JPH05191319A - 施設内での送受信装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 移動可能な受信機の使用を可能として、送信
される情報を施設利用者個々に楽しむことができる施設
内での送受信装置を提供する。 【構成】 屋内野球場１０の膜屋根１６を支持する骨組
１８に電波漏洩ケーブル２２を配索する。電波漏洩ケー
ブル２２から極微弱電波を放射する。受信アンテナ４０
で受信した各局のテレビ電波および特設カメラ４２から
の電波を電波漏洩ケーブル２２に送信する。電波漏洩ケ
ーブル２２から放射された極微弱電波を、携帯用の小型
テレビで受信する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、大空間施設等の施設内
において移動可能な複数の受信機で、送信機から送信さ
れる電波を受信して楽しむことができる施設内での送受
信装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、野球場等の大型施設ではコンコー
スとかロビー等にテレビを設置したものがあり、このよ
うにテレビが設置されている場合は、施設利用者がテレ
ビ放映を楽しむことができるようになっている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、かかる
従来の施設内での送受信装置にあっては、コンコースと
かロビーに設置されるテレビは固定的に設けられたもの
である。このため、施設利用者は任意の場所でテレビを
観賞することができず、その利用場所が大いに限定され
てしまう。特に、野球場等の競技場では、競技を観戦し
つつテレビを見ることができれば、競技のより豊富な情
報を得て観戦の楽しみを増大することができるが、従来
ではそれをすることができない。また、かかるテレビで
は予め固定したチャンネルでの映像を放映するようにな
っており、個々の施設利用者の希望するチャンネルを選
択することができないという課題があった。

【０００４】そこで本発明は、移動可能な受信機の使用
を可能として、送信される情報を施設利用者個々に楽し
むことができる施設内での送受信装置を提供することを
目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
めに本発明は、施設内に配索されて極微弱電波を放射す
る電波漏洩ケーブルと、この電波漏洩ケーブルに接続さ
れる電波送信機と、電波漏洩ケーブルから放射された漏
洩電波を受信する受信機と、を備えることにより構成す
る。

【０００６】また、前記電波送信機は、複数チャンネル
の電波を同時に送信し、これら複数チャンネルの１つを
受信機で選択して受信することが望ましい。

【０００７】更に、前記電波送信機から送信する電波は
テレビ電波であり、前記受信機はテレビ受像機とするこ
とができる。

【０００８】

【作用】以上の構成により本発明の施設内での送受信装
置にあっては、電波送信機から送信される電波は、電波
漏洩ケーブルから極微弱電波として放射することがで
き、そして、この極微弱電波はこの電波漏洩ケーブルが
施設内に配索されていることから、施設内全般に亘って
放射される。このように電波漏洩ケーブルから放射され
た極微弱電波は受信機により施設内のあらゆる場所で受
信することができる。従って、受信機を小型化して移動
可能とすることにより、施設利用者は個々に送信される
情報を少なくとも音声として楽しむことができる。尚、
前記送信電波は極微弱電波として放射されるため、施設
外にこの送信電波が影響されるのを防止することができ
る。

【０００９】また、前記電波送信機は、複数チャンネル
の電波を同時に送信し、これら複数チャンネルの１つを
受信機で選択して受信することにより、施設利用者は送
信される複数の情報を個々に選択し、その楽しみ方が大
幅に増大する。

【００１０】更に、前記電波送信機から送信する電波は
テレビ電波であり、前記受信機はテレビ受像機とするこ
とにより、送信電波による情報に画像が伴うためその楽
しみ方が一段と向上される。

【００１１】

【実施例】以下、本発明の実施例を図に基づいて詳細に
説明する。図１から図３は本発明にかかる施設内での送
受信装置の一実施例を示し、図１は送受信装置が設けら
れる施設の略半分を示す断面図、図２は送受信装置の要
部を分解して示す斜視図、図３は図２中Ａ−Ａ線からの
拡大断面図である。尚、本実施例の送受信装置が設けら
れる施設としては、無柱構造として構成される屋内野球
場（ドーム球場）１０に例をとって示す。

【００１２】即ち、前記屋内野球場１０は、グラウンド
１２を囲繞する外壁１４の上端部間に膜屋根１６を架設
し、この膜屋根１６により天井を覆うことにより無柱構
造となった大空間施設として構築される。尚、本実施例
では前記膜屋根１６の内側に、この膜屋根１６を支持す
る骨組１８が対向する外壁１４間に架設される。また、
前記外壁１４の内側には３段に亘って観客席２０が設け
られる。

【００１３】前記骨組１８には図２に示したような電波
漏洩ケーブル２２が配索され、この電波漏洩ケーブル２
２から極微弱電波が放射されるようになっている。前記
電波漏洩ケーブル２２は、給電整合器２４，中間整合機
２６および整合器を兼ねた分配器２８が、同軸ケーブル
３０を介して順次連結されることにより構成される。前
記分配器２８には円形状に湾曲した電磁波放射器として
のアンテナエレメント３２が接続され、このアンテナエ
レメント３２から極微弱電波が放射される。また、前記
同軸ケーブル３０の端部にはＮ形コネクター３４がそれ
ぞれ取り付けられ、このＮ形コネクター３４を介して前
記給電整合器２４，中間整合機２６および分配器２８に
接続される。尚、前記中間整合器２６および前記分配器
２８には内部に連通する調整穴２６ａ，２８ａが形成さ
れるが、この調整穴２６ａ，２８ａは図外の蓋体により
密閉され、電波が漏洩されないようになっている。ま
た、前記給電整合器２４，中間整合機２６および分配器
２８の内側は電磁波吸収材で包まれ、電波が外方に漏洩
されないようになっている。

【００１４】前記給電整合器２４は、同軸ケーブル３６
を介して電波送信機３８に接続される。前記電波送信機
３８は前記電波漏洩ケーブル２２にテレビ電波を送信す
るようになっており、この電波送信機３８には受信アン
テナ３９を介して各テレビ局の放送電波が入力されると
共に、前記骨組１８とかその他の適宜部位に設けられた
特設カメラ４２の電波が入力されるようになっている。

【００１５】一方、前記電波漏洩ケーブル２２から放射
された極微弱電波は、図外の受信機により受信されるよ
うになっている。前記受信機としては携帯用の小型テレ
ビが用いられ、施設利用者つまり野球観戦者はこの小型
テレビを携帯して、個々に任意の放送電波を選択して映
像を楽しむことができる。尚、前記小型テレビとしては
軽量の小型液晶テレビを用いることが望ましい。

【００１６】前記同軸ケーブル３０は図３に示したよう
に、中心部に空洞部が形成される柔らかい可撓性管材４
０を中心として、その外周に薄肉状の導電管４２が囲繞
され、かつ、更にその外周が絶縁性の保護材４４で囲繞
されるようになっている。

【００１７】以上の構成により本実施例の施設内での送
受信装置にあっては、屋内野球場１０の屋根膜１６を支
持する骨組１８に電波漏洩ケーブル２２を配索し、電波
送信機３８から送信される電波を、この電波漏洩ケーブ
ル２２から極微弱電波として放射するようになってお
り、この極微弱電波は屋内野球場１０内の全般に亘って
放射される。このように電波漏洩ケーブル２２から放射
された極微弱電波は携帯小型テレビにより屋内野球場の
あらゆる場所で受信することができる。

【００１８】また、前記電波送信機３８から送信される
電波は、複数の一般のテレビ局の電波および屋内野球場
１０に設けた特設カメラ４２からの電波であるため、野
球観戦者は複数の情報から１つを選択して、その映像お
よび音声を楽しむことができる。特に、特設カメラ４２
の電波を選択することにより、野球を観戦しつつ詳しい
情報を小型テレビから得ることができ、野球観戦の楽し
みを倍増することができる。

【００１９】尚、前記送信電波は電波管理法に違反しな
い程度の極微弱電波を放射することにより、屋内野球場
１０の外方にこの送信電波が影響されるのを防止するこ
とができる。

【００２０】図５，図６は他の実施例を示し、前記実施
例と同一構成部分に同一符号を付して重複する説明を省
略して述べる。

【００２１】即ち、この実施例にあっては前記実施例と
同様に整合器の機能を備えた分配器２８にアンテナエレ
メント５０が取り付けられるが、このアンテナエレメン
ト５０はバックミラータイプに形成され、電磁波を貫通
する絶縁材５２の内側に導電管（導電線）５４が埋設さ
れ、カプラー５６を介して分配器２８に差し込まれるよ
うになっている。

【００２２】従って、この実施例では前記実施例と同様
の機能を発揮するのは勿論のこと、アンテナエレメント
５０の取り付けがカプラー５６を介して簡単に行うこと
ができる。

【００２３】ところで、前記各実施例において電波漏洩
ケーブル２２には、図６に示すように中間広帯域増幅器
６０を必要に応じて挿入することにより、電波漏洩ケー
ブル２２が長大化された場合には、電波を適宜増幅して
屋内野球場１０の全体に亘って略均等に極微弱電波を放
射することができる。

【００２４】尚、以上述べた各実施例では屋内野球場１
０に本発明を適用した場合を例にとって説明したが、屋
内野球場１０に限ること無く、観劇場とか一般の施設内
にあっても本発明を適用することができることはいうま
でもない。

【００２５】

【発明の効果】以上説明したように本発明の請求項１に
示す施設内での送受信装置にあっては、電波漏洩ケーブ
ルを介して電波送信機から送信される電波を極微弱電波
として、施設内の全般に亘って放射することができ、こ
の極微弱電波を受信機により施設内のあらゆる場所で受
信することができる。従って、受信機を小型化して移動
可能とすることにより、施設利用者は個々に送信される
情報を楽しむことができる。 また、本発明の請求項２
にあっては、前記電波送信機から複数チャンネルの電波
を同時に送信し、これら複数チャンネルの１つを受信機
で選択して受信するようにしたことにより、施設利用者
は送信される複数の情報を個々に選択することができ、
その楽しみ方を大幅に増大することができる。

【００２６】更に、本発明の請求項３にあっては、前記
電波送信機から送信する電波をテレビ電波とし、かつ、
前記受信機をテレビ受像機としたことにより、送信電波
による情報に画像が伴うためその楽しみ方を一段と向上
することができるという各種優れた効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明にかかる送受信装置が設けられる施設の
略半分を示す断面図である。

【図２】本発明にかかる送受信装置の一実施例を示す要
部分解斜視図である。

【図３】本発明の一実施例を示す図２中Ａ−Ａ線からの
拡大断面図である。

【図４】本発明の他の実施例を示す要部分解斜視図であ
る。

【図５】本発明の他の実施例を示す要部を分解した拡大
斜視図である。

【図６】本発明の他の実施例を示す要部斜視図である。

【符号の説明】

１０ 屋内野球場（施設） ２２ 電波漏洩ケ
ーブル ２４ 給電整合器 ２６ 中間整合器 ２８ 分配器 ３０ 同軸ケーブ
ル ３２ アンテナエレメント ３８ 電波送信機 ５０ アンテナエレメント ６０ 中間広帯域
増幅器

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 施設内に配索されて極微弱電波を放射す
   る電波漏洩ケーブルと、この電波漏洩ケーブルに接続さ
   れる電波送信機と、電波漏洩ケーブルから放射された漏
   洩電波を受信する受信機と、を備えたことを特徴とする
   施設内での送受信装置。
2. 【請求項２】 前記電波送信機は、複数チャンネルの電
   波を同時に送信し、これら複数チャンネルの１つを受信
   機で選択して受信することを特徴とする請求項１に記載
   の施設内での送受信装置。
3. 【請求項３】 前記電波送信機から送信する電波はテレ
   ビ電波であり、前記受信機はテレビ受像機であることを
   特徴とする請求項１または２に記載の施設内での送受信
   装置。