JPS599651B2 - 特殊仮撚加工糸 - Google Patents

特殊仮撚加工糸

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JPS599651B2
JPS599651B2 JP1033579A JP1033579A JPS599651B2 JP S599651 B2 JPS599651 B2 JP S599651B2 JP 1033579 A JP1033579 A JP 1033579A JP 1033579 A JP1033579 A JP 1033579A JP S599651 B2 JPS599651 B2 JP S599651B2
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twist
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孝雄 根岸
和夫 富板
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、強撚糸様の風合や淡い絣を呈する布帛を形成
し得る特殊な仮撚加工糸に関する。
更に詳しくは、糸軸方向にS撚糸部分と2撚糸部分とが
交互に存在し、いずれか一方の撚方向の糸部分は堅密な
撚糸構造であって、他方の撚方向の糸部分は嵩高な撚糸
構造である特殊な仮撚加工糸に関する。
本発明は、仮撚加工の加撚領域にある糸の撚糸構造を仮
撚加工後の糸に残留せしめたいわゆる未解撚部分に堅密
な撚糸構造を求め、仮撚加工の加撚領域にある糸の撚密
度を越えて解撚せしめたいわゆる過解撚部分に嵩高な撚
糸構造を求めるものであり、形成された該未解撚部分と
該過解撚部分とより成る交互撚糸状態の糸構造に強撚糸
様の効果を求め、該未解撚部分と該過解撚部分との形態
差に絣の効果を求めるものである。
仮撚加工によって未解撚部分と過解撚部分とを交互に形
成する技術は、従来においても数多く知られている。
例えば、特公昭50−25065号公報、特公昭51−
225号公報、特公昭51−42662号公報等に、ポ
リエステル系の延伸繊維やポリアミド系の延伸繊維をス
ピンドル方式の仮撚装置を用いて、繊維相互が部分的に
融着を起すという極めて高い加熱温度のもとで仮撚加工
を実施している例が記載されている。
しかし、上記従来の技術では、本発明の目的とするとこ
ろのものを得ることはできなかったものである。
その原因は次の如く考えられる。第1に、強撚糸様の風
合を得ようとするには、大事なことは未解撚部分および
過解撚部分の両者の撚密度を高くすることであり、それ
は、とりもなおさず未解撚部分の撚密度を高くかつ糸に
占める長さ割合を多く形成することである。
ところが仮撚加工において加撚領域の糸の撚密度を高め
ると未解撚部分の発生が減少するという好ましくない特
性をもっているのである。
一方、加熱温度を高めて、繊維相互の融着を多くすると
未解撚部分の発生が増加し、この点に関しては好ましい
ことであるが、繊維相互の融着を多くすると一方では、
撚糸の本来の効果である柔軟でドレープ性に富み、ある
いはシボの発現能が高いといった効果を阻害することに
なる。
つまり融着は糸をモノフィラメント糸に近づけ、糸を剛
直にするからである。
第2に、淡い絣を得ようとするには、未解撚部分と過解
撚部分との糸形態差に依る以外はなく、むろん両者は同
一の繊維、繊度、繊維数で構成されているわけであるか
ら、かなり明瞭な形態差が必要である。
それには、未解撚部分の堅密性を高く、過解撚部分の嵩
高性を高くすることが重要である。
未解撚部分の堅密性は、仮撚加工の加撚領域の糸の撚糸
構造が保たれていれば、つまり繊維の捲縮が露顕してい
なげれば良く、撚密度の影響は少ないのであるが、過解
撚部分の嵩高性は、繊維の捲縮が高いほど良く、より高
い仮撚加撚を受けていることが必要である。
しかるに未解撚部分と過解撚部分とは同一の仮撚加撚を
受げるわげであり、過解撚部分の嵩高性を高めるために
未解撚部分に高い仮撚加撚を与えることになり、したが
って前記同様未解撚部分の発生を減少させることになる
一方、繊維相互の融着を多くすると、未解撚部分の堅密
性は保たれるが、過解撚部分の嵩高性を阻害して好まし
くない。
それは過解撚部分の捲縮の露顕を阻害するからである。
第3に、更に絣に関しては、その模様が重要であり、未
解撚部分の長さ、数、量に密接に関係している。
繊維相互の融着が多くない場合には、未解撚部分の長さ
、数、量とも絣を呈するには全く不十分である。
第4に、本発明の目的を達成するためには、糸に高い抗
張力性が必要である。
糸に形成された未解撚部分と過解撚部分とが、糸から布
帛になるまでの間の張力を受ける工程において、撚の相
殺を伴なって破壊されては全く無意味であるからである
繊維相互の融着が多くない場合、抗張力性が一般に不十
分である。
上記の如く、前記の3つの公報に記載されてなる従来方
法で強撚糸の風合、絣の明瞭さ、絣の模様、糸の抗張力
性の面で本発明の目的を達成できないのは、まずひとつ
は技術範囲が延伸糸をスピンドル方式の仮撚装置で仮撚
加工する方法にとどまっていたからである。
つまりスピンドル方式の仮撚は、細いペグに捲回して行
なうため、ペグを通過する糸に大きな歪を与え、未解撚
部分の発生を阻害し、また発生した未解撚部分の抗張力
性を低いものとする。
更に延伸糸の仮撚加工においては、繊維相互の融着を発
生する加熱温度領域と融着を発生しない加熱温度領域と
が明確に区分でき、未解撚部分の抗張力性を高め、過解
撚部分の嵩高性をあまり阻害しない程度の適量の融着や
、融着は起こるが過解撚部分においては解撚の歪で融着
が剥離してしまう程度の軽度の融着といった、中間的融
着を起こす温度領域が極めて狭く、その温度領域を使用
することが困難であるからである。
また、特開昭51−143746号公報、特開昭51−
143749号公報、特公昭53一15188号公報、
特公昭53−30818号公報等に延伸繊維を流体旋回
流応用の仮撚装置を用い、高い過超供給のもとで仮撚加
工を実施している例が記載されている。
しかし、上記従来の技術においても、本発明の目的とす
るところのものを得ることはできなかったものである。
特に絣の模様において、不十分であり、未解撚部分の長
さが短かすぎるのである。
この流体旋回流応用の仮撚加工方式で、未解撚部分を長
くできない理由は、糸条が仮撚を受ける際、流体旋回流
に乗って糸条が公転(バルーニング)作用を受ける。
この公転作用は解撚領域の糸にもバルーニングを誘発す
る。
流体旋回流によって強制的に起こる糸条の公転と、糸と
その張力によって決まる解撚領域の糸の固有振動数とは
一致せず、糸は断続的な力を受け、未解撚部分は寸断さ
れるものと考えられる。
過超供給量が多く、糸の張力が低いとこの現象が助長さ
れ、過超供給量が少なく、糸の張力が高いと、高い撚密
度の仮撚を付与できない。
また一方、長い未解撚部分を形成する技術として、仮撚
加工されつつある糸条に積極的な非定常作用を施す技術
がある。
例えば、糸条と加熱装置との接触状態を変動させる技術
として特開昭49−66928号公報、特開昭51−1
5017号公報、特開昭52−8119号公報、仮撚装
置から加撚装置方向へ伝播する撚を変動させる技術とし
て特公昭51−34016号公報、特開昭49−554
号公報、特開昭50−121546号公報、仮撚装置に
より発生する糸条の撚数を変動させる技術として特公昭
49−8414号公報、特開昭49−108353号公
報、特開昭53−61745号公報、仮撚装置を通過す
る糸条の速度を変動させる技術として特開昭49−92
337号公報、特開昭49−92354号公報、仮撚加
工される糸条を長さ方向に不均一にする技術として特開
昭52−66722号公報、特開昭53−81749号
公報、特開昭49−101654号公報等が知られてい
る。
上記の非定常仮撚の共通した特徴は、糸軸に沿った撚数
変化がなだらかである、染着性斑、太さ斑等が形成され
る等である。
撚数変化がなだらかであると絣の模様が不明瞭になり、
染着性斑や太さ斑は、視覚に対する印象が強いため、糸
の撚糸構造によって表現しようとする淡い絣の効果を阻
害する。
更に本発明者らは既に特願昭53−1 37 29 0
号(特開昭55−67025号公報)として本発明の類
似技術を提案しているが、かかる先行技術はツィスタ下
流の近傍のガイドを付けたままであったので、未解撚部
の発生比率が低く、同時に過解撚部の撚密度も低く、強
撚調風合を出すためには実撚を付与しなければならない
という不合埋な点を有していた。
前記した如く本発明の目的と上記の如く従来の技術との
間には、大きな隔たりがあるため、本発明を完成させる
過程において、これら従来の技術を参考にしながらも、
供給原糸、仮撚装置、加工条件、及び得られる糸とその
糸を用いた布帛について、本発明者らはーから種々鋭意
研究したものである。
その結果、本発明の目的を達成するためには、前記従来
の技術によって得られる糸に比べて、糸軸方向に染着性
斑を有さす、繊維相互の融着を極力少なくした上で、未
解撚部分の撚密度をより高く、糸に占める長さ割合をよ
り多く、かつ個々の長さをより長くし、更に糸の抗張力
性をより高《すること等を達成する必要があるとの結論
に達した。
そして、上記の本発明の目的を達成するための糸製造技
術上の目的に関し、前記従来の技術よりも、下記する技
術手段の方が優れていることを見い出した。
第1に、糸軸方向に染着性の斑を実質的に形成しないこ
とが最も重要であり、これには、仮撚加工を定常状態で
行なうことが必要である。
第2に、繊維相互の融着を極力少なくすることであり、
仮撚加工条件を選定する他に、中間的融着を起こす温度
範囲の広い未延伸繊維を供給原糸とし、該未延伸繊維の
分子配向度合いを必要に応じて選定することである。
第3に、仮撚装置として、糸に与える撚以外の歪を小さ
くでき、かつ糸にバルーニングを与えないことのできる
摩擦仮撚装置を用いることである。
本発明は、上記技術手段に関して、更に鋭意研究を重ね
た結果、所期の目的を達成することに成功し、ここにそ
の技術を提供するに至った。
本発明の骨子は次の如くである。
すなわち、仮撚捲縮を有する長繊維から成る多繊条糸で
あって、該糸は、糸軸方向に沿って堅密撚糸部分と嵩高
撚糸部分とを、互に反対の撚方向でかつ不規則な長さで
交互に有することを特徴とし、好ましくは更に該堅密撚
糸部分の各々の長さ(朋数)の自乗和か、該糸1m当り
5000以上であることを特徴とし、更に該糸を構成す
る繊維相互が融着していないか、又は融着していても該
繊維を切断せずに剥離できる程度の融着であることを特
徴とし、更に、該糸の抗張力性がo.3?/D以上であ
ることを特徴とし、更に該糸は、糸軸方向に染着性の斑
を実質的に有さないことを特徴とする特殊仮撚加工糸で
ある。
ここでDは該糸のデニール数である。
上記における「堅密撚糸部分」とは、撚密度がz7oo
o/,/’n(撚数/ m )以上であり、かつ繊維の
捲縮形態が糸の撚構造と一致している状態の糸部分であ
る。
つまり捲縮のないマルチフィラメント糸を加熱し、熱固
定した如き状態の糸部分である。
上記における「嵩高撚糸部分」とは、撚密度が9000
,/7丘(撚数/ m )以上であり、かつ繊維の捲縮
形態が露顕している状態の糸部分である。
つまり無撚で捲縮のあるマルチフィラメント糸を加撚し
た如き状態の糸部分である。
上記におけるrO.3P/D以上の抗張力性」とは、1
rn.間隔に配置された一対の糸送りローラ間をo.3
f/Dの張力、200mlminの糸速度で該糸を緊張
走行処理した際、該堅密撚糸部分は若干の長さ減少、撚
密度減少、構造破壊等を受けるが、堅密な撚糸構造を十
分に保留して該糸全体に対して20%以上の長さ割合で
残留することである。
この条件を満足しないと糸から布帛を製造する工程で本
発明糸の効果が概して小さいものとなる。
本発明の特殊仮撚加工糸を更に詳しく説明する。
本発明の究極の目的は、前記した如く、強撚糸様の風合
や淡い絣を呈する布帛を得ることにあり、本発明の直接
の目的は、該布帛の原糸を得ることにある。
強撚糸様の風合効果に対しては、未解撚部分及び過解撚
部分の撚密度が高いほど好ましいのであるが、どのよう
な装置態様においても好みの撚密度を形成できるわけで
はなく、装置の態様によって達成できる撚密度の上限が
制限され決められるものである。
淡い絣を呈するようにするには、未解撚部分の堅密性を
より強く、過解撚部分の嵩高性をより高くすると良い。
未解撚部分の堅密性は、仮撚加工の加撚領域の糸の撚糸
構造をそのまま残留せしめて完壁である。
過解撚部分の嵩高性は、構成繊維相互の融着を極力少な
くして、各繊維の捲縮を露顕せしめた上で、捲縮をより
多くすることによって高められ、捲縮の効果は、撚によ
るマイナスの効果を越えて高いものでなければならない
従来、主として行なわれていたスピンドル方式の仮撚加
工では、強い融着を起こしているとき以外の場合、未解
撚部分の撚密度は仮撚加工の加撚領域の糸の撚密度より
もかなり低く、この差はとりも直さず解撚されたもので
あり、解撚の作用が未解撚部分の構造を一部破壊し、撚
線に割れ目を作り堅密性を阻害する。
この傾向は、仮撚加工の加撚領域の糸の撚密度が高いと
きほど強く、強いては、未解撚部分を寸断して短くする
とともにその量をも少なくするのである。
従って一方では過解撚部分の撚密度を高くできないこと
にも結びついてくる。
本発明の糸を得る方法によれば、仮撚加工の加撚領域の
糸の撚密度を、ほとんどそのまま未解撚部分に残留させ
ることができ、高い撚密度の仮撚加工によって、高い撚
密度の未解撚部分を多量に形成し、過解撚部分の撚密度
を高めた糸を得ることができ、その糸を用いた布帛を手
にすることができたものである。
強撚糸様の風合効果に対しては、未解撚部分の撚密度、
過解撚部分の撚密度及び両者の長さ比率が関与してくる
もちろん両者の撚密度は高いほど強撚糸様の風合効果が
高まるのは自明であるが、撚の効果が風合に顕著に作用
するには、撚密度にして9000/f丘(撚数/m)以
上必要である。
したがって両者の撚密度のうち低い方が 9000/JT5(撚数/m)以上テアレば十分テある
絣の明瞭さは、仮撚加工時の仮撚数が高いほど良いが、
官能的にみて仮撚加撚部の撚密度が27000/v7′
i5(撚数/ m )以上になると絣が明瞭になる。
このとき未解撚部分の撚密度はほぼ仮撚加撚部の撚密度
に等しく(実際には若干低いが問題にするほどの差では
ない)また、過解撚部部に露顕した繊維の捲縮は、この
撚密度の仮撚加工によるものである。
従って、本発明の目的を達成するために、まず必要なこ
とは、未解撚部分の撚密度が 27000/,/5(撚数/ m )以上であり、かつ
過解撚部分の撚密度が9ooo/,/’N(撚数/m)
以上であることである。
更に、本発明において重要なことは、絣の模様そのもの
であり、これは未解撚部分の長さに関連している。
この未解撚部分の長さは、一般には仮撚加工の各種条件
によつで決定され、変更できるものであるが、本允明の
特殊仮撚加工糸を完成させた一方法によると仮撚加工条
件の影響に加えて、効果の大きな手段が存在し、かかる
未解撚部分の長さと絣の模様の関係を明確に検討するこ
とができたものである。
その手段は、通常の摩擦仮撚装置において仮撚ツイスタ
の下流近傍の位置に設けられている糸道ガイド(一般の
摩擦仮撚装置では、最下流に位置する摩擦円板の下流1
5mm付近の位置にこのガイドが設けられている)を取
り去って、加工を行なうことであり、かかる手段と、仮
撚ヒータ温度条件、仮撚加撚数、延伸仮撚の延伸倍率等
の仮撚加工条件設定を適宜選択し併用することにより、
未解撚部分、過解撚部分の撚密度およびそれらの長さを
従来方法では到底得られなかった範囲にまで拡大し検討
することが可能となったものである。
本発明者らは未解撚部分の平均長さ及び糸に占める長さ
割合を種々変更した糸を作り布帛化して官能的に絣の模
様を見たが、未解撚部分が短かく模様が細かいと絣的で
な《、長いと糸に占める長さ割合が少なくても絣を呈す
る。
まとめると、糸1m当りに存在する未解撚部分の長さ(
朋数)の自乗和か5000以上であると前述の撚密度の
効果と相まって極めてすぐれた絣を呈する。
この未解撚部と過解撚部とを交互に有し、かつ糸1m当
りに存在する未解撚部分の長さ(mm数)の自乗和が5
000以上である如き加工糸は、従来知られてなる方法
では到底得られなかったものであり、かかる自乗和が5
000以上になるのは主に個々の未解撚部分の長さを長
くできたことによるものであり、前述の仮撚ツイスタ近
傍に位置する糸道ガイドを取り去ったことによる、その
ようなガイドが存在していた場合には該ガイド下流にお
いて糸の張力が高くなり未解撚、過解撚のそれぞれの撚
が互に相殺し合う作用が強く働いていた、また更にツイ
スタと該ガイドの間の区間において短い長さの未解撚部
分が非常に多く発生しやすいものであった、という主に
二つの本発明にとり不都合な要素が解決・解消されたた
めと考えられるものである。
本発明の特殊仮撚加工糸を得るに際しては、必ずしも下
記する方法に限定されるものでないことは云うまでもな
いが、1例を述べると既に説明した如く、未延伸糸を供
給糸として、摩擦仮撚装置に供給し定常状態で延伸中仮
撚を施すのがまず重要な要件であって、その際、延伸倍
率をその未延伸糸の自然延伸比以下の低倍率延伸(なる
べく、より低い方とするのがよい)に設定し、かつ該摩
擦仮撚装置は内接型、外接型は特に問われないが施撚作
用とともに糸の送り作用をも十分に有しているものとし
、かつ仮撚ツイスタ下流近傍のガイドを取り去った態様
の装置にて延伸仮撚を施すのが肝要である。
また、仮撚加撚数は27000/,/’丘(撚数/ m
)を少し超えるぐらいの値からウーり糸と呼ばれる通
常の仮撚捲縮加工糸を得るときの仮撚加撚数値よりも若
干小さい値の範囲内とし、かつ仮撚温度は、より高めの
場合ほど効果的ではあるが、繊維相互が融着した場合、
該融着繊維を切断しなければ剥離不可能な程度の融着度
合となる如き温度は避ける必要がある。
本発明者らの知見によれば、該温度については、一般に
ポリエチレンテレフタレート繊維の場合210〜240
℃程度の範囲が最適であり、ボリアミド繊維の場合ナイ
ロン6繊維で175〜190℃程度の範囲が最適である
以上述べた通りの本発明の特殊仮撚加工糸によれば従来
糸使いでは得られなし弓剣然糸様の風合と淡い絣模様を
布帛にかもし出すものである。
実施例 1 ポリエチレンテレフタレーl・を溶融紡糸して、3 0
0 0 mlminの速度で引き取り、太さ126D
フィラメント本数36本の未延伸マルチフィラメント糸
を得た。
かかる未延伸糸の自然延伸比は1,62であった。
この糸を1.4倍に延伸しつつその延伸領域で仮撚を付
与し、仮撚による加撚領域の一部を230℃に加熱した
熱板によって加熱した。
仮撚方法は、外接式の摩擦仮撚装置を用いるもので特開
昭50−69343号公報に記載されているごときもの
であり、仮撚ツイスタ下流近傍のガイドは取り去って加
工をしたものである。
かかる仮撚加撚の撚密度は2 s o o o/ (5
( T/ m)で、Dは90(デニール)であり、結
局、撚密度は約2951(撚数/ m )である。
得られた糸の未解撚部分の撚密度は、2900T/mで
あり、堅密な撚糸構造であった。
過解撚部分の撚密度は1300T/771であり、各構
成繊維に仮撚捲縮の露顕した嵩高な撚糸構造であった。
この糸において、未解撚部分の糸に占める長さ割合は3
1%であった。
さらに、該部分の各々の長さ(un数)の自乗和は糸1
mあたり5200であった。
この糸を用いて平識物(タテ糸73本/inch1ヨコ
糸70本/ inch ) を作ったところ、強撚糸
様の風合でかつ淡い絣を呈した。
またこの糸は、布帛を製造する工程においても特に不都
合を招くような張力による変形は認められないものであ
り、さらに布帛の官能評価においても明瞭なる糸軸方向
の染着性の斑や強い融着の存在は認識されなかった。
なお、未解撚部分の撚密度、過解撚部分の撚密度とは、
適宜長さの未解撚部分、過解撚部分をそれぞれ採取し、
それぞれの撚数を測定し、それぞれ1m当りの撚数に換
算したものである。
実施例 2 実施例1と同様なプロセスにより同一の原糸を用いて、
仮撚加撚部の撚密度と加熱温度を変更し、第1表の結果
を得た。
仮撚加撚部の撚密度は未解撚部分の撚密度即未解撚部分
の撚係数/JN(D=9o)にほぼ等しいものであった
この結果、実験番号3、4、6のとおり強撚糸様の風合
を感じさせるもの(表中○印)は過解撚部分の撚係数が
約9000以上であることがわかった。
また明瞭な淡い絣模様を呈するのは、未解撚部分の撚係
数が約27000以上であることがわかった。
これは仮撚加撚部の撚係数にほぼ等しく、過解撚部分も
その仮撚を受げているから強撚状態におっても捲縮が良
く露顕して太く見えるからである。
これに対して実験番号1および5は未解撚部の撚係数が
本発明の範囲よりも低かったので、明瞭な淡い絣模様は
得られなかった。
また実験番号2は過解撚部分の撚係数が本発明の範囲よ
り低かったので強撚調風合は得られなかった。
なお実験番号3では糸1m当りの未解撚部分の長さ(m
m)の自乗和か5200であり、より絣らしい模様が発
現でき、更に好ましいものとなった。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 仮撚捲縮を有する長繊維からなる多繊条糸であって
    、該糸は糸軸方向に沿って、撚密度が27000/,/
    ”■(撚数/m)以上でありかつ繊維の捲縮形態が糸の
    撚構造と一致している堅密撚糸部分と、該堅密撚糸部分
    とは応対方向の撚を有し撚密度がc+ooo/.//T
    5(撚数/ m )以上でありかつ繊維の捲縮形態が露
    顕している嵩高撚糸部分とを、不規則な長さで交互に有
    することを特徴とする特殊仮撚加工糸(ただし、Dは糸
    のデニール数である)。 2 堅密撚糸部分の各々の長さ(朋数)の自乗和か糸1
    m当り5000以上であることを特徴とする特許請求の
    範囲第1項記載の特殊仮撚加工糸。 3 構成繊維相互が融着していないか、又は融着してい
    ても該繊維を切断せずに剥離できる程度の融着であ,り
    、かつ糸の抗張力性が0.3f/D以上であることを特
    徴とする特許請求の範囲第1項あるいは第2項記載の特
    殊仮撚加工糸。 4 糸軸方向に染着性の斑を実質的に有さないことを特
    徴とする特許請求の範囲第1項、第2項あるいは第3項
    記載の特殊仮撚加工糸。
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