JPWO2005109711A1 - Ofdm受信装置及びofdm受信方法 - Google Patents

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Abstract

OFDM受信信号への妨害の影響の度合いを、さまざまな妨害の条件下でも精度良く推定する。OFDM信号を受信し復調するOFDM受信装置であって、受信されたOFDM信号を周波数領域のOFDM信号に変換する高速フーリエ変換部と、前記周波数領域のOFDM信号から、パイロット信号を伝送するキャリアに対する伝送路特性を求める伝送路特性算出部と、前記伝送路特性を補間して、結果を出力する補間部と、前記補間後の伝送路特性の大きさの2乗を、その伝送路特性に対応するキャリアごとにキャリア電力として算出する電力算出部と、前記受信されたOFDM信号に対する妨害の影響度合いを、前記補間後の伝送路特性に対応するキャリアごとに妨害電力として算出する妨害算出部と、前記キャリア電力とこれに対応する前記妨害電力との比を、キャリアごとに算出するキャリア品質算出部とを備える。

Description

本発明は、直交周波数分割多重(OFDM:Orthogonal Frequency Division Multiplexing)方式で変調され、伝送された信号を受信する装置及び方法に関する。
欧州及び日本における地上デジタル放送、並びに無線LAN等の伝送方式には、OFDM方式が用いられている。OFDM方式は、互いに直交する複数のキャリアにデータを割り当てて変復調を行う伝送方式であり、送信側では逆高速フーリエ変換(IFFT:Inverse Fast Fourier Transform)処理を行い、受信側では高速フーリエ変換(FFT:Fast Fourier Transform)処理を行う。各キャリアには任意の変調方式を用いることが可能であり、QPSK(Quaternary Phase Shift Keying)、QAM(Quadrature Amplitude Modulation:直交振幅変調)等の変調方式も選択可能となっている。
ところで、地上デジタル放送等の電波を受信するアンテナの設置を行う場合に、受信装置での受信状態、すなわち受信信号の信号品質値を見ながらアンテナの位置・方向を最適になるように調整する場合がある(下記特許文献1参照)。また、チューナにより選局した受信信号の利得を一定にするAGC(Automatic Gain Control)の制御に、受信信号の信号品質値を用いる場合もある(下記特許文献2参照)。
これらの場合、受信信号の信号品質値を一定の尺度の下に検出する技術が非常に重要となってくる。このような受信信号の信号品質値を検出する技術の例が、特許文献1に開示されている。
すなわち、特許文献1には、マルチパス妨害等の周波数選択性妨害がある場合であっても受信データ全体の受信品質に対応した信号品質値(S/N値)を検出することを目的として、3キャリアごとに挿入されているSP(scattered pilot)信号をS/N値の検出に用いる点が記載されている。また、マルチパス妨害を受けている場合や移動受信時等において、伝送路特性が変動したために生じるビット誤り率の劣化をS/N値に反映させることを目的として、伝送路特性の周波数方向及び時間方向の変動をS/N値の補正に用いる手法が記載されている。更に、受信信号のうちの特定のキャリアが妨害を受けた場合においても、受信データ全体の受信品質に対応したS/N値を検出することを目的として、妨害を受けたキャリアの数に応じてS/N値を補正する手法が記載されている。
また、下記特許文献3には、伝送路特性の周波数的な変化を検出する回路の例が開示されている。
特開2002−158631号公報 特開2001−102947号公報 特開2002−118533号公報
マルチパス妨害、伝送路特性の変動、特定のキャリアに対する妨害等の、各種の妨害によって発生するビット誤り率の劣化を精度良く信号品質値に反映させるためには、各種の妨害の特性に応じて、妨害を検出するための回路が妨害の種類ごとに必要であった。これは、装置の回路規模、開発コスト、及び製造コストの増大要因となっていた。
また、このような各種の妨害を検出して信号品質値に反映させるには、妨害の種類に応じて信号品質値の補正を行う必要がある。すなわち、各妨害に関して適切な補正を行うための調整技術等が必要であり、このことは受信装置の開発効率の低下を招く要因になっていた。
本発明は、OFDM受信信号への妨害の影響の度合いを、さまざまな妨害の条件下でも精度良く推定することを目的とする。
本発明は、所定のシンボル間隔で挿入されるパイロット信号を伝送するキャリアを含む、複数のキャリアから構成されるOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing:直交周波数分割多重)信号を受信し復調するOFDM受信装置であって、受信されたOFDM信号を周波数領域のOFDM信号に変換して出力する高速フーリエ変換部と、前記周波数領域のOFDM信号から、前記パイロット信号を伝送するキャリアに対する伝送路特性を求める伝送路特性算出部と、前記パイロット信号を伝送するキャリアに対する伝送路特性を補間して、得られた結果を出力する補間部と、前記補間部で得られた補間後の伝送路特性の大きさの2乗を、その伝送路特性に対応するキャリアごとにキャリア電力として算出する電力算出部と、前記受信されたOFDM信号に対する妨害の影響度合いを、前記補間後の伝送路特性に対応するキャリアごとに妨害電力として算出する妨害算出部と、前記電力算出部で求められたキャリア電力と、これに対応する、前記妨害算出部で求められた妨害電力との比を、キャリアごとに算出するキャリア品質算出部とを備えるものである。
これによると、受信されたOFDM信号に対する妨害の影響の度合いを、キャリアごとに精度良く求めることができる。
本発明によれば、回路規模の増大や開発効率の低下を避けながら、受信されたOFDM信号への妨害の影響の度合いを、さまざまな妨害の条件下でも精度良く推定することができる。したがって、受信信号の信号品質値を的確に求めること、受信信号に対する利得の制御を適切に行うこと、及び復調・誤り訂正の性能を向上させること等が可能となる。
図1は、本発明の第1の実施形態に係るOFDM受信装置の構成例を示すブロック図である。 図2は、周波数領域のOFDM信号Y(ω)のキャリア配置に関する伝送フォーマットの例を示す図である。 図3(a),(b)は、マルチパス妨害が存在するときについて、受信信号電力及び求められたキャリア電力CP(ω)の周波数特性をそれぞれ示す図である。 図4(a),(b)は、伝送路においてOFDM信号にガウス雑音が重畳した場合について、受信信号電力及び妨害電力IP(ω)の周波数特性をそれぞれ示す図である。 図5(a),(b)は、周波数ωI近傍の特定キャリアに対する妨害が存在する場合について、受信信号電力及び妨害電力IP(ω)の周波数特性をそれぞれ示す図である。 図6(a),(b)は、受信信号に、マルチパス妨害と雑音妨害とが両方同時に存在している場合について、OFDM信号の各キャリアの受信信号電力及びキャリア品質値CSI(ω)をそれぞれ示す図である。 図7(a),(b)は、周波数ωI近傍の特定キャリアに対する周波数選択性妨害が存在する場合について、受信信号電力及びキャリア品質値CSI(ω)をそれぞれ示す図である。 図8は、図1の妨害算出部の変形例の構成を示すブロック図である。 図9は、本発明の第2の実施形態に係るOFDM受信装置の構成例を示すブロック図である。 図10は、図9の雑音電力算出部の変形例の構成を示すブロック図である。 図11は、図9の雑音電力算出部の他の変形例についての構成を示すブロック図である。 図12は、図11の電力算出部374で得られる、伝送路のインパルス応答の電力を示すグラフである。 図13は、図9の雑音電力算出部の更に他の変形例についての構成を示すブロック図である。 図14は、本発明の第3の実施形態に係るOFDM受信装置の構成例を示すブロック図である。 図15(a),(b),(c)は、マルチパス妨害が存在する場合について、キャリア電力CP(ω),LCP(ω)及びクリップされたキャリア電力CLCP(ω)の周波数特性をそれぞれ示す図である。 図16(a),(b),(c)は、アナログ同一チャネル妨害が存在する場合について、妨害電力IP(ω),LIP(ω)及びクリップされた妨害電力CLIP(ω)の周波数特性をそれぞれ示す図である。 図17は、図14のキャリア品質算出部の変形例の構成を示すブロック図である。 図18は、図14の妨害算出部の変形例の構成を示すブロック図である。 図19は、本発明の第3の実施形態の変形例に係るOFDM受信装置の構成を示すブロック図である。 図20は、本発明の第3の実施形態の他の変形例に係るOFDM受信装置の構成を示すブロック図である。
符号の説明
14,214 AGC制御部(利得制御部)
18 FFT部(高速フーリエ変換部)
20 復調部
24 伝送路特性算出部
26 補間部
32,532,632 軟判定部
42 電力算出部
44 平均算出部
50,150,650 妨害算出部
60,560,660 キャリア品質算出部
70,270,370,470 雑音電力算出部
80,380 雑音電力候補算出部
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態に係るOFDM受信装置の構成例を示すブロック図である。図1のOFDM受信装置は、チューナ12と、A/D変換部13と、利得制御部としてのAGC制御部14と、直交検波部16と、FFT部(高速フーリエ変換部)18と、復調部20と、軟判定部32と、誤り訂正部34と、情報源復号部36と、出力部37,38と、電力算出部42と、平均算出部44と、妨害算出部50と、キャリア品質算出部60とを備えている。
図1に示したOFDM受信装置の動作について説明する。アンテナ11は、RF(無線周波数)帯域のOFDM信号を受信してチューナ12に出力する。チューナ12は、AGC制御部14からのAGC制御信号に基づく利得制御を行いながら、アンテナ11からのRF帯域のOFDM信号から、所望のRF帯域のOFDM信号を選択し、選択されたOFDM信号をIF(中間周波数)帯域のOFDM信号に周波数変換し、A/D変換部13に出力する。
A/D変換部13は、アナログ信号であるIF帯域のOFDM信号をサンプリングして、デジタル化されたIF帯域のOFDM信号に変換し、AGC制御部14及び直交検波部16に出力する。AGC制御部14は、入力される信号の振幅が所定のレベルとなるように、入力される信号の平均レベルに基づいてAGC制御信号を生成し、チューナ12に出力する。
直交検波部16は、デジタル化されたIF帯域のOFDM信号をベースバンドのOFDM信号に変換し、FFT部18に出力する。FFT部18は、ベースバンドのOFDM信号に対してフーリエ変換を行う。すなわち、時間領域のOFDM信号を周波数領域のOFDM信号Y(ω)に変換し、復調部20に出力する。ここで、ωは周波数領域のOFDM信号を構成するキャリアのインデックスを示す整数である。このFFT部18の出力は、OFDM信号の各キャリアの位相と振幅を示すものであり、具体的にはi軸成分とq軸成分とを独立に持つ複素信号の形式(ベクトル)で表される。
図2は、周波数領域のOFDM信号Y(ω)のキャリア配置に関する伝送フォーマットの例を示す図である。図2は、日本における地上デジタルテレビジョン放送の規格の一部を例として示している。図2において、白丸Dは映像や音声等の情報を伝送するデータ信号の位置、黒丸Pはパイロット信号の位置をそれぞれ示している。これらのパイロット信号は、SP信号とも呼ばれており、3キャリアごとに1つのキャリアにおいて、4シンボルごとに1シンボルの割合で、等間隔に挿入されている。パイロット信号の振幅・位相及び挿入されている位置は、受信側で既知のものとなっている。
復調部20は、受信したOFDM信号が伝送された伝送路の周波数特性(以下では、伝送路特性と称する)を推定する。すなわち、復調部20は、キャリア全体に対する伝送路特性He(ω)を算出し、推定された伝送路特性He(ω)に基づいて周波数領域のOFDM信号Y(ω)に対する波形等化を行い、復調信号Xe(ω)を求めて軟判定部32に出力する。
また、パイロット信号を伝送するキャリア(以下では、パイロットキャリアと称する)のインデックスをωpとするとき、復調部20は、パイロットキャリアに対する伝送路特性He(ωp)を周波数領域のOFDM信号Y(ω)より算出して妨害算出部50に出力し、更にキャリア全体に対する伝送路特性He(ω)を求めて電力算出部42に出力する。
軟判定部32は、入力される復調信号Xe(ω)に対して各キャリアごとに軟判定を行い、軟判定メトリックデータを算出して誤り訂正部34に出力する。軟判定メトリックデータは、各キャリアによって伝送された“0”又は“1”それぞれのデータの確からしさ、すなわち、“0らしさ”又は“1らしさ”の度合いを表している。
誤り訂正部34は、軟判定メトリックデータに対して、軟判定ビタビ復号とリードソロモン(Reed−Solomon)復号による復号処理を行って伝送路で生じた誤りの訂正を行い、送信されたTS(Transport Stream)を再生し、情報源復号部36に出力する。
情報源復号部36は、再生されたTSから映像や音声、あるいはその他のデータを分離し、映像がMPEGにより圧縮されている場合等には必要に応じて情報の復号処理を行って、送信された映像、音声、その他のデータを求め、受信データRDとして出力部37に出力する。出力部37は、例えば、モニタ及びスピーカを有している。出力部37は、受信データRDに基づいて、映像をモニタに表示し、音声をスピーカから出力する。
電力算出部42は、各キャリアに関して、伝送路特性He(ω)の大きさの2乗を求め、キャリア電力CP(ω)としてキャリア品質算出部60に出力する。
妨害算出部50は、パイロットキャリアに対する伝送路特性He(ωp)を入力とし、受信されたOFDM信号に重畳する、ガウス雑音(以下では、単に「雑音」と称する)妨害や、アナログ放送による同一チャネル妨害のような周波数選択性妨害等、種々の妨害の影響の度合いを、キャリアごとに推定し、算出する。妨害算出部50は、この算出結果を妨害電力IP(ω)としてキャリア品質算出部60に出力する。
キャリア品質算出部60は、キャリア電力CP(ω)と、これに対応する妨害電力IP(ω)との比CP(ω)/IP(ω)を、キャリアごとに算出し、算出結果をキャリア品質値CSI(ω)として平均算出部44に出力する。キャリア品質値CSI(ω)は、OFDM信号の各キャリアの品質値を表すものであり、妨害が雑音のときには各キャリアの搬送波電力対雑音電力比(いわゆるC/N)を表すものとなっている。
平均算出部44は、入力される各キャリアのキャリア品質値CSI(ω)の値を、周波数軸方向(キャリア方向)にわたって、又は、周波数軸方向及び時間軸方向(シンボル方向)の両方にわたって平均し、算出された平均値を、受信信号の品質を示す受信信号品質値SQとして出力部38に出力する。受信信号品質値SQは、妨害の影響の度合いに応じた値となる。出力部38は、モニタを有しており、受信信号品質値SQをこのモニタに表示する。
以上のように構成された図1のOFDM受信装置における主要部について、更に詳細にその動作を説明する。
図1の復調部20は、除算部22と、伝送路特性算出部24と、補間部26とを有している。伝送路特性算出部24は、FFT部18から入力される周波数領域のOFDM信号Y(ω)を入力とし、既知のパイロット信号(SP信号)による除算を行い、各パイロットキャリアに対する伝送路特性He(ωp)を算出し、補間部26に出力する。この伝送路特性He(ωp)は、図2の黒丸Pの位置について、すなわち、3キャリアごとに挿入されているパイロットキャリアにおいて、4シンボルごとに得られる。
補間部26は、伝送路特性算出部24で得られた伝送路特性He(ωp)を入力とし、これを時間軸方向(シンボル方向)及び周波数軸方向(キャリア方向)に内挿補間して、キャリア全体に対する伝送路特性He(ω)を算出し、除算部22及び電力算出部42に出力する。この補間後の伝送路特性He(ω)は、各キャリアについて、図2の白丸D及び黒丸Pの位置について得られる。
なお、伝送路特性He(ωp)を時間軸補間する場合にはメモリを用いることが一般的であり、時間軸補間の際に一次補間(直線補間)を用いると、伝送路特性He(ωp)に対するシンボル方向への長期にわたる積分処理等が不要であるので、移動受信時等、伝送路特性の時間的な変動が比較的大きい場合においても、キャリア全体に対する伝送路特性He(ω)を高い推定精度で得ることができる。
除算部22は、FFT部18から出力された周波数領域のOFDM信号Y(ω)を、補間部26から出力されたキャリア全体に対する伝送路特性He(ω)でキャリアごとに除算して、波形等化(復調)を行い、得られた復調信号Xe(ω)を軟判定部32に出力する。
電力算出部42は、キャリア全体に対する伝送路特性He(ω)を入力とし、複素ベクトルである伝送路特性He(ω)のi軸成分及びq軸成分のそれぞれの2乗の和、すなわち、伝送路特性He(ω)の大きさの2乗を求めて、OFDM信号のキャリア電力CP(ω)としてキャリア品質算出部60に出力する。電力算出部42は、キャリアごとに、伝送路特性He(ω)に対応するキャリア電力CP(ω)を求める。キャリア電力CP(ω)は、シンボルごとに受信信号の電力の周波数特性を表すものとなる。
図3(a),(b)は、マルチパス妨害が存在するときについて、受信信号電力及び求められたキャリア電力CP(ω)の周波数特性をそれぞれ示す図である。一般に、マルチパス妨害等が存在する伝送路の場合、主波と遅延波の位相によっては打ち消し合いが生じるため、両者の電力比に応じて受信信号の電力が大きく減少するキャリアが存在する。このような場合、図3(b)のように、キャリア電力CP(ω)は、受信信号の電力、すなわちOFDM信号のキャリア電力の、周波数に応じた落ち込みの状況を表すものとなる。
いま、あるシンボル(シンボルインデックスをsとする)における、あるパイロットキャリア(キャリアインデックスをωpとする)の送信側におけるパイロット信号をX(ωp,s)とすると、送信されたこの信号は、次式の信号Y(ωp,s)、すなわち、
Y(ωp,s)=H(ωp,s)X(ωp,s)+I(ωp,s)…(1)
として受信される。ここで、H(ωp,s)は、キャリアインデックスωpのパイロットキャリアに作用する伝送路特性であり、I(ωp,s)は、このパイロットキャリアに重畳する雑音等の、OFDM信号に無相関な妨害であり、それぞれ複素信号の形式(ベクトル)で表される。
このとき、キャリアインデックスωpのパイロットキャリアに対する伝送路特性He(ωp,s)は、
He(ωp,s)=Y(ωp,s)/X(ωp,s)
=H(ωp,s)+I’(ωp,s)…(2)
で求められる。ここで、
I’(ωp,s)=I(ωp,s)/X(ωp,s)…(3)
である。
同様に、パイロット信号が挿入される間隔、すなわち、4シンボル経過後のシンボルインデックスs+4におけるパイロットキャリアに対する伝送路特性He(ωp,s+4)は、
He(ωp,s+4)=Y(ωp,s+4)/X(ωp,s+4)
=H(ωp,s+4)+I’(ωp,s+4)…(4)
(I’(ωp,s+4)=I(ωp,s+4)/X(ωp,s+4))
となる。
つづいて、伝送路特性の4シンボル間の差分、すなわちHe(ωp,s)とHe(ωp,s+4)との間の差分としてΔHe(ωp,s)を求めると、
ΔHe(ωp,s)
=He(ωp,s+4)−He(ωp,s)
=H(ωp,s+4)+I’(ωp,s+4)
−{H(ωp,s)+I’(ωp,s)}…(5)
となる。
式(5)において、伝送路特性H(ωp,s+4)とH(ωp,s)との間の時間的な変化が無視できるものとすれば、
ΔHe(ωp,s)
=I’(ωp,s+4)−I’(ωp,s)
={I(ωp,s+4)−I(ωp,s)}/X(ωp,s)…(6)
となる。ここでX(ωp,s)は一定値であるので、差分ベクトルΔHe(ωp,s)として、パイロットキャリアに対する妨害のベクトルの線形和が求められることになる。
このことから、パイロットキャリアの伝送路特性に関する4シンボル間の差分ベクトルΔHe(ωp,s)の大きさは、OFDM信号と無相関な妨害のベクトルの大きさ、すなわち妨害の影響の度合いとの高い相関性を持つことがわかる。また、移動受信時等、伝送路特性の時間的な変化が大きな場合には、式(5)からわかるように、その変化の大きさに応じて差分ベクトルΔHe(ωp,s)が大きくなる。したがって、差分ベクトルΔHe(ωp,s)の大きさから、妨害や伝送路特性の時間的な変化等の影響度合いがキャリアごとに検出できることがわかる。
図1の妨害算出部50について説明する。妨害算出部50は、差分算出部52と、電力算出部54と、補間部56とを有している。差分算出部52は、伝送路特性算出部24で得られたパイロットキャリアに対する伝送路特性He(ωp)を入力とし、同一のパイロットキャリアに関して、最新の伝送路特性と、時間軸上で1周期前(4シンボル前)の伝送路特性との間の差分値ΔHe(ωp)を算出して、電力算出部54に出力する。なお、差分算出部52は、復調部20の補間部26が時間軸方向の補間のために用いるメモリを共用するようにし、このメモリから、4シンボル前のパイロットキャリアに対する伝送路特性を得るようにしてもよい。
電力算出部54は、差分算出部52で得られた複素ベクトルであるΔHe(ωp)のi軸成分及びq軸成分のそれぞれの2乗の和を求めて、パイロットキャリアに対する妨害電力IP(ωp)として補間部56に出力する。この妨害電力IP(ωp)は、図2における黒丸Pの位置について求められる。
補間部56は、妨害電力IP(ωp)を入力とし、これを時間軸方向(シンボル方向)に補間した後、周波数軸方向(キャリア方向)にも補間し、得られる結果を妨害電力IP(ω)として出力する。妨害電力IP(ω)は、OFDM信号に対する妨害の影響の度合いを電力に換算した値であり、補間部26で求められた補間後の伝送路特性He(ω)に対応するキャリアごとに求められる。
なお、妨害電力IP(ωp)を時間軸方向に補間する場合には、各パイロットキャリアごとに妨害電力IP(ωp)を時間軸方向に積分し、積分した値を用いるようにしてもよい。このとき、パイロット信号が挿入されるキャリアの数が帯域全体のキャリア数の1/3であるので、時間軸方向の補間のためには1/3シンボル分のメモリを用いることになる。
なお、妨害電力IP(ωp)を時間軸方向に補間した後に周波数軸方向にも補間する場合は、一次補間によって補間してもよい。
図4(a),(b)は、伝送路においてOFDM信号にガウス雑音が重畳した場合について、受信信号電力及び妨害電力IP(ω)の周波数特性をそれぞれ示す図である。OFDM信号のキャリア1本あたりに重畳する雑音電力の平均電力をNdとする。
上記のように伝送路特性He(ωp)の4シンボル間の差分を求めると、伝送路特性の時間的な変化が無視できる場合には、差分ベクトルΔHe(ωp)として雑音ベクトルの線形和が得られる。この雑音ベクトルの線形和の電力は、伝送路で重畳している雑音電力の約2倍になる。このため、妨害算出部50から得られる、OFDM信号のキャリア1本に対する妨害電力IP(ω)の平均値は、図4(b)に示すように、約2Ndとなる。つまり、妨害電力IP(ω)の値に1/2を乗じる補正を行えば、おおよその雑音電力を適切に検出することもできる。
伝送路において、アナログ信号による同一チャネル妨害等、特定キャリアに影響を与える周波数選択性妨害がOFDM信号に重畳した場合を考える。図5(a),(b)は、周波数ωI近傍の特定キャリアに対する妨害が存在する場合について、受信信号電力及び妨害電力IP(ω)の周波数特性をそれぞれ示す図である。
この場合においても、特定キャリア妨害は、OFDM信号に対して無相関な信号であるので、図4の場合と同様に、その妨害の強さに応じた影響度合いが電力に換算され、図5(b)に示すようにその妨害の周波数位置に関しても適切に検出される。
また、移動受信時等、伝送路特性が時間的に変動する場合には、伝送路特性He(ωp)の4シンボル間の差分を求めると、伝送路特性の時間的な変化量に応じた差分ベクトルΔHe(ωp)が得られる。このため、妨害算出部50から得られる、OFDM信号のキャリア1本に対する妨害電力IP(ω)の値は、伝送路特性の時間的な変動による受信信号への影響度合いを示す。
図1のキャリア品質算出部60は、対数算出部62,64と、差分算出部66とを有している。対数算出部62,64は、キャリア電力CP(ω)及び妨害電力IP(ω)の対数値LCP(ω)及びLIP(ω)をそれぞれ算出し、差分算出部66に出力する。差分算出部66は、対数算出部62の出力LCP(ω)と対数算出部64の出力LIP(ω)との差分値を求め、算出結果をキャリア品質値CSI(ω)として平均算出部44に出力する。このような、対数値の差分を求める演算は、キャリア電力CP(ω)と妨害電力IP(ω)との比を算出することに相当しているが、両者の間で直接除算する場合に比べると、除算器が不要であるので回路規模を小さくすることができる。
なお、キャリア品質値CSI(ω)を算出するにあたっては、対数に変換せずに、キャリア電力CP(ω)を妨害電力IP(ω)で除算した値をキャリア品質値CSI(ω)として求めてもよい。この場合には除算器が必要となる。
ここで、各種妨害環境下でのキャリア品質値CSI(ω)の値の例について説明する。キャリア品質値CSI(ω)は、キャリア電力CP(ω)及び妨害電力IP(ω)のそれぞれの対数値の差から求められるものとする。
図6(a),(b)は、受信信号に、マルチパス妨害と雑音妨害とが両方同時に存在している場合について、OFDM信号の各キャリアの受信信号電力及びキャリア品質値CSI(ω)をそれぞれ示す図である。図6(a)のように、各キャリアには雑音電力が重畳しているので、受信信号電力が小さいキャリアのキャリア品質値CSI(ω)は、図6(b)に示すようにかなり小さくなる。
図7(a),(b)は、周波数ωI近傍の特定キャリアに対する周波数選択性妨害が存在する場合について、受信信号電力及びキャリア品質値CSI(ω)をそれぞれ示す図である。図7(b)に示すように、妨害を受けたキャリアのキャリア品質値CSI(ω)が低下する。
また、移動受信時等のように伝送路特性が時々刻々変化する場合には、これに合わせて、電力算出部42で得られるキャリア電力CP(ω)の値も各シンボルごとに変化するので、各時刻(各シンボル)における、各キャリアごとのキャリア品質値CSI(ω)を受信信号の電力に応じて適切に算出することができる。
なお、キャリア品質算出部60は、キャリア品質値CSI(ω)としてCP(ω)/IP(ω)を求めるものであっても、IP(ω)/CP(ω)を求めるものであっても本質的な違いはない。
また、妨害算出部50の補間部56は、周波数軸方向の補間処理を省略してもよい。この場合には、復調部20の補間部26は、キャリア電力CP(ω)を算出するための伝送路特性を算出する際に、周波数軸方向の補間処理を省略する。
図8は、図1の妨害算出部50の変形例の構成を示すブロック図である。図8の妨害算出部150は、距離検出部154と、硬判定部156と、積分部158とを備えている。図8の妨害算出部150は、図1のOFDM受信装置において、妨害算出部50に代えて用いられる。
硬判定部156は、除算部22から出力された復調信号Xe(ω)の各キャリアについて、i−q平面上での信号点に対して、最も近い送信信号点を判定する硬判定を行い、その判定結果を基準信号点として距離算出部154に出力する。距離算出部154は、除算部22から出力された復調信号Xe(ω)の各キャリアの信号点と、これに対応する硬判定部156から出力された基準信号点との間の、i−q平面上の距離の2乗を差分値として求め、積分部158に出力する。積分部158は、それぞれのキャリアについて時間軸方向に差分値を平均し、得られた値(復調信号Xe(ω)の分散値)を妨害電力IP(ω)として対数算出部64に出力する。
このように、図8の妨害算出部150によっても、伝送路で生じる雑音妨害や、アナログ放送による同一チャネル混信妨害をはじめとする周波数選択性の妨害等、各種妨害の影響の度合いに応じた値をキャリアごとに算出することができる。
なお、妨害算出部での妨害電力の算出方法は、以上で説明した方法には限定されず、キャリアごとに妨害の影響度として妨害電力IP(ω)が算出できるものであればよい。
以上のように、本実施形態に係るOFDM受信装置は、パイロットキャリアから推定した伝送路特性He(ω)に基づいでキャリア電力CP(ω)を算出するので、時々刻々変化する伝送路の状況下においても各キャリアの電力を容易に推定できる。
また、各キャリアの妨害電力IP(ω)及びキャリア電力CP(ω)から、各キャリアの品質をキャリア品質値CSI(ω)として求め、キャリアごとに得られるキャリア品質値CSI(ω)の周波数軸及び時間軸上の平均値を受信信号の受信信号品質値SQとしている。このため、雑音妨害、マルチパス、特定キャリアに対する周波数選択性妨害、移動時に発生する伝送路特性の変動等、さまざまな妨害の条件下においても、その原因別に補正を行うことなく、簡単な回路構成で精度良く受信信号への影響を推定することができ、この影響を反映した受信信号の受信信号品質値SQを検出することができる。
このようにして求められた受信信号品質値SQを用いると、例えばアンテナを設置する際に、その方向や位置を適切に設定することができる。
(第2の実施形態)
OFDM信号を受信、復調する場合に、受信信号に重畳する雑音の量を検出して、チューナの出力信号の利得の制御に利用することがある。本実施形態では、受信信号に重畳する雑音の電力値を検出するようにしたOFDM受信装置について説明する。
図9は、本発明の第2の実施形態に係るOFDM受信装置の構成例を示すブロック図である。このOFDM受信装置は、パイロット信号を伝送するキャリアの伝送路特性に基づいて、雑音電力を検出するものである。図9のOFDM受信装置は、チューナ12と、A/D変換部13と、利得制御部としてのAGC制御部214と、直交検波部16と、FFT部18と、復調部20と、軟判定部32と、誤り訂正部34と、情報源復号部36、雑音電力算出部70とを備えている。図9において、図1と同一の構成要素には同一の参照番号を付し、これらについての詳細な説明は省略する。
AGC制御部214には、A/D変換部13からデジタル化されたIF帯域のOFDM信号が入力されている。AGC制御部214は、入力される信号の振幅が所定のレベルとなるように、入力される信号の平均レベルだけではなく、雑音電力算出部70で求められた雑音電力NPの値にも基づいて、入力される信号の利得を制御するAGC制御信号を生成し、チューナ12に出力する。
雑音電力算出部70は、差分算出部52と、電力算出部54と、平均算出部76とを備えている。差分算出部52及び電力算出部54は、図1を参照して説明したものと同様である。雑音電力算出部70は、SP信号を伝送するパイロットキャリアに対する伝送路特性He(ωp)に基づいて、受信信号に重畳する雑音の電力を検出する。
平均算出部76は、電力算出部54で求められた、パイロットキャリアに対する妨害電力IP(ωp)を、周波数軸方向にわたって、又は、周波数軸方向及び時間軸方向の両方にわたって平均し、得られた結果を受信したOFDM信号に重畳する雑音電力NPとして出力する。パイロットキャリアに対する妨害電力IP(ωp)は、第1の実施形態において説明したように、パイロット信号に重畳する妨害、すなわち雑音の電力を示している。平均算出部76は、雑音電力NPをAGC制御部214に出力する。
ところで、あるチャネルのOFDM信号を受信する際に、隣接する他のチャネルの信号が混入した場合には、所望のチャネルの信号電力が低下する。この場合、OFDM信号の信号電力が雑音電力に対して相対的に低下するため、受信性能が劣化することになる。
一方、チューナ12では、RF帯域の信号をIF帯域の信号に変換する際に、BPF(Band Pass Filter)を用いて不要な帯域の信号を除去するための帯域制限を行っている。
したがって、復調部20への不要な隣接チャネルの信号の混入を防ぐために、RF帯域の信号の利得を小さくした上で信号をBPFに通過させ、IF帯域に変換した後の信号の利得を大きくすることで、OFDM復調部への隣接チャネルの信号の混入を抑圧することが可能となる。
そこで、AGC制御部214は、例えば、雑音電力NPの値が大きいときには、チューナ12におけるRF帯域の信号の利得に比べてIF帯域の信号の利得が大きくなるように、AGC制御信号を出力する。また、雑音電力NPの値が小さいときには、チューナ12におけるRF帯域の信号の利得に比べてIF帯域の信号の利得が小さくなるように、AGC制御信号を出力する。
第1の実施形態において説明したように、受信信号に雑音が重畳している場合、パイロットキャリアに対する伝送路特性He(ωp)の4シンボル間の差分を求めると、伝送路特性の時間的な変化が無視できる場合には、差分ベクトルΔHe(ωp)としては雑音ベクトルの線形和が得られ、その電力は伝送路で重畳している雑音電力の約2倍になる。そこで、電力算出部54の算出結果又は平均算出部76の算出結果の値に1/2を乗じる補正を行えば、雑音妨害のおおよその電力を適切に検出することができる。
このように、雑音電力算出部70によれば、SP信号の4シンボル間の差分の電力を雑音の電力としているので、マルチパス妨害がある場合においても、その影響を受けずに受信信号に重畳した雑音電力を検出することができる。
このような雑音電力の検出手法を用いれば、受信信号に重畳する雑音の電力を指標としてチューナの利得制御を行おうとする場合に、マルチパス妨害の影響を受けることなく、受信開始後、早期に利得制御を行うことが可能となる。
図10は、図9の雑音電力算出部70の変形例の構成を示すブロック図である。図10の雑音電力算出部270は、差分算出部271,272,273と、電力算出部274と、平均算出部276とを備えている。
差分算出部271は、伝送路特性算出部24で得られたパイロットキャリアに対する伝送路特性He(ωp)を入力とし、同一のパイロットキャリアに関して、最新の伝送路特性と、時間軸上で1周期前(4シンボル前)の伝送路特性との差分値ΔHe1(ωp)を算出して、差分算出部273に出力する。
差分算出部272は、伝送路特性算出部24で得られたパイロットキャリアに対する伝送路特性He(ωp)を入力とし、同一のパイロットキャリアに関して、最新の伝送路特性に対して4シンボル前の伝送路特性と、その1周期前、すなわち最新の伝送路特性に対して8シンボル前の伝送路特性との差分値ΔHe2(ωp)を算出して、差分算出部273に出力する。
差分算出部273は、差分値ΔHe1(ωp)と差分値ΔHe2(ωp)とを入力とし、両者の差分値ΔΔHe(ωp)を算出し、電力算出部274に出力する。
電力算出部274は、差分算出部273で得られた差分値ΔΔHe(ωp)を入力とし、複素ベクトルである差分値ΔΔHe(ωp)のi軸成分及びq軸成分のそれぞれの2乗の和を求めて、SP信号が挿入されているパイロットキャリアに対する妨害電力IP(ωp)として平均算出部276に出力する。
平均算出部276は、パイロットキャリアに対する妨害電力IP(ωp)を、周波数軸方向にわたって、又は、周波数軸方向及び時間軸方向の両方にわたって平均し、その結果を、受信したOFDM信号に重畳する雑音電力NPとしてAGC制御部214に出力する。
第1の実施形態で示したように、伝送路特性の4シンボル間の差分、すなわちHe(ωp,s)とHe(ωp,s+4)との差分としてΔHe1(ωp,s)を求めると、
ΔHe1(ωp,s)
=H(ωp,s+4)+I’(ωp,s+4)
−{H(ωp,s)+I’(ωp,s)}…(7)
である。同様に、He(ωp,s+8)とHe(ωp,s+4)との差分としてΔHe2(ωp,s)を求めると、
ΔHe2(ωp,s)
=H(ωp,s+8)+I’(ωp,s+8)
−{H(ωp,s+4)+I’(ωp,s+4)}…(8)
である。
更に、ΔHe1(ωp,s)とΔHe2(ωp,s)との差分ΔΔHe(ωp,s)は、次式、
ΔΔHe(ωp,s)
={(H(ωp,s+8)−H(ωp,s+4))
−(H(ωp,s+4)−H(ωp,s))}
+{(I’(ωp,s+8)−I’(ωp,s+4))
−(I’(ωp,s+4)−I’(ωp,s))}…(9)
のようになる。
式(9)からわかるように、移動受信時などで、伝送路特性が時間的に変化する場合であっても、その変化が一様、すなわち、
H(ωp,s+4)−H(ωp,s)≒H(ωp,s+8)−H(ωp,s+4)
である場合には、ΔΔHe(ωp,s)には、次式、
ΔΔHe(ωp,s)
≒(I’(ωp,s+8)−I’(ωp,s+4))
−(I’(ωp,s+4)−I’(ωp,s))…(10)
のように妨害の項だけが残り、ΔΔHe(ωp,s)の大きさは妨害の大きさと高い相関を持つことがわかる。
以上からわかるように、受信信号に雑音が重畳している場合であって、伝送路特性の時間的な変化が無視できるときには、差分ベクトルΔHe1(ωp,s)と差分ベクトルΔHe2(ωp,s)との差分ベクトルΔΔHe(ωp,s)を求めると、妨害ベクトルの線形和だけが得られる。また、差分ベクトルΔΔHe(ωp,s)の電力は、受信信号に重畳した雑音電力の約4倍になる。そこで、電力算出部274の算出結果又は平均算出部276の算出結果の値に1/4を乗じる補正を行えば、雑音妨害のおおよその電力を適切に極出することができる。
また、図10の雑音電力算出部270によれば、伝送路特性が時間的に変動する場合であっても、その変化が一様と見なせる場合には、雑音電力の検出精度が図9に示した構成に比べて向上する。
なお、平均算出部76又は276が、電力算出部54又は274の出力について、周波数軸方向にわたる平均によって平均値を算出する場合には、受信動作開始後、早期に雑音電力の検出結果を得ることができる。また、平均算出部76又は276が、電力算出部54又は274の出力について、周波数軸方向に加えて時間軸方向にもわたる平均によって平均値を算出する場合には、周波数軸方向のみの場合に比べてより精度の高い雑音電力の検出結果を得ることができる。このため、状況に応じて最適な平均値の算出方法を選択するようにしてもよい。
図11は、図9の雑音電力算出部70の他の変形例についての構成を示すブロック図である。図11の雑音電力算出部370は、IFFT部372と、電力算出部374と、条件付平均算出部376とを備えている。
図11において、IFFT部372は、パイロットキャリアに対する伝送路特性He(ωp)に対して、シンボルごとに逆フーリエ変換(IFFT)を行って、時間領域の信号であるインパルス応答を得て、これを電力算出部374に出力する。なお、このインパルス応答も複素信号である。電力算出部374は、入力されたインパルス応答のi軸成分及びq軸成分のそれぞれの2乗の和をインパルス応答の電力として算出し、条件付平均算出部376に出力する。
図12は、図11の電力算出部374で得られる、伝送路のインパルス応答の電力を示すグラフである。図12のインパルス応答は、伝送路にマルチパス妨害及び雑音妨害が存在する場合を示している。図12のように、伝送路のインパルス応答は、主波及び遅延波を示すピークを有し、主波及び遅延波ともに局所的に電力が集中していることを示しているが、雑音成分は、フロア部分に時間に関わりなくほぼ一定のレベルに分布する。
条件付平均算出部376は、図12に示すような所定の閾値以下の電力値を雑音と見なし、これらを所定のシンボルにわたって平均し、得られた平均値を雑音電力NPとして出力する。この閾値は、固定値としてもよいし、OFDM信号成分の主波を示すピーク値に対して所定の比を有する値としてもよい。ただし、受信するOFDM信号の主波及び遅延波のレベルよりも十分小さな値になるように設定する。
また、IFFTを行う前に、伝送路特性He(ωp)に適切な窓関数を周波数軸上で乗じてもよい。この場合にはOFDM信号成分の波形の立ち上がり・立ち下りが急峻になり、雑音電力の検出精度をより向上させることができる。
このように、図11の雑音電力算出部370は、雑音が重畳した受信信号から求められたパイロットキャリアに対する伝送路特性He(ωp)にIFFTを行い、シンボルごとにインパルス応答を得て、所定の閾値以下の成分に基づいて雑音電力を検出するようにしている。このため、伝送路特性の時間変動の影響を受けにくく、図9の雑音電力算出部70よりも雑音電力の検出精度の向上を図ることができる。
図13は、図9の雑音電力算出部70の更に他の変形例についての構成を示すブロック図である。図13の雑音電力算出部470は、雑音電力候補算出部80,380と、最小値選択部478とを備えている。雑音電力候補算出部80,380は、図9の雑音電力算出部70、及び図11の雑音電力算出部370とそれぞれ同様に構成されている。
雑音電力候補算出部80は、パイロットキャリアに対する伝送路特性He(ωp)の4シンボル間の差分に基づいて、雑音電力N1を求めて最小値選択部478に出力する。雑音電力候補算出部380は、パイロットキャリアに対する伝送路特性He(ωp)のインパルス応答に基づいて、雑音電力N2を求めて最小値選択部478に出力する。最小値選択部478は、雑音電力N1及びN2のうち、小さい方を選択して、雑音電力NPとして出力する。
雑音電力候補算出部80は、伝送路特性の差分の電力に基づいて雑音電力を検出しようとするものであるが、移動受信時等、伝送路特性が時間的に変動する環境下においては、差分の算出結果には、雑音成分以外に伝送路特性の変化分が含まれてしまうことから、算出される雑音電力N1の値が実際の伝送路の雑音電力よりも大きくなってしまう可能性がある。
一方、雑音電力候補算出部380は、伝送路のインパルス応答の電力に基づいて雑音電力を検出しようとするものであるが、主波に比べて電力が小さい遅延波が複数ある場合には、雑音とOFDM信号とを区別する閾値によっては、電力の小さな遅延波成分を雑音と見なしてしまい、算出される雑音電力N2の値が実際の伝送路の雑音電力よりも大きくなってしまう可能性がある。
このように雑音電力候補算出部80及び380のそれぞれが算出する雑音電力N1及びN2の値は、伝送路の条件によっては、実際の雑音電力値よりも大きくなってしまう場合があるが、それぞれの求め方は異なるので、雑音電力N1及びN2のうちの最小値を選択することにより、実際の雑音電力値に対する誤差をなるべく少なくすることができる。このため、図13の雑音電力算出部470によれば、伝送路特性の時間変動の影響を受けにくく、図9の雑音電力算出部70よりも雑音電力の検出精度の向上を図ることができる。
なお、図11の雑音電力算出部370及び図13の雑音電力算出部470において、パイロットキャリアに対する伝送路特性He(ωp)に対してIFFTを行ってシンボルごとにインパルス応答を得る前に、時間軸方向に補間を行ってから(すなわち、周波数軸上で伝送路特性を3キャリアごとに求めておいてから)、IFFTによりシンボルごとにインパルス応答を得るようにしてもよい。この場合、インパルス応答における折り返し歪み(aliasing)の影響を低減することができる。
また、雑音電力算出部370及び470において、パイロットキャリアに対する伝送路特性He(ωp)に対してIFFTを行って、シンボルごとにインパルス応答を得る前に(時間軸方向の補間をする場合は補間後に)、周波数軸上で伝送路特性に適切な窓関数を乗じておいてから、IFFTによりシンボルごとにインパルス応答を得るようにしてもよい。この場合にはOFDM信号成分の波形の立ち上がり・立ち下りが急峻になり、雑音電力の検出精度をより向上させることができる。
(第3の実施形態)
受信したOFDM信号を復調・誤り訂正する場合に、復調した各キャリアの信頼性を推定し、その情報を用いて復調信号の軟判定(デマッピング)を行う場合がある。伝送路においてマルチパス妨害や特定キャリア妨害等の周波数選択性の妨害が発生した場合であっても、これらの妨害を受けたキャリアの位置と妨害の影響の度合いを、これらのキャリアの信頼性として適切に検出し、その情報に基づいて復調信号の軟判定を行うことにより、妨害環境下での誤り訂正の能力が大きく向上する。
本実施形態では、簡単な回路構成で、雑音妨害やマルチパス、特定キャリアに対する周波数選択性妨害、移動時に発生する妨害等、さまざまな妨害の条件下でも、各キャリアに対する信頼性を、以下に示すキャリア品質値として求め、この値を用いて軟判定を行うようにしたOFDM受信装置について説明する。
図14は、本発明の第3の実施形態に係るOFDM受信装置の構成例を示すブロック図である。図14のOFDM受信装置は、図1のOFDM受信装置において、軟判定部32に代えて軟判定部532を備え、平均算出部44を備えないようにしたものである。
このように構成された図14のOFDM受信装置では、受信したOFDM信号よりキャリアごとにキャリア電力CP(ω)を算出し、キャリアごとに妨害の影響度を電力に換算した妨害電力IP(ω)を算出し、これらの対数値の差分によりキャリア品質値CSI(ω)を求めている。例えば、CSI(ω)=LCP(ω)−LIP(ω)である場合には、キャリア品質値CSI(ω)の値が大きいほど妨害の影響が低く、当該キャリアの信頼性は高いと言える。
図14のキャリア品質算出部60は、キャリア電力CP(ω)及び妨害電力IP(ω)の対数値をそれぞれLCP(ω)、LIP(ω)として算出し、両者の差分値を求め、算出結果をキャリア品質値CSI(ω)として軟判定部532に出力する。
ここで、各種の妨害環境下でのキャリア品質算出部60における各信号について説明する。
図15(a),(b)は、マルチパス妨害が存在する場合について、キャリア電力CP(ω),LCP(ω)の周波数特性をそれぞれ示す図である。図15(a)に示すように、周波数ωa、ωb、ωcの近傍でマルチパス妨害による、キャリア電力CP(ω)の落ち込みが存在し、それらの落ち込み度合いはそれぞれ異なるものとする。このとき、図15(b)に示すように、対数値であるキャリア電力LCP(ω)の落ち込み度合いは、最も深く落ち込んだ周波数ωbの近傍では図15(a)に比べるとより明瞭なものとなるのに対し、落ち込みの度合いが少ない周波数ωa、ωcの近傍では図15(a)に比べると不明瞭なものとなる。
すなわち、マルチパス妨害によって各キャリアの電力に度合いの異なる落ち込みが発生した場合、対数値であるキャリア電力LCP(ω)は、キャリア電力CP(ω)に比べて、受信性能劣化の支配的な要因となる、落ち込み度合いの比較的大きなキャリアについて、妨害の影響をより正確に推定できることを示している。
図16(a),(b)は、アナログ同一チャネル妨害が存在する場合について、妨害電力IP(ω),LIP(ω)の周波数特性をそれぞれ示す図である。図16(a)に示すように、周波数ωa、ωb、ωcの近傍でアナログ同一チャネル妨害による、妨害電力IP(ω)のピークが存在するものとする。このとき、図16(b)に示すように、対数値である妨害電力LIP(ω)のピークは、図16(a)では判別しにくかった小さなピークの存在も明暸になり、これらの小さなピークと、図16(a)では大きく示されていた周波数ωa、ωb、ωcの近傍のピークとの間の差が縮まって見えるようになる。
すなわち、アナログ同一チャネル妨害などによって各キャリアの妨害電力に度合いの異なるピークが発生した場合、対数値である妨害電力LIP(ω)は、妨害電力IP(ω)に比べて、妨害電力の比較的ホさなキャリアについても、妨害の影響をより正確に推定できることを示している。
差分算出部66は、キャリア電力LCP(ω)と妨害電力LIP(ω)との間の差分値を求めてキャリア品質値CSI(ω)として出力する。このため、マルチパス妨害が存在する場合には特にその影響の強いキャリアの品質値を、またアナログ同一チャネル妨害等の特定キャリア妨害等が存在する場合にはその影響を受けたキャリアの品質値を、より明瞭に算出することが可能となる。
軟判定部532は、キャリア品質算出部60において得られるキャリア品質値CSI(ω)に基づいて、復調部20から出力された復調信号Xe(ω)に対してキャリアごとに軟判定を行い、軟判定メトリックデータを算出して誤り訂正部34に出力する。
軟判定部532は、例えば、信頼性の非常に高いキャリアに対しては、軟判定メトリックデータとして、最も“0らしい”又は“1らしい”ことを示す値(尤度(likelihood))を算出し、逆に信頼性の非常に低いキャリアに対しては、軟判定メトリックデータとして、“0”と“1”との中間であることを表す値を算出し、それ以外のキャリアに対しては、受信した信号点と理想的な信号点との間の距離と、キャリア品質値CSI(ω)の値とに応じて値を算出する。このように、図14のOFDM受信装置は、周波数選択性妨害を受けたキャリアに対しては、そのメトリックデータに関して“0らしさ”、“1らしさ”の確からしさを低めて、誤り訂正への寄与を減らすので、受信信号全体に対する誤り訂正の効果を高めることができる。
図17は、図14のキャリア品質算出部60の変形例の構成を示すブロック図である。図17のキャリア品質算出部560は、対数算出部62,64と、クリップ部563,565と、差分算出部566とを有している。対数算出部62,64は、キャリア電力CP(ω)及び妨害電力IP(ω)の対数値をそれぞれLCP(ω)、LIP(ω)として算出し、クリップ部563,565にそれぞれ出力する。
クリップ部563は、対数値であるキャリア電力LCP(ω)から所定のクリップ値を減算して、減算の結果が正となる場合は0を出力し、減算の結果が負の場合はその減算結果を出力するクリップを行い、クリップされたキャリア電力CLCP(ω)を差分算出部566に出力する。クリップ部565は、対数値である妨害電力LIP(ω)から所定のクリップ値を減算して、減算の結果が負となる場合は0を出力し、減算の結果が正の場合はその減算結果を出力するクリップを行い、クリップされた妨害電力CLIP(ω)を差分算出部566に出力する。差分算出部566は、クリップ部563の出力とクリップ部565の出力との間の差分値を求め、算出結果をキャリア品質値CSI(ω)として軟判定部532に出力する。
ここで、各種の妨害環境下でのキャリア品質算出部560における各信号について説明する。
図15(c)は、マルチパス妨害が存在する場合について、クリップされたキャリア電力CLCP(ω)の周波数特性を示す図である。クリップ部563は、図15(b)のキャリア電力LCP(ω)に対して、クリップ値をTHCとするクリップを行う。その結果得られるキャリア電力CLCP(ω)は、図15(c)に示すように、最も深く落ち込んだ周波数ωbの近傍の状況を図15(b)に比べてより明暸に示すものとなり、それ以外の部分の落ち込みはほとんど示さないものとなる。
すなわち、マルチパス妨害によってキャリアの電力に度合いの異なる落ち込みが発生した場合、クリップされたキャリア電力CLCP(ω)によると、キャリア電力CP(ω)又はLCP(ω)に比べて、受信性能劣化の支配的要因となる、落ち込み程度の大きなキャリアについて、妨害の影響を更に正確に推定できることを示している。
図16(c)は、アナログ同一チャネル妨害が存在する場合について、クリップされた妨害電力CLIP(ω)の周波数特性を示す図である。クリップ部565は、図16(b)の妨害電力LIP(ω)に対して、クリップ値をTHIとするクリップを行う。その結果得られる妨害電力CLIP(ω)は、図16(c)に示すように、一定レベル以上の大きなレベルを有するピークのみが判別できるようになり、それ以外の部分のピークはほとんど示さないものとなる。
すなわち、アナログ同一チャネル妨害によって妨害電力に度合いの異なるピークが発生した場合、クリップされた妨害電力CLIP(ω)によると、妨害電力CI(ω)又はLCI(ω)に比べて、受信性能にあまり影響を与えることのない、妨害電力の非常に小さなキャリアよりも、受信性能劣化の支配的要因となる、一定レベル以上の比較的大きな妨害電力を示すキャリアについて、妨害の影響をより正確に推定できることを示している。
差分算出部566は、クリップされたキャリア電力CLCP(ω)と妨害電力CLIP(ω)との間の差分値(CLCP(ω)−CLIP(ω))を求めて、キャリア品質値CSI(ω)として出力する。このため、マルチパス妨害が存在する場合には特に妨害の影響の強いキャリアの品質値を、また、アナログ同一チャネル妨害等の特定キャリア妨害等が存在する場合には妨害の影響を受けたキャリアの品質値をより適切に算出することが可能となる。
図18は、図14の妨害算出部50の変形例の構成を示すブロック図である。図18の妨害算出部650は、差分算出部271,272,273と、電力算出部274と、補間部656とを備えている。差分算出部271〜273及び電力算出部274は、図10を参照して説明したものと同様であるので、説明を省略する。補間部656は、電力算出部274で求められた、パイロットキャリアに対する妨害電力IP(ωp)を、時間軸方向及び周波数軸方向に補間して妨害電力IP(ω)を求め、出力する。
妨害算出部650によると、伝送路特性が時間的に変動する場合であっても、その変化が一様と見なせる場合には、妨害電力IP(ω)の検出精度が図14に示した構成に比べて向上する。
図19は、本発明の第3の実施形態の変形例に係るOFDM受信装置の構成を示すブロック図である。図19のOFDM受信装置は、図14のOFDM受信装置において、図1の平均算出部44を更に備えたものである。
図19のOFDM受信装置によると、平均算出部44は、軟判定のために求められたキャリア品質値CSI(ω)を用いるので、受信信号品質値SQを求めるために、妨害算出部50やキャリア品質算出部60を更に備える必要がない。このため、妨害の影響の度合いを考慮して軟判定を行うことに加えて、受信信号品質値SQを求める場合において、回路規模の増大化を防ぐことができる。
図20は、本発明の第3の実施形態の他の変形例に係るOFDM受信装置の構成を示すブロック図である。図20のOFDM受信装置は、図14のOFDM受信装置において、キャリア品質算出部60と軟判定部532とに代えて、キャリア品質算出部660と軟判定部632とをそれぞれ備えるものである。
図20のキャリア品質算出部660は、図17で示したキャリア品質算出部560から、差分算出部565を取り去ったものである。このキャリア品質算出部660は、クリップ部563,565からそれぞれ得られるクリップされたキャリア電力CLCP(ω)及びクリップされた妨害電力CLCP(ω)を、軟判定部632に出力する。
軟判定部632は、クリップされたキャリア電力CLCP(ω)及びクリップされた妨害電力CLCP(ω)の両方、又はいずれか一方に基づいて、復調部20から出力された復調信号Xe(ω)に対してキャリアごとに軟判定を行い、軟判定メトリックデータを算出して誤り訂正部34に出力する。
図20のOFDM受信装置によると、キャリア品質算出部660がキャリア電力CLCP(ω)と妨害電力CLIP(ω)とを別個に出力し、軟判定部632は、キャリア電力CLCP(ω)と妨害電力CLIP(ω)との両方、又はいずれか一方を用いて軟判定を行うようにしている。この場合、軟判定部632において、キャリア電力CLCP(ω)と妨害電力CLIP(ω)とのそれぞれに異なる重み付けをして尤度の計算を行うことができる。より柔軟な軟判定の処理が可能となり、誤り訂正能力を向上させることができる。
以上のように、本実施形態に係るOFDM受信装置は、受信したOFDM信号の各キャリアについて、キャリア電力と妨害の影響度を表す妨害電力とから、キャリアごとに得られる品質値に基づいて、軟判定を行うようにしている。このため、各キャリアへの妨害の影響の度合いを、精度良く推定し、この情報を用いて効果的な軟判定を行うことが可能となり、復調・誤り訂正能力を高くすることができる。
なお、図14のOFDM受信装置において、妨害算出部50に代えて、図8の妨害算出部150を備えるようにしてもよい。
また、図1のOFDM受信装置において、妨害算出部50に代えて、図18の妨害算出部650を備えるようにしてもよい。
以上説明したように、本発明によると、簡単な回路構成で、さまざまな妨害の条件下においても精度良く、受信されたOFDM信号への妨害の影響を反映した受信信号の信号品質値や、雑音電力の値を検出することができる。また、各キャリアの信頼性を適切に算出して、復調・誤り訂正の能力を向上させることができる。このため、本発明は、OFDM受信装置等について有用である。
本発明は、直交周波数分割多重(OFDM:Orthogonal Frequency Division Multiplexing)方式で変調され、伝送された信号を受信する装置及び方法に関する。
欧州及び日本における地上デジタル放送、並びに無線LAN等の伝送方式には、OFDM方式が用いられている。OFDM方式は、互いに直交する複数のキャリアにデータを割り当てて変復調を行う伝送方式であり、送信側では逆高速フーリエ変換(IFFT:Inverse Fast Fourier Transform)処理を行い、受信側では高速フーリエ変換(FFT:Fast Fourier Transform)処理を行う。各キャリアには任意の変調方式を用いることが可能であり、QPSK(Quaternary Phase Shift Keying)、QAM(Quadrature Amplitude Modulation:直交振幅変調)等の変調方式も選択可能となっている。
ところで、地上デジタル放送等の電波を受信するアンテナの設置を行う場合に、受信装置での受信状態、すなわち受信信号の信号品質値を見ながらアンテナの位置・方向を最適になるように調整する場合がある(下記特許文献1参照)。また、チューナにより選局した受信信号の利得を一定にするAGC(Automatic Gain Control)の制御に、受信信号の信号品質値を用いる場合もある(下記特許文献2参照)。
これらの場合、受信信号の信号品質値を一定の尺度の下に検出する技術が非常に重要となってくる。このような受信信号の信号品質値を検出する技術の例が、特許文献1に開示されている。
すなわち、特許文献1には、マルチパス妨害等の周波数選択性妨害がある場合であっても受信データ全体の受信品質に対応した信号品質値(S/N値)を検出することを目的として、3キャリアごとに挿入されているSP(scattered pilot)信号をS/N値の検出に用いる点が記載されている。また、マルチパス妨害を受けている場合や移動受信時等において、伝送路特性が変動したために生じるビット誤り率の劣化をS/N値に反映させることを目的として、伝送路特性の周波数方向及び時間方向の変動をS/N値の補正に用いる手法が記載されている。更に、受信信号のうちの特定のキャリアが妨害を受けた場合においても、受信データ全体の受信品質に対応したS/N値を検出することを目的として、妨害を受けたキャリアの数に応じてS/N値を補正する手法が記載されている。
また、下記特許文献3には、伝送路特性の周波数的な変化を検出する回路の例が開示されている。
特開2002−158631号公報 特開2001−102947号公報 特開2002−118533号公報
マルチパス妨害、伝送路特性の変動、特定のキャリアに対する妨害等の、各種の妨害によって発生するビット誤り率の劣化を精度良く信号品質値に反映させるためには、各種の妨害の特性に応じて、妨害を検出するための回路が妨害の種類ごとに必要であった。これは、装置の回路規模、開発コスト、及び製造コストの増大要因となっていた。
また、このような各種の妨害を検出して信号品質値に反映させるには、妨害の種類に応じて信号品質値の補正を行う必要がある。すなわち、各妨害に関して適切な補正を行うための調整技術等が必要であり、このことは受信装置の開発効率の低下を招く要因になっていた。
本発明は、OFDM受信信号への妨害の影響の度合いを、さまざまな妨害の条件下でも精度良く推定することを目的とする。
本発明は、所定のシンボル間隔で挿入されるパイロット信号を伝送するキャリアを含む、複数のキャリアから構成されるOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing:直交周波数分割多重)信号を受信し復調するOFDM受信装置であって、受信されたOFDM信号を周波数領域のOFDM信号に変換して出力する高速フーリエ変換部と、前記周波数領域のOFDM信号から、前記パイロット信号を伝送するキャリアに対する伝送路特性を求める伝送路特性算出部と、前記パイロット信号を伝送するキャリアに対する伝送路特性を補間して、得られた結果を出力する補間部と、前記補間部で得られた補間後の伝送路特性の大きさの2乗を、その伝送路特性に対応するキャリアごとにキャリア電力として算出する電力算出部と、前記受信されたOFDM信号に対する妨害の影響度合いを、前記補間後の伝送路特性に対応するキャリアごとに妨害電力として算出する妨害算出部と、前記電力算出部で求められたキャリア電力と、これに対応する、前記妨害算出部で求められた妨害電力との比を、キャリアごとに算出するキャリア品質算出部とを備えるものである。
これによると、受信されたOFDM信号に対する妨害の影響の度合いを、キャリアごとに精度良く求めることができる。
本発明によれば、回路規模の増大や開発効率の低下を避けながら、受信されたOFDM信号への妨害の影響の度合いを、さまざまな妨害の条件下でも精度良く推定することができる。したがって、受信信号の信号品質値を的確に求めること、受信信号に対する利得の制御を適切に行うこと、及び復調・誤り訂正の性能を向上させること等が可能となる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態に係るOFDM受信装置の構成例を示すブロック図である。図1のOFDM受信装置は、チューナ12と、A/D変換部13と、利得制御部としてのAGC制御部14と、直交検波部16と、FFT部(高速フーリエ変換部)18と、復調部20と、軟判定部32と、誤り訂正部34と、情報源復号部36と、出力部37,38と、電力算出部42と、平均算出部44と、妨害算出部50と、キャリア品質算出部60とを備えている。
図1に示したOFDM受信装置の動作について説明する。アンテナ11は、RF(無線周波数)帯域のOFDM信号を受信してチューナ12に出力する。チューナ12は、AGC制御部14からのAGC制御信号に基づく利得制御を行いながら、アンテナ11からのRF帯域のOFDM信号から、所望のRF帯域のOFDM信号を選択し、選択されたOFDM信号をIF(中間周波数)帯域のOFDM信号に周波数変換し、A/D変換部13に出力する。
A/D変換部13は、アナログ信号であるIF帯域のOFDM信号をサンプリングして、デジタル化されたIF帯域のOFDM信号に変換し、AGC制御部14及び直交検波部16に出力する。AGC制御部14は、入力される信号の振幅が所定のレベルとなるように、入力される信号の平均レベルに基づいてAGC制御信号を生成し、チューナ12に出力する。
直交検波部16は、デジタル化されたIF帯域のOFDM信号をベースバンドのOFDM信号に変換し、FFT部18に出力する。FFT部18は、ベースバンドのOFDM信号に対してフーリエ変換を行う。すなわち、時間領域のOFDM信号を周波数領域のOFDM信号Y(ω)に変換し、復調部20に出力する。ここで、ωは周波数領域のOFDM信号を構成するキャリアのインデックスを示す整数である。このFFT部18の出力は、OFDM信号の各キャリアの位相と振幅を示すものであり、具体的にはi軸成分とq軸成分とを独立に持つ複素信号の形式(ベクトル)で表される。
図2は、周波数領域のOFDM信号Y(ω)のキャリア配置に関する伝送フォーマットの例を示す図である。図2は、日本における地上デジタルテレビジョン放送の規格の一部を例として示している。図2において、白丸Dは映像や音声等の情報を伝送するデータ信号の位置、黒丸Pはパイロット信号の位置をそれぞれ示している。これらのパイロット信号は、SP信号とも呼ばれており、3キャリアごとに1つのキャリアにおいて、4シンボルごとに1シンボルの割合で、等間隔に挿入されている。パイロット信号の振幅・位相及び挿入されている位置は、受信側で既知のものとなっている。
復調部20は、受信したOFDM信号が伝送された伝送路の周波数特性(以下では、伝送路特性と称する)を推定する。すなわち、復調部20は、キャリア全体に対する伝送路特性He(ω)を算出し、推定された伝送路特性He(ω)に基づいて周波数領域のOFDM信号Y(ω)に対する波形等化を行い、復調信号Xe(ω)を求めて軟判定部32に出力する。
また、パイロット信号を伝送するキャリア(以下では、パイロットキャリアと称する)のインデックスをωpとするとき、復調部20は、パイロットキャリアに対する伝送路特性He(ωp)を周波数領域のOFDM信号Y(ω)より算出して妨害算出部50に出力し、更にキャリア全体に対する伝送路特性He(ω)を求めて電力算出部42に出力する。
軟判定部32は、入力される復調信号Xe(ω)に対して各キャリアごとに軟判定を行い、軟判定メトリックデータを算出して誤り訂正部34に出力する。軟判定メトリックデータは、各キャリアによって伝送された“0”又は“1”それぞれのデータの確からしさ、すなわち、“0らしさ”又は“1らしさ”の度合いを表している。
誤り訂正部34は、軟判定メトリックデータに対して、軟判定ビタビ復号とリードソロモン(Reed-Solomon)復号による復号処理を行って伝送路で生じた誤りの訂正を行い、送信されたTS(Transport Stream)を再生し、情報源復号部36に出力する。
情報源復号部36は、再生されたTSから映像や音声、あるいはその他のデータを分離し、映像がMPEGにより圧縮されている場合等には必要に応じて情報の復号処理を行って、送信された映像、音声、その他のデータを求め、受信データRDとして出力部37に出力する。出力部37は、例えば、モニタ及びスピーカを有している。出力部37は、受信データRDに基づいて、映像をモニタに表示し、音声をスピーカから出力する。
電力算出部42は、各キャリアに関して、伝送路特性He(ω)の大きさの2乗を求め、キャリア電力CP(ω)としてキャリア品質算出部60に出力する。
妨害算出部50は、パイロットキャリアに対する伝送路特性He(ωp)を入力とし、受信されたOFDM信号に重畳する、ガウス雑音(以下では、単に「雑音」と称する)妨害や、アナログ放送による同一チャネル妨害のような周波数選択性妨害等、種々の妨害の影響の度合いを、キャリアごとに推定し、算出する。妨害算出部50は、この算出結果を妨害電力IP(ω)としてキャリア品質算出部60に出力する。
キャリア品質算出部60は、キャリア電力CP(ω)と、これに対応する妨害電力IP(ω)との比CP(ω)/IP(ω)を、キャリアごとに算出し、算出結果をキャリア品質値CSI(ω)として平均算出部44に出力する。キャリア品質値CSI(ω)は、OFDM信号の各キャリアの品質値を表すものであり、妨害が雑音のときには各キャリアの搬送波電力対雑音電力比(いわゆるC/N)を表すものとなっている。
平均算出部44は、入力される各キャリアのキャリア品質値CSI(ω)の値を、周波数軸方向(キャリア方向)にわたって、又は、周波数軸方向及び時間軸方向(シンボル方向)の両方にわたって平均し、算出された平均値を、受信信号の品質を示す受信信号品質値SQとして出力部38に出力する。受信信号品質値SQは、妨害の影響の度合いに応じた値となる。出力部38は、モニタを有しており、受信信号品質値SQをこのモニタに表示する。
以上のように構成された図1のOFDM受信装置における主要部について、更に詳細にその動作を説明する。
図1の復調部20は、除算部22と、伝送路特性算出部24と、補間部26とを有している。伝送路特性算出部24は、FFT部18から入力される周波数領域のOFDM信号Y(ω)を入力とし、既知のパイロット信号(SP信号)による除算を行い、各パイロットキャリアに対する伝送路特性He(ωp)を算出し、補間部26に出力する。この伝送路特性He(ωp)は、図2の黒丸Pの位置について、すなわち、3キャリアごとに挿入されているパイロットキャリアにおいて、4シンボルごとに得られる。
補間部26は、伝送路特性算出部24で得られた伝送路特性He(ωp)を入力とし、これを時間軸方向(シンボル方向)及び周波数軸方向(キャリア方向)に内挿補間して、キャリア全体に対する伝送路特性He(ω)を算出し、除算部22及び電力算出部42に出力する。この補間後の伝送路特性He(ω)は、各キャリアについて、図2の白丸D及び黒丸Pの位置について得られる。
なお、伝送路特性He(ωp)を時間軸補間する場合にはメモリを用いることが一般的であり、時間軸補間の際に一次補間(直線補間)を用いると、伝送路特性He(ωp)に対するシンボル方向への長期にわたる積分処理等が不要であるので、移動受信時等、伝送路特性の時間的な変動が比較的大きい場合においても、キャリア全体に対する伝送路特性He(ω)を高い推定精度で得ることができる。
除算部22は、FFT部18から出力された周波数領域のOFDM信号Y(ω)を、補間部26から出力されたキャリア全体に対する伝送路特性He(ω)でキャリアごとに除算して、波形等化(復調)を行い、得られた復調信号Xe(ω)を軟判定部32に出力する。
電力算出部42は、キャリア全体に対する伝送路特性He(ω)を入力とし、複素ベクトルである伝送路特性He(ω)のi軸成分及びq軸成分のそれぞれの2乗の和、すなわち、伝送路特性He(ω)の大きさの2乗を求めて、OFDM信号のキャリア電力CP(ω)としてキャリア品質算出部60に出力する。電力算出部42は、キャリアごとに、伝送路特性He(ω)に対応するキャリア電力CP(ω)を求める。キャリア電力CP(ω)は、シンボルごとに受信信号の電力の周波数特性を表すものとなる。
図3(a),(b)は、マルチパス妨害が存在するときについて、受信信号電力及び求められたキャリア電力CP(ω)の周波数特性をそれぞれ示す図である。一般に、マルチパス妨害等が存在する伝送路の場合、主波と遅延波の位相によっては打ち消し合いが生じるため、両者の電力比に応じて受信信号の電力が大きく減少するキャリアが存在する。このような場合、図3(b)のように、キャリア電力CP(ω)は、受信信号の電力、すなわちOFDM信号のキャリア電力の、周波数に応じた落ち込みの状況を表すものとなる。
いま、あるシンボル(シンボルインデックスをsとする)における、あるパイロットキャリア(キャリアインデックスをωpとする)の送信側におけるパイロット信号をX(ωp,s)とすると、送信されたこの信号は、次式の信号Y(ωp,s)、すなわち、
Y(ωp,s)=H(ωp,s)X(ωp,s)+I(ωp,s) …(1)
として受信される。ここで、H(ωp,s)は、キャリアインデックスωpのパイロットキャリアに作用する伝送路特性であり、I(ωp,s)は、このパイロットキャリアに重畳する雑音等の、OFDM信号に無相関な妨害であり、それぞれ複素信号の形式(ベクトル)で表される。
このとき、キャリアインデックスωpのパイロットキャリアに対する伝送路特性He(ωp,s)は、
He(ωp,s)=Y(ωp,s)/X(ωp,s)
=H(ωp,s)+I’(ωp,s) …(2)
で求められる。ここで、
I’(ωp,s)=I(ωp,s)/X(ωp,s) …(3)
である。
同様に、パイロット信号が挿入される間隔、すなわち、4シンボル経過後のシンボルインデックスs+4におけるパイロットキャリアに対する伝送路特性He(ωp,s+4)は、
He(ωp,s+4)=Y(ωp,s+4)/X(ωp,s+4)
=H(ωp,s+4)+I’(ωp,s+4) …(4)
(I’(ωp,s+4)=I(ωp,s+4)/X(ωp,s+4))
となる。
つづいて、伝送路特性の4シンボル間の差分、すなわちHe(ωp,s)とHe(ωp,s+4)との間の差分としてΔHe(ωp,s)を求めると、
ΔHe(ωp,s)
=He(ωp,s+4)−He(ωp,s)
=H(ωp,s+4)+I’(ωp,s+4)
−{H(ωp,s)+I’(ωp,s)} …(5)
となる。
式(5)において、伝送路特性H(ωp,s+4)とH(ωp,s)との間の時間的な変化が無視できるものとすれば、
ΔHe(ωp,s)
=I’(ωp,s+4)−I’(ωp,s)
={I(ωp,s+4)−I(ωp,s)}/X(ωp,s) …(6)
となる。ここでX(ωp,s)は一定値であるので、差分ベクトルΔHe(ωp,s)として、パイロットキャリアに対する妨害のベクトルの線形和が求められることになる。
このことから、パイロットキャリアの伝送路特性に関する4シンボル間の差分ベクトルΔHe(ωp,s)の大きさは、OFDM信号と無相関な妨害のベクトルの大きさ、すなわち妨害の影響の度合いとの高い相関性を持つことがわかる。また、移動受信時等、伝送路特性の時間的な変化が大きな場合には、式(5)からわかるように、その変化の大きさに応じて差分ベクトルΔHe(ωp,s)が大きくなる。したがって、差分ベクトルΔHe(ωp,s)の大きさから、妨害や伝送路特性の時間的な変化等の影響度合いがキャリアごとに検出できることがわかる。
図1の妨害算出部50について説明する。妨害算出部50は、差分算出部52と、電力算出部54と、補間部56とを有している。差分算出部52は、伝送路特性算出部24で得られたパイロットキャリアに対する伝送路特性He(ωp)を入力とし、同一のパイロットキャリアに関して、最新の伝送路特性と、時間軸上で1周期前(4シンボル前)の伝送路特性との間の差分値ΔHe(ωp)を算出して、電力算出部54に出力する。なお、差分算出部52は、復調部20の補間部26が時間軸方向の補間のために用いるメモリを共用するようにし、このメモリから、4シンボル前のパイロットキャリアに対する伝送路特性を得るようにしてもよい。
電力算出部54は、差分算出部52で得られた複素ベクトルであるΔHe(ωp)のi軸成分及びq軸成分のそれぞれの2乗の和を求めて、パイロットキャリアに対する妨害電力IP(ωp)として補間部56に出力する。この妨害電力IP(ωp)は、図2における黒丸Pの位置について求められる。
補間部56は、妨害電力IP(ωp)を入力とし、これを時間軸方向(シンボル方向)に補間した後、周波数軸方向(キャリア方向)にも補間し、得られる結果を妨害電力IP(ω)として出力する。妨害電力IP(ω)は、OFDM信号に対する妨害の影響の度合いを電力に換算した値であり、補間部26で求められた補間後の伝送路特性He(ω)に対応するキャリアごとに求められる。
なお、妨害電力IP(ωp)を時間軸方向に補間する場合には、各パイロットキャリアごとに妨害電力IP(ωp)を時間軸方向に積分し、積分した値を用いるようにしてもよい。このとき、パイロット信号が挿入されるキャリアの数が帯域全体のキャリア数の1/3であるので、時間軸方向の補間のためには1/3シンボル分のメモリを用いることになる。
なお、妨害電力IP(ωp)を時間軸方向に補間した後に周波数軸方向にも補間する場合は、一次補間によって補間してもよい。
図4(a),(b)は、伝送路においてOFDM信号にガウス雑音が重畳した場合について、受信信号電力及び妨害電力IP(ω)の周波数特性をそれぞれ示す図である。OFDM信号のキャリア1本あたりに重畳する雑音電力の平均電力をNdとする。
上記のように伝送路特性He(ωp)の4シンボル間の差分を求めると、伝送路特性の時間的な変化が無視できる場合には、差分ベクトルΔHe(ωp)として雑音ベクトルの線形和が得られる。この雑音ベクトルの線形和の電力は、伝送路で重畳している雑音電力の約2倍になる。このため、妨害算出部50から得られる、OFDM信号のキャリア1本に対する妨害電力IP(ω)の平均値は、図4(b)に示すように、約2Ndとなる。つまり、妨害電力IP(ω)の値に1/2を乗じる補正を行えば、おおよその雑音電力を適切に検出することもできる。
伝送路において、アナログ信号による同一チャネル妨害等、特定キャリアに影響を与える周波数選択性妨害がOFDM信号に重畳した場合を考える。図5(a),(b)は、周波数ωI近傍の特定キャリアに対する妨害が存在する場合について、受信信号電力及び妨害電力IP(ω)の周波数特性をそれぞれ示す図である。
この場合においても、特定キャリア妨害は、OFDM信号に対して無相関な信号であるので、図4の場合と同様に、その妨害の強さに応じた影響度合いが電力に換算され、図5(b)に示すようにその妨害の周波数位置に関しても適切に検出される。
また、移動受信時等、伝送路特性が時間的に変動する場合には、伝送路特性He(ωp)の4シンボル間の差分を求めると、伝送路特性の時間的な変化量に応じた差分ベクトルΔHe(ωp)が得られる。このため、妨害算出部50から得られる、OFDM信号のキャリア1本に対する妨害電力IP(ω)の値は、伝送路特性の時間的な変動による受信信号への影響度合いを示す。
図1のキャリア品質算出部60は、対数算出部62,64と、差分算出部66とを有している。対数算出部62,64は、キャリア電力CP(ω)及び妨害電力IP(ω)の対数値LCP(ω)及びLIP(ω)をそれぞれ算出し、差分算出部66に出力する。差分算出部66は、対数算出部62の出力LCP(ω)と対数算出部64の出力LIP(ω)との差分値を求め、算出結果をキャリア品質値CSI(ω)として平均算出部44に出力する。このような、対数値の差分を求める演算は、キャリア電力CP(ω)と妨害電力IP(ω)との比を算出することに相当しているが、両者の間で直接除算する場合に比べると、除算器が不要であるので回路規模を小さくすることができる。
なお、キャリア品質値CSI(ω)を算出するにあたっては、対数に変換せずに、キャリア電力CP(ω)を妨害電力IP(ω)で除算した値をキャリア品質値CSI(ω)として求めてもよい。この場合には除算器が必要となる。
ここで、各種妨害環境下でのキャリア品質値CSI(ω)の値の例について説明する。キャリア品質値CSI(ω)は、キャリア電力CP(ω)及び妨害電力IP(ω)のそれぞれの対数値の差から求められるものとする。
図6(a),(b)は、受信信号に、マルチパス妨害と雑音妨害とが両方同時に存在している場合について、OFDM信号の各キャリアの受信信号電力及びキャリア品質値CSI(ω)をそれぞれ示す図である。図6(a)のように、各キャリアには雑音電力が重畳しているので、受信信号電力が小さいキャリアのキャリア品質値CSI(ω)は、図6(b)に示すようにかなり小さくなる。
図7(a),(b)は、周波数ωI近傍の特定キャリアに対する周波数選択性妨害が存在する場合について、受信信号電力及びキャリア品質値CSI(ω)をそれぞれ示す図である。図7(b)に示すように、妨害を受けたキャリアのキャリア品質値CSI(ω)が低下する。
また、移動受信時等のように伝送路特性が時々刻々変化する場合には、これに合わせて、電力算出部42で得られるキャリア電力CP(ω)の値も各シンボルごとに変化するので、各時刻(各シンボル)における、各キャリアごとのキャリア品質値CSI(ω)を受信信号の電力に応じて適切に算出することができる。
なお、キャリア品質算出部60は、キャリア品質値CSI(ω)としてCP(ω)/IP(ω)を求めるものであっても、IP(ω)/CP(ω)を求めるものであっても本質的な違いはない。
また、妨害算出部50の補間部56は、周波数軸方向の補間処理を省略してもよい。この場合には、復調部20の補間部26は、キャリア電力CP(ω)を算出するための伝送路特性を算出する際に、周波数軸方向の補間処理を省略する。
図8は、図1の妨害算出部50の変形例の構成を示すブロック図である。図8の妨害算出部150は、距離検出部154と、硬判定部156と、積分部158とを備えている。図8の妨害算出部150は、図1のOFDM受信装置において、妨害算出部50に代えて用いられる。
硬判定部156は、除算部22から出力された復調信号Xe(ω)の各キャリアについて、i−q平面上での信号点に対して、最も近い送信信号点を判定する硬判定を行い、その判定結果を基準信号点として距離算出部154に出力する。距離算出部154は、除算部22から出力された復調信号Xe(ω)の各キャリアの信号点と、これに対応する硬判定部156から出力された基準信号点との間の、i−q平面上の距離の2乗を差分値として求め、積分部158に出力する。積分部158は、それぞれのキャリアについて時間軸方向に差分値を平均し、得られた値(復調信号Xe(ω)の分散値)を妨害電力IP(ω)として対数算出部64に出力する。
このように、図8の妨害算出部150によっても、伝送路で生じる雑音妨害や、アナログ放送による同一チャネル混信妨害をはじめとする周波数選択性の妨害等、各種妨害の影響の度合いに応じた値をキャリアごとに算出することができる。
なお、妨害算出部での妨害電力の算出方法は、以上で説明した方法には限定されず、キャリアごとに妨害の影響度として妨害電力IP(ω)が算出できるものであればよい。
以上のように、本実施形態に係るOFDM受信装置は、パイロットキャリアから推定した伝送路特性He(ω)に基づいてキャリア電力CP(ω)を算出するので、時々刻々変化する伝送路の状況下においても各キャリアの電力を容易に推定できる。
また、各キャリアの妨害電力IP(ω)及びキャリア電力CP(ω)から、各キャリアの品質をキャリア品質値CSI(ω)として求め、キャリアごとに得られるキャリア品質値CSI(ω)の周波数軸及び時間軸上の平均値を受信信号の受信信号品質値SQとしている。このため、雑音妨害、マルチパス、特定キャリアに対する周波数選択性妨害、移動時に発生する伝送路特性の変動等、さまざまな妨害の条件下においても、その原因別に補正を行うことなく、簡単な回路構成で精度良く受信信号への影響を推定することができ、この影響を反映した受信信号の受信信号品質値SQを検出することができる。
このようにして求められた受信信号品質値SQを用いると、例えばアンテナを設置する際に、その方向や位置を適切に設定することができる。
(第2の実施形態)
OFDM信号を受信、復調する場合に、受信信号に重畳する雑音の量を検出して、チューナの出力信号の利得の制御に利用することがある。本実施形態では、受信信号に重畳する雑音の電力値を検出するようにしたOFDM受信装置について説明する。
図9は、本発明の第2の実施形態に係るOFDM受信装置の構成例を示すブロック図である。このOFDM受信装置は、パイロット信号を伝送するキャリアの伝送路特性に基づいて、雑音電力を検出するものである。図9のOFDM受信装置は、チューナ12と、A/D変換部13と、利得制御部としてのAGC制御部214と、直交検波部16と、FFT部18と、復調部20と、軟判定部32と、誤り訂正部34と、情報源復号部36、雑音電力算出部70とを備えている。図9において、図1と同一の構成要素には同一の参照番号を付し、これらについての詳細な説明は省略する。
AGC制御部214には、A/D変換部13からデジタル化されたIF帯域のOFDM信号が入力されている。AGC制御部214は、入力される信号の振幅が所定のレベルとなるように、入力される信号の平均レベルだけではなく、雑音電力算出部70で求められた雑音電力NPの値にも基づいて、入力される信号の利得を制御するAGC制御信号を生成し、チューナ12に出力する。
雑音電力算出部70は、差分算出部52と、電力算出部54と、平均算出部76とを備えている。差分算出部52及び電力算出部54は、図1を参照して説明したものと同様である。雑音電力算出部70は、SP信号を伝送するパイロットキャリアに対する伝送路特性He(ωp)に基づいて、受信信号に重畳する雑音の電力を検出する。
平均算出部76は、電力算出部54で求められた、パイロットキャリアに対する妨害電力IP(ωp)を、周波数軸方向にわたって、又は、周波数軸方向及び時間軸方向の両方にわたって平均し、得られた結果を受信したOFDM信号に重畳する雑音電力NPとして出力する。パイロットキャリアに対する妨害電力IP(ωp)は、第1の実施形態において説明したように、パイロット信号に重畳する妨害、すなわち雑音の電力を示している。平均算出部76は、雑音電力NPをAGC制御部214に出力する。
ところで、あるチャネルのOFDM信号を受信する際に、隣接する他のチャネルの信号が混入した場合には、所望のチャネルの信号電力が低下する。この場合、OFDM信号の信号電力が雑音電力に対して相対的に低下するため、受信性能が劣化することになる。
一方、チューナ12では、RF帯域の信号をIF帯域の信号に変換する際に、BPF(Band Pass Filter)を用いて不要な帯域の信号を除去するための帯域制限を行っている。
したがって、復調部20への不要な隣接チャネルの信号の混入を防ぐために、RF帯域の信号の利得を小さくした上で信号をBPFに通過させ、IF帯域に変換した後の信号の利得を大きくすることで、OFDM復調部への隣接チャネルの信号の混入を抑圧することが可能となる。
そこで、AGC制御部214は、例えば、雑音電力NPの値が大きいときには、チューナ12におけるRF帯域の信号の利得に比べてIF帯域の信号の利得が大きくなるように、AGC制御信号を出力する。また、雑音電力NPの値が小さいときには、チューナ12におけるRF帯域の信号の利得に比べてIF帯域の信号の利得が小さくなるように、AGC制御信号を出力する。
第1の実施形態において説明したように、受信信号に雑音が重畳している場合、パイロットキャリアに対する伝送路特性He(ωp)の4シンボル間の差分を求めると、伝送路特性の時間的な変化が無視できる場合には、差分ベクトルΔHe(ωp)としては雑音ベクトルの線形和が得られ、その電力は伝送路で重畳している雑音電力の約2倍になる。そこで、電力算出部54の算出結果又は平均算出部76の算出結果の値に1/2を乗じる補正を行えば、雑音妨害のおおよその電力を適切に検出することができる。
このように、雑音電力算出部70によれば、SP信号の4シンボル間の差分の電力を雑音の電力としているので、マルチパス妨害がある場合においても、その影響を受けずに受信信号に重畳した雑音電力を検出することができる。
このような雑音電力の検出手法を用いれば、受信信号に重畳する雑音の電力を指標としてチューナの利得制御を行おうとする場合に、マルチパス妨害の影響を受けることなく、受信開始後、早期に利得制御を行うことが可能となる。
図10は、図9の雑音電力算出部70の変形例の構成を示すブロック図である。図10の雑音電力算出部270は、差分算出部271,272,273と、電力算出部274と、平均算出部276とを備えている。
差分算出部271は、伝送路特性算出部24で得られたパイロットキャリアに対する伝送路特性He(ωp)を入力とし、同一のパイロットキャリアに関して、最新の伝送路特性と、時間軸上で1周期前(4シンボル前)の伝送路特性との差分値ΔHe1(ωp)を算出して、差分算出部273に出力する。
差分算出部272は、伝送路特性算出部24で得られたパイロットキャリアに対する伝送路特性He(ωp)を入力とし、同一のパイロットキャリアに関して、最新の伝送路特性に対して4シンボル前の伝送路特性と、その1周期前、すなわち最新の伝送路特性に対して8シンボル前の伝送路特性との差分値ΔHe2(ωp)を算出して、差分算出部273に出力する。
差分算出部273は、差分値ΔHe1(ωp)と差分値ΔHe2(ωp)とを入力とし、両者の差分値ΔΔHe(ωp)を算出し、電力算出部274に出力する。
電力算出部274は、差分算出部273で得られた差分値ΔΔHe(ωp)を入力とし、複素ベクトルである差分値ΔΔHe(ωp)のi軸成分及びq軸成分のそれぞれの2乗の和を求めて、SP信号が挿入されているパイロットキャリアに対する妨害電力IP(ωp)として平均算出部276に出力する。
平均算出部276は、パイロットキャリアに対する妨害電力IP(ωp)を、周波数軸方向にわたって、又は、周波数軸方向及び時間軸方向の両方にわたって平均し、その結果を、受信したOFDM信号に重畳する雑音電力NPとしてAGC制御部214に出力する。
第1の実施形態で示したように、伝送路特性の4シンボル間の差分、すなわちHe(ωp,s)とHe(ωp,s+4)との差分としてΔHe1(ωp,s)を求めると、
ΔHe1(ωp,s)
=H(ωp,s+4)+I’(ωp,s+4)
−{H(ωp,s)+I’(ωp,s)} …(7)
である。同様に、He(ωp,s+8)とHe(ωp,s+4)との差分としてΔHe2(ωp,s)を求めると、
ΔHe2(ωp,s)
=H(ωp,s+8)+I’(ωp,s+8)
−{H(ωp,s+4)+I’(ωp,s+4)} …(8)
である。
更に、ΔHe1(ωp,s)とΔHe2(ωp,s)との差分ΔΔHe(ωp,s)は、次式、
ΔΔHe(ωp,s)
={(H(ωp,s+8)−H(ωp,s+4))
−(H(ωp,s+4)−H(ωp,s))}
+{(I’(ωp,s+8)−I’(ωp,s+4))
−(I’(ωp,s+4)−I’(ωp,s))} …(9)
のようになる。
式(9)からわかるように、移動受信時などで、伝送路特性が時間的に変化する場合であっても、その変化が一様、すなわち、
H(ωp,s+4)−H(ωp,s)≒H(ωp,s+8)−H(ωp,s+4)
である場合には、ΔΔHe(ωp,s)には、次式、
ΔΔHe(ωp,s)
≒(I’(ωp,s+8)−I’(ωp,s+4))
−(I’(ωp,s+4)−I’(ωp,s)) …(10)
のように妨害の項だけが残り、ΔΔHe(ωp,s)の大きさは妨害の大きさと高い相関を持つことがわかる。
以上からわかるように、受信信号に雑音が重畳している場合であって、伝送路特性の時間的な変化が無視できるときには、差分ベクトルΔHe1(ωp,s)と差分ベクトルΔHe2(ωp,s)との差分ベクトルΔΔHe(ωp,s)を求めると、妨害ベクトルの線形和だけが得られる。また、差分ベクトルΔΔHe(ωp,s)の電力は、受信信号に重畳した雑音電力の約4倍になる。そこで、電力算出部274の算出結果又は平均算出部276の算出結果の値に1/4を乗じる補正を行えば、雑音妨害のおおよその電力を適切に検出することができる。
また、図10の雑音電力算出部270によれば、伝送路特性が時間的に変動する場合であっても、その変化が一様と見なせる場合には、雑音電力の検出精度が図9に示した構成に比べて向上する。
なお、平均算出部76又は276が、電力算出部54又は274の出力について、周波数軸方向にわたる平均によって平均値を算出する場合には、受信動作開始後、早期に雑音電力の検出結果を得ることができる。また、平均算出部76又は276が、電力算出部54又は274の出力について、周波数軸方向に加えて時間軸方向にもわたる平均によって平均値を算出する場合には、周波数軸方向のみの場合に比べてより精度の高い雑音電力の検出結果を得ることができる。このため、状況に応じて最適な平均値の算出方法を選択するようにしてもよい。
図11は、図9の雑音電力算出部70の他の変形例についての構成を示すブロック図である。図11の雑音電力算出部370は、IFFT部372と、電力算出部374と、条件付平均算出部376とを備えている。
図11において、IFFT部372は、パイロットキャリアに対する伝送路特性He(ωp)に対して、シンボルごとに逆フーリエ変換(IFFT)を行って、時間領域の信号であるインパルス応答を得て、これを電力算出部374に出力する。なお、このインパルス応答も複素信号である。電力算出部374は、入力されたインパルス応答のi軸成分及びq軸成分のそれぞれの2乗の和をインパルス応答の電力として算出し、条件付平均算出部376に出力する。
図12は、図11の電力算出部374で得られる、伝送路のインパルス応答の電力を示すグラフである。図12のインパルス応答は、伝送路にマルチパス妨害及び雑音妨害が存在する場合を示している。図12のように、伝送路のインパルス応答は、主波及び遅延波を示すピークを有し、主波及び遅延波ともに局所的に電力が集中していることを示しているが、雑音成分は、フロア部分に時間に関わりなくほぼ一定のレベルに分布する。
条件付平均算出部376は、図12に示すような所定の閾値以下の電力値を雑音と見なし、これらを所定のシンボルにわたって平均し、得られた平均値を雑音電力NPとして出力する。この閾値は、固定値としてもよいし、OFDM信号成分の主波を示すピーク値に対して所定の比を有する値としてもよい。ただし、受信するOFDM信号の主波及び遅延波のレベルよりも十分小さな値になるように設定する。
また、IFFTを行う前に、伝送路特性He(ωp)に適切な窓関数を周波数軸上で乗じてもよい。この場合にはOFDM信号成分の波形の立ち上がり・立ち下りが急峻になり、雑音電力の検出精度をより向上させることができる。
このように、図11の雑音電力算出部370は、雑音が重畳した受信信号から求められたパイロットキャリアに対する伝送路特性He(ωp)にIFFTを行い、シンボルごとにインパルス応答を得て、所定の閾値以下の成分に基づいて雑音電力を検出するようにしている。このため、伝送路特性の時間変動の影響を受けにくく、図9の雑音電力算出部70よりも雑音電力の検出精度の向上を図ることができる。
図13は、図9の雑音電力算出部70の更に他の変形例についての構成を示すブロック図である。図13の雑音電力算出部470は、雑音電力候補算出部80,380と、最小値選択部478とを備えている。雑音電力候補算出部80,380は、図9の雑音電力算出部70、及び図11の雑音電力算出部370とそれぞれ同様に構成されている。
雑音電力候補算出部80は、パイロットキャリアに対する伝送路特性He(ωp)の4シンボル間の差分に基づいて、雑音電力N1を求めて最小値選択部478に出力する。雑音電力候補算出部380は、パイロットキャリアに対する伝送路特性He(ωp)のインパルス応答に基づいて、雑音電力N2を求めて最小値選択部478に出力する。最小値選択部478は、雑音電力N1及びN2のうち、小さい方を選択して、雑音電力NPとして出力する。
雑音電力候補算出部80は、伝送路特性の差分の電力に基づいて雑音電力を検出しようとするものであるが、移動受信時等、伝送路特性が時間的に変動する環境下においては、差分の算出結果には、雑音成分以外に伝送路特性の変化分が含まれてしまうことから、算出される雑音電力N1の値が実際の伝送路の雑音電力よりも大きくなってしまう可能性がある。
一方、雑音電力候補算出部380は、伝送路のインパルス応答の電力に基づいて雑音電力を検出しようとするものであるが、主波に比べて電力が小さい遅延波が複数ある場合には、雑音とOFDM信号とを区別する閾値によっては、電力の小さな遅延波成分を雑音と見なしてしまい、算出される雑音電力N2の値が実際の伝送路の雑音電力よりも大きくなってしまう可能性がある。
このように雑音電力候補算出部80及び380のそれぞれが算出する雑音電力N1及びN2の値は、伝送路の条件によっては、実際の雑音電力値よりも大きくなってしまう場合があるが、それぞれの求め方は異なるので、雑音電力N1及びN2のうちの最小値を選択することにより、実際の雑音電力値に対する誤差をなるべく少なくすることができる。このため、図13の雑音電力算出部470によれば、伝送路特性の時間変動の影響を受けにくく、図9の雑音電力算出部70よりも雑音電力の検出精度の向上を図ることができる。
なお、図11の雑音電力算出部370及び図13の雑音電力算出部470において、パイロットキャリアに対する伝送路特性He(ωp)に対してIFFTを行ってシンボルごとにインパルス応答を得る前に、時間軸方向に補間を行ってから(すなわち、周波数軸上で伝送路特性を3キャリアごとに求めておいてから)、IFFTによりシンボルごとにインパルス応答を得るようにしてもよい。この場合、インパルス応答における折り返し歪み(aliasing)の影響を低減することができる。
また、雑音電力算出部370及び470において、パイロットキャリアに対する伝送路特性He(ωp)に対してIFFTを行って、シンボルごとにインパルス応答を得る前に(時間軸方向の補間をする場合は補間後に)、周波数軸上で伝送路特性に適切な窓関数を乗じておいてから、IFFTによりシンボルごとにインパルス応答を得るようにしてもよい。この場合にはOFDM信号成分の波形の立ち上がり・立ち下りが急峻になり、雑音電力の検出精度をより向上させることができる。
(第3の実施形態)
受信したOFDM信号を復調・誤り訂正する場合に、復調した各キャリアの信頼性を推定し、その情報を用いて復調信号の軟判定(デマッピング)を行う場合がある。伝送路においてマルチパス妨害や特定キャリア妨害等の周波数選択性の妨害が発生した場合であっても、これらの妨害を受けたキャリアの位置と妨害の影響の度合いを、これらのキャリアの信頼性として適切に検出し、その情報に基づいて復調信号の軟判定を行うことにより、妨害環境下での誤り訂正の能力が大きく向上する。
本実施形態では、簡単な回路構成で、雑音妨害やマルチパス、特定キャリアに対する周波数選択性妨害、移動時に発生する妨害等、さまざまな妨害の条件下でも、各キャリアに対する信頼性を、以下に示すキャリア品質値として求め、この値を用いて軟判定を行うようにしたOFDM受信装置について説明する。
図14は、本発明の第3の実施形態に係るOFDM受信装置の構成例を示すブロック図である。図14のOFDM受信装置は、図1のOFDM受信装置において、軟判定部32に代えて軟判定部532を備え、平均算出部44を備えないようにしたものである。
このように構成された図14のOFDM受信装置では、受信したOFDM信号よりキャリアごとにキャリア電力CP(ω)を算出し、キャリアごとに妨害の影響度を電力に換算した妨害電力IP(ω)を算出し、これらの対数値の差分によりキャリア品質値CSI(ω)を求めている。例えば、CSI(ω)=LCP(ω)−LIP(ω)である場合には、キャリア品質値CSI(ω)の値が大きいほど妨害の影響が低く、当該キャリアの信頼性は高いと言える。
図14のキャリア品質算出部60は、キャリア電力CP(ω)及び妨害電力IP(ω)の対数値をそれぞれLCP(ω)、LIP(ω)として算出し、両者の差分値を求め、算出結果をキャリア品質値CSI(ω)として軟判定部532に出力する。
ここで、各種の妨害環境下でのキャリア品質算出部60における各信号について説明する。
図15(a),(b)は、マルチパス妨害が存在する場合について、キャリア電力CP(ω),LCP(ω)の周波数特性をそれぞれ示す図である。図15(a)に示すように、周波数ωa、ωb、ωcの近傍でマルチパス妨害による、キャリア電力CP(ω)の落ち込みが存在し、それらの落ち込み度合いはそれぞれ異なるものとする。このとき、図15(b)に示すように、対数値であるキャリア電力LCP(ω)の落ち込み度合いは、最も深く落ち込んだ周波数ωbの近傍では図15(a)に比べるとより明瞭なものとなるのに対し、落ち込みの度合いが少ない周波数ωa、ωcの近傍では図15(a)に比べると不明瞭なものとなる。
すなわち、マルチパス妨害によって各キャリアの電力に度合いの異なる落ち込みが発生した場合、対数値であるキャリア電力LCP(ω)は、キャリア電力CP(ω)に比べて、受信性能劣化の支配的な要因となる、落ち込み度合いの比較的大きなキャリアについて、妨害の影響をより正確に推定できることを示している。
図16(a),(b)は、アナログ同一チャネル妨害が存在する場合について、妨害電力IP(ω),LIP(ω)の周波数特性をそれぞれ示す図である。図16(a)に示すように、周波数ωa、ωb、ωcの近傍でアナログ同一チャネル妨害による、妨害電力IP(ω)のピークが存在するものとする。このとき、図16(b)に示すように、対数値である妨害電力LIP(ω)のピークは、図16(a)では判別しにくかった小さなピークの存在も明瞭になり、これらの小さなピークと、図16(a)では大きく示されていた周波数ωa、ωb、ωcの近傍のピークとの間の差が縮まって見えるようになる。
すなわち、アナログ同一チャネル妨害などによって各キャリアの妨害電力に度合いの異なるピークが発生した場合、対数値である妨害電力LIP(ω)は、妨害電力IP(ω)に比べて、妨害電力の比較的小さなキャリアについても、妨害の影響をより正確に推定できることを示している。
差分算出部66は、キャリア電力LCP(ω)と妨害電力LIP(ω)との間の差分値を求めてキャリア品質値CSI(ω)として出力する。このため、マルチパス妨害が存在する場合には特にその影響の強いキャリアの品質値を、またアナログ同一チャネル妨害等の特定キャリア妨害等が存在する場合にはその影響を受けたキャリアの品質値を、より明瞭に算出することが可能となる。
軟判定部532は、キャリア品質算出部60において得られるキャリア品質値CSI(ω)に基づいて、復調部20から出力された復調信号Xe(ω)に対してキャリアごとに軟判定を行い、軟判定メトリックデータを算出して誤り訂正部34に出力する。
軟判定部532は、例えば、信頼性の非常に高いキャリアに対しては、軟判定メトリックデータとして、最も“0らしい”又は“1らしい”ことを示す値(尤度(likelihood))を算出し、逆に信頼性の非常に低いキャリアに対しては、軟判定メトリックデータとして、“0”と“1”との中間であることを表す値を算出し、それ以外のキャリアに対しては、受信した信号点と理想的な信号点との間の距離と、キャリア品質値CSI(ω)の値とに応じて値を算出する。このように、図14のOFDM受信装置は、周波数選択性妨害を受けたキャリアに対しては、そのメトリックデータに関して“0らしさ”、“1らしさ”の確からしさを低めて、誤り訂正への寄与を減らすので、受信信号全体に対する誤り訂正の効果を高めることができる。
図17は、図14のキャリア品質算出部60の変形例の構成を示すブロック図である。図17のキャリア品質算出部560は、対数算出部62,64と、クリップ部563,565と、差分算出部566とを有している。対数算出部62,64は、キャリア電力CP(ω)及び妨害電力IP(ω)の対数値をそれぞれLCP(ω)、LIP(ω)として算出し、クリップ部563,565にそれぞれ出力する。
クリップ部563は、対数値であるキャリア電力LCP(ω)から所定のクリップ値を減算して、減算の結果が正となる場合は0を出力し、減算の結果が負の場合はその減算結果を出力するクリップを行い、クリップされたキャリア電力CLCP(ω)を差分算出部566に出力する。クリップ部565は、対数値である妨害電力LIP(ω)から所定のクリップ値を減算して、減算の結果が負となる場合は0を出力し、減算の結果が正の場合はその減算結果を出力するクリップを行い、クリップされた妨害電力CLIP(ω)を差分算出部566に出力する。差分算出部566は、クリップ部563の出力とクリップ部565の出力との間の差分値を求め、算出結果をキャリア品質値CSI(ω)として軟判定部532に出力する。
ここで、各種の妨害環境下でのキャリア品質算出部560における各信号について説明する。
図15(c)は、マルチパス妨害が存在する場合について、クリップされたキャリア電力CLCP(ω)の周波数特性を示す図である。クリップ部563は、図15(b)のキャリア電力LCP(ω)に対して、クリップ値をTHCとするクリップを行う。その結果得られるキャリア電力CLCP(ω)は、図15(c)に示すように、最も深く落ち込んだ周波数ωbの近傍の状況を図15(b)に比べてより明瞭に示すものとなり、それ以外の部分の落ち込みはほとんど示さないものとなる。
すなわち、マルチパス妨害によってキャリアの電力に度合いの異なる落ち込みが発生した場合、クリップされたキャリア電力CLCP(ω)によると、キャリア電力CP(ω)又はLCP(ω)に比べて、受信性能劣化の支配的要因となる、落ち込み程度の大きなキャリアについて、妨害の影響を更に正確に推定できることを示している。
図16(c)は、アナログ同一チャネル妨害が存在する場合について、クリップされた妨害電力CLIP(ω)の周波数特性を示す図である。クリップ部565は、図16(b)の妨害電力LIP(ω)に対して、クリップ値をTHIとするクリップを行う。その結果得られる妨害電力CLIP(ω)は、図16(c)に示すように、一定レベル以上の大きなレベルを有するピークのみが判別できるようになり、それ以外の部分のピークはほとんど示さないものとなる。
すなわち、アナログ同一チャネル妨害によって妨害電力に度合いの異なるピークが発生した場合、クリップされた妨害電力CLIP(ω)によると、妨害電力CI(ω)又はLCI(ω)に比べて、受信性能にあまり影響を与えることのない、妨害電力の非常に小さなキャリアよりも、受信性能劣化の支配的要因となる、一定レベル以上の比較的大きな妨害電力を示すキャリアについて、妨害の影響をより正確に推定できることを示している。
差分算出部566は、クリップされたキャリア電力CLCP(ω)と妨害電力CLIP(ω)との間の差分値(CLCP(ω)−CLIP(ω))を求めて、キャリア品質値CSI(ω)として出力する。このため、マルチパス妨害が存在する場合には特に妨害の影響の強いキャリアの品質値を、また、アナログ同一チャネル妨害等の特定キャリア妨害等が存在する場合には妨害の影響を受けたキャリアの品質値をより適切に算出することが可能となる。
図18は、図14の妨害算出部50の変形例の構成を示すブロック図である。図18の妨害算出部650は、差分算出部271,272,273と、電力算出部274と、補間部656とを備えている。差分算出部271〜273及び電力算出部274は、図10を参照して説明したものと同様であるので、説明を省略する。補間部656は、電力算出部274で求められた、パイロットキャリアに対する妨害電力IP(ωp)を、時間軸方向及び周波数軸方向に補間して妨害電力IP(ω)を求め、出力する。
妨害算出部650によると、伝送路特性が時間的に変動する場合であっても、その変化が一様と見なせる場合には、妨害電力IP(ω)の検出精度が図14に示した構成に比べて向上する。
図19は、本発明の第3の実施形態の変形例に係るOFDM受信装置の構成を示すブロック図である。図19のOFDM受信装置は、図14のOFDM受信装置において、図1の平均算出部44を更に備えたものである。
図19のOFDM受信装置によると、平均算出部44は、軟判定のために求められたキャリア品質値CSI(ω)を用いるので、受信信号品質値SQを求めるために、妨害算出部50やキャリア品質算出部60を更に備える必要がない。このため、妨害の影響の度合いを考慮して軟判定を行うことに加えて、受信信号品質値SQを求める場合において、回路規模の増大化を防ぐことができる。
図20は、本発明の第3の実施形態の他の変形例に係るOFDM受信装置の構成を示すブロック図である。図20のOFDM受信装置は、図14のOFDM受信装置において、キャリア品質算出部60と軟判定部532とに代えて、キャリア品質算出部660と軟判定部632とをそれぞれ備えるものである。
図20のキャリア品質算出部660は、図17で示したキャリア品質算出部560から、差分算出部565を取り去ったものである。このキャリア品質算出部660は、クリップ部563,565からそれぞれ得られるクリップされたキャリア電力CLCP(ω)及びクリップされた妨害電力CLCP(ω)を、軟判定部632に出力する。
軟判定部632は、クリップされたキャリア電力CLCP(ω)及びクリップされた妨害電力CLCP(ω)の両方、又はいずれか一方に基づいて、復調部20から出力された復調信号Xe(ω)に対してキャリアごとに軟判定を行い、軟判定メトリックデータを算出して誤り訂正部34に出力する。
図20のOFDM受信装置によると、キャリア品質算出部660がキャリア電力CLCP(ω)と妨害電力CLIP(ω)とを別個に出力し、軟判定部632は、キャリア電力CLCP(ω)と妨害電力CLIP(ω)との両方、又はいずれか一方を用いて軟判定を行うようにしている。この場合、軟判定部632において、キャリア電力CLCP(ω)と妨害電力CLIP(ω)とのそれぞれに異なる重み付けをして尤度の計算を行うことができる。より柔軟な軟判定の処理が可能となり、誤り訂正能力を向上させることができる。
以上のように、本実施形態に係るOFDM受信装置は、受信したOFDM信号の各キャリアについて、キャリア電力と妨害の影響度を表す妨害電力とから、キャリアごとに得られる品質値に基づいて、軟判定を行うようにしている。このため、各キャリアへの妨害の影響の度合いを、精度良く推定し、この情報を用いて効果的な軟判定を行うことが可能となり、復調・誤り訂正能力を高くすることができる。
なお、図14のOFDM受信装置において、妨害算出部50に代えて、図8の妨害算出部150を備えるようにしてもよい。
また、図1のOFDM受信装置において、妨害算出部50に代えて、図18の妨害算出部650を備えるようにしてもよい。
以上説明したように、本発明によると、簡単な回路構成で、さまざまな妨害の条件下においても精度良く、受信されたOFDM信号への妨害の影響を反映した受信信号の信号品質値や、雑音電力の値を検出することができる。また、各キャリアの信頼性を適切に算出して、復調・誤り訂正の能力を向上させることができる。このため、本発明は、OFDM受信装置等について有用である。
図1は、本発明の第1の実施形態に係るOFDM受信装置の構成例を示すブロック図である。 図2は、周波数領域のOFDM信号Y(ω)のキャリア配置に関する伝送フォーマットの例を示す図である。 図3(a),(b)は、マルチパス妨害が存在するときについて、受信信号電力及び求められたキャリア電力CP(ω)の周波数特性をそれぞれ示す図である。 図4(a),(b)は、伝送路においてOFDM信号にガウス雑音が重畳した場合について、受信信号電力及び妨害電力IP(ω)の周波数特性をそれぞれ示す図である。 図5(a),(b)は、周波数ωI近傍の特定キャリアに対する妨害が存在する場合について、受信信号電力及び妨害電力IP(ω)の周波数特性をそれぞれ示す図である。 図6(a),(b)は、受信信号に、マルチパス妨害と雑音妨害とが両方同時に存在している場合について、OFDM信号の各キャリアの受信信号電力及びキャリア品質値CSI(ω)をそれぞれ示す図である。 図7(a),(b)は、周波数ωI近傍の特定キャリアに対する周波数選択性妨害が存在する場合について、受信信号電力及びキャリア品質値CSI(ω)をそれぞれ示す図である。 図8は、図1の妨害算出部の変形例の構成を示すブロック図である。 図9は、本発明の第2の実施形態に係るOFDM受信装置の構成例を示すブロック図である。 図10は、図9の雑音電力算出部の変形例の構成を示すブロック図である。 図11は、図9の雑音電力算出部の他の変形例についての構成を示すブロック図である。 図12は、図11の電力算出部374で得られる、伝送路のインパルス応答の電力を示すグラフである。 図13は、図9の雑音電力算出部の更に他の変形例についての構成を示すブロック図である。 図14は、本発明の第3の実施形態に係るOFDM受信装置の構成例を示すブロック図である。 図15(a),(b),(c)は、マルチパス妨害が存在する場合について、キャリア電力CP(ω),LCP(ω)及びクリップされたキャリア電力CLCP(ω)の周波数特性をそれぞれ示す図である。 図16(a),(b),(c)は、アナログ同一チャネル妨害が存在する場合について、妨害電力IP(ω),LIP(ω)及びクリップされた妨害電力CLIP(ω)の周波数特性をそれぞれ示す図である。 図17は、図14のキャリア品質算出部の変形例の構成を示すブロック図である。 図18は、図14の妨害算出部の変形例の構成を示すブロック図である。 図19は、本発明の第3の実施形態の変形例に係るOFDM受信装置の構成を示すブロック図である。 図20は、本発明の第3の実施形態の他の変形例に係るOFDM受信装置の構成を示すブロック図である。
符号の説明
14,214 AGC制御部(利得制御部)
18 FFT部(高速フーリエ変換部)
20 復調部
24 伝送路特性算出部
26 補間部
32,532,632 軟判定部
42 電力算出部
44 平均算出部
50,150,650 妨害算出部
60,560,660 キャリア品質算出部
70,270,370,470 雑音電力算出部
80,380 雑音電力候補算出部

Claims (16)

  1. 所定のシンボル間隔で挿入されるパイロット信号を伝送するキャリアを含む、複数のキャリアから構成されるOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing:直交周波数分割多重)信号を受信し復調するOFDM受信装置であって、
    受信されたOFDM信号を周波数領域のOFDM信号に変換して出力する高速フーリエ変換部と、
    前記周波数領域のOFDM信号から、前記パイロット信号を伝送するキャリアに対する伝送路特性を求める伝送路特性算出部と、
    前記パイロット信号を伝送するキャリアに対する伝送路特性を補間して、得られた結果を出力する補間部と、
    前記補間部で得られた補間後の伝送路特性の大きさの2乗を、その伝送路特性に対応するキャリアごとにキャリア電力として算出する電力算出部と、
    前記受信されたOFDM信号に対する妨害の影響度合いを、前記補間後の伝送路特性に対応するキャリアごとに妨害電力として算出する妨害算出部と、
    前記電力算出部で求められたキャリア電力と、これに対応する、前記妨害算出部で求められた妨害電力との比を、キャリアごとに算出するキャリア品質算出部と
    を備えるOFDM受信装置。
  2. 請求項1に記載のOFDM受信装置において、
    前記キャリア品質算出部は、
    前記電力算出部で求められたキャリア電力を第1の対数値に変換し、前記妨害算出部で求められた妨害電力を第2の対数値に変換し、前記第1の対数値と前記第2の対数値との間の差分値を求め、前記求められた差分値を、前記電力算出部で求められたキャリア電力と前記妨害算出部で求められた妨害電力との比として出力するものである
    ことを特徴とするOFDM受信装置。
  3. 請求項1に記載のOFDM受信装置において、
    前記キャリア品質算出部で求められた比を、複数のキャリアについて平均し、得られた結果を、前記受信されたOFDM信号の信号品質値として出力する平均算出部を更に備える
    ことを特徴とするOFDM受信装置。
  4. 請求項1に記載のOFDM受信装置において、
    前記妨害算出部は、
    前記パイロット信号を伝送するキャリアについて、前記所定のシンボル間隔を隔てて隣接するパイロット信号に対する伝送路特性の間の差分値を算出し、前記差分値のそれぞれの大きさの2乗を求めて、時間軸方向、又は時間軸方向及び周波数軸方向の両方に補間し、得られた結果を前記妨害電力として出力するものである
    ことを特徴とするOFDM受信装置。
  5. 請求項1に記載のOFDM受信装置において、
    前記妨害算出部は、
    前記周波数領域のOFDM信号が等化されて得られた復調信号を硬判定し、前記復調信号の信号点と、これを硬判定して得られた基準信号点との間の距離に応じた値を求め、それぞれのキャリアについて時間軸方向に積分し、得られた結果を前記妨害電力として出力するものである
    ことを特徴とするOFDM受信装置。
  6. 請求項1に記載のOFDM受信装置において、
    前記妨害算出部は、
    前記パイロット信号を伝送するキャリアについて、第1のパイロット信号に対する伝送路特性と前記第1のパイロット信号から前記所定のシンボル間隔の後に伝送された第2のパイロット信号に対する伝送路特性との間の第1の差分値と、前記第2のパイロット信号に対する伝送路特性と前記第2のパイロット信号から前記所定のシンボル間隔の後に伝送された第3のパイロット信号に対する伝送路特性との間の第2の差分値と、前記第1の差分値と前記第2の差分値との間の第3の差分値とを算出し、前記第3の差分値の大きさの2乗を求めて、時間軸方向、又は時間軸方向及び周波数軸方向の両方に補間して、得られた結果を前記妨害電力として出力するものである
    ことを特徴とするOFDM受信装置。
  7. 請求項1に記載のOFDM受信装置において、
    前記周波数領域のOFDM信号が等化されて得られた復調信号を、前記キャリア品質算出部の出力に基づいて軟判定する軟判定部を更に備えるものである
    ことを特徴とするOFDM受信装置。
  8. 請求項7に記載のOFDM受信装置において、
    前記キャリア品質算出部は、
    前記電力算出部で求められたキャリア電力を第1の対数値に変換し、前記妨害算出部で求められた妨害電力を第2の対数値に変換し、前記第1の対数値と前記第2の対数値との間の差分値を求め、前記求められた差分値を、前記電力算出部で求められたキャリア電力と前記妨害算出部で求められた妨害電力との比として出力するものである
    ことを特徴とするOFDM受信装置。
  9. 請求項7に記載のOFDM受信装置において、
    前記キャリア品質算出部は、
    前記電力算出部で求められたキャリア電力を第1の対数値に変換し、前記第1の対数値に対して第1の所定値でクリップを行って第1のクリップされた対数値を算出し、前記妨害算出部で求められた妨害電力を第2の対数値に変換し、前記第2の対数値に対して第2の所定値でクリップを行って第2のクリップされた対数値を算出し、前記第1のクリップされた対数値と前記第2のクリップされた対数値との間の差分値を求め、前記求められた差分値を、前記電力算出部で求められたキャリア電力と前記妨害算出部で求められた妨害電力との比として出力するものである
    ことを特徴とするOFDM受信装置。
  10. 請求項7に記載のOFDM受信装置において、
    前記キャリア品質算出部は、
    前記電力算出部で求められたキャリア電力を第1の対数値に変換し、前記第1の対数値に対して第1の所定値でクリップを行って第1のクリップされた対数値を算出し、前記妨害算出部で求められた妨害電力を第2の対数値に変換し、前記第2の対数値に対して第2の所定値でクリップを行って第2のクリップされた対数値を算出するものであり、
    前記軟判定部は、
    前記周波数領域のOFDM信号が等化されて得られた復調信号を、前記第1及び第2のクリップされた対数値のうちの少なくともいずれか一方に基づいて軟判定するものである
    ことを特徴とするOFDM受信装置。
  11. 所定のシンボル間隔で挿入されるパイロット信号を伝送するキャリアを含む、複数のキャリアから構成されるOFDM信号を受信し復調するOFDM受信装置であって、
    受信されたOFDM信号を周波数領域のOFDM信号に変換して出力する高速フーリエ変換部と、
    前記周波数領域のOFDM信号から、前記パイロット信号を伝送するキャリアに対する伝送路特性を求める伝送路特性算出部と、
    前記伝送路特性に基づいて、前記受信されたOFDM信号に重畳する雑音電力を算出して出力する雑音電力算出部と、
    前記受信されたOFDM信号と前記雑音電力とに基づいて、前記受信されたOFDM信号の振幅を制御するための制御信号を生成して出力する利得制御部とを備える
    OFDM受信装置。
  12. 請求項11に記載のOFDM受信装置において、
    前記雑音電力算出部は、
    前記パイロット信号を伝送するキャリアについて、前記所定のシンボル間隔を隔てて隣接するパイロット信号に対する伝送路特性の間の差分値を算出し、前記差分値のそれぞれの大きさの2乗を求めて、周波数軸方向、又は周波数軸方向及び時間軸方向の両方に平均して、得られた結果を前記雑音電力として求めるものである
    ことを特徴とするOFDM受信装置。
  13. 請求項11に記載のOFDM受信装置において、
    前記雑音電力算出部は、
    前記パイロット信号を伝送するキャリアについて、第1のパイロット信号に対する伝送路特性と前記第1のパイロット信号から前記所定のシンボル間隔の後に伝送された第2のパイロット信号に対する伝送路特性との間の第1の差分値と、前記第2のパイロット信号に対する伝送路特性と前記第2のパイロット信号から前記所定のシンボル間隔の後に伝送された第3のパイロット信号に対する伝送路特性との間の第2の差分値と、前記第1の差分値と前記第2の差分値との間の第3の差分値とを算出し、得られた前記第3の差分値の大きさの2乗を求めて、周波数軸方向、又は周波数軸方向及び時間軸方向の両方に平均して、得られた結果を前記雑音電力として出力するものである
    ことを特徴とするOFDM受信装置。
  14. 請求項11に記載のOFDM受信装置において、
    前記雑音電力算出部は、
    前記パイロット信号を伝送するキャリアに対する伝送路特性に対して逆フーリエ変換を行い、得られたインパルス応答における、所定の閾値以下の電力を平均して、得られた結果を前記雑音電力として求めるものである
    ことを特徴とするOFDM受信装置。
  15. 請求項11に記載のOFDM受信装置において、
    前記雑音電力算出部は、
    前記パイロット信号を伝送するキャリアについて、第1のパイロット信号に対する伝送路特性と前記第1のパイロット信号から前記所定のシンボル間隔の後に伝送された第2のパイロット信号に対する伝送路特性との間の第1の差分値と、前記第2のパイロット信号に対する伝送路特性と前記第2のパイロット信号から前記所定のシンボル間隔の後に伝送された第3のパイロット信号に対する伝送路特性との間の第2の差分値と、前記第1の差分値と前記第2の差分値との間の第3の差分値とを算出し、得られた前記第3の差分値の大きさの2乗を求めて、周波数軸方向、又は周波数軸方向及び時間軸方向の両方に平均して出力する第1の雑音電力候補算出部と、
    前記パイロット信号を伝送するキャリアに対する伝送路特性に対して逆フーリエ変換を行い、得られたインパルス応答における、所定の閾値以下の電力を平均して出力する第2の雑音電力候補算出部と、
    第1及び第2の雑音電力候補算出部の出力のうち、値が小さい方を選択して、前記雑音電力として出力する最小値選択部とを有するものである
    ことを特徴とするOFDM受信装置。
  16. 所定のシンボル間隔で挿入されるパイロット信号を伝送するキャリアを含む、複数のキャリアから構成されるOFDM信号を受信し復調するOFDM受信方法であって、
    受信されたOFDM信号を周波数領域のOFDM信号に変換する高速フーリエ変換ステップと、
    前記周波数領域のOFDM信号から、前記パイロット信号を伝送するキャリアに対する伝送路特性を求める伝送路特性算出ステップと、
    前記パイロット信号を伝送するキャリアに対する伝送路特性を補間する補間ステップと、
    前記補間ステップで得られた補間後の伝送路特性の大きさの2乗を、その伝送路特性に対応するキャリアごとにキャリア電力として算出する電力算出ステップと、
    前記受信されたOFDM信号に対する妨害の影響度合いを、前記補間後の伝送路特性に対応するキャリアごとに妨害電力として算出する妨害算出ステップと、
    前記電力算出ステップで求められたキャリア電力と、これに対応する、前記妨害算出ステップで求められた妨害電力との比を、キャリアごとに算出するキャリア品質算出ステップと
    を備えるOFDM受信方法。
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