JPWO2006064782A1 - 誘電性素材、アンテナ装置、携帯電話機及び電磁波遮蔽体 - Google Patents

誘電性素材、アンテナ装置、携帯電話機及び電磁波遮蔽体 Download PDF

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Abstract

高誘電率の誘電性素材、該素材を利用し、特に携帯電話機の内蔵型アンテナ装置として有用なアンテナ装置、軽量化、薄型化、小型化が可能でアンテナ放射効率も向上した携帯電話機、電気調理器からの電磁波を効果的に遮蔽する電磁波遮蔽体を提供する。シリコーンゴム基材1中にカーボン類が分散した誘電性素材Aであり、1)シリコーンゴム100重量部に対しカーボン類150〜300重量部を含有、2)未架橋シリコーンゴムと未架橋有機ポリマーとカーボン類との混合物を、架橋、成形、3)球状カーボン2、扁平状カーボン、特定アスペクト比のカーボン繊維、カーボンナノチューブ、導電性カーボン3の2種以上の形状の異なるカーボン類を組み合わせ配合した誘電性素材Aのいずれかで、カーボン類がシリコーンゴム基材1中に偏在又は少なくとも一部がカーボン類同士で接触した状態で含有された誘電性素材A。

Description

本発明は、誘電性素材、アンテナ装置、携帯電話機及び電磁波遮蔽体に関し、より詳細には、高い誘電率を有する誘電性素材、該誘電性素材を利用したアンテナ装置、携帯電話機及び電磁波遮蔽体に関する。
従来より、携帯電話機には、軽く、薄く、且つ小さいという特性を兼備することが要求されており、その軽量化、薄型化、小型化のための技術が求められている。また、その一方では、アンテナ放射効率の向上も求められている。このような要望に応えて、例えば、特許文献1には、軽量コンパクト性を損なうことなく、アンテナ放射効率が高められた携帯電話機に関する技術が開示されている。また、例えば、特許文献2〜4には、携帯電話機のアンテナ放射効率を高める技術が開示されている。
特開2004−153807号公報 特開平11−274843号公報 特開平7−212835号公報 特開2000−269715号公報
しかしながら、最近は、携帯電話機をより薄くするために、より高いアンテナ放射効率が求められており、そのためには、更に高い誘電率を有する誘電性素材の開発が必要となっているが、誘電性素材を利用した電磁波制御体は、通常、透磁率を高くしようとすると、重くなる傾向にある。更に、最近では、小型化の傾向に合わせて、アンテナ本体を内蔵した携帯電話機の需要が高まってきているが、このような内蔵型アンテナ装置を装着した携帯電話機の場合、給電点とアンテナ本体の位置とが近くなっている。しかしながら、従来の磁性体(電磁波制御体)でのシートは、アンテナ本体の近傍に置くと、アンテナ放射効率が下がってしまうことから、例えば、携帯電話機の内蔵型アンテナ装置に応用することは困難であった。
また、近年、ガス台に替えて、電磁波を利用した電気調理器を備えたマンションなどが増えてきており、これを使用して調理をする際に、電気調理器から発生する電磁波が人体に当たらないようにする電磁波遮蔽体の開発が求められている。
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、高誘電率を有する誘電性素材を提供することを目的とする。また、本発明は、上記誘電性素材を電磁波制御体として使用することによって、アンテナ本体の近傍に配設しても、アンテナ放射効率を向上させることができ、特に携帯電話機の内蔵型アンテナ装置として有用なアンテナ装置を提供することを目的とする。更に、本発明は、上記誘電性素材からなる電磁波制御体を使用することによって、軽量化、薄型化、小型化を可能とするのみならず、更に、アンテナ放射効率も向上した携帯電話機を提供することを目的とする。また更に、本発明は、上記誘電性素材からなり、例えば、電気調理器から発生する電磁波を効果的に遮蔽することができる電磁波遮蔽体を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意検討を行った結果、シリコーンゴムを基材の主材料とし、導電性材料としてカーボン類を含有する誘電性素材の場合、カーボン類をカーボン類同士の接触する率が高くなるような状態でシリコーンゴム基材中に含有させると、導電パス(カーボンネットワーク)ができ易くなり、カーボン類間の静電容量も大きくなって、誘電率が高められた誘電性素材が得られ、例えば、同量のカーボン類をシリコーンゴム基材中に均一分散させた場合に比べて、より高い誘電率が得られることを知見し、更に鋭意検討した結果、このような誘電性素材は、例えばアンテナ本体の近傍に配設してもアンテナ放射効率を向上させることが可能となることを見出し、本発明をなすに至った。
即ち、本発明は、(1)シリコーンゴムを主材料とするシリコーンゴム基材中にカーボン類が分散した下記1)〜3)のいずれかの誘電性素材であって、上記カーボン類が上記シリコーンゴム基材中に偏在した状態又は少なくともその一部がカーボン類同士で接触した状態で含有されてなることを特徴とする誘電性素材。
1)上記シリコーンゴム100重量部に対して上記カーボン類150〜300重量部を含有した誘電性素材。
2)未架橋の上記シリコーンゴムと未架橋の有機ポリマーと上記カーボン類とを含有する混合物を、架橋、成形してなる誘電性素材。
3)上記カーボン類として、球状カーボン、扁平状カーボン、アスペクト比が11以下のカーボン繊維、カーボンナノチューブ及び導電性カーボンから選ばれる2種以上のカーボン類であって、形状の異なるカーボン類を組み合わせて配合してなる誘電性素材を提供する。ここで、上記(1)記載の誘電性素材において、上記誘電性素材の表面の少なくともその一部に導電パスが生じたものであると、より好適である。
また、本発明は、(2)上記(1)記載の誘電性素材を備えたことを特徴とするアンテナ装置を提供する。ここで、上記(2)記載のアンテナ装置が、携帯電話機の内蔵型アンテナ装置であると、より好適である。
更に、本発明は、(3)上記(1)記載の誘電性素材を用いた電磁波制御体を装着したことを特徴とする携帯電話機、及び(4)上記(1)記載の誘電性素材を備えたことを特徴とする電磁波遮蔽体を提供する。また、上記(4)記載の電磁波遮蔽体が、電気調理器から発生する電磁波を遮蔽する電気調理器用電磁波遮蔽体であると、より好適である。
本発明の誘電性素材によれば、高誘電率を有し、軽量化も可能であり、難燃性を付与することも可能な誘電性素材を得ることができる。また、本発明のアンテナ装置によれば、電磁波制御体がアンテナ本体の近傍に配設されていても、アンテナ放射効率を向上させることができ、特に携帯電話機の内蔵型アンテナ装置として有用なアンテナ装置を得ることができる。更に、本発明の携帯電話機によれば、軽量化、薄型化、小型化が可能であるのみならず、更に、アンテナ放射効率を向上させることによって、携帯電話機の電池寿命を延ばし、SAR値を低減させることも可能な携帯電話機を得ることができる。また更に、本発明の電磁波遮蔽体によれば、電磁波を効果的に遮蔽することができ、例えば、電気調理器から発生する電磁波を効果的に遮蔽することによって、人体への電磁波の影響を防ぐことができる電磁波遮蔽体を得ることができる。
本発明の誘電性素材の構成を説明する模式図である。 本発明の誘電性素材の構成を説明する模式図である。 本発明の内蔵型アンテナ装置の一構成例及び本発明の携帯電話機の実施例を説明するための携帯電話機の概略上面図である。 上記携帯電話機の実施例のSAR代替値を測定する実験装置の説明図である。 上記携帯電話機の実施例に使用した誘電性素材による放射パターンの変化を調べる実験装置の説明図である。 上記実験装置による測定によって得られた放射パターンを示したものである。 本発明の電磁波遮蔽体の一構成例を説明するための電気調理器の概略斜視図である。 上記電気調理器の概略縦断面図である。
符号の説明
A、A’、12、25 誘電性素材
1 基材
2 球状カーボン
3 導電性カーボン(凝集体)
4 カーボンナノチューブ
5 内蔵型アンテナ装置
6 携帯電話機
30 電磁波遮蔽体
31 電気調理器
以下、本発明につき更に詳細に説明すると、本発明の誘電性素材は、下記1)〜3)のいずれかの組成からなり、シリコーンゴムを主材料とするシリコーンゴム基材中にカーボン類が偏在した状態又は少なくともその一部がカーボン類同士で接触した状態で含有されたものであり、これによって、導電パスが生じていることが望ましい。なお、偏在、接触するカーボン類の割合は、特に制限されるものではないが、カーボン類同士の偏在、接触による本発明の効果を考慮すれば、含有されるカーボン類の合計量(重量比)の約1/4以上、好ましくは約1/3以上、更に好ましくは約1/2以上が偏在、接触していることが望ましく、例えば本発明の誘電性素材を透過電子顕微鏡によって観察したとき、顕微鏡写真においてカーボン類同士が接触又はカーボン類が偏在している箇所が、全体の面積の約1/4以上、好ましくは約1/3以上、更に好ましくは約1/2以上であると、好適である。
1)上記シリコーンゴム100重量部に対して上記カーボン類150〜300重量部を含有した誘電性素材。
2)未架橋の上記シリコーンゴムと未架橋の有機ポリマーと上記カーボン類とを含有する混合物を、架橋、成形してなる誘電性素材。
3)上記カーボン類として、球状カーボン、扁平状カーボン、アスペクト比が11以下のカーボン繊維、カーボンナノチューブ及び導電性カーボンから選ばれる2種以上のカーボン類であって、形状の異なるカーボン類を組み合わせて配合してなる誘電性素材。
ここで、本発明の誘電性素材の場合、シリコーンゴム基材中にカーボン類が分散した上記1)〜3)のいずれかの誘電性素材であり、基材中にカーボン類同士が接触又は偏在しているものであるが、上述したように、更に、誘電性素材の表面の少なくとも一部に導電パス(カーボンネットワーク)が生じていることが望ましい。誘電性素材の表面に導電パスが生じている状態を、図面を参照にして、より詳細に説明する。図1は、上記3)の誘電性素材の一例として、球状カーボンとして平均粒子径10μm程度の真球状カーボンと、導電性カーボンとして一次粒子径35nm程度のケッチェンブラックとを組み合わせた誘電性素材の表面を透過電子顕微鏡で観察した時の映像を模式的に示したものである。図1において、Aは誘電性素材、1は基材、2は球状カーボンであり、3は導電性カーボンが凝集した導電性カーボン凝集体を示しており、図2の場合、A’は誘電性素材、1、3は図1と同様であり、4はカーボンナノチューブである。図1に示す誘電性素材Aの場合、誘電性素材Aの表面状態は、大きなカーボン類である球状カーボン2が、基材1中に偏った状態で分散し、その一部がくっついた状態となっていたり、離れた状態となっていたりしており、球状カーボン2同士が離れた状態となっている箇所では、小さなカーボン類である導電性カーボンが線状に凝集した導電性カーボン凝集体3がそれぞれ間を繋いでいるような状態となっており、誘電性素材Aの少なくとも表面においては、カーボン類同士の接触による導電パスが生じた状態となっている。
また、図2に示す誘電性素材A’の表面状態は、繊維状炭素材料であるカーボンナノチューブ4が、基材1中に偏った状態で分散し、その一部がくっついた状態となっていたり、離れた状態となっていたりしており、カーボンナノチューブ4同士が離れた状態となっている箇所では、導電性カーボン同士がくっついて線状に凝集した状態となっている導電性カーボン凝集体3が各カーボンナノチューブ4の間を繋いでいるような状態となっており、誘電性素材A’についても、その少なくとも表面においては、カーボン類同士の接触による導電パスが生じた状態となっている。なお、導電パスは、誘電性素材の表面のみならず、内部に生じていてもよいのは、勿論である。また、誘電性素材の表面において導電パスが生じている部分の割合は、特に制限されるものではないが、導電パスが生じたことによる効果を考慮すれば、誘電性素材の表面積の約1/4以上、好ましくは約1/3以上、更に好ましくは約1/2以上の部分で導電パスが生じていることが望ましい。
ここで、本発明のシリコーンゴム基材の主材料となるシリコーンゴムとしては、その種類が特に制限されるものではなく、例えばメチルビニルシリコーンゴム、メチルフェニルビニルシリコーンゴム、フロロシリコーンゴム等の市販されているものを好適に使用することができ、これらを1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて使用することができる。また、本発明のシリコーンゴム基材には、上記シリコーンゴム、2)の誘電性素材の場合は後述する有機ポリマー、カーボン類の他に、例えば発泡剤や成形後、溶剤で抽出されるような物質を添加しても良い。発泡剤を添加することや、成形後、溶剤で抽出されるような物質を添加することによって、より軽量の誘電性素材を得ることができる。発泡剤としては、例えば炭酸ガスやアンモニアガス等の揮発型発泡剤、アゾジカルボンジアミドやジニトロソペンタメチレンテトラミン等の分解型発泡剤、また、有機バルーン、無機バルーンなどを用いることができる。また、成形後、溶剤で抽出されるような物質は、溶剤を水とした場合、塩化ナトリウム、ペンタエリスリトールなどを用いることができるが、基材中での均一性や安定度などを考慮すると、膨張済みの有機バルーン、無機バルーンを用いると、より好適である。膨張済みの有機バルーン、無機バルーンを添加する場合、その添加量は、特に制限されるものではなく、例えば目的とする誘電性素材の比重によって適宜選定することができるが、加工性や成形物の強度などを考慮すると、シリコーンゴム100重量部に対して有機バルーンの場合、5重量部以下、好ましくは1〜5重量部となるように添加すると、より好適である。また、無機バルーンの場合は、25重量部以下、好ましくは5〜25重量部となるように添加するとより好適であり、勿論、両者併用も可能である。なお、シリコーンゴムの加硫には、有機過酸化物以外にも、放射線、付加反応を利用した加硫方法が適用できるのは言うまでもない。特に付加反応を利用したものは、架橋剤としてハイドロジェンポリシロキサンと、触媒として白金錯体および、反応抑制剤として、メチルビニルシクロテトラシロキサンやアセチレンアルコール類などを少量添加することによって、良好な成形体ができ、低温でも成形体を得ることが可能になる。また、シリコーンポリマーは、一般的に、シリカを充填して市販されており、このようなシリコーンコンパウンドも好適に用いることができる。
本発明の上記1)、2)の誘電性素材におけるカーボン類としては、比重が2以上であるグラファイト粉、グラファイト繊維等を用いることが望ましい。これらは、黒鉛化が進んでいることによって、カーボン表面の反応基が減っていることから、シリコーンゴムとの親和性が弱く、また、黒鉛は凝集性が強いため、偏在し易くなる。更に、一般的なカーボンよりも比重が大きいことから、充填量を多くすることが可能となり、より高い誘電率を有する誘電性素材を得ることが可能となる。一方で、グラファイト化を究極に行ったのが、カーボンナノチューブであり、電気伝導性が高いため、少量で効果を発揮するのは、言うまでもない。また更に、ストラクチャーの発達した導電性カーボンも好ましい。より具体的には、後述する3)の誘電性素材で挙げるカーボン類が、より好適に使用される。
本発明の上記1)の誘電性素材は、シリコーンゴム100重量部に対して上記カーボン類150〜300重量部を配合したものである。カーボン類を高分子基材中に高充填すると、カーボン類同士が接触する機会が多くなり、導電パスができ易くなる。そして、誘電性素材の材料として使用される高分子化合物の中でもシリコーンゴムは、カーボン類との親和性が弱いために、過剰量のカーボン類を架橋前のシリコーンゴムに添加することによって、カーボン類がシリコーンゴム中で完全に分散せず、カーボン類の一部がくっついて固まり、不均一に分散した形で存在するため、これを架橋、成形することによってシリコーンゴム基材中にカーボン類の一部がカーボン類同士で接触したり、偏在した状態で存在し、誘電率を高めることができ、また、同時にシリコーンゴムの絶縁部分も半導体と同じ挙動を示すようにすることも可能となり、高誘電率を有する誘電性素材を得ることが可能となる。従って、この1)の誘電性素材の場合、比重は重くなるが、非常に高い誘電率を有することも可能となるので、例えば薄くしても高誘電率を有する誘電性素材を得ることが可能となる。また、例えばカーボン類を低量で充填した誘電性素材と比較して、カーボン類を高充填にした上記1)の誘電性素材は、その高充填化のための増量の割合に対して誘電率が格段に向上する。
上記1)の誘電性素材の場合、シリコーンゴム100重量部に対するカーボン類の配合割合は、150〜300重量部であり、好ましくは200〜300重量部である。カーボン類の配合割合が大きすぎると加工が困難となり、小さすぎると本発明の目的とする誘電率が得られない。
本発明の上記2)の誘電性素材は、未架橋の上記シリコーンゴムと未架橋の有機ポリマーと上記カーボン類とを含有する混合物を、架橋、成形したものである。このように未架橋のシリコーンゴム、未架橋の有機ポリマー、カーボン類を含有する混合物の場合、カーボン類−有機ポリマー間の親和力は、カーボン類−シリコーンゴム間の親和力よりも高いために、カーボン類は有機ポリマー中に優先的に存在する状態となるので、これを架橋、成形することによってカーボン類の存在濃度が高く、カーボン類同士で接触したり、偏在した状態で存在する誘電性素材が得られ、導電パスが生じることによって、同じカーボン類の添加量でより高い誘電率を得ることができる。
上記2)の場合、シリコーンゴムに混合する有機ポリマーとしては、シリコーンゴム以外のゴム、熱可塑性エラストマー、熱硬化性樹脂等を使用することができるが、より好ましくはゴム類、更に好ましくは液状NBR、液状EP、ポリブテン等の液状ゴムである。混合する有機ポリマーとして、上記のような液状ゴムを使用すると、液状ゴムが可塑剤としても機能し、カーボン類を高充填することも可能となる。シリコーンゴムに有機ポリマーを混合する場合、これらの配合割合は特に制限されるものではなく、有機ポリマーの種類などによって適宜選定することができるが、シリコーンゴム100重量部に対して、有機ポリマーが好ましくは1〜15重量部、より好ましくは3〜10重量部とすると、好適である。有機ポリマーの配合割合が大きすぎると、誘電率が低下する場合があり、小さすぎると、有機ポリマーの配合効果が得られ難くなる場合がある。
上記2)の場合、シリコーンゴム基材中の上記カーボン類の配合量は、特に制限されるものではないが、シリコーンゴム100重量部に対して、上記カーボン類が好ましくは3〜300重量部、より好ましくは5〜250重量部、更に好ましくは10〜200重量部であると、より好適である。上記カーボン類の添加量が多すぎると、加工が困難となる場合があり、少なすぎると、目的とする誘電率が得られ難くなる場合がある。
本発明の上記3)の誘電性素材は、上記カーボン類として、球状カーボン、扁平状カーボン、アスペクト比が11以下のカーボン繊維、カーボンナノチューブ及び導電性カーボンから選ばれる2種以上のカーボン類であって、形状の異なるカーボン類を組み合わせたものである。このように形状の異なる2種以上の特定のカーボン類を添加することによって、例えば大きなグラファイトカーボン(例えば平均粒径数μm〜数10μm程度の球状カーボン、扁平状カーボン等)、繊維状炭素材料(アスペクト比が11以下のカーボン繊維、カーボンナノチューブ等)と、小さな導電性カーボンとを併用した場合、大きなグラファイトカーボン又は繊維状炭素材料同士の間を、小さな導電性カーボンがつなぎとして存在することで、シリコーンゴム基材中にカーボン類の少なくとも一部が接触した状態で存在する誘電性素材が得られる。このように導電性カーボンがつなぎとして存在することによって、導電パスができ、一種単独では得られない相乗的な誘電率の向上効果が得られる。
ここで、球状カーボンとしては、例えば、石炭ピッチ系炭素であるメソフェイズ小球体と呼ばれる炭素を熱処理して得られ、メソカーボンマイクロビーズと称されているような球状グラファイト等を挙げることができる。その他、球状カーボン、球状グラファイト、真球状カーボン、真球状グラファイトなどとして市販されている各種球状カーボンも使用することができる。扁平状カーボンとしては、例えば特許文献5に記載されているような鱗片状グラファイト、薄片状天然黒鉛などが挙げられる。アスペクト比が11以下のカーボン繊維としては、ピッチ系の炭素繊維、PAN系の炭素繊維等が挙げられる。なお、アスペクト比は、3〜11であるとより好適である。アスペクト比が大きすぎると、偏在状態、接触割合にばらつきが生じ易くなる場合がある。なお、アスペクト比が小さすぎると、実際上、カーボン繊維とは称されなくなる。カーボンナノチューブは、グラフェンシート(独立した炭素六角網平面)を丸めた円筒状の構造を有するものであればよく、例えば単層ナノチューブ(SWNT(シングルウォールナノチューブ))であっても多層ナノチューブ(MWNT(マルチウォールナノチューブ))であってもカップ積み上げ型ナノチューブ(cup stack nanotube)であってもよい。
特開2003−105108号公報
導電性カーボンは、一般的なカーボン類よりも低添加量で高分子マトリックス中に導電性を付与できるカーボン類であり、ストラクチャーや多孔度、一次粒子径などの物理的特性がコントロールされている。例えばストラクチャーの発達度を示す値としてDBP吸油量、BET比表面積があり、これらの値の大きい導電性カーボンを用いると、より少量の添加で導電性を付与できる。具体的には、本発明の導電性カーボンとしては、DBP吸油量が好ましくは100cm/100g以上、より好ましくは160cm/100g以上、更に好ましくは360cm/100g以上のカーボン類を使用すると好適である。DBP吸油量が小さすぎると、ストラクチャーが十分に発達していない場合があり、導電性が低く、本発明が目的とする高い誘電率が得られ難くなる場合がある。好適なDBP吸油量の上限は、特に制限されるものではないが、高分子材料への分散時にストラクチャーが破壊する可能性を考慮すれば、700cm/100g以下であると、好適である。なお、DBP吸油量は、ASTM D 2414−79に準じて測定することができる。また、BET比表面積としては、好ましくは30m/g以上、より好ましくは65m/g以上、更に好ましくは800m/g以上のカーボン類を使用すると好適である。BET比表面積は上記ストラクチャーと相まって導電性を決定付ける因子であり、BET比表面積が小さすぎると、導電性カーボン粒子単体の導電性が高められず、本発明が目的とする高い誘電率が得られ難くなる場合がある。好適な比表面積の上限は、特に制限されるものではないが、表面の安定度を考慮すれば、3000m/g以下であると、好適である。このような導電性カーボンとして、より具体的には、例えばケッチェンブラック、アセチレンブラックなどとして市販されているものが挙げられる。
上記3)の誘電性素材において形状の異なる2種以上の上記カーボン類を併用する場合、上記グラファイトカーボンの中でも、特に比重が2以上である球状カーボン、扁平状カーボン、アスペクト比が11以下のカーボン繊維、カーボンナノチューブを主体として、その他のカーボン類を組み合わせると、好適である。中でも、導電性カーボンと組み合わせると、より好適である。球状カーボン、扁平状カーボン、アスペクト比が11以下のカーボン繊維、カーボンナノチューブのようなグラファイトカーボンは、上述したように、黒鉛化が進んでいることによって、カーボン表面の反応基が減っていることから、シリコーンゴムとの親和性が弱く、また、黒鉛は凝集性が強いため、偏在し易くなる。また、一般的なカーボンよりも比重が大きいことから充填量を多くすることができる。そして、上記グラファイトカーボンと導電性カーボンとを併用すると、上述したように、偏在した上記グラファイトカーボンの間に導電性カーボンが分散し、カーボン類同士がつなぎ会った状態となる。これにより、それぞれを単独で使用し、基材中に均一分散させた場合よりも、高い誘電率を得ることができる。
更に、形状の異なる2種以上の上記カーボン類を併用する場合、例えば粒子が大きい方のカーボン類の形状が球状に近くなるほど、混合し易く、高充填することも可能となるということを鑑みれば、グラファイトカーボン(球状カーボン、扁平状カーボン、アスペクト比が11以下のカーボン繊維)の中でも、球状カーボンがより好適であり、球状カーボンの中でも、特に真球状グラファイト、真球状カーボンと称されているものがより好適である。また、繊維状炭素材料である炭素繊維とカーボンナノチューブとでは、カーボンナノチューブは、上述したように、グラフェンシート(独立した炭素六角網平面)を丸めた円筒状の構造をしており、それ故、構造が均一で導電性が高く、導電のネットワークがカーボン繊維よりも容易にできることから、繊維状炭素材料としては、中でもカーボンナノチューブがより好適である。
また更に、上記3)の誘電性素材において、形状の異なる2種以上のカーボン類を使用する場合、より好ましくは2種以上のカーボン類の少なくとも1種が導電性カーボン又はカーボンナノチューブであると、本発明の目的とする高誘電率で軽量の誘電性素材がより容易に得ることが可能となる。また、導電性カーボン又はカーボンナノチューブとの組み合わせるグラファイトカーボンとしては、上述したように、球状カーボンがより好適であり、球状カーボンの中でも、特に真球状グラファイト、真球状カーボンと称されているものがより好適である。また、カーボンナノチューブは、径が小さく(例えばMWNTであっても、通常、径は20〜60nm程度である)、高周波の電磁波の導電性物質の表面しか流れないことから、表面積の大きな導電性カーボンと併用すると、より好適である。
このように形状の異なる2種以上の特定のカーボン類を使用する場合、その配合割合は、特に制限されるものではなく、適宜選定することができ、例えば上記グラファイトカーボン(カーボンナノチューブを除く)と導電性カーボンとを併用する場合、カーボン類の合計量(100重量%)中、上記グラファイトカーボン(カーボンナノチューブを除く)の量を好ましくは50〜99重量%、導電性カーボンの量を1〜50重量%となるように配合すると、より好適である。また、導電性カーボンとカーボンナノチューブとを併用する場合、カーボン類の合計量(100重量%)中、カーボンナノチューブの量を好ましくは1〜99重量%、導電性カーボンの量を1〜99重量%となるように配合すると、より好適である。更に、カーボンナノチューブと上記グラファイトカーボン(カーボンナノチューブを除く)とを併用する場合、カーボン類の合計量(100重量%)中、カーボンナノチューブの量を好ましくは0.5〜95重量%、上記グラファイトカーボン(カーボンナノチューブを除く)の量を5〜99.5重量%となるように配合すると、より好適である。
形状の異なる2種以上の特定のカーボン類を使用する場合、誘電性素材中における配合量は、特に制限されるものではなく、適宜選定することができるが、シリコーンゴム100重量部に対するカーボン類の合計配合量が、好ましくは5〜250重量部、より好ましくは10〜220重量部であれば、より好適である。カーボン類の合計量が多すぎると、加工が困難となる場合があり、少なすぎると、目的とする誘電率が得られ難くなる場合がある。
本発明の誘電性素材には、上記以外の成分として、例えば金属(アルミニウム、銀等)、金属酸化物、金属水酸化物などを上記シリコーンゴム基材中に添加することもできる。これらを添加することによって熱伝導性や難燃性が付与される。また更に、可塑剤や加工助剤を添加することもできる。これらを添加することによって、加工性が改善される。このような可塑剤、加工助剤としては、例えばシリコーンオイル等が挙げられる。
本発明の誘電性素材の形状は、その形状が特に制限されるものではなく、例えばシート状、キャップ状、ホルダ状、ブロック状など、用途によって、好適な形状とすることができる。
本発明の誘電性素材は、その比誘電率、人体側への放射電力などが特に制限されるものではなく、例えば比誘電率としては、誘電性素材の用途に応じ、好適な範囲を適宜選定することができ、例えば携帯電話機の場合(900MHz)、例えば厚さ1mmのシート状の誘電性素材であれば、複素比誘電率εの実数部の値ε’が100以上、好ましくは150以上、より好ましくは200以上、更に好ましくは350以上であると、より好適であり、虚数部の値ε”が100以上、好ましくは150以上、より好ましくは300以上、更に好ましくは700以上であることが望ましい。これらの値が小さすぎると、本発明が目的とするアンテナ放射効率の向上効果が得られ難くなる場合があり、人体側への放射電力の低減も困難となる場合がある。本発明の誘電性素材を携帯電話機の電磁波制御体として利用する場合、人体側への放射電力は低いほうが良いことから、例えばアンテナ装置が内蔵型ではない携帯電話機のホイップ型のアンテナに本発明の誘電性素材を用いた電磁波制御体を装着するのであれば、ホイップ型のアンテナを内蔵した状態(引っ張り出さない状態)で80%以上人体側への放射電力を低減できることが好ましい。一方、後述する実施例のように、携帯電話機の内蔵型アンテナ装置に装着する場合、人体側への放射電力を80%以上低減できることが望ましい。なお、実数部の値が200以上の場合は、虚数部の値が100以上でも人体側への放射電力は、20%以下となり、放射効率が向上する。また、虚数部の値が、350以上の場合、実数部の値が、100以下でも人体側への放射電力は、20%以下となり、放射効率が向上する。
なお、上述した本発明の誘電性素材の好適な比誘電率は、シート状の誘電性素材が1mmの厚さの場合であり、より薄い厚さでは、より高い比誘電率であることが望ましい。即ち、後述する各装置などへの装着には、誘電性素材(電磁波制御体)は薄いほうが望ましく、従って、本発明の誘電性素材のように、誘電性素材の誘電率が高いと、誘電性素材が薄くても十分に電磁波を制御することができる。例えば、アンテナ装置が内蔵型ではない携帯電話機に装着する電磁波制御体の誘電性素材として0.5mmの厚さのシート状の誘電性素材を使用する場合、厚さ0.5mmのシート状の誘電性素材の実数部の値が500以上であれば、虚数部の値が小さくても十分に電磁波を制御することができる。
本発明の誘電性素材は、その物性値が特に制限されるものではないが、例えば比重が大きすぎると、本発明の目的とする軽量化が困難となることから、上記1)、2)、3)のいずれの誘電性素材であっても、比重が3以下であることが望ましい。
本発明の誘電性素材は、その製造方法が特に制限されるものではなく、例えば、シリコーンゴム基材の原料成分となるシリコーンゴム、上記2)の誘電性素材の場合は有機ポリマーに、硬化剤とカーボン類と必要に応じてその他成分を添加し、ロールやニーダー等を用いて混合した後に、一般的な高分子材料の成形方法で成形できる。但し、本発明の場合、混合条件(攪拌数、攪拌力、混合時間など)を調整し、混合し過ぎないようにすると共に、製品の均質性を確保するために、混合条件は常に一定にすることが望ましい。一般的な成形方法としては、プレス成形、射出成形、トランスファー成形等の型成形、押し出し成形、カレンダー成形等で成形することができ、材料が液状であれば、ポッティング、キャスティング、スクリーン印刷などの方法をとることもできる。
本発明の誘電性素材は、その用途が特に制限されるものではなく、例えば、携帯電話機、自動車(ETC、車間距離、ナビ、ラジオ、テレビ)、携帯テレビ、パソコン通信(ブルートゥース)、小型カメラ等の映像を送受信するシステムなどのアンテナ装置に使用する電磁波制御体、電磁波を遮蔽する電磁波遮蔽体、電磁波による人体影響の測定に使用される人体ファントム用材料、電磁調理器(電磁誘導加熱調理器)等の電気調理器などの遮蔽エプロン、電気調理器の電磁波遮蔽体等として好適に使用することができる。
本発明のアンテナ装置は、上記誘電性素材を備えたものであり、本発明の誘電性素材は、金属やセラミックスのアンテナ本体との一体成形も可能であり、携帯電話機の回路設計に合わせて成形することもできることから、特に携帯電話機の内蔵型アンテナ装置対応として使用すると、より好適である。また、内蔵型アンテナ装置のアンテナ本体は、曲がりくねっており、アンテナ本体同士の干渉が生じる可能性もあるが、本発明の誘電性素材は、曲がりくねったアンテナ本体同士の間に上記誘電性素材を置くことも可能であり、これによって、アンテナ本体同士の干渉を抑え、アンテナ装置のアンテナ放射効率を向上させることも可能である。具体的には、放射電力が人体に吸収されるのを抑え、例えば、アンテナ放射効率を1〜1.7倍間で増加させることも可能である。また、例えば特許文献6等に記載された録画装置用カメラ、特許文献7に記載された施設内での送受信装置、特許文献8に記載された小型携帯端末、特許文献9に記載されたデート表示装置およびデート表示装置を備えたカメラ、特許文献10に記載された監視装置および監視システム、特許文献11等に記載されたマイクロカメラ等のように公知の種々の小型送受信装置などに内蔵された受信アンテナ装置又は送信アンテナ装置としても好適に用いることができる。
特開昭61−32686号公報 特開平5−191319号公報 特開2001−136082号公報 特開2004−294206号公報 特開2003−272065号公報 特開2004−135902号公報
本発明の携帯電話機は、上記誘電性素材を用いた電磁波制御体を装着したものであり、上記誘電性素材(電磁波制御体)を携帯電話機に設置する位置は、人体側に上記誘電性素材を設置する。ここで、上記電磁波制御体の大きさ、形状などは、特に制限されるものではないが、大きさは、携帯電話機の軽量化、小型化の要請、電磁波制御体としての機能を考慮すれば、アンテナの表面(人体に対する面)の面積と同等以上であることが望ましく、厚さは、携帯電話機の軽量化、薄型化の要請を考慮すれば、好ましくは2mm以下、より好ましくは1mm以下、更に好ましくは0.5mm以下程度が好適である。なお、電磁波漏洩防止のためには、厚さは、薄ければ薄いほど良いことから、厚さの下限は特に制限されるものではないが、例えば成形体としての取り扱い性、成形性などを考えた場合、厚さが0.2mm以上であると、好適である。上記誘電性素材は、このように携帯電話機の電磁波制御体として用いることによって、SAR値を低減することも可能である。
本発明の電磁波遮蔽体は、上記誘電性素材を備えたものであり、本発明の誘電性素材は高誘電率を有し、電磁波の遮断性能にも優れているため、電磁波遮蔽体としても使用することができる。従って、本発明の電磁波遮蔽体は、電気調理器から発生する電磁波を遮蔽する電気調理器用電磁波遮蔽体として使用すると、電磁波を効果的に遮断することが可能となる。上記誘電性素材を電気調理器用電磁波遮蔽体として使用する場合、電磁波遮蔽体の設置する位置は、特に制限されるものではないが、取り扱い性などを考慮すれば、例えば上記電磁波遮蔽体が、電気調理器の電磁波発生源と電気調理器の人体側との間に介在するように、電気調理器の内側又は外側に取り付けると、好適である。また、この場合、上記電磁波遮蔽体の大きさ、形状などは、特に制限されるものではなく、対象となる電気調理器の大きさなどにより、適宜選定することができるが、大きさは、電磁波発生源(電磁波発生装置)の人体に対する面の面積と同等以上であることが望ましく、より好ましくは、電気調理器としての機能を損なわない態様で電磁波発生源を囲むような大きさとすることによって、漏洩電磁波が人体に及ぶのをより有効に防ぐことができる。厚さは、電磁波遮蔽体としては、厚いほうが良いが、調理器具のスペースを考慮すると、5mm以下、特に3mm以下程度が好適である。なお、厚さの上限は、特に制限されるものではないが、ゴムの成形性を考慮すれば、通常、0.2mm以上であると、好適である。なお、本発明の電磁波遮蔽体を利用する電気調理器は、その構成、種類が特に制限されるものではなく、例えば電磁誘導加熱調理器(電磁調理器)、電子レンジ等の電気調理器に好適に利用することができ、例えば電磁誘導加熱調理器であれば、市販されている電磁誘導加熱調理器、特許文献12〜15などに記載された電磁誘導加熱調理器のように種々の構成を有する電磁誘導加熱調理器に利用することができる。
特開平11−339944号公報 特開平6−5357号公報 特開平5−347180号公報 特開平5−121155号公報
以下、実施例及び比較例を示して本発明を具体的に説明するが、本発明は下記実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
シリコーンゴム(東レ・ダウコーニング社製 DY32−152U)100重量部に、カーボン類として真球状グラファイト(大阪ガスケミカル社製 MCMB(10−28))を150重量部、導電性カーボン(ライオン社製 ケッチェンブラックEC600JD:ASTM D 2414−79に準じて測定したDBP吸収量(cm/100g)が495、BET比表面積が1270(m/g)、以下同様)を3.5重量部、架橋剤として2,5,ジメチル2,5(t−ブチル)ジヘキサン(東レ・ダウコーニング社製 RC−4(50P))を1重量部添加した。混合は、オープンロールにて行い、170℃で10分間、200kgf/cmの条件で加熱硬化させて40×40×10(mm)のシート状成形物(誘電性素材)を得た。同様の条件にて40×110×0.5(mm)のシート状成形物(誘電性素材)を得た。40×40×10(mm)の成形物を誘電率測定用、40×110×0.5(mm)の成形物をSAR代替値測定用として使用した。
[比較例1]
エチレンプロピレンジエンゴム(JSR社製 EP22)100重量部に、カーボン類として真球状グラファイト(大阪ガスケミカル社製 MCMB(10−28))を150重量部、導電性カーボン(ライオン社製 ケッチェンブラックEC600JD)を3.5重量部、ステアリン酸1重量部、酸化亜鉛5重量部、2,5,ジメチル2,5(t−ブチル)ジヘキサン(日本油脂社製 パーヘキサ25B(40))4.5重量部をオープンロールにて混合し、170℃で10分間、200kgf/cmの条件で加熱硬化させて40×40×10(mm)のシート状成形物(誘電性素材)を得た。同様の条件にて40×110×0.5(mm)のシート状成形物(誘電性素材)を得た。40×40×10(mm)の成形物を誘電率測定用、40×110×0.5(mm)の成形物をSAR代替値測定用として使用した。
上記実施例1及び比較例1の誘電性素材について、各誘電性素材の誘電率をベクトルネットワークアナライザ(アジレントテクノロジー社製 8720ES)と誘電体プローブセット(アジレントテクノロジー社製 85070C)を用いて測定した。900MHzにおける各誘電体の複素比誘電率の測定結果を表1に示す。また、各誘電性素材のSAR代替値変化率を上記特許文献1に記載の方法に準じて求めた。更に、各誘電性素材の比重を測定した。結果を表1に示す。実施例1及び比較例1の誘電性素材を透過電子顕微鏡で観察したところ、実施例1の誘電性素材は、表面積の約1/3において、カーボン類同士が接触して、導電パスが生じていることが確認された。これに対して、比較例1の誘電性素材は、カーボン類同士がほとんど接触していなかった。なお、上記実施例1において、下記表1中の導電性カーボンの配合量3.5重量部を3重量部とし、合計配合量を254.0重量部とした以外は、上記実施例1と同様にして得られた誘電性素材について、上記実施例1と同様に複素比誘電率、SAR代替値変化率を求めたところ、複素比誘電率(900MHz)は、143−135j、SAR代替値変化率は、−56.0%であった。また、上記比較例1において、下記表1中の導電性カーボンの配合量3.5重量部を3重量部とし、合計配合量を263.5重量部とした以外は、上記比較例1と同様にして得られた誘電性素材について、上記比較例1と同様に複素比誘電率、SAR代替値変化率を求めたところ、複素比誘電率(900MHz)は、28−12j、SAR代替値変化率は、−4.8%であった。
Figure 2006064782
[実施例2]
シリコーンゴム(東レ・ダウコーニング社製 DY32−152U)90重量部と液状エチレンプロピレンゴム(三井化学社製 ルーカントHC2000)10重量部、カーボン類として真球状グラファイト(大阪ガスケミカル社製 MCMB(10−28))を150重量部、導電性カーボン(ライオン社製 ケッチェンブラックEC600JD)を3.5重量部、架橋剤として2,5,ジメチル2,5(t−ブチル)ジヘキサン(東レ・ダウコーニング社製 RC−4(50P))を1重量部添加した。混合は、オープンロールにて行い、170℃で10分間、200kgf/cmの条件で加熱硬化させて、40×40×10(mm)のシート状成形物(誘電性素材)を得た。同様の条件にて40×110×0.5(mm)のシート状成形物(誘電性素材)を得た。40×40×10(mm)の成形物を誘電率測定用、40×110×0.5(mm)の成形物をSAR代替値測定用として使用した。
上記実施例2の誘電性素材について、上記実施例1と同様にして900MHzにおける各誘電体の複素比誘電率、SAR代替値変化率及び比重を測定した。結果を上記実施例1の結果と共に表2に示す。また、実施例2の誘電性素材を透過電子顕微鏡で観察したところ、表面積の約1/3において、カーボン類同士が接触して、導電パスが生じていることが確認された。なお、上記実施例2において、下記表2中の導電性カーボンの配合量3.5重量部を3重量部とし、合計配合量を254.0重量部とした以外は、上記実施例2と同様にして得られた誘電性素材について、上記実施例2と同様に複素比誘電率、SAR代替値変化率を求めたところ、複素比誘電率(900MHz)は、160−140j、SAR代替値変化率は、−78.3%であった。
Figure 2006064782
[実施例3]
低比重シリコーンゴム(信越化学工業社製 X−30−1777−50−U)100重量部、カーボン類として真球状グラファイト(大阪ガスケミカル社製 MCMB(10−28))を150重量部、導電性カーボン(ライオン社製 ケッチェンブラックEC600JD)を3.5重量部、架橋剤として2,5,ジメチル2,5(t−ブチル)ジヘキサン(東レ・ダウコーニング社製 RC−4(50P))を1重量部添加した。混合は、オープンロールにて行い、170℃で10分間、200kgf/cmの条件で加熱硬化させて40×40×10(mm)のシート状成形物(誘電性素材)を得た。同様の条件にて40×110×0.5(mm)のシート状成形物(誘電性素材)を得た。40×40×10(mm)の成形物を誘電率測定用、40×110×0.5(mm)の成形物をSAR代替値測定用として使用した。
上記実施例3の誘電性素材について、上記実施例1と同様にして900MHzにおける各誘電体の複素比誘電率、SAR代替値変化率及び比重を測定した。結果を上記実施例1と共に表3に示す。また、実施例3の誘電性素材を透過電子顕微鏡で観察したところ、表面積の約1/3において、カーボン類同士が接触して、導電パスが生じていることが確認された。なお、上記実施例3において、下記表3中の導電性カーボンの配合量3.5重量部を3重量部とし、合計配合量を254.0重量部とした以外は、上記実施例3と同様にして得られた誘電性素材について、上記実施例3と同様に複素比誘電率、SAR代替値変化率を求めたところ、複素比誘電率(900MHz)は、199−141j、SAR代替値変化率は、−93.2%であった。
Figure 2006064782
[実施例4]
シリコーンゴム(東レ・ダウコーニング社製 DY32−152U)100重量部に、カーボン類として真球状グラファイト(大阪ガスケミカル社製 MCMB(10−28))を170重量部、導電性カーボン(ライオン社製 ケッチェンブラックEC600JD)を10重量部、架橋剤として2,5,ジメチル2,5(t−ブチル)ジヘキサン(東レ・ダウコーニング社製 RC−4(50P))を1重量部添加した。混合は、オープンロールにて行い、170℃で10分間、200kgf/cmの条件で加熱硬化させて40×40×10(mm)のシート状成形物(誘電性素材)を得た。同様の条件にて40×110×0.5(mm)のシート状成形物(誘電性素材)を得た。40×40×10(mm)の成形物を誘電率測定用、40×110×0.5(mm)の成形物をSAR代替値測定用として使用した。
[実施例5]
シリコーンゴム(東レ・ダウコーニング社製 DY32−152U)100重量部に、カーボン類として真球状グラファイト(大阪ガスケミカル社製 MCMB(10−28))を200重量部、導電性カーボン(ライオン社製 ケッチェンブラックEC600JD)を10重量部、架橋剤として2,5,ジメチル2,5(t−ブチル)ジヘキサン(東レ・ダウコーニング社製 RC−4(50P))を1重量部添加した。混合は、オープンロールにて行い、170℃で10分間、200kgf/cmの条件で加熱硬化させて40×40×10(mm)のシート状成形物(誘電性素材)を得た。同様の条件にて40×110×0.5(mm)のシート状成形物(誘電性素材)を得た。40×40×10(mm)の成形物を誘電率測定用、40×110×0.5(mm)の成形物をSAR代替値測定用として使用した。
[実施例6]
シリコーンゴム(東レ・ダウコーニング社製 DY32−152U)100重量部に、カーボン類として人造黒鉛(SEC社製 SGL12、比重2.21(g/cm))を200重量部、架橋剤として2,5,ジメチル2,5(t−ブチル)ジヘキサン(東レ・ダウコーニング社製 RC−4(50P))を1重量部添加した。混合は、オープンロールにて行い、170℃で10分間、200kgf/cmの条件で加熱硬化させて40×40×10(mm)の成形物(誘電性素材)を得た。同様の条件にて40×110×0.5(mm)の成形物(誘電性素材)を得た。40×40×10(mm)の成形物を誘電率測定用、40×110×0.5(mm)の成形物をSAR代替値測定用として使用した。
[実施例7]
シリコーンゴム(東レ・ダウコーニング社製 DY32−152U)100重量部に、カーボン類として薄片状天然黒鉛(SEC社製 SNE6G、比重2.25(g/cm))を150重量部、架橋剤として2,5,ジメチル2,5(t−ブチル)ジヘキサン(東レ・ダウコーニング社製 RC−4(50P))を1重量部添加した。混合は、オープンロールにて行い、170℃で10分間、200kgf/cmの条件で加熱硬化させて40×40×10(mm)のシート状成形物(誘電性素材)を得た。同様の条件にて40×110×0.5(mm)のシート状成形物(誘電性素材)を得た。40×40×10(mm)の成形物を誘電率測定用、40×110×0.5(mm)の成形物をSAR代替値測定用として使用した。
上記実施例4〜7の誘電性素材について、上記実施例1と同様にして900MHzにおける各誘電体の複素比誘電率、SAR代替値変化率及び比重を測定した。結果を表4に示す。また、実施例4〜7の誘電性素材を透過電子顕微鏡で観察したところ、実施例4の誘電性素材は、表面積の約1/3において、実施例5の誘電性素材は、表面積の約1/2において、実施例6の誘電性素材は、表面積の約1/2において、実施例7の誘電性素材は、表面積の約1/3において、それぞれカーボン類同士が接触して、導電パスが生じていることが確認された。
Figure 2006064782
[実施例8]
シリコーンゴム(東レ・ダウコーニング社製 DY32−152U)100重量部に、カーボン類として導電性カーボン(ライオン社製 ケッチェンブラックEC600JD)10重量部とカーボンナノチューブ(物産ナノテク研究所社製MWNT)10重量部、加工助剤(Alphaflex Industries社製 アルファフレックス101)1.0重量部、架橋剤(過酸化物加硫剤)として2,5,ジメチル2,5(t−ブチル)ジヘキサン(東レ・ダウコーニング社製 RC−4(50P))を1.0重量部、シリコーンオイル(東レ・ダウコーニング社製 SH−200 50cs))を10重量部添加した。混合は、オープンロールにて行い、170℃で10分間、200kgf/cmの条件で加熱硬化させて40×40×10(mm)のシート状成形物(誘電性素材)を得た。同様の条件にて40×110×0.5(mm)のシート状成形物(誘電性素材)を得た。40×40×10(mm)の成形物を誘電率測定用とし、40×110×0.5(mm)の成形物をSAR代替値測定用として使用した。
上記実施例8の誘電性素材について、上記実施例1と同様にして900MHz、1.5GHz、2.1GHz、5.0GHzにおける各誘電体の複素比誘電率、900MHzにおけるSAR代替値変化率及び比重を測定した。結果を表5に示す。また、実施例8の誘電性素材を透過電子顕微鏡で観察したところ、表面積の約1/3において、カーボン類同士が接触して、導電パスが生じていることが確認された。
Figure 2006064782
[実施例9]
発泡バルーン入りシリコーン(信越化学工業社製 X−30−1777−50U)100重量部に、カーボン類としてカーボンナノチューブ(物産ナノテク研究所社製MWNT)1.5重量部、真球状グラファイト(大阪ガスケミカル社製 MCMB(10−28)))100重量部、加工助剤(Alphaflex Industries社製 アルファフレックス101)1.0重量部、過酸化物加硫剤 C−8A(信越化学工業社製)を1.0重量部、シリコーンオイル(東レ・ダウコーニング社製 SH−200 50cs))を1.5重量部添加した。混合は、オープンロールにて行い、170℃で10分間、200kgf/cmの条件で加熱硬化させて40×40×10(mm)のシート状成形物(誘電性素材)を得た。同様の条件にて40×110×0.5(mm)のシート状成形物(誘電性素材)を得た。40×40×10(mm)の成形物を誘電率測定用、40×110×0.5(mm)の成形物をSAR代替値測定用として使用した。
上記実施例9の誘電性素材について、上記実施例1と同様にして900MHz、1.5GHz、2.1GHz、5.0GHzにおける各誘電体の複素比誘電率、900MHzにおけるSAR代替値変化率及び比重を測定した。結果を表6に示す。また、実施例9の誘電性素材を透過電子顕微鏡で観察したところ、表面積の約1/3において、カーボン類同士が接触して、導電パスが生じていることが確認された。
Figure 2006064782
上記表1〜6の結果によれば、シリコーンゴムにカーボン類を高充填することによって、高誘電率が得られることが認められる。また、シリコーンゴムをベース材料として使用することによって、フィラー(カーボン類)の添加量が同じでも、汎用ゴムベースを使用した場合より、高い誘電率が得られることが認められる。更に、シリコーンゴムと有機ゴム材料を混合してカーボン類を添加すると、シリコーンゴム単独の場合よりも高い誘電率が得られることが認められる。また更に、異なる形状のカーボン材料(カーボン類)を組み合わせることによって、より高い誘電率が得られることが認められる。
[実施例10]
次に、本発明のアンテナ装置の一構成例を実施例10として図3を参照して、以下に説明する。図3は、本発明の一構成例の内蔵型アンテナ装置5を備えた携帯電話機6を開いた状態で示す概略上面図である。携帯電話機6は、例えば市販されているものを使用することができ、図3に示すものは、回転機構も備えたヒンジ部7によって、折りたたみ可能となっており、通話時には、開いた状態で使用することができるが、その構成は、特に制限されない。図中8は受話口、9はディスプレイ表示部、10はメニュー操作部、11はダイヤル操作部、12は誘電性素材、13は携帯電話機箱体である。内蔵型アンテナ装置5は、携帯電話機箱体13内に取り付けられており、その構成は、特に制限されず、例えば市販されている携帯電話機に内蔵されているアンテナ装置を利用することができる。誘電性素材12は、内蔵型アンテナ装置5とほぼ同程度の大きさ(縦、横)を有するシート状に成形されたものであり、携帯電話機箱体13内で内蔵型アンテナ装置5の前面側、即ち、携帯電話機を使用する時に、誘電性素材12が人体側となるように、アンテナ装置5の外壁に設置されている。なお、本発明の誘電性素材を備えたアンテナ装置の構成は、特に制限されず、上述した携帯電話機6に使用されているような内蔵型アンテナ装置以外にも、公知の各種音声送受信機、映像送受信機などの種々のアンテナ装置に利用することができ、例えば本発明のアンテナ装置としては、これらの各種アンテナ装置の人体側に本発明の誘電性素材を配設した構成とすることもできる。
[実施例11]
次に、本発明の携帯電話機の実施例として、上記図3に示した構成を有する市販の携帯電話機に、誘電性素材として上記実施例4と同じ組成からなる縦5mm、横30mm、厚さ0.5mmのシート状の誘電性素材を内蔵型アンテナ装置の人体側(前方)となるように設置し、実施例11の携帯電話機とした。一方、上記図3に示した構成を有する携帯電話機に、マイクロオーダーの金属磁性粉末を樹脂中に分散混合した比重3.1、比透磁率μr=60(1MHz)の市販の磁性シート(縦5mm、横30mm、厚さ1mm)を内蔵型アンテナ装置の人体側となるように設置し、比較例2の携帯電話機とした。これらの実施例11、比較例2の携帯電話機につき、以下に詳述する図4に示す実験設備14により、人体頭部ファントム(固体)内の電界強度を測定し、SARの代用特性(SAR代替値)とした。
図4に示す実験設備は、人体頭部ファントムモデル15内の電界強度の一番高いと思われるポイントに、SAR測定用アンテナ(微小ダイポール3軸構成のΔビームアンテナ)16を挿入し、信号増幅回路17(広帯域OPアンプ)を介して電界強度測定装置(日置社製 8808)18により、携帯電話機6を使用時の人体頭部ファントムモデル15内の電界強度を測定するものである。測定時には、人体頭部ファントムモデル15は、900×900×1800mmの発泡PS(ポリスチレン)製の実験台(図示せず)上に載置する。なお、図4に示す実験設備14は、上記実施例1などにおいてSAR代替値変化率を求めた設備と同様である。
上記実験設備により、実施例11、比較例2の携帯電話機につき、それぞれSAR代替値を測定し、更に、各携帯電話機から誘電性素材を抜いた場合のSAR代替値を測定し、誘電性素材の有無によるSAR代替値変化率を求めたところ、実施例11では、SAR代替値変化率は、−53%であり、比較例2では、−23%であった。なお、実施例1〜9の誘電性素材のSAR代替値変化率は、40mm×110mmの大きさでテストしていたのに対し、実施例11は携帯電話機の内蔵型アンテナとほぼ同じ大きさの誘電性素材を装着したものであり、誘電性素材の面積が小さくなっている分、SAR代替値変化率の低減効果は小さくなっている。これらの結果によれば、本発明の誘電性素材を電磁波制御体として装着した本発明の携帯電話機は、SAR低減が可能であり、その効果は厚みの大きい誘電性素材を装着した比較例2のよりも大きいことが認められる。従って、本発明の携帯電話機は、厚みの薄い誘電性素材を電磁波制御体と装着したものであっても、SAR値が十分に低減されており、最近の携帯電話機に対する軽量化、薄型化、小型化の要請に十分に応え得るものである。また、実施例11の携帯電話機は、上記実施例10の内蔵型アンテナ装置を使用したものであり、アンテナ近傍に設置しても、通常に、通信し、会話することができた。
次に、図5に示す実験設備により、上記実施例4と同じ組成からなる縦150mm、横150mm、厚さ0.5mmのシート状誘電性素材をアンテナ装置と人体ファントムモデルとの間に入れることにより、放射パターンがどのように変化するかを調べた。図5に示す実験設備は、回転ステージ20の上に発泡スチロール21、21(500×500×500mm)を積み上げ、その上に、電波暗室の外にあり、ラックに組み込まれているS.G.(シグナルゼネレーター83732B シンセサイズド信号発生器 アジレントテクノロジー社製 900MHz:0dBm)に連結された送信アンテナ(UHAP(シュワルツベック社製)標準ダイポールアンテナ)22を載置し、更に、その隣に発泡スチロール21(500×500×500mm)、高さ(図中矢印a)を300mmにした発泡スチロール21’を積み上げ、その上に高さ(図中矢印c)400mmの人体ファントムモデル(直径(図中矢印b)φ200mmで大人の頭部)23を、送信アンテナ22との距離が20mmとなるように載置する。これによって、実験室の床面からの人体頭部ファントムモデル23の高さ方向中心の高さが送信アンテナ22の高さ(図中矢印h:1000mm)と同じになる。なお、誘電性素材25をセットする時は、送信アンテナ22との間の距離、ファントムモデル23との間の距離が、それぞれ10mmとなるように、即ち、送信アンテナ22とファントムモデル23との真中にセットされるように、ファントムモデル23と同じ発泡スチロール上に載置する。そして、電波暗室の外にあり、ラックに組み込まれているEMC測定器(8546A レシーバー アジレントテクノロジー社製)に連結した受信アンテナ(電波暗室備え付けヘリカルアンテナ)24をアンテナ距離(図中矢印L)が1500mm、アンテナ高さ(図中矢印h’)が1000mmとなるようにセットする。更に、実験室の床面には、床面電磁波吸収体26を載置しておく。また、送信アンテナ22のアンテナ長は、約167mmであるので、サンプルとして使用した150×150mmの誘電性素材25は、送信アンテナ22のアンテナ長が隠れるよう、送信アンテナ22の高さ方向に誘電性素材25の対角線が一致するように載置した。なお、ファントムモデルの高さを400mmとしたのは、垂直方向からの回折波の影響を少なくするためである。また、送受信アンテナの高さを1000mmとしたのは、床面からの反射波影響を少なくするためである。
上記実験設備を用いて、以下の測定を行った。
測定−1:送信アンテナ(標準ダイポールアンテナ)のステージをファントムモデルがない状態で360度回転させながら受信アンテナのレベルを測定し、360度方向の電界を監視する。
測定−2:送信アンテナ(標準ダイポールアンテナ)のステージをファントムモデルを載せた状態で360度回転させながら受信アンテナのレベルを測定し、ファントムモデルが有る状態での360度方向の電界を監視する。
測定−3:送信アンテナ(標準ダイポールアンテナ)とファントムモデルとの間に誘電性素材(サンプル)をセットしたステージを360度回転させながら受信アンテナのレベルを測定し、360度方向の電界を監視する。
上記測定によって得られた放射パターン(送信アンテナ、ファントムモデル、誘電性素材を載せたターンテーブルを360度回転させたときの受信アンテナのレベルを測定したもの)を図6に示す。図6の放射パターンによれば、実施例4と同じ組成の誘電性素材を送信アンテナと人体ファントムモデルとの間に入れることで、人体ファントムモデルだけの場合より、放射パターンが大きくなり、送信アンテナからの放射パターンが改善されることが認められる。なお、本発明の携帯電話機の構成は、特に制限されず、上述した携帯電話機6以外にも、公知の各種携帯電話機のアンテナ装置の人体側に本発明の誘電性素材を配設した構成とすることができる。
[実施例12]
更に、本発明の電磁波遮蔽体の一構成例を実施例12として図7及び図8を用いて以下に説明する。図7は、本発明の一構成例の電磁波遮蔽体30(図8参照)を備えた電気調理器(電磁誘導加熱調理器)31の外観を示した概略斜視図であり、図8は、電気調理器31に備え付けられ電磁波遮蔽体30を説明するために、電気調理器31のキャビネット32を外した状態の電気調理器31の内部構成を模式的に示した概略縦断面図である。電気調理器31は、外郭となるキャビネット32を備え、その上側に複数の空気孔33aが設けられた天板33が載置され、天板33の中央部近傍には、鍋などの加熱容器を載せる調理プレート34が嵌め込まれている。そして、キャビネット正面(人体に向かう面)32aには、操作パネル35、加熱調節ツマミ36が設けられている。キャビネット内には、図示しない冷却ファン、図8に示すように、制御回路部37、コイル支持台38上に配設された加熱コイル39、39を収容した箱体40が収納されており、箱体40の両側面40a、40a、正面(図示せず)、後面40b、底面40cの内壁には、それぞれ本発明の誘電性素材からなるシート状の電磁波遮蔽体30、30、30、30が取り付けられている。各加熱コイル39、39は、接続コード41、41によって制御回路部37の接続端子部(図示せず)に接続され、これによって、加熱コイル39、39に供給される高周波電流の制御が可能となっている。ここで、電磁波遮蔽体30の取り付け手段は、特に制限されず、例えば耐熱性を有する適宜接着剤を用いて箱体40の壁面に貼り付けるなどの適宜手段により取り付けることができる。また、電気調理器31のように、箱体の外側にキャビネット32を有する構成の電気調理器の場合、箱体の内壁ではなく、箱体の外壁又はキャビネット32の内壁に電磁波遮蔽体30を取り付けてもよい。更に、例えば制御回路部と加熱コイルとが別々の箱体内に収納されている電気調理器の場合、それぞれの箱体に電磁波遮蔽体を取り付けると好適である。また、例えば箱体の構成が後面のないものである場合、電気調理器の後側(人体の反対側)には電磁波遮蔽体を取り付けない構成とすることもできる。
なお、本発明の電磁波制御体を装着する電気調理器の構成は、特に制限されず、上述した電気調理器(電磁誘導加熱調理器)31以外の公知の各種電磁誘導加熱調理器などの電気調理器を利用することができ、本発明の電磁波遮蔽体は、これら各種電気調理器において、その電磁波発生源と人体との間に介装されるように、種々の適宜手段で配設することができる。
上記構成例によれば、電気調理器の電磁波発生源と、人体との間に本発明の電磁波遮蔽体を装着することで、人体側への漏洩電磁波を減らすことができる。また、本発明の電磁波遮蔽体は、シリコーンゴム基材を用いた誘電性素材からなるので、成形加工もでき、必要な形状に成形することがある程度可能となる。なお、本発明の電磁波遮蔽体は、電気調理器の箱体内壁等に密着させても、させなくてもよいが、密着させることにより、より大きな電磁波遮蔽効果を期待できる。
本発明の誘電性素材は、例えば携帯電話機の通信時に、携帯電話機のアンテナの放射効率が高まることによる電池寿命が伸びる効果があり、なおかつ、通話時における人体への電磁波の影響を低減したり、通信性能を向上させたりすることが可能なものである。また、本発明の誘電性素材は、アンテナ装置に対して、放射効率を高めることにより、少ない電力で、遠くまで通信が可能となったり、アンテナの特性を損なわないで、回路に組み込んだりすることが可能となる。また、本発明の誘電性素材を用いることによって、電気調理器などからの不要輻射を、低減することもできる。


Claims (7)

  1. シリコーンゴムを主材料とするシリコーンゴム基材中にカーボン類が分散した下記1)〜3)のいずれかの誘電性素材であって、上記カーボン類が上記シリコーンゴム基材中に偏在した状態又は少なくともその一部がカーボン類同士で接触した状態で含有されてなることを特徴とする誘電性素材。
    1)上記シリコーンゴム100重量部に対して上記カーボン類150〜300重量部を含有した誘電性素材。
    2)未架橋の上記シリコーンゴムと未架橋の有機ポリマーと上記カーボン類とを含有する混合物を、架橋、成形してなる誘電性素材。
    3)上記カーボン類として、球状カーボン、扁平状カーボン、アスペクト比が11以下のカーボン繊維、カーボンナノチューブ及び導電性カーボンから選ばれる2種以上のカーボン類であって、形状の異なるカーボン類を組み合わせて配合してなる誘電性素材。
  2. 上記誘電性素材の表面の少なくともその一部に導電パスが生じた請求項1記載の誘電性素材。
  3. 請求項1又は2記載の誘電性素材を備えたことを特徴とするアンテナ装置。
  4. 携帯電話機の内蔵型アンテナ装置である請求項3記載のアンテナ装置。
  5. 請求項1又は2記載の誘電性素材を用いた電磁波制御体を装着したことを特徴とする携帯電話機。
  6. 請求項1又は2記載の誘電性素材を備えたことを特徴とする電磁波遮蔽体。
  7. 電気調理器から発生する電磁波を遮蔽する電気調理器用電磁波遮蔽体である請求項6記載の電磁波遮蔽体。



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