JP2008034724A - 低誘電配線板の製造方法 - Google Patents

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隆 野上
Akira Okada
晃 岡田
Hiroshi Obara
広 小原
Junya Ishida
純也 石田
Takashi Gonda
貴司 権田
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Abstract

【課題】 安価に製造することのできる低誘電配線板の製造方法を提供する。
【解決手段】 所定の成形材料1を使用して絶縁基板3を圧縮成形し、圧縮成形した絶縁基板3の両面のうち少なくとも片面に銅箔層を積層し、銅箔層をエッチングしてパターン層を形成する。成形材料1を、少なくとも粉末の熱可塑性樹脂と大量の低誘電フィラーとを用いて調製する。焼成により製造されたセラミック製の高価な絶縁基板を使用しないので、安価に製造することができる。また、粉末化された熱可塑性樹脂と低誘電フィラーの材料選択により、ガラスクロス等を使用することなく低誘電配線板の強度を向上させ、使用時の損傷を有効に防止することができる。
【選択図】 図2

Description

本発明は、液晶テレビ、コンピュータ、携帯電話等に使用される低誘電配線板の製造方法に関するものである。
近年の大型液晶テレビ、コンピュータのマザーボード、アンテナ機器等に高周波基板である配線板を使用する場合には、信頼性や放熱性の他、信号の伝送損失防止の観点から低い誘電性が要求される(特許文献1、2参照)。この種の配線板を製造する従来の方法としては、例えばセラミックからなる絶縁基板に銅箔層を積層し、この銅箔層を加工してパターン層を形成する方法があげられる。
特開2006‐24824号公報 特開2001‐85572号公報
従来における低誘電配線板は、以上のように製造されているが、セラミックからなる絶縁基板が非常に高価なので、ランニングコスト等の観点から経済的に問題がある。
本発明は上記に鑑みなされたもので、安価に製造することのできる低誘電配線板の製造方法を提供することを目的としている。
本発明においては上記課題を解決するため、少なくとも粉末の熱可塑性樹脂を含む成形材料を使用して絶縁基板を圧縮成形し、この圧縮成形した絶縁基板の両面のうち少なくとも片面に導電層を設け、この導電層を加工してパターン層を形成することを特徴としている。
なお、絶縁基板の両面に導電層をそれぞれ設け、各導電層を加工してパターン層を形成し、絶縁基板に設けた貫通孔の内部にパターン層と導通するスルーホールメッキを施すことができる。
また、成形材料の熱可塑性樹脂を液晶ポリマーとすることが好ましい。
また、成形材料を中空の低誘電フィラーとすることができる。
また、成形材料は低誘電フィラーを含み、この低誘電フィラーを粉末の液晶ポリマー、フッ素樹脂、変性ポリフェニレンエーテル、ガラス中空体であるガラスバルーン、石炭灰中空体、あるいはシラスバルーンとすることができる。
また、金型に成形材料を投入して絶縁基板を圧縮成形する際、金型をバンピングすることができる。
また、圧縮成形した絶縁基板の両面のうち少なくとも片面からスキン層を除去して導電層を設けることも可能である。
また、成形材料を使用して貫通孔付きの絶縁基板を圧縮成形することが可能である。
また、絶縁基板の両面に導電層をそれぞれ設け、各導電層を加工してパターン層を形成し、絶縁基板に貫通孔を設けてその内部にパターン層と導通するスルーホールメッキを施すことも可能である。
さらに、絶縁基板の両面に導電層をそれぞれ設けるとともに、絶縁基板の厚さ方向に貫通孔を設け、各導電層を加工してパターン層を形成し、貫通孔の内部には、パターン層と導通するスルーホールメッキを施すことも可能である。
ここで、特許請求の範囲における成形材料には、粉末の熱可塑性樹脂、低誘電フィラー、有機充填剤、無機充填剤、及び顔料等を含有させることができる。この成形材料の熱可塑性樹脂としては、液晶ポリマー、ポリイミド、ポリアミドイミドあるいはポリエーテルイミド等のポリイミド系樹脂、ポリサルホン、ポリエーテルサルホンあるいはポリフェニルサルホン等の芳香族ポリエーテルサルホン系樹脂、ポリフェニレンサルファイドで代表されるポリアリーレンサルファイド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルケトン、ポリフタルアミド等のスーパーエンジニアリングプラスチックがあげられる。
導電層は、例えば圧延銅箔や電解銅箔等の銅箔が使用され、絶縁基板の表面、裏面、表裏両面に、ビスフェノールA型エポキシ樹脂あるいはノボラック型エポキシ樹脂等のエポキシ樹脂、エポキシ変性ポリイミド樹脂等のポリイミド系樹脂を介して接着、メッキ、EB蒸着、イオンプレーティング、高周波スパッタリング、マグネトロンスパッタリング、対向ターゲット型マグネトロンスパッタリング等の物理的蒸着法により設けることができる。また、貫通孔は、単数複数を特に問うものではない。
本発明によれば、信号の伝送損失を抑制できる低誘電性の配線板を安価に製造することができるという効果がある。また、粉末化された熱可塑性樹脂の材料選択により、低誘電フィラーが高充填した成形品の成形が可能となるので、配線板の低誘電化や低誘電配線板の強度向上による使用時の損傷防止が可能となる。また、低誘電配線板を圧縮成形法により成形するので、特性値に縦方向及び横方向の異方性が小さくなり、取り扱い性を向上させることができる。さらに、加熱で軟化して塑性を示す熱可塑性樹脂を使用するので、生産性や取り扱い性の向上が期待できる。
また、成形材料の熱可塑性樹脂を液晶ポリマーとすれば、高強度、低収縮率、低膨張率、低吸湿性、高絶縁強度、高速固化、低バリ性の低誘電配線板を得ることが可能になるという効果がある。
また、成形材料に低誘電フィラーを添加する場合、この低誘電フィラーを、内部に空気、二酸化炭素、窒素等の気体が充填されたガラス中空体(ガラスバルーン)、石炭灰中空体、あるいはシラスバルーン等の中空体とすれば、反りのない配線板を従来よりも容易に低誘電化することができる。これらの中空体は、2種類以上の混合物として使用することもできるので、材料の使用や選択に支障を来たすことがない。
さらに、低誘電フィラーを粉末の液晶ポリマー、フッ素樹脂、変性ポリフェニレンエーテル等の有機低誘電フィラーとすれば、反りのない低誘電配線板を成形することができるという効果がある。これらの低誘電性樹脂としては、2種類以上の混合物、共重合物、あるいは変性物を自由に使用することができる。
以下、図面を参照して本発明の好ましい実施の形態を説明すると、本実施形態における低誘電配線板の製造方法は、図1ないし図4に示すように、調製した所定の成形材料1を金型2に投入して絶縁基板3を圧縮成形し、この圧縮成形した絶縁基板3の表裏両面のうち少なくとも表面に銅箔層4を積層し、この銅箔層4をエッチングして配線用のパターン層5を形成するようにしている。
成形材料1は、粉末の熱可塑性樹脂と粉末の低誘電フィラーとを用いて調製され、必要に応じて有機充填剤、無機充填剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤等の各種添加剤が添加される。この成形材料1の熱可塑性樹脂と低誘電フィラーとの調製は、ヘンシルミキサー、リボンブレンダー、ナウターミキサー、タンブラーミキサー、ボウルミル、ロッキングミキサー等の攪拌機で行うことができる。
粉末の熱可塑性樹脂としては、耐熱性に優れる液晶ポリマー、ポリイミド、ポリアミドイミドあるいはポリエーテルイミド等のポリイミド系樹脂、ポリサルホン、ポリエーテルサルホンあるいはポリフェニルサルホン等の芳香族ポリエーテルサルホン系樹脂、ポリフェニレンサルファイドで代表されるポリアリーレンサルファイド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルケトン、ポリフタルアミド等のスーパーエンジニアリングプラスチックがあげられる。これら熱可塑性樹脂については、単独で使用しても良いし、2種以上の複数の熱可塑性樹脂を混合して使用しても良く、熱可塑性樹脂の変性体、共重合体を問うものではない。
これらの熱可塑性樹脂の中では、比誘電率及び誘電正接等の誘電特性が低く、吸水率が小さく、曲げ特性、あるいは引張特性等の機械的特性、寸法安定性(線膨張係数が小さい)、耐湿性、難燃性、及び電気絶縁性に優れている液晶ポリマーの選択が好ましい。
熱可塑性樹脂の粒子径は、0.1μm以上500μm以下、好ましくは1.0μm以上400μm以下が良い。これは、粒子径が0.1μm未満の場合は、静電気が発生しやすくなるため、計量中、攪拌機への投入中あるいは低誘電フィラーとの混合分散中に飛散するため、取り扱いが困難になるからである。逆に、500μmを超える粒子径の熱可塑性樹脂は、低誘電フィラーとの均一な混合性に劣り、絶縁基板3の特性値のバラツキが大きくなるため、好ましくないからである。
粉末の低誘電フィラーとしては、液晶ポリマー、フッ素樹脂、変性ポリフェニレンエーテル、内部に空気、二酸化炭素、窒素等の気体を有するガラス中空体であるガラスバルーン、安価な石炭灰中空体、あるいはシラスバルーン等の無機中空体フィラー等があげられる。これらの中では、比誘電率及び誘電正接等の誘電特性、溶融流動性の改良、表面平滑性、寸法安定性に優れるガラス中空体(ガラスバルーン)や石炭灰中空体、シラスバルーンの選択が好ましい。
低誘電フィラーの粒子径は、0.1μm以上500μm以下、好ましくは1.0μm以上400μm以下の範囲が良い。これは、低誘電フィラーの粒子径が0.1μm未満の場合は、計量中、攪拌機への投入中、あるいは低誘電フィラーとの混合分散中に飛散するため、取り扱いが困難になるからである。また、二次凝集による成形品の強度低下を招くため好ましくないからである。逆に、500μmを超える粒子径の場合には、粉末状の熱可塑性樹脂との均一混合性に劣り、絶縁基板3の特性値のバラツキが大きくなるため、好ましくないからである。
なお、低誘電フィラーは、粒子径の異なる複数のタイプ(例えば、10μmタイプと100μmタイプ)を使用して充填率等を向上させても良い。また、有機低誘電フィラーを低誘電フィラーとして使用する場合は、有機低誘電フィラーの融点が粉末の熱可塑性樹脂の融点より高温であることが好ましい。これは、有機低誘電フィラーの融点が低い場合は、フィラーとして働かなくなるため、反りが生じるからである。
低誘電フィラーは、必要に応じてビニルトリクロルシラン、ビニルトリエトキシシラン、2−(3、4エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプリピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、p−スチリルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトシキシラン、3−メタククリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−アクロキシプロピルトリメトキシシラン、N−2(アミノエチル)3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−2(アミノエチル)3−アミノプロピルトリエトキシシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−エトキシシリル−N−(1、3−ジメチル−ブチリデン)プロピルアミン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、ビス(トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン等のシランカップリング剤、テトラエトキシシラン、メチルトリメチルシラン、ジメチルジエトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、デシルトリメトキシシラン、イミダゾールシラン等のシラン剤、イソプロピルトリイソステアロイルチタネート、テトラ(2、2−ジアリルオキシメチル−1−ブチル)ビス(ジ−トリデシル)ホスファイトチタネート、ビス(ジオクチルパイロホスフェート)オキシアセテート等のチタネート系カップリング剤、アルキルアセトセテートアルミニウムジイソプロピレート等のアルミネート系カップリング剤、2,4,7,9−テトラメチルー5−デシンー4,7−ジオール、2,4,7,9−テトラメチルー5−デシンー4,7−ジオールの酸化エチレン付加体等のアセチレングリコール、アセチレンアルコール、ノニオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤等で表面処理を行っても良い。
このような成形材料1において、ガラス中空体(ガラスバルーン)又はシラスバルーン等の中空体フィラーが使用される場合の配合量は、粉末の熱可塑性樹脂に対する体積比で中空体フィラーの量が40体積%以上75体積%以下が良い。これは、ガラスバルーン又はシラスバルーンの配合量が40体積%未満の場合は、低誘電配線板に反りが生じやすくなるため、好ましくないという理由に基づく。逆に、75体積%を超える場合は、低誘電配線板の曲げ強度が著しく低下するため、好ましくないという理由に基づく。
低誘電フィラーと熱可塑性樹脂は、図示しないヘンシルミキサー、リボンブレンダー、ナウターミキサー、タンブラーミキサー、ボウルミル、ロッキングミキサー等の混合機により混合・分散された状態で圧縮成形用の金型2に投入される。
上記において、比誘電率の低い低誘電配線板を製造する場合には、先ず、粉末化された熱可塑性樹脂に粉末の低誘電フィラーを大量に加えて成形材料1を調製し、この成形材料1を分散させて金型2の雌型に投入(図1参照)し、金型2の雄型を型締めして熱可塑性樹脂の融点以上の温度で加熱加圧(図2参照)し、厚さ0.2〜5.0mm程度の絶縁基板3を圧縮成形する。
粉末化された熱可塑性樹脂と低誘電フィラーとは、市販の粉末品を購入しても良いし、そうでなくても良い。また、圧縮成形の際、金型2の雄型を複数回僅かに型開き(バンピング)してエアやガスを抜き、再度型締めすれば、絶縁基板3の成形不良を有効に防止することができる(図2の点線参照)。
低誘電フィラーとして、ガラス中空体(またはガラスバルーン)、石炭灰中空体、シラスバルーン等の中空体フィラーを使用する場合の圧縮成形圧力は、ガラスバルーン又はシラスバルーン等の中空体フィラーの耐圧力以下である。これは、耐圧力を超えて圧縮成形すると、成形時にガラスバルーン又はシラスバルーン等の中空体フィラーが破損してしまうおそれがあるからである。
こうして絶縁基板3を圧縮成形したら、冷却水により金型2を強制冷却して絶縁基板3を短時間で固化させ、金型2を型開きして絶縁基板3を脱型し、この取り出した絶縁基板3の全表面に薄い銅箔層4を積層する。絶縁基板3の全表面への積層に際しては、全表面のスキン層を除去し、細かな凹凸を形成すれば、アンカー効果により剥離強度が高くなるので好ましい。
スキン層の除去方法としては、絶縁基板3の表面に砂、アルミナ、シリカ、ガラスビーズ等の粒子径が500μm以下の無機材料、粒子径が500μm以下の金属、500μm以下の樹脂等を吹き付けて行う機械的な処理方法(ブラスト処理)、クロム酸混液、次亜塩素酸ソーダ(NaClO)/塩酸/水系、塩素酸塩−硫酸系、金属ナトリウムと液化アンモニウム混合液を使用するナトリウム処理等の薬剤を使用して処理する方法、スパッタエッチング処理法等の方法があげられる。また、スキン層を除去した面を、コロナ照射、プラズマ照射、紫外線照射、火焔処理、シランカップリング剤、シラン剤、チタネート系カップリング剤、あるいはアルミネート系カップリング剤で処理しても良い。
薄い銅箔層4は、エポキシ系の接着剤を介した銅箔の接着、メッキ法、スパッタリング法、真空蒸着法、イオンプレーティング法、あるいはスタンピング法等の方法により積層することができる(図3参照)。
絶縁基板3の全表面に銅箔層4を積層したら、この銅箔層4の不要領域をエッチング液によりエッチングして所定形状のパターン層5を形成すれば、低誘電性に優れ、信号の損失を抑制することのできる低誘電配線基板を製造することができる(図4参照)。
上記方法によれば、焼成により製造されたセラミック製の高価な絶縁基板を使用するのではなく、熱可塑性樹脂を含む成形材料により低誘電配線板を圧縮成形するので、非常に安価に製造することができる。また、粉末化された熱可塑性樹脂の材料選択により、ガラスクロス等を使用することなく低誘電配線板の強度を著しく向上させ、使用時の損傷をきわめて有効に防止することができる。また、液状のエポキシ樹脂等からなる脆い熱硬化性樹脂ではなく、加熱で軟化して塑性を示す熱可塑性樹脂を使用するので、強度、生産性、取扱性の大幅な向上を図ることが可能になる。
さらに、絶縁基板3を射出成形するのではなく、粉末の成形材料1を用いて圧縮成形するので、成形材料1が特定の方向に優先的に配列する配向(orientation)による不具合を確実に防止することができ、しかも、反りのないフラットで熱の逃げやすい厚肉の絶縁基板3をきわめて容易に得ることが可能になる。この反りの抑制防止は、電子部品の実装の観点からきわめて有意義な効果である。
次に、図5ないし図7は本発明の第2の実施形態を示すもので、この場合には、圧縮成形した絶縁基板3の表裏両面に薄い銅箔層4をそれぞれ積層接着し、各銅箔層4の不要領域をエッチングして所定形状のパターン層5を形成し、絶縁基板3の厚さ方向に複数の貫通孔10を必要数ドリルで穿孔して各貫通孔10の内周面には一対のパターン層5のスルーホールランドと導通するスルーホールメッキ11を施すようにしている。
スルーホールメッキ11は、各種の金属メッキ、例えば銅メッキ等からなり、一対のパターン層5間を相互に導通するよう機能する。その他の部分については、上記実施形態と同様であるので説明を省略する。
本実施形態においても上記実施形態と同様の作用効果が期待でき、しかも、貫通孔10の内周面に絶縁性の被覆層を形成した後、この被覆層にスルーホールメッキ処理を施すのではなく、穿孔した貫通孔10の内周面にスルーホールメッキ11を直接施せば良いので、製造方法の煩雑化や複雑化を防止したり、被覆材料の省略を通じて大幅なコスト削減を図ることができるのは明らかである。
なお、上記実施形態では粉末の低誘電フィラーとして、粉末の液晶ポリマー、フッ素樹脂、変性ポリフェニレンエーテル、ガラスバルーン、石炭灰中空体、シラスバルーンを使用したが、何らこれに限定されるものではなく、これらを混合して使用しても良い。また、平坦な銅箔層4を表面処理して凹凸に形成し、この凸凹の銅箔層4の粗面を絶縁基板3に積層してアンカー効果により固定しても良い。
さらに、圧縮成形した絶縁基板3の表裏両面に銅箔層4をそれぞれ積層接着した後、絶縁基板3の厚さ方向に必要数の貫通孔10をドリルで穿孔して各貫通孔10の内周面には銅箔層4と導通するスルーホールメッキ11を施し、各銅箔層4の不要領域をエッチングして所定形状のパターン層5を形成しても良い。
以下、本発明に係る低誘電配線板の製造方法の実施例を比較例と共に説明する。
実施例1
[絶縁基板の作製]
先ず、熱可塑性樹脂として液晶ポリマー[製品名:E6MP、粒子径:6.2μm(正規分布50%)、住友化学社製]100質量部、低誘電フィラーとしてガラス中空体[製品名:グラスバブルズ S60HS、粒径分布:11μm(10%)、30μm(50%)、50μm(90%)、住友スリーエム社製]80質量部(グラスバブルズ S60HSの体積比率:64.8vol%)とをタンブラーミキサーに投入し、1時間混合分散して成形材料を調製した。
成形材料を調製したら、成形材料を金型(製品サイズ:210mm×296mm×1.6mm)中に投入し、熱板が440℃に加熱された100t圧縮成形機を使用してゲージ圧力2MPaで金型の温度が380℃に達するまで圧縮成形した。この際、金型の温度が380℃に達するまでの時間は5分02秒であった。
次いで、金型の圧力を解放し、再び熱板を水冷した400t圧縮成形機を使用してゲージ圧力15MPaで金型を5分間冷却しながら圧縮成形し、厚さ1.6mmの絶縁基板を成形した。冷却5分後の金型の温度は84℃であった。
得られた絶縁基板の密度、曲げ強度、曲げ弾性率、体積抵抗率、表面抵抗率、絶縁破壊強さ、比誘電率、誘電正接、及び反りの発生を測定し、その測定結果を表1にまとめた。
[絶縁基板の評価]
密度
絶縁基板の密度の実測値は、JIS K 7112に準じて測定し、平均値をもって絶縁基板の密度とし、標準偏差をもって密度のバラツキとした。密度の計算値は、熱可塑性樹脂の密度と低誘電フィラーの密度から算出した。
曲げ特性
絶縁基板の曲げ特性は曲げ強度及び曲げ弾性率を測定し、平均値をもって絶縁基板の曲げ強度及び曲げ弾性率とし、標準偏差をもってバラツキとした。また、曲げ強度及び曲げ弾性率は、JIS K 7171に準じて測定した。また、測定方向のX軸方向は短手方向、Y軸方向を長手方向とした。
表面抵抗率・体積抵抗率
JIS K 7194に準じて測定し、平均値をもって絶縁基板の表面抵抗率及び体積抵抗率とし、標準偏差をもってバラツキとした。
絶縁破壊強さ
JIS K 6911(短時間法)に準じて測定し、平均値をもって絶縁基板の絶縁破壊強さとし、標準偏差をもってバラツキとした。
誘電特性
誘電特性は、1GHz、4GHz、12GHzの比誘電率及び誘電正接を測定し、平均値をもって絶縁基板の比誘電率及び誘電正接とし、標準偏差をもってバラツキとした。1GHzは、インピーダンス・マテリアル・アナライザーを使用した測定法により求めた。また、4GHzと12GHzの誘電特性は、円筒空洞共振器法によりそれぞれ測定した。
反りの発生
絶縁基板の反りの発生は、目視により評価した。
Figure 2008034724
[絶縁基板の表面処理]
先ず、作製した絶縁基板の表面に平均粒子径が53μmのアルミナを圧力:0.3MPa、速度:2.0m/mimで吹き付けてスキン層を除去し、絶縁基板の表面形状を表面粗さ形状測定機[測定機名:サーフコム480A、ACCRETECH 東京精密社製]を使用して測定した。測定の結果、中心線平均値:2.755μm、最大高さ:18.203μm、十点平均値:11.119μm、最大高さ:28.650μmであった。
[導電層の形成]
スキン層を除去した絶縁基板の片面にエポキシ樹脂付き銅箔[商品名:MHCG100、三井金属鉱業社製]を用いて導電層である銅箔層を接着した。エポキシ樹脂付き銅箔は、18μmの厚さを有する銅箔に、厚さ3μmのエポキシ樹脂が積層されたタイプを使用した。また、銅箔層の接着に際しては、真空圧縮成形機を使用し、温度180℃、圧力10MPaの条件で3時間実施した。また、剥離強度(90°剥離)は1.3KN/mであり、十分に使用可能な剥離強度を有していた。さらに、絶縁基板や銅箔層を目視により観察したところ、反りのないのを確認した。
実施例2
[絶縁基板の作製]
先ず、熱可塑性樹脂としてポリイミド[製品名:オーラム PD450、粒径分布:5〜100μm 、三井化学社製]100質量部、低誘電フィラーとして石炭灰中空体[製品名:イースフィアーズ SL75、粒度範囲:20〜75μm、太平洋セメント社製]60質量部(石炭灰中空体の体積比率:51.2vol%)とをタンブラーミキサーに投入し、1時間混合分散して成形材料を調製した。
調製した成形材料を金型(製品サイズ:210mm×296mm×1.0mm)中に投入し、熱板が460℃に加熱された100t圧縮成形機を使用してゲージ圧力2MPaで金型の温度が430℃に達するまで圧縮成形した。金型の温度が430℃に達するまでの時間は、7分35秒であった。
次いで、圧力を解放し、再び熱板を水冷した400t圧縮成形機を使用してゲージ圧力10MPaで金型を5分間冷却しながら圧縮成形を行い、厚さ1.0mmの絶縁基板を作製した。冷却5分後の金型の温度は94℃であった。
得られた絶縁基板の曲げ強度、曲げ弾性率、体積抵抗率、表面抵抗率、絶縁破壊強さ、比誘電率、誘電正接、及び反りの発生を測定し、測定結果を表1にまとめた。
[表面処理]
作製した絶縁基板の表面に平均粒子径が53μmのアルミナを圧力:0.3MPa、速度:2.0m/mimで吹き付けてスキン層を除去し、絶縁基板の表面形状を表面粗さ形状測定機[測定機名:サーフコム480A、ACCRETECH 東京精密社製]を使用して測定した。結果は、中心線平均値:1.818μm、最大高さ:14.699μm、十点平均値:9.978μm、最大高さ:18.573μmであった。
[導電層の形成]
スキン層を除去した絶縁基板の両面に酸素プラズマをそれぞれ照射した。この酸素プラズマ照射は、真空度が5.0×10-2mbarに達した後、表2の条件下で実施した。酸素プラズマを照射したら、直ちに絶縁基板の両面に厚さ:25μmのアミド−エポキシ系接着絶縁材[製品名:KS7003、日立化成社製]を介して厚さ17μmの電解銅箔[製品名JTC−1/3−oz、日鉱グレード・フォイル社製]を銅箔層として接着した。
係る銅箔層の接着には、真空圧縮成形機を使用し、温度:150℃、圧力:2MPaで30分間行い、引き続き、温度180℃、圧力:2MPaで2時間行った。また、剥離強度(90°剥離)は、1.5KN/mであり、十分に使用可能な剥離強度を有していた。さらに、絶縁基板や銅箔層を目視により観察したところ、反りのないのを確認した。
Figure 2008034724
実施例3
[絶縁基板の作製]
先ず、熱可塑性樹脂として、ポリフェニレンサルファイド[製品名:トレリナ E2180、東レ社製]を粉砕し、150メッシュパスとしたポリフェニレンサルファイド100質量部と、低誘電フィラーとしてガラス中空体[製品名:グラスバブルズ S60HS、粒径分布:15μm(10%)、30μm(50%)、55μm(90%)、住友スリーエム社製]100質量部(グラスバブルズ S60の体積比率:69.1vol%)とをタンブラーミキサーに投入し、1時間混合分散して成形材料を調製した。
成形材料を金型(製品サイズ:210mm×296mm×0.5mm)中に投入し、熱板が410℃に加熱された100t圧縮成形機を使用してゲージ圧力2MPaで金型の温度が350℃の達するまで圧縮成形した。金型が350℃に達するまでの時間は4分30秒であった。
次いで、圧力を解放し、再び熱板を水冷した400t圧縮成形機を使用してゲージ圧力5MPaで5分間冷却しながら圧縮成形を行い、厚さ0.5mmの絶縁基板を作製した。冷却5分後の金型の温度は74℃であった。
得られた絶縁基板の曲げ強度、曲げ弾性率、体積抵抗率、表面抵抗率、絶縁破壊強さ、比誘電率、誘電正接、及び反りの発生を測定してその測定結果を表1にまとめた。
[導電層の形成]
絶縁基板の片面に酸素プラズマ照射をそれぞれ施した。この酸素プラズマ照射は真空度が5.0×10-2mbarに達した後、表2の条件下で実施した。照射後、直ちに絶縁基板の片面に厚さ:25μmのアミド−エポキシ系接着絶縁材[製品名:KS6600−7F、日立化成社製]を介して厚さ17μmの電解銅箔[製品名JTC−1/3−oz、日鉱グレード・フォイル社製]を銅箔層として接着した。
銅箔層の接着は、真空圧縮成形機を使用し、温度:150℃、圧力:3MPa、で30分間行い、引き続き温度200℃、圧力:2MPaで2時間行った。また、剥離強度(90°剥離)は、1.2KN/mであり、十分に使用可能な剥離強度を有していた。さらに、絶縁基板や銅箔層を目視により観察したところ、反りのないのを確認した。
実施例4
先ず、熱可塑性樹脂として、液晶ポリマー[製品名:E7MP、粒子径:6.0μm(正規分布50%)、住友化学社製]100質量部、低誘電フィラーとして液晶ポリマー[製品名:E6MP.粒子径6.2μm(正規分布50%)、住友化学社製]80質量部とをタンブラーミキサーで混合後、40メッシュの金網を3回通過させ、混合分散して成形材料を調製した。
成形材料を調製したら、金型(製品サイズ:210mm×296mm×3.0mm)中に投入し、熱板が440℃に加熱された100t圧縮成形機を使用してゲージ圧力2MPaで金型の温度が380℃に達するまで圧縮成形した。金型の温度が380℃に達するまでの時間は4分52秒であった。
次いで、圧力を解放し、再び熱板を水冷した400t圧縮成形機を使用してゲージ圧力20MPaで金型を5分間冷却しながら圧縮成形を行い、厚さ2.9mmの絶縁基板を作製した。冷却5分後の金型の温度は88℃であった。
得られた絶縁基板の曲げ強度、曲げ弾性率、体積抵抗率、表面抵抗率、絶縁破壊強さ、比誘電率、誘電正接、及び反りの発生を測定し、その測定結果を表3にまとめた。
Figure 2008034724
[表面処理]
作製した絶縁基板の表面に平均粒子径が53μmのアルミナを圧力:0.3MPa、速度:2.0m/mimで吹き付けてスキン層を除去し、絶縁基板の表面形状を表面粗さ形状測定機[測定機名:サーフコム480A、ACCRETECH 東京精密社製]を使用して測定した。測定の結果は、中心線平均値:3.066μm、最大高さ:19.894μm、十点平均値:14.796μm、最大高さ:23.014μmであった。
[導電層の形成]
スキン層を除去した絶縁基板の両面に上記エポキシ樹脂付き銅箔[製品名:MHCG100、三井金属鉱業社製]を用いて銅箔層をそれぞれ接着した。この銅箔層の接着に際しては、真空圧縮成形機を使用し、温度180℃、圧力10MPaの条件で3時間実施した。また、銅箔層の剥離強度(90°剥離)は1.5KN/mであり、十分に使用可能な剥離強度を有していた。さらに、絶縁基板や銅箔層を目視により観察したところ、反りのないのを確認した。
実施例5
実施例1で得られた絶縁基板の両面に実施例2と同様の方法により酸素プラズマ照射をそれぞれ施した。
次いで、γ-アミノプロピルトリエトキシシラン[製品名:KBE−903、信越化学工業社製]の0.5wt%水溶液に10秒間浸漬し、絶縁基板の表面をγ-アミノプロピルトリエトキシシラン処理した。
γ-アミノプロピルトリエトキシシランで表面処理した絶縁基板に、銅箔層が35μmとなるよう、無電解銅メッキ法により積層した。銅箔層の厚みを光学顕微鏡により測定した結果、銅箔層の厚みは31μmであった。
銅箔層の密着をクロスカット法により試験した。クロスカット法は、絶縁基板上の銅箔層をナイフで5mm間隔で碁盤目状にカットした後、粘着テープを貼り付け、引き剥がし、銅箔層の剥離状態を目視により評価する方法である。結果は、銅箔層の剥離が認められなかった。
比較例1
[絶縁基板の作製]
先ず、熱硬化性樹脂として一液性エポキシ樹脂[製品名:XN1245SR、ナガセケムテックス社製]100質量部と、低誘電フィラーとして石炭灰中空体[製品名:イースフィアーズ SL75、粒度範囲:20〜75μm、太平洋セメント社製]60質量部(石炭灰中空体の体積比率:51.9vol%)とを容器に投入し、攪拌機で1時間混合分散して成形材料を調製した。
調製した成形材料を金型(製品サイズ:210mm×296mm×1.0mm)中に投入し、120℃に加熱された熱風オーブン中に90分間静置して一液性エポキシ樹脂を硬化させ、金型から取り出して厚さ1.0mmの絶縁基板を作製した。
得られた絶縁基板の曲げ強度、曲げ弾性率、体積抵抗率、表面抵抗率、絶縁破壊強さ、比誘電率、誘電正接、及び反りの発生を測定し、測定結果を表4にまとめた。
[導電層の形成]
絶縁基板の両面に酸素プラズマをそれぞれ照射した。この酸素プラズマ照射は、真空度が5.0×10-2mbarに達した後、表2の条件下で実施した。酸素プラズマを照射したら、絶縁基板の片面に厚さ25μmのアミド−エポキシ系接着絶縁材[製品名:KS7003、日立化成社製]を介して厚さ17μmの電解銅箔[製品名JTC−1/3−oz、日鉱グレード・フォイル社製]を銅箔層として接着した。
係る銅箔層の接着には、真空圧縮成形機を使用し、温度:150℃、圧力:3MPaで30分間行い、引き続き温度200℃、圧力:2MPaの条件で2時間行った。また、剥離強度(90°剥離)は、1.1KN/mであり、十分に使用可能な剥離強度を有していた。さらに、絶縁基板や銅箔層を目視により観察したところ、反りのないのを確認した。
比較例2
[絶縁基板の作製]
先ず、熱可塑性樹脂として液晶ポリマー[製品名:SMP−01、住友化学社製]100質量部と、低誘電フィラーとしてガラス中空体[製品名:グラスバブルズS60HS、粒度分布:11μm(10%)、30μm(50%)、50μm(90%)、住友スリーエム社製]80質量部(グラスバブルズS60HSの体積比率:64.8vol%)とをタンブラーミキサに投入し、1時間混合分散して成形材料を調製した。
成形材料を調製したら、この成形材料を幅400mm、リップ間隔1.0mmのダイを備えたφ40mmの単軸押出機に供給して360℃で溶融混練し、360℃で加熱されたダイから押し出すとともに、表面温度が30℃に保持された冷却ロールで冷却固化し、長さ10m、幅300mm、厚み0.70mmの絶縁基板を作製した。
こうして得られた絶縁基板の曲げ強度、曲げ弾性率、体積抵抗率、表面抵抗率、絶縁破壊強さ、比誘電率、誘電正接、及び反りの発生を測定し、測定結果を表4にまとめた。測定方向のX軸方向は押出方向と直交する横方向とし、Y軸方向は押出方向である縦方向とした。
[表面処理]
作製した絶縁基板の表面に平均粒子径が53μmのアルミナを圧力:0.3MPa、速度:2.0m/mimで吹き付けてスキン層を除去し、絶縁基板の表面形状を表面粗さ形状測定機[測定機名:サーフコム480A、ACCRETECH 東京精密社製]を使用して測定した。測定の結果は、中心線平均値:3.063μm、最大高さ:20.357μm、十点平均値:12.425μm、最大高さ:30.784μmであった。
[導電層の形成]
スキン層を除去した絶縁基板の片面にエポキシ樹脂付き銅箔[製品名:MHCG100、三井金属鉱業社製]を用いて銅箔層をそれぞれ接着した。この銅箔層の接着に際しては、真空圧縮成形機を使用し、温度:180℃、圧力:10MPaの条件で3時間実施した。また、銅箔層の剥離強度(90°剥離)は、1.2KN/mであり、十分に使用可能な剥離強度を有していた。また、接着した銅箔層を目視により観察したところ、著しく大きな反りを確認した。
Figure 2008034724
結 果
実施例1〜4により得られた絶縁基板の曲げ特性は、X軸方向とY軸方向の差10%以下で異方性が認められなかった。また、表面抵抗率は1015Ω/□以上、体積抵抗率は1015Ω・cm以上、絶縁破壊強さは20KV/mmであり、優れた絶縁性を有していた。 絶縁基板の12GHzの高周波領域における比誘電率は3.0以下又は12GHzの高周波領域の誘電正接は0.001以下であった。
成形品に反りは何ら認められなかった。また、導電層は、接着剤を介しての銅箔の接着、あるいはメッキによる銅箔層の形成により設けることが可能である。
以上の結果より、本発明により得られる絶縁基板は、低誘電性配線板の絶縁基板として十分に使用することが可能である。
これに対し、比較例1の絶縁基板は、実施例1の絶縁基板と比較して曲げ強度や曲げ弾性率等の曲げ特性が劣り、しかも、成形時間が長いので生産性に関して問題が生じた。さらに、比較例2の絶縁基板は、押出成形法により絶縁基板を作製したため、X軸方向とY軸方向とに大きな異方性が生じ、加えて大きな反りが認められた。
本発明に係る低誘電配線板の製造方法の実施形態における成形材料を分散させて金型に投入する状態を模式的に示す説明図である。 本発明に係る低誘電配線板の製造方法の実施形態における絶縁基板を圧縮成形する状態を模式的に示す説明図である。 本発明に係る低誘電配線板の製造方法の実施形態における絶縁基板の全表面に銅箔層を積層した状態を模式的に示す説明図である。 図3の銅箔層の不要領域をエッチングしてパターン層を形成した状態を模式的に示す説明図である。 本発明に係る低誘電配線板の製造方法の第2の実施形態における絶縁基板の表裏両面に銅箔層をそれぞれ積層する状態を模式的に示す説明図である。 図5の絶縁基板の厚さ方向に複数の貫通孔を穿孔した状態を模式的に示す断面説明図である。 図6の各貫通孔の内周面にスルーホールメッキを施した状態を模式的に示す断面説明図である。
符号の説明
1 成形材料
2 金型
3 絶縁基板
4 銅箔層(導電層)
5 パターン層
10 貫通孔
11 スルーホールメッキ

Claims (4)

  1. 少なくとも粉末の熱可塑性樹脂を含む成形材料を使用して絶縁基板を圧縮成形し、この圧縮成形した絶縁基板の両面のうち少なくとも片面に導電層を設け、この導電層を加工してパターン層を形成することを特徴とする低誘電配線板の製造方法。
  2. 絶縁基板の両面に導電層をそれぞれ設け、各導電層を加工してパターン層を形成し、絶縁基板に設けた貫通孔の内部にパターン層と導通するスルーホールメッキを施す請求項1記載の低誘電配線板の製造方法。
  3. 成形材料の熱可塑性樹脂を液晶ポリマーとする請求項1又は2記載の低誘電配線板の製造方法。
  4. 成形材料は低誘電フィラーを含み、この低誘電フィラーを粉末の液晶ポリマー、フッ素樹脂、変性ポリフェニレンエーテル、ガラスバルーン、石炭灰中空体、あるいはシラスバルーンとする請求項1、2、又は3記載の低誘電配線板の製造方法。
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