JP5312035B2 - 全身ファントム及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、全身ファントム及びその製造方法に関し、より詳細には、電磁波が人体に及ぼす影響などをいろいろなポーズにおいて測定することが可能な全身ファントム及びこのような全身ファントムの製造方法として好適な全身ファントムの製造方法に関する。
従来、人体頭部形状などのファントムとしては、多様な素材に人体的電気特性を持たせたものが開発されており、例えば、特許文献1には、導電性フィラーを含有し、硬化後にゴム弾性を有する高分子材料によって、筋肉や皮膚などの高含水率組織用のファントム、脂肪や骨などの低含水率組織用のファントムを作製する技術が開示されており、かかる技術によれば、頭部形状などのように複雑な形状のものも容易に成型できることが記載されている。また、例えば、特許文献2には、導電性粉末を含有する熱硬化性樹脂によって、人体の部分成形体を得た後、該部分成形体を組み合わせて所定の形状とする技術が開示されており、この技術の場合、上半身ファントムが記載されている。更に、特許文献3には、ゼラチンを人体の胴部の形状に造形し不溶化した胴部模型に、ゼラチンを人体の臓器の形状に造形し不溶化した臓器模型を内蔵した超音波医学用生体近似ファントムが開示されている。また更に、特許文献4には、内部に生理食塩水、水などの人体等価材料がそれぞれ充填された、頭部、胴体部、右肩部、左肩部、右腕部を備えた擬似人体装置が開示されている。
特開平10−170454号公報 特開2000−82333号公報 特開2005−118187号公報 特開2004−286735号公報
一方、最近では、技術の発展に伴い、例えば、日常生活における人体に対する電磁波などの影響を調べるために、人体の全身の擬似形状を備えた全身ファントムの開発が望まれている。
しかしながら、上述した技術は、いずれも人体の頭部形状、上半身形状を模したものであり、人体の全身形状を模したファントムについては、何ら記載されていない。そして、特許文献3、4で開示された技術では、製造工程の難易度や電気特性の変化から、人体の全身程度の大きさのファントムを製造するのは困難であった。例えば、特許文献3に記載されたゼラチンや寒天のようなゲル状物質で全身形状を模した全身ファントムを作製し、使用した場合を想定すると、このようないわゆるウエットタイプのファントムの場合、時間と共に乾燥してしまい、電気特性が変化してしまうという問題があり、また、例えば立った姿勢で用いることは、これらの材質では形状の維持は困難と思われる。一方、例えば、特許文献4のように、人体の部分形状を模した容器内に、生理食塩水、水などの人体等価材料を充填した技術を応用し、人体の全身形状を模した容器を用意し、その内部に上記のような液体を充填し、いわゆる液体タイプの全身ファントムとして使用した場合を想定すると、例えば頭部に電磁波を当てると、その部分が熱を持つため、内部で液体の対流が起こり、内部の液体の電気特性が不均一となることが予想される。また、電磁波測定では、使用する周波数により体内深部への影響が異なるため、このような液体ファントムでは、その使用目的が限られてしまうという問題がある。
本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意検討を行った結果、以下の全身ファントムに係る発明及び全身ファントムの製造方法に係る発明をなすに至った。まず、全身ファントムに係る発明として、発明1は、ゴム基材に導電性フィラーを配合した導電性ゴム素材を、人体の全身外形を模すように成形してなることを特徴とする全身ファントムの発明である。発明2は、人体の全身形状を模した中空形状の繊維強化プラスチック成形体の表面に、上記導電性ゴム素材を積層してなる発明1の全身ファントムである。発明3は、更に、上記繊維強化プラスチック成形体の中空部分に上記導電性ゴム素材又は高分子発泡材を充填してなる発明2の全身ファントムである。発明4は、上記導電性ゴム素材を、人体の全身形状を模した中実形状となるように成形してなる発明1の全身ファントムである。発明5は、上記導電性ゴム素材を人体の全身外形を模し、且つ中空部分を有するように成形してなり、該中空部分に高分子発泡材を充填して人体の全身形状を模した中実形状とした発明1の全身ファントムである。発明6は、腕に対応する部分が、胴体に対応する部分と着脱可能である発明1乃至5のいずれかの全身ファントムである。発明7は、上半身に対応する部分と下半身に対応する部分とが、着脱可能である発明1乃至6のいずれかの全身ファントムである。発明8は、上記導電性ゴム素材が、人体の筋肉、脂肪又は皮膚と同様の電気特性を有するものである発明1乃至7のいずれかの全身ファントムである。発明9は、上記繊維強化プラスチックが、人体の骨と同様の電気特性を有するものである発明2、3、6乃至8のいずれかの全身ファントムである。発明10は、人体の筋肉、脂肪又は皮膚と同様の電気特性を有する上記導電性ゴム素材及び人体の骨と同様の電気特性を有する上記繊維強化プラスチックから選ばれる少なくとも2種以上の材料を積層してなる発明8又は9の全身ファントムである。
次に、全身ファントムの製造方法に係る発明として、発明11は、発明1乃至10のいずれかの全身ファントムを製造する方法であって、人体の外形に対応する繊維強化プラスチックからなる成形型枠を使用したことを特徴とする全身ファントムの製造方法である。発明12は、人体の外形に対応する繊維強化プラスチックからなる外型枠と、該外型枠に対応する繊維強化プラスチックからなる内型枠との間に、硬化前のゴム基材に導電性フィラーを配合した硬化前の導電性ゴム素材を充填し、硬化させた後、内型枠を硬化後の導電性ゴム素材の内側に残しておく発明11の全身ファントムの製造方法である。発明13は、更に、上記内型枠により形成される中空部に上記導電性ゴム素材又は高分子発泡材を充填する発明12の製造方法である。発明14は、硬化前のゴム基材に導電性フィラーを配合した導電性ゴム素材を、対となって人体の外形に対応する形状を形成する繊維強化プラスチックからなる外型枠の内面に沿って塗布、積層又は敷設し、上記外型枠を合わせて、上記導電性ゴム素材により中空部を形成した後、該中空部に高分子発泡材を充填する発明11の製造方法である。
本発明者らは、上記構成の全身ファントムとすることにより、人体的電気特性を有し、人体の種々のポーズにおける電磁波、電波などの影響を精度よく測定したり観察したりすることができ、軽量であるのでハンドリングよくできる全身ファントムを得ることが可能となり、また、上記構成の全身ファントムの製造方法によれば、上述したような全身ファントムを好適に製造することができることを見出し、本発明をなすに至った。
即ち、本発明は、(1)ゴム基材に導電性フィラーを配合した導電性ゴム素材を、人体の全身外形を模すように成形してなることを特徴とする全身ファントムを提供する。ここで、本発明の全身ファントムとして、より具体的には、人体の全身形状を模した中空形状の繊維強化プラスチック成形体の表面に、上記導電性ゴム素材を積層してなる全身ファントムであり、更に、この全身ファントムの上記繊維強化プラスチック成形体の中空部分に、上記導電性ゴム素材又は高分子発泡材を充填してなる全身ファントムであり、全身の形状が安定する。また、上記導電性ゴム素材を、人体の全身形状を模した中実形状となるように成形してなる全身ファントムとすることも可能である。また、中実形状の全身ファントムとなすにあたって、上記導電性ゴム素材により人体の全身外形を模し、且つ中空部分を有するように成形してなり、その外形部の中に形成された中空部分に高分子発泡材が充填されることにより中実形状となした全身ファントムは超軽量の全身ファントムとなる。
更に、腕に対応する部分が、胴体に対応する部分と着脱可能であったりすると、腕の曲げる位置や形の異なるいろいろなポーズに換えることができ、好適である。また、上半身に対応する部分と下半身に対応する部分とが着脱可能、換言すると、上胴体が下胴体に対応する部分と着脱可能であったりすると、下半身が座位、立位、あるいは種々の作業状態などに対応した異なる形の下半身と取り替えることによりポーズを変えることができ、より好適である。また更に、上記ゴム素材が、人体の筋肉、脂肪又は皮膚と同様(以下、「等価」ということもある)の電気特性を有するものであったり、上記繊維強化プラスチックが、人体の骨と同様の電気特性を有するものであると、内部も人体に似た電気特性を有するファントムとなる。更に、人体の筋肉、脂肪又は皮膚と同様の電気特性を有する上記導電性ゴム素材及び人体の骨と同様の電気特性を有する上記繊維強化プラスチックから選ばれる少なくとも2種以上の材料を積層して人体の組織に近い内部、表面を形成した全身ファントムとすることにより、より人体に近い特性を有するリアルファントムが可能となり、特に好適である。
更に、本発明は、(2)上記(1)記載の全身ファントムを製造する方法であって、人体の外形に対応する繊維強化プラスチックからなる成形型枠を使用したことを特徴とする全身ファントムの製造方法を提供する。ここで、人体の全身形状を模した中空形状の繊維強化プラスチック成形体を備えた全身ファントムを製造する方法としては、人体の外形に対応する繊維強化プラスチックからなる外型枠と、該外型枠に対応する繊維強化プラスチックからなる内型枠との間に、硬化前のゴム基材に導電性フィラーを配合した硬化前の導電性ゴム素材を充填し、硬化させた後、内型枠を硬化後の導電性ゴム素材の内側に残しておく全身ファントムの製造方法が、内型枠が骨材となり、好適である。また、内型枠により形成された繊維強化プラスチックからなる中空部に導電性ゴム素材又は高分子発泡材を充填する全身ファントムの製造方法も好適である。更にまた、硬化前のゴム基材に導電性フィラーを配合した導電性ゴム素材を、対となって人体の外形に対応する形状を形成する繊維強化プラスチックからなる外型枠の内面に沿って塗布、積層又は敷設し、上記外型枠を合わせて上記導電性ゴム素材により中空部を形成した後、該中空部に高分子発泡材を充填して中実形状となるように成形してなる超軽量の全身ファントムの製造方法も好適である。なお、この製造方法において、硬化前のゴム基材に導電性フィラーを配合した導電性ゴム素材を、「外型枠の内面に沿って塗布、積層又は敷設する」とは、硬化前のゴム基材に導電性フィラーを配合した導電性ゴム素材を、外型枠の内面に硬化後に外型枠から剥離可能となるように取り付けることであり、後述するように硬化後に所定の厚み(肉厚)となるように外型枠の内面に硬化前の導電性ゴム素材を肉厚に塗布すること、外型枠の内面上に少なくとも1層以上の導電性ゴム素材層が形成されるように1種以上の硬化前の導電性ゴム素材を外型枠の内面に積層すること、後述するようにシート状物にした硬化前の導電性ゴム素材を外型枠の内面に貼り付ける(敷設)ことを意味する。
本発明の全身ファントムによれば、ゴム基材に導電性フィラーを配合した導電性ゴム素材を、人体の全身外形を模すように成形したので、人体の表面に導電性ゴム素材があり、従って、例えば、人体形状の容器に液体を充填した全身ファントムとした場合に比べて、容器がない分、人体表面への電磁波などの影響を計測することが可能となる。
ここで、本発明の全身ファントムが、人体の全身形状を模した中空形状の繊維強化プラスチック成形体の表面に、上記導電性ゴム素材を積層してなるものであれば、繊維強化プラスチックが補強材としての機能を発揮し、例えば、人が立った状態における電磁波などの影響を調べることも可能となり、立身型全身ファントムとして使用することも可能となる。そして、例えば、人体そのものが導電体であることから、人体の存在によっても電波特性に変化が生じ、特に、室内、車内、エレベーター内、電車内、航空機内などのように周囲に壁がある密閉空間では、人体の存在により電磁波が変化し易くなることが予想されるが、この立身(立位)型全身ファントムによれば、例えば、そのような密閉空間の壁などにセンサー、測定装置などを取り付け、密閉空間内に立身(立位)型全身ファントムが電磁波発生装置を使用していたり、電磁波発生装置を持っている状態とし、電磁波を調べることによって、電波特性の変化を調べることが可能となる。また、携帯電話機等の通信用の電波、電磁波など、レーダー等の識別用の電波、電磁波などに対応する高周波用ファントムの場合、体表面のみの測定で足りることから、繊維強化プラスチック成形体の表面に積層した導電性ゴム素材に所望の電気特性を持たせることによって、高周波用ファントムとして使用できる。更に、この全身ファントムは、繊維強化プラスチックが中空形状であるので、その空洞を利用して、例えば、空洞内にセンサー、測定装置などを配設することによって、人体外部から人体内部に及ぶ電磁波の影響を調べることも可能となり、例えば、中空全身ファントムの心臓の部位にセンサー、測定装置などを取り付けて、ペースメーカーへの影響を調べたり、妊婦の形状を模し、腹部にセンサー、測定装置などを取り付けることにより、胎児への電磁波の影響を調べたりすることも可能となる。従来の人体形状の容器に液体を充填した全身ファントムでは、電気特性を持たせた厚み部分が容器の精度に大きく起因するが、繊維強化プラスチック成形体の表面に導電性ゴム素材を積層した全身ファントムの場合、導電性ゴム素材の厚さを変化させるだけで、目的周波数に対応することが可能となる。
一方、更に、繊維強化プラスチック成形体の内型枠の中空部分に、導電性ゴム素材を充填してなる全身ファントムであれば、同様に立身(立位)型全身ファントムとして使用することが可能となる。そして、例えば、特に、低周波の電磁波、電波の人体への影響を調べる場合、人体の表面のみならず、体全体での測定をすると、より好適であることから、低周波用ファントムとしてより有用である。なお、このようにして使用する場合、後述するように、繊維強化プラスチックの電気特性を人体の骨と同様にすると、更に好適である。また、繊維強化プラスチック成形体の中空部分に、高分子発泡材を充填してなる全身ファントムであれば、軽量さも維持されると共に強度も増すことができる。
本発明の全身ファントムは、導電性ゴム素材を、人体の全身形状を模した中実形状となるように成形してなる全身ファントムとすることも可能であり、このようなファントムの場合、横たわった状態での電磁波の影響を調べる横臥型全身ファントムとして好適に使用することができる。また、上述したように、上記導電性ゴム素材により人体の全身外形を模し、且つ中空部分を有するように成形してなり、その外形部の中に形成された中空部分に高分子発泡材が充填されることにより中実形状とした全身ファントムであれば、超軽量の全身ファントムとなる。
更に、本発明の全身ファントムは、腕に対応する部分が胴体に対応する部分と着脱可能であれば、例えば、携帯電話機で通話している状態や携帯電話機でメールをしている状態など、種々の状態での使用が容易となる。更に、手首の位置で手が腕と着脱可能であれば、種々の携帯電話機の形状に合わせた手に交換することにより、精度のよい計測が可能となり、利便性も向上する。また、上半身に対応する部分と、下半身に対応する部分とが、着脱可能であれば、例えば、立位、座位(床などに座ったり、椅子にすわったりした状態)、車の座席に座っている形、オートバイや自転車など各種乗り物などの座部に座る形などの種々の人体ポーズでの使用が容易となる。
また更に、本発明の全身ファントムの上記導電性ゴム素材が、人体の筋肉、脂肪又は皮膚と同様の電気特性を有するものであれば、人体の各部位の電気特性に合わせた測定が可能となる。繊維強化プラスチックが、人体の骨と同様の電気特性を有するものであれば、人体内部にある骨の影響を測定できる全身ファントムとすることができる。更には、人体の骨、筋肉、脂肪又は皮膚と各々同様の電気特性を有するように人体の各部位に対応させて、それらを二つ以上を組み合わせて積層してファントムを形成することにより、表面のみならず、体全体がより人体の電気特性に近似した試験を行うことができるリアルファントムを得ることが可能となる。
本発明の全身ファントムの製造方法は、特に制限されるものではないが、本発明の全身ファントムの製造方法によれば、人体の外形に対応する繊維強化プラスチックからなる成形型枠を使用するものであり、人体の外形に対応する繊維強化プラスチックからなる外型枠と、該外型枠に対応する内型枠とを組み合わせてもよく、内型枠を用いないで人体の外形に対応する繊維強化プラスチックからなる成形型枠(外型枠)のみを使用するものであってもよい。なお、内型枠を使用する場合、導電性ゴム素材を成形した後、内型枠を取り外すのであれば、内型枠は繊維強化プラスチックからなるものでなくてもよいが、作業性などを考慮すれば、内型枠は繊維強化プラスチックからなるものであることが好ましく、特に、後述するように内型枠を硬化後の導電性ゴム素材の内側に残しておく場合は、繊維強化プラスチックからなる内型枠を使用する。このような製造方法によれば、繊維強化プラスチックで型枠を作製するので、金型に比べて複雑な形状の型枠であっても、その作製が容易であり、ゴム素材を人体の全身形状のように複雑な形状に容易に成形できる。
更に、人体の全身形状を模した中空形状の繊維強化プラスチック成形体の表面に、上記導電性ゴム素材を積層してなる全身ファントムであれば、人体の外形に対応する繊維強化プラスチックからなる外型枠と、該外型枠に対応する繊維強化プラスチックからなる内型枠との間に、硬化前のゴム基材に導電性フィラーを配合した硬化前の導電性ゴム素材を充填し、硬化させた後、内型枠を硬化後の導電性ゴム素材の内側に残しておくことによって、中空形状の繊維強化プラスチック成形体を内蔵する全身ファントムを好適に製造することができる。また、繊維強化プラスチック成形体の中空部分に、更に、導電性ゴム素材を充填するのであれば、内型枠の中に硬化前の導電性ゴム素材を充填し、硬化させることによって、繊維強化プラスチック成形体の中空部分に、導電性ゴム素材が充填された全身ファントムが得られる。そして、上述したように、人体の全身形状を模した中空形状の繊維強化プラスチック成形体の表面に、上記導電性ゴム素材を積層してなる全身ファントムの場合、導電性ゴム素材の厚さを変化させるだけで、目的周波数に対応することが可能となるが、この製造方法によれば、例えば、外型枠に対する内型枠の大きさを変化させるだけで、導電性ゴム素材の厚さを容易に変化させることができ、導電性ゴム素材の厚さの精度にも優れる。また、内型枠の中に、導電性ゴム素材の代りに高分子発泡材を注入することによって、繊維強化プラスチック成形体の中空部分に、高分子発泡材が充填された中実形状全身ファントムが得られる。
また、上記導電性ゴム素材により外形が人体の全身形状を模した中実形状となるように成形する全身ファントムの別の製造方法としては、硬化前のゴム基材に導電性フィラーを配合した導電性ゴム素材を、対となって人体の外形に対応する形状を形成する繊維強化プラスチックからなる外型枠の内面に沿って塗布、積層又は敷設し、上記外型枠を合わせて、上記導電性ゴム素材により中空部を形成した後、該中空部に高分子発泡材を充填すること、即ち、硬化前のゴム基材に導電性フィラーを配合した硬化前の導電性ゴム素材を、対となって人体の外形に対応する形状を構成する繊維強化プラスチックからなる各外型枠の内面に沿って所期の厚さとなるように塗布したり、一層又は二層以上の導電性ゴム素材層が形成されるように積層したり、又は、例えば、後述する実施例のようにシート状物に形成した硬化前の導電性ゴム素材を各外型枠の内面に沿って貼り付けたりした後、対となった外型枠を合わせて導電性ゴム素材により中空部を形成し、該導電性ゴム素材の中空部に硬化前の高分子発泡材を充填することにより超軽量な全身ファントムを製造することができる。
本発明の全身ファントムによれば、立位、座位、横臥、いろいろな作業形態に応じ、種々の状態の人体全身を模したファントムが得られ、また、そのポーズも種々変更することも可能であり、多様なパターンでの人体に対する電磁波、電波などの影響、人体そのものの存在による電磁波、電波の変化などを精度よく測定したり、観察することが可能となり、測定の際のハンドリングも軽量であり、作業性等の利便性が高い。また、本発明の全身ファントムによれば、人体に対する電磁波、電波などの影響、人体そのものの存在による電磁波、電波の変化に極めて近い測定をよりリアルに行うことができるよう、人体の骨、筋肉、脂肪及び皮膚と各々同様の電気特性を有する繊維強化プラスチック又は導電性ゴム素材を二層以上積層して人体の組織に近い内部を形成するリアルファントムを実現することも可能となり、人体の内部への影響などの観察が可能となる。
本発明の全身ファントムの製造方法によれば、ゴム基材を人体の全身形状のように複雑な形状に容易に成形できるので、導電性ゴム素材を人体の全身外形を模すように成形した全身ファントムを好適に製造することができる。特に、人体の外形に対応する繊維強化プラスチックからなる外型枠と、該外型枠に対応する繊維強化プラスチックからなる内型枠とを使用した本発明の全身ファントムの製造方法によれば、中空形状の繊維強化プラスチック成形体を内蔵する全身ファントム、更に、繊維強化プラスチック成形体の中空部分に、導電性ゴム素材又は高分子発泡材が充填された全身ファントムを好適に製造することができる。そして、この製造方法によれば、例えば、外型枠に対する内型枠の大きさを変化させるだけで、導電性ゴム素材の厚さを容易に変化させることができ、導電性ゴム素材の厚さの精度にも優れるので、目的周波数に対応する全身ファントムを製造することも可能となる。また、上記の人体の外形に対応する繊維強化プラスチックからなる外型枠の内面に硬化前のゴム基材に導電性フィラーを配合した硬化前の導電性ゴム素材を内面に沿って付設し、外型枠を合わせて、中空部を形成したのち、該導電性ゴム素材の中空部に高分子発泡材を充填することにより超軽量な全身ファントムを製造することができる。
図1は、本発明の一構成例を説明する全身ファントムの概略図である。 図2は、携帯電話機で通話している状態の上記全身ファントムの上半身の概略斜視図である。 図3は、携帯電話機でメール機能を利用している状態の上記全身ファントムの上半身の概略斜視図である。 図4は、上記全身ファントムの下半身部の概略縦断面図である。 図5は、本発明の全身ファントムの製造方法の一構成例を説明する製造過程における全身ファントムの概略図である。 図6は、上記全身ファントムの内型枠の概略正面図である。 図7は、種々の状態の形状を模した全身ファントムの下半身部の側面図であって、(a)は座位、(b)は自動車を運転する形状、(c)はバイクに乗る形状を模した下半身側面図である。 図8は、本発明の全身ファントムの素材構成の一構成例を説明する断面図であり、図4のII−II線に沿った横断面部に対応する部分の模式図である。
符号の説明
A 全身ファントム
3、3’ 右腕部(腕部)
4、4’、4” 左腕部(腕部)
4a、4’a 手
4b、4’b 手首部(手と腕との着脱位置)
9 繊維強化プラスチック成形体(内型枠)
10 導電性ゴム素材
10a 筋肉に等価の電気特性を有する導電性ゴム素材
10b 脂肪に等価の電気特性を有する導電性ゴム素材
10c 皮膚に等価の電気特性を有する導電性ゴム素材
11 中空部分
12 外型枠
以下、本発明につき、図面を参照して、更に詳細に説明する。図1は、本発明の全身ファントムの一構成例を説明する全身ファントムAをほぼ正面から見た概略全体図であり、図2は、本発明の一構成例として携帯電話機で通話中のポーズをとった全身ファントムAの上半身の概略斜視図であり、図3は、本発明の一構成例として携帯電話機のメール機能を利用中のポーズをとった全身ファントムAの上半身の概略斜視図である。図4は、全身ファントムAの下半身に対応する部分の概略縦断面図である。全身ファントムAは、頭部1、胸部2、右腕部3、左腕部4、腰部5、右足部6、左足部7を備え、測定時、観察時に立った状態で使用する立位型全身ファントムであり、例えば、測定時の測定用回転ステージ上で転倒するなどの事態を防ぐためのベース8を備えている。
全身ファントムAは、頭部1、胸部2、右腕部3、左腕部4、腰部5、右足部6、左足部7が一体成形されたものであっても良く、また、例えば、頭部1と胸部2とを一体成形して上半身部とし、腰部5と右足部6と左足部7とを一体成形して下半身部とし、下半身、右腕、左腕の少なくともいずれかが異なるポーズとなるように、下半身部、右腕部3、左腕部4の少なくともいずれかを種々のポーズに対応する複数個の形状に成形したものを用意しておき、上半身部と下半身部とを、接合手段、固着手段などによって接合、固着したり、係合手段、嵌合手段などによって着脱可能に取り付け、また、右腕部3、左腕部4をそれぞれ胸部2に接合手段、固着手段などによって接合、固着したり、係合手段、嵌合手段などによって着脱可能に取り付けるようにすることもできる。また、左腕部4において、種々の作業形態に対応する複数個の形状の手の部分を用意しておき、同様に手首部で手のみが左腕部4と着脱可能に取り付けてもよい。なお、接合手段、固着手段、係合手段、嵌合手段としては、特にその種類、構成が制限されるものではなく、後述する全身ファントムAの層構成に合わせて、公知の部材から適宜選択することができ、例えば、接合手段としては、液状シリコーンゴム等が好適であり、固着手段としては、接着剤、着脱可能な止め具等を用いれば更に好適である。着脱可能に取り付ける係合手段としては、例えば、細いパイプ状部分を備えた部材とそのパイプ状部分に挿入可能な棒状部分を備えた部材との組み合わせからなる係合用部材等の手段が挙げられる。なお、いずれの手段の場合も、電磁波への影響が少ない材質からなるものが望ましく、このような材質のものとしては、例えば、繊維強化プラスチック等のプラスチック材料、または、強化プラスチックなどの低誘電材料が挙げられる。また、ベース8は、右足部6、左足部7の足裏に一体成形されたものであっても良く、また、別に成形したものを、上述した手段などにより、固着したり、着脱可能に取り付けてもよい。
全身ファントムAの形状は、人体形状を模したものであれば良く、そのモデルとなるのは、男性であっても女性であっても良く、また、乳幼児、少年、少女、成人、老人、妊婦、標準体型、痩せ型体型、肥満体型などであっても良く、更に、例えば日本人の標準体型、西洋人の標準体型など種々の体型を模した形状とすることができる。また、立位(立身)、座位(椅子に座ったり、床に座ったりした状態)、車を運転している状態、オートバイや自転車などの乗り物の座部に乗っている状態、横臥した状態など、日常生活における種々の状態の形状を模すことができる。例えば、上半身部と下半身部とを着脱可能な構成とし、下半身の形状を、図7の(a)〜(c)に示す全身ファントムAの下半身部のように種々の状態の下半身部を模した形状の下半身部を用意すれば、下半身部を換えるだけで測定目的に合わせた種々のポーズを模した全身ファントムを得ることができる。図7において、(a)の全身ファントムAの下半身部は、座位の形状を模した下半身を示し、(b)の全身ファントムAの下半身部は、自動車を運転している形状を模した下半身を示し、(c)の全身ファントムAの下半身部は、バイクに乗る形状を模した下半身を示している。
更に、図2に示すように、全身ファントムAの胸部2と右腕部3、左腕部4とを着脱可能な構成とし、左腕部4を携帯電話機で通話中の状態を模した形状としたり、図3に示すように、左腕部4’として、携帯電話機のメール機能を利用中の状態を模したものを用意すれば、左腕部4と左腕部4’とを付け替えるだけで、これらのポーズをとった全身ファントムを得ることができる。また更に、左腕部4と左腕部4’において、上述したように手4a、手4’aの部分が手首部4b、手首部4’bで左腕部4、左腕部4’から着脱可能にすることにより、機種の異なる携帯電話機に応じたにぎりの形の手に替えて効率よく、また精度よく試験をすることが可能となる。このように手4a、手4’aの部分を着脱可能とすることにより、特定の携帯電話機を握った手と左腕部及び頭部との位置関係を所望する一定の条件に保つことができ、測定結果の精度や信頼性を向上することができる。例えば、携帯電話のスピーカーが耳の中心にあり、携帯電話機本体が頬骨に相当する顔面に当接または一定間隔を保ち、且つ、肩の線を含む水平面と上腕の中心線とのなす角度を所望する角度、例えば25°〜70°の範囲で一つの角度に、設定し、あるいは、30°、35°、40°、45°というように複数の角度を設定して、種々の機種のデータを採取することが可能である。
全身ファントムAは、ゴム基材に導電性フィラーを配合した導電性ゴム素材を、上述したように、種々のポーズをした人体の全身外形を模すように成形したものであり、より具体的には、図4に示すように人体の全身形状を模した中空形状の繊維強化プラスチック成形体9の表面に、導電性ゴム素材10を積層したものであり、繊維強化プラスチック成形体9の補強材的機能によって、例えば、立位であってもその形状を維持することができる。なお、測定目的、観察目的に合わせ、例えば、全身ファントムの重量(質量)を変えるために繊維強化プラスチック成形体9の中空部分11に導電性ゴム素材を充填することもできる。また、例えば、軽量且つ強度を高めるために繊維強化プラスチック成形体9の中空部分11に後述する超軽量ファントムと同様の高分子発泡材を充填することもできる。
また、繊維強化プラスチック成形体9を用いずに導電性ゴム素材を、人体の全身形状を模した中実形状となるように成形して全身ファントムとすることもでき、このような中実形状の全身ファントムは、例えば、人体の質量や内部の影響を考慮しつつ横臥した状態での測定、観察を目的とするのであれば、好適に使用可能である。更に、人体の全身形状を模した中空形状の導電性ゴム素材の成形体の中空部分の中に高分子発泡材を充填した超軽量の中実形状の全身ファントムとすることもできる。
繊維強化プラスチック成形体の厚さ、これに積層する導電性ゴム素材の厚さは、いずれも特に制限されるものではないが、導電性ゴム素材の厚さによって、目的周波数に対応することが可能となることから、例えば、携帯電話の使用周波数の場合、導電性ゴム素材の厚さを、好ましくは20mm〜40mm、より好ましくは20mm〜30mmとすると好適であり、レーダー等に使用される周波数の場合、導電性ゴム素材の厚さを、好ましくは5mm〜20mm、より好ましくは10mm〜20mmとすると好適である。また、繊維強化プラスチック成形体は、強度と空間利用を考慮すれば、例えば、平均厚さが好ましくは、1mm〜3mm、より好ましくは1mm〜2mmであると、より好適である。
超軽量ファントムを製造するための高分子発泡材としては、ファントムの中空部分を発泡材で充填できるものであれば、特に制限はしないが、例えば、ウレタン系、スチレン系等の発泡材を注入・充填して中実形状の超軽量ファントムとすることができる。注入方法としては、例えば、二液混合タイプの発泡ウレタン材をポンプによりノズルから射出して導電性ゴム素材の中空部に注入する。超軽量ファントムは、従来のゼラチンやセラミックスによるファントムに比べ軽いので極めてハンドリングが良好であり、嵩比重は1以下である。0.95以下が実現でき、好ましくは0.9以下である。用途に応じて更に低比重の超軽量ファントムが可能である。
なお、ベース8は、必要に応じて適宜取り付けられるものであり、その大きさ、形状は、特に制限されるものではなく、全身ファントムのポーズ、大きさなどに合わせて適宜選定することができるが、取り扱い性、全身ファントムの安定性などを考慮すれば、通常、縦、横の長さがそれぞれ400mm〜500mm程度、厚さが10mm〜20mm程度のものが好適である。また、その材質も特に制限されるものではないが、電波測定環境に影響を与えない低誘電素材であることが好ましく、さらに製造し易さなどを考慮すれば、繊維強化プラスチックや木製合板からなることがより好ましい。
本発明の導電性ゴム素材は、ゴム基材と導電性フィラーとの種類、配合割合などによって、所望の電気特性を得ることが可能となるものであり、電気特性として、例えば、所望の複素比誘電率の実数部の値と虚数部の値を有する導電性ゴム素材を得ることも可能となる。ここで、本発明において、ゴム基材としては、その種類が特に制限されるものではなく、例えばクロロプレンゴム、シリコーンゴム、アクリルゴム、エチレン−プロピレン共重合体、ブタジエン−アクリロニトリル共重合体、フッ素ゴム、ウレタン樹脂、弾性エポキシ樹脂、ケイ素樹脂、シリコーン変性樹脂、フッ素樹脂などの種々のゴム基材を好適に用いることができるが、所望の電気特性の制御し易さ(電気特性の安定性、バラツキ)などを考慮すると、これらの中でも特にシリコーンゴム等が、更に好ましい。シリコーンゴムとしては、例えば、メチルビニルシリコーンゴム、ジメチルシリコーンゴム、フェニルシリコーンゴム、フロロシリコーンゴム等を好適に使用することができる。
導電性フィラーとしては、例えば、ケッチェンブラック、炭素繊維、黒鉛、カーボンナノチューブ、カーボンマイクロコイルなどの種々の導電性フィラーを好適に用いることができるが、所望の電気特性の制御し易さ(電気特性の安定性、バラツキ)などを考慮すると、これらの中でも特にケッチェンブラック、カーボンナノチューブなどが、更に好ましい。
本発明の導電性ゴム素材としては、人体の筋肉、脂肪、皮膚などと同様の電気特性を有するものであると、より好適であり、このような電気特性の指標としては、複素比誘電率の実数部の値(ε’)と虚数部の値(ε”)、誘電損失(tanδ=ε”/ε’)が採用されている。本発明の導電性ゴムの比誘電率を制御しようとする場合、例えば、特許文献5に記載した制御方法のように、高分子基材(ゴム基材)に、導電性フィラーである球状カーボン、扁平状カーボン又はアスペクト比が小さいカーボン繊維と、導電性フィラーである導電性カーボンとが混合された系で、例えば導電性カーボンの添加量を増やすと、複素比誘電率の虚数部の値が優先的に増加し、誘電損失の大きい素材が得られ、高分子基材に、球状カーボン、扁平状カーボン又はアスペクト比が小さいカーボン繊維と、導電性カーボンとを混合、添加することで、これら単独では得られない範囲で複素比誘電率の実数部の値、虚数部の値が調整できる。
国際公開第WO2006/064783号パンフレット
このようにして、人体の筋肉、脂肪、皮膚などと同様の電気特性を有する導電性ゴム素材を用いて、人体の内部により等価なリアルファントムが可能となる。ここで、より人体に等価な電気特性を備えたリアルファントムを形成する材料(素材)構成の一構成例を、図8を用いて説明する。図8に示す断面図は、リアルファントムの素材構成を説明するために、図4を借りて示せば図4のII−II線に沿って切断した太ももの部分の横断面を、リアルファントムの太ももの部分の横断面に代え、その横断面を上方から見たときの状態を模式的に示したものである。図8に示すリアルファントムの太ももの部分は、その中心部に中空部11が形成され、中心部側から、骨に等価の電気特性を有する繊維強化プラスチック成形体9、筋肉に等価の電気特性を有する導電性ゴム素材10a、脂肪に等価の電気特性を有する導電性ゴム素材10b、皮膚に等価の電気特性を有する導電性ゴム素材10cが順次積層されたものである。
本発明において、上記ゴム基材に配合する導電性フィラーの配合割合は特に制限されるものではなく、所望の電気特性(誘電率)によって決定することができる。低い誘電率を得たい場合は、導電性フィラーは非常に少ない添加量になり、高い誘電率にしたい場合は、導電性フィラーの添加量が多くなる。但し、ゴム基材の割合が小さすぎると、加工性が損なわれる場合があり、ゴム基材の配合量に対する導電性フィラーの添加量が多すぎると、高誘電率は得られるが、加工性が損なわれる場合があることを考慮すると、上記ゴム基材の割合としては、導電性ゴム素材全重量(以下、「質量」ということもある)に対して好ましくは30質量%(wt.%)以上、より好ましくは30〜97質量%(wt.%)、導電性フィラーの添加量としては、ゴム基材100質量部(parts by weight、以下「pts.wt.」)に対して好ましくは3〜70質量部(pts.wt.)、より好ましくは3〜50質量部(pts.wt.)、更に好ましくは3〜20質量部(pts.wt.)とすると、より好適である。
なお、本発明の導電性ゴム素材には、上記ゴム基材、導電性フィラーの他に、例えば金属(アルミニウム、銀等)、金属酸化物(酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化チタン等)、金属水酸化物(水酸化アルミニウム、水酸化カルシウム等)などを添加することもできる。これらを添加することによって熱伝導性や難燃性が付与され、また、比重を調節することができる。また、本発明の導電性ゴム素材は、原料成分となる上記ゴム基材に、硬化剤と導電性フィラーと必要に応じてその他成分を添加し、ロールやニーダー等を用いて混合した後に、後述する成形方法で成形できる。
人体の筋肉と等価の電気特性を有する導電性ゴム素材としては、例えば下記表1の組成からなるもの等を挙げることができる。この導電性ゴム素材の電気特性としては、例えば成形物(40×40×10(mm))の誘電率をベクトルネットワークアナライザ(アジレントテクノロジー社製 8720ES)と誘電体プローブセット(アジレントテクノロジー社製 85070C)を用いて測定した場合、100MHz〜20GHzにおける成形物の複素比誘電率2GHzでの実数部の値(ε’)、虚数部の値(ε”)、tanδ(ε”/ε’)は下記表1の通りであった。なお、以下の表中において、DY32−152Uは、東レ・ダウコーニング社製のシリコーンゴム、RD−27は、東レ・ダウコーニング社製の白金触媒、RD−7は、東レ・ダウコーニング社製のハイドロジェンシロキサン、CNTは、(株)物産ナノテク研究所社製の多層カーボンナノチューブ、KBは、ライオン(株)社製のECP−600JPであり、以下同様である。また、成形方法は、オープンロールで、カーボン(カーボンナノチューブとケッチェンブラック)と加硫剤(RD−27、RD−7)をシリコーンゴムに添加後、シート状にロールから引き出し、そのゴムシートをFRP樹脂型の内面に貼り付ける様に仕込み、100℃、4時間、常圧で加熱を行い、加硫成形を行った。
Figure 0005312035
人体の脂肪と等価の電気特性を有する導電性ゴム素材としては、例えば下記表2に示す組成のものなどを挙げることができる。この導電性ゴム素材の電気特性としては、例えば成形物(40×40×10(mm))の誘電率をベクトルネットワークアナライザ(アジレントテクノロジー社製 8720ES)と誘電体プローブセット(アジレントテクノロジー社製 85070C)を用いて測定した場合、100MHz〜20GHzにおける成形物の複素比誘電率2GHzでの実数部の値(ε’)、虚数部の値(ε”)、tanδ(ε”/ε’)は下記表2の通りであった。成形方法は、オープンロールで、カーボン(カーボンナノチューブとケッチェンブラック)と加硫剤(RD−27、RD−7)をシリコーンゴムに添加後、シート状にロールから引き出し、そのゴムシートをFRP樹脂型の内面に貼り付ける様に仕込み、100℃、4時間、常圧で加熱を行い、加硫成形を行った。
Figure 0005312035
人体の皮膚と等価の電気特性を有する導電性ゴム素材としては、例えば下記表3に示す組成のものなどを挙げることができる。この導電性ゴム素材の電気特性としては、例えば成形物(40×40×10(mm))の誘電率をベクトルネットワークアナライザ(アジレントテクノロジー社製 8720ES)と誘電体プローブセット(アジレントテクノロジー社製 85070C)を用いて測定した場合、100MHz〜20GHzにおける成形物の複素比誘電率2GHzでの実数部の値(ε’)、虚数部の値(ε”)、tanδ(ε”/ε’)は下記表3の通りであった。成形方法は、オープンロールで、カーボン(カーボンナノチューブとケッチェンブラック)と加硫剤(RD−27、RD−7)をシリコーンゴムに添加後、シート状にロールから引き出し、そのゴムシートをFRP樹脂型の内面に貼り付ける様に仕込み、100℃、4時間、常圧で加熱を行い、加硫成形を行った。
Figure 0005312035
人体の骨と等価の電気特性を有する導電性ゴム素材としては、例えば下記表4に示す組成のものなどを挙げることができる。この導電性ゴム素材としては、例えば成形物(40×40×10(mm))の誘電率をベクトルネットワークアナライザ(アジレントテクノロジー社製 8720ES)と誘電体プローブセット(アジレントテクノロジー社製 85070C)を用いて測定した場合、100MHz〜20GHzにおける成形物の複素比誘電率2GHzでの実数部の値(ε’)、虚数部の値(ε”)、tanδ(ε”/ε’)は下記表1の通りであった。成形方法は、オープンロールで、カーボン(カーボンナノチューブとケッチェンブラック)と加硫剤(RD−27、RD−7)をシリコーンゴムに添加後、シート状にロールから引き出し、そのゴムシートをFRP樹脂型の内面に貼り付ける様に仕込み、100℃、4時間、常圧で加熱を行い、加硫成形を行った。なお、本発明において、人体の筋肉、脂肪、皮膚、骨などと等価の電気特性を有する導電性ゴム素材としては、上記組成例に限定されるものではなく、例えば、人体の筋肉、脂肪、皮膚、骨などと等価の複素比誘電率の実数部の値(ε’)、虚数部の値(ε”)、tanδ(ε”/ε’)を有するような組成のものを種々選定して使用することができるのは、勿論である。
Figure 0005312035
繊維強化プラスチックとしては、その種類が特に制限されるものではなく、例えば繊維としては、ガラス繊維、炭素繊維、アラミド繊維などが挙げられ、プラスチック(樹脂)としては、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂などが挙げられ、より具体的には、例えば不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ビニルエステル樹脂などの熱硬化性樹脂、例えばメチルメタアクリレートなどの熱可塑性樹脂などが挙げられ、これらの中でも強度と製造工程の容易性を考慮すれば、ガラス繊維とエポキシ樹脂の組み合わせなどがより好適である。
繊維強化プラスチックは、その電気特性が特に制限されるものではないが、上述したように、例えば人体の骨と等価の電気特性を有するものであれば、より好適であることを考慮すれば、電気特性としては、例えば成形物(40×40×10(mm))の誘電率をベクトルネットワークアナライザ(アジレントテクノロジー社製 8720ES)と誘電体プローブセット(アジレントテクノロジー社製 85070C)を用いて測定した場合、100MHz〜20GHzにおける成形物の複素比誘電率2GHzでの実数部の値(ε’)、虚数部の値(ε”)、tanδ(ε”/ε’)は下記表5の通りであることが望ましい。成形方法はエポキシ樹脂にケッチェンブラック、カーボンナノチューブを混合し、攪拌脱泡機にて攪拌脱泡後にガラス繊維の上から塗り重ねた後、常温、常圧で自然硬化させて成形を行った。なお、表5において、エポキシ樹脂としては、ジャパンエポキシレジン(株)社製、基本液状タイプ828、ガラス繊維としては、(有)サンライト社(販売)製、ガラスソフトマット#300を用いた。また、本発明において、人体の骨と等価の電気特性を有する繊維強化プラスチックとしては、上記組成例に限定されるものではなく、例えば、人体の骨と等価の複素比誘電率の実数部の値(ε’)、虚数部の値(ε”)、tanδ(ε”/ε’)を有するような組成のものを種々選定して使用することができるのは、勿論である。
Figure 0005312035
次に、全身ファントムAの製造方法を、図5を参照してより詳細に説明する。図5は、本発明の全身ファントムAの製造方法の一構成例を説明するために、製造過程における全身ファントムを、上半身部は成形後の外型枠を外した状態で示し、下半身部は後述するように前後に二分割した人体の下半身形状に対応する一対の外型枠の後ろ側の外型枠12と内型枠9との間の空隙13に導電性ゴム素材を充填する前の、前側の外型枠を外した状態で示した説明図である。なお、図5に示した構成例は、全身ファントムAの右腕部、左腕部が着脱可能なものであり、これらは、それぞれの型枠によって同様に成形し、使用時に上述したような適宜手段で取り付けるものである。
本発明の製造方法において使用する型枠は、上述した繊維強化プラスチックからなるものであり、その製造方法は、特に制限されるものではないが、例えば、石膏などによって目的とする人体形状を模した石膏像などを作製し、その像の表面に必要に応じて離型剤などを塗布し、硬化前の繊維強化プラスチックをその物性、構成に合わせて積層又は貼り付け、その繊維強化プラスチックの常法により硬化させて繊維強化プラスチック製の外型枠12を作製する。ここで、外型枠12は、人体形状を前後に二分割した形状を模した前後一対のものを作製し、使用時にはこれら一対の外型枠を重ね合わせて人体形状とし、導電性ゴム素材が硬化した後は、一対の外型枠を分割して取り外せるようにすると、成形後の離型が容易になるなどの理由から、二分割した人体形状を模した前後一対の外型枠とし、成形時には、これらの外型枠を合わせて人体形状を構成するように、固定用鍔部12aを備え、固定用鍔部12aの適宜箇所に固定部材のための固定部材用孔部12bが開設されている。また、この構成例の場合、外型枠を前後一対で抜き良いように足首の部分を変形するため、外型枠の下半身部はベース8に連結した足首の部分と分かれている。図5において、足首、ベースの部分は、前側の外型枠も合わせた状態で示している。なお、繊維強化プラスチックは、使用する繊維強化プラスチックの常法に従って硬化させることができる。
そして、目的とする導電性ゴム素材の厚さとなるように、例えば、外型枠12の内面に所望の厚さの粘土や粘土状のゴム素材などを載置しておき、必要に応じて離型剤を塗布した後、その上に硬化前の繊維強化プラスチックをその物性、構成に合わせて積層又は貼り付け、その繊維強化プラスチックの常法により硬化させて繊維強化プラスチック製の内型枠(成形体)9を作製する方法などを挙げることができる。ここで、図6は、本発明の全身ファントムの内型枠の一構成例を説明するために内型枠9をほぼ正面から見た概略全体図であり、内型枠9は、全身ファントムの各部位に対応する頭部1’、胸部2’、右腕部3’、左腕部4”、腰部5’、右足部6’、左足部7’、ベース8を備え、頭部1’と胸部2’とを一体成形して上半身部とし、腰部5’と右足部6’と左足部7’とを一体成形して下半身部とし、更に、下半身部の足元の対応する部分にベース8を一体成形し、右腕部3’、左腕部4”をそれぞれ成形したものである。内型枠9は、図6に示すように、例えば、顔面、指先などの細かい部位については、人体表面を模写する必要は、特にないが、必要に応じて、適宜変形してよいのは勿論である。なお、図6では、左腕部4”として、種々のポーズに対応する複数個の形状に成形したものの中で、携帯電話機で通話している状態に対応するように成形したものを示した。内型枠9は、全身ファントムのそれぞれの部位を成形した後、上述したように適宜手段によって、成形後に、各部位を、接合、固着、着脱可能に取り付けることができ、また、全身ファントムの成形時に、例えば上半身と下半身とを接合して使用すれば、全身ファントムの上半身と下半身とを一体成形することもできる。なお、内型枠についても、各部位を適宜分けてそれぞれ別々に作製してもよく、一体成形してもよいのは勿論である。内型枠9の厚さについては、繊維強化プラスチック成形体として上述した通りである。なお、繊維強化プラスチックにより型枠を作製する場合、その成形方法は、特に制限されるものではなく、ハンドレイアップ法、スプレイアップ法など適宜手段を選択することができる。また、外型枠と内型枠とを構成する繊維強化プラスチックは、同じ組成のものであっても異なる組成のものであってもよい。なお、内型枠9は、外型枠と同様に前後に二分割した形状に成形してもよく、また、分割しない形状に成形してもよい。
全身ファントムAの成形は、まず、所望の形状の外型枠12の内面に必要に応じて離型剤を塗布し、目的とする導電性ゴム素材の厚さになるような大きさの内型枠9と外型枠12との間の空隙13に硬化前の導電性ゴム素材を充填する。この場合、例えば、一方の外型枠に積層又は塗布により導電性ゴム素材を充填した後、内型枠を固定し、もう一方の外型枠に積層又は塗布により導電性ゴム素材を充填したものを張り合わせる成形方法とすると好適である。そして、その導電性ゴム素材の常法により硬化させ、内型枠9は導電性ゴム素材の中に残しておくことによって、繊維強化プラスチック成形体9として使用し、外型枠12を外すことによって、繊維強化プラスチック成形体9の表面に導電性ゴム素材が積層された全身ファントムAが得られる。なお、図5に示した成形方法は、別々に成形する上半身と下半身とを上下に合わせた状態で示しているが、上半身と下半身とは、一体成形してもよく、また、別々に成形してもよい。
そして、繊維強化プラスチック成形体9の中空部分に導電性ゴム素材又は高分子発泡材を充填した全身ファントムの場合、内型枠の内部に硬化前の導電性ゴム素材又は高分子発泡材を充填し、その導電性ゴム素材又は高分子発泡材の常法により硬化させることによって、中実の全身ファントムが得られる。また、導電性ゴム素材からなる中実の全身ファントムの場合、外型枠のみを使用し、外型枠の内部に硬化前の導電性ゴム素材を充填し、その導電性ゴム素材の常法により硬化させることによっても全身ファントムが得られる。この場合、充填するゴム素材の比重を調節することにより、適宜の重さの全身ファントムを得ることができ、例えば、人体の重さに近い全身ファントムを得ることもできる。
なお、人体の全身外形を模すように成形してなる導電性ゴム素材の中空部に高分子発泡材を充填することにより超軽量な全身ファントムを製造する方法としては、硬化前のゴム基材に導電性フィラーを配合した導電性ゴム素材を、対となって人体の外形に対応する形状を形成する繊維強化プラスチックからなる外型枠の内面に沿って塗布、積層又は敷設し、上記外型枠を合わせて上記導電性ゴム素材により中空部を形成した後、該中空部に高分子発泡材を充填する製造方法が好適であり、その態様として、人体の外形に対応する繊維強化プラスチックからなる外型枠と、該外型枠に対応する繊維強化プラスチックからなる内型枠との間に、硬化前の導電性ゴム素材を充填し、硬化させた後、内型枠をはずし、その後、外型枠を合わせ、硬化後の導電性ゴム素材により形成された中空部に高分子発泡材を充填することも可能であり、硬化前に内型枠をはずし、外型枠を合わせ、その硬化前の導電性ゴム素材により形成された中空部に高分子発泡材を充填し、しかる後硬化させてもよい。また、内型枠を用いずに、外型枠の内面に沿って一定厚さで硬化前の導電性ゴム素材を付設(塗布、積層又は敷設)し、外型枠をあわせ、硬化前の導電性ゴム素材により形成された中空部に高分子発泡材を充填し、その後硬化させてもよいし、内型枠を用いずに、外型枠の内面に沿って一定厚さで硬化前の導電性ゴム素材を付設(塗布、積層又は敷設)し、外型枠をあわせ、硬化してから、硬化した電性ゴム素材により形成された中空部に高分子発泡材を充填してもよい。このようにして内型枠を内部に残さず、高分子発泡材が充填された全身ファントムを製造することにより、更に超軽量でハンドリングのよい全身ファントムを製造することができる。
全身ファントムAは、各種電波、電磁波などと人体との関係を調べる際に、種々のポーズをとることが可能なファントムモデルとして好適に使用することができ、より具体的には、例えば、繊維強化プラスチック成形体9の表面に積層した導電性ゴム素材10に所望の電気特性を持たせることによって、高周波用ファントムとして使用できる。また、この全身ファントムAの繊維強化プラスチック成形体9の中空部分11にセンサー、測定装置などを配設することによって、人体外部から人体内部に及ぶ電磁波影響を調べることも可能となる。更に、繊維強化プラスチック成形体9の中空部分11に、導電性ゴム素材を更に充填した全身ファントムであれば、同様に種々のポーズをとることが可能な全身ファントムモデルとして使用することが可能となり、特に、繊維強化プラスチックの電気特性を人体の骨と同様にすることによって、低周波用ファントムとしてより有用に使用することができる。また、繊維強化プラスチック成形体9の中空部分11に、高分子発泡材を更に充填した全身ファントムであれば、強度があって軽量なハンドリングのよい全身ファントムモデルとして使用することが可能となる。なお、導電性ゴム素材からなる中実の全身ファントムの場合、横臥型全身ファントムとして好適に利用することができる。また、全身ファントムAは、ポーズ、重量を調節することにより、電磁波測定用途に限らず、商品設計等の人体形状モデルとしても有用に使用できる。人体形状モデルとして使用した場合、形状が固定し、しかも弾性を有するので、繰り返し使用でき、試験の再現性を得ることができる。
なお、本発明は、上記構成に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変更することができる。
以下、実施例を示して本発明を具体的に説明するが、本発明は下記実施例に限定されるものではない。
[全身ファントムの原形形状]
まず、以下に述べる各部位の形状となるように、石膏により型身本(石膏像)を作成した。上半身(頭部+胸部)の形状は、頭部は、日本人男性30歳の平均頭部外周58cmをモデル化し、顔の表情は、日本人と欧米人との中間をイメージしたものとした。胸部は、日本人男性30歳の平均身長と平均体重65kgから計算した胸囲93.5cmをモデル化し、胴囲は、上記モデルから推測し、86cmとした。腕部は、胴部から着脱可能なタイプとし、左腕部として、携帯電話機を通話している状態の通話タイプと携帯電話機でメールをしている状態のメールタイプの2種類を用意した。腕の太さは、身長と体重から推測した。手のひらの大きさは、本発明の発明者の一人を形状モデルとし、手の位置は、折りたたみ式携帯電話機の予測使用位置とし、図2に示すように、通話タイプの場合、携帯電話機を頭部付近に近接させて携帯電話機を持っている状態を想定した形状とし、図3に示すように、メールタイプの場合、胴体中心位置の延長上で(左胸の当たりに近接させて)携帯電話機を持っている状態を想定した形状とした。右腕部は、図2、3に示すように、体の横に自然に下げている状態を想定した1タイプの形状とした。下半身(腰+足)は、尻囲は、上記モデルより計算して93.5cmとし、股下は、日本人男性30歳の平均身長から計算して70.5cmとした。足の大きさは、身長160〜170cmの日本人男性の平均サイズである26cmとした。また、全身ファントムを例えば電波暗室の測定用回転ステージ上に立位で使用しても転倒しないように、全身ファントムの足元に450mm×450mmの正方形の厚さ12mmの繊維強化プラスチック製のベースが一体成形されるようにした。
[外型枠及び内型枠]
次に、上記石膏像から繊維強化プラスチック(エポキシ樹脂はジャパンエポキシレジン(株)社製、基本液状タイプ828、ガラス繊維としては、(有)サンライト社(販売)製、ガラスソフトマット#300を使用した。)により、各部位を縦方向に前後で二分割した形状に対応し、それぞれ対となる各組を合わせることによって、各部位の形状を有する内壁を有するように外型枠を作成した。そして、導電性ゴム素材が3cm厚さとなるように、各部位に対応する内型枠を型枠自体の厚さが2mmとなるように上記繊維強化プラスチックを使用し、上記表5に示した組成、電気特性を有するように図6に示した内型枠9を作成した。なお、成形方法はエポキシ樹脂をガラス繊維の上から塗り重ねた後、常温、常圧で自然硬化させて成形を行った。
[実施例1]
導電性ゴムとしては、下記表6に示す組成を使用した。なお、この組成からなる導電性ゴム素材の電気特性は、成形物(40×40×10(mm))の誘電率をベクトルネットワークアナライザ(アジレントテクノロジー社製 8720ES)と誘電体プローブセット(アジレントテクノロジー社製 85070C)を用いて測定した場合、100MHz〜20GHzにおける成形物の複素比誘電率2GHzでの実数部の値(ε’)、虚数部の値(ε”)、tanδ(ε”/ε’)が下記表6の通りであった。導電性ゴム素材は、上述した組成例と同様にしてシート状にして外型枠の内面に貼り付けるように仕込み、内型枠をセットし、硬化条件は外型枠を電気ヒーターで50℃〜80℃に温めて硬化させた後、内型枠を内部に残し、外型枠を外して全身ファントムを得た。
Figure 0005312035
[実施例2]
前記した前と後の外型枠のそれぞれの内面に前記表3の電気特性を持たせた導電性ゴム素材を厚さ0.5mmのシート状物にして貼り付け、次に前記表2の電気特性を持たせた導電性ゴム素材を厚さ4.5mmのシート状物として貼り付け、次に前記表1の電気特性を持たせた導電性ゴム素材を厚さ25mmのシート状物として貼り付け、次に前記表5の電気特性を有する繊維強化プラスチック内型枠を骨材として用い、内型枠を内部に残して、前の外型枠と後の外型枠とを合わせた。次に外型枠全体を外から電気ヒーターで50℃〜80℃の温度範囲で温めて硬化させた後、外型枠を外して、内側より人体の骨、筋肉、脂肪、皮膚と各々同様の電気特性を有する繊維強化プラスチック材料、導電性ゴム素材の順で積層された、より内部まで人体に近い電気特性を有するリアルファントムを得た。
[実施例3]
前記した前と後の外型枠のそれぞれの内面に前記表1の電気特性を持たせた導電性ゴム素材を厚さ30mmのシート状物にしてその内面に沿って貼り付け、前と後の外型枠を合わせた。内部にできた中空部に発泡ウレタン(シールドエアージャパン社製:商品名「インスタパック」)を注入して内部空間を充満させ、電気ヒーターで50℃〜80℃の温度範囲で温めて硬化させた後、外型枠を外して、嵩比重0.9の超軽量の全身ファントムを得た。
上記実施例1〜3の全身ファントムは、いずれも携帯電話周波数帯での電磁波が人体近傍ではどの様な影響が有るのかを電波暗室にて測定できる他、室内、電車や飛行機、バス、自動車、エレベーターの様な壁や金属で覆われた準密閉空間における人体の影響を測定する事に有効な擬似人体として使用可能な全身ファントムである。
本発明は、通信関係の機器の人体への影響を調べるために利用することが可能であり、具体的には例えば携帯電話機の人体への影響を観察するためなどに利用することが可能である。また、電磁調理器、パーソナルコンピュータ、各種レーダーなどからの電波、電磁波の人体への影響を調べるために利用することも可能である。更に、例えばペースメーカーへの電磁波の影響を調べるなどのために利用することも可能である。更には、人体に対して最適な機器の設計が可能となる。

Claims (8)

  1. 人体の形状を模した中空形状の、繊維強化プラスチック成形体と、該成形体の外側表面にゴム基材に導電性フィラーを配合して所望の電気的特性を持たせた導電性ゴム素材を、目的周波数に対応した5mm〜40mmの厚さで積層した、外型枠により成型された外側形状を有する導電性ゴム表面層とを有することを特徴とする全身ファントム。
  2. 腕に対応する部分が、胴体に対応する部分と着脱可能である請求項1に記載の全身ファントム。
  3. 上半身に対応する部分と下半身に対応する部分とが、着脱可能である請求項1または2に記載の全身ファントム。
  4. 導電性ゴム素材が、人体の筋肉、脂肪又は皮膚と同様の電気特性を有するものである請求項1〜のいずれか一項に記載の全身ファントム。
  5. 繊維強化プラスチックが、人体の骨と同様の電気特性を有するものである請求項1〜のいずれか一項に記載の全身ファントム。
  6. 人体の筋肉、脂肪又は皮膚と同様の電気特性を有する前記導電性ゴム素材から選ばれる少なくとも2種以上の材料を、繊維強化プラスチック成形体の表面に積層してなる請求項1〜のいずれか一項に記載の全身ファントム。
  7. 請求項1〜のいずれか一項に記載の全身ファントムを製造する方法であって、人体の外形に対応する繊維強化プラスチックからなる成形型枠を使用したことを特徴とする全身ファントムの製造方法。
  8. 人体の外形に対応する繊維強化プラスチックからなる外型枠と、該外型枠に対応する繊維強化プラスチックからなる内型枠との間に、硬化前のゴム基材に導電性フィラーを配合した硬化前の導電性ゴム素材を充填し、硬化させた後、内型枠を硬化後の導電性ゴム素材の内側に残しておく請求項記載の全身ファントムの製造方法。
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