JP5754451B2 - 結晶性熱可塑性樹脂組成物の製造方法 - Google Patents
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Description
すなわち、本発明の第1の要旨は、架橋ポリエチレン樹脂を相溶化材と共に溶融混練して得られるポリエチレン樹脂組成物を、結晶性熱可塑性樹脂中に分散させて結晶性熱可塑性樹脂組成物を製造する方法であって、架橋前のポリエチレン樹脂の、JIS−K6922−2:1997付属書(23℃)に従って測定した密度が0.86g/cm 3 以上0.
97g/cm 3 以下であり、前記架橋ポリエチレン樹脂が、ペレット状のポリエチレン樹
脂にガンマ線を照射することにより得られたものであり、
前記相溶化材がポリエチレン樹脂に水酸基、カルボン酸基、酸無水基及び/又はエポキシ基を有する化合物をグラフトしたもの、又はエチレンと水酸基、カルボン酸基、酸無水基及び/又はエポキシ基を有する化合物を共重合したものである結晶性熱可塑性樹脂組成物の製造方法に存する。
ポリエチレン樹脂組成物を結晶性熱可塑性樹脂中に分散させて結晶性熱可塑性樹脂組成物を製造する方法であって、JIS−K6922−2:1997付属書(23℃)に従って測定した密度が0.86g/cm 3 以上0.97g/cm 3 以下であるポリエチレン樹脂であり、かつ、ペレット状のポリエチレン樹脂にガンマ線を照射して前記架橋ポリエチレン樹脂を得る工程を含み、前記相溶化材がポリエチレン樹脂に水酸基、カルボン酸基、酸無水基及び/又はエポキシ基を有する化合物をグラフトしたもの、又はエチレンと水酸基、カルボン酸基、酸無水基及び/又はエポキシ基を有する化合物を共重合したものである結晶性熱可塑性樹脂組成物の製造方法に存する。
本発明の第3の要旨は、結晶性熱可塑性樹脂中に分散しているポリエチレン樹脂組成物の粒径が0.001μm以上5.0μm以下である第1又は第2の要旨に記載の結晶性熱可塑性樹脂組成物の製造方法に存する。
本発明の第5の要旨は、第1乃至4の何れか1つの要旨に記載の結晶性熱可塑性樹脂組成物の製造方法であって、前記結晶性熱可塑性樹脂がポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂及び/又はポリアセタール系樹脂である結晶性熱可塑性樹脂組成物の製造方法に存する。
本発明の第7の要旨は、第1乃至6の何れか1つの要旨に記載の結晶性熱可塑性樹脂組成物の製造方法であって、前記架橋ポリエチレン樹脂のJIS−K6796(1998年)に従って測定した沸騰キシレン抽出によるゲル分率が0.1〜60.0重量%である結晶性熱可塑性樹脂組成物の製造方法に存する。
脂組成物の製造方法であって、前記結晶性熱可塑性樹脂組成物の荷重たわみ温度が前記結晶性熱可塑性樹脂の荷重たわみ温度より高い結晶性熱可塑性樹脂組成物の製造方法に存する。
本発明の第9の要旨は、第1乃至8の何れか1つの要旨に記載の結晶性熱可塑性樹脂組成物の製造方法で得られる結晶性熱可塑性樹脂組成物を、前記結晶性熱可塑性樹脂の融点以上の温度で溶融加熱した後、賦形、冷却して得られる成型体に存する。
本発明の結晶性熱可塑性樹脂組成物では、ポリエチレン樹脂組成物が結晶性熱可塑性樹脂中に分散している。ここで、「ポリエチレン樹脂組成物が結晶性熱可塑性樹脂中に分散」しているとは、本発明の結晶性熱可塑性樹脂組成物における結晶性熱可塑性樹脂の量がポリエチレン樹脂組成物の量より多い場合を言う。
本発明に係るポリエチレン樹脂組成物は、少なくとも部分的に架橋しているポリエチレン樹脂(以下、「架橋ポリエチレン樹脂」とする)を、架橋ポリエチレン樹脂と結晶性熱可塑性樹脂に対し相溶性を有する成分(以下、「相溶化材」とする)と共に溶融混練して得られる樹脂組成物である。
本発明に係る架橋ポリエチレン樹脂は、ポリエチレン樹脂の少なくとも一部が架橋している樹脂である。本発明に係る架橋ポリエチレンは、1種類の架橋ポリエチレン樹脂でも、2種類以上の架橋ポリエチレン樹脂を任意の組み合わせ及び比率で用いてもよい。
本発明の結晶性熱可塑性樹脂製造に用いる架橋ポリエチレンの形状についても、特に制限は無く、パイプ状、シート状、フィルム状又はペレット状等の種々の形状の架橋ポリエチレン樹脂を用いることが可能である。これらのうち、放射線を均一に照射しやすい点では、シート状又はフィルム状のポリエチレン樹脂に電子線を照射するのが好ましく、また、架橋度が管理しやすく取扱性に優れる点では、ペレット状のポリエチレンにガンマ線を照射するのが特に好ましい。すなわち、ガンマ線は、透過性が高いため、これを、袋内、箱内に包装したペレット状のポリエチレン樹脂に直接照射することにより、ペレット状の架橋ポリエチレン樹脂を簡便に得ることができる。なお、フィルム状又はシート状等の架橋ポリエチレンを用いる場合で、そのままでは混練装置に供給できない場合は、適宜、相溶化材と共に溶融混練前に裁断、破砕又は粉砕等を行い、5mm程度の大きさにしておくのが好ましい。
本発明に係る相溶化材は、架橋ポリエチレン樹脂と結晶性熱可塑性樹脂の双方に対し相溶性を有する。一般的に、疎水性を示すポリエチレンと極性官能基を有する結晶性熱可塑性樹脂は、親和性に乏しい。そこで、この2つの樹脂を均一に高分散させるには、この両者の相溶化を促す成分が必要となる。
相溶化材は、通常、相溶化させる各樹脂の化学構造に類似する構造の官能基を有する。従って、本発明に係る相溶化材は、相溶化させたい結晶性熱可塑性樹脂に応じて、これと類似する構造の官能基を有する化合物をポリエチレン系樹脂にグラフトする、又は、相溶化させたい結晶性熱可塑性樹脂と類似する構造の官能基を有する樹脂とエチレンを共重合させたもの等が好ましい。
ポリエチレン樹脂にグラフトする又はポリエチレン樹脂と共重合する化合物が有する官能基は、本発明に係る結晶性熱可塑性樹脂に応じて適宜選択すればよく、本発明に係る結晶性熱可塑性樹脂と類似する構造を有する官能基が好ましく、本発明に係る結晶性熱可塑性樹脂と同一の構造を有する官能基が特に好ましい。このような官能基は、具体的には、本発明に係る結晶性熱可塑性樹脂がポリアミド系樹脂の場合は、水酸基、アクリル酸、メタクリル酸等のカルボン酸基、無水マレイン酸基等の酸無水物基、ポリエステル系樹脂の場合は、グリシジルメタクリレート基等のエポキシ基等が各々好ましい。
本発明に係るポリエチレン樹脂組成物は、上述の架橋ポリエチレン樹脂を相溶化材と共に溶融混練して得られる組成物である。ここで、架橋ポリエチレン樹脂が多い方が溶融混練時に剪断力がかかりやすく、また一方、相溶化材が多い方が相溶化しやすいため、本発明の結晶性熱可塑性樹脂組成物中においてポリエチレン樹脂組成物を高分散させやすくするには、架橋ポリエチレン樹脂の量と相溶化材の相対比は、特定範囲にあるのが好ましい。具体的には、架橋ポリエチレン樹脂と相溶化材の合計100重量%に対し、架橋ポリエチレン樹脂が60重量%以上であるのが好ましく、65重量%以上であるのが更に好ましく、また、一方、90重量%以下であるのが好ましく、75重量%以下であるのが更に好ましい。そして、架橋ポリエチレン樹脂と相溶化材の合計100重量%に対し、相溶化材が10重量%以上であるのが好ましく、25重量%以上であるのが更に好ましく、また、一方、40重量%以下であるのが好ましく、35重量%以下であるのが更に好ましい。
架橋ポリエチレン樹脂と相溶化材の溶融混練は、架橋ポリエチレン樹脂と相溶化材を予め混合してから架橋ポリエチレン樹脂の融点以上に加熱して混練しても、溶融状態の架橋ポリエチレン樹脂に相溶化材を加えて混練してもよい。架橋ポリエチレン樹脂と相溶化材を予め混合しておく場合は、例えば、ブレンダー又はミキサー等の攪拌機を用いて混合することができる。また、架橋ポリエチレン樹脂と相溶化材を溶融混練する場合は、例えば、2軸混練押出機、石臼型混練押出機、混練溶オープンロール及びバンバリーミキサー等の剪断力のかかる装置を用いて行うことができる。そして、溶融状態の架橋ポリエチレン樹脂に相溶化材を加えて混練する場合は、例えば、複数の原料投入口を有する混練装置等を用いて行うことができる。
本発明の結晶性熱可塑性樹脂組成物において、上述のポリエチレン樹脂組成物が分散しているマトリックス樹脂は、結晶性の熱可塑性樹脂である。本発明において、熱可塑性樹脂とは、加熱により軟化し、外力により変形又は流動する樹脂を言う。また、結晶性熱可塑性樹脂とは、示差走査熱量計(DSC)を用いて測定される融点がガラス転移点よりも高温である熱可塑性樹脂を言う。結晶性樹脂は、通常、固体状態においては、分子鎖が規則正しく折りたたまれた構造を有している。本発明に係る熱可塑性樹脂は、1種類の樹脂を用いても、2種類以上の樹脂を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
ジカルボン酸類は、芳香族でも脂肪族でもよい。ジカルボン酸類としては、具体的には、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、p,p'−ジカルボキシジフェニルスルホン、p−カルボキシフェノキシ酢酸、p−カルボキシフェノキシプロピオン酸、p−カルボキシフェノキシ酪酸、p−カルボキシフェノキシ吉草酸、ナフタリンジカルボン酸、2,7−ナフタリンジカルボン酸、ビフェニル−4,4‘−ジカルボン酸、ヘキサヒドロテレフタル酸、ビス−p−カルボキシフェノキシエタン等が挙げられる。
また、ポリエステル樹脂として、グリコール酸、乳酸、タルトロン酸、ヒドロキシ酪酸、リンゴ産、酒石酸、シトラマル酸、クエン酸、イソクエン酸、ロイシン酸、メバロン酸、バントイン酸、リシノール酸、サリチル酸、クレオソート酸、バニリン酸、シリング酸等のヒドロキシカルボン酸を脱水縮合重合して得られる樹脂;混合水酸基及び/又はエステル形成性酸基を含むポリエステル共重合体及び異なるポリエステル樹脂からなるブロック共重合体等を用いてもよい。
結晶性のポリエステル系樹脂には、上述のポリエステル樹脂と他の樹脂とのアロイも含まれる。ここで用いられる他の樹脂としては、例えば、ポリアミド樹脂;ポリアセタール樹脂;ポリプロピレン樹脂、ポリスチレン樹脂等のポリオレフィン樹脂;ポリフェニレンサルファイド樹脂;ポリフェニレンエーテル樹脂等の非晶性熱可塑性樹脂;アクリロニトリルスチレンブタジエン共重合体;ポリメチルメタクリレート;ポリ塩化ビニル等が挙げられる。
本発明の結晶性熱可塑性樹脂組成物は、上述のポリエチレン樹脂組成物が結晶性の熱可塑性樹脂中に分散している。
(結晶性熱可塑性樹脂組成物の組成)
本発明の結晶性熱可塑性樹脂組成物におけるポリエチレン樹脂組成物と結晶性熱可塑性樹脂の相対比は、耐衝撃性の点では、ポリエチレン樹脂組成物が多い方が好ましいが、耐熱性及び剛性の点では結晶性熱可塑性樹脂が多い方が好ましい。具体的には、結晶性熱可塑性樹脂に対するポリエチレン樹脂組成物の割合が15重量%以上であるのが好ましく、20重量%以上であるのが更に好ましく、また、一方、40重量%以下であるのが好ましく、35重量%以下であるのが更に好ましく、30重量%以下であるのが特に好ましい。
添加剤としては、例えば、充填剤、熱安定剤、酸化防止剤、難燃剤、結晶核剤、強化繊維、紫外線吸収剤、光安定剤、衝撃改良剤、着色剤、滑剤、帯電防止剤、難燃助剤、可塑剤、防錆剤等が挙げられる。
本発明の結晶性熱可塑性樹脂組成物がその他成分を含む場合であっても、本発明の優れた効果、特に耐熱性が発現しやすいことから、本発明の結晶性熱可塑性樹脂組成物から本発明に係るポリエチレン樹脂組成物を除いた成分には、結晶性熱可塑性樹脂が通常50重量%以上、好ましくは70重量%以上、特に好ましくは80重量%以上、最も好ましくは90重量%以上含まれているのがよい。
本発明の結晶性熱可塑性樹脂組成物は、通常、ポリエチレン樹脂組成物及び結晶性熱可塑性樹脂を溶融混練することにより得ることができる。溶融混練は、通常、ポリエチレン樹脂組成物、結晶性熱可塑性樹脂及び適宜その他の成分を、原料の架橋ポリエチレン樹脂及び結晶性熱可塑性樹脂の融点以上の温度で剪断力をかけながら混練する。架橋ポリエチレン樹脂を混練すると、架橋ポリエチレン樹脂の一部の架橋が解けて粘度が下がるため、相溶化しやすくなる。
混練温度は、強い剪断力を与え易い点では低温が好ましいが、混練装置に対する負荷が小さい点では、高温が好ましい。混練温度は、具体的には、200℃〜310℃で行うのが好ましい。
本発明の結晶性熱可塑性樹脂組成物は、結晶性熱可塑性樹脂中にポリエチレン樹脂組成物が分散しているのが好ましい。結晶性熱可塑性樹脂中におけるポリエチレン樹脂組成物の分散粒径は、耐熱性の点では小さい方が好ましい。具体的には、走査型電子顕微鏡による観察により求められる分散粒径が5.0μm以下であるのが好ましく、3.0μm以下であるのが更に好ましく、2.0μm以下であるのが特に好ましく、1.0μm以下であるのが最も好ましい。なお、同下限は、通常、0.001μmである。
上述の本発明の結晶性熱可塑性樹脂組成物として好ましいものは、耐熱性に優れている。一般的に、結晶性樹脂の耐熱性は、荷重たわみ温度で評価することができる。そして、通常、結晶性樹脂に異成分が含まれると、その分非晶性領域が増大するために荷重たわみ温度は低下する。しかしながら、本発明の結晶性熱可塑性樹脂組成物の荷重たわみ温度は、通常、本発明に係るポリエチレン樹脂組成物が分散していない結晶性熱可塑性樹脂の荷重たわみ温度に比べ高い。本発明の結晶性熱可塑性樹脂組成物として好ましいものが、このように常識に反して、耐熱性に優れている理由は不明であるが、以下のように推定される。
れる。また、本発明の結晶性熱可塑性樹脂組成物から本発明に係るポリエチレン樹脂組成物を除いた成分に結晶性樹脂が多量に含まれている方が拘束する非晶部が少ないため、耐熱性が優れたものとなりやすいと推定される。
本発明の結晶性熱可塑性樹脂組成物は、任意の成型方法で成型することにより、各種成型体とすることができる。成型方法は、本発明の成型体の優れた効果が発現されれば制限は無く、射出成型、押出成型、圧縮成型、ブロー成型、カレンダー成型、発泡成型等の何れの方法でもよい。これらのうち、本発明に係る結晶性熱可塑性樹脂として好ましいポリアミド系樹脂やポリエステル系樹脂の成型方法としては、その想定される用途等から、射出成型が好ましい。
本発明の結晶性熱可塑性樹脂組成物は、剛性、耐熱性及び耐衝撃性を兼ね備えたものとすることができることから、自動車用材料、家電製品用材料、食品容器、包装材料、情報機器材料、建築用材料等の用途に幅広く使用することが期待される。また、高価で比重が大きく分別困難なフィラー等を用いずに優れた物性を発現可能であるため、リサイクル性にも優れている。
樹脂ペレット0.6gを加圧熱プレス装置と冷却プレス装置を用いて、200℃、10MPaにて5分間プレスを行い、縦60mm×横50mm×厚み0.2mmのプレスシートを得た。このシートのゲル分率をJIS−K6796(1998年)に従って測定した。
セイコーインスツルメンツ株式会社社製示差走査熱量計を用いて、サンプル5mgについて、200℃で5分間保持した後、40℃まで10℃/分の降温スピードで冷却し、続いて10℃/分の昇温スピードで融解させた時に得られる融解曲線から融解熱が最大となる温度を求めた。
JIS K7191−1〜3に従って、荷重0.45MPaにて測定した。具体的には、株式会社東洋精機製作所製「H.D.T&V.S.P.T Tester」を用いて、長さ80mm×幅10mm×厚み4mmの試験片を64mm間隔に設置された支点間に幅方向が支点に接する向きで設置し、中央に0.45MPaの荷重を与えた状態でシリコンオイル中に浸漬し、30℃の状態から昇温速度120℃/時間で昇温を行い、中央部の変形量が0.26mmになった時の温度を荷重たわみ温度とした。
JIS K7111(1996年)に従って23℃で測定した。
ポリエチレン樹脂(日本ポリエチレン株式会社製「カーネルKS240T」。メルトフローレート2.2g/10分、密度0.88g・cm−3)の直径4mmのペレットにガンマ線照射装置(日本照射サービス株式会社製)を用いて、60kGyのガンマ線を照射して、ゲル分率は、50重量%の架橋ポリエチレン樹脂のペレットを得た。
線状低密度ポリエチレン樹脂100重量部、有機化酸化物(日油株式会社製「パーヘキサ25B」)0.01重量部及び無水マレイン酸0.2重量部をミキサーにて1分間混合した後、40mmφ単軸押出機を用いて、シリンダー温度230℃、スクリュー回転数50rpmにて加熱混練することにより、グラフト反応させ、相溶化材aを得た。赤外分光法で求めた相溶化材aのマレイン酸含量は、0.16重量%であった。
架橋ポリエチレン樹脂の原料となるポリエチレン樹脂を日本ポリエチレン株式会社製「ハーモレクスNF325N」(メルトフローレート0.9g/10分、密度0.909g・cm−3)に変え、ポリエチレン樹脂組成物作製時の架橋ポリエチレン樹脂ペレットと相溶化材の比率を架橋ポリエチレン樹脂ペレット65重量%対相溶化材35重量%に変え、ポリアミド樹脂組成物作製時のポリエチレン樹脂組成物とポリアミド樹脂の比率をポリエチレン樹脂組成物30重量部対ポリアミド樹脂100重量部に変えた以外は、実施例1と同様にして、ポリアミド樹脂組成物及びその評価測定用試験片を得た。
架橋ポリエチレン樹脂の原料となるポリエチレン樹脂の種類を株式会社プライムポリマー製「ウルトゼックス1080L」(メルトフローレート2.2g/10分、密度0.909g・cm−3)に変え、ガンマ線照射量を30KGyに変え、ポリエチレン樹脂組成物作製時の架橋ポリエチレン樹脂ペレットと相溶化材の比率を架橋ポリエチレン樹脂ペレット75重量%対相溶化材25重量%に変え、ポリアミド樹脂の種類を(三菱エンジニアリングプラスチックス株式会社製「ノバミッド1010J」。融点224℃。荷重たわみ温度160℃)に変えた以外は、実施例1と同様にして、ポリアミド樹脂組成物及びその評価測定用試験片を得た。
架橋ポリエチレン樹脂の原料となるポリエチレン樹脂を日本ポリエチレン株式会社製「カーネルKS560T」(メルトフローレート16.5g/10分、密度0.898g・cm−3)に変え、ポリエチレン樹脂組成物作製時の架橋ポリエチレン樹脂ペレットと相溶化材の比率を架橋ポリエチレン樹脂ペレット85重量%対相溶化材15重量%に変え、ポリアミド樹脂組成物作製時のポリエチレン樹脂組成物とポリアミド樹脂の比率をポリエチレン樹脂組成物25重量部対ポリアミド樹脂100重量部に変えた以外は、実施例3と同様にして、ポリアミド樹脂組成物及びその評価測定用試験片を得た。
相溶化材aの代わりに住友化学株式会社製「ボンドファーストE」(グリシジルメタクリレート12重量%含有、メルトフローレート3g/10分)を用いて、ポリアミド樹脂の代わりにポリブチレンテレフタレート樹脂(三菱エンジニアリングプラスチックス株式会社製「ノバデュラン5008」、融点224℃)を用いた以外は、実施例1と同様にして、ポリブチレンテレフタレート樹脂組成物及びその評価測定用試験片を得た。
「ボンドファーストE」の代わりに、2.0重量%のグリシジルメタクリレートをグラフトした線状低密度ポリエチレンに用いて、ポリエチレン樹脂組成物作製時の架橋ポリエチレン樹脂ペレットと相溶化材の比率を架橋ポリエチレン樹脂ペレット85重量%対相溶化材15重量%に変え、ポリブチレンテレフタレート樹脂組成物作製時のポリエチレン樹脂組成物とポリブチレンテレフタレート樹脂の比率をポリエチレン樹脂組成物30重量部対ポリブチレンテレフタレート樹脂100重量部に変えた以外は、実施例5と同様にして、ポリブチレンテレフタレート樹脂組成物及びその評価測定用試験片を得た。
相溶化材aの代わりに住友化学株式会社製「ボンドファーストE」(グリシジルメタクリレート12重量%含有、メルトフローレート3g/10分)を用いて、ポリアミド樹脂の代わりにポリブチレンテレフタレート樹脂(三菱エンジニアリングプラスチックス株式会社製「ノバデュラン5008」)を用いた以外は、実施例3と同様にして、ポリブチレンテレフタレート樹脂組成物及びその評価測定用試験片を得た。
ポリブチレンテレフタレート樹脂の代わりにポリ乳酸樹脂(ネイチャーワークス社製「3001D」、融点170℃)を用いた以外は、実施例5と同様にして、ポリブチレンテレフタレート樹脂組成物及びその評価測定用試験片を得た。
ポリブチレンテレフタレート樹脂の代わりにポリ乳酸樹脂(ネイチャーワークス社製「3001D」、融点170℃)を用い、ポリ乳酸樹脂組成物作製時のポリエチレン樹脂組成物とポリ乳酸樹脂の比率をポリエチレン樹脂組成物20重量部対ポリ乳酸樹脂100重量部に変えた以外は、実施例6と同様にして、ポリ乳酸樹脂組成物及びその評価測定用試験片を得た。
ポリエチレン樹脂組成物作製時の架橋ポリエチレン樹脂ペレットと相溶化材の比率を架橋ポリエチレン樹脂ペレット75重量%対相溶化材25重量%に変え、相溶化材aの代わりに住友化学株式会社製「ボンドファーストE」(グリシジルメタクリレート12重量%含有、メルトフローレート3g/10分)を用いて、ポリアミド樹脂の代わりにポリ乳酸樹脂(ネイチャーワークス社製「3001D」、融点170℃)を用いた以外は、実施例4と同様にして、ポリ乳酸樹脂組成物及びその評価測定用試験片を得た。
「ノバデュラン5008」の代わりに、「ノバデュラン5008」とポリカーボネート樹脂(三菱エンジニアリングプラスチックス株式会社製「S2000」)の混合物(「ノバデュラン5008」70重量部対「S2000」30重量部)を用いた以外は、実施例5と同様にして、ポリブチレンテレフタレート樹脂・ポリカーボネート樹脂組成物及びその評価測定用試験片を得た。
ポリエチレン樹脂組成物を含まないポリアミド樹脂(三菱エンジニアリングプラスチックス株式会社製「ノバミッド1040J」のみについて、実施例1と同様にして、評価測定用試験片を作製した。
架橋ポリエチレン樹脂ペレットの代わりに、架橋を行っていないポリエチレン樹脂(日本ポリエチレン株式会社製「カーネルKS240T」。メルトフローレート2.2g/10分、密度0.88g・cm−3)を用いた以外は、実施例1と同様にして、ポリアミド樹脂組成物及びその評価測定用試験片を得た。
Claims (10)
- 架橋ポリエチレン樹脂を相溶化材と共に溶融混練して得られるポリエチレン樹脂組成物を、結晶性熱可塑性樹脂中に分散させて結晶性熱可塑性樹脂組成物を製造する方法であって、架橋前のポリエチレン樹脂の、JIS−K6922−2:1997付属書(23℃)に従って測定した密度が0.86g/cm3以上0.97g/cm3以下であり、前記架橋ポリエチレン樹脂が、ペレット状のポリエチレン樹脂にガンマ線を照射することにより得られたものであり、
前記相溶化材がポリエチレン樹脂に水酸基、カルボン酸基、酸無水基及び/又はエポキシ基を有する化合物をグラフトしたもの、又はエチレンと水酸基、カルボン酸基、酸無水基及び/又はエポキシ基を有する化合物を共重合したものである結晶性熱可塑性樹脂組成物の製造方法。 - 架橋ポリエチレン樹脂を相溶化材と共に溶融混練して得られるポリエチレン樹脂組成物を結晶性熱可塑性樹脂中に分散させて結晶性熱可塑性樹脂組成物を製造する方法であって、JIS−K6922−2:1997付属書(23℃)に従って測定した密度が0.86g/cm3以上0.97g/cm3以下であるポリエチレン樹脂であり、かつ、ペレット状のポリエチレン樹脂にガンマ線を照射して前記架橋ポリエチレン樹脂を得る工程を含み、前記相溶化材がポリエチレン樹脂に水酸基、カルボン酸基、酸無水基及び/又はエポキシ基を有する化合物をグラフトしたもの、又はエチレンと水酸基、カルボン酸基、酸無水基及び/又はエポキシ基を有する化合物を共重合したものである結晶性熱可塑性樹脂組成物の製造方法。
- 結晶性熱可塑性樹脂中に分散しているポリエチレン樹脂組成物の粒径が0.001μm以上5.0μm以下である請求項1又は2記載の結晶性熱可塑性樹脂組成物の製造方法。
- 請求項1乃至3のいずれか1項に記載の結晶性熱可塑性樹脂組成物の製造方法であって、前記架橋ポリエチレン樹脂60〜90重量%に対して、前記相溶化材を10〜40重量%使用し、且つ、前記結晶性熱可塑性樹脂に対して前記架橋ポリエチレン樹脂組成物を15重量%以上40重量%以下使用する結晶性熱可塑性樹脂組成物の製造方法。
- 請求項1乃至4の何れか1項に記載の結晶性熱可塑性樹脂組成物の製造方法であって、前記結晶性熱可塑性樹脂がポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂及び/又はポリアセタール系樹脂である結晶性熱可塑性樹脂組成物の製造方法。
- 前記架橋前のポリエチレン樹脂が、高圧法により得られる低密度ポリエチレン、中圧法又は低圧法によりエチレン−αオレフィンを共重合して得られる線状低密度ポリエチレン及び高密度ポリエチレンから選択される一種を含む請求項1乃至5の何れか1項に記載の結晶性熱可塑性樹脂組成物の製造方法。
- 請求項1乃至6の何れか1項に記載の結晶性熱可塑性樹脂組成物の製造方法であって、前記架橋ポリエチレン樹脂のJIS−K6796(1998年)に従って測定した沸騰キシレン抽出によるゲル分率が0.1〜60.0重量%である結晶性熱可塑性樹脂組成物の製造方法。
- 請求項1乃至7の何れか1項に記載の結晶性熱可塑性樹脂組成物の製造方法であって、前記結晶性熱可塑性樹脂組成物の荷重たわみ温度が前記結晶性熱可塑性樹脂の荷重たわみ温度より高い結晶性熱可塑性樹脂組成物の製造方法。
- 請求項1乃至8の何れか1項に記載の結晶性熱可塑性樹脂組成物の製造方法で得られる結晶性熱可塑性樹脂組成物を、前記結晶性熱可塑性樹脂の融点以上の温度で溶融加熱した後、賦形、冷却して得られる成型体。
- 請求項1乃至9の何れか1項に記載の結晶性熱可塑性樹脂組成物の製造方法で得られる結晶性熱可塑性樹脂組成物を、射出成型して得られる成型体。
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