JP2006193569A - 成形品用架橋ポリオレフィン樹脂組成物および成形回路部品 - Google Patents
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Abstract
【課題】架橋ポリオレフィン樹脂の高周波帯域における比誘電率、誘電正接、流動性と耐熱性を損なうことなく、形成処理して得られる金属膜に対して高い密着性を示す架橋ポリオレフィン樹脂組成物、ならびにこれを用いた成形回路部品を得る。
【解決手段】非極性α−オレフィン系(共)重合体セグメントおよび/または非極性共役ジエン系(共)重合体セグメント5〜95重量%とビニル芳香族系(共)重合体セグメント5〜95重量%から構成されるグラフト共重合体である架橋ポリオレフィン樹脂(A)33〜96重量%と、ガラス系充填材(B)4〜67重量%を含有する、成形品に用いる架橋ポリオレフィン樹脂組成物。
【選択図】 なし
【解決手段】非極性α−オレフィン系(共)重合体セグメントおよび/または非極性共役ジエン系(共)重合体セグメント5〜95重量%とビニル芳香族系(共)重合体セグメント5〜95重量%から構成されるグラフト共重合体である架橋ポリオレフィン樹脂(A)33〜96重量%と、ガラス系充填材(B)4〜67重量%を含有する、成形品に用いる架橋ポリオレフィン樹脂組成物。
【選択図】 なし
Description
本発明は、グラフト共重合体である架橋ポリオレフィン樹脂を含有する成形品用樹脂組成物、およびこれを用いた成形回路部品に関する。より詳しくは、高周波領域での使用に好適な電気特性を有し、かつ金属密着性に優れた成形品用樹脂組成物、およびこれを用いた成形回路部品に関する。
近年、高度情報化社会の進展に伴い、大量の情報を高速で処理する必要があり、通信・電子機器に使用される信号の周波数帯はMHz帯からGHz帯の高周波帯域に移行している。しかしながら、電気信号は周波数が高くなるほど、伝送損失が大きくなる性質があり、GHz帯のような高周波帯域に対応しうる、優れた高周波伝送特性を有する電気絶縁材料が強く求められている。絶縁材料と接触した回路における伝送損失は、回路(導体)の形状、表皮抵抗、特性インピーダンス等で決まる導体損と、回路周りの絶縁層(誘電体)の誘電特性で決まる誘電体損とからなり、特に高周波回路では誘電体損として放出され、電子機器の誤作動の原因となる。誘電体損は、比誘電率(ε)と材料の誘電正接(tanδ)の積に比例して大きくなる。そのため誘電体損を少しでも小さくするためには、比誘電率と誘電正接がいずれも小さい材料を用いる必要がある。
このような比誘電率と誘電正接がいずれも小さい材料としては、通常高分子絶縁材料が用いられ、ポリオレフィン、液晶性樹脂、フッ素系樹脂等の熱可塑性樹脂、あるいは、不飽和ポリエステル樹脂、ポリイミド樹脂、エポキシ樹脂、ビスマレイミドトリアジン樹脂(BTレジン)、硬化性ポリフェニレンオキサイド、硬化性ポリフェニレンエーテル等の熱硬化性樹脂などが種々提案されている。
上記の材料の中でも、熱可塑性樹脂に属する材料は成形加工性に優れることから、射出成形やプレス成形によって任意の形状に加工され、高周波回路におけるコネクタやMID(Molded Interconnect Device)等の成形回路部品として用いられる。
熱可塑性樹脂のうち、ポリテトラフルオロエチレン(以下PTFE)は、特に比誘電率と誘電正接が低い物質であるので、高周波回路用の材料として利用されている(例えば、特許文献1参照)。しかしながら、PTFEは融点が非常に高く、熱可塑性樹脂の本来有する加熱加工性に乏しいため、一定の形状に成形する場合、加熱加工ではなく切削加工が選択される。したがって、成形回路部品として精密な形状が要求される場合には適していない。また、PTFEは非常に安定な物質であり、回路を形成する金属膜との密着性に乏しいといった問題も有している。
熱可塑性樹脂のうち、液晶性樹脂は、表面加工性を有するため、電気材料成形品としての応用が開示されている(例えば、特許文献2、3参照)。しかしながら、液晶性樹脂の比誘電率と誘電正接の値は、高周波帯域における伝送損失を十分抑えられるほど低くない。また、液晶性樹脂と金属膜との十分な密着性を得るためには、液晶性樹脂に過激な表面粗化処理を施す必要があり、そのような表面処理後の樹脂と金属膜との界面は、高周波帯域の信号の伝送には適さなくなってしまう。
特許文献4においては、架橋ポリオレフィン樹脂と充填材を含有する成形品用樹脂組成物が開示されている。この架橋ポリオレフィン樹脂は、高周波帯域における比誘電率、誘電正接に優れ、高い耐薬品性、耐熱性を示す。また、常法により金属膜を形成させることができる。しかしながら、成形品の表面に形成された金属膜は、密着性が必ずしも十分でなく、コネクタやMID等の成形品の実用に供することができなかった。成形回路部品の分野においては、優れた高周波電気特性と高い金属膜密着性の双方を実現する材料技術が求められているのである。
本発明の第1の目的は、架橋ポリオレフィン樹脂の高周波帯域における比誘電率、誘電正接、流動性と耐熱性を損なうことなく、形成処理して得られる金属膜に対して高い密着性を示す、成形品用の架橋ポリオレフィン樹脂組成物を得ることである。
本発明の第2の目的は、前記の架橋ポリオレフィン樹脂組成物を用いて、優れた高周波特性と、高い金属膜密着性を兼ね備えた成形回路部品を得ることである。
本発明の第2の目的は、前記の架橋ポリオレフィン樹脂組成物を用いて、優れた高周波特性と、高い金属膜密着性を兼ね備えた成形回路部品を得ることである。
本発明者等は上記課題を解決するべく鋭意検討した結果、本発明に到達した。すなわち、本発明は次の〔1〕〜〔4〕である。
〔1〕非極性α−オレフィン系(共)重合体セグメントおよび/または非極性共役ジエン系(共)重合体セグメント5〜95重量%とビニル芳香族系(共)重合体セグメント5〜95重量%から構成されるグラフト共重合体である架橋ポリオレフィン樹脂(A)33〜96重量%と、ガラス系充填材(B)4〜67重量%を含有する、成形品に用いる架橋ポリオレフィン樹脂組成物。
〔2〕前記のガラス系充填材が、繊維径1〜20μm、繊維長が5〜50μmであるガラス繊維である前記の〔1〕に記載の架橋ポリオレフィン樹脂組成物。
〔1〕非極性α−オレフィン系(共)重合体セグメントおよび/または非極性共役ジエン系(共)重合体セグメント5〜95重量%とビニル芳香族系(共)重合体セグメント5〜95重量%から構成されるグラフト共重合体である架橋ポリオレフィン樹脂(A)33〜96重量%と、ガラス系充填材(B)4〜67重量%を含有する、成形品に用いる架橋ポリオレフィン樹脂組成物。
〔2〕前記のガラス系充填材が、繊維径1〜20μm、繊維長が5〜50μmであるガラス繊維である前記の〔1〕に記載の架橋ポリオレフィン樹脂組成物。
〔3〕前記の〔1〕または〔3〕に記載の架橋ポリオレフィン樹脂組成物を成形してなる成形品。
〔4〕前記の〔3〕に記載の成形品の表面に金属層による回路が形成されてなることを特徴とする成形回路部品。
〔4〕前記の〔3〕に記載の成形品の表面に金属層による回路が形成されてなることを特徴とする成形回路部品。
本発明の架橋ポリオレフィン樹脂組成物は、高周波帯域における高い信号伝送特性を有し、これを損なうことなく、回路を形成する金属膜との高い密着性を有する成形回路部品を提供することができる。
本発明でいう架橋ポリオレフィン樹脂(A)とは、非極性α−オレフィン系(共)重合体セグメントおよび/または非極性共役ジエン系(共)重合体セグメントとビニル芳香族系(共)重合体セグメントとから構成され、一方のセグメントにより形成された分散相が他方のセグメントにより形成された連続相中に微細に分散している多相構造を有するものをいう。
本発明に用いる架橋ポリオレフィン樹脂(A)は、オレフィン系(共)重合体セグメントおよび/または非極性共役ジエン系(共)重合体セグメントを5〜95重量%、好ましくは40〜90重量%、より好ましくは50〜80重量%、ビニル系(共)重合体セグメントを95〜5重量%、好ましくは60〜10重量%、より好ましくは50〜20重量%含有する。
本発明に用いる架橋ポリオレフィン樹脂(A)は、オレフィン系(共)重合体セグメントおよび/または非極性共役ジエン系(共)重合体セグメントを5〜95重量%、好ましくは40〜90重量%、より好ましくは50〜80重量%、ビニル系(共)重合体セグメントを95〜5重量%、好ましくは60〜10重量%、より好ましくは50〜20重量%含有する。
分散している重合体の粒子径は0.001μm〜10μm、好ましくは0.001μm〜5μmである。分散樹脂粒子径が10μmを越える場合は、例えば機械的物性が低下したり、外観が悪化したりするため好ましくない。
本発明に用いる架橋ポリオレフィン樹脂(A)を製造する際のグラフト化法は、一般によく知られている連鎖移動法、電離性放射線照射法等いずれの方法によっても良いが、より好ましいのは、下記に示す方法によるものである。なぜならグラフト効率が高く、熱による二次的凝集が起こらないため、性能の発現がより効果的であり、また製造方法が簡便であるためである。
以下、本発明に用いる架橋ポリオレフィン樹脂(A)は通常、次の方法によって製造される。すなわち、非極性α−オレフィン系(共)重合体の合計100重量部を水に懸濁させて、別にビニル芳香族系単量体5〜400重量部に、下記一般式(1)または(2)で表されるラジカル共重合性有機過酸化物の1種または2種以上の混合物を上記ビニル芳香族系単量体100重量部に対して0.1〜10重量部と、10時間の半減期を得るための分解温度が40〜90℃であるラジカル重合開始剤をビニル芳香族系単量体およびラジカル共重合性有機過酸化物との合計100重量部に対して0.01〜5重量部とを溶解させた溶液を加え、ラジカル重合開始剤の分解が実質的に起こらない条件で加熱し、ビニル芳香族系単量体、ラジカル共重合性有機過酸化物およびラジカル重合開始剤を非極性α−オレフィン系(共)重合体に含浸させて、ついでこの水性懸濁液の温度を上昇させ、ビニル芳香族系単量体およびラジカル共重合性有機過酸化物を非極性α−オレフィン系(共)重合体中で共重合させて、グラフト化前駆体を得る。
ついでこのグラフト化前駆体を100〜300℃の溶融下、混練することにより、本発明のグラフト共重合体を得ることができる。このときグラフト化前駆体に、別にオレフィン系(共)重合体および/または非極性共役ジエン系(共)重合体あるいはビニル系(共)重合体を混合し、100〜300℃の溶融下に混練してもグラフト共重合体を得ることができる。このうち好ましいのはグラフト化前駆体を100〜300℃の溶融下混練して得られたグラフト共重合体である。
(式中、R1は水素原子または炭素数1〜2のアルキル基、R2は水素原子またはメチル基、R3およびR4はそれぞれ炭素数1〜4のアルキル基、R5は炭素数1〜12のアルキル基、フェニル基、アルキル置換フェニル基、または炭素数3〜12のシクロアルキル基を示す。mは1または2である。)
(式中、R6は水素原子または炭素数1〜4のアルキル基、R7は水素原子またはメチル基、R8およびR9はそれぞれ炭素数1〜4のアルキル基、R10は炭素数1〜12のアルキル基、フェニル基、アルキル置換フェニル基または炭素数3〜12のシクロアルキル基を示す。nは0、1または2である。)
式(1)または(2)で表されるラジカル共重合性有機過酸化物として、好ましくは、t−ブチルペルオキシアクリロイルオキシエチルカーボネート、t−ブチルペルオキシメタクリロイルオキシエチルカーボネート、t−ブチルペルオキシアリルカーボネート、t−ブチルペルオキシメタリルカーボネートが挙げられる。
本発明に用いる架橋ポリオレフィン樹脂(A)としては、上記の非極性α−オレフィン系(共)重合体セグメントとビニル系(共)重合体セグメントとのグラフト共重合体が好ましいが、このようなグラフト共重合体において、非極性α−オレフィン系(共)重合体セグメントの代わりに、あるいはこれに加えて非極性共役ジエン系(共)重合体セグメントを用いたものであっても良い。
なお、以上のグラフト共重合体における非極性α−オレフィン系(共)重合体には共役ジエン単量体が含まれていても良く、非極性共役ジエン系(共)重合体にはα−オレフィンの単量体が含まれていても良い。
なお、以上のグラフト共重合体における非極性α−オレフィン系(共)重合体には共役ジエン単量体が含まれていても良く、非極性共役ジエン系(共)重合体にはα−オレフィンの単量体が含まれていても良い。
本発明の架橋ポリオレフィン樹脂組成物中の架橋ポリオレフィン樹脂(A)の含有量は、33〜96重量%であり、好ましくは、40〜55重量%である。含有量が33重量%未満であると、高周波帯域における電気特性に問題が生じ、また、96重量%を越えると、十分な量のガラス系充填材(B)を添加することができない。
本発明でいうガラス系充填材(B)とは、材料がガラス材である充填材をいう。本発明に使用するガラス系充填材(B)の素材ガラスの種類は、一般的に樹脂の強化用に用いるものなら特に限定はない。弱アルカリ性のものが機械的強度の点で優れており、好ましく使用できる。また、シラン系、チタネート系、その他表面処理剤で処理されていることが好ましく、表面処理剤としては、エポキシシラン、アミノシラン系のカップリング剤が特に好ましい。
前記のガラス系充填材(B)のなかでは、ガラス繊維が好ましく用いることができる。例えば、長繊維タイプや短繊維タイプのチョップドストランド、ミルドファイバーなどから選択して用いることができる。また、これらのうち2種以上を混合して使用することもできる。ガラス繊維の繊維径は、高周波帯域における比誘電率、誘電損失、および成形時の流動性の観点から、繊維径1〜20μm、繊維長5〜50μmが好ましく、より好ましくは繊維径5〜15μm、繊維長20〜30μmである。繊維径が1μmより小さい場合や、繊維長が5μmより小さい場合では、成形品表面の粗度が得られず、十分なめっき強度を得ることができない。繊維径が20μmより大きい場合や、繊維長が15μmより大きい場合では、成形時の流動性が悪く目的の形状を得られなかったり、表面粗度が大きく高周波帯域における電気特性に問題が生じたりする。
前記のガラス系充填材(B)のなかでは、ガラス繊維が好ましく用いることができる。例えば、長繊維タイプや短繊維タイプのチョップドストランド、ミルドファイバーなどから選択して用いることができる。また、これらのうち2種以上を混合して使用することもできる。ガラス繊維の繊維径は、高周波帯域における比誘電率、誘電損失、および成形時の流動性の観点から、繊維径1〜20μm、繊維長5〜50μmが好ましく、より好ましくは繊維径5〜15μm、繊維長20〜30μmである。繊維径が1μmより小さい場合や、繊維長が5μmより小さい場合では、成形品表面の粗度が得られず、十分なめっき強度を得ることができない。繊維径が20μmより大きい場合や、繊維長が15μmより大きい場合では、成形時の流動性が悪く目的の形状を得られなかったり、表面粗度が大きく高周波帯域における電気特性に問題が生じたりする。
前記のガラス系充填材(B)としてガラス粒子を使用することもできる。好ましいガラスの種類、表面処理等はガラス繊維の場合と同じであるが、粒子内部が中空になっているガラス粒子を使用しても良い。
本発明の成形品用架橋ポリオレフィン樹脂の製造に用いられるガラス粒子の粒径は、高周波帯域における比誘電率、誘電損失、および成形時の流動性の観点から粒径0.1〜50μmが好ましく、より好ましくは粒径2〜30μmである。粒径が0.1μmより小さい場合では、混練が非常に困難であり、また難燃性、めっき強度を十分に得ることができない。粒径が50μmより大きい場合では、成形時の流動性が悪く目的の形状を得られなかったり、表面粗度が大きく高周波帯域における電気特性に問題が生じたりする。
本発明の成形品用架橋ポリオレフィン樹脂の製造に用いられるガラス粒子の粒径は、高周波帯域における比誘電率、誘電損失、および成形時の流動性の観点から粒径0.1〜50μmが好ましく、より好ましくは粒径2〜30μmである。粒径が0.1μmより小さい場合では、混練が非常に困難であり、また難燃性、めっき強度を十分に得ることができない。粒径が50μmより大きい場合では、成形時の流動性が悪く目的の形状を得られなかったり、表面粗度が大きく高周波帯域における電気特性に問題が生じたりする。
本発明の架橋ポリオレフィン樹脂組成物中のガラス系充填材(B)の含有量は、4〜67重量%であり、好ましくは、35〜45重量%である。含有量が4重量%未満であると難燃性、めっき強度を十分に得ることができなくなり、また、67重量%を越えると、高周波帯域における電気特性に問題が生じる。
さらに本発明の架橋ポリオレフィン樹脂組成物には、酸化防止剤や熱安定剤(例えばヒンダードフェノール、ヒドロキノン、ホスファイト類およびこれらの置換体など)、亜リン酸塩、次亜リン酸塩などの着色防止剤、滑剤、染料、顔料を含む着色剤、難燃剤、難燃助剤、摺動性改良剤、耐電防止剤などの通常の添加剤、他の重合体を添加して所定の特性をさらに付与することができる。
さらに本発明の架橋ポリオレフィン樹脂組成物には、酸化防止剤や熱安定剤(例えばヒンダードフェノール、ヒドロキノン、ホスファイト類およびこれらの置換体など)、亜リン酸塩、次亜リン酸塩などの着色防止剤、滑剤、染料、顔料を含む着色剤、難燃剤、難燃助剤、摺動性改良剤、耐電防止剤などの通常の添加剤、他の重合体を添加して所定の特性をさらに付与することができる。
本発明において架橋ポリオレフィン樹脂(A)とガラス系充填材(B)の混合方法は、特に制限はないが、加熱機能と混練機能を備えたバンバリーミキサー、加圧ニーダー、ロール、一軸もしくは二軸スクリュー押出機等を使用して、混合することができる。中でも、二軸スクリュー押出機を用いて、メインホッパーより耐熱性低誘電性グラフト共重合体と酸化防止剤を供給して、溶融混練した後、ダイスより吐出される棒状成形物をペレタイザーに通し造粒物(ペレット)として得る方法が簡便かつ安価であり好ましい。その際の温度は、用いた耐熱性低誘電性グラフト共重合体が充分に軟化する温度で行えば良く、通常150〜300℃の範囲である。
以上のように混合して得られた架橋ポリオレフィン樹脂組成物は、プレス成形や射出成形などの一般的な成形方法によって任意の形状に成形するために好適な流動性を有しており、それらの方法によって架橋ポリオレフィン樹脂の成形品を得ることができる。
前記の成形品の表面に金属層による回路を形成し、成形回路部品とすることができる。金属層による回路形成に先立って、通常、成形品表面の粗化処理を行う。粗化処理とは、架橋ポリオレフィン樹脂組成物の表面を粗化する処理であり、本発明においては、ブラスト処理のような機械的手段が選択される。架橋ポリオレフィン樹脂は高い耐薬品性を有しており、めっきの前工程である粗化処理において、成形品表面の酸化等の化学的手段を選択することは得策ではない。
機械的手段による粗化処理としては具体的には、単純にサンドペーパーによって粗化する方法や、サンドブラスト法、液体ホーニング法、タンブリング法、ショットブラスト法などの方法が挙げられる。これらの処理により架橋ポリオレフィン樹脂組成物の表面粗さRaが0.3以上2.0以下、好ましくは0.5以上1.0以下となる表面を得ることができる。Raが小さすぎると、後述のUV−O3処理を施しても十分な金属膜強度を得ることができない。またRaが大きすぎると、外観上の問題の他、高周波帯域における電気特性を大きく損なう問題が生じるため好ましくない。
機械的手段による粗化処理としては具体的には、単純にサンドペーパーによって粗化する方法や、サンドブラスト法、液体ホーニング法、タンブリング法、ショットブラスト法などの方法が挙げられる。これらの処理により架橋ポリオレフィン樹脂組成物の表面粗さRaが0.3以上2.0以下、好ましくは0.5以上1.0以下となる表面を得ることができる。Raが小さすぎると、後述のUV−O3処理を施しても十分な金属膜強度を得ることができない。またRaが大きすぎると、外観上の問題の他、高周波帯域における電気特性を大きく損なう問題が生じるため好ましくない。
粗化処理を施した架橋ポリオレフィン樹脂組成物は通常、300nm以下、好適には150〜280nmの紫外線を発生させる低圧水銀ランプを使用したUV−O3処理を施すことにより、高い金属膜強度を得ることができる。このとき、紫外線の照射照度は1000mJ・cm−2以上6000mJ・cm−2以下が好ましく、2500mJ・cm−2以上5000mJ・cm−2以下がより好ましい。紫外線の照射照度が小さすぎると、架橋ポリオレフィン樹脂組成物表面に金属膜との接着強度を得るに十分な量の官能基が形成されない。また、紫外線の照射照度が大きすぎると、架橋ポリオレフィン樹脂組成物表面を著しく劣化させ、樹脂表面に局所的な低分子層を形成し、金属膜との密着を阻害するといった問題が生じる。
一般に架橋ポリオレフィン樹脂は、異種のポリオレフィンによって構成されており、活性度の異なる相がミクロに分散した状態をとっている。プラズマ処理やUV−O3処理等によって表面を化学的に活性な状態にしさえすれば、金属膜の密着度は高くなるはずである。ところが実際には、単純にそのような処理後に金属膜を形成させた場合、その密着強度は、成形回路部品等の実用に耐えうるものとはならない。樹脂表面には非極性α−オレフィン系(共)重合体セグメントが偏在し、単一な表面を形成しており、金属膜との密着性に対するUV−O3処理の効果を十分に発揮することができないためである。
これに対して本発明の架橋ポリオレフィン樹脂組成物を用いた場合、粗化処理を行い、非極性α−オレフィン系(共)重合体セグメントによって形成された単一表面を除去した後、プラズマ処理やUV−O3処理を行い、効率的に樹脂表面を金属膜との親和性が高い状態にすることにより、成形回路部品等の実用に耐えうる密着強度を示す金属膜を形成することが可能となる。
これに対して本発明の架橋ポリオレフィン樹脂組成物を用いた場合、粗化処理を行い、非極性α−オレフィン系(共)重合体セグメントによって形成された単一表面を除去した後、プラズマ処理やUV−O3処理を行い、効率的に樹脂表面を金属膜との親和性が高い状態にすることにより、成形回路部品等の実用に耐えうる密着強度を示す金属膜を形成することが可能となる。
前記の工程によって前処理を施された架橋ポリオレフィン樹脂組成物は、通常のめっき工程やダイレクトプレーティング等の方法により、金属層による回路を形成することができる。一般に通常のめっき処理は、前工程としてデスミア処理を施した後、薄く均一な化学めっき(無電解めっき)処理、厚く強固な電解めっき処理の順に行われる。これに対して、本発明の架橋ポリオレフィン樹脂組成物を用いた場合、成形品の表面はUV−O3処理工程によって十分に樹脂表面を活性化させるため、強酸を使用し電気的信頼性を損なうおそれのあるするデスミア処理を施す必要はない。
また、化学めっきは、銅、スズ、ニッケル、インジウム、ロジウム、ルテニウム、パラジウム、金または上記のめっきの合金めっきや、ニッケル−リン系、ニッケル−ホウ素系、コバルト−リン系、コバルト−モリブデン系などの合金めっきが挙げられる。電子材料分野では通常ニッケル、銅、金などが用いられる。好ましくは、低コスト性に着目する場合は銅であり、めっきの剛性に着目する場合はニッケルであり、耐久性、電気伝導性に着目する場合は金である。電解めっきは、銅、ニッケル、スズ、パラジウム、金、銀、ロジウム、クロムまたは上記のめっきの合金めっきや、スズ−鉛合金、ニッケル−リン合金、などの合金めっきが挙げられる。電子材料分野では通常ニッケル、銅、金などが用いられる。好ましくは、低コスト性に着目する場合は銅であり、めっきの剛性に着目する場合はニッケルであり、耐久性、電気伝導性に着目する場合は金である。ダイレクトプレーティングを施す場合にはパラジウム−銅系、パラジウム−硫黄系、パラジウム−錫系、カーボンブラック等の導電性被膜を化学めっきの代わりに形成させることができる。
また、化学めっきは、銅、スズ、ニッケル、インジウム、ロジウム、ルテニウム、パラジウム、金または上記のめっきの合金めっきや、ニッケル−リン系、ニッケル−ホウ素系、コバルト−リン系、コバルト−モリブデン系などの合金めっきが挙げられる。電子材料分野では通常ニッケル、銅、金などが用いられる。好ましくは、低コスト性に着目する場合は銅であり、めっきの剛性に着目する場合はニッケルであり、耐久性、電気伝導性に着目する場合は金である。電解めっきは、銅、ニッケル、スズ、パラジウム、金、銀、ロジウム、クロムまたは上記のめっきの合金めっきや、スズ−鉛合金、ニッケル−リン合金、などの合金めっきが挙げられる。電子材料分野では通常ニッケル、銅、金などが用いられる。好ましくは、低コスト性に着目する場合は銅であり、めっきの剛性に着目する場合はニッケルであり、耐久性、電気伝導性に着目する場合は金である。ダイレクトプレーティングを施す場合にはパラジウム−銅系、パラジウム−硫黄系、パラジウム−錫系、カーボンブラック等の導電性被膜を化学めっきの代わりに形成させることができる。
このようにして得られた架橋ポリオレフィン樹脂組成物の成形回路部品は、回路を形成する金属膜の樹脂成形品に対する密着強度が高いので、電気回路等の用途に好適に用いることができる。
以下、実施例により、本発明を具体的に説明する。
まず、実施例に用いた高分子材料の試験方法を示す。
〈電気特性の測定〉
比誘電率、誘電正接測定試験:空洞共振器摂動法(測定周波数は10GHz)、試験片サイズ100×1×1mm
〈金属膜強度(ピール強度)の測定〉
樹脂成形品のめっき表面にカッターナイフを用いて10mm間隔の2本のカット傷をつ
け、その10mm幅の金属膜を剥がし起こす。この剥がし起こした部分を引っ張り試験機に取り付け、成形品の表面と90°垂直となるように50mm・min−1の速度で引っ張り、ピール強度の測定を行った。
〈表面粗さの測定〉
JIS B0601:2001「製品の幾何特性仕様(GPS)−表面性状:輪郭曲線方式−用語、定義及び表面性状パラメータ」に準拠して算術平均粗さの測定を行った。
まず、実施例に用いた高分子材料の試験方法を示す。
〈電気特性の測定〉
比誘電率、誘電正接測定試験:空洞共振器摂動法(測定周波数は10GHz)、試験片サイズ100×1×1mm
〈金属膜強度(ピール強度)の測定〉
樹脂成形品のめっき表面にカッターナイフを用いて10mm間隔の2本のカット傷をつ
け、その10mm幅の金属膜を剥がし起こす。この剥がし起こした部分を引っ張り試験機に取り付け、成形品の表面と90°垂直となるように50mm・min−1の速度で引っ張り、ピール強度の測定を行った。
〈表面粗さの測定〉
JIS B0601:2001「製品の幾何特性仕様(GPS)−表面性状:輪郭曲線方式−用語、定義及び表面性状パラメータ」に準拠して算術平均粗さの測定を行った。
次に、実施例に用いた高分子材料の製造方法を参考例として示す。
〈参考例1〉架橋ポリオレフィン樹脂[A−1]の製造
内容積5リットルのステンレス製オートクレーブに、純水2500gを入れ、さらに懸濁剤としてポリビニルアルコール2.5gを溶解させた。この中にオレフィン系重合体としてポリプロピレン「サンアロマーPM671A」(商品名、モンテル・エスディーケイ・サンライズ(株)製)700gを入れ、攪拌・分散した。別にラジカル重合開始剤としてのベンゾイルペルオキシド「ナイパーBW」(商品名、日本油脂(株)製、純度75%含水品)2.0g、ラジカル共重合性有機過酸化物としてt−ブチルペルオキシメタクリロイロキシエチルカーボネート7.5gを、ビニル芳香族単量体としてジビニルベンゼン60gとスチレン240g中に溶解させ、この溶液を前記オートクレーブ中に投入・攪拌した。次いでオートクレーブの温度を85〜95℃に昇温し、2時間攪拌することによりラジカル共重合開始剤およびラジカル重合性有機過酸化物を含むビニル単量体をポリプロピレン中に含浸させた。次いで、温度を75〜85℃に下げ、その温度で5時間維持して重合を完結させ、濾過後、水洗および乾燥してグラフト化前駆体(a1)を得た。
次いで、このグラフト化前駆体(a1)をラボプラストミル一軸押出機((株)東洋精機製作所製)で210℃にて押し出し、グラフト化反応させることにより架橋ポリオレフィン樹脂[A−1]を得た。
〈参考例1〉架橋ポリオレフィン樹脂[A−1]の製造
内容積5リットルのステンレス製オートクレーブに、純水2500gを入れ、さらに懸濁剤としてポリビニルアルコール2.5gを溶解させた。この中にオレフィン系重合体としてポリプロピレン「サンアロマーPM671A」(商品名、モンテル・エスディーケイ・サンライズ(株)製)700gを入れ、攪拌・分散した。別にラジカル重合開始剤としてのベンゾイルペルオキシド「ナイパーBW」(商品名、日本油脂(株)製、純度75%含水品)2.0g、ラジカル共重合性有機過酸化物としてt−ブチルペルオキシメタクリロイロキシエチルカーボネート7.5gを、ビニル芳香族単量体としてジビニルベンゼン60gとスチレン240g中に溶解させ、この溶液を前記オートクレーブ中に投入・攪拌した。次いでオートクレーブの温度を85〜95℃に昇温し、2時間攪拌することによりラジカル共重合開始剤およびラジカル重合性有機過酸化物を含むビニル単量体をポリプロピレン中に含浸させた。次いで、温度を75〜85℃に下げ、その温度で5時間維持して重合を完結させ、濾過後、水洗および乾燥してグラフト化前駆体(a1)を得た。
次いで、このグラフト化前駆体(a1)をラボプラストミル一軸押出機((株)東洋精機製作所製)で210℃にて押し出し、グラフト化反応させることにより架橋ポリオレフィン樹脂[A−1]を得た。
〈参考例2〉架橋ポリオレフィン樹脂(A)の製造
内容積5リットルのステンレス製オートクレーブに、純水2500gを入れ、さらに懸濁剤としてポリビニルアルコール2.5gを溶解させた。この中にオレフィン系重合体としてポリ4−メチルペンテン「TPX RT−18」(商品名、三井化学(株)製)700gを入れ、攪拌・分散した。別にラジカル重合開始剤としてのベンゾイルペルオキシド「ナイパーBW」(商品名、日本油脂(株)製、純度75%含水品)2.0g、ラジカル共重合性有機過酸化物としてt−ブチルペルオキシメタクリロイロキシエチルカーボネート9.0gを、ビニル芳香族単量体としてジビニルベンゼン50gとスチレン250g中に溶解させ、この溶液を前記オートクレーブ中に投入・攪拌した。次いでオートクレーブの温度を60〜65℃に昇温し、2時間攪拌することによりラジカル共重合開始剤およびラジカル重合性有機過酸化物を含むビニル単量体をポリ4−メチルペンテン中に含浸させた。次いで、温度を80〜85℃に上げ、その温度で7時間維持して重合を完結させ、濾過後、水洗および乾燥してグラフト化前駆体(a2)を得た。
次いで、このグラフト化前駆体(a2)をラボプラストミル一軸押出機((株)東洋精機製作所製)で260℃にて押し出し、グラフト化反応させることにより架橋ポリオレフィン樹脂[A−2]を得た。
内容積5リットルのステンレス製オートクレーブに、純水2500gを入れ、さらに懸濁剤としてポリビニルアルコール2.5gを溶解させた。この中にオレフィン系重合体としてポリ4−メチルペンテン「TPX RT−18」(商品名、三井化学(株)製)700gを入れ、攪拌・分散した。別にラジカル重合開始剤としてのベンゾイルペルオキシド「ナイパーBW」(商品名、日本油脂(株)製、純度75%含水品)2.0g、ラジカル共重合性有機過酸化物としてt−ブチルペルオキシメタクリロイロキシエチルカーボネート9.0gを、ビニル芳香族単量体としてジビニルベンゼン50gとスチレン250g中に溶解させ、この溶液を前記オートクレーブ中に投入・攪拌した。次いでオートクレーブの温度を60〜65℃に昇温し、2時間攪拌することによりラジカル共重合開始剤およびラジカル重合性有機過酸化物を含むビニル単量体をポリ4−メチルペンテン中に含浸させた。次いで、温度を80〜85℃に上げ、その温度で7時間維持して重合を完結させ、濾過後、水洗および乾燥してグラフト化前駆体(a2)を得た。
次いで、このグラフト化前駆体(a2)をラボプラストミル一軸押出機((株)東洋精機製作所製)で260℃にて押し出し、グラフト化反応させることにより架橋ポリオレフィン樹脂[A−2]を得た。
〈実施例1〜3〉および〈実施例8〜11〉
参考例1で得られた架橋ポリオレフィン樹脂[A−1]に、表1で示される割合でガラス系充填材(B)として繊維状ガラス系充填材「PF 40E−401」(商品名、日東紡(株)製、ミルドファイバー(パウダー)タイプ、繊維径10μm、繊維長25.8μm)をドライブレンドした後、シリンダー温度210℃に設定されたスクリュー径30mmの同軸方向二軸スクリュー押出機(TEX−30α、(株)日本製鋼所製)に供給し、押出後造粒して架橋ポリオレフィン樹脂組成物を得た。
参考例1で得られた架橋ポリオレフィン樹脂[A−1]に、表1で示される割合でガラス系充填材(B)として繊維状ガラス系充填材「PF 40E−401」(商品名、日東紡(株)製、ミルドファイバー(パウダー)タイプ、繊維径10μm、繊維長25.8μm)をドライブレンドした後、シリンダー温度210℃に設定されたスクリュー径30mmの同軸方向二軸スクリュー押出機(TEX−30α、(株)日本製鋼所製)に供給し、押出後造粒して架橋ポリオレフィン樹脂組成物を得た。
〈実施例4〜7〉
参考例2で得られた架橋ポリオレフィン樹脂[A−2]に、表1で示される割合でガラス系充填材(B)として繊維状ガラス系充填材「PF 40E−401」(商品名、日東紡(株)製、ミルドファイバー(パウダー)タイプ、繊維径10μm、繊維長25.8μm)をドライブレンドした後、シリンダー温度260℃に設定されたスクリュー径30mmの同軸方向二軸スクリュー押出機(TEX−30α、(株)日本製鋼所製)に供給し、押出後造粒して架橋ポリオレフィン樹脂組成物を得た。
参考例2で得られた架橋ポリオレフィン樹脂[A−2]に、表1で示される割合でガラス系充填材(B)として繊維状ガラス系充填材「PF 40E−401」(商品名、日東紡(株)製、ミルドファイバー(パウダー)タイプ、繊維径10μm、繊維長25.8μm)をドライブレンドした後、シリンダー温度260℃に設定されたスクリュー径30mmの同軸方向二軸スクリュー押出機(TEX−30α、(株)日本製鋼所製)に供給し、押出後造粒して架橋ポリオレフィン樹脂組成物を得た。
架橋ポリオレフィン樹脂組成物を射出成形機を用いて50×90mmの平板状の架橋ポリオレフィン樹脂成形品を作成した。
この架橋ポリオレフィン樹脂成形品の片面をサンドペーパーを用いてブラスト処理を行った。ブラスト処理の後、切削屑を除去するため、超音波洗浄を行った。
この架橋ポリオレフィン樹脂成形品の片面をサンドペーパーを用いてブラスト処理を行った。ブラスト処理の後、切削屑を除去するため、超音波洗浄を行った。
さらに、平板状である架橋ポリオレフィン樹脂成形品のブラスト処理を施した面に対して、UV−O3処理装置(セン・エンジニアリング(株)製)を用いてUV−O3処理を行った。UVの照度は、紫外線照度測定装置(UVPF−A1、岩崎電機(株)製)を用いて決定した。
めっき処理は以下の工程にて行った。まず、錫−パラジウムコロイド触媒溶液「アクチベーターネオガント834」(商品名、アトテック社製)に40℃/5min浸漬し、塩酸による活性化処理後、無電解銅めっき液「プリガントMSK−DK」(商品名、アトテック社製)に32℃/15minの条件で無電解めっきを行った。さらに銅めっき膜厚が約20μm程度となるように電解銅めっきを行った。
めっき処理は以下の工程にて行った。まず、錫−パラジウムコロイド触媒溶液「アクチベーターネオガント834」(商品名、アトテック社製)に40℃/5min浸漬し、塩酸による活性化処理後、無電解銅めっき液「プリガントMSK−DK」(商品名、アトテック社製)に32℃/15minの条件で無電解めっきを行った。さらに銅めっき膜厚が約20μm程度となるように電解銅めっきを行った。
〈実施例12〜14〉
参考例1で得られた架橋ポリオレフィン樹脂[A−1]52.6重量%に対して、充填材(B)としてそれぞれ、粒子状ガラス系充填材「SO−32R」(商品名、(株)龍森製)「EGB210D」(商品名、ポッターズ・バロティーニ(株)製)、「EGB731D」(商品名、ポッターズ・バロティーニ(株)製)をいずれも47.4重量%でドライブレンドした後、シリンダー温度260℃に設定されたスクリュー径30mmの同軸方向二軸スクリュー押出機(TEX−30α、(株)日本製鋼所製)に供給し、押出後造粒して架橋ポリオレフィン樹脂組成物を得た。めっき前処理条件は表1の実施例1と同じとし、めっき処理工程は前記の実施例1〜11と同じ方法で行った。
参考例1で得られた架橋ポリオレフィン樹脂[A−1]52.6重量%に対して、充填材(B)としてそれぞれ、粒子状ガラス系充填材「SO−32R」(商品名、(株)龍森製)「EGB210D」(商品名、ポッターズ・バロティーニ(株)製)、「EGB731D」(商品名、ポッターズ・バロティーニ(株)製)をいずれも47.4重量%でドライブレンドした後、シリンダー温度260℃に設定されたスクリュー径30mmの同軸方向二軸スクリュー押出機(TEX−30α、(株)日本製鋼所製)に供給し、押出後造粒して架橋ポリオレフィン樹脂組成物を得た。めっき前処理条件は表1の実施例1と同じとし、めっき処理工程は前記の実施例1〜11と同じ方法で行った。
〈比較例1〉
架橋ポリオレフィン樹脂組成物の替わりに充填材(B)を加えない架橋性ポリオレフィン樹脂(A)を用いた以外は、実施例1と全く同じ操作を行い架橋ポリオレフィン樹脂成形品を作成し評価した。
〈比較例2〉
架橋性ポリオレフィン樹脂(A)25.0重量%に対して充填材(B)75重量%を用いた以外は、実施例1と全く同じ操作を行い架橋ポリオレフィン樹脂成形品を作成し評価した。
架橋ポリオレフィン樹脂組成物の替わりに充填材(B)を加えない架橋性ポリオレフィン樹脂(A)を用いた以外は、実施例1と全く同じ操作を行い架橋ポリオレフィン樹脂成形品を作成し評価した。
〈比較例2〉
架橋性ポリオレフィン樹脂(A)25.0重量%に対して充填材(B)75重量%を用いた以外は、実施例1と全く同じ操作を行い架橋ポリオレフィン樹脂成形品を作成し評価した。
表1、2の結果より、本発明の架橋ポリオレフィン樹脂組成物を用いた実施例1〜14の場合は、得られたプラスチック成形品は、比誘電率εと誘電正接tanδの双方の電気特性に優れ、かつめっきピール強度と樹脂表面の粗度という成形回路部品に不可欠な性能も十分満足していることがわかる。
これに対して、表3において、比較例1は本発明に用いる充填材(B)を添加しないため、めっきピール強度が小さく実用レベルに達しなかった。比較例2は充填材(B)の量が本発明の配合の範囲を越えるため、電気特性に問題が見られた。
これに対して、表3において、比較例1は本発明に用いる充填材(B)を添加しないため、めっきピール強度が小さく実用レベルに達しなかった。比較例2は充填材(B)の量が本発明の配合の範囲を越えるため、電気特性に問題が見られた。
Claims (4)
- 非極性α−オレフィン系(共)重合体セグメントおよび/または非極性共役ジエン系(共)重合体セグメント5〜95重量%とビニル芳香族系(共)重合体セグメント5〜95重量%から構成されるグラフト共重合体である架橋ポリオレフィン樹脂(A)33〜96重量%と、ガラス系充填材(B)4〜67重量%を含有する、成形品に用いる架橋ポリオレフィン樹脂組成物。
- 前記のガラス系充填材が、繊維径1〜20μm、繊維長が5〜50μmであるガラス繊維である請求項1に記載の架橋ポリオレフィン樹脂組成物。
- 請求項1または2に記載の架橋ポリオレフィン樹脂組成物を成形してなる成形品。
- 請求項3に記載の成形品の表面に金属層による回路が形成されてなることを特徴とする成形回路部品。
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Citations (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0741618A (ja) * | 1993-07-29 | 1995-02-10 | Mitsui Petrochem Ind Ltd | 3−メチル−1−ブテン系重合体組成物よりなる電気・電子部品 |
WO1999010435A1 (fr) * | 1997-08-27 | 1999-03-04 | Tdk Corporation | Materiau thermoresistant faiblement dielectrique et a masse moleculaire elevee, films, substrats, composants electriques et moulages de resine thermoresistants ainsi obtenus |
JP2000001622A (ja) * | 1998-04-16 | 2000-01-07 | Tdk Corp | 複合誘電体材料組成物と、これを用いたフィルム、基板、電子部品および成形品 |
JP2001015874A (ja) * | 1999-06-28 | 2001-01-19 | Polyplastics Co | 電気回路成形品および電導体 |
-
2005
- 2005-01-12 JP JP2005004712A patent/JP2006193569A/ja active Pending
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