JP4339620B2 - 特殊断面を有する潜在捲縮加工糸及び織編物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、製編織して染色することにより、繊細なシャリ感とドレープ性を呈するとともに、ナチュラルドライタッチとストレッチ性を併せもった織編物となる特殊断面を有する潜在捲縮加工糸と、この加工糸を使用した織編物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
合成繊維を用いた春夏向けの婦人、紳士衣料分野では、例えば強撚糸や異形断面糸、セラミック含有繊維などを用いて織編物を形成することにより、シャリ感、ドライ感を付与し、清涼感を表現してきた。これらの素材は種々の工夫をこらすことによりある程度の効果を得ている。
【0003】
しかしながら、前記強撚糸は、シャリ感やドレープ性を表現できるものの、強撚工程、熱セット工程が必要なため、コスト面で非常に不利であり、また一本の糸に対してS撚、もしくはZ撚の一方のみで撚糸ピッチも均一であるため変化に乏しく、ナチュラル感を表現できなかった。
【0004】
また、異形断面糸は皮膚との接触点が少ないことによりドライ感が得られるものの、上記強撚糸のようなシャリ感に乏しく、清涼感に劣るとともに、ドレープ性の表現も困難であった。
【0005】
さらに、セラミック含有繊維は、練り込み、あるいは芯部や鞘部に配置されたセラミック粒子により、実質的なクーリング機能を有するものの、シャリ感、ドライ感やドレープ性に乏しく、またコスト面でも非常に不利であった。
【0006】
一方、特許文献1では、潜在捲縮性複合型ポリエステル系繊維で構成された糸条に仮撚加工を施し、仮撚加撚方向とは逆方向に追撚した後、熱セットした強撚糸を経糸及び/又は緯糸に用いて製織した織編物が提案されている。しかしながら、潜在捲縮糸による優れたストレッチ性は得られるものの、やはり前記強撚糸と同じく熱セット工程が必要なため、コスト面で非常に不利であるとともに、一本の糸に対してS撚、もしくはZ撚の一方のみで撚糸ピッチも均一であるため変化に乏しく、ナチュラル感を表現できないという問題があった。また、フリクションディスク等を用いた通常の仮撚加工であるため、加工糸の断面変形がフィラメント全体に及んでしまい、ガサツキが生じる問題もあった。
【0007】
また、織編物にナチュラル感を付与する加工糸の製法として、特許文献2には、マルチフィラメント糸に間歇的な仮撚操作を施して,その長手方向にS撚あるいはZ撚によって集束された長さ数十センチメートルから数メートルオーダーの加撚集束部と無撚部を交互に形成し、次いでマルチフィラメント糸を過供給しつつ流体処理を施して多数のループや絡み、たるみを形成するファンシーヤーンの製造方法が記載されている。しかしながら、このファンシーヤーンを使用した織編物は、ソフトなボリューム感や温かみ、優美な表面変化は得られるものの、ストレッチ性に乏しく、また断面変形によるドライ感にも乏しいものであった。
以上のように、従来の素材ではいずれも昨今の消費者ニーズを満足することができなかった。
【0008】
【特許文献1】
特開2000−226753号公報
【特許文献2】
特許第2530596号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記した従来の問題を解決し、製編織して染色することにより、繊細なシャリ感とドレープ性を呈するとともに、ナチュラルドライタッチとストレッチ性を併せもった織編物となる特殊断面を有する潜在捲縮加工糸及び織編物を提供することを技術的な課題とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記の課題を解決するために鋭意検討した結果、重合体A、Bからなるサイドバイサイド型の潜在捲縮性複合マルチフィラメントの主として一方が異形断面を有し、好ましくは加工糸の長手方向にS方向撚糸集束部とZ方向撚糸集束部とを有することで、織編物に繊細なシャリ感とドレープ性、ナチュラルドライタッチとストレッチ性を付与することができることを知見して、本発明に到達した。
すなわち、本発明は、次の構成を要旨とするものである。
(1)同種かつ相対粘度の異なるポリエステル重合体A、Bがサイドバイサイド型に貼合わされた断面を有する潜在捲縮性複合繊維マルチフィラメントが旋回加工されてなる加工糸であって、前記重合体A、Bのうち、主として低粘度成分側が異形断面を示し、加工糸の長手方向にS方向撚糸集束部とZ方向撚糸集束部とを少なくとも一部に有することを特徴とする特殊断面を有する潜在捲縮加工糸。
(2)加工糸におけるS方向撚糸集束部とZ方向撚糸集束部の占有率が30%以上である上記(1)記載の特殊断面を有する潜在捲縮加工糸。
(3)初期引張抵抗度が20cN/dtex以下である上記(1)又は(2)に記載の特殊断面を有する潜在捲縮加工糸。
(4)上記(1)〜(3)のいずれかに記載の特殊断面を有する潜在捲縮加工糸を少なくともその一部に用いた織編物。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳細に説明する。
まず、本発明の特殊断面を有する潜在捲縮加工糸は、重合体A、Bがサイドバイサイド型に貼合わされた断面を有する潜在捲縮性複合繊維マルチフィラメントが仮撚されてなる加工糸である。
【0012】
重合体A、Bとしては、ポリエチレンテレフタレート(PET)又はPETを主成分とする共重合ポリエステル、ポリブチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレートなどのポリエステルや、ナイロン6、ナイロン66などのポリアミドなどが挙げられる。また、重合体A、Bは、紡糸性、コスト面から相対粘度の異なる同種のポリエステル、特にPETであることが好ましい。さらに、重合体A、Bには、本質的な特性を損なわない範囲内で、艶消し剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、顔料、難燃剤、抗菌剤、導電性付与剤等、他の成分を少量含有してもよい。これらのサイドバイサイド型の複合繊維マルチフィラメントで構成されていることにより、潜在捲縮性を有するため、染色加工等の熱処理により捲縮が顕在化し、製編織して得られる布帛に適度なストレッチ性を付与することができるとともに、後述する特殊断面を得やすいというメリットを有する。
【0013】
本発明の加工糸は、仮撚工程を経ることで、サイドバイサイド型の潜在捲縮性複合繊維マルチフィラメントに特殊な捲縮を付与できるとともに、後述する特殊断面を簡単に付与することができる。ここで仮撚とは、特にサイドバイサイド型の潜在捲縮性複合繊維マルチフィラメントに負荷をかけない方法が、本発明の加工糸が容易に得られることから好ましく用いられ、旋回ノズルを用いた流体仮撚が特に好ましい。ただし、本発明を逸脱しない範囲内であれば、ピン仮撚、フリクション仮撚も適用できる。
【0014】
本発明では、前記2種の重合体のうち、主として一方が異形断面を有することが必要であり、特に相対粘度の異なる同一重合体における低粘度成分側が異形断面を有することが好ましい。ここで、主として一方が異形断面を有するとは、重合体A、Bのうち、一方の断面の異形度が高く、それと比較して他方は異形度が低いことをいう。具体的には、単フィラメントの断面を写真に撮り、内接円と外接円を描いたとき、ランダムに選択した10箇所の平均が、下記式を満足することが好ましい。
断面変形度:R0/R1≧1.3
異形比:S0/S1≧1.2
ここで、R0:外接円の直径
R1:内接円の直径
S0:内接円における重合体A又はBの内、面積が大なる方の占める面積
S1:内接円における重合体B又はAの内、面積が小なる方の占める面積
ただし、内接円は断面の内側に接する最大の円、外接円は断面の外側に接する最小の円をいう。
【0015】
すなわち、図1(a)に示すような形態を有する場合、図1(b)のように内接円及び外接円を描き、それぞれの直径に基づいて断面変形度を算出する。また、図1(c)のように内接円における重合体Aが占める斜線部の面積と、重合体Bが占める横線部の面積をコンピューターによる画像処理で算出し、その比率により異形比を算出すればよい。
【0016】
上記のような断面形態を有し、また熱収縮時に仮撚のトルクによる捩れの力が作用するためフィラメントがランダムに配置され、織編物とした際に、異形断面を示す側がランダムに布帛の表面に現れ、表面が微妙に変化したナチュラルで新規な風合いが得られる。また、ポリエステル重合体A、Bが相対粘度の異なる場合は、高粘度成分側ではなく、ヤング率の低い低粘度成分側が異形断面を示すことにより、異形断面糸特有のガサツキが抑えられ、従来にないマイルドで繊細なシャリ感、ドライ感を表現できる。
【0017】
断面変形度が本発明の範囲内であり、異形比が本発明の範囲を外れる場合、すなわち重合体A、Bの両方とも異形断面を示す場合は、布帛表面が全て異形断面糸で覆われるため変化に乏しく、ナチュラルな風合いが得られないので本発明からは除外される。また、ポリエステル重合体A、Bの相対粘度が異なり、いずれも異形断面を示す場合は、変化に乏しくナチュラルな風合いが得られない上、ガサツキが発生し、繊細なシャリ感やドライ感を表現できない。また、断面変形度が本発明の範囲を外れ、異形比が本発明の範囲内である場合も、異形断面糸特有のシャリ感やドライ感に乏しくなるため本発明から除外される。
【0018】
また、本発明の特殊断面を有する潜在捲縮加工糸は、加工糸の長手方向にS方向撚糸集束部とZ方向撚糸集束部とを有し、加工糸における前記S方向撚糸集束部とZ方向撚糸集束部の占有率の合計が30%以上、特に40%以上であることが好ましい。このように撚糸集束し、かつ撚方向も一方のみではない形態を有することにより、撚糸のようなシャリ感、ドレープ性とともに、ナチュラルドライタッチを表現できる。
【0019】
撚糸集束部を有しない場合は、織編物にシャリ感、ドレープ性、ナチュラルドライタッチを付与でき難くなりやすい。また、撚方向が一方向のみの場合は、シャリ感、ドレープ性は付与できるものの、ナチュラル感に乏しく、人工的なものになりやすい。さらに、加工糸全体に対する撚糸集束部の占める割合が、30%未満になると、シャリ感やドレープ性を得難くなりやすい。ただし、撚糸集束部の割合があまり多くなり過ぎると、シャリ感が強過ぎたり、ストレッチ性が減少したりするため、好ましいS方向撚糸集束部とZ方向撚糸集束部の占有率は90%以下である。
【0020】
さらに、本発明の特殊断面を有する潜在捲縮加工糸は、初期引張抵抗度が20cN/dtex以下、特に15cN/dtex以下であることが好ましい。このように、初期引張抵抗度が低いことにより、撚糸調のシャリ感を有しながら、ソフトな風合いの織編物を得ることができる。初期引張抵抗度が20cN/dtexを超えると、撚糸調のシャリ感に加えて硬さが付与されるため、高質感の織編物を得ることができ難くなる。
【0021】
次に、本発明の織編物は、前記した特殊断面を有する潜在捲縮加工糸を少なくともその一部に使用して得られるものであり、織物の場合には、経糸の一部又は全部、緯糸の一部又は全部、あるいはこれらの組み合わせで用いられていることを含み、強撚糸様の繊細なシャリ感とドレープ性、ナチュラルドライタッチとストレッチ性を表現するという本発明の目的を逸脱しない範囲内であれば特に使用割合は限定されるものではない。一般的には、織編物に占める割合は30質量%以上が好ましく、40質量%以上がより好ましい。
【0022】
次に、本発明の特殊断面を有する潜在捲縮加工糸の製法例について図面を用いて説明する。
図2は、本発明の特殊断面を有する潜在捲縮加工糸の一製法例を示す概略工程図である。図2において、重合体A、Bからなるサイドバイサイド型の潜在捲縮性複合繊維マルチフィラメントである供給糸1は、スプール2から引き出され、ガイド3を通り、フィードローラ4、ヒータ5、施撚装置6、第1デリベリローラ7の間で仮撚される。この場合、供給糸1には、主として一方に異形断面を形成しやすい理由で、重合体A、Bとして相対粘度の異なるPETを用いた配向度、結晶化度の低いサイドバイサイド型複合繊維マルチフィラメント高配向未延伸糸が好ましく用いられる。また、施撚装置6として、供給糸に負荷を掛けにくい流体旋回ノズルを用いて、低張力で旋回加工を施す方法が好ましく用いられる。
【0023】
次いで、上記仮撚加工糸は、トルクを減少させる目的など必要に応じて、第1デリベリローラ7、ヒータ8、第2デリベリローラ9により熱処理されて本発明の特殊断面を有する潜在捲縮加工糸となり、パッケージ10に巻き取られる。
【0024】
上記の仮撚加工工程において、サイドバイサイド型の潜在捲縮性複合繊維マルチフィラメントを構成する重合体A,Bの、主として一方に異形断面を形成させるための仮撚加工条件としては、施撚装置6の能力、好ましくは旋回ノズルの能力にもよるため一概にはいえないが、仮撚数としては300〜3000T/m、特に500〜2000T/mが好ましく、できるだけ延伸倍率を低く設定してサイドバイサイド型複合繊維マルチフィラメントに負荷が掛からないように低張力下で仮撚加工することが好ましい。また、加工糸におけるS方向撚糸集束部とZ方向撚糸集束部の占有率が30%以上となるようにオーバーフィード率や旋回ノズルの圧力等、適宜仮撚加工条件を調整すればよい。
また、加工の結果として上記範囲を満足するのであれば、供給糸として丸断面の糸はもちろんのこと、異形断面糸を用いてもよい。
【0025】
【作用】
本発明によると、潜在捲縮能を有するサイドバイサイド型の複合繊維マルチフィラメントに仮撚加工を施すことにより、重合体A、Bのうち、主として一方が異形断面を示すとともに、仮撚のトルクによる捩れの力がランダムに作用するため、染色加工等の熱処理で新規なストレッチ性と表面が微妙に変化したナチュラルで新規な風合いが発現する織編物とすることができる。
【0026】
また、重合体A、Bが相対粘度の異なるポリエステルであり、ヤング率の低い低粘度成分側が異形断面を示す場合は、ガサツキが抑えられ、従来にないマイルドで繊細なシャリ感、ドライ感を表現できる。
さらに、撚糸集束し、撚方向も一方のみではない形態を有することにより、撚糸のようなシャリ感、ドレープ性とともに、ナチュラルドライタッチを表現できる。加えて、初期引張抵抗度が20cN/dtex以下である場合は、撚糸調のシャリ感を有しながら、ソフトな風合いの織編物を得ることが可能となる。
【0027】
【実施例】
次に、本発明を実施例によってさらに具体的に説明する。
なお、実施例における各物性の測定、評価は次のようにして行った。
(1)初期引張抵抗度
JIS L−1013化学繊維フィラメント糸試験方法7.10「初期引張抵抗度」に基づき、試料長200mm、引張速度200mm/分にて測定した。
(2)加工糸におけるS方向撚糸集束部とZ方向撚糸集束部の占有率T(%)
目視、あるいは拡大鏡にて、試料100(cm)中のS方向撚糸集束部の長さS(cm)とZ方向撚糸集束部の長さZ(cm)を測定して次式にて算出し、5回の平均で表す。
T(%)=(S+Z)/100×100
【0028】
実施例1
重合体Aとして、極限粘度ηaが0.48のPETを、重合体Bとして、極限粘度ηbが0.70のPETを用い、複合比1:1でサイドバイサイド型に複合紡糸(紡糸速度3200m/分)した円形断面を有するサイドバイサイド型複合繊維マルチフィラメントの高配向未延伸糸167dtex24fを供給糸とし、施撚装置6に流体旋回ノズルを用いて、図2に示す工程に従い、表1の条件にて仮撚加工を行って、167dtex24fの特殊断面を有する潜在捲縮加工糸を得た。
【0029】
この加工糸の断面を確認したところ、主として低粘度成分側が異形断面を示し、加工糸の側面は、S方向撚糸集束部とZ方向撚糸集束部を有し、加工糸におけるS方向撚糸集束部とZ方向撚糸集束部の占有率Tは68%であった。また、初期引張抵抗度は5.5cN/dtex、断面変形度は1.52、異形比は1.45であった。
【0030】
得られた加工糸を用いて、ウォータージェットルームで経糸密度76本/2.54cm、緯糸密度62本/2.54cmで平織物を製織し、常法により精錬、染色、仕上げ加工を行ったところ、従来にないマイルドで繊細なシャリ感とドレープ性を呈するとともに、ナチュラルドライタッチとストレッチ性を併せもったソフトな風合いの織物が得られた。
【0031】
【表1】
【0032】
比較例1
実施例1で使用したサイドバイサイド型複合マルチフィラメントの高配向未延伸糸167dtex24fを供給糸とし、施撚装置6に仮撚ピンを用いて、表1の条件にて加工して、110dtex24fの比較用の加工糸を得た。
この加工糸の断面を確認したところ、低粘度成分側、高粘度成分側とも異形断面を示していた。また、初期引張抵抗度は48.3cN/dtex、断面変形度は1.78、異形比は1.09であった。
【0033】
得られた加工糸を用いて、実施例2と同様に平織物を製織、精錬、染色、仕上げ加工を行ったところ、得られた織物にシャリ感はあったが変化に乏しく、繊細さ、ナチュラル感、ドレープ性に欠けていた。
【0034】
比較例2
重合体Aとして、極限粘度ηaが0.38のPETを、重合体Bとして、極限粘度ηbが0.67のPETを用い、複合比1:1でサイドバイサイド型に複合紡糸(紡糸速度3000m/分)した後、延伸機にて延伸して得たサイドバイサイド型複合繊維マルチフィラメント延伸糸110dtex24fを用い、撚糸機にてS方向に1000T/mの撚を施して、実撚りを有する比較用の加工糸を得た。
この加工糸の断面を確認したところ、特に断面の変形はなく、また、初期引張抵抗度は61.7cN/dtex、断面変形度は1.02、異形比は1.01であった。
【0035】
得られた加工糸を用いて、実施例1と同様に平織物を製織、精錬、染色、仕上げ加工を行ったところ、得られた織物にはシャリ感とドレープ性、ストレッチ性はあったが、繊細さやナチュラル感はなく、従来の織物と何ら変わりがないものであった。
【0036】
【発明の効果】
本発明の特殊断面を有する潜在捲縮加工糸は、製編織して染色することにより、織編物に新規なストレッチ性と表面が微妙に変化したナチュラルで新規な風合いと、従来にないマイルドで繊細なシャリ感、ナチュラルドライ感、ソフト感を付与することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)本発明の特殊断面を有する潜在捲縮加工糸の一断面形状を示す図である。
(b)本発明における断面変形度の算出方法を示す図である。
(c)本発明における異形比の算出方法を示す図である。
【図2】本発明の特殊断面を有する潜在捲縮加工糸の製法例を示す概略工程図である。
【符号の説明】
1 供給糸
2 スプール
3 ガイド
4 フィードローラ
5、8 ヒータ
6 施撚装置
7 第1デリベリローラ
9 第2デリベリローラ
10 パッケージ
Claims (4)
- 同種かつ相対粘度の異なるポリエステル重合体A、Bがサイドバイサイド型に貼合わされた断面を有する潜在捲縮性複合繊維マルチフィラメントが旋回加工されてなる加工糸であって、前記重合体A、Bのうち、主として低粘度成分側が異形断面を示し、加工糸の長手方向にS方向撚糸集束部とZ方向撚糸集束部とを少なくとも一部に有することを特徴とする特殊断面を有する潜在捲縮加工糸。
- 加工糸におけるS方向撚糸集束部とZ方向撚糸集束部の占有率が30%以上である請求項1記載の特殊断面を有する潜在捲縮加工糸。
- 初期引張抵抗度が20cN/dtex以下である請求項1又は2に記載の特殊断面を有する潜在捲縮加工糸。
- 請求項1〜3のいずれかに記載の特殊断面を有する潜在捲縮加工糸を少なくともその一部に用いた織編物。
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