JP2585523B2 - 嵩高加工糸の製造方法 - Google Patents
嵩高加工糸の製造方法Info
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- JP2585523B2 JP2585523B2 JP61018966A JP1896686A JP2585523B2 JP 2585523 B2 JP2585523 B2 JP 2585523B2 JP 61018966 A JP61018966 A JP 61018966A JP 1896686 A JP1896686 A JP 1896686A JP 2585523 B2 JP2585523 B2 JP 2585523B2
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Description
【発明の詳細な説明】 <産業上の利用分野> 本発明は,糸条の長手方法に沿って3種以上の染着差
を有すると共に,糸条を構成するフィラメント間に捲縮
差を有し,布帛に霜降り調からカスリ調の柄模様と羊毛
紡績糸様の風合を付与することができる嵩高加工糸の製
造方法に関するものである。
を有すると共に,糸条を構成するフィラメント間に捲縮
差を有し,布帛に霜降り調からカスリ調の柄模様と羊毛
紡績糸様の風合を付与することができる嵩高加工糸の製
造方法に関するものである。
<従来の技術> 従来,織編物において表面効果を有する糸条として
は,霜降り調の細かな柄模様やカスリ調の粗い柄模様の
織編物を得るため,染色性の異なる短繊維あるいはフィ
ラメント糸を2種以上混用して得られる糸条,短繊維を
間歇的に混入したスラブ糸等,種々の糸条を製造する方
法が知られている。
は,霜降り調の細かな柄模様やカスリ調の粗い柄模様の
織編物を得るため,染色性の異なる短繊維あるいはフィ
ラメント糸を2種以上混用して得られる糸条,短繊維を
間歇的に混入したスラブ糸等,種々の糸条を製造する方
法が知られている。
<発明が解決しようとする問題点> しかしながら,これらの方法によって得られる糸条
は,いずれも2種以上の染色性の異なる繊維を混用して
得られるものであるから,糸条や織編物の実生産面にお
いて作業性や管理面が非常に複雑であり,したがって,
織編物の柄パターンは限られたものにならざるを得な
い。
は,いずれも2種以上の染色性の異なる繊維を混用して
得られるものであるから,糸条や織編物の実生産面にお
いて作業性や管理面が非常に複雑であり,したがって,
織編物の柄パターンは限られたものにならざるを得な
い。
しかも,染色性の異なる合成繊維フィラメント糸を混
用したものにあっては,冷たい外観,ロウ質感を有した
手触り感があり,特にフィラメント糸が均一なこと等か
ら硬い風合を与えると共に,ソフト感,ボリューム感に
欠け,紡績糸,特に羊毛紡績糸から得られる織編物に比
して,風合の点で遜色があるという欠点を有している。
用したものにあっては,冷たい外観,ロウ質感を有した
手触り感があり,特にフィラメント糸が均一なこと等か
ら硬い風合を与えると共に,ソフト感,ボリューム感に
欠け,紡績糸,特に羊毛紡績糸から得られる織編物に比
して,風合の点で遜色があるという欠点を有している。
一方,本発明者らは,特開昭59−26535号公報におい
て,糸条の長手方向に沿って水又は液体を間歇的に付着
させ,連続して熱収縮させた後,延伸仮撚加工を施すこ
とにより,液体付着部を淡染性部,液体非付着部を濃染
性部とし,しかも濃染性部に太さ斑を有する加工糸を製
造する方法を提案した。
て,糸条の長手方向に沿って水又は液体を間歇的に付着
させ,連続して熱収縮させた後,延伸仮撚加工を施すこ
とにより,液体付着部を淡染性部,液体非付着部を濃染
性部とし,しかも濃染性部に太さ斑を有する加工糸を製
造する方法を提案した。
しかしながら,この方法で得られる加工糸は,濃染性
部内の太さ斑が少ないため,染色しても,濃染性部内部
で濃淡色差を表現するまでには至らず,本発明が指向す
る3種以上の濃淡染色性差を有し,製編織すれば,柄効
果を有する布帛を得ることができないという欠点があっ
た。
部内の太さ斑が少ないため,染色しても,濃染性部内部
で濃淡色差を表現するまでには至らず,本発明が指向す
る3種以上の濃淡染色性差を有し,製編織すれば,柄効
果を有する布帛を得ることができないという欠点があっ
た。
本発明は,かかる従来技術の欠点を解消するものであ
り,その目的とするところは,1本のマルチフィラメント
糸に3種以上の濃淡染着性差と捲縮差を付与し,羊毛紡
績糸様の風合と霜降り調からカスリ調の柄模様を自在に
形成し得る嵩高加工糸を製造することにある。
り,その目的とするところは,1本のマルチフィラメント
糸に3種以上の濃淡染着性差と捲縮差を付与し,羊毛紡
績糸様の風合と霜降り調からカスリ調の柄模様を自在に
形成し得る嵩高加工糸を製造することにある。
<問題点を解決するための手段> すなわち,本発明は複屈折(Δn)が15〜80×10-3の
ポリエステル高配向未延伸糸に,その長手方向に沿って
水または水性液体を間歇的に付着せしめ,次いで該糸条
を熱収縮せしめた後,一対のローラ間で冷延伸し,次い
で延伸仮撚加工を施すことによって,液体を付着させた
部分を淡染性部,液体を付着させない部分を濃淡混合染
着性部とすることを特徴とする嵩高加工糸の製造方法で
ある。
ポリエステル高配向未延伸糸に,その長手方向に沿って
水または水性液体を間歇的に付着せしめ,次いで該糸条
を熱収縮せしめた後,一対のローラ間で冷延伸し,次い
で延伸仮撚加工を施すことによって,液体を付着させた
部分を淡染性部,液体を付着させない部分を濃淡混合染
着性部とすることを特徴とする嵩高加工糸の製造方法で
ある。
以下,本発明をさらに詳細に説明する。
まず,本発明方法においては,供給原糸は複屈折(Δ
n)が15〜80×10-3のポリエステル高配向未延伸糸であ
ることが必要である。ポリエステル高配向未延伸糸の複
屈折(Δn)が15×10-3未満では,後述する熱収縮の際
に水または水性液体が付着していない部分が脆化し,後
続する延伸仮撚加工において糸切れが多発し,一方,80
×10-3を超えると,熱収縮量が十分でなく,延伸仮撚加
工によって鮮明な染着差が得られないので好ましくな
い。
n)が15〜80×10-3のポリエステル高配向未延伸糸であ
ることが必要である。ポリエステル高配向未延伸糸の複
屈折(Δn)が15×10-3未満では,後述する熱収縮の際
に水または水性液体が付着していない部分が脆化し,後
続する延伸仮撚加工において糸切れが多発し,一方,80
×10-3を超えると,熱収縮量が十分でなく,延伸仮撚加
工によって鮮明な染着差が得られないので好ましくな
い。
次に,前記ポリエステル高配向未延伸糸に,その長手
方向に沿って水または水性液体を間歇的に付着せしめ
る。ここで水性液体とは,水を50重量%以上含有するも
のであり,水以外の物質としては,界面活性剤,染色助
剤,紡錆剤等が挙げられ,水になじむものであればいか
なるものでもよい。ポリエステル高配向未延伸糸に水ま
たは水性液体(以下,液体という)を付着させるには,
下部が液体に浸漬された回転ローラの上部を間歇的に接
触通過させる方法,液体を間歇的に噴霧して付着させる
方法等,高配向未延伸糸に液体を適宜の長さで間歇的に
付着できる方法であればいかなる方法でもよく,とりわ
け,マイクロコンピュータとランダムパルス発生ユニッ
トを併用する方法は,ランダムな間隔および長さで液体
を付着し得るので特に好適である。
方向に沿って水または水性液体を間歇的に付着せしめ
る。ここで水性液体とは,水を50重量%以上含有するも
のであり,水以外の物質としては,界面活性剤,染色助
剤,紡錆剤等が挙げられ,水になじむものであればいか
なるものでもよい。ポリエステル高配向未延伸糸に水ま
たは水性液体(以下,液体という)を付着させるには,
下部が液体に浸漬された回転ローラの上部を間歇的に接
触通過させる方法,液体を間歇的に噴霧して付着させる
方法等,高配向未延伸糸に液体を適宜の長さで間歇的に
付着できる方法であればいかなる方法でもよく,とりわ
け,マイクロコンピュータとランダムパルス発生ユニッ
トを併用する方法は,ランダムな間隔および長さで液体
を付着し得るので特に好適である。
前記の間歇的に液体を付着せしめたポリエステル高配
向未延伸糸は,次いでこれを熱収縮せしめる。すなわ
ち,本発明方法では間歇的に水を付着せしめた部分と付
着させない部分との間で熱処理の程度を異ならせて熱収
縮せしめ,配向度を低下させる。この場合,本発明の目
的とする染着差を鮮明にし,捲縮差を強くするには,熱
収縮時の弛緩率を大きくとることが好ましく,したがっ
て,本発明の効果を十分得るには,弛緩率を30%以上と
することが望ましい。また,熱収縮時の熱処理温度は13
0℃〜240℃とすることが好ましい。また,熱収縮時にお
ける走行糸条の張力は,糸条の熱収縮応力に相当し,極
めて微少であるので,安定して糸条を走行せしめるに
は,弛緩率は130%以下が好ましく,さらに,糸条を加
熱装置に接触させない非接触とすることが好ましい。
向未延伸糸は,次いでこれを熱収縮せしめる。すなわ
ち,本発明方法では間歇的に水を付着せしめた部分と付
着させない部分との間で熱処理の程度を異ならせて熱収
縮せしめ,配向度を低下させる。この場合,本発明の目
的とする染着差を鮮明にし,捲縮差を強くするには,熱
収縮時の弛緩率を大きくとることが好ましく,したがっ
て,本発明の効果を十分得るには,弛緩率を30%以上と
することが望ましい。また,熱収縮時の熱処理温度は13
0℃〜240℃とすることが好ましい。また,熱収縮時にお
ける走行糸条の張力は,糸条の熱収縮応力に相当し,極
めて微少であるので,安定して糸条を走行せしめるに
は,弛緩率は130%以下が好ましく,さらに,糸条を加
熱装置に接触させない非接触とすることが好ましい。
さらに,本発明方法においては,前記の熱収縮せしめ
た糸条を冷延伸する。ここでいう冷延伸とは,室温下で
の延伸のほか,糸条に太細斑を発生せしめうる加温下で
の延伸をも包含し,通常熱収縮された糸条の結晶化温度
以下の延伸を意味する。冷延伸の延伸倍率は,熱収縮さ
れた糸条の伸度−応力曲線でいう自然延伸領域内を採用
するが,概ね1.3倍〜2.6倍の範囲を採用する。
た糸条を冷延伸する。ここでいう冷延伸とは,室温下で
の延伸のほか,糸条に太細斑を発生せしめうる加温下で
の延伸をも包含し,通常熱収縮された糸条の結晶化温度
以下の延伸を意味する。冷延伸の延伸倍率は,熱収縮さ
れた糸条の伸度−応力曲線でいう自然延伸領域内を採用
するが,概ね1.3倍〜2.6倍の範囲を採用する。
なお,この場合の冷延伸領域は,表面速度の異なる一
対のローラ間で構成する必要がある。これは,冷延伸領
域での延伸の安定化を図り,非液体付着部に太細繊度斑
を安定して発現させるためである。
対のローラ間で構成する必要がある。これは,冷延伸領
域での延伸の安定化を図り,非液体付着部に太細繊度斑
を安定して発現させるためである。
かくして,糸条を構成する個々のフィラメントに繊度
斑が生じ,太部となった部分が濃染性部に,細部となっ
た部分が淡染性部となる。
斑が生じ,太部となった部分が濃染性部に,細部となっ
た部分が淡染性部となる。
そして,前記冷延伸された糸条は,さらに延伸仮撚加
工が施される。この場合の延伸倍率は1.1〜1.7を採用す
る。また,延伸仮撚加工時の仮撚数は,通常仮撚加工さ
れる仮撚数を採用し,仮撚解撚後の糸条の繊度をD(デ
ニール)とすると,概ね を用いる。一方,仮撚加工温度としては,高配向未延伸
糸を通常延伸仮撚加工する温度を採用し,170℃〜230℃
程度の温度を用いる。
工が施される。この場合の延伸倍率は1.1〜1.7を採用す
る。また,延伸仮撚加工時の仮撚数は,通常仮撚加工さ
れる仮撚数を採用し,仮撚解撚後の糸条の繊度をD(デ
ニール)とすると,概ね を用いる。一方,仮撚加工温度としては,高配向未延伸
糸を通常延伸仮撚加工する温度を採用し,170℃〜230℃
程度の温度を用いる。
このようにして延伸仮撚加工することにより,糸条の
間歇的に液体が付着した部分は,熱収縮時に熱処理効果
がほとんど及ばず,延伸仮撚加工時に延伸高配向化され
て淡染性部となり,一方,液体を付着させない部分は,
熱収縮して収縮結晶化するので,延伸仮撚加工時の延伸
変形が少なく,淡染性部よりも濃く染まる。また,前述
の冷延伸時に発生した太細繊度斑により濃淡混合染着性
部が形成されるので,前記淡染性部の形成と併わせて,
少なくとも3種以上の濃淡差を有する糸条となる。
間歇的に液体が付着した部分は,熱収縮時に熱処理効果
がほとんど及ばず,延伸仮撚加工時に延伸高配向化され
て淡染性部となり,一方,液体を付着させない部分は,
熱収縮して収縮結晶化するので,延伸仮撚加工時の延伸
変形が少なく,淡染性部よりも濃く染まる。また,前述
の冷延伸時に発生した太細繊度斑により濃淡混合染着性
部が形成されるので,前記淡染性部の形成と併わせて,
少なくとも3種以上の濃淡差を有する糸条となる。
しかも,冷延伸して太細繊度斑を生ぜしめた糸条を延
伸仮撚加工することにより,太部の外周に配された加撚
中のフィラメントは比較的大きく伸ばされながら変形す
るため捲縮差が発生し,しかも,外周部に位置するフィ
ラメントは,太部あるいは細部によっても捲縮差を生ず
る。
伸仮撚加工することにより,太部の外周に配された加撚
中のフィラメントは比較的大きく伸ばされながら変形す
るため捲縮差が発生し,しかも,外周部に位置するフィ
ラメントは,太部あるいは細部によっても捲縮差を生ず
る。
したがって,本発明方法による嵩高加工糸を用いて織
編物とすると,濃淡染着性差による3種以上の色度差を
有する外観柄効果と,単糸フィラメント間の捲縮差によ
る羊毛紡績糸様の風合効果とを併せもった織編物が得ら
れる。
編物とすると,濃淡染着性差による3種以上の色度差を
有する外観柄効果と,単糸フィラメント間の捲縮差によ
る羊毛紡績糸様の風合効果とを併せもった織編物が得ら
れる。
第1図は,かかる本発明方法の製造工程の一例を示す
工程概略図であり,スプール(1)より引出されたポリ
エステル高配向未延伸(F)は,フィードローラ(2)
を経て液体付着装置(3)によって間歇的に液体が付着
され,続いて第1加熱装置(4)に入り,フィードロー
ラ(2)と第1デリベリローラ(5)によって所定の弛
緩率で熱収縮され,第1デリベリローラ(5)を経て第
1デリベリローラ(5)と第2デリベリローラ(6)と
の間で所定の延伸倍率で冷延伸され,次いで,第2デリ
ベリローラ(6)を経て第2デリベリローラ(6)と第
3デリベリローラ(9)との間で所定の延伸倍率で延伸
されると同時に,仮撚施撚装置(8)により加撚されつ
つ第2加熱装置(7)により熱固定され,第3デリベリ
ローラ(9)を経て,捲取ローラ(10)により嵩高加工
糸としてパッケージ(11)に捲取られる。
工程概略図であり,スプール(1)より引出されたポリ
エステル高配向未延伸(F)は,フィードローラ(2)
を経て液体付着装置(3)によって間歇的に液体が付着
され,続いて第1加熱装置(4)に入り,フィードロー
ラ(2)と第1デリベリローラ(5)によって所定の弛
緩率で熱収縮され,第1デリベリローラ(5)を経て第
1デリベリローラ(5)と第2デリベリローラ(6)と
の間で所定の延伸倍率で冷延伸され,次いで,第2デリ
ベリローラ(6)を経て第2デリベリローラ(6)と第
3デリベリローラ(9)との間で所定の延伸倍率で延伸
されると同時に,仮撚施撚装置(8)により加撚されつ
つ第2加熱装置(7)により熱固定され,第3デリベリ
ローラ(9)を経て,捲取ローラ(10)により嵩高加工
糸としてパッケージ(11)に捲取られる。
第2図は,上記本発明方法による嵩高加工糸の一例を
示す外観様式図で,同図において(A)は液体が付着さ
れた淡染性部,(B)は液体が付着されていない濃染性
部と淡染性部とが混合した濃淡混合染着性部であり,糸
条の長手方向に沿って淡染性部(A)と濃淡混合染着性
部(B)とが交互に形成されている。さらに,濃淡混合
染着性部(B)には単糸フィラメントの太部(イ)と細
部(ロ)が混在しており,太部(イ)は濃色に,細部
(ロ)は淡色となる。そして,糸条の比較的外周に位置
する細部(ロ)は高捲縮を,内周に位置する細部(ロ)
は低捲縮を呈し,これらは単糸フィラメントの長手方向
に変化している。
示す外観様式図で,同図において(A)は液体が付着さ
れた淡染性部,(B)は液体が付着されていない濃染性
部と淡染性部とが混合した濃淡混合染着性部であり,糸
条の長手方向に沿って淡染性部(A)と濃淡混合染着性
部(B)とが交互に形成されている。さらに,濃淡混合
染着性部(B)には単糸フィラメントの太部(イ)と細
部(ロ)が混在しており,太部(イ)は濃色に,細部
(ロ)は淡色となる。そして,糸条の比較的外周に位置
する細部(ロ)は高捲縮を,内周に位置する細部(ロ)
は低捲縮を呈し,これらは単糸フィラメントの長手方向
に変化している。
なお,この嵩高加工糸の染着濃淡順序は,濃淡混合染
着性部(B)の太部(イ)が最も濃く,次いで同部の細
部(ロ),そして液体が付着された淡染性部(A)が最
も淡色となる。
着性部(B)の太部(イ)が最も濃く,次いで同部の細
部(ロ),そして液体が付着された淡染性部(A)が最
も淡色となる。
本発明におけるポリエステルとは,分子鎖中にエステ
ル結合を有するポリマーであって,ポリエチレンテレフ
タレートで代表されるホモポリマーおよびこれらのコポ
リマー,あるいはブレンドポリマー等をも包含する。
ル結合を有するポリマーであって,ポリエチレンテレフ
タレートで代表されるホモポリマーおよびこれらのコポ
リマー,あるいはブレンドポリマー等をも包含する。
また,複屈折(Δn)は偏光顕微鏡コンベンセーター
による干渉縞計測法により測定したものである。
による干渉縞計測法により測定したものである。
<実施例> 以下,本発明方法を実施に基づいて具体的に説明す
る。
る。
実施例 高速紡糸して得た複屈折(Δn)が50×10-3のポリエ
チレンテレフタレート高配向未延伸糸230d/48fを,第1
図に示す工程においてフィードローラに供給し,マイク
ロコンピュータとランダムパルス発生ユニットを併用し
て糸条の長手方向に沿って間歇的に水を付着した後,フ
ィードローラと第1デリベリローラとにより,弛緩率を
60%として第1加熱装置温度170℃で熱収縮させ,続い
て,第1デリベリローラと第2デリベリローラにより延
伸倍率を1.6として冷延伸した後,第2デリベリローラ
と第3デリベリローラにより延伸倍率1.15とし,スピン
ドル回転数25.0×104r.p.m.,仮撚数2270T/M(撚方向,Z
方向),第2加熱装置温度180℃で延伸仮撚加工を行
い,本発明方法による嵩高加工糸を得た。
チレンテレフタレート高配向未延伸糸230d/48fを,第1
図に示す工程においてフィードローラに供給し,マイク
ロコンピュータとランダムパルス発生ユニットを併用し
て糸条の長手方向に沿って間歇的に水を付着した後,フ
ィードローラと第1デリベリローラとにより,弛緩率を
60%として第1加熱装置温度170℃で熱収縮させ,続い
て,第1デリベリローラと第2デリベリローラにより延
伸倍率を1.6として冷延伸した後,第2デリベリローラ
と第3デリベリローラにより延伸倍率1.15とし,スピン
ドル回転数25.0×104r.p.m.,仮撚数2270T/M(撚方向,Z
方向),第2加熱装置温度180℃で延伸仮撚加工を行
い,本発明方法による嵩高加工糸を得た。
得られた嵩高加工糸は,液体が付着した淡染性部の長
さは8〜12cmであり,濃淡混合染着性部の太部の長さは
0.5〜3.5cmであった。
さは8〜12cmであり,濃淡混合染着性部の太部の長さは
0.5〜3.5cmであった。
次に,この嵩高加工糸を経糸密度68本/吋,緯糸密度
60本/吋で平組織に製織し,青色の分散染料で染色して
仕上げを行ったところ,極めて鮮明な経緯の淡色部を有
するカスリ調の柄模様の中に,比較的細かい太細繊度斑
による杢とが混合して,極めて新規な外観柄模様を呈し
た。また,得られた織物は手触りが柔らかで,ボリュー
ム感があり,しかも,ハリ,腰のある羊毛紡績糸様の風
合を有するものであった。
60本/吋で平組織に製織し,青色の分散染料で染色して
仕上げを行ったところ,極めて鮮明な経緯の淡色部を有
するカスリ調の柄模様の中に,比較的細かい太細繊度斑
による杢とが混合して,極めて新規な外観柄模様を呈し
た。また,得られた織物は手触りが柔らかで,ボリュー
ム感があり,しかも,ハリ,腰のある羊毛紡績糸様の風
合を有するものであった。
<発明の効果> 以上述べたごとく,本発明方法は,ポリエステル高配
向未延伸糸に間歇的に液体を付着せしめ,熱収縮せしめ
た後冷延伸して,延伸仮撚加工することにより,ポリエ
ステル高配向未延伸糸の高収縮特性と結晶化配向未特性
を巧みに利用して,糸条の長手方向に少なくとも3種以
上の濃淡染着性差を形成せしめると共に,特に,冷延伸
により糸条に太細繊度斑を発生せしめて延伸仮撚加工す
ることによって単糸フィラメントに捲縮差を付与せしめ
たものであるから,本発明方法によって得られる嵩高加
工糸を用いて霜降り調からカスリ調まで種々の柄模様
と,柔らかでボリューム感のある手触り感と,ハリ,腰
のある羊毛紡績糸様の風合とを併せもった織編物を得る
ことができる。
向未延伸糸に間歇的に液体を付着せしめ,熱収縮せしめ
た後冷延伸して,延伸仮撚加工することにより,ポリエ
ステル高配向未延伸糸の高収縮特性と結晶化配向未特性
を巧みに利用して,糸条の長手方向に少なくとも3種以
上の濃淡染着性差を形成せしめると共に,特に,冷延伸
により糸条に太細繊度斑を発生せしめて延伸仮撚加工す
ることによって単糸フィラメントに捲縮差を付与せしめ
たものであるから,本発明方法によって得られる嵩高加
工糸を用いて霜降り調からカスリ調まで種々の柄模様
と,柔らかでボリューム感のある手触り感と,ハリ,腰
のある羊毛紡績糸様の風合とを併せもった織編物を得る
ことができる。
また,本発明方法は,間歇的に液体を付着することに
より糸条の濃淡染着性差および単糸フィラメントの捲縮
斑の現出を行わしめるものであるから,それらは適宜調
整することが可能であり,本発明方法によれば,織編物
の柄パターンおよび風合を自在に変えることができる加
工糸を容易に製造することができる。
より糸条の濃淡染着性差および単糸フィラメントの捲縮
斑の現出を行わしめるものであるから,それらは適宜調
整することが可能であり,本発明方法によれば,織編物
の柄パターンおよび風合を自在に変えることができる加
工糸を容易に製造することができる。
第1図は,本発明方法の製造工程の一例を示す工程概略
図,第2図は,本発明方法による嵩高加工糸の一例を示
す外観模式図である。 (1)……スプール (2)……フィードローラ (3)……液体付着装置 (4)……第1加熱装置 (5)……第1デリベリローラ (6)……第2デリベリローラ (7)……第2加熱装置 (8)……仮撚施撚装置 (9)……第3デリベリローラ (10)……捲取ローラ (11)……パッケージ (F)……糸条
図,第2図は,本発明方法による嵩高加工糸の一例を示
す外観模式図である。 (1)……スプール (2)……フィードローラ (3)……液体付着装置 (4)……第1加熱装置 (5)……第1デリベリローラ (6)……第2デリベリローラ (7)……第2加熱装置 (8)……仮撚施撚装置 (9)……第3デリベリローラ (10)……捲取ローラ (11)……パッケージ (F)……糸条
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭59−137523(JP,A) 特開 昭60−59145(JP,A)
Claims (1)
- 【請求項1】複屈折(Δn)が15〜80×10-3のポリエス
テル高配向未延伸糸に,その長手方向に沿って水または
水性液体を間歇的に付着せしめ,次いで該糸条を熱収縮
せしめた後,一対のローラ間で冷延伸し,次いで延伸仮
撚加工を施すことによって,液体を付着させた部分を淡
染性部,液体を付着させない部分を濃淡混合染着性部と
することを特徴とする嵩高加工糸の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP61018966A JP2585523B2 (ja) | 1986-01-30 | 1986-01-30 | 嵩高加工糸の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP61018966A JP2585523B2 (ja) | 1986-01-30 | 1986-01-30 | 嵩高加工糸の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPS62177242A JPS62177242A (ja) | 1987-08-04 |
JP2585523B2 true JP2585523B2 (ja) | 1997-02-26 |
Family
ID=11986394
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP61018966A Expired - Lifetime JP2585523B2 (ja) | 1986-01-30 | 1986-01-30 | 嵩高加工糸の製造方法 |
Country Status (1)
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JP (1) | JP2585523B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH07133543A (ja) * | 1993-11-05 | 1995-05-23 | Murata Mach Ltd | 特殊糸の延伸仮撚加工方法 |
Family Cites Families (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0232370B2 (ja) * | 1983-01-20 | 1990-07-19 | Unitika Ltd | Tokushuhoriesuterukakoitonoseizoho |
-
1986
- 1986-01-30 JP JP61018966A patent/JP2585523B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS62177242A (ja) | 1987-08-04 |
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