JP3799160B2 - 電磁誘導加熱調理器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はホテルやレストランの厨房で使用される業務用の電磁誘導加熱調理器の改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の電磁誘導加熱調理器においてテンバンに取り付けられたセラミックプレートが割れた場合は使用者もすぐに気付くため器体の使用を中止して修理されるため器体に関してトラブルが波及することは少ない。しかしセラミックプレートにクラック等が入った場合、または、セラミックとテンバン間のシール剤が劣化して微量ではあるが液体が器体内に入り続けた場合は、外観上の変化が現れないため使用者が気付かないまま使われることが多い。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
従来の場合上部のセラミック部分からの水侵入に対して接続端子台やコネクタ接続部は防水構造が図られていなかった。従って侵入した水がコネクタ接続部に付着して短絡事故を起こしたりあるいは、接続部が腐食し導通不良となるトラブルが発生した。
【0004】
操作部やセンサーに接続しているコネクタ部に印加されている電圧、電流は微少であり漏電等が発生しても大事故につながる恐れはないが、加熱コイルと接続している接続端子台は、運転時高電圧が印加されており、液体(水)等が付着して外郭部への漏電が発生すると危険である。
【0005】
このような危険を回避する方法として加熱コイルとの接続を制御回路が納めてある箱体の内部で行う(接続端子台を箱体内に取り付ける)方法もあるが、組立性、サービス性が非常に悪くなるため実用性がない等従来のものは問題が多かった。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明は、加熱コイルへ供給する高周波電流の制御を行う制御回路部を収めた箱体と、入力操作を行う操作部を収めた箱体と、前記制御回路部を収めた箱体の側面に設けられた接続端子台およびコネクタ接続部と、前記制御回路部を収めた箱体と前記加熱コイルとの間に設けられ該制御回路部を収めた箱体より外形寸法の大きな非磁性材料の遮蔽体と、を有し、前記加熱コイル、前記操作部、冷却ファンおよびセンサーとが前記接続端子台あるいはコネクタ接続部を介して前記制御回路部と接続された電磁誘導加熱調理器において、略コの字形状からなりその開口部を下に向けて前記コネクタ接続部の上方に設けられた防水カバーを有し、前記コネクタ接続部を前記防水カバーの内側に収めた構造と、前記遮蔽体の端部の一部に設けられた切り欠きあるいは貫通穴の上部を覆い、前記加熱コイル側の端部には切り起こし部が設けられその反対側の端部は低くなるように傾斜が設けられたトンネル状の防水カバーを有して、前記加熱コイル端末の接続部が前記切り欠きあるいは貫通穴を通して前記接続端子台に接続する構造と、を備えたものである。
【0008】
【発明の実施の形態】
加熱コイルや、加熱コイルへ供給する高周波電流の制御等を行う制御回路部、この制御部と接続された各種入力操作を行う操作部等を備え、加熱コイルの上方にセラミックプレートを配したホテルやレストラン等の厨房で使用される電磁誘導加熱調理器において、加熱コイルの上方に備えられているセラミックプレートとこれを支えるテンバンとの接合部から侵入した液体が滴下し、端子台およびコネクタ接続部に付着するのを防止するため、略コの字形状の防水カバーをその開口部を下に向けて前記コネクタ接続部の上方に設けて、制御回路部を納めた箱体の側面に設けられたコネクタ接続部をその防水カバーの内側に収めた構造とする。更に高電圧が印可される加熱コイル接続部である接続端子台の防水構造を確実に行うため次の構造を加えた構造とする。
【0009】
制御回路部を納めた箱体と加熱コイル間に非磁性材料で形成され且つ箱体より外形寸法の大きな遮蔽体を配し、遮蔽体の端部の1部に切り欠きあるいは貫通穴を設け、加熱コイル端末の接続部を通して箱体側面に設けた接続端子台に接続し、前記切り欠きあるいは貫通穴には上部から滴下する液体が接続端子台等へ侵入するのを防止するためトンネル状の防水カバーで覆い且つ前記トンネル状の防水カバーのコイル側は端部を高く且つ端面に切り起こしを設け、反対側端部は低く傾斜を設けた構造とする。
【0010】
このような構造にしたことにより、セラミックプレートとテンバンとの接合部から水が侵入しても、コネクタ接続部等へ水が達することはなくなり、漏電などの危険性を防ぐことができるものである。
【0011】
【実施例】
以下本発明の一実施例を図面により説明する。
【0012】
図面は本発明の一実施例を示すものであり、図1はインバータユニットを内蔵する電磁誘導加熱調理器の外観図であり、図2は側面方向から見た断面図であり、本発明のコネクタ接続部を覆う下方を解放したコの字形防水カバーおよび接続端子台を覆うトンネル形の防水カバーの詳細を示した本発明の概略を示すものである。図3は図2のA方向から見たもの、図4は図2のB方向から見たものを示している。
【0013】
図において、1は電磁誘導加熱器の外郭となるキャビネットであり、この上側にテンバン2を装着している。テンバン2の中央部には角穴が開けられ角穴の周囲は階段状の段押し部3が形成されここにセラミックプレート4が装着されている。セラミックプレート4の外周とテンバン2の段押し部3の溝5にはシール剤6が充填されセラミックプレート4とテンバン2間の接着と防水がなされている。
【0014】
電磁誘導加熱調理では、被加熱物(鍋)と加熱コイル間には、磁力線が通過出来る耐熱材料が求められ、この条件を満たすものとしてセラミックプレート4が用いられている。
【0015】
テンバン2の全てをセラミックプレート4で形成出来れば前述のようなセラミックプレート4外周にシール剤6を用いてシールすることは不要であるが、セラミックプレート4の単価が高いことと、セラミックプレート4は耐衝撃性に弱いため必要最小限の大きさ(加熱コイル径より若干大きいサイズ)のものが用いられる。
【0016】
7はセラミックプレート4の下側に配備された加熱コイルである。8は加熱コイル7へ供給する高周波電流の制御等を行う制御回路部8aを納めた箱体であり、前記加熱コイル7の下側に配してある。
【0017】
9は各種入力操作を行う操作部10を納めた箱体である。操作はキャビネット1正面のパネルシート部11と火力調節ツマミ12の操作によって行う。
【0018】
操作部10と制御回路部8aはケーブル13を通じて制御回路部8aを納めた箱体8の側面に設けられたコネクタ接続部14に接続されている。
【0019】
15は加熱コイル7と箱体8内の制御回路部8aに装備されている発熱部品に送風し冷却するための冷却ファンである。冷却ファン15への給電も冷却ファン15に接続するファンリード線15′を制御回路部8aが納められた箱体8の側面に設けられているコネクタ接続部14に接続されている。コネクタ接続部14はコの字形の開口部を下方に向け箱体8の側面に装着されている防水カバー16によって上方および両側面を覆われており上部から滴下する液体(水)がコネクタ接続部14に付着することを防止している。
【0020】
制御回路部8aを納めた箱体8と加熱コイル7間には非磁性材料で形成され且つ前記箱体8より外形寸法の大きな遮蔽体17を配し、遮蔽体17の端部17′の1部に切り欠き18あるいは貫通穴18′を設け、加熱コイル7端末の接続部7′を通して箱体8側面に設けた接続端子台19に接続している。また前記切り欠き18あるいは貫通穴18′には上部から滴下する液体が接続端子台19等へ侵入するのを防止するためにトンネル状の防水カバー20で覆い且つ前記トンネル状の防水カバー20の加熱コイル7側は端部を高く且つ端面は切り起こし21を設け且つ反対側端部は低く傾斜を設けた構造としている。
【0021】
トンネル状の防水カバー20は遮蔽体17の上側に装着されており、トンネル状の防水カバー20の下側となっている遮蔽体17の端部17′(加熱コイル7と反対側)も下側に傾斜を設けている。これによって、トンネル状の防水カバー20の上方から滴下する液体(水)はトンネル状の防水カバー20から遮蔽体17、遮蔽体17の端部17′へと流れ、箱体8から離れる方向へ流れるため、運転時高電圧が印加されている接続端子台19の充電部に液体が流れ込み付着することはない。また、防水カバー20の上端には切り起こし21が設けられているので加熱コイル7側に水滴等が流れ込むことはない。
【0022】
次に上記構成からなる本発明の作用について説明する。
【0023】
加熱調理を行う場合は、鍋やフライパンに調理物を入れてセラミックプレート4上に置きパネルシート部11を通して操作部10の電源スイッチ、加熱入/切スイッチをONすることにより、箱体8内の制御回路部8aに通電され加熱コイル7に高周波電流が流れこの周りに磁力線が発生してセラミックプレート4上の調理器の下面に渦電流が発生して鍋底から発熱し調理物が加熱される。これと同時に冷却ファン15が運転される。
【0024】
調理時の火力調節は、火力調節ツマミ12によって設定することにより高周波電流の出力が調節され任意の火力が得られるものである。
【0025】
調理を行うことにより調理物から高温の状態の油等が飛び散りシール剤6に付着するとシール剤6は除々に劣化をする。劣化が進行するとシール性能が損なわれるため、水等が除々に浸透する。
【0026】
また、セラミックプレート4は耐衝撃に弱いため調理器の衝撃によりクラックが発生する場合がある。小さなクラックの場合外観上大きな変化がないため気付かず使用されることが多い。この状態で上に水がこぼされたり、調理物からの飛びはねの水がこのクラックから浸透すると箱体8あるいは遮蔽体17上に滴下する。従来のものではこの液体(水)がコネクタ接続部14や接続端子台19の充電部に付着し短絡や通電不良の事故を起こしたが、本発明の構造である、コの字形状に形成した防水カバーやトンネル状の防水カバーを設けたことにより前記した従来の問題を解消した電磁誘導加熱調理器となるものである。
【0027】
【発明の効果】
本発明は、コネクタ接続部および接続端子台に水が付着するのを防止するため、これらの上方をコの字形状に形成した防水カバーやトンネル状の防水カバーで覆い、且つ前記トンネル状の防水カバーのコイル側は端部を高く端面に切り起こしを設け、反対側端部は低く傾斜を設けた構成としたことにより、コネクタ接続部や接続端子台に水等がかかることがなくなり、短絡事故や接続部が腐食し導通不良となる等の不具合点がなくなるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す電磁誘導加熱調理器の外観斜視図である。
【図2】同側面断面図である。
【図3】図2におけるA矢視図である。
【図4】図2におけるB矢視図である。
【符号の説明】
2 テンバン
4 セラミックプレート
7 加熱コイル
8 箱体(制御回路部内蔵)
10 操作部
14 コネクタ接続子
15 冷却ファン
16 防水カバー
17 遮蔽体
19 接続端子台
20 トンネル状の防水カバー
Claims (1)
- 加熱コイルへ供給する高周波電流の制御を行う制御回路部を収めた箱体と、入力操作を行う操作部を収めた箱体と、前記制御回路部を収めた箱体の側面に設けられた接続端子台およびコネクタ接続部と、前記制御回路部を収めた箱体と前記加熱コイルとの間に設けられ該制御回路部を収めた箱体より外形寸法の大きな非磁性材料の遮蔽体と、を有し、前記加熱コイル、前記操作部、冷却ファンおよびセンサーとが前記接続端子台あるいはコネクタ接続部を介して前記制御回路部と接続された電磁誘導加熱調理器において、略コの字形状からなりその開口部を下に向けて前記コネクタ接続部の上方に設けられた防水カバーを有し、前記コネクタ接続部を前記防水カバーの内側に収めた構造と、前記遮蔽体の端部の一部に設けられた切り欠きあるいは貫通穴の上部を覆い、前記加熱コイル側の端部には切り起こし部が設けられその反対側の端部は低くなるように傾斜が設けられたトンネル状の防水カバーを有して、前記加熱コイル端末の接続部が前記切り欠きあるいは貫通穴を通して前記接続端子台に接続する構造と、を備えたことを特徴とする電磁誘導加熱調理器。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP14363098A JP3799160B2 (ja) | 1998-05-26 | 1998-05-26 | 電磁誘導加熱調理器 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH11339944A JPH11339944A (ja) | 1999-12-10 |
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JP14363098A Expired - Fee Related JP3799160B2 (ja) | 1998-05-26 | 1998-05-26 | 電磁誘導加熱調理器 |
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1998
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