JPH11274843A - アンテナ装置 - Google Patents

アンテナ装置

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JPH11274843A
JPH11274843A JP7368298A JP7368298A JPH11274843A JP H11274843 A JPH11274843 A JP H11274843A JP 7368298 A JP7368298 A JP 7368298A JP 7368298 A JP7368298 A JP 7368298A JP H11274843 A JPH11274843 A JP H11274843A
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JP
Japan
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antenna device
antenna
substrate
carbonate
dielectric
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JP7368298A
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English (en)
Inventor
Katsuhiko Hayashi
克彦 林
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TDK Corp
Original Assignee
TDK Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】従来のチップアンテナに比較してアンテナ効率
が向上し、携帯電話機等の無線装置の電波の放射効率、
受信感度が向上した放射アンテナ装置を提供する。 【解決手段】誘電体基板2の表面に電波放射乃至受信用
のアンテナ素子パターン3が形成され、裏面の略全面に
接地導体4が設けられる。誘電体基板2が、無線装置の
高周波回路部に設けられるシールド筐体11の側壁部
に、アンテナ素子パターン3形成面側を外面側にして装
着される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、携帯電話機等の携
帯無線機器の高周波回路部において利用可能なアンテナ
装置に関し、例えば、携帯電話機筐体内に内蔵可能なア
ンテナ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の携帯電話機等で利用される筐体内
に内蔵されるアンテナとして、例えば特開平9−930
16号には、セラミック誘電体を使用したチップアンテ
ナの例がある。図4(A)にそのチップアンテナの構造
を示す。
【0003】図4(A)に示すチップアンテナ55は、
セラミック誘電体50の表面に導体でなるアンテナ素子
パターン51を形成し、前記アンテナ素子パターン51
は前記セラミック誘電体基板50の側面に形成された入
力端子52に接続している。入力端子52の両側には接
地端子53、54が設けられている。このチップアンテ
ナ55は、図4(B)に示すように、携帯電話機56の
高周波回路部品を搭載したマザーボード57に搭載され
る。
【0004】上記の構成により前記チップアンテナ55
は対象とする周波数帯域の電波を表面導体であるアンテ
ナ素子パターン51から空間に電波を放射させたり、逆
に空間より電波を受信させている。また、電波を送受信
する際、アンテナ素子パターン51の寸法により電波の
放射(受信)の効率が変化するが、セラミック誘電体基
板50の誘電率を高くすることにより電波の波長短縮効
果が得られるため、前記チップアンテナの小型化が可能
となる。これにより、前記チップアンテナ55は携帯電
話機56等の高周波回路部を構成するマザーボード57
上に搭載することが可能となり携帯電話機器等の筐体5
8内に内蔵させることが可能となる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】図4(A)、(B)に
示すチップアンテナは、携帯電話機の高周波回路を構成
するマザーボード55上に実装される必要があるため、
機器全体を小型化する上でも、前記チップアンテナは極
端に小型化する必要がある。
【0006】しかし、一般的にアンテナを小型化するこ
とは、渡来する電波を受ける面積が減ることになるた
め、渡来電波から受信できるエネルギーが低下してしま
うという問題があった。
【0007】さらに、前記チップアンテナを薄型に設計
しようとすると、チップ上に形成された電波放射(受
信)するアンテナ素子パターン51に生成する高周波電
流が、前記チップアンテナ55が搭載されるマザーボー
ド57に形成されるグランド電極に対して新たな電界を
生じるため、本来放射すべき電波の偏波面がくずれてし
まう可能性がある。特に、チップアンテナ55下部にグ
ランド電極が形成されている場合は、前記グランド電極
に垂直な方向の偏波面を持つ電波(水平偏波)をより強
く放射ないし受信する傾向を示す。
【0008】携帯電話機のシステムにおいては、地上に
対して垂直な偏波面を有する電波(垂直偏波)が、水平
偏波面を有する電波に、比較してビル等が林立する都市
部等において電波が良く伝播するという理由により、垂
直偏波を有する電波が使用されているため、その偏波面
に合わせたアンテナ装置を装着する必要がある。ところ
が、図4に示すマザーボード57に実装されるチップア
ンテナ55の場合、実装後に偏波面特性が変化し、垂直
偏波の放射、受信効率が悪くなるという問題点がある。
【0009】本発明は、これらの不都合に鑑みて創案さ
れたものであり、空間に対する電波の放射、受信できる
有効面積を大きくすることができ、従来のチップアンテ
ナに比較してアンテナ効率が向上し、携帯電話機等の無
線装置の電波の放射効率、受信感度が向上したアンテナ
装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は上記の目的を達
成するため、次の様に構成したものである。 (1)請求項1のアンテナ装置においては、誘電体基板
の表面に電波放射乃至受信用のアンテナ素子パターンが
形成され、裏面の略全面に接地導体が設けられ、前記誘
電体基板が、無線装置の高周波回路部に設けられるシー
ルド筐体の側面壁部に、前記アンテナ素子パターンの形
成面側を外面側にして装着されることを特徴とする。
【0011】請求項1においては、基板上に搭載する際
の搭載面の制約がなくなり、アンテナ素子の形成される
面の面積を広くすることができ、空間に対する電波の放
射、受信できる有効面積を大きくすることができ、従来
のチップアンテナに比較してアンテナ効率が向上し、携
帯電話機等の無線装置の電波の放射効率、受信感度が向
上する。また、アンテナ装置がシールド筐体に沿わせて
装着することが可能であるので、コンパクトな実装が可
能である。
【0012】(2)請求項2のアンテナ装置は、前記無
線装置が携帯電話機であり、前記アンテナ装置は、前記
携帯電話機使用時に上側となる前記シールド筐体の側壁
部に装着されることを特徴とする。請求項2において
は、垂直偏波面を主体とした送受信機の構成が可能とな
る。
【0013】(3)請求項3のアンテナ装置は、請求項
1または2記載のアンテナ装置であって、前記アンテナ
装置は誘電体基板上に逆F型アンテナとなる電極パター
ンを形成したことを特徴とする。請求項3においては、
逆F型アンテナとして構成したことにより、前記放射効
率および受信感度の向上がよりよく達成される。
【0014】(4)請求項4のアンテナ装置は、請求項
3記載のアンテナ装置でありかつ携帯電話機に使用され
るものであって、マザーボードの人体側の面と反対側の
面にシールド筐体が搭載され、前記アンテナ素子パター
ンの接地部がマザーボード側に設けられていることを特
徴とする。請求項4においては、アンテナ素子パターン
の接地部を、マザーボード側、すなわちに人体側に設け
ることにより、電波放射の強度が比較的低い接地側が人
体側に位置するため、人体の頭部に放射される電波の強
度が低減される。
【0015】(5)請求項5のアンテナ装置は、請求項
1から4までのいずれかに記載のアンテナ装置であっ
て、前記誘電体基板の比誘電率を5以下としたことを特
徴とする。請求項5においては、誘電体基板に低誘電率
のものを用いたことにより、基板の面積を広くすること
ができ、シールド筐体の側壁部に装着するに適した面積
を確保しやすくなる。
【0016】(6)請求項6のアンテナ装置は、請求項
1から5までのいずれかに記載のアンテナ装置であって
基板材料として、ガラスクロスを含まず、かつ架橋、
ブロック重合またはグラフト重合の少なくともいずれか
の構造を有するポリマーを用いたことを特徴とする。請
求項6においては、十分な強度でかつ低誘電率の基板材
料が得られ、これにより、前記基板の薄型化が可能とな
る。
【0017】(a)本発明において用いる誘電体基板の
基板材料は、重量平均絶対分子量1000以上、100
0万以下の樹脂の1種または2種以上からなる樹脂組成
物であって、その組成物の炭素原子と水素原子の原子数
の和が99%以上であり、かつ樹脂分子間の一部または
すべてが相互に化学的結合を有する耐熱性低誘電性高分
子材料を使用することが、前記低い誘電率の誘電体基板
を得る意味において好ましい。
【0018】(b)また、前記(a)の該誘電体材料
が、前記分子量等を持つ上、耐熱性低誘電性高分子材料
であって、化学的結合が、架橋、ブロック重合およびグ
ラフト重合から選ばれる1種以上である耐熱性低誘電性
高分子材料を使用することが、高い強度を得、かつ前記
アンテナ装置を半田付けする場合において、熱による軟
化を避ける意味において好ましい。
【0019】(c)また、前記(a)、(b)の誘電体
材料が、前記分子量等と架橋構造等を有する上、樹脂組
成物が、非極性α−オレフィン系重合体セグメントおよ
び/または非極性共役ジエン系重合体セグメントとビニ
ル芳香族系重合体セグメントとが化学的結合をした共重
合体であって、一方のセグメントにより形成された分散
相が他方のセグメントより形成された連続相中に微細に
分散している多相構造を示す熱可塑性樹脂である耐熱性
低誘電性高分子材料からなることが、強度、耐熱性の面
において好ましい。
【0020】(d)また、前記(c)の誘電体材料が、
非極性α−オレフィン系重合体セグメントとビニル芳香
族系重合体セグメントとが化学的結合をした共重合体で
ある耐熱性低誘電性高分子材料からなることが好まし
い。
【0021】(e)また、前記(c)、(d)の誘電体
材料が、ビニル芳香族系重合体セグメントがジビニルベ
ンゼンの単量体を含むビニル芳香族系共重合体セグメン
トである耐熱性低誘電性高分子材料からなることが好ま
しい。
【0022】(f)また、前記(d)、(e)の誘電体
材料が、グラフト重合により化学的に結合した共重合体
である耐熱性低誘電性高分子材料からなることが好まし
い。
【0023】(g)また、前記(a)〜(f)の誘電体
材料が、樹脂組成物に4−メチルペンテン−1の単量体
を含む非極性α−オレフィン系重合体を加えた耐熱性低
誘電性高分子材料からなることが好ましい。
【0024】
【発明の実施の形態】図1(A)、(B)はそれぞれ本
発明によるアンテナ装置の一実施の形態を示すアンテナ
素子パターン3の中心を通る線に沿う断面図および該ア
ンテナ装置を装着した携帯電話機の斜視図である。ま
た、図2(A)、(B)はそれぞれ該実施の形態のアン
テナ装置の斜視図と分解斜視図である。
【0025】図1、図2において、1はアンテナ装置で
あり、図2(A)、(B)に示すように、該アンテナ装
置1は、誘電体材料でなる基板2の表面にアンテナ素子
パターン3を形成し、裏面のほぼ全面に接地導体4を設
けている。
【0026】アンテナ素子パターン3は、電波を放射ま
たは受信する線状パターン部分3aと接地部3bと給電
部3cとからなり、図1(A)に示すように、接地部3
bは基板2の表裏面を接続するスルーホール電極5によ
り接地導体4に接続し、給電部3cはスルーホール電極
6により基板2の裏面に設けられる端子7に接続されて
いる。このような構成により逆F型アンテナを構成す
る。
【0027】図1(B)に示す携帯電話機8において、
9は携帯電話基板のケース10内に取付けられたマザー
ボード、11は該マザーボード9の高周波回路部を覆う
シールド筐体である。シールド筐体11は、金属板によ
り作製されるか、あるいは樹脂に金属メッキを行ったキ
ャップで前記高周波回路部を覆って電磁界的にシールド
構造とするものである。
【0028】アンテナ装置1は、シールド筐体11の側
壁部に装着され、好ましくは、本実施の形態に示すよう
に、少なくとも使用時に上部となる側壁部に沿わせるよ
うにアンテナ装置1が装着される。具体的には、アンテ
ナ装置1の裏面に形成された端子7および接地導体4上
の電極をマザーボード9上に形成された接続電極に半田
付けすることにより、アンテナ装置1をシールド筐体1
1に沿って装着している。アンテナ装置1は、シールド
筐体11のほぼ上部側壁部の形状に合う縦横の平面形状
に構成される。
【0029】このアンテナ装置1のシールド筐体11に
対する装着は、たとえシールド筐体11に前記端子7を
除いて半田付け等の電気的接続を行っても、アンテナ装
置1の特性を大きく変化させることはないため、コンパ
クトな実装が可能となる。
【0030】さらに、携帯電話機の使用時に上部となる
シールド筐体11の側壁部にアンテナ装置1を装着する
ことにより、アンテナ装置1は地面に対して垂直方向の
偏波面を有する電波を主とする電波が送受信できるよう
になる。一般に携帯電話においては、垂直偏波の電波が
使われるため、この構成のアンテナ装置1は携帯電話使
用時に前記偏波面を合わせ易い。
【0031】また、図1(B)において、高周波回路と
そのシールド筐体11は、マザーボード9に対して、人
体の反対側に実装されるものであり、アンテナ装置1
は、接地部3bをマザーボード9側、すなわち人体側に
位置し、アンテナ装置1は、接地部3b側の方がその反
対側よりも電波の放射強度が弱くなるので、携帯電話使
用時に使用者の頭部に放射される電波の強度が弱まり、
また、マザーボード9が人体側への電波を弱め、高出力
な電波から使用者の頭部を保護することができる。
【0032】本発明のアンテナ装置1は、従来のチップ
アンテナに比べ、飛来する電波を受ける有効面積が広く
なり、飛来電波に対する受信効率を上げることができ
る。すなわち飛来電波に対する携帯電話等の共振器の受
信感度を向上させることができる。しかしながら、最近
の携帯電話機等では各部品の小型化が要求されており、
上記のように特性改善を図るために単にアンテナ装置1
の面積が広くなるような改善は受け入れられない。そこ
で本発明のアンテナ装置1は、下記のような改善を図っ
ている。
【0033】まず、本発明に係るアンテナ装置1はその
構造を平板化させると共に、前記平板の厚みをできるだ
け薄い構造にしている。通常携帯電話機等の高周波回路
部はその外部及び内部からの電磁波の影響を少なくする
ために金属板によるシールド筐体11によって覆われて
いる。そこで、本発明に係るアンテナ装置1の平板の一
面には略全面が接地導体4が設けられているので、その
面を使って前記アンテナ装置1を前記シールド筐体11
を前記シールド筐体11の側壁部に装着することが可能
である。
【0034】一方、一般にアンテナ装置1から空間に効
率的に電波を放射させるためにはアンテナ素子パターン
3のインピーダンスは空間インピーダンスに近づくよう
に設計する必要がある。そのためある程度高インピーダ
ンスに設計する必要がある。前述の如く本発明に係るア
ンテナ装置1は一方の面を略全面にわたって接地導体4
が形成され、また電波を放射するアンテナ素子パターン
3は前記接地導体4が形成された面とは反対側の面に形
成している。
【0035】しかしながら前記構成の場合、前記接地導
体4とアンテナ素子パターン3の間隔、即ちアンテナ装
置1の基板2の厚みをあまり薄くし過ぎるとアンテナ素
子のインピーダンスが低下して電波の放射効率が低下し
てしまう。
【0036】即ち、アンテナ素子の対接地導体4に対す
る容量(接地容量)が増大することによる高周波帯での
インピーダンスが低下し、アンテナ装置1内にエネルギ
ーが停滞してしまう。そのため、本発明に係るアンテナ
装置1は接地導体4とアンテナ素子パターン3を保持す
る基板の比誘電率を5以下としている。
【0037】一般に前記のようなパターンのインピーダ
ンスは基板2の材料の誘電率と基板2の厚み、更にアン
テナ素子パターン3の巾と厚みにより決まるが、アンテ
ナ素子パターン3が50μm以下の細線化が可能であれ
ば、基板の比誘電率が5以下程度で基板厚み2mm以下
程度で十分電波を放出するに十分なアンテナ素子パター
ン3のインピーダンスが得られる。
【0038】しかしながら、アンテナ素子パターン3を
極端に細くすると、アンテナ装置の周波数特性として送
受信できる帯域が狭帯域化しやすい。そのために前記パ
ターン3を適当な巾に設計する必要がある。そのため、
前述したように、本発明に係るアンテナ装置1は、アン
テナ装置1を前記シールド筐体11の側壁部に装着可能
な構成にしている。この構造により、アンテナ装置1を
形成する誘電体基板2の厚みを多少厚くすることができ
るので、前記パターン3の巾を最適に設計することがで
きる。
【0039】更に、上記した本発明に係るアンテナ装置
1の基板2については比誘電率5以下とすることが好ま
しいが、基板材料としては樹脂材料が適している。何故
ならば樹脂を使った基板は金属銅箔を導体パターンとし
て使用するため、セラミック基板上に形成される焼結導
体による導体パターン等に比べ高周波帯における導体材
料による実抵抗損失が小さく、高周波用のアンテナ装置
に適しているからである。
【0040】一方、本発明に係るアンテナ装置1の基板
2の材料は比誘電率を5以下とすることが好ましいが、
上記の構成のアンテナ装置1とするために基板2の材料
の比誘電率は更に小さくした方がよりアンテナ素子パタ
ーン3のインピーダンスを大きくすることができると共
に、基板2の更なる薄型化も可能となる。
【0041】そこで、本発明に係るアンテナ装置1の基
板2は、一般の樹脂基板で要求される強度及び、熱膨張
係数を低下させるために基板内部に含まれるガラスクロ
スを基板内に含まない構成とし、前記アンテナ装置に使
用する基板の誘電率を低下させている。
【0042】これは、前記ガラスクロスは一般的に比誘
電率が5以上であり、樹脂材料を比誘電率を5以下にし
ても、ガラスクロスとの混合により基板全体として誘電
率が上昇してしまうためである。
【0043】そこで本発明に係るアンテナ装置1では、
誘電率が低く且つ十分な強度を有し、更に基板表面に形
成される導体パターン3に対して十分な接着強度を有
し、更にまた半田耐熱性をも有する樹脂材料として下記
に説明する樹脂材料を用いている。
【0044】本発明の耐熱性低誘電性高分子材料は、重
量平均絶対分子量が1000以上の1種または2種以上
の樹脂で構成される樹脂組成物であって、炭素原子と水
素原子の原子数の和が99%以上からなり、かつ樹脂分
子間の一部またはすべてが相互に化学的結合しているも
のである。
【0045】このような重量平均絶対分子量の樹脂組成
物とすることによって、耐熱性低誘電性高分子材料とし
て用いるときの強度、金属との密着性、耐熱性が十分に
なる。
【0046】これに対し、重量平均絶対分子量が100
0より小さいと、機械的物性、耐熱性等が不足になり不
適である。特に好ましくは3000以上、最も好ましく
は5000以上である。このときの重量平均絶対分子量
の上限に特に制限はないが、通常1000万程度であ
る。
【0047】また、本発明の樹脂組成物において炭素原
子と水素原子と原子数の和を99%以上とするのは、存
在する化学的結合を非極性結合とするためであり、これ
により耐熱性低誘電性高分子材料として用いるときの誘
電損失特性を十分小さくすることができる。
【0048】これに対し、炭素原子と水素原子の原子数
の和が99%より少ない場合、特に酸素原子や、窒素原
子などの有極性分子を形成する原子数が1%より多く含
まれる場合、電気的特性、特に誘電正接が高くなるため
不適である。
【0049】上記高分子材料を構成する樹脂の具体例と
しては、低密度ポリエチレン、超低密度ポリエチレン、
超超低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、低分子
量ポリエチレン、超高分子量ポリエチレン、エチレン−
プロピレン共重合体、ポリプロピレン、ポリブテン、ポ
リ4−メチルペンテン等の非極性α−オレフィンの単独
ないし共重合体[以下、(共)重合体ともいう]、ブタ
ジエン、イソプレン、ペンタジエン、ヘキサジエン、ヘ
プタジエン、オクタジエン、フェニルブタジエン、ジフ
ェニルブタジエン等の共役ジエンの各単量体の(共)重
合体、スチレン、核置換スチレン、例えばメチルスチレ
ン、ジメチルスチレン、エチルスチレン、イソプロピル
スチレン、クロルスチレン、α−置換スチレン、例えば
α−メチルスチレン、α−エチルスチレン、ジビニルベ
ンゼン、ビニルシクロヘキサン等の炭素環含有ビニルの
各単量体の(共)重合体等が挙げられる。
【0050】上記では、非極性α−オレフィンの単量体
同士、共役ジエンの単量体同士、炭素環含有ビニルの単
量体同士の重合体を主に例示したが、例えば非極性α−
オレフィンの単量体と共役ジエンの単量体、非極性α−
オレフィンの単量体と炭素環含有ビニルの単量体のよう
に、異なる化合物種の単量体から得られた共重合体であ
ってもよい。
【0051】このように、これらの重合体、すなわち樹
脂の1種または2種以上により樹脂組成物が構成される
が、これらの樹脂分子間の一部またはすべてが相互に化
学的結合をしていなければならない。したがって、一部
は混合状態であってもよい。このように少なくとも一部
に化学的結合を有することによって耐熱性低誘電性高分
子材料として用いるときの強度、金属との密着性、耐熱
性が十分になる。これに対し、単なる混合で、化学的結
合を有しないときは、耐熱性、機械的物性の観点から不
十分である。
【0052】本発明における化学的結合の形態は特に限
定はないが、架橋構造、ブロック構造、グラフト構造な
どが挙げられる。このような化学的結合を生じさせるに
は公知の方法によればよく、グラフト構造、ブロック構
造の好ましい態様については後述する。架橋構造を生じ
させる具体的方法としては、熱による架橋が好ましく、
このときの温度は50〜300℃程度が好ましい。この
ほか電子線照射による架橋等も挙げられる。本発明によ
る化学的結合の有無は架橋度、グラフト構造においては
グラフト効率等を求めることによって確認することがで
きる。
【0053】また、透過型電子顕微鏡(TEM)写真や
走査型電子顕微鏡(SEM)写真によっても確認するこ
とができる。これに対し、単なる混合物(ブレンドポリ
マー)では、グラフト共重合体のような両ポリマー同士
の相溶性はみられず、分散粒子の粒径は大きいものとな
る。
【0054】本発明における樹脂組成物としては、ま
ず、非極性α−オレフィン系重合体セグメントとビニル
芳香族系共重合体セグメントとが化学的に結合した共重
合体であって、一方のセグメントにより形成された分散
相が他方のセグメントより形成された連続相中に微細に
分散している多相構造を示す熱可塑性樹脂が好ましいも
のとして挙げられる。
【0055】上記のような特定の多相構造を示す熱可塑
性樹脂中のセグメントの一つである非極性α−オレフィ
ン系重合体とは、高圧ラジカル重合、中低圧イオン重合
等で得られる非極性α−オレフィン単量体の単独重合体
または2種類以上の非極性α−オレフィン単量体の共重
合体でなければならない。極性ビニル単量体との共重合
体は誘電正接が高くなるため不適である。
【0056】上記重合体の非極性α−オレフィン単量体
としてはエチレン、プロピレン、ブテン−1、ヘキセン
−1、オクテン−1、4−メチルペンテン−1類が挙げ
られ、なかでもエチレン、プロピレン、ブテン−1、4
−メチルペンテン−1が、得られる非極性α−オレフィ
ン系重合体の誘電率が低いため好ましい。
【0057】上記非極性α−オレフィン(共)重合体の
具体例としては、低密度ポリエチレン、超低密度ポリエ
チレン、超超低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレ
ン、低分子量ポリエチレン、超高分子量ポリエチレン、
エチレン−プロピレン共重合体、ポリプロピレン、ポリ
ブテン、ポリ4−メチルペンテン等が挙げられる。ま
た、これらの非極性α−オレフィン(共)重合体は、単
独で使用することも、2種以上併用することもできる。
【0058】このような非極性α−オレフィン(共)重
合体の好ましい分子量は重量平均絶対分子量で1000
以上である。この上限には特に制限はないが、1000
万程度である。
【0059】一方、特定の多相構造を示す熱可塑性樹脂
中のセグメントの一つであるビニル芳香族系重合体と
は、非極性のものであり、具体的には、スチレン、核置
換スチレン、例えばメチルスチレン、ジメチルスチレ
ン、エチルスチレン、イソプロピルスチレン、クロルス
チレン、α−置換スチレン、例えばα−メチルスチレ
ン、α−エチルスチレン、o−,m−,p−ジビニルベ
ンゼン(好ましくはm−,p−ジビニルベンゼン、特に
好ましくはp−ジビニルベンゼン)等の各単量体の
(共)重合体である。このように非極性のものとするの
は、極性官能基を持った単量体を共重合で導入すると、
誘電正接が高くなるため不適であるからである。ビニル
芳香族系重合体は単独で使用することも、2種以上併用
することもできる。
【0060】なかでもビニル芳香族系共重合体は、ジビ
ニルベンゼンの単量体を含むビニル芳香族共重合体が耐
熱性を向上させる上で好ましい。ジビニルベンゼンを含
むビニル芳香族共重合体とは、具体的には、スチレン、
核置換スチレン、例えばメチルスチレン、ジメチルスチ
レン、エチルスチレン、イソプロピルスチレン、クロル
スチレン、α−置換スチレン、例えばα−メチルスチレ
ン、α−エチルスチレン等の各単量体とジビニルベンゼ
ンの単量体の共重合体である。
【0061】ジビニルベンゼンの単量体と、これ以外の
上記のようなビニル芳香族の単量体との割合は特に限定
はないが、半田耐熱性を満足するために、ジビニルベン
ゼンの単量体の割合が1重量%以上含まれていることが
好ましい。ジビニルベンゼンの単量体は100重量%で
もかまわないが、合成上の問題から上限は90重量%が
好ましい。
【0062】このような一方のセグメントであるビニル
芳香族系重合体の分子量は、重量平均絶対分子量で10
00以上であることが好ましい。この上限には特に制限
はないが、1000万程度である。
【0063】本発明の特定の多相構造を示す熱可塑性樹
脂は、オレフィン系重合体セグメントが5〜95重量
%、好ましくは40〜90重量%、最も好ましくは50
〜80重量%からなるものである。したがって、ビニル
系重合体セグメントは95〜5重量%、好ましくは60
〜10重量%、最も好ましくは50〜20重量%であ
る。オレフィン系重合体セグメントが少なくなると、成
形物が脆くなるため好ましくない。また、オレフィン系
重合体セグメントが多くなると、金属との密着性が低く
好ましくない。
【0064】このような熱可塑性樹脂の重量平均絶対分
子量は1000以上である。この上限には特に制限はな
いが、成形性の点から1000万程度である。
【0065】オレフィン系重合体セグメントとビニル系
重合体セグメントとが化学的に結合した構造の共重合体
としては具体的にはブロック共重合体やグラフト共重合
体を例示することができる。なかでも製造の容易さから
グラフト共重合体が特に好ましい。
【0066】なお、これらの共重合体にはブロック共重
合体、グラフト共重合体等の特徴を逸脱しない範囲で、
オレフィン系重合体やビニル系重合体が含まれていても
かまわない。
【0067】本発明の特定の多相構造を示す熱可塑性樹
脂を製造する方法は、グラフト化法として一般によく知
られている連鎖移動法、電離性放射線照射法等いずれの
方法によってもよいが、最も好ましいのは、下記に示す
方法によるものである。なぜならグラフト効率が高く熱
による二次的凝集が起こらないため、性能の発現がより
効果的であり、また製造方法が簡便であるためである。
【0068】以下、本発明の特定の多相構造を示す熱可
塑性樹脂であるグラフト共重合体の製造方法を具体的に
詳述する。すなわち、オレフィン系重合体100重量部
を水に懸濁させて、別にビニル芳香族系単量体5〜40
0重量部に、下記化1または化2の一般式で表されるラ
ジカル重合性有機過酸化物の1種または2種以上の混合
物を上記ビニル単量体100重量部に対して0.1〜1
0重量部と、10時間の半減期を得るための分解温度が
40〜90℃であるラジカル重合開始剤をビニル単量体
とラジカル重合性有機過酸化物との合計100重量部に
対して0.01〜5重量部とを溶解させた溶液を加え、
ラジカル重合開始剤の分解が実質的に起こらない条件で
加熱し、ビニル単量体、ラジカル重合性有機過酸化物お
よびラジカル重合開始剤をオレフィン系重合体に含浸さ
せて、この水性懸濁液の温度を上昇させ、ビニル単量体
とラジカル重合性有機過酸化物とをオレフィン共重合体
中で共重合させて、グラフト化前駆体を得る。
【0069】ついでグラフト化前駆体を100〜300
℃の溶融下、混練することにより、本発明のグラフト共
重合体を得ることができる。このとき、グラフト化前駆
体に、別にオレフィン系重合体またはビニル系重合体を
混合し、溶融下に混練してもグラフト共重合体を得るこ
とができる。最も好ましいのはグラフト化前駆体を混練
して得られたグラフト共重合体である。
【0070】
【化1】 前記化1中、R1は水素原子または炭素数1〜2のアル
キル基を示し、R2は水素原子またはメチル基を示し、
3およびR4はそれぞれ炭素数1〜4のアルキル基を示
し、R5は炭素数1〜12のアルキル基、フェニル基、
アルキル置換フェニル基または炭素数3〜12のシクロ
アルキル基を示す。m1は1または2である。
【0071】
【化2】 前記化2中、R6は水素原子または炭素数1〜4のアル
キル基を示し、R7は水素原子またはメチル基を示し、
8およびR9はそれぞれ炭素数1〜4のアルキル基を示
し、R10は炭素数1〜12のアルキル基、フェニル基、
アルキル置換フェニル基または炭素数3〜12のシクロ
アルキル基を示す。m2は0、1または2である。
【0072】化1で表されるラジカル重合性有機過酸化
物として、具体的には、t−ブチルペルオキシアクリロ
イロキシエチルカ−ボネ−ト;t−アミルペルオキシア
クリロイロキシエチルカ−ボネ−ト;t−ヘキシルペル
オキシアクリロイロキシエチルカ−ボネ−ト;1,1,
3,3−テトラメチルブチルペルオキシアクリロイロキ
シエチルカ−ボネ−ト;クミルペルオキシアクリロイロ
キシエチルカ−ボネ−ト;p−イソプロピルクミルペル
オキシアクリロイロキシエチルカ−ボネ−ト;t−ブチ
ルペルオキシメタクリロイロキシエチルカ−ボネ−ト;
t−アミルペルオキシメタクリロイロキシエチルカ−ボ
ネ−ト;t−ヘキシルペルオキシメタクリロイロキシエ
チルカ−ボネ−ト;1,1,3,3−テトラメチルブチ
ルペルオキシメタクリロイロキシエチルカ−ボネ−ト;
クミルペルオキシメタクリロイロキシエチルカ−ボネ−
ト;p−イソプロピルクミルペルオキシメタクリロイロ
キシエチルカ−ボネ−ト;t−ブチルペルオキシメタク
リロイロキシエチルカ−ボネ−ボネ−ト;t−アミルペ
ルオキシアクリロイロキシエトキシエチルカ−ボネ−
ト;t−ヘキシルペルオキシアクリロイロキシエトキシ
エチルカ−ボネ−ト;1,1,3,3−テトラメチルブ
チルペルオキシアクリロイロキシエトキシエチルカ−ボ
ネ−ト;クミルペルオキシアクリロイロキシエトキシエ
チルカ−ボネ−ト;p−イソプロピルクミルペルオキシ
アクリロイロキシエトキシエチルカ−ボネ−ト;t−ブ
チルペルオキシメタクリロイロキシエトキシエチルカ−
ボネ−ト;t−アミルペルオキシメタクリロイロキシエ
トキシエチルカ−ボネ−ト;t−ヘキシルペルオキシメ
タクリロイロキシエトキシエチルカ−ボネ−ト;1,
1,3,3−テトラメチルブチルペルオキシメタクリロ
イロキシエトキシエチルカ−ボネ−ト;クミルペルオキ
シメタクリロイロキシエトキシエチルカ−ボネ−ト;p
−イソプロピルクミルペルオキシメタクリロイロキシエ
トキシエチルカ−ボネ−ト;t−ブチルペルオキシアク
リロイロキシイソプロピルカ−ボネ−ト;t−アミルペ
ルオキシアクリロイロキシイソプロピルカ−ボネ−ト;
t−ヘキシルペルオキシアクリロイロキシイソプロピル
カ−ボネ−ト;1,1,3,3−テトラメチルブチルペ
ルオキシアクリロイロキシイソプロピルカ−ボネ−ト;
クミルペルオキシアクリロイロキシイソプロピルカ−ボ
ネ−ト;p−イソプロピルクミルペルオキシアクリロイ
ロキシイソプロピルカ−ボネ−ト;t−ブチルペルオキ
シメタクリロイロキシイソプロピルカ−ボネ−ト;t−
アミルペルオキシメタクリロイロキシイソプロピルカ−
ボネ−ト;t−ヘキシルペルオキシメタクリロイロキシ
イソプロピルカ−ボネ−ト;1,1,3,3−テトラメ
チルブチルペルオキシメタクリロイロキシイソプロピル
カ−ボネ−ト;クミルペルオキシメタクリロイロキシイ
ソプロピルカ−ボネ−ト;p−イソプロピルクミルペル
オキシメタクリロイロキシイソプロピルカ−ボネ−ト等
を例示することができる。
【0073】さらに、化2で表される化合物としては、
t−ブチルペルオキシアリルカ−ボネ−ト;t−アミル
ペルオキシアリルカ−ボネ−ト;t−ヘキシルペルオキ
シアリルカ−ボネ−ト;1,1,3,3−テトラメチル
ブチルペルオキシアリルカ−ボネ−ト;p−メンタンペ
ルオキシアリルカ−ボネ−ト;クミルペルオキシアリル
カ−ボネ−ト;t−ブチルペルオキシメタリルカ−ボネ
−ト;t−アミルペルオキシメタリルカ−ボネ−ト;t
−ヘキシルペルオキシメタリルカ−ボネ−ト;1,1,
3,3−テトラメチルブチルペルオキシメタリルカ−ボ
ネ−ト;p−メンタンペルオキシメタリルカ−ボネ−
ト;クミルペルオキシメタリルカ−ボネ−ト;t−ブチ
ルペルオキシアリロキシエチルカ−ボネ−ト;t−アミ
ルペルオキシアリロキシエチルカ−ボネ−ト;t−ヘキ
シルペルオキシアリロキシエチルカ−ボネ−ト;t−ブ
チルペルオキシメタリロキシエチルカ−ボネ−ト;t−
アミルペルキシメタリロキシエチルカ−ボネ−ト;t−
ヘキシルペルオキシメタリロキシエチルカ−ボネ−ト;
t−ブチルペルオキシアリロキシイソプロピルカ−ボネ
−ト;t−アミルペルオキシアリロキシイソプロピルカ
−ボネ−ト;t−ヘキシルペルオキシアリロキシイソプ
ロピルカ−ボネ−ト;t−ブチルペルオキシメタリロキ
シイソプロピルカ−ボネ−ト;t−アミルペルオキシメ
タリロキシイソプロピルカ−ボネ−ト;t−ヘキシルペ
ルオキシメタリロキシイソプロピルカ−ボネ−ト等を例
示することができる。
【0074】中でも好ましくは、t−ブチルペルオキシ
アクリロイロキシエチルカ−ボネ−ト;t−ブチルペル
オキシメタクリロイロキシエチルカ−ボネ−ト;t−ブ
チルペルオキシアリルカ−ボネ−ト;t−ブチルペルオ
キシメタリルカ−ボネ−トである。
【0075】このようにして得られるグラフト共重合体
のグラフト効率は20〜100重量%である。グラフト
効率はグラフト化していない重合体の溶媒抽出を行い、
その割合から求めることができる。
【0076】本発明の特定の多相構造を示す熱可塑性樹
脂としては、上記の非極性α−オレフィン系重合体セグ
メントとビニル芳香族系重合体セグメントとのグラフト
共重合体が好ましいが、このようなグラフト共重合体に
おいて、非極性α−オレフィン系重合体セグメントのか
わりに、あるいはこれに加えて非極性共役ジエン系重合
体セグメントを用いたものであってもよい。非極性共役
ジエン系重合体としては、前述のものを用いることがで
き、単独で使用しても2種以上を併用してもよい。
【0077】なお、以上のグラフト共重合体における非
極性α−オレフィン系重合体には共役ジエン単量体が含
まれていてもよく、非極性共役ジエン系重合体にはα−
オレフィンの単量体が含まれていてもよい。また、本発
明では、得られたグラフト共重合体にさらにジビニルベ
ンゼン等を用いて架橋することもできる。特に、ジビニ
ルベンゼンの単量体を含まないグラフト共重合体におい
て、耐熱性向上の観点から好ましい。
【0078】一方、本発明の特定の多相構造を示す熱可
塑性樹脂としては、ブロック共重合体であってもよく、
ブロック共重合体としては、少なくとも1つのビニル芳
香族単量体の重合体と、少なくとも1つの共役ジエンの
重合体とを含むブロック共重合体を挙げることができ、
直鎖型であっても、ラジアル型、すなわちハードセグメ
ントとソフトセグメントが放射線状に結合したものであ
ってもよい。
【0079】また、共役ジエンを含む重合体が少量のビ
ニル芳香族の単量体とのランダム共重合体であってもよ
く、いわゆるテーパー型ブロック共重合体、すなわち1
つのブロック内でビニル芳香族の単量体が漸増するもの
であってもよい。
【0080】ブロック共重合体の構造については特に制
限はなく、(A−B)n型、(A−B)n−A型または
(A、B)n−C型のいずれであってもよい。これらの
式中、Aはビニル芳香族の単量体の重合体、Bは共役ジ
エンの重合体、Cはカップリング剤残基、nは1以上の
整数を示す。
【0081】なお、このブロック共重合体において、共
役ジエン部分が水素添加されたブロック共重合体を使用
することも可能である。このようなブロック共重合体に
おいて、上記の非極性共役ジエン系共重体のかわりに、
あるいはこれに加えて、前述の非極性α−オレフィン系
重合体を用いてもよく、非極性共役ジエン系重合体はα
−オレフィン単量体を含んでいるものであってもよく、
非極性α−オレフィン系重合体は、共役ジエンの単量体
を含んでいるものであってもよい。ブロック共重合体に
おける各セグメントの量比や好ましい態様についてはグ
ラフト共重合体に準じる。
【0082】本発明の樹脂組成物、好ましくは特定の多
相構造を示す熱可塑性樹脂(特に好ましくはグラフト共
重合体)には、耐熱性を向上させるために、4−メチル
ペンテン−1の単量体を含む非極性α−オレフィン系重
合体を加えることが好ましい。なお、本発明では、4−
メチルペンテン−1の単量体を含む非極性α−オレフィ
ン系重合体が化学的結合をすることなく樹脂組成物に含
有されている場合もありうるが、このような場合には必
ずしもその添加は必要とはされない。ただし、所定の特
性を得るためにさらに添加してもよい。
【0083】このような4−メチルペンテン−1の単量
体を含む非極性α−オレフィン系共重合体における4−
メチルペンテン−1の単量体の割合は50重量%以上で
あることが好ましい。なお、このような非極性α−オレ
フィン系共重体は、共役ジエンの単量体を含むものであ
ってもよい。特に、4−メチルペンテン−1の単量体を
含む非極性α−オレフィン系共重合体としては、4−メ
チルペンテン−1の単量体の単独重合体であるポリ4−
メチルペンテン−1であることが好ましい。
【0084】ポリ4−メチルペンテン−1は、結晶性の
ポリ4−メチルペンテン−1であって、プロピレンの2
量体である4−メチルペンテン−1をチーグラー・ナッ
タ系触媒等を用いて重合されるアイソタクチック・ポリ
4−メチルペンテン−1が好ましい。ポリ4−メチルペ
ンテン−1と特定の多相構造を示す熱可塑性樹脂の割合
は、特に限定はないが、耐熱性および金属との接着性を
満足するために、ポリ4−メチルペンテン−1の割合が
10〜90重量%であることが好ましい。ポリ4−メチ
ルペンテン−1の割合が少ないと半田耐熱性が不足する
傾向がある。またポリ4−メチルペンテン−1の割合が
多くなると金属との密着性が不足する傾向がある。ポリ
4−メチルペンテン−1にかえて、共重合体を使用する
ときの添加量は、これに準じるものとすればよい。
【0085】本発明の樹脂組成物(4−メチルペンテン
−1の単量体を含む非極性α−オレフィン系重合体を加
えたものを含む)の軟化点は200〜260℃であり、
適宜選択して用いることにより、十分な半田耐熱性を得
ることができる。
【0086】本発明の耐熱性低誘電性高分子材料は、前
記樹脂組成物から構成される樹脂材料を熱プレス等によ
り例えば薄膜(フィルム)等の所望形状に成形する方法
等により得ることができるほか、せん断力のある、例え
ばロ−ルミキサ−、バンバリ−ミキサ−、ニ−ダ−、単
軸あるいは二軸の押出成型機等で、他の熱可塑性樹脂と
溶融混合し、所望形状に成形する方法等によっても得る
ことができる。
【0087】本発明の樹脂材料は、フィルムとして、あ
るいはバルク状や所定形状の成形体で、そしてフィルム
状のラミネーションとして、など種々の形態で用いるこ
とができる。従って、本発明のアンテナ装置、即ち携帯
電話の高周波部のシールド筐体の天板部分の一部及び全
部として成形することが可能である。例えば、フィルム
間および/または最外層に銅等の金属導体フィルムであ
る金属導体層を積層し、熱融着することで多層基板を得
ることができる。この場合も金属導体フィルムとの密着
性が良好なものが得られる。この場合のフィルムは成形
等によって50μm以上の厚さのものが得られ、このよ
うな目的では100〜1000μmの厚さとされる。す
なわち、いわゆる基板といえる厚さのものまで含む。
【0088】また、金属導体フィルムとして好ましく使
用される銅箔の厚さは18〜35μmである。そして、
基板全体の厚さは、積層タイプのものも含め、通常、
0.1〜1.6mmである。但し、場合によってはこれ
以上の厚さとされることもあり、10.0mm程度の厚
さで用いられることもある。なお、金属導体層をパター
ン状に形成するときは、金属導体フィルムを所定の形状
にパターン化してから密着してもよい。ただし、積層に
よって金属導体フィルムと電気絶縁フィルムとを密着す
る場合、最外層となる金属導体層はパターン化してから
密着しても、密着してからエッチングによる除去を行っ
てパターン化してもよい。また、金属導体層は真空蒸着
法等によって形成してもよい。
【0089】補強用充填剤含有フィルム中の樹脂材料の
含有量は10〜70重量%が適当である。これにより強
度が十分で、低誘電性を有し、耐熱性のあるフィルムな
いし基板となる。このような含有量は、フィルムを積層
する際、あるいは基板を積層する際に樹脂のりとして樹
脂材料、すなわち樹脂材料自体が熱融着できる量(10
重量%以上)を維持することによって実現されるもので
あってもよい。
【0090】本発明の樹脂材料を所定形状にする成形方
法としては、すでに述べたものもあるが、モールディン
グ法、コンプレッション法、押し出し法などが挙げら
れ、公知の方法に準じ、本発明の樹脂材料の使用目的に
応じ安価に成形できる方法を選択すればよい。
【0091】本発明の耐熱性低誘電性高分子材料の電気
的性能においては、特に周波数帯域が60MHz以上、
特に60MHz〜10GHzの高周波数帯域において、
誘電率(ε)が1以上、特に2.0〜3.0を示し、か
つ誘電損失正接(tanδ)が、0.01以下、通常
0.001〜0.01を有する低誘電性電気絶縁材料を
得ることができ、また電気素子となる補強用充填剤含有
電気絶縁基板にすることによって、基板強度を改善し、
低誘電性電気絶縁基板そのものよりも膨張係数を小さく
し、熱伝導性を向上させることができる。なお、本発明
の高分子材料の絶縁抵抗率は常態における体積抵抗率で
2〜5×1014Ωcm以上である。また、絶縁破壊強度
も強く、15KV/mm以上、特に18〜30KV/m
mと優れた特性を示す。また、本発明の高分子材料は、
耐熱性に優れ、半田付けの際の加熱温度に耐え得る。し
たがって、基板や電子部品のみならず、このような処理
が必要なハウジングやケーシングに使用することが好ま
しい。
【0092】
【実施例】アンテナ装置1の基板2の材料については次
のように作製した。容積5リットルのステンレス製オ−
トクレ−ブに、純水2000gを入れ、さらに懸濁剤と
してポリビニルアルコ−ル2.5gを溶解させた。この
中にスチレンモノマー990gとジビニルベンゼン10
g、重合開始剤としてのベンゾイルペルオキシド5gを
投入・撹拌した。
【0093】次いでオ−トクレ−ブを80〜85℃に上
げ、その温度で7時間維持して重合を完結させ、濾過
後、水洗および乾燥してスチレン−ジビニルベンゼン共
重合体を得た。この樹脂を熱プレス成型機により220
℃で熱プレス成形してアンテナ装置1の基板2を作製し
た。この際基板2の両面に10〜35μm程度の銅箔を
同時にプレスを行って基板表面に銅箔を接着させる。
【0094】上記工程により、両面に銅箔が接着された
基板2に対し、必要箇所にスルーホール電極5、6を形
成するためのドリル等で穴を形成し、その穴に対して銅
メッキを行う。尚、穴開けについて本基板2はガラスク
ロスを含有していないため、パンチングにより穴を形成
することも可能である。その後前記基板2全体に対して
スプレー等でエッチングレジストの塗布を行う。
【0095】次にフォトリソグラフィ技術により板状上
に形成するアンテナ素子パターン3(線状パターン3
a、接地部3bのパターン、給電部3cのパターン等)
の露光、エッチングを行う。尚、必要に応じて、前記導
体パターンに対して樹脂等の保護膜を形成する。但し、
電気的接続が必要な箇所に対しては前記保護膜を除去
し、導体パターンが露出するようにする。
【0096】以上により本実施例のアンテナ装置1は完
成する。尚、この時の基板の比誘電率は1GHz帯にお
いて2.59であり、誘電損失(誘電正接tanδ)は
4.5x10-4であった。また炭素原子と水素原子数の
和の割合は99%以上になっている。強度としてはアイ
ゾット衝撃値で1Kg・cm/cm2が得られており、
260℃の半田耐熱性においても問題がない。
【0097】またアンテナ装置を構成する基板への加工
性についても問題はなく、且つ基板表面に形成する導体
パターン(銅箔)の接着強度も十分強度を有している。
また、本実施例ではアンテナ装置1の基板2に使用した
上記樹脂材料は低誘電率化のためにガラスクロスの等を
内蔵させておらず、そのため基板2の比誘電率を2.5
9程度となっている。これにより、基板2の薄型化が可
能となった。
【0098】しかしながら通常配線基板で使用されるガ
ラスクロスを含んだ基板に比べ強度は問題ないレベルで
あり、基板の熱膨張についても、アンテナ装置の放射効
率及び周波数特性に大きな影響を与えることはなかっ
た。
【0099】(他の実施例)以上実施例について説明し
たが、本発明は次のようにしても実施が可能である。 (1)上記実施例ではマザーボード9に搭載したシール
ド筐体11に対し、アンテナ装置1を装着することとし
たが、予めシールド筐体11にアンテナ装置1を固定し
ておき、これをマザーボード9に搭載するようにしても
よい。この場合、シールド筐体11におけるアンテナ装
置1の端子7に対応する側壁部に切欠や孔を設けてお
き、この切欠や孔に端子7を嵌合あるいは一体成形によ
り固定した構成としてもよい。
【0100】(2)上記実施例ではアンテナ装置1のア
ンテナの構成について逆F型アンテナで示したが、広帯
域化およびアンテナ素子パターン3の小型化のため、例
えば図3(A)に示すように、アンテナ素子パターン3
をほぼL字形に形成したものや、図3(B)に示すよう
に、アンテナ素子パターン3をほぼコ字形に形成したも
のとしてもよく、基本的に線状パターン3aに対し、接
地部3bや給電部3cを有する構成であれば、本発明の
アンテナ装置として適用することができる。
【0101】(3)アンテナ装置の基板材料の他の組成
の組み合わせとして次の構成も可能である。容積5リッ
トルのステンレス製オ−トクレ−ブに、純水2500g
を入れ、さらに懸濁剤としてポリビニルアルコ−ル2.
5gを溶解させる。この中にオレフィン系重合体として
ポリプロピレン「Jアロイ150G」(商品名、日本ポ
リオレフィン(株)製)700gを入れ、撹拌・分散す
る。別にラジカル重合開始剤としてのベンゾイルペルオ
キシド1.5g、ラジカル重合性有機過酸化物としてt
−ブチルペルオキシメタクリロイロキシエチルカ−ボネ
−ト9gを、ビニル芳香族単量体としてスチレン300
g中に溶解させ、この溶液を前記オ−トクレ−ブ中に投
入・撹拌する。次いでオ−トクレ−ブを60〜65℃に
昇温し、2時間撹拌することによりラジカル重合開始剤
およびラジカル重合性有機過酸化物を含むビニル単量体
をポリプロピレン中に含浸させる。次いで、温度を80
〜85℃に上げ、その温度で7時間維持して重合を完結
させ、濾過後、水洗および乾燥してグラフト化前駆体を
得る。次いで、このグラフト化前駆体をラボプラストミ
ル一軸押出機((株)東洋精機製作所製)で200℃に
て押し出し、グラフト化反応させることによりグラフト
共重合体を得る。これを熱プレスして基板を形成する。
【0102】(4)また、アンテナ装置の基板材料の他
の組成の組み合わせとして次の構成も可能である。容積
5リットルのステンレス製オ−トクレ−ブに、純水25
00gを入れ、さらに懸濁剤としてポリビニルアルコ−
ル2.5gを溶解させる。この中にオレフィン系重合体
としてポリプロピレン「Jアロイ150G」(商品名、
日本ポリオレフィン(株)製)800gを入れ、撹拌・
分散した。別にラジカル重合開始剤としてのベンゾイル
ペルオキシド1.5g、ラジカル重合性有機過酸化物と
してt−ブチルペルオキシメタクリロイロキシエチルカ
−ボネ−ト6gを、ジビニルベンゼン100g、ビニル
芳香族単量体としてスチレン100gの混合液に溶解さ
せ、この溶液を前記オ−トクレ−ブ中に投入・撹拌し
た。次いでオ−トクレ−ブを60〜65℃に昇温し、2
時間撹拌することによりラジカル重合開始剤およびラジ
カル重合性有機過酸化物を含むビニル単量体をポリプロ
ピレン中に含浸させる。次いで、温度を80〜85℃に
上げ、その温度で7時間維持して重合を完結させ、水洗
および乾燥してグラフト化前駆体を得る。次いで、この
グラフト化前駆体をラボプラストミル一軸押出機
((株)東洋精機製作所製)で200℃にて押し出し、
グラフト化反応させることによりグラフト共重合体を得
る。これを熱プレスして基板を形成する。
【0103】(5)更に、アンテナ装置1の基板2の材
料の他の組成の組み合わせとして次の構成も可能であ
る。ポリエチレン「G401」1000g(商品名、日
本ポリオレフィン(株)製)にパークミルD(商品名、
日本油脂(株)製)を10gブレンドした後、シリンダ
−温度140℃に設定されたスクリュ−径30mmの同
軸方向二軸押出機に供給し、押出後造粒し、熱架橋性ポ
リエチレン樹脂を得る。これにポリ4−メチルペンテン
−1「TPX RT18」(商品名、三井石油化学工業
(株)製)2700gと前記熱架橋性ポリエチレン樹脂
300gを溶融混合する。溶融混合の方法は、各樹脂を
ドライブレンドした後、シリンダ−温度260℃に設定
されたスクリュ−径30mmの同軸方向二軸押出機に供
給し、押出後造粒し、樹脂を得る。これを熱プレスして
基板を形成する。
【0104】
【発明の効果】請求項1によれば、無線装置の高周波回
路のシールド筐体の側壁部にアンテナ装置を装着したの
で、チップアアンテナに比較し、アンテナ素子が形成さ
れる面の面積が広く確保することができ、空間に対して
電波の放射、受信可能な有効面積が広くなり、従来のチ
ップアンテナに比べ放射効率や受信感度が向上する。
【0105】また、シールド筐体にアンテナ装置の接地
導体が対向するため、アンテナ装置の偏波特性が実装に
よって変化せず、安定した特性が得られる。
【0106】また、従来のチップアンテナに比べ専有面
積的には大型になるが、無線装置の高周波回路のシール
ド筐体の側壁部にアンテナ装置が装着されるため、コン
パクトな実装が可能であり、無線装置の形状を大型化さ
せずにすむ。請求項1ないし6によれば、さらに下記の
効果をあげることができる。
【0107】請求項2によれば、アンテナ装置を、少な
くとも携帯電話機の使用時に上側となる前記シールド筐
体の側壁部に装着したので、携帯電話に一般的に使用さ
れ、ビル等の林立した都市部等においても有効に電波の
送受が可能な垂直偏波面を主体とした送受信機の構成が
可能となる。
【0108】請求項3によれば、誘電体基板上に逆F型
アンテナとなる電極パターンを形成したため、放射効率
および受信感度の向上がよりよく達成される。
【0109】請求項4によれば、マザーボードの人体側
の面の反対側の面にシールド筐体が搭載され、前記アン
テナ素子パターンの接地部がマザーボード側に設けられ
ているので、電波放射の強度が比較的低い接地側が人体
側に位置するため、人体の頭部に放射される電波の強度
が低減される。
【0110】請求項5によれば、誘電体基板の比誘電率
を5以下としたので、基板の面積を広くすることがで
き、シールド筐体の側壁部に装着するための面積を確保
しやすくなる。
【0111】請求項6によれば、基板材料として、ガラ
スクロスを含まず、かつ架橋、ブロック重合またはグラ
フト重合のうちの少なくともいずれかの構造を有するポ
リマーを用いたので、十分な強度でかつ低誘電率の基板
材料が得られ、これにより、前記基板の薄型化が可能と
なる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)は本発明に係るアンテナ装置の一実施の
形態を示すアンテナ素子パターン3の中心を通る線に沿
う断面図、(B)は該アンテナ装置を携帯電話機に装着
した状態を示す斜視図である。
【図2】(A)、(B)はそれぞれ本発明に係るアンテ
ナ装置の斜視図と分解斜視図である。
【図3】(A)、(B)はそれぞれ本発明に係るアンテ
ナ装置の他の実施の形態を示す平面図である。
【図4】(A)は従来のチップアンテナの構造を示す斜
視図、(B)はその携帯電話機への取付け構造を示す斜
視図である。
【符号の説明】
1:アンテナ装置、2:基板、3:アンテナ素子パター
ン、3a:線状パターン、3b:接地部、3c:給電
部、4:接地導体、5、6:スルーホール電極、7:端
子、8:携帯電話機、9:マザーボード、10:携帯電
話機のケース、11:シールド筐体

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】誘電体基板の表面に電波放射乃至受信用の
    アンテナ素子パターンが形成され、裏面の略全面に接地
    導体が設けられ、 前記誘電体基板が、無線装置の高周波回路部に設けられ
    るシールド筐体の側壁部に、前記アンテナ素子パターン
    形成面側を外面側にして装着されることを特徴とするア
    ンテナ装置。
  2. 【請求項2】請求項1記載のアンテナ装置であって、前
    記無線装置が携帯電話機であり、前記アンテナ装置は、
    前記携帯電話機使用時に上側となる前記シールド筐体の
    側壁部に装着されることを特徴とするアンテナ装置。
  3. 【請求項3】請求項1または2記載のアンテナ装置であ
    って、前記アンテナ装置は誘電体基板上に逆F型アンテ
    ナとなる電極パターンを形成したことを特徴とするアン
    テナ装置。
  4. 【請求項4】請求項3記載のアンテナ装置でありかつ携
    帯電話機に使用されるものであって、マザーボードの人
    体側の面と反対側の面にシールド筐体が搭載され、前記
    アンテナ素子パターンの接地部がマザーボード側に設け
    られていることを特徴とするアンテナ装置。
  5. 【請求項5】請求項1から4までのいずれかに記載のア
    ンテナ装置であって、前記誘電体基板の比誘電率を5以
    下としたことを特徴とするアンテナ装置。
  6. 【請求項6】請求項1から5までのいずれかに記載のア
    ンテナ装置であって基板材料として、ガラスクロスを含
    まず、かつ架橋、ブロック重合またはグラフト重合の少
    なくともいずれかの構造を有するポリマーを用いたこと
    を特徴とするアンテナ装置。
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