は、
1.2%、沸水収縮率は2.1%、フィラメント(B)
の捲縮率CB は0.4%、断面変形度εB は、0.9
6、又フィラメント(A)の捲縮率CA は3.7%断面
変形度εA は0.75混繊率は63%、構成本数比率は
4倍、更にソフトワインドした、チーズ捲密度は、0.
35g/cm3 であった。
185デニール/60フィラメント、捲縮率CP は、
1.2%、沸水収縮率は2.1%、フィラメント(B)
の捲縮率CB は0.4%、断面変形度εB は、0.9
6、又フィラメント(A)の捲縮率CA は3.7%断面
変形度εA は0.75混繊率は63%、構成本数比率は
4倍、更にソフトワインドした、チーズ捲密度は、0.
35g/cm3 であった。
【0064】次に上記複合仮撚糸を用いて、実施例1と
同様の条件にて、チーズ染色及び製織並びに仕上加工を
施し、本発明のカットパイル織物を得た。得られたカッ
トパイル織物は、実施例1で得たものに比べて、更に低
捲縮で立毛観がシャープになっているにもかかわらず、
フィラメントの断面変形度を、少なくした効果から、耐
毛倒れ性がよく、濃淡、染着性によるナチュラルな深味
のある外観のものが得られた。
同様の条件にて、チーズ染色及び製織並びに仕上加工を
施し、本発明のカットパイル織物を得た。得られたカッ
トパイル織物は、実施例1で得たものに比べて、更に低
捲縮で立毛観がシャープになっているにもかかわらず、
フィラメントの断面変形度を、少なくした効果から、耐
毛倒れ性がよく、濃淡、染着性によるナチュラルな深味
のある外観のものが得られた。
【0065】尚、複合仮撚糸及び得られたカットパイル
織物の取扱性は、実施例1と同様、紡績糸より、非常に
優れていた。
織物の取扱性は、実施例1と同様、紡績糸より、非常に
優れていた。
【図1】本発明に係るカットパイル織物の断面図であ
る。
る。
【図2】本発明のカットパイル織物のパイル糸に使う複
合仮撚糸の断面図である。
合仮撚糸の断面図である。
【図3】(a)異型断面のフィラメントの断面変形度を
算出するために必要な寸法の測り方を説明する図であ
る。 (b)丸断面のフィラメントの断面変形度を算出するた
めに必要な寸法の測り方を説明する図である。
算出するために必要な寸法の測り方を説明する図であ
る。 (b)丸断面のフィラメントの断面変形度を算出するた
めに必要な寸法の測り方を説明する図である。
【図4】本発明のカットパイル織物のパイル糸に使われ
る複合仮撚糸を製造する仮撚加工装置の正面図である。
る複合仮撚糸を製造する仮撚加工装置の正面図である。
A 低複屈折率側のフィラメント糸
B 高複屈折率側のフィラメント糸
P カットパイル糸
G 地糸
H バッキング樹脂
フロントページの続き
(56)参考文献 特開 平5−179527(JP,A)
特開 昭63−256748(JP,A)
特開 平5−321057(JP,A)
(58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名)
D03D 27/00
D02G 1/02,3/04
Claims (2)
- 【請求項1】 ポリエステルマルチフィラメント(A)
及び(B)とからなる複合仮撚糸(P)を糸染したの
ち、これをパイル成分に用いたカットパイル織編物であ
って、上記フィラメント(A)、(B)および複合仮撚
糸(P)が下記(1)〜(8)を同時に満足することを
特徴とするカットパイル織編物。 (A)イオン性染料に可染性である低配向細デニールポ
リエステルマルチフィラメント(B)イオン性染料に不
染性である高配向太デニールポリエステルマルチフィラ
メント (1)0.4≦DA/(DA+DB)≦0.7 (2)3≦NA/NB≦8 (3)CP≦2% (4)1%≦CA≦5% (5)0%<CB≦2% (6)εA<εB≦1 (7) εB≧0.8 (8)SP≦4.5% ここで DA:低配向細デニールポリエステルマルチフィラメン
トAの全デニール(de) DB:高配向太デニールポリエステルマルチフィラメン
トBの全デニール(de) NA:低配向細デニールポリエステルマルチフィラメン
トAのフィラメント数 NB:高配向太デニールポリエステルマルチフィラメン
トBのフィラメント数 CP:複合仮撚糸の捲縮率(%) CA:低配向細デニールポリエステルマルチフィラメン
トAの捲縮率(%) CB:高配向太デニールポリエステルマルチフィラメン
トBの捲縮率(%) εA:低配向細デニールポリエステルマルチフィラメン
トAの断面変形度 εB:高配向太デニールポリエステルマルチフィラメン
トBの断面変形度 SP:複合仮撚糸の沸水収縮率(%) である。 - 【請求項2】 複屈折率Δnが0.02〜0.05でイ
オン性染料に可染性であるポリエステルマルチフィラメ
ントAと、複屈折率Δnが0.07〜0.1で、イオン
性染料に不染性であるポリエステルマルチフィラメント
Bとを引揃えて、空気ノズルで交絡を付与し、続いて、
熱セット温度80〜140℃、延伸倍率1.1〜1.4
倍、仮撚数32500×(0.8〜1.0)/√(DA
+DB)もしくはD/Y1.6〜2.2の仮撚加工条件
で仮撚加工および200〜250℃で弛緩熱セット加工
を施し、次いでこれによって得た下記(1)〜(8)を
同時に満足する複合仮撚糸Pを0.1〜0.4g/cm
3の巻密度でチーズにソフトワインドしたのち、120
〜140℃の温度でチーズ染色し、該染糸を無撚または
追撚もしくは合撚して、パイル織機またはダブルラフセ
ル編機に掛けて、カットパイル用織編物を製造しさらに
この布帛に毛割、剪毛、バッキングなどの仕上げ加工を
施すことを特徴とするカットパイル織編物の製造方法。(1)0.4≦D A /(D A +D B )≦0.7 (2)3≦N A /N B ≦8 (3)C P ≦2% (4)1%≦C A ≦5% (5)0%<C B ≦2% (6)ε A <ε B ≦1 (7) ε B ≧0.8 (8)S P ≦4.5% ここで、Dは仮撚フリクションディスクの表面速度(m
/分)、Yは糸速度(m/分)である。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP27756695A JP3423826B2 (ja) | 1995-10-25 | 1995-10-25 | カットパイル織編物およびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP27756695A JP3423826B2 (ja) | 1995-10-25 | 1995-10-25 | カットパイル織編物およびその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09119041A JPH09119041A (ja) | 1997-05-06 |
JP3423826B2 true JP3423826B2 (ja) | 2003-07-07 |
Family
ID=17585294
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP27756695A Expired - Fee Related JP3423826B2 (ja) | 1995-10-25 | 1995-10-25 | カットパイル織編物およびその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3423826B2 (ja) |
-
1995
- 1995-10-25 JP JP27756695A patent/JP3423826B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH09119041A (ja) | 1997-05-06 |
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