JP2014009140A - 球状アルミナフィラー及びそれを含む高熱伝導絶縁材料用樹脂組成物、プリプレグ、積層板 - Google Patents
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Abstract
【課題】熱伝導率の大きい球状のアルミナフィラー及びそれを用いた樹脂組成物、プリプレグ、並びに積層板を提供する。
【解決手段】球状アルミナに1200〜1500℃の熱処理を施し、α化率を80%以上に転換した、比重3.85以上で、平均粒径が1μm以上10μm以下である球状アルミナフィラー。熱硬化性樹脂と、前記の球状アルミナフィラーとを含有し、前記球状アルミナフィラーの含有量が、60〜90質量%である高熱伝導絶縁材料用樹脂組成物。前記の高熱伝導絶縁材料用樹脂組成物を基材に含浸させた後、乾燥して得られるプリプレグ。前記のプリプレグを1枚もしくは複数枚重ね、加熱加圧成形して得られる積層板。
【選択図】なし
【解決手段】球状アルミナに1200〜1500℃の熱処理を施し、α化率を80%以上に転換した、比重3.85以上で、平均粒径が1μm以上10μm以下である球状アルミナフィラー。熱硬化性樹脂と、前記の球状アルミナフィラーとを含有し、前記球状アルミナフィラーの含有量が、60〜90質量%である高熱伝導絶縁材料用樹脂組成物。前記の高熱伝導絶縁材料用樹脂組成物を基材に含浸させた後、乾燥して得られるプリプレグ。前記のプリプレグを1枚もしくは複数枚重ね、加熱加圧成形して得られる積層板。
【選択図】なし
Description
本発明は、半導体パッケージやプリント配線板用に好適な、放熱性に優れる球状アルミナフィラー及びそれを含む高熱伝導絶縁材料用樹脂組成物、プリプレグ、積層板に関する。
近年、携帯電話やモバイル機器など、電子機器の小型軽量化または薄型化が顕著である。これにより、電子機器内部のプリント配線板に搭載されたICやLSI等の電子部品は高密度化してきており、電子機器内部の発熱密度が大きくなっている。電子機器内の発熱密度が大きくなると、電子機器内部の発熱に伴う温度上昇が顕著になり、電子部品の動作信頼性は低下する。このため、電子部品や導体から発生した熱を速やかに外部に放出することが求められており、パッケージ材料やプリント配線基板の熱伝導率を向上させる必要が生じている。
上記問題を解決する手段としては絶縁材料の熱伝導率を向上させることが有効であり、樹脂材料に高熱伝導の無機フィラーを高充填させる方法が現在主流となっている。高熱伝導の無機フィラーとしてはアルミナ、マグネシア、窒化ホウ素、窒化アルミニウム等が知られているが、耐薬品性、吸湿安定性などの点から実用に供されているのはアルミナが主流になっている。また、フィラーの形状は高充填化が容易な真球状の形状であることが好ましい。真球状のアルミナフィラーは一般に原料となるバイヤー法アルミナを火炎中に噴霧し、溶融しながら急冷することにより球状化する、いわゆる溶射法で製造されることが知られている(特許文献1参照)。この溶射法では流動性に優れる球状アルミナが得られるが、その結晶相は50μm程度の大粒径の粒子ではα−アルミナの含有率が高いものが得られるが、粒径が小さくなるに従いδ−アルミナなどの低温相の含有率が増加し、熱伝導率が小さくなるといった問題があった。
本発明はかかる事情に鑑みなされたもので、真球状で10μm以下の小粒径においても熱伝導率の大きいα−アルミナ相からなる球状アルミナフィラーおよびそれを含む高熱伝導絶縁材料用樹脂組成物、プリプレグ、積層板を提供するものである。
本発明は、上記課題を達成するために鋭意検討をした結果、完成されたものである。すなわち本発明は、以下に関するものである。
1.球状アルミナに1200〜1500℃の熱処理を施し、α化率を80%以上に転換した、比重3.85以上で、平均粒径が1μm以上10μm以下である球状アルミナフィラー。
2.熱硬化性樹脂と、上記1の球状アルミナフィラーとを含有し、前記球状アルミナフィラーの含有量が、60〜90質量%である高熱伝導絶縁材料用樹脂組成物。
3.上記2記載の高熱伝導絶縁材料用樹脂組成物を基材に含浸させた後、乾燥して得られるプリプレグ。
4.上記3記載のプリプレグを1枚もしくは複数枚重ね、加熱加圧成形して得られる積層板。
5.重ねたプリプレグの少なくとも一方に金属箔を重ねた後、加熱加圧成形して得られた金属張積層板である上記4記載の積層板。
1.球状アルミナに1200〜1500℃の熱処理を施し、α化率を80%以上に転換した、比重3.85以上で、平均粒径が1μm以上10μm以下である球状アルミナフィラー。
2.熱硬化性樹脂と、上記1の球状アルミナフィラーとを含有し、前記球状アルミナフィラーの含有量が、60〜90質量%である高熱伝導絶縁材料用樹脂組成物。
3.上記2記載の高熱伝導絶縁材料用樹脂組成物を基材に含浸させた後、乾燥して得られるプリプレグ。
4.上記3記載のプリプレグを1枚もしくは複数枚重ね、加熱加圧成形して得られる積層板。
5.重ねたプリプレグの少なくとも一方に金属箔を重ねた後、加熱加圧成形して得られた金属張積層板である上記4記載の積層板。
本発明により、小粒径においても熱伝導率が大きく、球形で充填性に優れるアルミナフィラーを得ることができる。また、この球状アルミナフィラーを使用することにより、半導体パッケージやプリント配線板用に好適な、高熱伝導絶縁材料用樹脂組成物、それを用いたプリプレグ、および積層板を提供することができる。
以下、本発明の球状アルミナフィラー(以下、アルミナフィラーとも表す)及びそれを用いた高熱伝導絶縁材料用樹脂組成物(以下、樹脂組成物とも表す)、プリプレグ、積層板について詳細に説明する。
本発明の球状アルミナフィラーは、球状アルミナに1200℃から1500℃の熱処理を施した、α化率が80%以上で、比重3.85以上、平均粒径が1μm以上10μm以下である。なお、熱処理される、球状アルミナは、通常、δ相を主成分としている。
また、通常、球状アルミナには溶射法による平均球形度は0.8以上、好ましい平均球形度は0.9以上のものを使用する。球状アルミナ(溶射法アルミナ)は、アルミナ、水酸化アルミニウム、金属アルミニウムなどのアルミニウム原となる粉末を火炎中に投入し、溶融させ表面張力により球形化するものであり、公知の方法で製造できる。
球形度はフィラーのSEM写真からの投影面積(A)と周囲長(PM)を測定し、周囲長(PM)に対する真円の面積を(B)し、同一の円周長を持つ真円を想定すると、PM=2πr、B=πr2であるから、B=π×(PM/2π)2となり、この粒子の球形度は、球形度=A/B=A×4π/(PM)2として算出される。100個の粒子について球形度を測定し、その平均値を粉末の平均球形度とする。
本発明の球状アルミナフィラーは、球状アルミナに1200℃から1500℃の熱処理を施した、α化率が80%以上で、比重3.85以上、平均粒径が1μm以上10μm以下である。なお、熱処理される、球状アルミナは、通常、δ相を主成分としている。
また、通常、球状アルミナには溶射法による平均球形度は0.8以上、好ましい平均球形度は0.9以上のものを使用する。球状アルミナ(溶射法アルミナ)は、アルミナ、水酸化アルミニウム、金属アルミニウムなどのアルミニウム原となる粉末を火炎中に投入し、溶融させ表面張力により球形化するものであり、公知の方法で製造できる。
球形度はフィラーのSEM写真からの投影面積(A)と周囲長(PM)を測定し、周囲長(PM)に対する真円の面積を(B)し、同一の円周長を持つ真円を想定すると、PM=2πr、B=πr2であるから、B=π×(PM/2π)2となり、この粒子の球形度は、球形度=A/B=A×4π/(PM)2として算出される。100個の粒子について球形度を測定し、その平均値を粉末の平均球形度とする。
この溶射法アルミナフィラーを大気下、1200℃から1500℃の熱処理を、好ましくは1300℃から1400℃の熱処理を施すことにより、低温相で熱伝導率の低いδ相を、高温相で熱伝導率の高いα相に転換できる。熱処理温度が1200℃より低いとα化の転換速度が遅く実用的でなく、1500℃を超えるとフィラー粒子間の焼結が進み、解砕が困難になる。
熱処理時間は熱処理温度により異なるが、通常30分以上、好ましくは1時間以上5時間以下行う。30分未満ではα相への転換が不十分となり、また、5時間を超えて熱処理を行ってもそれ以上のα相への転換効果は見られず、フィラー同士の焼結が進み解砕が困難になる。
熱処理炉はボックス炉、トンネル炉、ロータリーキルン等の公知の手段でよく、熱処理雰囲気は特に限定されないが、大気雰囲気で充分である。
熱処理時間は熱処理温度により異なるが、通常30分以上、好ましくは1時間以上5時間以下行う。30分未満ではα相への転換が不十分となり、また、5時間を超えて熱処理を行ってもそれ以上のα相への転換効果は見られず、フィラー同士の焼結が進み解砕が困難になる。
熱処理炉はボックス炉、トンネル炉、ロータリーキルン等の公知の手段でよく、熱処理雰囲気は特に限定されないが、大気雰囲気で充分である。
本発明のアルミナフィラーのα化率は80%以上であり、85%以上であることが好ましい。α化率が高いほど熱伝導率の向上が期待できる。
α化率はX線回折測定においてα−アルミナの回折角度2Θ=68.2°のピーク強度をaとし、δ−アルミナの回折角度2Θ=67.3°のピーク強度をbとすると下式(1)で評価できる。
α化率=a/(a+b)×100 ・・・・・・・・(1)
α化率はX線回折測定においてα−アルミナの回折角度2Θ=68.2°のピーク強度をaとし、δ−アルミナの回折角度2Θ=67.3°のピーク強度をbとすると下式(1)で評価できる。
α化率=a/(a+b)×100 ・・・・・・・・(1)
本発明のアルミナフィラーの比重は3.85以上であり、3.9以上であることが好ましい。より好ましい、α−アルミナの比重は3.98以上であり、溶射法で作製した球状アルミナの比重はδ相/α相の比率にもよるが、3.7〜3.8程度である。α相の比率が増加するにしたが比重は増加し、α化率が80以上では比重は3.85以上となる。比重は液体置換型のピクノメータで測定できる。
本発明のアルミナフィラーの平均粒径は1〜10μmであり、さらに1〜5μmのものが積層板の絶縁信頼性や成形性を向上させる点で好ましい。ここで、平均粒径とは、累積50%粒子径であり、アルミナフィラーの粉末の全体積を100%として粒子径による累積度数分布曲線を求めた時、ちょうど体積50%に相当する点の粒子径のことであり、レーザ回折散乱法を用いた粒度分布測定装置などで測定することができる。
また、本発明のアルミナフィラーは、焼成後、フィラー同士の凝集を解くため、必要に応じて解砕処理を行う。解砕処理はピンミル、スタンプミル、ジェットミル、粉砕機が利用される。
本発明の樹脂組成物は、熱硬化性樹脂と、本発明のアルミナフィラーとを成分として含むものである。
このうち、熱硬化性樹脂としては、たとえば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、不飽和イミド樹脂、アミノ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、アリル樹脂、ジシクロペンタジエン樹脂、シリコーン樹脂、トリアジン樹脂、メラミン樹脂等が挙げられる。これらの中で、成形性や電気絶縁性に優れるエポキシ樹脂が好ましい。
このようなエポキシ樹脂としては、たとえば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールFノボラック型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、多官能フェノール類及びアントラセンやナフタレン等の多環芳香族類のグリシジルエーテル化合物等が挙げられる。
このうち、熱硬化性樹脂としては、たとえば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、不飽和イミド樹脂、アミノ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、アリル樹脂、ジシクロペンタジエン樹脂、シリコーン樹脂、トリアジン樹脂、メラミン樹脂等が挙げられる。これらの中で、成形性や電気絶縁性に優れるエポキシ樹脂が好ましい。
このようなエポキシ樹脂としては、たとえば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールFノボラック型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、多官能フェノール類及びアントラセンやナフタレン等の多環芳香族類のグリシジルエーテル化合物等が挙げられる。
本発明の樹脂組成物のアルミナフィラー含有量は、樹脂組成物全体の60〜90質量%であり、70〜85質量%であることが好ましい。
アルミナフィラーの含有量が樹脂組成物全体の60〜90質量%であると、アルミナフィラーによる熱伝導率向上効果が十分となり、かつ熱膨張の低減効果や適度な流動性を有して成形性が優れる。これに対して、アルミナフィラーの含有量が樹脂組成物全体の60質量%未満となると、熱伝導効果が不十分となり、逆に90質量%を超えると、流動性が低下して成形性が悪化する傾向が出てくるので、好ましくない。
アルミナフィラーの含有量が樹脂組成物全体の60〜90質量%であると、アルミナフィラーによる熱伝導率向上効果が十分となり、かつ熱膨張の低減効果や適度な流動性を有して成形性が優れる。これに対して、アルミナフィラーの含有量が樹脂組成物全体の60質量%未満となると、熱伝導効果が不十分となり、逆に90質量%を超えると、流動性が低下して成形性が悪化する傾向が出てくるので、好ましくない。
本発明の樹脂組成物には、前述のアルミナフィラー以外に、無機充填材として、水酸化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウム、酸化チタン、酸化珪素、窒化硼素などを添加することができる。これらの中で、高熱伝導の点から水酸化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、窒化硼素が好ましい。
本発明の樹脂組成物には、上記成分以外に硬化剤、硬化促進剤、熱可塑性樹脂、エラストマー、難燃剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤および密着性向上剤等を添加することができる。
硬化剤の例としては、例えばエポキシ樹脂を用いる場合には、フェノールノボラック、クレゾールノボラック等の多官能フェノール化合物;ジシアンジアミド、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニルスルフォン等のアミン化合物;無水フタル酸、無水ピロメリット酸、無水マレイン酸、無水マレイン酸共重合体等の酸無水物;等を用いることができる。これら硬化剤は、何種類かを併用することもできる。
硬化剤の例としては、例えばエポキシ樹脂を用いる場合には、フェノールノボラック、クレゾールノボラック等の多官能フェノール化合物;ジシアンジアミド、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニルスルフォン等のアミン化合物;無水フタル酸、無水ピロメリット酸、無水マレイン酸、無水マレイン酸共重合体等の酸無水物;等を用いることができる。これら硬化剤は、何種類かを併用することもできる。
硬化促進剤の例としては、たとえ場エポキシ樹脂の硬化促進剤として、イミダゾール類及びその誘導体;有機リン系化合物;第二級アミン類、第三級アミン類、及び第四級アンモニウム塩;等が挙げられる。
このようなイミダゾール類及びその誘導体としては、イミダゾール、2−メチルイミダゾール、2−エチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−ウンデシルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾール、4,5−ジフェニルイミダゾール、2−メチルイミダゾリン、2−フェニルイミダゾリン、2−ウンデシルイミダゾリン、2−ヘプタデシルイミダゾリン、2−イソプロピルイミダゾール、2,4−ジメチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、2−エチルイミダゾリン、2−イソプロピルイミダゾリン、2,4−ジメチルイミダゾリン、2−フェニル−4−メチルイミダゾリン等が挙げられる。これらイミダゾール系化合物は、マスク化剤によりマスクされていても良い。
このようなマスク化剤としては、アクリルニトリル、フェニレンジイソシアネート、トルイジンイソシアニネート、ナフタレンジイソシアネート、メチレンビスフェニルイソシアネート、メラミンアクリレート等が挙げられる。
このようなイミダゾール類及びその誘導体としては、イミダゾール、2−メチルイミダゾール、2−エチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−ウンデシルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾール、4,5−ジフェニルイミダゾール、2−メチルイミダゾリン、2−フェニルイミダゾリン、2−ウンデシルイミダゾリン、2−ヘプタデシルイミダゾリン、2−イソプロピルイミダゾール、2,4−ジメチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、2−エチルイミダゾリン、2−イソプロピルイミダゾリン、2,4−ジメチルイミダゾリン、2−フェニル−4−メチルイミダゾリン等が挙げられる。これらイミダゾール系化合物は、マスク化剤によりマスクされていても良い。
このようなマスク化剤としては、アクリルニトリル、フェニレンジイソシアネート、トルイジンイソシアニネート、ナフタレンジイソシアネート、メチレンビスフェニルイソシアネート、メラミンアクリレート等が挙げられる。
有機リン系化合物としては、エチレンホスフィン、プロピルホスフィン、ブチルホスフィン、フェニルホスフィン、トリメチルホスフィン、トリエチルホスフィン、トリブチルホスフィン、トリオクチルホスフィン、トリフェニルホスフィン、トリシクロヘキシルホスフィン、トリフェニルホスフィン/トリフェニルボラン錯体、テトラフェニルホスホニウムテトラフェニルボレート等が挙げられる。
第二級アミン類としては、モルホリン、ピペリジン、ピロリジン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジシクロヘキシルアミン、N−アルキルアリールアミン、ピペラジン、ジアリルアミン、チアゾリン、チオモルホリン等が挙げられる。
第三級アミン類としては、ベンジルジメチルアミン、2−(ジメチルアミノメチル)フェノール、2,4,6−トリス(ジアミノメチル)フェノール等が挙げられる。
第四級アンモニウム塩としては、テトラブチルアンモニウムアイオダイド、テトラブチルアンモニウムブロマイド、テトラブチルアンモニウムクロライド、テトラブチルアンモニウムフルオライド、塩化ベンザルコニウム、ベンジルジ(2−ヒドロキシエチル)エチルアンモニウムクロライド、デシルジ(2−ヒドロキシエチル)メチルアンモニウムブロマイド等が挙げられる。
なお、上記硬化促進剤の種類や配合量は、2種類以上を併用しても良い。
第二級アミン類としては、モルホリン、ピペリジン、ピロリジン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジシクロヘキシルアミン、N−アルキルアリールアミン、ピペラジン、ジアリルアミン、チアゾリン、チオモルホリン等が挙げられる。
第三級アミン類としては、ベンジルジメチルアミン、2−(ジメチルアミノメチル)フェノール、2,4,6−トリス(ジアミノメチル)フェノール等が挙げられる。
第四級アンモニウム塩としては、テトラブチルアンモニウムアイオダイド、テトラブチルアンモニウムブロマイド、テトラブチルアンモニウムクロライド、テトラブチルアンモニウムフルオライド、塩化ベンザルコニウム、ベンジルジ(2−ヒドロキシエチル)エチルアンモニウムクロライド、デシルジ(2−ヒドロキシエチル)メチルアンモニウムブロマイド等が挙げられる。
なお、上記硬化促進剤の種類や配合量は、2種類以上を併用しても良い。
熱可塑性樹脂の例としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリフェニレンエーテル樹脂、フェノキシ樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリイミド樹脂、キシレン樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリエーテルイミド樹脂等が挙げられる。
エラストマーの例としては、ポリブタジエン、アクリロニトリル、エポキシ変性ポリブタジエン、無水マレイン酸変性ポリブタジエン、フェノール変性ポリブタジエンおよびカルボキシ変性アクリロニトリル等が挙げられる。
難燃剤の例としては、臭素や塩素を含有する含ハロゲン系難燃剤、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、トリスジクロロプロピルホスフェート、ホスファゼン、赤リン等のリン系難燃剤;三酸化アンチモン;等の無機系難燃剤が挙げられる。
難燃剤の例としては、臭素や塩素を含有する含ハロゲン系難燃剤、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、トリスジクロロプロピルホスフェート、ホスファゼン、赤リン等のリン系難燃剤;三酸化アンチモン;等の無機系難燃剤が挙げられる。
その他、紫外線吸収剤の例としてはベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、酸化防止剤の例としてはヒンダードフェノール系やスチレン化フェノール系酸化防止剤、密着性向上剤の例としては尿素シラン等の尿素化合物やシランカップリング剤が挙げられる。
このうち、シランカップリング剤としては、具体的には、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピル(メチル)ジメトキシシラン、2−(2,3−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシランのようなエポキシ基含有シラン;3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピル(メチル)ジメトキシシランのようなアミノ基含有シラン;3−(トリメトキシリル)プロピルテトラメチルアンモニウムクロリドのようなカチオン性シラン;ビニルトリエトキシシランのようなビニル基含有シラン;3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランのようなアクリル基含有シラン;及び3−メルカプトプロピルトリメトキシシランのようなメルカプト基含有シランが挙げられる。
このうち、シランカップリング剤としては、具体的には、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピル(メチル)ジメトキシシラン、2−(2,3−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシランのようなエポキシ基含有シラン;3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピル(メチル)ジメトキシシランのようなアミノ基含有シラン;3−(トリメトキシリル)プロピルテトラメチルアンモニウムクロリドのようなカチオン性シラン;ビニルトリエトキシシランのようなビニル基含有シラン;3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランのようなアクリル基含有シラン;及び3−メルカプトプロピルトリメトキシシランのようなメルカプト基含有シランが挙げられる。
本発明の樹脂組成物は、プリプレグに用いられるため、各成分が有機溶媒中に溶解もしくは分散された状態で配合され、最終的にはワニスの状態で提供されることが好ましい。
この際用いる有機溶媒としては、例えばメタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等のアルコール類;メチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、プロピレングリコールモノメチルエーテル等のグリコールエーテル類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;酢酸ブチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のエステル類;テトラヒドロフラン等のエーテル類;トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等の窒素原子含有溶媒;ジメチルスルホキシド等の硫黄原子含有溶媒;等が挙げられ、単独または2種以上を混合して使用できる。
これらの中で、溶解性の点からメチルイソブチルケトン、メチルエチルケトン、プロピレングリコールモノメチルエーテル、メチルセロソルブが好ましく、低毒性である点からメチルイソブチルケトン、プロピレングリコールモノメチルエーテルがより好ましい。
この際用いる有機溶媒としては、例えばメタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等のアルコール類;メチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、プロピレングリコールモノメチルエーテル等のグリコールエーテル類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;酢酸ブチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のエステル類;テトラヒドロフラン等のエーテル類;トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等の窒素原子含有溶媒;ジメチルスルホキシド等の硫黄原子含有溶媒;等が挙げられ、単独または2種以上を混合して使用できる。
これらの中で、溶解性の点からメチルイソブチルケトン、メチルエチルケトン、プロピレングリコールモノメチルエーテル、メチルセロソルブが好ましく、低毒性である点からメチルイソブチルケトン、プロピレングリコールモノメチルエーテルがより好ましい。
アルミナフィラーを有機溶媒中に分散させる際は、分散性向上のためにビーズミル、ホモジナイザー、ジェットミル等の分散機を使うことができる。また、アルミナフィラーをシラン系やチタネート系等のカップリング剤、シリコーンオリゴマー等の表面処理剤で前処理、あるいはインテグラルブレンド処理することも好ましい。
最終的に得られるワニス中の樹脂組成物は、ワニス全体の40〜90質量%であることが好ましく、50〜85質量%であることがより好ましい。ワニス中の樹脂組成物の含有量が少な過ぎると、適切な樹脂組成物の付着量のプリプレグを作製することが難しくなり、逆に多過ぎると、ワニスの粘度が高くなり塗工性が低下する。
次に上記の樹脂組成物を用いたプリプレグについて説明する。
本発明のプリプレグは、上記の樹脂組成物を基材に含浸、吹付け、押出し等の方法で塗工し、加熱等により半硬化して製造することができる。特に、上記樹脂組成物ワニスを用いて基材に含浸塗工し、加熱半硬化する方法が生産性に優れているので好ましい。
本発明のプリプレグに用いる基材としては、Eガラス、Dガラス、SガラスおよびQガラス等の無機繊維が挙げられる。
これらの基材は、例えば、織布、不織布、ロービンク、チョップドストランドマットおよびサーフェシングマット等の形状を有するが、材質および形状は目的とする積層板の用途や性能により選択され、必要により、単独または2種類以上の材質および形状を組み合せることができる。基材への処理としてはシランカップリング剤等で表面処理したもの、または機械的に開繊処理を施したものが、耐熱性や耐湿性、加工性の面から好ましい。
基材の厚さは、例えば0.01〜0.2mmのものを採用することができる。
本発明のプリプレグは、上記の樹脂組成物を基材に含浸、吹付け、押出し等の方法で塗工し、加熱等により半硬化して製造することができる。特に、上記樹脂組成物ワニスを用いて基材に含浸塗工し、加熱半硬化する方法が生産性に優れているので好ましい。
本発明のプリプレグに用いる基材としては、Eガラス、Dガラス、SガラスおよびQガラス等の無機繊維が挙げられる。
これらの基材は、例えば、織布、不織布、ロービンク、チョップドストランドマットおよびサーフェシングマット等の形状を有するが、材質および形状は目的とする積層板の用途や性能により選択され、必要により、単独または2種類以上の材質および形状を組み合せることができる。基材への処理としてはシランカップリング剤等で表面処理したもの、または機械的に開繊処理を施したものが、耐熱性や耐湿性、加工性の面から好ましい。
基材の厚さは、例えば0.01〜0.2mmのものを採用することができる。
本発明の積層板は、本発明のプリプレグを用いて積層成形してなるものである。例えば、本発明のプリプレグを1〜20枚重ね、その片面または両面に銅またはアルミニウム等の金属箔を配置した構成で、多段プレス、多段真空プレス、連続成形機、オートクレーブ成形機等を使用し、温度100〜250℃、圧力0.2〜10MPa、加熱時間0.1〜5時間の範囲で積層成形して、金属箔張積層板を製造することができる。金属箔は、電子部品用途で用いるものであれば特に制限されない。また、本発明のプリプレグと内層用配線板とを組合せて積層成形し、多層板を製造することもできる。
以下、本発明を実施例に基づいて説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。なお、本発明の実施例および比較例のアルミナフィラーの平均粒径、α化率、比重および樹脂板と積層板の熱伝導率は以下の方法で測定した。
(平均粒径)
アルミナフィラーの平均粒径は、日機装株式会社製レーザー散乱粒度分布計MT3000で水を分散液として測定した。
アルミナフィラーの平均粒径は、日機装株式会社製レーザー散乱粒度分布計MT3000で水を分散液として測定した。
(α化率)
α化率はX線回折パターンを測定し、X線回折測定においてα−アルミナの回折角度2Θ=68.2°のピーク強度をaとし、δ−アルミナの回折角度2Θ=67.3°のピーク強度をbとして、α化率=a/(a+b)*100の関係から算出した。アルミナフィラーのX線回折測定は株式会社リガク製X線回折装置 RAD3で管電圧40kV、管電流20mAで行った。
α化率はX線回折パターンを測定し、X線回折測定においてα−アルミナの回折角度2Θ=68.2°のピーク強度をaとし、δ−アルミナの回折角度2Θ=67.3°のピーク強度をbとして、α化率=a/(a+b)*100の関係から算出した。アルミナフィラーのX線回折測定は株式会社リガク製X線回折装置 RAD3で管電圧40kV、管電流20mAで行った。
(比重)
容量50mlのゲーユサック型のピグノメータを使用し、アルミナフィラー約10gを使用して測定した。測定に当たっては真空脱気して気泡の混入を防止した。
容量50mlのゲーユサック型のピグノメータを使用し、アルミナフィラー約10gを使用して測定した。測定に当たっては真空脱気して気泡の混入を防止した。
(熱伝導率)
熱伝導率の評価は、熱拡散率はキセノンフラッシュ法(Nano Flash LEA447、NETZSCH社製)を用いて、定圧比熱容量はDSC(PE Pyris Series Pyris1、パーキンエルマー社製)を用いて、密度は電子比重計(SD−200L、アルファミラージュ製)を用いて測定し、これらの積によって算出した。なお、熱拡散率、密度は25℃で測定し、定圧比熱容量測定についても25℃の比熱容量を測定により導いた。
熱伝導率の評価は、熱拡散率はキセノンフラッシュ法(Nano Flash LEA447、NETZSCH社製)を用いて、定圧比熱容量はDSC(PE Pyris Series Pyris1、パーキンエルマー社製)を用いて、密度は電子比重計(SD−200L、アルファミラージュ製)を用いて測定し、これらの積によって算出した。なお、熱拡散率、密度は25℃で測定し、定圧比熱容量測定についても25℃の比熱容量を測定により導いた。
(実施例1〜4、比較例1〜3)
アルミナフィラーには株式会社マイクロン製の溶射法球状アルミナAX3−15Rを使用した。レーザー散乱法で測定した平均粒径は4.6μm、SEM写真から測定した平均球形度は0.93であった。
表1に示した実施例1〜4及び比較例1〜3の条件で熱処理を行い、3mm直径のジルコニアボールを使用したボールミルで30分粉砕し、熱処理アルミナフィラーを得た。ジルコニアボールと分離後平均粒径、α化率、比重を測定した。
次いで熱処理したアルミナフィラーを表1に示す分量(配合単位:質量部)と、熱硬化性樹脂としてフェノールノボラック型エポキシ樹脂(大日本インキ化学工業株式会社製、商品名:エピクロンN−770)を61.6質量部、硬化剤として、クレゾールノボラック型フェノール樹脂(大日本インキ化学工業株式会社製、商品名:KA−1165)を39.2質量部、硬化促進剤として、2−エチル−4−メチルイミダゾール(四国化成工業株式会社製 2E4MZ)を0.2質量部と、溶剤としてメチルエチルケトンを配合し固形分75質量%のワニスを調整した。なおアルミナフィラーの含有量は、樹脂組成物の全固形分に対し、50体積%になるように調整した。
アルミナフィラーには株式会社マイクロン製の溶射法球状アルミナAX3−15Rを使用した。レーザー散乱法で測定した平均粒径は4.6μm、SEM写真から測定した平均球形度は0.93であった。
表1に示した実施例1〜4及び比較例1〜3の条件で熱処理を行い、3mm直径のジルコニアボールを使用したボールミルで30分粉砕し、熱処理アルミナフィラーを得た。ジルコニアボールと分離後平均粒径、α化率、比重を測定した。
次いで熱処理したアルミナフィラーを表1に示す分量(配合単位:質量部)と、熱硬化性樹脂としてフェノールノボラック型エポキシ樹脂(大日本インキ化学工業株式会社製、商品名:エピクロンN−770)を61.6質量部、硬化剤として、クレゾールノボラック型フェノール樹脂(大日本インキ化学工業株式会社製、商品名:KA−1165)を39.2質量部、硬化促進剤として、2−エチル−4−メチルイミダゾール(四国化成工業株式会社製 2E4MZ)を0.2質量部と、溶剤としてメチルエチルケトンを配合し固形分75質量%のワニスを調整した。なおアルミナフィラーの含有量は、樹脂組成物の全固形分に対し、50体積%になるように調整した。
上記樹脂組成物のワニスをガラス板に塗工し、160℃で5分加熱乾燥して得られた膜から樹脂組成物の粉末を得た。この樹脂組成物の粉末を温度185℃、圧力3.5MPaで1.5時間成形を行って、樹脂板を得た。この樹脂板を10mm角の大きさに切断して、熱伝導率評価用樹脂板を作製し、熱伝導率を測定した。
次に上記樹脂組成物のワニスを、Eガラスクロス(日東紡株式会社製、商品名:WEA116E、厚さ0.1mm、熱伝導率1.04W/mK)に含浸塗工し、160℃で5分加熱乾燥して樹脂組成物の含有量が70体積%のプリプレグを得た。
次に、このプリプレグを4枚重ね、厚さ18μmの電解銅箔を上下に配置し、温度185℃、圧力3.5MPaで1.5時間積層成形を行って銅張積層板を得た。銅張積層板の銅箔をエッチング液により取除いた後、10mm角の大きさに切断して熱伝導率評価基板を作製し、熱伝導率を測定した。
次に上記樹脂組成物のワニスを、Eガラスクロス(日東紡株式会社製、商品名:WEA116E、厚さ0.1mm、熱伝導率1.04W/mK)に含浸塗工し、160℃で5分加熱乾燥して樹脂組成物の含有量が70体積%のプリプレグを得た。
次に、このプリプレグを4枚重ね、厚さ18μmの電解銅箔を上下に配置し、温度185℃、圧力3.5MPaで1.5時間積層成形を行って銅張積層板を得た。銅張積層板の銅箔をエッチング液により取除いた後、10mm角の大きさに切断して熱伝導率評価基板を作製し、熱伝導率を測定した。
表1から明らかなように、本発明の実施例1〜4のアルミナフィラーを適用した樹脂板と積層板はそれぞれ1.38W/mK以上、1.25W/mK以上の熱伝導率を示し、比較例1に示した未処理のアルミナフィラーを用いた樹脂板、積層板より優れた熱伝導特性を示すことが分かる。また比較例2で示すように1200℃未満では熱処理が不十分であり、充分な熱伝導率向上効果が得られないことが分かる。一方、比較例3で示すように1500℃を超える温度で熱処理した場合には、アルミナフィラーのα化率は向上し、アルミナフィラー単独の熱伝導率は向上すると考えられるが、粒子の焼結が進み、平均粒径の増大が生じるため、成形性が低下し熱伝導率が低下していることが分かる。
本発明により、熱伝導性に優れたアルミナフィラーが得られ、それを使用することにより半導体パッケージやプリント配線板用に好適な高熱伝導な樹脂組成物やプリプレグ、および積層板を得ることができる。
本発明により、熱伝導性に優れたアルミナフィラーが得られ、それを使用することにより半導体パッケージやプリント配線板用に好適な高熱伝導な樹脂組成物やプリプレグ、および積層板を得ることができる。
本発明のアルミナフィラーおよびそれを用いた樹脂組成物、プリプレグ、および積層板は、高熱伝道が要求される半導体パーケージやプリント配線板の製造に好適に用いられる。
Claims (5)
- 球状アルミナに1200〜1500℃の熱処理を施し、α化率を80%以上に転換した、比重3.85以上で、平均粒径が1μm以上10μm以下である球状アルミナフィラー。
- 熱硬化性樹脂と、請求項1記載の球状アルミナフィラーとを含有し、前記球状アルミナフィラーの含有量が、60〜90質量%である高熱伝導絶縁材料用樹脂組成物。
- 請求項2記載の高熱伝導絶縁材料用樹脂組成物を基材に含浸させた後、乾燥して得られるプリプレグ。
- 請求項3記載のプリプレグを1枚もしくは複数枚重ね、加熱加圧成形して得られる積層板。
- 重ねたプリプレグの少なくとも一方に金属箔を重ねた後、加熱加圧成形して得られた金属張積層板である、請求項4記載の積層板。
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