JP4391873B2 - 樹脂組成物を用いた高周波回路用積層板 - Google Patents

樹脂組成物を用いた高周波回路用積層板 Download PDF

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Description

本発明は、低誘電率・低誘電正接、耐熱性に優れた樹脂組成物および高周波回路用積層板に関する。
近年、情報・通信機器分野では、伝送情報の高容量化、高スピード処理のための高周波化が進んでいる。これまでGHzを超えるような高周波信号は、レーダーや衛星通信など限られた用途で用いられてきたが、最近では携帯電話や無線LANなどきわめて身近に用いられるようになってきた。また、コンピュータや通信機器の高速化・高機能化にともない、これらの機器間の情報伝送に用いられる信号も飛躍的に高周波化している。従来、プリント配線基板用材料としては、主にエポキシ樹脂やフェノール樹脂が用いられてきた。しかしこれらの樹脂は、高周波領域における誘電特性が悪く、伝送ロスが大きいなどの理由で高周波回路に用いることができない。
またセラミック・アルミナなどの無機系基板材料は一般に誘電正接が低いが、取扱い性、入手性、コストなどの観点から、有機系材料への置き換えが進みつつある。このような現状から、GHz領域で使用可能な電気特性(高周波伝送特性、低誘電特性)に優れる基板材料の開発が強く要望され、ポリフェニレンエーテル樹脂やビスマレイミドトリアジン樹脂などが開発・実用化されてきた。(非特許文献1および特許文献1参照)。しかし信号の高周波化は数GHzを超えてさらに数十GHzへと進み、これらの新規材料ですら対応できない領域に達しようとしている。
一方、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィンは、誘電率・誘電正接の面で非常に優れるが、単独では耐熱性に劣るため、ハンダ付け作業など200℃を超える温度がかかる電気回路製造工程に耐えることができない。これを改善するため、環状オレフィンを共重合させ、優れた誘電特性を保持したまま耐熱性を向上させた材料が開発された(特許文献2参照)。しかし、最近でははんだの鉛フリー化によるはんだ付け温度の上昇など、さらに高い耐熱温度が望まれるようになってきている。
また、金属との接着性に劣るフッ素系材料やオレフィン系材料では、金属の表面粗度を大きくしアンカー効果(くいこみ)によって接着性を保持させるのが一般的である。しかし、高周波電流には金属導体の表皮部分のみを流れようとする表皮効果という性質があるため、表面粗度が大きいと抵抗が大きくなり信号伝播の劣化原因となってしまう。信号の高周波化に伴い、金属導体も表面が平滑なものが用いられるようになってきたため、これらの材料は高い誘電特性を持ちながらも、高周波材料としては使用することができなかった。こうした状況の中、より高周波での利用が可能な基板の開発が待ち望まれているのである。
高周波用高分子材料、株式会社シーエムシー、1999年発行 特公昭52−31279号公報 特開昭62−29191号公報
本発明の目的は、高周波信号の伝送に対応する積層板を提供することのできる新規な樹脂組成物を提供することである。より詳細には、低誘電率、低誘電正接、耐熱性、そして導体との接着性を併せ持つ樹脂組成物、及び該樹脂組成物を用いた高周波回路用積層板を提供することである。
本研究者らは前記課題を解決するべく鋭意検討した結果、特定の成分をブレンドして得られる樹脂組成物を用いた積層板が、低誘電率、低誘電正接、耐熱性、さらに導体との接着性に優れていることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、
(1)少なくとも下記(I)〜(III)の成分を含むことを特徴とする樹脂組成物、
(I)ポリフェニレンエーテル樹脂、
(II)4−メチル−1−ペンテン系重合体、および/または、少なくとも下記一般式(1)で示されるモノマー成分とα−オレフィンとからなる重合体中において該モノマー成分が下記一般式(2)で示される構造をとる環状オレフィン系共重合体より選ばれる重合体、

Figure 0004391873
Figure 0004391873
(式中、R1〜R12は水素原子、アルキル基またはハロゲン原子であり、それぞれ同一または異なっていてもよく、さらにR9またはR10とR11またはR12とは互いに環を形成してもよい。lは0または1以上の整数であり、R5〜R8が複数回繰り返される場合には、これらは各同一または異なっていてもよい)
(III)不飽和カルボン酸および/またはその誘導体によりグラフト変性された部分を、0.01〜10重量%有する変性ポリα−オレフィン系重合体。
であり、(I)、(II)、(III)の合計を100重量部とした場合の、(I)の成分が40〜90重量部であり、(II)の成分が3〜57重量部であり、(III)の成分が0.5〜40重量部である前記樹脂組成物を用いた絶縁層を有する高周波回路用積層板に関するものである。
本発明により、高周波特性の指標である誘電率・誘電正接に優れ、高耐熱性および導体との高接着性という特徴を併せ持った、樹脂組成物および高周波回路用積層板の提供が可能となった。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明は、(I)ポリフェニレンエーテル樹脂、(II)4−メチル−1−ペンテン系重合体、および/または、少なくとも前記一般式(1)で示されるモノマー成分を含み重合体中において該モノマー成分が前記一般式(2)で示される構造をとる環状オレフィン系共重合体より選ばれる重合体と、(III)不飽和カルボン酸および/またはその誘導体によりグラフト変性された変性ポリα−オレフィン系重合体および/またはその組成物をブレンドすること、より好ましくは特定の比率でブレンドすることを特徴とする樹脂組成物およびそれを用いた高周波回路用積層板である。
本発明において、(I)の成分として用いられるポリフェニレンエーテル樹脂は、下記一般式(3)
Figure 0004391873
(式中、R13〜R16は互いに同一であっても異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、シアノ基、ニトロ基、アミノ基、アリール基またはフェノキシ基であり、これらは置換基の水素原子の一部がハロゲン原子等で置換されていてもよい。nは重合度を示す整数であって、20〜1000である。)で表される繰り返し単位構造を有しているものであれば、特に限定されない。これらのポリフェニレンエーテル樹脂の30℃でのクロロホルム中で測定した極限粘度[η]は、0.01〜5dl/gであることが好ましく、より好ましくは0.1〜3dl/gである。
上記一般式(3)で表される繰り返し単位構造を有するポリフェニレンエーテル樹脂としては、具体的には、以下のような重合体を挙げることができる。このうち、特に好ましいものは、ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレン)エーテル重合体である。ポリフェニレンエーテル共重合体としては、例えば、2,6−ジメチルフェノールと他のフェノール類(例えば、2,3,6−トリメチルフェノール、2,6−ジフェニルフェノールあるいは2−メチルフェノール(o−クレゾール)等)との共重合体などが挙げられる。以上のような各種ポリフェニレンエーテル樹脂の中でもポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレン)エーテル、2,6−ジメチルフェノールと2,3,6−トリメチルフェノールとの共重合体が好ましく、さらにはポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレン)エーテルが特に好ましい。
Figure 0004391873
本発明で使用するポリフェニレンエーテル樹脂の製造方法としては、特に限定されないが、例として、米国特許第3306874号明細書記載の第一銅塩とアミンのコンプレックスを触媒として用い、2,6−キシレノールを酸化重合する方法等が挙げられる。また、米国特許第3306875号、同第3257357号及び同第3257358号の明細書、特公昭52−17880号及び特開昭50−51197号及び同63−152628号の各公報等に記載された方法もポリフェニレンエーテル樹脂の製造方法として好ましい。
本発明のポリフェニレンエーテル樹脂は、重合工程後のパウダーのまま用いてもよいし、押出機などを用いて、窒素ガス雰囲気下あるいは非窒素ガス雰囲気下、脱揮下あるいは非脱揮下にて溶融混練することでペレット化して用いてもよい。
本発明においてポリフェニレンエーテル樹脂のうち、ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレン)エーテルは日本GEプラスチックス(株)社よりNORYL〔登録商標〕(PPO646)として市販されており、本発明においては前記市販品を使用してもよい。
本発明において、ポリフェニレンエーテル樹脂には、ジエノフィル化合物により変性されたポリフェニレンエーテルも含まれるものとする。この変性処理には、種々のジエノフィル化合物が使用することが可能であり、ジエノフィル化合物の例としては、例えば無水マレイン酸、マレイン酸、フマル酸、フェニルマレイミド、イタコン酸、アクリル酸、メタクリル酸、メチルアリレート、メチルメタクリレート、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、ステアリルアクリレート、スチレンなどの化合物が挙げられる。さらにこれらジエノフィル化合物により変性する方法としては、ラジカル発生剤存在下あるいは非存在下で押出機などを用い、脱揮下あるいは非脱揮下にて溶融状態で官能化してもよい。あるいはラジカル発生剤存在下あるいは非存在下で、非溶融状態、すなわち室温以上、かつ融点以下の温度範囲にて官能化してもよい。この際、ポリフェニレンエーテルの融点は、示差熱走査型熱量計(DSC)の測定において、20℃/分で昇温するときに得られる温度−熱流量グラフで観測されるピークのピークトップ温度で定義され、ピークトップ温度が複数ある場合にはその内の最高の温度で定義される。
本発明において、(II)の成分として用いられる4−メチル−1−ペンテン系重合体としては、4−メチル−1−ペンテンの単独重合体であるか、もしくは4−メチル−1−ペンテンと他のα−オレフィン、例えばエチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−テトラデセン、1−オクタデセン等の炭素数2〜20のα−オレフィンとの共重合体が好ましい。かかる共重合体としては、4−メチル−1−ペンテンを80重量%以上の量で含む4−メチル−1−ペンテンを主体とした共重合体が好ましい。好ましい共重合成分は、例えば1−デセン、1−ドデカン、1−テトラデカン、1−ヘキサデカン、1−オクタデカンあるいは1−エイコセンである。
4−メチル−1−ペンテン系重合体の共重合成分の含有量が20重量%を越えると、4−メチル−1−ペンテン系重合体の融点が低下して、耐熱性が著しく下がる可能性があるため、多くても20重量%程度にすることが好ましい。
このような4−メチル−1−ペンテン系重合体のメルトフローレート(MFR)は、ASTMD 1238に準じ荷重:5.0kg、温度:260℃の条件で測定した値が1〜400g/10分の範囲内にあることが望ましく、10〜300g/10分の範囲内にあるのが特に好ましい。4−メチル−1−ペンテン系重合体のMFRが1以上の方が、(I)、(III)成分との混合性が良好であり、均一な樹脂組成物を得ることができるため好ましい。また、MFRが400以下であれば、樹脂の分子量が大きく、それを配合した樹脂組成物の強度的特性が低下せず好ましい。
本発明において(II)の成分として用いられる4−メチル−1−ペンテン系重合体は、公知の方法で製造することができる。重合触媒や重合方法にも特に制約はなく、例えば触媒としては、チーグラー型触媒(担持または非担持ハロゲン含有チタン化合物とアルミニウム化合物の組み合わせに基づくもの)、フィリップス型触媒(担持酸化クロムに基づくもの)、カミンスキー型触媒(担持または非担持メタロセン型化合物と有機アルミニウム化合物、特にアルモキサンとの組みあわせに基づくもの)等が挙げられる。重合方法としては、これらの触媒存在下でのスラリー重合法、気相流動床重合法、溶液重合法、あるいは圧力が200kg/cm以上、重合温度が100℃以上での高圧バルク重合法などがあげられる。
本発明において(II)の成分として用いられる環状オレフィン系共重合体は、前述した一般式(1)で表されるモノマー成分を含むものであって、重合体中においては該モノマー成分が主として一般式(2)で示される構造をとっているものである。かかる重合体として好ましい態様は、一般式(1)のモノマー成分とともにα―オレフィンおよび/または一般式(1)以外の環状オレフィンとからなる共重合体が例示でき、取り分けて好適なものとして式(1)のモノマー及びエチレンを含むものを挙げることができる。
(II)成分中、一般式(1)のモノマー成分は少なくとも2モル%以上含むことが好ましいが、エチレンを共存させる場合には、エチレン/一般式(1)のモノマー成分のモル比が5/95〜95/5であることが好ましく、とくに40/60〜90/10の範囲が好ましく、さらにエチレン以外のα―オレフィンや鎖状ジエンあるいは一般式(1)以外の環状オレフィンや環状ジエンたとえばサリチリデンノルボルネン、ジシクロペンタジエンなどを共存させる場合にはこれらのモノマー合計量/一般式(1)のモノマー成分のモル比が5/95〜95/5であることが好ましく、とくに30/70〜90/10の範囲が好ましい。また一般式(1)のモノマー成分は単品のみならず、一般式(1)で表される複数の成分が混合していてもよい。
一般式(1)で示されるモノマー成分の具体例を示すと以下のものを挙げることができるが、ここで示される例は極めて限定されたものであって、一般式(1)で示されるものであればいかなるものも本発明のモノマー成分になりうる。
Figure 0004391873
Figure 0004391873
Figure 0004391873
これらの中では一般式(1)においてn=1のもの、すなわち下記一般式(4)
Figure 0004391873
(式中、R1〜R12は前記と同じ意味を表す。)
で示されるモノマー成分が、モノマーの入手しやすさあるいはモノマー合成のしやすさの面で好ましく、例えば、1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレンや、2,3−ジメチル−1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレンなどが挙げられる。
上述のモノマー成分はシクロペンタジエン類と相応するオレフィン類とをディールス・アルダー反応で縮合させることにより容易に製造することが可能である(例えば、特開昭57−154133号公報参照)。具体的には、上述の一般式(4)のモノマー成分を合成するには、下記式のようにノルボルネンに対してシクロペンタジエンを縮合することにより得ることができる。
Figure 0004391873
式(5)以外の一般式(1)で示されるモノマー成分も、基本的には出発物質の違いだけであり、同じ縮合反応の応用で製造することができる。
前記一般式(1)のモノマー成分と共重合されうるα−オレフィンとしては、炭素原子数2〜20、好ましくは炭素原子数2〜10のα−オレフィンであって、たとえばエチレン、プロピレン、1−ブテン、3−メチル−1−ブテン、1−ペンテン、3−メチルー1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−イコセンなどが挙げられる。これらの中では特にエチレンが共重合性の面から好ましく、他のα−オレフィン(炭素原子数3以上)あるいは後述する環状オレフィンや環状ジエンを一般式(1)のモノマー成分と共重合させる場合にも、エチレンが存在したほうが共重合性は良好である。
前記一般式(1)のモノマー成分と共重合されうる別の成分である式(1)以外の環状オレフィン及び環状ジエンとしては、たとえばシクロペンテン、シクロヘキセン、3,4−ジメチルシクロペンテン、3−メチルシクロヘキセン、2−(2−メチルブチル)−1−シクロヘキセン、スチレン、α−メチルスチレン、3a,5,6,7a−テトラヒドロ−4,7−メタノ−1H−インデン、ジシクロペンタジエン、エチリデンノルボルネン、ビニルノルボルネンなどを例示できる。
さらに以上述べてきたモノマー成分のほかに、ほかの共重合可能なモノマー成分を本発明の目的を損なわない範囲内で、重合体中に少量含んでいてもよい。
本発明で(II)の成分として用いられる環状オレフィン系共重合体はいかなる方法で製造されたものであっても構わないが、好ましい製造方法の一例として、上記一般式(1)で表される不飽和単量体とα−オレフィンおよび/又は環状オレフィンなどを、チーグラー触媒とくにバナジウム系のチーグラー触媒をはじめとする周知の触媒を使用して重合することにより製造することができる。
本発明で(II)の成分として用いられる環状オレフィン系共重合体の特徴は、上記一般式(1)のモノマー成分が重合体中において主として一般式(2)で示される構造をとっていることであり、これにより重合体の沃素価は通常5以下、多くが1以下である。またこの構造をとることは13C−NMRによっても裏付けられる。
本発明で(II)の成分として用いられる環状オレフィン共重合体のもっとも好適な態様は、上記一般式(1)のモノマー成分と少なくともエチレンを含み、必要に応じて他のオレフィンや環状オレフィンを含むものである。この場合、エチレン/式(1)のモノマー成分とのモル比は、5/95〜95/5であることが好ましく、さらには40/60〜90/10の範囲にあるのが好ましく、さらにエチレン以外の他のモノマー成分すなわち炭素原子数3以上のαーオレフィンや環状オレフィンなどが存在する場合には、これらのモノマー成分の合計量/式(1)のモノマー成分(モル比)が5/95〜95/5であることが好ましく、さらには30/70〜90/10の範囲にあるのが好ましい。
本発明において(III)の成分として用いられる変性ポリα−オレフィン系重合体のベースポリマーとしては、特に限定されるものではないが、通常炭素数2〜20のα−オレフィンの単独重合体か、もしくはそれらのα−オレフィンの共重合体が用いられ、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリペンテン−1、ポリ(4−メチル−1−ペンテン)等のホモポリマー、エチレン・プロピレン共重合体、エチレン・ブテン共重合体、プロピレン・ブテン共重合体、ブテン・ペンテン−1共重合体、4−メチル−1−ペンテンと炭素数2〜20の他のα−オレフィンとの共重合体、エチレン・プロピレン・ジエン共重合体、エチレン・プロピレン・ブテン共重合体、エチレン・プロピレン・ペンテン共重合体等の共重合体を用いることが出来る。これらの内では、ポリプロピレン、ポリエチレン、エチレンと他のα−オレフィンとの共重合体、ポリ(4−メチル−1−ペンテン)、4−メチル−1−ペンテンと他のα−オレフィンとの共重合体が経済性、接着性、成形性の点から好適である。該ベースポリマーがエチレンと他のα−オレフィンとの共重合体の場合、好ましい共重合成分としては、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテンであり、エチレン単位を主体とした共重合体が好ましい。該ベースポリマーが4−メチル−1−ペンテンと他のα−オレフィンとの共重合体の場合、好ましい共重合成分としては、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセン、1−エイコセンであり、4−メチル−1−ペンテン単位を主体とした共重合体が好ましい。
該ベースポリマーとして、本発明の(II)成分に用いられる4−メチル−1−ペンテン系重合体と同じ性状のものを用いてもよい。このベースポリマーにグラフトする不飽和カルボン酸又はその誘導体としては、例えば、マレイン酸、フマル酸、テトラヒドロフタル酸、イタコン酸、シトラコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、ナジック酸(登録商標)、アクリル酸、メタクリル酸等の不飽和カルボン酸、または、その誘導体、例えば上記不飽和カルボン酸の酸無水物、イミド、アミド、エステル等を挙げることが出来る。該誘導体として、具体的には、マレイミド、無水マレイン酸、無水シトラコン酸、マレイン酸モノメチル、グリシジルマレート等を例示できる。これらの中では、不飽和カルボン酸またはその酸無水物が好適であり、特に、マレイン酸、ナジック酸(登録商標)、それらの酸無水物がとりわけ好適である。
この様な不飽和カルボン酸またはその誘導体から選ばれるグラフトモノマーを前記ベースポリマーにグラフト共重合して変性物を製造するには、従来公知の方法を用いることができる。例えば、ベースポリマーとして4−メチル−1−ペンテン系重合体を用いる場合、該4−メチル−1−ペンテン系重合体を溶融させグラフトモノマーを添加してグラフト共重合させる溶融変性法、あるいは溶媒に溶解させグラフトモノマーを添加してグラフト共重合させる溶液変性法等を用いることができる。
ベースポリマーに前記変性用モノマーを効率よくグラフトさせてグラフト変性ポリα−オレフィンを得るには、ラジカル開始剤の存在下に反応を行うことが好ましく、この場合グラフト化反応は通常60〜350℃の温度で行われる。ラジカル開始剤の使用割合は、ベースポリマー100重量部に対して、通常0.001〜2重量部の範囲である。ラジカル開始剤としては、ジクミルパーオキサイド、ジ−tert−ブチルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(tert−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3,2,5−ジメチル−2,5−ジ(tert−ブチルパーオキシ)ヘキサン、1,4−ビス(tert−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン等の有機パーオキサイドが好ましい。
本発明で(III)の成分として用いられる変性ポリα−オレフィン系重合体は、その変性量が、グラフトモノマー重量として0.01〜10重量%、特に、1〜5重量%の範囲で変性されることが好ましく、グラフト変性量が前記範囲の下限量より少ない場合、本発明の効果の一つでもある導体との接着性が低下するため好ましくない。逆に、グラフト量を上記上限量より高くしようとすると、グラフティング反応と共に、熱、或いはパーオキサイド等のラジカル開始剤の作用により、該ベースポリマーの主鎖形成骨格、例えば、4−メチル−1−ペンテン骨格等の切断、開裂反応が不可避的に生じ、グラフト変性4−メチル−1−ペンテン系重合体等のグラフト変性ポリα−オレフィンの分子量が極端に小さくなり、それを配合した樹脂組成物の強度的特性が低下するために好ましくない。
本発明で(III)の成分として用いられる変性ポリα−オレフィン系重合体は、通常、その平均分子量の指標である極限粘度、即ちデカリン溶媒中、135℃での極限粘度が0.5〜10dl/g、特に、0.6〜5dl/gであることが好ましい。
本発明の(III)の成分は、(III)の成分全体に対するグラフトモノマー重量が0.01重量%を切らない範囲で、変性ポリα−オレフィン系重合体に、炭素数2〜20のα−オレフィンの単独重合体、それらα−オレフィンの共重合体、炭化水素系ゴム等を混合して組成物とすることができる。混合することのできる重合体としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン・ブタジエンゴム、ポリブテン、ポリペンテン−1、エチレン・プロピレン共重合体、エチレン・ブテン共重合体、プロピレン・ブテン共重合体、ブテン・ペンテン−1共重合体、エチレン・プロピレン・ジエン共重合体、エチレン・プロピレン・ブテン共重合体、エチレン・プロピレン・ペンテン共重合体、ポリイソブチレン、ポリブタジエンゴム、スチレン・ブタジエンゴム、ブチルゴム、ポリイソプレンゴム等を挙げることができる。
本発明の樹脂組成物において、(I)、(II)、(III)の成分の配合量は、(I)、(II)、(III)成分の合計量100重量部当たり、好ましくは(I)が40〜90重量部、(II)が3〜57重量部、(III)が0.5〜40重量部である。更に好ましくは(I)が45〜80重量部、(II)が6〜53重量部、(III)が1.0〜37重量部、より好ましくは、(I)が50〜70重量部、(II)が10〜48重量部、(III)が1.5〜34重量部である。この範囲において、それぞれの成分の配合量を調節することにより、低誘電率、低誘電正接で、耐熱性および導体との接着性に特に優れた性質の樹脂組成物とすることができる。(I)の組成が上記範囲内である方が、耐熱性が充分であり、また、成形加工性が満足でき、好ましい。(II)の組成が上記範囲内の方が、誘電特性が良好であり(誘電率、誘電正接が充分低い)、また耐熱性も良好であり好ましい。(III)の組成が上記範囲内である方が、導体との接着性が良好であり、また、耐熱性も良好であり、好ましい。
本発明において用いられる樹脂組成物を調製する方法は、通常、樹脂組成物の各成分を、ロールミル、バンバリーミキサー、押出機などを使って溶融混錬する方法が一般的であるが、成分を均一に分散する方法であれば特に限定されない。すなわち、最終的に得られる樹脂組成物において、各成分の配合量が前記の範囲内であって、さらに実用上問題のない混合状態であれば、樹脂組成物を形成する各成分の配合方法や、工程はいかなるものであってもよい。たとえば、樹脂組成物の各成分を所望の配合比となるようにドライブレンドした後、樹脂の融点以上に設定した二軸押出機に導入して溶融混練して各成分を均一に分散させ、ついで冷却・ペレット化することで目的の樹脂組成物を得る方法を挙げることができる。
本発明の樹脂組成物には、所望に応じて難燃剤、熱安定剤、酸化安定剤、耐候安定剤、帯電防止剤、滑剤、可塑剤等の各種添加剤を、本発明の効果を損なわない範囲で配合することができる。
本発明の樹脂組成物をシートまたはフィルム形状に成形する方法としては、押し出し成形、射出成形、プレス、キャスティングなどの各種公知の方法が適用可能である。
また、本発明の樹脂組成物を用いて本発明の高周波回路用積層板を形成する方法に特別な制限はない。例えば、樹脂組成物からシートを形成するか、または樹脂組成物のシートをガラスクロス等の基材を中心に張り合わせてコア材を形成するなどし、さらに必要に応じてそれらシートやコア材などを、他のコア材、フィルム、プリプレグ、金属箔などとともに常法にしたがって積層一体化することで得ることができる。例えば、より具体的には、この樹脂組成物のシート1枚または複数枚を用い、さらに電解銅箔などの金属箔を重ねた構成とし、成形圧力1〜15MPa/cmで一定時間過熱圧締することにより、金属箔との接着性に優れ、かつ耐熱性、誘電特性の優れた高周波回路用積層板を製造することができる。この加熱圧締の温度は、金属箔とシートの組み合わせなどによるが、シートの熱融着性を利用できるので、積層圧締温度はシートのガラス転移温度以上で、130〜300℃くらいの範囲にするのが好ましい。また圧締はシート同士、シートと金属箔などの接合および積層板の厚み調整のために行うので、圧締条件は必要に応じて選択することができる。
導体金属としては、銅、アルミニウム、ニッケル、金、銀等の金属を用いることができる。導体層の形成方法としては、該金属類を箔等にして熱融着させる方法以外にも、接着剤を用いて張り合わせる方法、もしくはスパッタ、蒸着、めっき等の方法で積層して形成する方法で作成することができる。本発明の高周波回路用積層板を形成する際の樹脂組成物層と導体層の接着に用いることのできる接着剤としては、エポキシ、ポリイミド等の公知の耐熱性接着剤を使用することができるが、絶縁層の誘電特性に影響を及ぼさない為に、本発明の樹脂組成物の層厚/接着剤の層厚の比が2以上となることが好ましく、3以上になるように形成するのがより好ましい。回路の形成は種々の公知のリソグラフィー法、例えばエッチング法などで行うことができる。積層板の態様としては、片面板、両面板のいずれでも良く、積層数にも制限はないが、2層〜30層程度に積層するのが好ましい。
以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はこれにより何等制限されるものではない。実施例中の各評価方法を以下に示す。
誘電率および誘電正接:空洞共振器法により、25℃、12GHzにおける誘電率および誘電正接を測定した。
銅引き剥がし強度:JIS C6481の方法に準拠して測定した。
ガラス転移温度(Tg):DSC(示差走査型熱量計、島津製作所製・DSC−60)により、25℃から400℃まで昇温速度10℃/分で測定した。
5%重量減少温度(Td5%):TGA(熱重量測定装置、島津製作所製・TGA−50)により空気中にて、25℃から800℃まで昇温速度10℃/分で測定した。
MFR:ASTM D1238に準拠して荷重:5Kg、温度:260℃の条件で測定した。
極限粘度(ηinh):サンプルの樹脂を所定の濃度で135℃のデカリンに溶解し、ウベローデ型粘度計により測定した。なお、コントロールユニットとして、ラウダ製PVS1を使用した。
元素分析:CHN元素分析装置(PE2400−II型)にて定量した。
IRスペクトル:測定するポリマーをKBr錠剤法にて試料化し、フーリエ変換型赤外分光光度計(デジラボジャパン製FTS6000)を用いて、分解能4cm−1、積算回数128回でスペクトル測定を行った。
リフロー耐熱性:JIS C6481の方法に準じて、一部銅箔除去面のある銅張積層板試験片を作成し、これを105℃、75分間の前処理の後、沸騰水中に1時間浸して調湿した。赤外線及び熱風併用型リフロー半田装置(日本アントム工業(株)製SOLSYS−2001R)を用いて、昇温60秒→175℃保持90秒→昇温50秒→260℃保持30秒→冷却の温度プロファイルでリフロー工程を行い、試験片外観形状の変化の有無を評価した。
本実施例において、ポリフェニレンエーテルは日本GEプラスチックス(株)社製のNORYL〔登録商標〕(PPO646)を用いた。4−メチル−1−ペンテン共重合体は三井化学(株)社製のTPX〔登録商標〕(RT18、MFR=170g/10分)を用いた。また、その他の原材料は、下記合成例のとおりに合成して用いた。
合成例1(環状オレフィン共重合体の合成−1)
攪拌翼を備えた2L重合器を用いて、連続的にエチレンと1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレン(以下DMONと省略)の共重合反応を行った。すなわち、重合器上部からDMONシクロヘキサン溶液を、重合器内でのDMON濃度が60g/lとなるように毎時0.4l、触媒としてVO(OC)Clのシクロヘキサン溶液を重合器内でのバナジウム濃度が0.7mmol/lとなるように毎時0.7l、エチルアルミニウムセスキクロリド(Al(C15Cl15)のシクロヘキサン溶液を重合器内でのアルミニウム濃度が5.6mol/lとなるように毎時0.4lおよびシクロヘキサンを毎時0.5lの速度でそれぞれ重合器内に連続的に供給し、一方、重合器下部から、重合器内の重合液が常に1lになるように連続的に抜き出す。また重合器上部からエチレンを毎時80l、窒素を毎時80l、水素を毎時0.2lの速度で供給する。共重合反応は、重合器上部に取り付けられたジャケットに冷媒を循環させることにより10℃で行った。上記条件で共重合反応を行うと、エチレン・DMONランダム共重合体を含む重合反応混合物が得られる。重合器下部から抜き出した重合液に、シクロヘキサン/イソプロピルアルコール(1/1)混合液を添加して重合反応を停止させた。その後、水1lに対し濃塩酸5mlを添加した水溶液と重合溶液とを1対1の割合でホモミキサーを用い強攪拌下で接触させ、触媒残渣を水層へ移行させた。上記混合液を静置し、水層を除去後さらに蒸留水で2回水洗を行い、重合液を精製分離した。
得られた重合液を3倍量のアセトンと強攪拌下で接触させ,固体部を濾過により採取し、アセトンで十分洗浄した。以上の方法により、環状オレフィン共重合体のポリマー粉を得た(以下COCと省略)。このポリマーを135℃のデカリン中で測定した極限粘度は0.85dl/gであった。13C−NMR分析による共重合体のエチレン組成は61モル%、ガラス転移温度:145℃。
合成例2(無水マレイン酸グラフト変性4−メチル−1−ペンテン共重合体の合成)
4−メチル−1−ペンテン共重合体(RT18)100重量部を使用し、トルエン溶媒中、ジクミルパーオキサイド触媒の存在下、145℃で無水マレイン酸5重量部をグラフト反応させた。得られた反応物に大量のアセトンを加え、グラフト変性ポリマーを析出させ、これを濾別し、アセトンで十分洗浄して無水マレイン酸グラフト変性4−メチル−1−ペンテン系重合体を得た(以下M−PMPと省略)。この重合体の、135℃、デカリン中に於ける極限粘度は0.92dl/gであった。
合成例3(無水マレイン酸グラフト変性ポリエチレン重合体組成物の合成)
密度=0.921g/cm3、ASTM D1238によるMFR(190℃:2160g)=2.0g/10分、1−ブテン含有量が4モル%のポリエチレン樹脂(以下PE−1と省略)100重量部に、無水マレイン酸0.8重量部と過酸化物[パーヘキシン25B、日本油脂(株)製、商標]0.07重量部とを混合し、得られた混合物を230℃に設定した1軸押出機で溶融グラフト変性することによって変性ポリエチレン樹脂を得た。この変性ポリエチレン樹脂の135℃デカリン溶液中で測定した極限粘度は1.86dl/gであった。この変性ポリエチレン樹脂20重量部に未変性のポリエチレン樹脂(PE−1)65重量部とエチレンプロピレンゴム(密度=0.865g/cm3、ASTM D1238によるMFR〔190℃:2160g〕=0.5g/10分、エチレン含有量が80モル%)を15重量部、フェノール系安定剤であるイルガノックス1010(チバガイギー社製、商標)0.1重量部、燐系安定剤であるイルガフォス168(チバガイギー社製、商標)0.1重量部とをヘンシェルミキサーにて均一に混合し、この混合物を230℃に設定した1軸押出機で溶融混合して無水マレイン酸グラフト変性ポリエチレン重合体組成物(以下M−PEと省略)を得た。
実施例1
ポリフェニレンエーテル60重量部、4−メチル−1−ペンテン共重合体38重量部、合成例2で得られた無水マレイン酸グラフト変性4−メチル−1−ペンテン共重合体2重量部を、ヘンシェルミキサーにて3分間混合した後、二軸押出機を用いて300℃で溶融混練し、ペレット化した。上記ペレットを用い、300℃、10MPa/cmの圧力で7分間プレスし、厚さ約0.5mmのシートを得た。このシートの誘電率および誘電正接の測定結果を表1に示す。ついで、このシートの両面に厚さ35μmの電解銅箔(三井金属(株)社製SQ−VLP)を重ね、300℃、10MPa/cmの圧力で30分間プレスすることにより熱融着し、両面銅張りシートを得た。この両面銅張りシートの銅引き剥がし強度、リフロー耐熱性の評価結果を表1に示す。
実施例2〜3、比較例1〜2
実施例1と同様の操作において、配合量を表1に示すとおりに変更して樹脂組成物のペレット化を得た。これを用い、実施例1と同様にして、シートおよび両面銅張りシートを作成し、誘電率、誘電正接、銅引き剥がし強度、リフロー耐熱性の評価を行った。評価結果を表1に示す。
実施例4〜6、比較例3〜4
ポリフェニレンエーテル、合成例1で得られた環状オレフィン共重合体、および合成例3で得られた無水マレイン酸グラフト変性ポリエチレン重合体を表1に示す配合量で用いて、実施例1と同様の操作で樹脂組成物のペレットを得た。これを用い、実施例1と同様にして、シートおよび両面銅張りシートの作成を行い、誘電率、誘電正接、銅引き剥がし強度、リフロー耐熱性の評価を行った。評価結果を表1に示す。
Figure 0004391873
本発明の樹脂組成物は、高周波特性の指標である誘電率・誘電正接に優れ、高耐熱性および導体との高接着性という特徴を併せ持つため、特に高周波信号伝送に対応する積層板として極めて有用である。

Claims (1)

  1. 少なくとも下記(I)〜(III)の成分を含むことを特徴とする樹脂組成物であって、(I)、(II)、(III)の合計を100重量部とした場合の、(I)の成分が40〜90重量部であり、(II)の成分が3〜57重量部であり、(III)の成分が0.5〜40重量部である樹脂組成物を用いた絶縁層を有する高周波回路用積層板。
    (I)ポリフェニレンエーテル樹脂、
    (II)4−メチル−1−ペンテン系重合体、および/または、少なくとも下記一般式(1)で示されるモノマー成分とα−オレフィンとからなる重合体中において該モノマー成分が下記一般式(2)で示される構造をとる環状オレフィン系共重合体より選ばれる重合体、
    Figure 0004391873

    Figure 0004391873

    (式中、R1〜R12は水素原子、アルキル基またはハロゲン原子であり、それぞれ同一または異なっていてもよく、さらにR9またはR10とR11またはR12とは互いに環を形成してもよい。lは0または1以上の整数であり、R5〜R8が複数回繰り返される場合には、これらは各同一または異なっていてもよい)
    (III)不飽和カルボン酸および/またはその誘導体によりグラフト変性された部分を、0.01〜10重量%有する変性ポリα−オレフィン系重合体。
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