JP2000001622A - 複合誘電体材料組成物と、これを用いたフィルム、基板、電子部品および成形品 - Google Patents

複合誘電体材料組成物と、これを用いたフィルム、基板、電子部品および成形品

Info

Publication number
JP2000001622A
JP2000001622A JP10943399A JP10943399A JP2000001622A JP 2000001622 A JP2000001622 A JP 2000001622A JP 10943399 A JP10943399 A JP 10943399A JP 10943399 A JP10943399 A JP 10943399A JP 2000001622 A JP2000001622 A JP 2000001622A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
dielectric material
polymer
material composition
composition according
composite dielectric
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP10943399A
Other languages
English (en)
Inventor
Toshiaki Yamada
俊昭 山田
Hiroaki Hasegawa
浩昭 長谷川
Yoshiyuki Yasukawa
芳行 安川
Kenji Endo
謙二 遠藤
Tsunehisa Yamada
倫久 山田
Yasuo Moriya
泰夫 森屋
Tomio Yamada
富穂 山田
Tetsuya Ito
哲哉 伊藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NOF Corp
TDK Corp
Original Assignee
NOF Corp
TDK Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NOF Corp, TDK Corp filed Critical NOF Corp
Priority to JP10943399A priority Critical patent/JP2000001622A/ja
Publication of JP2000001622A publication Critical patent/JP2000001622A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Manufacture Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Graft Or Block Polymers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 高周波数帯域において、比較的広範囲で任意
の比誘電率を設定することが可能で低誘電正接の複合誘
電体材料組成物と、これを用いたフィルム、基板、電子
部品および成形品を提供する。 【解決手段】 重量平均絶対分子量1000以上の樹脂
の1種または2種以上で構成される樹脂組成物であっ
て、その組成物の炭素原子と水素原子の原子数の和が9
9%以上であり、かつ樹脂分子間の一部またはすべてが
相互に化学的結合を有する耐熱性低誘電性高分子材料
と、充填剤とを含有する複合誘電体材料組成物を得、こ
れを用いたフィルム、基板、電子部品、成形品とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、特に高周波領域で
の使用に好適な比誘電率と低誘電正接を有する、複合誘
電体材料組成物と、これを用いたフィルム、基板、電子
部品および成形品に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、通信情報の急増に伴い、通信機の
小型化、軽量化、高速化が強く望まれており、これに対
応できる低誘電性電気絶縁材料が要求されている。特に
自動車電話、デジタル携帯電話等の携帯移動体通信、衛
星通信に使用される電波の周波数帯域はメガからギガH
z帯の高周波帯域のものが使用されている。これらの通
信手段として、使用される通信機器の急速な発展の中
で、匡体および基板、電子素子の小型高密度実装化等が
図られている。このメガからギガHz帯のような高周波
領域に対応した通信機器の小型化、軽量化のためには、
優れた高周波伝送特性と適当な低誘電特性とを合わせ持
つ電気絶縁材料の開発が必要である。すなわち素子回路
内では誘電損失といわれる伝送過程におけるエネルギー
損失が生じる。このエネルギー損失は熱エネルギーとし
て素子回路内に消費され熱として放出されるため好まし
くない。このエネルギー損失は低周波領域においては、
誘電分極によって生じた双極子の電界の変化により生ず
るものであり、高周波領域においてはイオン分極や電子
分極によって生ずるものである。交番電界1サイクル当
たり誘電体中で消費されるエネルギーと誘電体中に蓄え
られるエネルギーの比を誘電正接といい、tanδで表
される。誘電損失は比誘電率εと材料の誘電正接の積に
比例する。従ってtanδは高周波領域では、周波数の
増加に伴って増大する。また、電子素子の高密度実装化
により単位面積当たりの発熱量が多くなるので、絶縁材
料の誘電損失を少しでも小さくするためには、tanδ
の小さい材料を用いる必要がある。誘電損失の小さい低
誘電性高分子材料を用いることで誘電損失および電気抵
抗による発熱が抑制され、その結果信号の誤作動も少な
くなることから、高周波通信分野においては伝送損失
(エネルギーロス)の少ない材料が強く望まれている。
このように電気絶縁性で、低誘電率である等の電気特性
を有する材料として、通常、ポリオレフィン、塩化ビニ
ル樹脂、フッ素系樹脂等の熱可塑性樹脂、不飽和ポリエ
ステル樹脂、ポリイミド樹脂、エポキシ樹脂、ビスマレ
イミドトリアジン樹脂(BTレジン)、架橋性ポリフェ
ニレンオキサイド、硬化性ポリフェニレンエーテル等の
熱硬化性樹脂などが種々提案されている。
【0003】しかしながら、低誘電率の材料として電子
部品(素子)材料に使用する場合、特公昭52−312
72号のようなポリエチレン、ポリプロピレン等のポリ
オレフィンはC−C結合等の共有結合を有し、且つ大き
な極性基を持たないため電気特性としては絶縁抵抗性に
優れているが、耐熱性が低いという欠点がある。このた
め高温下での使用における電気特性(誘電損失、比誘電
率など)が悪化して、コンデンサー等の絶縁膜(層)と
して好適とはいえない。さらにポリエチレンやポリプロ
ピレンは一旦フィルムとして形成させ、これを接着剤を
用いて導電材料に被覆接着しているが、この方法は加工
工程が複雑となるばかりでなくフィルム形成層の厚みを
薄くすることが非常に難しいなど、被覆形成上の問題も
ある。
【0004】塩化ビニル樹脂は絶縁抵抗性が高く、耐薬
品性、難燃性に優れているがポリオレフィンと同様耐熱
性に欠け、誘電損失が大きいという欠点がある。
【0005】フッ化ビニリデン樹脂、トリフルオロエチ
レン樹脂、およびパーフルオロエチレン樹脂のようなフ
ッ素原子を分子鎖中に含有している重合体は、電気特性
(低誘電率、低誘電損失)、耐熱性、化学安定性に優れ
ているが、熱可塑性樹脂のように熱処理加工することに
よって成形物、あるいはフィルム等を得るというような
成形加工性、塗膜形成能に難があり、且つデバイス化を
行う際、かなりのコスト高となる。さらに透明性が低い
ため応用分野が限られているという欠点がある。上記の
ような低誘電性汎用高分子材料は、いずれも許容最高温
度が130℃未満であるため、電気機器絶縁材料として
JIS−C4003に規定される耐熱区分がB種以下で
あり、耐熱性が不十分である。
【0006】一方、比較的耐熱性が良好な樹脂としてエ
ポキシ樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂(PPE)、
不飽和ポリエステル樹脂、フェノール樹脂等の熱硬化性
樹脂が挙げられる。エポキシ樹脂に関しては、特開平6
−192392号にみられるように、絶縁抵抗性、絶縁
破壊強度と耐熱温度においては要求性能を満たしてい
る。しかし、誘電率が3以上と比較的高く、満足される
特性が得られていない。そして薄膜形成能に乏しいとい
った欠点もある。ポリフェニレンオキサイド樹脂(PP
O)と多官能シアン酸エステル樹脂類、さらにこれら樹
脂に他の樹脂を配合し、ラジカル重合開始剤を添加し、
予備反応させてなる硬化可能な変性PPO樹脂組成物が
知られているが、低比誘電率化は充分満足できるレベル
まで至っていない。
【0007】さらに耐熱性の乏しいエポキシ樹脂の改良
目的で、例えばフェノールノボラック樹脂、ビニルトリ
アジン樹脂等の組合せも検討されているが、フィルムと
して力学的特性が著しく低下するという欠点がある。
【0008】そこで、電気特性を維持したまま上記の問
題点、具体的には加熱加工性の改良、銅などの金属導電
体(層)との密着性や接着性の改良を目的として、分岐
シクロ環アモルファスフッ素ポリマー、パーフルオロエ
チレンモノマーと他のモノマーとの共重合体等が提案さ
れているが、比誘電率、誘電損失等の電気特性は満たす
ものの、高分子主鎖に存在するメチレン鎖の影響のため
耐熱性が悪化し、デバイス基板等に対する密着性が良好
なものはまだ得られていない。
【0009】このように誘電性・絶縁抵抗性に優れた低
誘電率材料にさらに求められる性能として、デバイス化
工程のなかに必ず半田付け工程が入るため少なくとも2
60℃で120秒の加熱に耐え得るだけの耐熱性が要求
され、耐熱性、耐アルカリ性等の化学的安定性、および
耐湿性や機械的特性に優れたものでなければならない。
これらの要求を満足する高分子素材はさらに限られ、例
えばポリイミド、ポリエーテルスルホン、ポリフェニレ
ンスルフィド、ポリスルフォン、熱硬化性ポリフェニレ
ンエーテル(PPE)、ポリエチレンテレフタレート等
が知られているにすぎない。これらの高分子は薄膜形成
能を有し、基板に対する密着性はあるが、取り扱い上や
や難がある。
【0010】近年電子技術の多様な発展にともない、上
述のように、電子装置に用いる絶縁材料にも多様な性能
が要求されるようになってきている。特にプリント配線
板は極めて広範囲の用途に使用され基板に対する要求特
性も益々多岐にわたっている。このような状況のもと誘
電特性に関する要求も数多い。
【0011】これまでプリント配線板における高速伝
搬、高特性インピーダンス、配線板の薄型化、クロスト
ークの減少などを目的として低誘電率配線板の開発を行
ってきたが、一方高周波、マイクロウェーブ回路その他
配線板における遅延回路の形成、低インピーダンス回路
における配線板の特性インピーダンスの整合、配線パタ
ーンの細密化、基板自身にコンデンサー効果を持たせた
素子の複合回路化等の要求から高誘電率基板が必要とさ
れている。
【0012】また、近年の情報通信システムが発達に伴
い、自動車電話、デジタル携帯電話等の携帯用移動体通
信、衛星通信に使用される電波の周波数帯域はメガから
ギガ帯の高周波数帯域のものが使用されている。これら
通信手段として使用される通信機器の急速な発展の中
で、筐体や電子部品の小型化・高密度実装化が図られて
いるため、それらに使用されるアンテナにも同等の要求
がなされ、誘電体基板にマイクロストリップラインを構
成させ、高周波アンテナとして用いる平面アンテナが使
用されている。
【0013】平面アンテナは、誘電体基板として比較的
比誘電率(εr)が低いテフロン(εr=2.2〜2.
7/1GHz)やBTレジン(εr=3.3〜3.5/
1GHz)等の材料が用いられてきたが、小型化が困難
であり、熱による変形や温度による比誘電率(εr)の
変化が生じやすいため、高い信頼性が得られ難い。
【0014】したがって、このような用途で使用される
誘電体基板は平面アンテナの小型化を図るため高誘電率
で、低損失な特性を有する必要がある。
【0015】そこで、従来の積層板やプリント配線板用
のフェノール樹脂、エポキシ樹脂等または低誘電率樹脂
であるフッ素樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂等に高
誘電率のセラミックス粉末を添加し、ガラス布もしくは
ガラス不織布に含浸乾燥して得たプリプレグを積層成形
してなる高誘電率の基板が提案されていた。
【0016】ところが、従来の積層板やプリント配線板
用のフェノール樹脂、エポキシ樹脂等の一般の熱硬化性
樹脂に高誘電率の高周波セラミックスを添加しただけで
は誘電正接が低くはならない。
【0017】また、低誘電率樹脂のフッ素樹脂、ポリフ
ェニレンエーテル樹脂等の樹脂に高誘電率の充填剤を添
加した場合は誘電正接は低くはなるが、高誘電率を得る
ために充填剤の添加量が増加してしまい、積層板のドリ
ル加工性、切削加工性の低下および寸法変化が大きくな
る等の問題が生じる。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明の目的
は、高耐熱性と低線膨張率を有し金属導体層との密着性
ないし接着性が良好で、かつ薄膜形成能を兼ね備え、し
かも比誘電率が比較的広範囲に渡って任意に設定するこ
とが可能で、誘電損失が低く絶縁性に優れ、さらには耐
候性、加工性に優れた耐熱性低誘電率性樹脂組成物とこ
れを用いたフィルム、基板、電子部品および成形品を提
供することである。
【0019】
【課題を解決するための手段】このような目的は、下記
(1)〜(19)のいずれかの構成により達成される。 (1) 重量平均絶対分子量1000以上の樹脂の1種
または2種以上で構成される樹脂組成物であって、その
組成物の炭素原子と水素原子の原子数の和が99%以上
であり、かつ樹脂分子間の一部またはすべてが相互に化
学的結合を有する耐熱性低誘電性高分子材料(I)と、
充填剤(II)とを含有する複合誘電体材料組成物。 (2) 耐熱性低誘電性高分子材料の化学的結合が、架
橋、ブロック重合およびグラフト重合から選ばれる1種
以上である上記(1)に記載の複合誘電体材料組成物。 (3) 耐熱性低誘電性高分子材料が、非極性α−オレ
フィン系(共)重合体セグメントおよび/または非極性
共役ジエン系(共)重合体セグメントとビニル芳香族系
(共)重合体セグメントとが化学的結合をした共重合体
であって、一方のセグメントにより形成された分散相が
他方のセグメントより形成された連続相中に微細に分散
している多相構造を示す熱可塑性樹脂である上記(1)
または(2)に記載の複合誘電体材料組成物。 (4) 非極性α−オレフィン系(共)重合体セグメン
トとビニル芳香族系(共)重合体セグメントとが化学的
結合をした共重合体である上記(3)に記載の複合誘電
体材料組成物。 (5) ビニル芳香族系(共)重合体セグメントがジビ
ニルベンゼンの単量体を含むビニル芳香族系共重合体セ
グメントである上記(3)または(4)に記載の複合誘
電体材料組成物。 (6) 非極性α−オレフィン系(共)重合体セグメン
トおよび/または非極性共役ジエン系(共)重合体セグ
メントとビニル芳香族系(共)重合体セグメントとが化
学的結合をした共重合体が、グラフト重合により化学的
に結合した共重合体である上記(4)または(5)に記
載の複合誘電体材料組成物。 (7) 耐熱性低誘電性高分子材料が、さらに4−メチ
ルペンテン−1の単量体を含む非極性α−オレフィン系
(共)重合体を含有する上記(1)〜(6)のいずれか
に記載の複合誘電体材料組成物。 (8) 1MHz以上の高周波帯域で、比誘電率が1.
0以上であり、Q値が100以上である上記(1)〜
(7)のいずれかに記載の複合誘電体材料組成物。 (9) 前記充填剤が、繊維状である上記(1)〜
(8)のいずれかに記載の複合誘電体材料組成物。 (10) 前記充填剤が、非繊維状である上記(1)〜
(8)のいずれかに記載の複合誘電体材料組成物。 (11) 前記充填剤が、高周波セラミックス誘電体材
料である上記(1)〜(10)のいずれかに記載の複合
誘電体材料組成物。 (12) 高周波セラミックス誘電体材料がチタン−バ
リウム−ネオジウム系の材料および/または鉛−カルシ
ウム系の材料であり、高周波セラミックス誘電体材料を
50〜95wt% 含有する上記(11)に記載の複合誘電
体材料組成物。 (13) 上記(1)〜(12)のいずれかに記載の複
合誘電体材料組成物を用いた厚さ20μm 以上のフィル
ム。 (14) 上記(13)に記載のフィルムを積層した基
板。 (15) 上記(1)〜(12)のいずれかに記載の複
合誘電体材料組成物で金属板表面をコーティングした基
板。 (16) 1MHz以上の高周波数帯域で使用される上
記(13)に記載のフィルム。 (17) 1MHz以上の高周波数帯域で使用される上
記(14)または(15)に記載の基板。 (18) 上記(1)〜(12)のいずれかに記載の複
合誘電体材料組成物を用いた1MHz以上の高周波帯域
で使用される電子部品。 (19) 上記(1)〜(12)のいずれかに記載の複
合誘電体材料組成物を所定形状に成形した成形品。
【0020】
【発明の実施の形態】以下に本発明について詳細に説明
する。本発明の複合誘電体材料組成物は、重量平均絶対
分子量が1000以上の1種または2種以上の樹脂で構
成される樹脂組成物であって、炭素原子と水素原子の原
子数の和が99%以上からなり、かつ樹脂分子間の一部
またはすべてが相互に化学的結合している耐熱性低誘電
性高分子材料と、充填剤を含有するものである。このよ
うな構成とすることによって、高周波数帯域において、
比誘電率を広範囲で設定することが可能で、かつ低誘電
正接の良好な電気特性が得られる。これに対し、充填剤
を含有させることなく、耐熱性低誘電性高分子材料のみ
を含有させると、比誘電率の制御範囲が狭くなり、線膨
張係数も大きくなる。また、上記のような重量平均絶対
分子量の樹脂組成物の耐熱性低誘電性高分子材料を用い
るのは、十分な強度、金属との密着性、および耐熱性を
得るためであり、一方炭素と水素の原子数の和を99%
以上とするのは、存在する化学的結合を非極性結合とす
るためであり、これにより低誘電正接が得られやすくな
る。従って、重量平均絶対分子量が1000より小さい
と、機械的物性、耐熱性が不足になり不適である。ま
た、炭素と水素の原子数の和が99%より少ない場合、
特に酸素原子や、窒素原子などの有極性分子を形成する
原子数が1%より多く含まれる場合、特に誘電正接が高
くなるため不適である。
【0021】特に好ましい重量平均絶対分子量は300
0以上、最も好ましくは5000以上である。このとき
の重量平均絶対分子量の上限に特に制限はないが、通常
1000万程度である。
【0022】さらに、耐熱性低誘電性高分子材料につい
て説明する。
【0023】上記高分子材料を構成する樹脂の具体例と
しては、低密度ポリエチレン、超低密度ポリエチレン、
超超低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、低分子
量ポリエチレン、超高分子量ポリエチレン、エチレン−
プロピレン共重合体、ポリプロピレン、ポリブテン、ポ
リ4−メチルペンテン等の非極性α−オレフィンの単独
ないし共重合体[以下、(共)重合体ともいう]、ブタ
ジエン、イソプレン、ペンタジエン、ヘキサジエン、ヘ
プタジエン、オクタジエン、フェニルブタジエン、ジフ
ェニルブタジエン等の共役ジエンの各単量体の(共)重
合体、スチレン、核置換スチレン、例えばメチルスチレ
ン、ジメチルスチレン、エチルスチレン、イソプロピル
スチレン、クロルスチレン、α−置換スチレン、例えば
α−メチルスチレン、α−エチルスチレン、ジビニルベ
ンゼン、ビニルシクロヘキサン等の炭素環含有ビニルの
各単量体の(共)重合体等が挙げられる。
【0024】上記では、非極性α−オレフィンの単量体
同士、共役ジエンの単量体同士、炭素環含有ビニルの単
量体同士の重合体を主に例示したが、例えば非極性α−
オレフィンの単量体と共役ジエンの単量体、非極性α−
オレフィンの単量体と炭素環含有ビニルの単量体のよう
に、異なる化合物種の単量体から得られた共重合体であ
ってもよい。
【0025】このように、これらの(共)重合体、すな
わち樹脂の1種または2種以上により樹脂組成物が構成
されるが、これらの樹脂分子間の一部またはすべてが相
互に化学的結合をしていなければならない。したがっ
て、一部は混合状態であってもよい。このように少なく
とも一部に化学的結合を有することによって耐熱性低誘
電性高分子材料として用いるときの強度、金属との密着
性、耐熱性が十分になる。これに対し、単なる混合で、
化学的結合を有しないときは、耐熱性、機械的物性の観
点から不十分である。
【0026】本発明における化学的結合の形態は特に限
定はないが、架橋構造、ブロック構造、グラフト構造な
どが挙げられる。このような化学的結合を生じさせるに
は公知の方法によればよく、グラフト構造、ブロック構
造の好ましい態様については後述する。架橋構造を生じ
させる具体的方法としては、熱による架橋が好ましく、
このときの温度は50〜300℃程度が好ましい。この
ほか電子線照射による架橋等も挙げられる。
【0027】本発明による化学的結合の有無は架橋度、
グラフト構造においてはグラフト効率等を求めることに
よって確認することができる。また、透過型電子顕微鏡
(TEM)写真や走査型電子顕微鏡(SEM)写真によ
っても確認することができる。例えば、RuO2染色し
た超薄片TEM写真によれば、一方の(共)重合体セグ
メント中に他方の(共)重合体セグメントがほぼ10μ
m 以下、より具体的には、0.01〜10μm の微細粒
子として分散している様子がわかる。これに対し、単な
る混合物(ブレンドポリマー)では、グラフト共重合体
のような両ポリマー同士の相溶性はみられず、分散粒子
の粒径は大きいものとなる。
【0028】本発明に用いる樹脂組成物としては、ま
ず、非極性α−オレフィン系(共)重合体セグメントと
ビニル芳香族系(共)重合体セグメントとが化学的に結
合した共重合体であって、一方のセグメントにより形成
された分散相が他方のセグメントより形成された連続相
中に微細に分散している多相構造を示す熱可塑性樹脂が
好ましいものとして挙げられる。
【0029】上記のような特定の多相構造を示す熱可塑
性樹脂中のセグメントの一つである非極性α−オレフィ
ン系(共)重合体とは、高圧ラジカル重合、中低圧イオ
ン重合等で得られる非極性α−オレフィン単量体の単独
重合体または2種類以上の非極性α−オレフィン単量体
の共重合体でなければならない。極性ビニル単量体との
共重合体は誘電正接が高くなるため不適である。上記重
合体の非極性α−オレフィン単量体としてはエチレン、
プロピレン、ブテン−1、ヘキセン−1、オクテン−
1、4−メチルペンテン−1類が挙げられ、なかでもエ
チレン、プロピレン、ブテン−1、4−メチルペンテン
−1が、得られる非極性α−オレフィン系重合体の比誘
電率が低いため好ましい。
【0030】上記非極性α−オレフィン系(共)重合体
の具体例としては、低密度ポリエチレン、超低密度ポリ
エチレン、超超低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレ
ン、低分子量ポリエチレン、超高分子量ポリエチレン、
エチレン−プロピレン共重合体、ポリプロピレン、ポリ
ブテン、ポリ4−メチルペンテン等が挙げられる。ま
た、これらの非極性α−オレフィン(共)重合体は、単
独で使用することも、2種以上併用することもできる。
【0031】このような非極性α−オレフィン系(共)
重合体の好ましい分子量は重量平均絶対分子量で100
0以上である。この上限には特に制限はないが、100
0万程度である。
【0032】一方、特定の多相構造を示す熱可塑性樹脂
中のセグメントの一つであるであるビニル芳香族系
(共)重合体とは、非極性のものであり、具体的には、
スチレン、核置換スチレン、例えばメチルスチレン、ジ
メチルスチレン、エチルスチレン、イソプロピルスチレ
ン、クロルスチレン、α−置換スチレン、例えばα−メ
チルスチレン、α−エチルスチレン、o−,m−,p−
ジビニルベンゼン(好ましくはm−,p−ジビニルベン
ゼン、特に好ましくはp−ジビニルベンゼン)等の各単
量体の(共)重合体である。このように非極性のものと
するのは、極性官能基を持った単量体を共重合で導入す
ると、誘電正接が高くなるため不適であるからである。
ビニル芳香族系重合体は単独で使用することも、2種以
上併用することもできる。
【0033】なかでもビニル芳香族系(共)重合体は、
ジビニルベンゼンの単量体を含むビニル芳香族共重合体
が耐熱性を向上させる上で好ましい。ジビニルベンゼン
を含むビニル芳香族共重合体とは、具体的には、スチレ
ン、核置換スチレン、例えばメチルスチレン、ジメチル
スチレン、エチルスチレン、イソプロピルスチレン、ク
ロルスチレン、α−置換スチレン、例えばα−メチルス
チレン、α−エチルスチレン等の各単量体とジビニルベ
ンゼンの単量体の共重合体である。
【0034】ジビニルベンゼンの単量体と、これ以外の
上記のようなビニル芳香族の単量体との割合は特に限定
はないが、半田耐熱性を満足するために、ジビニルベン
ゼンの単量体の割合が1重量%以上含まれていることが
好ましい。ジビニルベンゼンの単量体は100重量%で
もかまわないが、合成上の問題から上限は90重量%が
好ましい。
【0035】このような一方のセグメントであるビニル
芳香族系(共)重合体の分子量は、重量平均絶対分子量
で1000以上であることが好ましい。この上限には特
に制限はないが、1000万程度である。
【0036】本発明に用いる特定の多相構造を示す熱可
塑性樹脂は、非極性α−オレフィン系(共)重合体セグ
メントが5〜95重量%、好ましくは40〜90重量
%、最も好ましくは50〜80重量%からなるものであ
る。したがって、ビニル系(共)重合体セグメントは9
5〜5重量%、好ましくは60〜10重量%、最も好ま
しくは50〜20重量%である。
【0037】非極性α−オレフィン系(共)重合体セグ
メントが少なくなると、成形物が脆くなるため好ましく
ない。また、非極性α−オレフィン系(共)重合体セグ
メントが多くなると、金属との密着性が低く好ましくな
い。
【0038】このような熱可塑性樹脂の重量平均絶対分
子量は1000以上である。この上限には特に制限はな
いが、成形性の点から1000万程度である。
【0039】非極性α−オレフィン系(共)重合体セグ
メントとビニル芳香族系(共)重合体セグメントとが化
学的に結合した構造の共重合体としては具体的には、ブ
ロック共重合体やグラフト共重合体を例示することがで
きる。なかでも製造の容易さからグラフト共重合体が特
に好ましい。なお、これらの共重合体にはブロック共重
合体、グラフト共重合体等の特徴を逸脱しない範囲で、
オレフィン系(共)重合体やビニル系(共)重合体が含
まれていてもかまわない。
【0040】本発明に用いる特定の多相構造を示す熱可
塑性樹脂を製造する方法は、グラフト化法として一般に
よく知られている連鎖移動法、電離性放射線照射法等い
ずれの方法によってもよいが、最も好ましいのは、下記
に示す方法によるものである。なぜならグラフト効率が
高く熱による二次的凝集が起こらないため、性能の発現
がより効果的であり、また製造方法が簡便であるためで
ある。
【0041】以下、本発明に用いる特定の多相構造を示
す熱可塑性樹脂であるグラフト共重合体の製造方法を具
体的に詳述する。すなわち、非極性α−オレフィン系
(共)重合体100重量部を水に懸濁させて、別にビニ
ル芳香族系単量体5〜400重量部に、下記一般式
(1)または(2)で表されるラジカル重合性有機過酸
化物の1種または2種以上の混合物を上記ビニル単量体
100重量部に対して0.1〜10重量部と、10時間
の半減期を得るための分解温度が40〜90℃であるラ
ジカル重合開始剤をビニル単量体とラジカル重合性有機
過酸化物との合計100重量部に対して0.01〜5重
量部とを溶解させた溶液を加え、ラジカル重合開始剤の
分解が実質的に起こらない条件で加熱し、ビニル単量
体、ラジカル重合性有機過酸化物およびラジカル重合開
始剤を非極性α−オレフィン系(共)重合体に含浸させ
て、この水性懸濁液の温度を上昇させ、ビニル単量体と
ラジカル重合性有機過酸化物とを非極性α−オレフィン
系(共)重合体中で共重合させて、グラフト化前駆体を
得る。
【0042】ついでグラフト化前駆体を100〜300
℃の溶融下、混練することにより、本発明のグラフト共
重合体を得ることができる。このとき、グラフト化前駆
体に、別にオレフィン系(共)重合体またはビニル系
(共)重合体を混合し、溶融下に混練してもグラフト共
重合体を得ることができる。最も好ましいのはグラフト
化前駆体を混練して得られたグラフト共重合体である。
【0043】
【化1】
【0044】一般式(1)中、R1は水素原子または炭
素数1〜2のアルキル基を示し、R2は水素原子または
メチル基を示し、R3およびR4はそれぞれ炭素数1〜4
のアルキル基を示し、R5は炭素数1〜12のアルキル
基、フェニル基、アルキル置換フェニル基または炭素数
3〜12のシクロアルキル基を示す。m1は1または2
である。
【0045】
【化2】
【0046】一般式(2)中、R6は水素原子または炭
素数1〜4のアルキル基を示し、R7は水素原子または
メチル基を示し、R8およびR9はそれぞれ炭素数1〜4
のアルキル基を示し、R10は炭素数1〜12のアルキル
基、フェニル基、アルキル置換フェニル基または炭素数
3〜12のシクロアルキル基を示す。m2は0、1また
は2である。
【0047】一般式(1)で表されるラジカル重合性有
機過酸化物として、具体的には、t−ブチルペルオキシ
アクリロイロキシエチルカ−ボネ−ト;t−アミルペル
オキシアクリロイロキシエチルカ−ボネ−ト;t−ヘキ
シルペルオキシアクリロイロキシエチルカ−ボネ−ト;
1,1,3,3−テトラメチルブチルペルオキシアクリ
ロイロキシエチルカ−ボネ−ト;クミルペルオキシアク
リロイロキシエチルカ−ボネ−ト;p−イソプロピルク
ミルペルオキシアクリロイロキシエチルカ−ボネ−ト;
t−ブチルペルオキシメタクリロイロキシエチルカ−ボ
ネ−ト;t−アミルペルオキシメタクリロイロキシエチ
ルカ−ボネ−ト;t−ヘキシルペルオキシメタクリロイ
ロキシエチルカ−ボネ−ト;1,1,3,3−テトラメ
チルブチルペルオキシメタクリロイロキシエチルカ−ボ
ネ−ト;クミルペルオキシメタクリロイロキシエチルカ
−ボネ−ト;p−イソプロピルクミルペルオキシメタク
リロイロキシエチルカ−ボネ−ト;t−ブチルペルオキ
シメタクリロイロキシエチルカ−ボネ−ボネ−ト;t−
アミルペルオキシアクリロイロキシエトキシエチルカ−
ボネ−ト;t−ヘキシルペルオキシアクリロイロキシエ
トキシエチルカ−ボネ−ト;1,1,3,3−テトラメ
チルブチルペルオキシアクリロイロキシエトキシエチル
カ−ボネ−ト;クミルペルオキシアクリロイロキシエト
キシエチルカ−ボネ−ト;p−イソプロピルクミルペル
オキシアクリロイロキシエトキシエチルカ−ボネ−ト;
t−ブチルペルオキシメタクリロイロキシエトキシエチ
ルカ−ボネ−ト;t−アミルペルオキシメタクリロイロ
キシエトキシエチルカ−ボネ−ト;t−ヘキシルペルオ
キシメタクリロイロキシエトキシエチルカ−ボネ−ト;
1,1,3,3−テトラメチルブチルペルオキシメタク
リロイロキシエトキシエチルカ−ボネ−ト;クミルペル
オキシメタクリロイロキシエトキシエチルカ−ボネ−
ト;p−イソプロピルクミルペルオキシメタクリロイロ
キシエトキシエチルカ−ボネ−ト;t−ブチルペルオキ
シアクリロイロキシイソプロピルカ−ボネ−ト;t−ア
ミルペルオキシアクリロイロキシイソプロピルカ−ボネ
−ト;t−ヘキシルペルオキシアクリロイロキシイソプ
ロピルカ−ボネ−ト;1,1,3,3−テトラメチルブ
チルペルオキシアクリロイロキシイソプロピルカ−ボネ
−ト;クミルペルオキシアクリロイロキシイソプロピル
カ−ボネ−ト;p−イソプロピルクミルペルオキシアク
リロイロキシイソプロピルカ−ボネ−ト;t−ブチルペ
ルオキシメタクリロイロキシイソプロピルカ−ボネ−
ト;t−アミルペルオキシメタクリロイロキシイソプロ
ピルカ−ボネ−ト;t−ヘキシルペルオキシメタクリロ
イロキシイソプロピルカ−ボネ−ト;1,1,3,3−
テトラメチルブチルペルオキシメタクリロイロキシイソ
プロピルカ−ボネ−ト;クミルペルオキシメタクリロイ
ロキシイソプロピルカ−ボネ−ト;p−イソプロピルク
ミルペルオキシメタクリロイロキシイソプロピルカ−ボ
ネ−ト等を例示することができる。
【0048】さらに、一般式(2)で表される化合物と
しては、t−ブチルペルオキシアリルカ−ボネ−ト;t
−アミルペルオキシアリルカ−ボネ−ト;t−ヘキシル
ペルオキシアリルカ−ボネ−ト;1,1,3,3−テト
ラメチルブチルペルオキシアリルカ−ボネ−ト;p−メ
ンタンペルオキシアリルカ−ボネ−ト;クミルペルオキ
シアリルカ−ボネ−ト;t−ブチルペルオキシメタリル
カ−ボネ−ト;t−アミルペルオキシメタリルカ−ボネ
−ト;t−ヘキシルペルオキシメタリルカ−ボネ−ト;
1,1,3,3−テトラメチルブチルペルオキシメタリ
ルカ−ボネ−ト;p−メンタンペルオキシメタリルカ−
ボネ−ト;クミルペルオキシメタリルカ−ボネ−ト;t
−ブチルペルオキシアリロキシエチルカ−ボネ−ト;t
−アミルペルオキシアリロキシエチルカ−ボネ−ト;t
−ヘキシルペルオキシアリロキシエチルカ−ボネ−ト;
t−ブチルペルオキシメタリロキシエチルカ−ボネ−
ト;t−アミルペルキシメタリロキシエチルカ−ボネ−
ト;t−ヘキシルペルオキシメタリロキシエチルカ−ボ
ネ−ト;t−ブチルペルオキシアリロキシイソプロピル
カ−ボネ−ト;t−アミルペルオキシアリロキシイソプ
ロピルカ−ボネ−ト;t−ヘキシルペルオキシアリロキ
シイソプロピルカ−ボネ−ト;t−ブチルペルオキシメ
タリロキシイソプロピルカ−ボネ−ト;t−アミルペル
オキシメタリロキシイソプロピルカ−ボネ−ト;t−ヘ
キシルペルオキシメタリロキシイソプロピルカ−ボネ−
ト等を例示することができる。
【0049】中でも好ましくは、t−ブチルペルオキシ
アクリロイロキシエチルカ−ボネ−ト;t−ブチルペル
オキシメタクリロイロキシエチルカ−ボネ−ト;t−ブ
チルペルオキシアリルカ−ボネ−ト;t−ブチルペルオ
キシメタリルカ−ボネ−トである。
【0050】このようにして得られるグラフト共重合体
のグラフト効率は20〜100重量%である。グラフト
効率はグラフト化していない重合体の溶媒抽出を行い、
その割合から求めることができる。
【0051】本発明に用いる特定の多相構造を示す熱可
塑性樹脂としては、上記の非極性α−オレフィン系
(共)重合体セグメントとビニル系(共)重合体セグメ
ントとのグラフト共重合体が好ましいが、このようなグ
ラフト共重合体において、非極性α−オレフィン系
(共)重合体セグメントのかわりに、あるいはこれに加
えて非極性共役ジエン系(共)重合体セグメントを用い
たものであってもよい。非極性共役ジエン系(共)重合
体としては、前述のものを用いることができ、単独で使
用しても2種類以上を併用してもよい。
【0052】なお、以上のグラフト共重合体における非
極性α−オレフィン系(共)重合体には共役ジエン単量
体が含まれていてもよく、非極性共役ジエン系(共)重
合体にはα−オレフィンの単量体が含まれていてもよ
い。
【0053】また、本発明では、得られたグラフト共重
合体にさらにジビニルベンゼン等を用いて架橋すること
もできる。特に、ジビニルベンゼンの単量体を含まない
グラフト共重合体において、耐熱性向上の観点から好ま
しい。
【0054】一方、本発明に用いる特定の多相構造を示
す熱可塑性樹脂としては、ブロック共重合体であっても
よく、ブロック共重合体としては、少なくとも1つのビ
ニル芳香族単量体の(共)重合体と、少なくとも1つの
共役ジエンの(共)重合体とを含むブロック共重合体を
挙げることができ、直鎖型であっても、ラジアル型、す
なわちハードセグメントとソフトセグメントが放射状に
結合したものであってもよい。また、共役ジエンを含む
(共)重合体が少量のビニル芳香族の単量体とのランダ
ム共重合体であってもよく、いわゆるテーパー型ブロッ
ク共重合体、すなわち1つのブロック内でビニル芳香族
の単量体が漸増するものであってもよい。
【0055】ブロック共重合体の構造については特に制
限はなく、(A−B)n型、(A−B)n−A型または
(A、B)n−C型のいずれであってもよい。式中、A
はビニル芳香族の単量体の(共)重合体、Bは共役ジエ
ンの(共)重合体、Cはカップリング剤残基、nは1以
上の整数を示す。なお、このブロック共重合体におい
て、共役ジエン部分が水素添加されたブロック共重合体
を使用することも可能である。
【0056】このようなブロック共重合体において、上
記の非極性共役ジエン系(共)重合体の代わりに、ある
いはこれに加えて、前述の非極性α−オレフィン系
(共)重合体を用いてもよく、非極性共役ジエン系
(共)重合体はα−オレフィン単量体を含んでいるもの
であってもよく、非極性α−オレフィン系(共)重合体
は、共役ジエンの単量体を含んでいるものであってもよ
い。ブロック共重合体における各セグメントの量比や好
ましい態様についてはグラフト共重合体に準じる。
【0057】本発明に用いる高分子材料、好ましくは特
定の多相構造を示す熱可塑性樹脂(特に好ましくはグラ
フト共重合体)には、耐熱性を向上させるために、4−
メチルペンテン−1の単量体を含む非極性α−オレフィ
ン系(共)重合体を加えることが好ましい。なお、本発
明では、4−メチルペンテン−1の単量体を含む非極性
α−オレフィン系(共)重合体が化学的結合をすること
なく高分子材料に含有されている場合もありうるが、こ
のような場合には必ずしもその添加は必要とはされな
い。ただし、所定の特性を得るためにさらに添加しても
よい。
【0058】このような4−メチルペンテン−1の単量
体を含む非極性α−オレフィン系(共)重合体における
4−メチルペンテン−1の単量体の割合は50重量%以
上であることが好ましい。なお、このような非極性α−
オレフィン系(共)重合体は、共役ジエンの単量体を含
むものであってもよい。
【0059】特に、4−メチルペンテン−1の単量体を
含む非極性α−オレフィン系(共)重合体としては、4
−メチルペンテン−1の単量体の単独重合体であるポリ
4−メチルペンテン−1であることが好ましい。
【0060】ポリ4−メチルペンテン−1は、結晶性の
ポリ4−メチルペンテン−1であって、プロピレンの2
量体である4−メチルペンテン−1をチーグラー・ナッ
タ系触媒等を用いて重合されるアイソタクチック・ポリ
4−メチルペンテン−1が好ましい。
【0061】ポリ4−メチルペンテン−1と特定の多相
構造を示す熱可塑性樹脂の割合は、特に限定はないが、
耐熱性および金属との接着性を満足するために、ポリ4
−メチルペンテン−1の割合が10〜90重量%である
ことが好ましい。ポリ4−メチルペンテン−1の割合が
少ないと半田耐熱性が不足する傾向がある。またポリ4
−メチルペンテン−1の割合が多くなると金属との密着
性が不足する傾向がある。ポリ4−メチルペンテン−1
にかえて、共重合体を使用するときの添加量は、これに
準じるものとすればよい。
【0062】本発明の樹脂組成物(4−メチルペンテン
−1の単量体を含む非極性α−オレフィン系(共)重合
体を加えたものを含む)の軟化点は200〜260℃で
あり、適宜選択して用いることにより、十分な半田耐熱
性を得ることができる。
【0063】本発明に用いる耐熱性低誘電性高分子材料
の電気的性能は、特に周波数帯域が60MHz 以上、特に
60MHz 〜10GHz の高周波数帯域において、比誘電率
(ε)が1以上、特に2.0〜3.0を示し、かつ誘電
損失正接(tanδ)が、0.01以下、通常0.00
05〜0.01である。
【0064】なお、本発明に用いる高分子材料の絶縁抵
抗率は常態における体積抵抗率で2〜5×1014Ωcm
以上である。また、絶縁破壊強度も強く、15KV/mm 以
上、特に18〜30KV/mm とすぐれた特性を示す。さら
には耐熱性にも優れる。
【0065】これらの高分子材料は1種だけ用いてもよ
く、2種以上併用してもよい。また、これらの高分子材
料は、主に造粒物として用いられる。
【0066】本発明で用いる充填剤(II)は、繊維状ま
たは粉状、板状あるいは粒状などの非繊維状の充填剤を
挙げることができる。これらの例としては、ガラス繊
維、アルミナ繊維、硼酸アルミニウム繊維、セラミック
繊維、炭化珪素繊維、アスベスト繊維、石膏繊維、黄銅
繊維、ステンレス繊維、スチール繊維、金属繊維、ホウ
酸マグネシウムウィスカまたはその繊維、チタン酸カリ
ウムウィスカまたはその繊維、酸化亜鉛ウィスカ、ボロ
ンウィスカ繊維等の無機繊維および炭素繊維、芳香族ポ
リアミド繊維、アラミド繊維、ポリイミド繊維などの繊
維状充填剤が挙げられる。また、非繊維状としては、ワ
ラステナイト、セリサイト、カオリン、マイカ、クレ
ー、ベントナイト、アスベスト、タルク、アルミナシリ
ケート、パイロフィライト、モンモリロナイト等の珪酸
塩、二硫化モリブデン、アルミナ、塩化珪素、酸化ジル
コニウム、酸化鉄、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウ
ム、ドロマイトなどの炭酸塩、硫酸カルシウム、硫酸バ
リウムなどの硫酸塩、ポリリン酸カルシウム、グラファ
イト、ガラスビーズ、ガラスマイクロバルーン、ガラス
フレーク、窒化ホウ素、炭化珪素およびシリカなどの粉
状、板状、あるいは粒状の充填剤などが挙げられ、これ
らは中空であってもよい。また、充填剤としてセラミッ
ク誘電体材料を用いてもよい。
【0067】これらの充填剤は、1種だけ用いてもよ
く、2種類以上併用することが可能であり、必要により
シラン系ならびにチタン系カップリング剤で予備処理し
て使用することができる。
【0068】本発明に用いる特に好ましい充填剤は、ガ
ラス繊維とセラミックス誘電体材料である。低誘電率の
複合誘電体材料を必要とする場合は、ガラス繊維を使用
し、高誘電率の複合誘電体材料を必要とする場合には、
セラミックス誘電体材料を使用すると目的とする良好な
電気特性が得られる。
【0069】ガラス繊維の種類は、一般に樹脂の強化用
に用いられるものなら特に限定はなく、例えば長繊維タ
イプや短繊維タイプのチョップドストランド、チョップ
ドストランドマット、連続長繊維マット、織物、編物等
の布帛状ガラス、ミルドファイバーなどから選択して用
いることができる。
【0070】セラミックス誘電体材料の種類は、具体的
には、チタン−バリウム−ネオジウム系複合酸化物、鉛
−カルシウム系複合酸化物、二酸化チタン系セラミック
ス、チタン酸バリウム系セラミックス、チタン酸鉛系セ
ラミックス、チタン酸ストロンチウム系セラミックス、
チタン酸カルシウム系セラミックス、チタン酸ビスマス
系セラミックス、チタン酸マグネシウム系セラミック
ス、ジルコン酸鉛系セラミックスなどのいわゆるセラミ
ックス誘電体材料、さらに、CaWO4系セラミック
ス、Ba(Mg,Nb)O3系セラミックス、Ba(M
g,Ta)O3系セラミックス、Ba(Co,Mg,N
b)O3系セラミックス、Ba(Co,Mg,Ta)O3
系セラミックスなどが挙げられる。特に、チタン−バリ
ウム−ネオジウム系および鉛−カルシウム系の材料が好
ましい。
【0071】なお、前記二酸化チタン系セラミックスと
は、組成的には二酸化チタンのみを含む系、または二酸
化チタンに他の少量の添加物を含む系であって、主成分
である二酸化チタンの結晶構造が保持されているもので
ある。他の系のセラミックスもこれと同様である。二酸
化チタンはTiO2で示される物質で、種々の結晶構造
をとりうるものであるが、セラミックス誘電体として使
用されるのは、その中のルチル構造のものである。
【0072】このようなセラミックス誘電体材料は公知
の方法により焼成して得られたものであり、その焼成条
件にも特に制限はないが、焼成温度としては850〜1
400℃であることが好ましい。
【0073】セラミックス誘電体材料の粒子径は、1μ
m 径から200μm 径までの範囲に分布しているのが特
性上好ましく、その平均粒子径は90〜150μm であ
ることが好ましい。セラミックス誘電体材料の粒子径が
大きすぎると、高分子誘電体材料内への均一な分散・混
合が困難となる。一方、粒子径が小さすぎると、セラミ
ックス誘電体材料と高分子材料との混合ができなくなっ
たり、セラミックス誘電体材料の粒子が凝集して不均一
な混合体となるなど、取り扱いが困難となる。
【0074】充填剤(II)の複合誘電体材料組成物中の
含有量は、1〜95wt%の範囲であることが好ましい。
より好ましくは10〜90wt%、最も好ましくは20〜
90wt%である。なお、充填剤としてセラミック誘電体
を用いる場合、複合誘電体材料組成物中の含有量は50
〜95wt%とすることが好ましい。このような含有量と
することで目的とする比誘電率と低誘電正接が得られ、
耐熱性、線膨張率、機械的物性および金属との密着性等
のバランスに優れた樹脂組成物が得られやすくなる。こ
れに対し、充填剤(II)の含有量が少なくなると線膨張
率が大きくなりやすくなる。また、充填剤(II)の含有
量が多くなると、機械的物性が低下し、成形性も悪くな
る。
【0075】本発明において耐熱性低誘電性高分子材料
(I)と充填剤(II)の混合方法は、特に制限はない
が、具体的方法としては下記(1)〜(5)の方法が挙
げられる。 (1) 高分子材料(I)と充填剤(II)とを所定量配
合し、加熱機能と混練機能を備えたバンバリーミキサ
ー、加熱ニーダー、ロール、一軸もしくは二軸スクリュ
ー押出機を用いて溶融混練する方法。 (2) 充填剤(II)を高分子材料シートに挟んだもの
を加熱した金型に供給して圧縮賦形した後、冷却して成
形品を取り出す方法。 (3) ガラスチョップドファイバーマット、ガラス連
続長繊維マット、ガラス織物、編物等の布帛状充填剤に
高分子材料粉末を所定量均一に散布したものを金型に供
給し、上記(2)法と同様に賦形加工する方法。 (4) (3)法と同様の布帛状充填剤と高分子材料シ
ートとを数枚重ね合わせたものを金型に供給し、上記
(2)法と同様に賦形加工する方法。 (5) (1)、(2)、(3)、(4)法と同様の充
填剤と高分子材料の混合物または積層物を一対の金属ベ
ルト間に導き、圧力を加えながら連続的に加熱、冷却し
て高分子材料と充填剤を複合した成形品を得る方法。中
でも、二軸スクリュー押出機を用いて、メインホッパー
より高分子材料(I)を供給し、溶融混練中のものに、
充填剤(II)を投入し、さらに混練する方法が好まし
い。
【0076】本発明の複合誘電体材料組成物から使用形
態の複合誘電体材料を得るには、射出成形や熱プレス等
により例えば薄膜(フィルム)等の所望形状に成形する
方法等により得ることができるほか、せん断力のある、
例えばロ−ルミキサ−、バンバリ−ミキサ−、ニ−ダ
−、単軸あるいは二軸の押出成型機等で、他の熱可塑性
樹脂と溶融混合し、所望形状に成形する方法等によって
も得ることができる。
【0077】本発明の複合誘電体材料組成物は、フィル
ムとして、あるいはバルク状や所定形状の成形体で、そ
してフィルム状のラミネーションとして、など種々の形
態で用いることができる。したがって高周波用の電子機
器や電子部品(共振器、フィルタ、コンデンサ、インダ
クタ、アンテナ等)の各種基板、チップ部品としてのフ
ィルタ(例えば多層基板であるCフィルタ)や共振器
(例えばトリプレート型共振器)、あるいは誘電体共振
器等の支持台、さらには各種基板ないし電子部品のハウ
ジング(例えばアンテナ棒ハウジング)、ケーシング、
あるいは電子部品やそのハウジングやケーシング等に用
いることができる。
【0078】基板としては従来のガラエポ基板の代替品
としての用途が期待され、具体的には部品搭載用オンボ
ード基板、Cu張積層板およびメタルベース/メタルコ
ア基板等が挙げられる。さらには回路内蔵基板、アンテ
ナ基板(パッチアンテナ等)にも用いることができる。
また、放熱処理を必要とし、100MHz以上の高周波数
帯域用であるが、CPU用オンボード基板にも用いるこ
とができる。
【0079】例えば、フィルム間および/または最外層
に銅等の金属導体フィルムである金属導体層を積層し、
熱融着することで多層基板を得ることができる。この場
合も金属導体フィルムとの密着性が良好なものが得られ
る。この場合のフィルムは成形等によって50μm 以上
の厚さのものが得られ、このような目的では100〜1
000μm の厚さとされる。すなわち、いわゆる基板と
いえる厚さのものまで含む。また、金属導体フィルムと
して好ましく使用される銅箔の厚さは18〜35μm で
ある。そして、基板全体の厚さは、積層タイプのものも
含め、通常、0.1〜1.6mmである。但し、場合によ
ってはこれ以上の厚さとされることもあり、10.0mm
程度の厚さで用いられることもある。
【0080】また、鉄、アルミニウム、銅等の金属板の
表面に粉体状あるいはフィルム状の樹脂組成物を熱融着
によりコーティングし、さらに最外層に銅等の金属導体
フィルムである金属導体層を積層し、熱融着することで
メタルベース/メタルコア基板を得ることができる。こ
の場合の樹脂組成物層の厚さは、通常40〜500μm
程度である。また、金属板の厚さは通常0.3〜1.5
mm程度である。そして、基板全体の厚さは、通常、
0.3mm〜1.6mm程度である。ただし、場合によ
ってはこれ以上の厚さとされることもある。
【0081】なお、金属導体層をパターン状に形成する
ときは、金属導体フィルムを所定の形状にパターン化し
てから密着してもよい。ただし、積層によって金属導体
フィルムと電気絶縁フィルムとを密着する場合、最外層
となる金属導体層はパターン化してから密着しても、密
着してからエッチングによる除去を行ってパターン化し
てもよい。
【0082】また、金属導体層は真空蒸着法、電解、無
電解メッキ法等によって形成してもよい。本発明の耐熱
性低誘電性樹脂組成物には、本発明の効果を損なわない
範囲において、酸化防止剤、熱安定剤、滑剤、可塑剤、
結晶核剤、紫外線防止剤、着色剤、難燃剤などの通常の
添加剤を添加することができる。また、同様に四フッ化
ポリエチレン、ポリアミド、ポリエーテルイミド、ポリ
アミドイミド、ポリイミド、ポリカーボネート、ポリエ
ーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、液晶ポリ
マー、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ABS樹脂、ポ
リエステル、ジビニルベンジル樹脂、ポリアミドエラス
トマー、ポリエステルエラストマー、ポリウレタンエラ
ストマー等の樹脂を含んでいても良い。
【0083】本発明の複合誘電体材料組成物を所定形状
にする成形方法としては、すでに述べたものもあるが、
モールディング法、コンプレッション法、押し出し法な
どが挙げられ、公知の方法に準じ、使用目的に応じ安価
に成形できる方法を選択すればよい。
【0084】本発明の複合誘電体材料組成物は1MHz
以上の高周波数帯域での使用が好ましい。
【0085】本発明の複合誘電体材料組成物は、周波数
帯域が1MHz以上、特に60MHz〜10GHzの高
周波数帯域において、比誘電率(ε)が1以上であり、
かつ誘電正接(tanδ)が0.01以下であり、Q値が
100以上、特に100〜3000である。従って低誘
電正接の電気絶縁材料としての使用に適する。また充填
剤を含有するため、機械的物性が十分であり、線膨張率
も小さく、熱伝導性の点でも改善される。また、絶縁抵
抗率は常態における体積抵抗率で1013〜1014Ω
cm以上であり、また絶縁破壊強度の点も十分である。さ
らには耐熱性に優れ、耐熱性低誘電性高分子材料(I)
や充填剤(II)の原料を選択することによって、耐熱性
をさらに向上させることも可能であり、半田付けの際の
加熱温度に耐え得る。又、比誘電率を比較的広範囲で任
意の値に設定することが可能である。従って、基板や電
子部品のみならず、このような処理が必要なハウジング
やケーシングに使用することが好ましい。
【0086】
【実施例】以下本発明を実施例によりさらに詳しく説明
する。まず、実施例に用いた高分子材料の合成例を示
す。
【0087】(合成例1)容積5リットルのステンレス
製オ−トクレ−ブに、純水2500gを入れ、さらに懸
濁剤としてポリビニルアルコ−ル2.5gを溶解させ
た。この中にオレフィン系重合体としてポリプロピレン
「Jアロイ150G」(商品名、日本ポリオレフィン
(株)製)700gを入れ、攪はん・分散した。別にラ
ジカル重合開始剤としてのベンゾイルペルオキシド1.
5g、ラジカル重合性有機過酸化物としてt−ブチルペ
ルオキシメタクリロイロキシエチルカ−ボネ−ト9g
を、ビニル芳香族単量体としてスチレン300g中に溶
解させ、この溶液を前記オ−トクレ−ブ中に投入・攪は
んした。次いでオ−トクレ−ブを60〜65℃に昇温
し、2時間攪はんすることによりラジカル重合開始剤お
よびラジカル重合性有機過酸化物を含むビニル単量体を
ポリプロピレン中に含浸させた。次いで、温度を80〜
85℃に上げ、その温度で7時間維持して重合を完結さ
せ、濾過後、水洗および乾燥してグラフト化前駆体
(a)を得た。
【0088】次いで、このグラフト化前駆体(a)をラ
ボプラストミル一軸押出機((株)東洋精機製作所製)
で200℃にて押し出し、グラフト化反応させることに
よりグラフト共重合体(A)を得た。
【0089】このグラフト共重合体(A)を熱分解ガス
クロマトグラフィーによって分析したところ、ポリプロ
ピレン(PP):スチレン(St)の重量割合は70:
30であった。
【0090】なおこのとき、スチレン重合体セグメント
のグラフト効率は50.1重量%であった。グラフト効
率は、ソツクスレー抽出器で酢酸エチルにより、グラフ
ト化していないスチレン重合体を抽出し、この割合を求
めることによって算出した。
【0091】分子量は、高温GPC(ウオーターズ
(株)製)を用いて重量平均絶対分子量を測定した。こ
の樹脂の炭素と水素の含有量は元素分析法で定量した。
【0092】この樹脂粒子を熱プレス成型機(上島機械
(株)製)により220℃で熱プレス成形して10cm×
10cm×0.1cmの電気絶縁材料試験片を作製した。ま
た、アイゾット衝撃試験片、および半田耐熱性試験片と
して射出成型機で、13mm×130mm×6mmの試験片を
作成した。得られた試験片を用いて以下の測定を行い、
体積抵抗率、絶縁破壊強さ、比誘電率、誘電正接、半田
耐熱性、アイゾット衝撃強度および金属との接着性の評
価を行った。また、得られた樹脂ペレットを用いて吸水
率の測定を行った。また、熱プレスで成形し、熱架橋さ
せた樹脂を粉砕し、キシレン中で加熱し、その溶解性か
ら架橋度を確認した。試験法を以下に示す。
【0093】絶縁抵抗試験(体積抵抗率);JIS K 6911
(試験電圧 500V) 絶縁破壊試験(絶縁破壊強さ);JIS C 2110 誘電率試験;空胴共振器摂動法 誘電正接;空胴共振器摂動法 半田耐熱性;200℃、230℃、260℃に加熱した
半田中に2分間試験片を浸漬し、変形の度合いを観察し
た。
【0094】アイゾット衝撃強度(ノッチ付き)(表
中、アイゾットと記した。また単位はkg・cm/cm
2である。);JIS K7110 線膨張係数;設定温度範囲 −30℃〜130℃、測定
方法XY軸、測定荷重2gの条件で測定した。 金属との接着性;試験片にアルミを真空蒸着した後、布
で軽くこすった際の薄膜の接着性を調べた。
【0095】吸水率;ASTM D570 に準拠 架橋度;粉砕した樹脂1gをキシレン70ml中に入
れ、環流しながら120℃に加熱し、10分間撹拌し
た。その後、樹脂の溶解性を観察した。
【0096】成形性;射出成形機にてアイゾット衝撃試
験片を作成したときの成形性と、プレス機での成形性、
および押出成形でフィルムをを作成したときの成形性に
ついて評価した。
【0097】各試験の結果を表1に示す。なお、表1中
の比誘電率は、「誘電体としての試験片の静電容量/真
空の場合の静電容量」を表す。また、半田耐熱性は、
「○が変形無し」、「△が一部変形」、「×が大きく変
形」を表す。また、金属との接着性は、「○が良好」、
「△が一部剥離」、「×が全面剥離」であることを表
す。
【0098】(合成例2)容積5リットルのステンレス
製オ−トクレ−ブに、純水2500gを入れ、さらに懸
濁剤としてポリビニルアルコ−ル2.5gを溶解させ
た。この中にオレフィン系重合体としてポリプロピレン
「Jアロイ150G」(商品名、日本ポリオレフィン
(株)製)700gを入れ、攪はん・分散した。別にラ
ジカル重合開始剤としてのベンゾイルペルオキシド1.
5g、ラジカル重合性有機過酸化物としてt−ブチルペ
ルオキシメタクリロイロキシエチルカ−ボネ−ト6g
を、ジビニルベンゼン100g、ビニル芳香族単量体と
してスチレン200gの混合液に溶解させ、この溶液を
前記オ−トクレ−ブ中に投入・攪はんした。次いでオ−
トクレ−ブを60〜65℃に昇温し、2時間攪はんする
ことによりラジカル重合開始剤およびラジカル重合性有
機過酸化物を含むビニル単量体をポリプロピレン中に含
浸させた。次いで、温度を80〜85℃に上げ、その温
度で7時間維持して重合を完結させ、水洗および乾燥し
てグラフト化前駆体(b)を得た。
【0099】次いで、このグラフト化前駆体(b)をラ
ボプラストミル一軸押出機((株)東洋精機製作所製)
で200℃にて押し出し、グラフト化反応させることに
よりグラフト共重合体(P)を得た。
【0100】このグラフト共重合体(P)を熱分解ガス
クロマトグラフィーによって分析したところ、ポリプロ
ピレン(PP):ジビニルベンゼン(DVB):スチレ
ン(St)の重量割合は70:10:20であった。
【0101】なおこのとき、ジビニルベンゼン−スチレ
ン共重合体のグラフト効率は50.1重量%であった。
【0102】ここで得られたグラフト共重合体(P)に
ついても合成例1と同様の試験を行った。各試験の結果
を表1に示した。
【表1】
【0103】このほかの重合体も、目的とする組成に応
じ、原料を選択することによって、上記の方法に準じて
合成することができる。
【0104】実施例1 表2に示すグラフト共重合体とセラミックス誘電体材料
を定量フィーダーを用いて、シリンダー温度230℃に
設定されたスクリュー径30mmの同軸方向二軸押出機
(池貝鉄鋼(株)製、PCM30二軸押出機)に供給し
て溶融混練し、複合誘電体材料組成物を得た。この複合
誘電体材料組成物を灰化法によって分析したところ、樹
脂とセラミックスの重量割合は表2に示すとおりであっ
た(仕込み量とでき上がり分析量同じ)。
【0105】グラフト共重合体としては合成例1の重合
体Aを用いた。また、セラミックス誘電体材料としては
チタン−バリウム−ネオジウム系のセラミックス(平均
粒子径120μm :焼成温度900℃:セラミックス
1)を用いた。
【0106】この複合誘電体材料組成物を熱プレス成型
機(上島機械(株)製)により220℃、300Kg/cm2
で熱プレス成形した後切削加工して、1mm×1mm×10
0mmのサンプルを得た(サンプルNo.1〜3)。また、
セラミックスを添加しないサンプルも作製した(サンプ
ルNo.4)。また厚みをかえたサンプルも得た(サンプ
ルNo.5)。これらに対し、摂動法により、1GHz、
2GHz、5GHz(サンプルNo.4、5の場合はさら
に10GHz)での比誘電率εと誘電正接(tanδ)と
を測定し、Q値を求めた。また、半田耐熱性を以下のよ
うにして調べた。
【0107】半田耐熱性;200℃、230℃に加熱し
た半田中に2分間試験片を浸漬し、変形の度合いを観察
した。変形なしを○、変形ありを×とする。結果を表2
に示す。
【0108】
【表2】
【0109】表2より本発明の効果は明らかである。す
なわち、本発明のサンプルはQが低下することなくεが
向上した。
【0110】実施例2 表3に示すような割合で重合体とセラミックスとを用
い、セラミックス誘電体材料を焼成温度1350℃で焼
成したもの(平均粒子径130μm :セラミックス2)
を用いるほかは、実施例1と同様にしてサンプル(1mm
×1mm×100mm大きさ)を作製し、実施例1と同様に
して評価した。但し、半田耐熱性については、260℃
について評価を行った。
【0111】結果を表3に示す。また、セラミックス含
有量に対するε、Qの関係を図1に示す。なお、図1で
は、セラミックス含有量が0wt% のものについても示し
ている。
【0112】
【表3】
【0113】表3、図1より、本発明の効果は明らかで
ある。また、セラミックス誘電体材料の含有量を多くす
ることにより、εが高くなることがわかる。
【0114】実施例3 合成例2の重合体Pを用い、実施例1と同じセラミック
ス誘電体材料(焼成温度900℃)を用いて、重合体P
/セラミックス=15/85(重量割合)とし、実施例
1と同様にしてサンプルを作製した。
【0115】また、同様にして、セラミックスを添加し
ないサンプルも作製した。これらについて、実施例2と
同様の評価を行った。結果を表4に示す。
【0116】
【表4】
【0117】表4より、本発明の効果は明らかである。
【0118】また、サンプルNo.31に対応する複合誘
電体組成物を熱プレス成型機(上島機械(株)製)によ
り220℃、500Kg/cm2で熱プレス成形して中心にC
u線(1.37mm径)を入れた10mm×10mm×200
mmの成形品を作製した。表面に0.3μm 厚の無電解C
uメッキを施し、さらに10〜12μm 厚にCu電解メ
ッキを施し、ディレーラインを試作した。また、中心線
として0.37mm径のCu線を用いたディレーラインも
試作した。いずれも正常に作動した。
【0119】実施例4 合成例2の重合体Pと実施例2と同じセラミックス誘電
体材料(焼成温度1350℃)とを用い、重合体P/セ
ラミックス=15/85(重量割合)とし、このものを
実施例1と同様にしてサンプルを作製した。このものに
ついて、実施例2と同様の評価を行った。結果を表5に
示す。
【0120】
【表5】
【0121】表5より、本発明の効果は明らかである。
また、サンプルNo.41に対応する複合誘電体組成物
を、熱プレス成型機(上島機械(株)製)により220
℃、500Kg/cm2で熱プレス成形して20mm×20mm×
20mmの成形品を作製した。これを誘電体共振器に用い
たところ、その性能は実用領域であった。
【0122】実施例5 実施例4のサンプルNo.41に対応する複合誘電体材料
組成物を用いるほかは実施例3と同様にしてディレーラ
インを作製した。正常に作動し、実用レベルにあった。
【0123】実施例6〜10 合成例1で得られたグラフト共重合体(A)とガラス繊
維(GF−1)、(GF−2)、(GF−3)を表6に
示す割合で定量フィーダーを用いて、シリンダー温度2
10℃に設定されたスクリュー径30mmの同軸方向二
軸押出機に供給し、押出後造粒した。得られたペレット
を合成例1と同様の方法で成形し、各評価を行った。結
果を表6に示した。
【0124】実施例11 合成例1で得られたグラフト共重合体(A)を凍結粉砕
により粉体化し、得られた粉体をガラスクロス(GC)
に均一に散布した後、熱プレス成形機(上島機械(株)
製)により220℃で熱プレス成形して10×10×
0.01cmのシートを作製した。さらにこのシートを1
0枚重ねて220℃で熱プレス成形し、10cm×10cm
×0.1cmの電気絶縁材料試験片を作製した。
【0125】また、上記シートを60枚重ねて220℃
で熱プレス成形して10cm×10cm×0.6cmのシート
を作製し、そのシートから13mm×65mm×6mmの試験
片を切りだして合成例1と同様に各評価を行った。結果
を表6に示した。なお、表中の略号は次のものを示す。
【0126】GF−1:Eガラス チョップドストラン
ド「CS03MA411」(平均繊維長3000μm)
(商品名、旭ファイバーグラス(株)製) GF−2:Eガラス ミルドファイバー「MF06MW
2−20」(平均繊維長30〜100μm)(商品名、
旭ファイバーグラス(株)製) GF−3:Eガラス パウダー「P325」(平均粒径
40μm)(商品名、旭ファイバーグラス(株)製) GC:Eガラスクロス「MS100」(商品名、旭ファ
イバーグラス(株)製)
【0127】
【表6】
【0128】実施例12〜16 合成例2で得られたグラフト共重合体(P)とガラス繊
維(GF−1)、(GF−2)、(GF−3)を表7に
示す割合で定量フィーダーを用いて、シリンダー温度2
10℃に設定されたスクリュー径30mmの同軸方向二
軸押出機に供給し、押出後造粒した。得られたペレット
を合成例1と同様の方法で成形し、各評価を行った。結
果を表7に示した。
【0129】実施例17 合成例2で得られたグラフト共重合体(P)とガラスク
ロス(GC)から実施例11と同様の方法でシートと試
験片を作製し、各評価を行った。結果を表7に示した。
なお、表中の略号は次のものを示す。
【0130】GF−1:Eガラス チョップドストラン
ド「CS03MA411」(平均繊維長3000μm)
(商品名、旭ファイバーグラス(株)製) GF−2:Eガラス ミルドファイバー「MF06MW
2−20」(平均繊維長30〜100μm)(商品名、
旭ファイバーグラス(株)製) GF−3:Eガラス パウダー「P325」(平均粒径
40μm)(商品名、旭ファイバーグラス(株)製) GC:Eガラスクロス「MS100」(商品名、旭ファ
イバーグラス(株)製)
【0131】
【表7】
【0132】実施例18〜23 合成例2で得られたグラフト共重合体(P)と石英、ス
テアタイト、クレー、ウォラストナイト、窒化ホウ素ま
たはホウ酸マグネシウムを表8に示す割合で定量フィー
ダーを用いて、シリンダー温度210℃に設定されたス
クリュー径30mmの同軸方向二軸押出機に供給し、押
出後造粒した。得られたペレットを合成例1と同様の方
法で成形し、各評価を行った。結果を表8に示した。な
お、表中の略号は次のものを示す。
【0133】石英:天然石英の溶融粉砕品、平均粒径
0.3μm ステアタイト:板状粉砕品 クレー:平均粒径0.3μm ウォラストナイト:針状 窒化ホウ素:板状粉砕品、六方晶のもの ホウ酸マグ:ホウ酸マグネシウムウィスカー、平均繊維
長10〜20μm
【0134】
【表8】
【0135】表1〜8の結果から本発明の効果は明らか
である。耐熱性低誘電性高分子材料(I)に充填剤(I
I)を配合することにより、比較的広範囲で任意の比誘
電率が得られ、かつ低誘電正接、Izod衝撃強度や金
属との接着性を保持したまま、半田耐熱性や線膨張係数
がバランス良く改良されていることがわかる。
【0136】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明の耐熱性低
誘電性樹脂組成物は、比較的広範囲で任意の比誘電率を
設定することが可能で、誘電正接が低く、耐熱性に優
れ、線膨張率が低く、成形性等の加工性が高く、機械的
強度も高く、かつ金属等との優れた接着性を備えている
という効果を奏する。したがって、本発明の樹脂組成物
は、プリント配線基板やコンピューター部品等の特に、
電気絶縁性、耐熱性や機械的物性が要求される用途に有
効であり、優れた性能の基板や電子部品等が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】充填剤として高周波セラミックスを使用した場
合のセラミックス含有量に対するεおよびQの関係を示
すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H05K 1/03 610 H05K 1/03 610R // C08F 255/02 C08F 255/02 293/00 293/00 (72)発明者 長谷川 浩昭 東京都中央区日本橋一丁目13番1号 ティ ーディーケイ株式会社内 (72)発明者 安川 芳行 東京都中央区日本橋一丁目13番1号 ティ ーディーケイ株式会社内 (72)発明者 遠藤 謙二 東京都中央区日本橋一丁目13番1号 ティ ーディーケイ株式会社内 (72)発明者 山田 倫久 愛知県東海市加木屋町東大堀18−2 (72)発明者 森屋 泰夫 東京都世田谷区赤堤4−29−4 (72)発明者 山田 富穂 愛知県大府市若草町3丁目179番地1 (72)発明者 伊藤 哲哉 愛知県知多郡武豊町字六貫山2丁目34番地

Claims (19)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重量平均絶対分子量1000以上の樹脂
    の1種または2種以上で構成される樹脂組成物であっ
    て、その組成物の炭素原子と水素原子の原子数の和が9
    9%以上であり、かつ樹脂分子間の一部またはすべてが
    相互に化学的結合を有する耐熱性低誘電性高分子材料
    (I)と、充填剤(II)とを含有する複合誘電体材料組
    成物。
  2. 【請求項2】 耐熱性低誘電性高分子材料の化学的結合
    が、架橋、ブロック重合およびグラフト重合から選ばれ
    る1種以上である請求項1に記載の複合誘電体材料組成
    物。
  3. 【請求項3】 耐熱性低誘電性高分子材料が、非極性α
    −オレフィン系(共)重合体セグメントおよび/または
    非極性共役ジエン系(共)重合体セグメントとビニル芳
    香族系(共)重合体セグメントとが化学的結合をした共
    重合体であって、一方のセグメントにより形成された分
    散相が他方のセグメントより形成された連続相中に微細
    に分散している多相構造を示す熱可塑性樹脂である請求
    項1または2に記載の複合誘電体材料組成物。
  4. 【請求項4】 非極性α−オレフィン系(共)重合体セ
    グメントとビニル芳香族系(共)重合体セグメントとが
    化学的結合をした共重合体である請求項3に記載の複合
    誘電体材料組成物。
  5. 【請求項5】 ビニル芳香族系(共)重合体セグメント
    がジビニルベンゼンの単量体を含むビニル芳香族系共重
    合体セグメントである請求項3または4に記載の複合誘
    電体材料組成物。
  6. 【請求項6】 非極性α−オレフィン系(共)重合体セ
    グメントおよび/または非極性共役ジエン系(共)重合
    体セグメントとビニル芳香族系(共)重合体セグメント
    とが化学的結合をした共重合体が、グラフト重合により
    化学的に結合した共重合体である請求項4または5に記
    載の複合誘電体材料組成物。
  7. 【請求項7】 耐熱性低誘電性高分子材料が、さらに4
    −メチルペンテン−1の単量体を含む非極性α−オレフ
    ィン系(共)重合体を含有する請求項1〜6のいずれか
    に記載の複合誘電体材料組成物。
  8. 【請求項8】 1MHz以上の高周波帯域で、比誘電率
    が1.0以上であり、Q値が100以上である請求項1
    〜7のいずれかに記載の複合誘電体材料組成物。
  9. 【請求項9】 前記充填剤が、繊維状である請求項1〜
    8のいずれかに記載の複合誘電体材料組成物。
  10. 【請求項10】 前記充填剤が、非繊維状である請求項
    1〜8のいずれかに記載の複合誘電体材料組成物。
  11. 【請求項11】 前記充填剤が、高周波セラミックス誘
    電体材料である請求項1〜10のいずれかに記載の複合
    誘電体材料組成物。
  12. 【請求項12】 高周波セラミックス誘電体材料がチタ
    ン−バリウム−ネオジウム系の材料および/または鉛−
    カルシウム系の材料であり、高周波セラミックス誘電体
    材料を50〜95wt% 含有する請求項11に記載の複合
    誘電体材料組成物。
  13. 【請求項13】 請求項1〜12のいずれかに記載の複
    合誘電体材料組成物を用いた厚さ20μm 以上のフィル
    ム。
  14. 【請求項14】 請求項13に記載のフィルムを積層し
    た基板。
  15. 【請求項15】 請求項1〜12のいずれかに記載の複
    合誘電体材料組成物で金属板表面をコーティングした基
    板。
  16. 【請求項16】 1MHz以上の高周波数帯域で使用さ
    れる請求項13に記載のフィルム。
  17. 【請求項17】 1MHz以上の高周波数帯域で使用さ
    れる請求項14または15に記載の基板。
  18. 【請求項18】 請求項1〜12のいずれかに記載の複
    合誘電体材料組成物を用いた1MHz以上の高周波帯域
    で使用される電子部品。
  19. 【請求項19】 請求項1〜12のいずれかに記載の複
    合誘電体材料組成物を所定形状に成形した成形品。
JP10943399A 1998-04-16 1999-04-16 複合誘電体材料組成物と、これを用いたフィルム、基板、電子部品および成形品 Pending JP2000001622A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10943399A JP2000001622A (ja) 1998-04-16 1999-04-16 複合誘電体材料組成物と、これを用いたフィルム、基板、電子部品および成形品

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10-122978 1998-04-16
JP12297898 1998-04-16
JP10943399A JP2000001622A (ja) 1998-04-16 1999-04-16 複合誘電体材料組成物と、これを用いたフィルム、基板、電子部品および成形品

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2000001622A true JP2000001622A (ja) 2000-01-07

Family

ID=26449185

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP10943399A Pending JP2000001622A (ja) 1998-04-16 1999-04-16 複合誘電体材料組成物と、これを用いたフィルム、基板、電子部品および成形品

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2000001622A (ja)

Cited By (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001278931A (ja) * 2000-01-28 2001-10-10 Mitsui Chemicals Inc 電気・電子部品
JP2002290174A (ja) * 2001-03-26 2002-10-04 Tdk Corp 電力増幅モジュール
JP2002344100A (ja) * 2001-05-21 2002-11-29 Sumitomo Electric Ind Ltd 基板用誘電体材料及びその製造方法
JP2006193569A (ja) * 2005-01-12 2006-07-27 Nof Corp 成形品用架橋ポリオレフィン樹脂組成物および成形回路部品
JP2007320088A (ja) * 2006-05-30 2007-12-13 Nof Corp プリプレグ及びプリント配線板用金属張り基板
JP2008034724A (ja) * 2006-07-31 2008-02-14 Shin Etsu Polymer Co Ltd 低誘電配線板の製造方法
JP2010232310A (ja) * 2009-03-26 2010-10-14 Nof Corp 電子回路内蔵樹脂筐体
JP2010283111A (ja) * 2009-06-04 2010-12-16 Brother Ind Ltd 電子機器
JP2012074606A (ja) * 2010-09-29 2012-04-12 Sekisui Chem Co Ltd プリント配線板用熱硬化性フィルム
JP2015040296A (ja) * 2013-08-23 2015-03-02 独立行政法人産業技術総合研究所 誘電体用樹脂組成物および高周波誘電体デバイス
JP2017177469A (ja) * 2016-03-29 2017-10-05 味の素株式会社 樹脂シート
JP2019087987A (ja) * 2017-11-08 2019-06-06 サムソン エレクトロ−メカニックス カンパニーリミテッド. アンテナモジュール

Cited By (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001278931A (ja) * 2000-01-28 2001-10-10 Mitsui Chemicals Inc 電気・電子部品
JP2002290174A (ja) * 2001-03-26 2002-10-04 Tdk Corp 電力増幅モジュール
JP2002344100A (ja) * 2001-05-21 2002-11-29 Sumitomo Electric Ind Ltd 基板用誘電体材料及びその製造方法
JP2006193569A (ja) * 2005-01-12 2006-07-27 Nof Corp 成形品用架橋ポリオレフィン樹脂組成物および成形回路部品
JP2007320088A (ja) * 2006-05-30 2007-12-13 Nof Corp プリプレグ及びプリント配線板用金属張り基板
JP2008034724A (ja) * 2006-07-31 2008-02-14 Shin Etsu Polymer Co Ltd 低誘電配線板の製造方法
JP2010232310A (ja) * 2009-03-26 2010-10-14 Nof Corp 電子回路内蔵樹脂筐体
JP2010283111A (ja) * 2009-06-04 2010-12-16 Brother Ind Ltd 電子機器
JP2012074606A (ja) * 2010-09-29 2012-04-12 Sekisui Chem Co Ltd プリント配線板用熱硬化性フィルム
JP2015040296A (ja) * 2013-08-23 2015-03-02 独立行政法人産業技術総合研究所 誘電体用樹脂組成物および高周波誘電体デバイス
JP2017177469A (ja) * 2016-03-29 2017-10-05 味の素株式会社 樹脂シート
JP2019087987A (ja) * 2017-11-08 2019-06-06 サムソン エレクトロ−メカニックス カンパニーリミテッド. アンテナモジュール
JP7184232B2 (ja) 2017-11-08 2022-12-06 サムソン エレクトロ-メカニックス カンパニーリミテッド. アンテナモジュール

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6420476B1 (en) Composite dielectric material composition, and film, substrate, electronic part and molded article produced therefrom
JP6417040B2 (ja) 磁気誘電体基材、回路材料、及びそれらを有するアセンブリ
KR100330207B1 (ko) 내열성 저유전성 고분자 재료와 이것을 사용한 필름, 기판, 전자 부품 및 내열성 수지 성형품
JP5596683B2 (ja) 回路材料、回路積層体及びその製造方法
US7820274B2 (en) Prepreg and conductive layer-laminated substrate for printed wiring board
JP2018517273A (ja) 磁気誘電性基材、当該磁気誘電性基材を有する回路材料およびアセンブリ
EP1862505B1 (en) Resin composition for printed wiring board film and use thereof
JP2000001622A (ja) 複合誘電体材料組成物と、これを用いたフィルム、基板、電子部品および成形品
KR20220112248A (ko) 경화성 조성물 및 그 경화체
WO2022014599A1 (ja) 組成物及び硬化体
WO2022054885A1 (ja) 組成物及びその硬化体
JPH11274843A (ja) アンテナ装置
CN111363256A (zh) 基于三元乙丙橡胶的热固性介电材料、制备方法及积层板
JP2000091717A (ja) ミリ波システム
JPH11122033A (ja) アンテナ装置
JP2802172B2 (ja) 複合誘電体およびプリント回路用基板
JPH0652716A (ja) 複合誘電体および回路用基板
JP2003268190A (ja) 低誘電性耐熱樹脂組成物、ならびにこれを用いた成形品およびプリント配線板用金属張り基板
JP2003060116A (ja) 高周波回路基板
JPH11112217A (ja) アンテナ装置
WO2024106433A1 (ja) 絶縁接着層を含む多層構造体及びその硬化物
JP7445092B2 (ja) 絶縁層を含む多層構造体
JP2003060359A (ja) 多層回路基板
JPS63156835A (ja) 積層板
JP2003268189A (ja) 難燃低誘電性樹脂組成物、ならびにこれを用いた成形品、プリプレグおよび回路基板

Legal Events

Date Code Title Description
RD01 Notification of change of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7421

Effective date: 20040611

A621 Written request for application examination

Effective date: 20050330

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

A977 Report on retrieval

Effective date: 20070704

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070727

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070920

A02 Decision of refusal

Effective date: 20071218

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080212

A911 Transfer of reconsideration by examiner before appeal (zenchi)

Effective date: 20080325

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

A912 Removal of reconsideration by examiner before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A912

Effective date: 20080418