JP2891473B2 - 複合加工糸の製造方法 - Google Patents
複合加工糸の製造方法Info
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- JP2891473B2 JP2891473B2 JP1089059A JP8905989A JP2891473B2 JP 2891473 B2 JP2891473 B2 JP 2891473B2 JP 1089059 A JP1089059 A JP 1089059A JP 8905989 A JP8905989 A JP 8905989A JP 2891473 B2 JP2891473 B2 JP 2891473B2
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Description
【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は,糸条の長手方向に沿って変化に富んだ太細
形態を呈し,しかも多彩な濃淡部が混在した糸条であっ
て,新規なスラブ調の布帛を得ることができる複合加工
糸の製造方法に関するものである。
形態を呈し,しかも多彩な濃淡部が混在した糸条であっ
て,新規なスラブ調の布帛を得ることができる複合加工
糸の製造方法に関するものである。
(従来の技術) 従来,糸条の長手方向に沿って太繊度部と細繊度部を
有する加工糸を製造する方法はすでに周知である。
有する加工糸を製造する方法はすでに周知である。
例えば,本発明者等も複屈折率(Δn)が15×10-3〜
80×10-3程度のポリエステル高配向未延伸糸に水又は水
性液体を間歇的に付着させて仮撚加工を施し,水又は水
性液体が付着した部分を太繊度部に,水又は水性液体が
付着していない部分を細繊度部とする太細を有する加工
糸の製造法を特開昭60−59136号公報や特開昭63−35838
号公報等で提案した。
80×10-3程度のポリエステル高配向未延伸糸に水又は水
性液体を間歇的に付着させて仮撚加工を施し,水又は水
性液体が付着した部分を太繊度部に,水又は水性液体が
付着していない部分を細繊度部とする太細を有する加工
糸の製造法を特開昭60−59136号公報や特開昭63−35838
号公報等で提案した。
しかしながら,この方法で得られる加工糸は,糸条の
長手方向に各フイラメントの太繊度部が揃っているた
め,太繊度部の濃色効果が強く,布帛に太繊度部と細繊
度部の色差が強調され,奇抜な表面外観を呈するという
欠点がある。また,太繊度部と細繊度部の太細比が糸条
の長手方向のどの部分においても一定であり,このた
め,単調な凹凸を呈し,天然繊維調の変化に富んだ自然
感のある太細形態が得られなかった。
長手方向に各フイラメントの太繊度部が揃っているた
め,太繊度部の濃色効果が強く,布帛に太繊度部と細繊
度部の色差が強調され,奇抜な表面外観を呈するという
欠点がある。また,太繊度部と細繊度部の太細比が糸条
の長手方向のどの部分においても一定であり,このた
め,単調な凹凸を呈し,天然繊維調の変化に富んだ自然
感のある太細形態が得られなかった。
また,仮撚加工において,2本の糸条を用い,芯糸とな
る仮撚加工糸に他の糸条を捲付ける,いわゆる仮撚捲付
法による太細形態を有する加工糸の製造法が特公昭50−
35147号公報や特開昭53−52757号公報等で提案されてい
る。
る仮撚加工糸に他の糸条を捲付ける,いわゆる仮撚捲付
法による太細形態を有する加工糸の製造法が特公昭50−
35147号公報や特開昭53−52757号公報等で提案されてい
る。
この方法で得られる加工糸は,太部(三重部)と細部
(一重部)の色差が同一であるため,濃淡差による色調
効果が得られない。また,太部と細部の太細比が糸条の
長手方向のどの部分においてもほぼ一定であり,このた
め,単調な凹凸を呈し,天然繊維調の変化に富んだ太細
形態が得られないという欠点があった。
(一重部)の色差が同一であるため,濃淡差による色調
効果が得られない。また,太部と細部の太細比が糸条の
長手方向のどの部分においてもほぼ一定であり,このた
め,単調な凹凸を呈し,天然繊維調の変化に富んだ太細
形態が得られないという欠点があった。
さらに,特公昭59−50766号公報には,捲付糸として
太細糸を使用する仮撚捲付法が開示されているが,糸条
の外側を形成する捲付糸が太細糸であるため,仮撚ヒー
タ中で太細糸の太繊度部が脆化して強力が低下するとい
う欠点や,布帛にすると,太繊度部と細繊度部の色差が
強調されすぎるという欠点があった。
太細糸を使用する仮撚捲付法が開示されているが,糸条
の外側を形成する捲付糸が太細糸であるため,仮撚ヒー
タ中で太細糸の太繊度部が脆化して強力が低下するとい
う欠点や,布帛にすると,太繊度部と細繊度部の色差が
強調されすぎるという欠点があった。
(発明が解決しようとする課題) 本発明は,上述のごとき欠点を解消するものであり,
その目的とするところは,糸条の長手方向に沿って太部
と細部の直径比の異なる部分が混在した天然繊維調の変
化に富んだ太細外観と,色目が異なった多彩な濃淡部に
よる色調効果を有する新規な織編物を得ることができる
複合加工糸の製造方法を提供することを技術的な課題と
するものである。
その目的とするところは,糸条の長手方向に沿って太部
と細部の直径比の異なる部分が混在した天然繊維調の変
化に富んだ太細外観と,色目が異なった多彩な濃淡部に
よる色調効果を有する新規な織編物を得ることができる
複合加工糸の製造方法を提供することを技術的な課題と
するものである。
(課題を解決するための手段) すなわち,本発明は,熱可塑性高配向未延伸糸を間歇
的に液体処理し,次いで熱延伸せしめて糸条の長手方向
に太繊度部と細繊度部とを形成させた糸条(A)と,通
常の熱可塑性延伸糸条(B)とを同時に仮撚加工するに
際し,前記熱延伸に引続いて仮撚加工を施すとともに,
仮撚ヒータの上流側で糸条(A),(B)を合糸し,か
つ,前記糸条(A)の供給率(FA)と糸条(B)の供給
率(FB)を,(FB)−(FA)≧50(%)となるようにす
ることを特徴とする複合加工糸の製造方法を要旨とする
ものである。
的に液体処理し,次いで熱延伸せしめて糸条の長手方向
に太繊度部と細繊度部とを形成させた糸条(A)と,通
常の熱可塑性延伸糸条(B)とを同時に仮撚加工するに
際し,前記熱延伸に引続いて仮撚加工を施すとともに,
仮撚ヒータの上流側で糸条(A),(B)を合糸し,か
つ,前記糸条(A)の供給率(FA)と糸条(B)の供給
率(FB)を,(FB)−(FA)≧50(%)となるようにす
ることを特徴とする複合加工糸の製造方法を要旨とする
ものである。
以下,本発明を詳細に説明する。
まず,本発明においては,熱可塑性高配向未延伸糸に
水又は水性の液体を間歇的に付着させる。この高配向未
延伸糸とは,ポリエステル,ポリアミド等の熱可塑性ポ
リマーを高速紡糸して得られる糸条であって,例えばポ
リエステルの場合,複屈折率(Δn)が20×10-3〜80×
10-3の高配向未延伸糸を用いることが好ましい。液体を
間歇的に付着させると,後述する熱延伸工程で液体が付
着した部分は太繊度部となるが,ポリエステル高配向未
延伸糸の複屈折率(Δn)が低い(20×10-3未満)場
合,太繊度部の複屈折率が低すぎるので,後続する仮撚
工程でフイラメントの一部が融断したり,毛羽が多発す
る。また,得られる捲縮糸は毛羽が多くなるため,製編
織が困難になるのみならず,染色加工等の熱加工時に太
繊度部が脆化し,織編物の引裂強力が低下するので好ま
しくない。一方,複屈折率(Δn)が高い(80×10-3を
超える)と,熱延伸時の延伸倍率を大きくすることがで
きず,液体が間歇的に付着した部分と付着しない部分の
差が明瞭にならないので,糸条の太細比を大きくするこ
とができない。
水又は水性の液体を間歇的に付着させる。この高配向未
延伸糸とは,ポリエステル,ポリアミド等の熱可塑性ポ
リマーを高速紡糸して得られる糸条であって,例えばポ
リエステルの場合,複屈折率(Δn)が20×10-3〜80×
10-3の高配向未延伸糸を用いることが好ましい。液体を
間歇的に付着させると,後述する熱延伸工程で液体が付
着した部分は太繊度部となるが,ポリエステル高配向未
延伸糸の複屈折率(Δn)が低い(20×10-3未満)場
合,太繊度部の複屈折率が低すぎるので,後続する仮撚
工程でフイラメントの一部が融断したり,毛羽が多発す
る。また,得られる捲縮糸は毛羽が多くなるため,製編
織が困難になるのみならず,染色加工等の熱加工時に太
繊度部が脆化し,織編物の引裂強力が低下するので好ま
しくない。一方,複屈折率(Δn)が高い(80×10-3を
超える)と,熱延伸時の延伸倍率を大きくすることがで
きず,液体が間歇的に付着した部分と付着しない部分の
差が明瞭にならないので,糸条の太細比を大きくするこ
とができない。
液体を糸条に間歇的に付着させるに際しては,緊張状
態で行うことが好ましい。糸条に間歇的に液体を付着さ
せる方法としては,液体を適宜の長さで間歇的に付着し
得る方法であればいずれの方法でもよいが,特にマイク
ロコンピユーターとランダムパルス発生ユニツトを併用
する方法が,ランダムな間隔および長さで液体を付着さ
せることができるので好適である。
態で行うことが好ましい。糸条に間歇的に液体を付着さ
せる方法としては,液体を適宜の長さで間歇的に付着し
得る方法であればいずれの方法でもよいが,特にマイク
ロコンピユーターとランダムパルス発生ユニツトを併用
する方法が,ランダムな間隔および長さで液体を付着さ
せることができるので好適である。
次に,前記のように間歇的に液体を付着させた糸条
は,これを引続き連続して熱延伸し,液体が付着した部
分を太繊度部に,液体が付着していない部分を細繊度部
とする。この場合,加熱装置に非接触状態で熱延伸する
ことが好ましい。加熱装置に非接触状態で熱延伸する
と,糸条に付着した液体の遮蔽効果が高まり,太細繊度
比の大きい糸条を得ることができる。
は,これを引続き連続して熱延伸し,液体が付着した部
分を太繊度部に,液体が付着していない部分を細繊度部
とする。この場合,加熱装置に非接触状態で熱延伸する
ことが好ましい。加熱装置に非接触状態で熱延伸する
と,糸条に付着した液体の遮蔽効果が高まり,太細繊度
比の大きい糸条を得ることができる。
熱延伸時の温度は,糸速やヒータ長によっても異なる
が,例えばポリエステル高配向未延伸糸の場合,糸速80
〜200m/minでは,140℃〜240℃近傍の融着切れを生じな
い範囲が好ましい。
が,例えばポリエステル高配向未延伸糸の場合,糸速80
〜200m/minでは,140℃〜240℃近傍の融着切れを生じな
い範囲が好ましい。
また,熱延伸時の延伸倍率は,高配向未延伸糸の伸度
にもよるが,1.2〜3.0の範囲が好ましく,延伸倍率が1.2
未満では,液体が付着していない部分が熱延伸で低い引
っ張り変形しか受けず,太細繊度比の大きい糸条が得ら
れない。一方,延伸倍率が3.0を超えると,フイラメン
トの一部が切断され,操業性が低下しやすいので好まし
くない。
にもよるが,1.2〜3.0の範囲が好ましく,延伸倍率が1.2
未満では,液体が付着していない部分が熱延伸で低い引
っ張り変形しか受けず,太細繊度比の大きい糸条が得ら
れない。一方,延伸倍率が3.0を超えると,フイラメン
トの一部が切断され,操業性が低下しやすいので好まし
くない。
次いで,本発明では,前記で熱延伸した糸条(A)
と,通常の熱可塑性延伸糸(B)とを同時に仮撚加工す
るが,その際,上記熱延伸に引続き連続して仮撚加工を
施すとともに,仮撚ヒータの上流側で糸条(A),
(B)を合糸し,かつ,糸条(A)の供給率(FA)と糸
条(B)の供給率(FB)を,(FB)−(FA)≧50(%)
となるようにする必要がある。
と,通常の熱可塑性延伸糸(B)とを同時に仮撚加工す
るが,その際,上記熱延伸に引続き連続して仮撚加工を
施すとともに,仮撚ヒータの上流側で糸条(A),
(B)を合糸し,かつ,糸条(A)の供給率(FA)と糸
条(B)の供給率(FB)を,(FB)−(FA)≧50(%)
となるようにする必要がある。
糸条(A)の供給率(FA)は,太繊度部が必要以上に
延伸されない範囲で適宜選定すればよく,例えば,供給
率(FA)としては−10〜+30%,好ましくは0〜+20%
とすることが適当である。また,糸条(B)の供給率
(FB)は50〜200%の範囲が好ましく,200%を超える
と,糸切れしやすくなるので好ましくない。このよう
に,糸条(A)と糸条(B)の供給率に50(%)以上と
いう大きな差を与えることにより,糸条(B)は供給量
の差だけ糸条(A)に捲回した構造を呈する複合加工糸
が得られる。
延伸されない範囲で適宜選定すればよく,例えば,供給
率(FA)としては−10〜+30%,好ましくは0〜+20%
とすることが適当である。また,糸条(B)の供給率
(FB)は50〜200%の範囲が好ましく,200%を超える
と,糸切れしやすくなるので好ましくない。このよう
に,糸条(A)と糸条(B)の供給率に50(%)以上と
いう大きな差を与えることにより,糸条(B)は供給量
の差だけ糸条(A)に捲回した構造を呈する複合加工糸
が得られる。
本発明では,糸条(A)と糸条(B)とを同時に仮撚
加工するに際し,仮撚ヒータの前で引き揃えて糸条
(B)を捲回させるので,糸条(B)の捲付け形態が熱
によって固定され,強固な捲付け形態の加工糸が得られ
る。また,太繊度部を有する糸条(A)は,複合加工糸
の芯糸となるので,仮撚ヒータによって太繊度部が脆化
することがなく,糸条強力の低下を防止することができ
る。
加工するに際し,仮撚ヒータの前で引き揃えて糸条
(B)を捲回させるので,糸条(B)の捲付け形態が熱
によって固定され,強固な捲付け形態の加工糸が得られ
る。また,太繊度部を有する糸条(A)は,複合加工糸
の芯糸となるので,仮撚ヒータによって太繊度部が脆化
することがなく,糸条強力の低下を防止することができ
る。
さらに,本発明では,熱延伸に引続いて仮撚加工を行
うので,糸条(A)の太繊度部に残留した液体を仮撚工
程の熱処理で気化させるとともに,太繊度部の熱収縮率
を低下させ,細繊度部の熱収縮率に近づけることができ
る。また,仮撚ゾーンにおいて,熱延伸工程での緊張が
放縮作用として糸条(A)に加わり,これに熱による収
縮作用が付加されるので,糸条(B)の捲付けピツチが
細かくなり,強固な捲付け状態となる。
うので,糸条(A)の太繊度部に残留した液体を仮撚工
程の熱処理で気化させるとともに,太繊度部の熱収縮率
を低下させ,細繊度部の熱収縮率に近づけることができ
る。また,仮撚ゾーンにおいて,熱延伸工程での緊張が
放縮作用として糸条(A)に加わり,これに熱による収
縮作用が付加されるので,糸条(B)の捲付けピツチが
細かくなり,強固な捲付け状態となる。
上記仮撚加工時の温度は,例えば糸速80〜200m/minの
範囲では,ポリエステルの場合,140℃〜250℃が好適で
ある。また,仮撚数T(T/M)は, 〔Dは糸条(A)のデニール〕とするのが好ましく,仮
撚数T(T/M)が を超えると,糸切れが発生しやすく,一方, 未満になると,捲縮が乏しくなり,かつ,強固な捲付け
形態が得られない。
範囲では,ポリエステルの場合,140℃〜250℃が好適で
ある。また,仮撚数T(T/M)は, 〔Dは糸条(A)のデニール〕とするのが好ましく,仮
撚数T(T/M)が を超えると,糸切れが発生しやすく,一方, 未満になると,捲縮が乏しくなり,かつ,強固な捲付け
形態が得られない。
次に,本発明により得られる複合加工糸の一実施態様
を図面により説明する。
を図面により説明する。
第2図は,本発明により得られる複合加工糸の一実施
態様を示す外観模式図である。同図において,aは熱延伸
後の糸条(A)に仮撚加工を施し,太繊度部a1と細繊度
部a2とを形成させた太細捲縮糸,bは糸条(B)からなる
捲回糸であり,糸条bが糸条aに捲付いた構造を呈して
いる。
態様を示す外観模式図である。同図において,aは熱延伸
後の糸条(A)に仮撚加工を施し,太繊度部a1と細繊度
部a2とを形成させた太細捲縮糸,bは糸条(B)からなる
捲回糸であり,糸条bが糸条aに捲付いた構造を呈して
いる。
図中,捲回部C,Dは,仮撚加工時に,供給量の多い糸
条(B)が仮撚加撚方向の撚で糸条(A)に一旦捲付け
られ,仮撚スピンドルを通過後,オーバー解撚されるこ
とにより形成された部分であり,全体として捲付構造の
粗い過解撚撚が存在した2層構造形態を有している。こ
のC部分は,太細捲縮糸aの太繊度部a1に,捲回糸bが
やや粗く捲付いた構造であり,糸条の長手方向に最も濃
染性を有する2層の部分である。また,D部分は,太細捲
縮糸aの細繊度部a2に,捲回糸bがやや密に捲付いた2
層構造の細部である。
条(B)が仮撚加撚方向の撚で糸条(A)に一旦捲付け
られ,仮撚スピンドルを通過後,オーバー解撚されるこ
とにより形成された部分であり,全体として捲付構造の
粗い過解撚撚が存在した2層構造形態を有している。こ
のC部分は,太細捲縮糸aの太繊度部a1に,捲回糸bが
やや粗く捲付いた構造であり,糸条の長手方向に最も濃
染性を有する2層の部分である。また,D部分は,太細捲
縮糸aの細繊度部a2に,捲回糸bがやや密に捲付いた2
層構造の細部である。
なお,太細を有する糸条に仮撚加工を施す場合,加撚
撚は細繊度部に集中しやすく,このため,捲回糸bの構
造もC部に比べてD部はやや密な捲付き構造を有し,2層
部においても捲付きピッチの異なる形態が得られる。
撚は細繊度部に集中しやすく,このため,捲回糸bの構
造もC部に比べてD部はやや密な捲付き構造を有し,2層
部においても捲付きピッチの異なる形態が得られる。
次に,捲回部E,Fは,糸条(B)が仮撚加撚方向の撚
で糸条(A)に捲付けられ,その上に仮撚加撚方向とは
逆方向の撚が重なり,さらに仮撚加撚方向の撚が付加さ
れ,仮撚スピンドル通過後も解撚されることなく形成さ
れた,強固な捲回構造を有する4層形態である。このE
部分は,太細捲縮糸aの細繊度部a2に仮撚時の加撚撚が
集中すると同時に熱延伸工程での緊張が放縮作用として
働き,捲回糸bの撚ピッチが最も密に捲付いた構造を有
する4層の細部であり,染色性はD部分とは異なってい
る。また,F部分は,仮撚時の加撚撚はやや粗くなるが,
熱による太繊度部の収縮作用が加わるため,太細捲縮糸
aの太繊度部a1に捲回糸bの撚ピッチがやや密に捲付い
た構造を有する4層の太部であり,染着性はC部分より
やや淡染性を呈する。
で糸条(A)に捲付けられ,その上に仮撚加撚方向とは
逆方向の撚が重なり,さらに仮撚加撚方向の撚が付加さ
れ,仮撚スピンドル通過後も解撚されることなく形成さ
れた,強固な捲回構造を有する4層形態である。このE
部分は,太細捲縮糸aの細繊度部a2に仮撚時の加撚撚が
集中すると同時に熱延伸工程での緊張が放縮作用として
働き,捲回糸bの撚ピッチが最も密に捲付いた構造を有
する4層の細部であり,染色性はD部分とは異なってい
る。また,F部分は,仮撚時の加撚撚はやや粗くなるが,
熱による太繊度部の収縮作用が加わるため,太細捲縮糸
aの太繊度部a1に捲回糸bの撚ピッチがやや密に捲付い
た構造を有する4層の太部であり,染着性はC部分より
やや淡染性を呈する。
上記のように,芯糸となる太細捲縮糸aの太繊度部a1
と細繊度部a2に対して,仮撚時に撚数の異なる加撚撚が
加わると同時に,熱延伸による放縮及び収縮作用が付加
されるため,従来の仮撚捲付糸とは撚ピッチの異なる捲
回構造を呈する。
と細繊度部a2に対して,仮撚時に撚数の異なる加撚撚が
加わると同時に,熱延伸による放縮及び収縮作用が付加
されるため,従来の仮撚捲付糸とは撚ピッチの異なる捲
回構造を呈する。
以上のごとく,本発明により得られる複合加工糸は,
糸条の長手方向に太さ斑と染着性の異なる構造部を有
し,しかも,この4つの構造部を任意の長さでランダム
に混在させることが可能であり,この複合加工糸から,
多彩な濃淡差と変化に富んだ外観を有する新規な織編物
を得ることが可能である。
糸条の長手方向に太さ斑と染着性の異なる構造部を有
し,しかも,この4つの構造部を任意の長さでランダム
に混在させることが可能であり,この複合加工糸から,
多彩な濃淡差と変化に富んだ外観を有する新規な織編物
を得ることが可能である。
次に,本発明を図面により説明する。
第1図は,本発明の一実施態様を示す概略工程図であ
る。同図において,スプールより引き出された熱可塑性
高配向未延伸糸1は,ガイド2を通りフイードローラ3
を経て,液体付与装置4でマイクロコンピユーターによ
るランダム信号によって間歇的に液体を付与され,続い
てフイードローラ3と第1デリベリローラ6との間で所
定の延伸倍率で第1加熱装置5に非接触状態で熱延伸さ
れた後,糸条(A)として第1デリベリローラ6により
仮撚加工域に供給される。
る。同図において,スプールより引き出された熱可塑性
高配向未延伸糸1は,ガイド2を通りフイードローラ3
を経て,液体付与装置4でマイクロコンピユーターによ
るランダム信号によって間歇的に液体を付与され,続い
てフイードローラ3と第1デリベリローラ6との間で所
定の延伸倍率で第1加熱装置5に非接触状態で熱延伸さ
れた後,糸条(A)として第1デリベリローラ6により
仮撚加工域に供給される。
一方,パーンから引き出された通常の熱可塑性延伸糸
条(B)は,第3デリベリローラ12によって糸条(A)
より仮撚加工域に過供給され,次いで,糸条(A),
(B)は,仮撚施撚装置8により加撚されつつ第2加熱
装置7により熱固定され,第2デリベリローラ9を経て
捲取ローラ10により複合加工糸としてパツケージ11に捲
取られる。
条(B)は,第3デリベリローラ12によって糸条(A)
より仮撚加工域に過供給され,次いで,糸条(A),
(B)は,仮撚施撚装置8により加撚されつつ第2加熱
装置7により熱固定され,第2デリベリローラ9を経て
捲取ローラ10により複合加工糸としてパツケージ11に捲
取られる。
本発明における熱可塑性延伸糸条(B)としては,ポ
リエステル,ポリアミド等,熱可塑性合成繊維マルチフ
イラメントの延伸糸であればいずれでも使用することが
できる。
リエステル,ポリアミド等,熱可塑性合成繊維マルチフ
イラメントの延伸糸であればいずれでも使用することが
できる。
(作 用) 以上のように,本発明においては,熱可塑性高配向未
延伸糸に間歇的に液体を付着させた後,熱延伸を施し
て,糸条の長手方向に太繊度部と細繊度部を形成させた
糸条(A)と,糸条(A)より過供給する通常の熱可塑
性延伸糸条(B)とを同時に仮撚加工するに際し,糸条
(A),(B)を仮撚ヒータの手前で捲回させるので,
糸条(A)の太繊度部が仮撚ヒータ内で熱による脆化や
毛羽,弱糸,糸切れの問題を発生することなく,安定し
た仮撚加工が施され,糸条(A)に捲回糸(B)が強固
に捲付いた複合加工糸が得られる。
延伸糸に間歇的に液体を付着させた後,熱延伸を施し
て,糸条の長手方向に太繊度部と細繊度部を形成させた
糸条(A)と,糸条(A)より過供給する通常の熱可塑
性延伸糸条(B)とを同時に仮撚加工するに際し,糸条
(A),(B)を仮撚ヒータの手前で捲回させるので,
糸条(A)の太繊度部が仮撚ヒータ内で熱による脆化や
毛羽,弱糸,糸切れの問題を発生することなく,安定し
た仮撚加工が施され,糸条(A)に捲回糸(B)が強固
に捲付いた複合加工糸が得られる。
また,仮撚加工において芯糸となる糸条(A)の太繊
度部(濃染部)と細繊度部(淡染部)に仮撚数の異なる
加撚撚が加わり,捲回糸となる糸条(B)の撚ピツチが
変化した捲回構造を呈するとともに,前工程である熱延
伸による放縮作用と,仮撚工程の熱収縮作用により糸条
(B)の撚ピツチが細かくなり,強固な捲付け状態とな
すことができる。
度部(濃染部)と細繊度部(淡染部)に仮撚数の異なる
加撚撚が加わり,捲回糸となる糸条(B)の撚ピツチが
変化した捲回構造を呈するとともに,前工程である熱延
伸による放縮作用と,仮撚工程の熱収縮作用により糸条
(B)の撚ピツチが細かくなり,強固な捲付け状態とな
すことができる。
さらに,糸条(A)に対して糸条(B)が50%以上過
供給されるため,濃染性の太繊度部を有する糸条(A)
が芯糸となった2層と4層の構造部が形成され,しかも
2層構造部の濃染性太部と淡染性細部及び4層構造部の
濃染性太部と淡染性細部が混在した,落ち着いた色調効
果を発現できる糸条が得られる。
供給されるため,濃染性の太繊度部を有する糸条(A)
が芯糸となった2層と4層の構造部が形成され,しかも
2層構造部の濃染性太部と淡染性細部及び4層構造部の
濃染性太部と淡染性細部が混在した,落ち着いた色調効
果を発現できる糸条が得られる。
この糸条には,太さ斑と染着性の異なる4つの構造部
が長手方向に任意の長さで混在しているため,この糸条
を用いれば,多彩な色相効果と変化に富んだ表面外観を
有する新規な織編物を得ることができる。
が長手方向に任意の長さで混在しているため,この糸条
を用いれば,多彩な色相効果と変化に富んだ表面外観を
有する新規な織編物を得ることができる。
(実施例) 以下,本発明を実施例により具体的に説明する。
実施例1 高速紡糸して得られた複屈折率(Δn)が53×10
-3で,220d/72fのポリエステル高配向未延伸糸(A)と,
50d/48fのポリエステル延伸糸(B)を用いて,第1図
に示す工程に従い,第1表に示す加工条件で間歇的液体
付着,熱延伸及び仮撚加工を行い,複合加工糸を製造し
た。その際,仮撚施撚装置としては,仮撚スピンドル式
のものを用いた。
-3で,220d/72fのポリエステル高配向未延伸糸(A)と,
50d/48fのポリエステル延伸糸(B)を用いて,第1図
に示す工程に従い,第1表に示す加工条件で間歇的液体
付着,熱延伸及び仮撚加工を行い,複合加工糸を製造し
た。その際,仮撚施撚装置としては,仮撚スピンドル式
のものを用いた。
得られた加工糸には,芯糸の太繊度部の脆化がなく,
また,第2表に示すような太部と細部,濃淡染着性差を
長手方向にランダムな間隔で有する糸条であった。
また,第2表に示すような太部と細部,濃淡染着性差を
長手方向にランダムな間隔で有する糸条であった。
なお,第2表における色差は,複合加工糸を筒編−染
色加工(染色処方:レゾリンブルーGKL 2%owf,100℃×
30分染)し,染色後,解編して糸捲きサンプルを作成
し,2層細部を標準色度として,他の部分との色差を変退
色用グレースケールによって評価した。
色加工(染色処方:レゾリンブルーGKL 2%owf,100℃×
30分染)し,染色後,解編して糸捲きサンプルを作成
し,2層細部を標準色度として,他の部分との色差を変退
色用グレースケールによって評価した。
この複合加工糸を経糸及び緯糸に使用し,経糸密度:7
0本/2.54cm,緯糸密度:51本/2.54cmで平織物に製織し,
通常のポリエステル染色処理によって仕上げ加工を行っ
たところ,天然繊維調の凹凸変化に富んだ外観と淡い濃
淡差を有する織物が得られた。
0本/2.54cm,緯糸密度:51本/2.54cmで平織物に製織し,
通常のポリエステル染色処理によって仕上げ加工を行っ
たところ,天然繊維調の凹凸変化に富んだ外観と淡い濃
淡差を有する織物が得られた。
(発明の効果) 上述したように,本発明は,熱可塑性高配向未延伸糸
に間歇的な液体付着と熱延伸を行って太繊度部と細繊度
部を有する糸条(A)とした後,熱延伸に連続して,過
供給する通常の熱可塑性延伸糸条(B)と同時に仮撚加
工するので,太繊度部を有する糸条(A)に糸条(B)
が捲回することとなり,このため,仮撚時に太繊度部の
強力が低下することがなく,しかも,際立った濃淡差が
強調されることがない加工糸を得ることができる。
に間歇的な液体付着と熱延伸を行って太繊度部と細繊度
部を有する糸条(A)とした後,熱延伸に連続して,過
供給する通常の熱可塑性延伸糸条(B)と同時に仮撚加
工するので,太繊度部を有する糸条(A)に糸条(B)
が捲回することとなり,このため,仮撚時に太繊度部の
強力が低下することがなく,しかも,際立った濃淡差が
強調されることがない加工糸を得ることができる。
本発明で得られる糸条には,太さ斑と染着性の異なる
4つの構造部が長手方向に任意の長さで混在しているた
め,この糸条を使用すれば,太部と細部の直径比が異な
る部分が混在した天然繊維調の変化に富んだ太細外観を
呈し,しかも色度が異なった濃淡部による落ち着いた色
調効果を有する新規な織編物を得ることができる。
4つの構造部が長手方向に任意の長さで混在しているた
め,この糸条を使用すれば,太部と細部の直径比が異な
る部分が混在した天然繊維調の変化に富んだ太細外観を
呈し,しかも色度が異なった濃淡部による落ち着いた色
調効果を有する新規な織編物を得ることができる。
第1図は,本発明の一実施態様を示す概略工程図,第2
図は,本発明で得られる複合加工糸の一実施態様を示す
外観模式図である。 1……高配向未延伸糸 4……液体付与装置 5……第1加熱装置 7……第2加熱装置 8……仮撚施撚装置
図は,本発明で得られる複合加工糸の一実施態様を示す
外観模式図である。 1……高配向未延伸糸 4……液体付与装置 5……第1加熱装置 7……第2加熱装置 8……仮撚施撚装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭55−103326(JP,A) 特開 昭63−50520(JP,A) 特開 昭60−59136(JP,A) 特開 昭63−35838(JP,A) 特開 昭53−52757(JP,A) 特公 昭50−20173(JP,B2) 特公 昭63−19612(JP,B2) 特公 昭50−35147(JP,B2) 特公 昭59−50766(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) D02G 1/00 - 3/38 D02J 1/22
Claims (1)
- 【請求項1】熱可塑性高配向未延伸糸を間歇的に液体処
理し,次いで熱延伸せしめて糸条の長手方向に太繊度部
と細繊度部とを形成させた糸条(A)と,通常の熱可塑
性延伸糸条(B)とを同時に仮撚加工するに際し,前記
熱延伸に引続いて仮撚加工を施すとともに,仮撚ヒータ
の上流側で糸条(A),(B)を合糸し,かつ,前記糸
条(A)の供給率(FA)と糸条(B)の供給率(FB)
を,(FB)−(FA)≧50(%)となるようにすることを
特徴とする複合加工糸の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1089059A JP2891473B2 (ja) | 1989-04-07 | 1989-04-07 | 複合加工糸の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1089059A JP2891473B2 (ja) | 1989-04-07 | 1989-04-07 | 複合加工糸の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH02269822A JPH02269822A (ja) | 1990-11-05 |
JP2891473B2 true JP2891473B2 (ja) | 1999-05-17 |
Family
ID=13960282
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1089059A Expired - Lifetime JP2891473B2 (ja) | 1989-04-07 | 1989-04-07 | 複合加工糸の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2891473B2 (ja) |
Family Cites Families (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS542352B2 (ja) * | 1973-06-21 | 1979-02-06 | ||
JPS55103326A (en) * | 1979-01-31 | 1980-08-07 | Mitsubishi Rayon Co | Production of polyester composite false twisted yarn |
JPS6059136A (ja) * | 1983-09-05 | 1985-04-05 | ユニチカ株式会社 | ポリエステルシックアンドシンヤ−ンの製造法 |
JPH0686691B2 (ja) * | 1986-04-16 | 1994-11-02 | ユニチカ株式会社 | 太細捲縮糸の製造法 |
JPH081490B2 (ja) * | 1986-07-11 | 1996-01-10 | 松下電器産業株式会社 | 投影レンズおよびそれを用いた露光装置 |
-
1989
- 1989-04-07 JP JP1089059A patent/JP2891473B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH02269822A (ja) | 1990-11-05 |
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