JP2008167116A - 受信装置および方法、並びにプログラム - Google Patents

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Abstract

【課題】受信されたOFDM信号をより確実に復調する。
【解決手段】ドップラー周波数検出部106は、A/D変換部103から供給されたOFDM信号を用いてOFDM信号のドップラー周波数を算出し、等化回路108に供給する。等化回路108は、FFT演算部105から供給されたOFDM信号からSPを抽出し、抽出したSPを用いて、時間方向および周波数方向に補間された伝送路特性の推定値、および周波数方向に補間された推定値を算出する。また、等化回路108は、ドップラー周波数が、切り替え回路107から供給された閾値以上である場合、周波数方向に補間された推定値を用いてOFDM信号を補正し、ドップラー周波数が閾値より小さい場合、時間方向および周波数方向に補間された推定値を用いてOFDM信号を補正する。本発明は、OFDM信号を受信する受信装置に適用することができる。
【選択図】図4

Description

本発明は受信装置および方法、並びにプログラムに関し、特に、受信されたOFDM信号をより確実に復調できるようにした受信装置および方法、並びにプログラムに関する。
近年、デジタル信号の伝送に用いられる変調方式として、OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)方式と称される変調方式が知られている。このOFDM方式においては、送受信されるデジタル信号としてのOFDM信号に、SP(Scattered Pilot)やCP(Continuous Pilot)などのパイロット信号が含まれており、パイロット信号は、OFDM信号を構成するシンボルを同期させたり、マルチパスなどの影響によるひずみを補正したりするために用いられる。
例えば、デジタルテレビジョン放送方式であるISDB-T(Integrated Services Digital Broadcasting-Terrestrial)においては、図1に示すように、OFDM信号にSPおよびCPが含まれている。なお、図1において、横方向は周波数を示しており、横方向の番号はOFDM信号に含まれる各周波数の搬送波を表している。また、縦方向は時間を示しており、縦方向の番号は、1フレームに含まれる各搬送波のシンボルを表している。
さらに、図中、1つの長方形は1つのシンボルを表している。つまり、このOFDM信号は、108個の搬送波から構成されており、1フレームには、各搬送波のシンボルがそれぞれ204個ずつ含まれている。
図1では、1つのシンボルを表す長方形内の文字“SP”は、そのシンボルにSPが挿入されていることを表しており、各搬送波においてSPは、4シンボルごとに含まれている。例えば、周波数方向における0番の搬送波の、時間方向における0番のシンボルにSPが挿入されており、また、周波数方向における0番の搬送波の、時間方向における4番のシンボルにSPが挿入されている。
また、同一の時刻に送信される各搬送波のシンボルには、すなわち周波数方向には、12搬送波ごとにSPが含まれている。例えば、周波数方向における0番の搬送波の、時間方向における0番のシンボルにSPが挿入されており、また、周波数方向における12番の搬送波の、時間方向における0番のシンボルにSPが挿入されている。
さらに、図1の例では、所定の搬送波の各シンボルに含まれているTMCC(Transmission and Multiplexing Configuration Control)およびAC(Auxiliary Channel)がCPとされている。すなわち、CPとしてのTMCCは、1つの搬送波の全てのシンボルに含まれており、同様にCPとしてのACは、1つの搬送波の全てのシンボルに含まれている。
OFDM信号を受信して復調する受信装置では、受信装置内に設けられた等化回路において、OFDM信号に含まれているSPが利用されて、OFDM信号が伝送されてきた伝送路の特性である伝送路特性を示す値が推定され、その推定値に基づいて伝送路によるひずみが補正される(例えば、特許文献1参照)。
このような等化回路は、図2に示すように構成され、等化回路11には、FFT(Fast Fourier Transform)演算部12が接続されている。
FFT演算部12は、受信されて直交検波されたOFDM信号に対して高速フーリエ変換を施し、高速フーリエ変換が施されたOFDM信号を等化回路11の遅延部21およびSP抽出部22に供給する。遅延部21は、FFT演算部12からのOFDM信号を、SP抽出部22、時間補間部23、および周波数補間部24による処理の時間だけ遅延させてシンボル補正部25に供給する。
SP抽出部22は、FFT演算部12から供給されたOFDM信号からSPを抽出して、抽出したSPを用いて伝送路特性の推定値を算出する。SP抽出部22は、各SPを用いて算出された推定値のそれぞれを時間補間部23に供給する。
例えば図3に示すように、OFDM信号に、時間方向において4シンボルごとに1つのSPが含まれ、周波数方向において12搬送波ごとに1つのSPが含まれている場合、SP抽出部22は、それぞれのSPを用いて、それぞれのSPが挿入されているシンボルの推定値を算出する。
なお、図3において、横方向は周波数を示しており、縦方向は時間を示している。また、1つの円は1つのシンボルを表しており、1つの円内の文字“SP”は、その円により表されるシンボルにSPが挿入されていることを表している。
次に、時間補間部23は、SP抽出部22から供給された推定値を用いて、推定値の時間方向の補間を行う。例えば、図3において、SP抽出部22により算出されたシンボル51の推定値と、シンボル52の推定値とを用いて、領域61に含まれる他のシンボルの伝送路特性の推定値を算出する。時間補間部23は、SP抽出部22から供給された推定値を用いて、時間方向に並べられた、SPが挿入されたシンボルのそれぞれの間に配置されているシンボルについて推定値を算出し、時間方向に補間された各シンボルの推定値を周波数補間部24に供給する。
周波数補間部24は、時間補間部23からの推定値を用いて、推定値の周波数方向の補間を行う。例えば、図3において、同じ時刻に送信された各搬送波のシンボルからなる領域62に含まれるシンボルのうち、まだ推定値の求められていないシンボルについて推定値を算出する。図3の例では、シンボル53にはSPが挿入されているので、シンボル53の推定値は既に求められている。また、シンボル54乃至シンボル57のそれぞれについても、時間方向の補間により既に推定値が求められている。
そこで、周波数補間部24は、これらのシンボル53乃至シンボル57の推定値のそれぞれを用いて、領域62に含まれる他のシンボルについての推定値を算出する。これにより、OFDM信号に含まれる全てのシンボルについて推定値を求めることができる。周波数補間部24は、このようにして算出された各シンボルの推定値をシンボル補正部25に供給する。
シンボル補正部25は、周波数補間部24から供給された各シンボルの伝送路特性の推定値を用いて、遅延部21から供給されたOFDM信号の各シンボルのひずみを補正し、補正されたOFDM信号を出力する。
このようにして、受信されたOFDM信号は、伝送路の影響によるひずみが補正された後、復調されてもとのデータに復元される。
特開2005−287043号公報
ところで、近年では、受信装置が速い速度で移動している場合においても、OFDM信号を確実に復調することが求められている。受信装置が高速で移動している場合、受信されたOFDM信号にはドップラー効果によるひずみが生じる。すなわちフェージングが生じる。
例えば、時速300Km/hで移動する新幹線に設置されている受信装置が、高い周波数、例えばUHF(Ultra High Frequency)帯のOFDM信号を受信する場合、受信されたOFDM信号のドップラー周波数は200Hz以上となる。
現在、HDTV(High Definition Television)の放送信号を伝送するための方式として採用されているISDB-T方式におけるMode3では、シンボル長は、有効シンボル長1008μsecとガードインターバル長126μsecとの和である1134(=1008+126)μsecとされている。Mode3では、時間方向に、すなわち1つの搬送波には、4シンボルごとに1つのSPが挿入されているため、SPのサンプリングレートは約220(=1/(4×1134))Hzとなる。
したがって、ドップラー周波数成分を含むOFDM信号を補正しようとすると、サンプリング定理を満たす最大のドップラー周波数は110(=220/2)Hzとなるので、ドップラー周波数が110Hzより高いOFDM信号については、正確に推定値の時間方向の補間をすることができず、OFDM信号のひずみを正確に補正できなくなってしまう。
このように、上述した技術では、受信装置が高速で移動している場合には、受信したOFDM信号のひずみを正確に補正することができず、その結果、OFDM信号を正しく復調できないことがあった。
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、OFDM信号をより確実に復調することができるようにするものである。
本発明の一側面の受信装置は、受信されたOFDM信号のドップラー周波数を算出する算出手段と、前記OFDM信号を補正するときに用いられる、前記OFDM信号が伝送された伝送路の特性を示す伝送路特性の推定値として、前記OFDM信号に挿入されているSPから求められる値が時間方向および周波数方向に補間された推定値か、または前記SPから求められる値が周波数方向に補間された推定値のうちのいずれかを、前記ドップラー周波数に応じて選択する選択手段と、選択された推定値を用いて前記OFDM信号を補正する補正手段とを備える。
前記選択手段には、前記ドップラー周波数が所定の閾値以上である場合、周波数方向に補間された推定値を選択させ、前記ドップラー周波数が所定の閾値より小さい場合、時間方向および周波数方向に補間された推定値を選択させることができる。
前記算出手段には、前記OFDM信号の利得の絶対値を算出する絶対値算出手段と、所定のサンプリングレートで前記絶対値をサンプリングし、前記絶対値が閾値以下となったときから、前記絶対値が前記閾値より大きい値から再び前記閾値以下となるまでの期間にサンプリングした回数をカウントさせるカウント制御手段と、カウントされた前記回数、および前記所定のサンプリングレートを用いて前記ドップラー周波数を算出するドップラー周波数算出手段とを設けることができる。
本発明の一側面の受信方法またはプログラムは、受信されたOFDM信号のドップラー周波数を算出し、前記OFDM信号を補正するときに用いられる、前記OFDM信号が伝送された伝送路の特性を示す伝送路特性の推定値として、前記OFDM信号に挿入されているSPから求められる値が時間方向および周波数方向に補間された推定値か、または前記SPから求められる値が周波数方向に補間された推定値のうちのいずれかを、前記ドップラー周波数に応じて選択し、選択された推定値を用いて前記OFDM信号を補正するステップを含む。
本発明の一側面においては、受信されたOFDM信号のドップラー周波数が算出され、前記OFDM信号を補正するときに用いられる、前記OFDM信号が伝送された伝送路の特性を示す伝送路特性の推定値として、前記OFDM信号に挿入されているSPから求められる値が時間方向および周波数方向に補間された推定値か、または前記SPから求められる値が周波数方向に補間された推定値のうちのいずれかが、前記ドップラー周波数に応じて選択され、選択された推定値が用いられて前記OFDM信号が補正される。
本発明の一側面によれば、OFDM信号を補正することができる。特に、本発明の一側面によれば、受信したOFDM信号をより確実に復調することができる。
以下に本発明の実施の形態を説明するが、本発明の構成要件と、明細書又は図面に記載の実施の形態との対応関係を例示すると、次のようになる。この記載は、本発明をサポートする実施の形態が、明細書又は図面に記載されていることを確認するためのものである。従って、明細書又は図面中には記載されているが、本発明の構成要件に対応する実施の形態として、ここには記載されていない実施の形態があったとしても、そのことは、その実施の形態が、その構成要件に対応するものではないことを意味するものではない。逆に、実施の形態が構成要件に対応するものとしてここに記載されていたとしても、そのことは、その実施の形態が、その構成要件以外の構成要件には対応しないものであることを意味するものでもない。
本発明の一側面の受信装置は(例えば、図4の受信装置91)、受信されたOFDM信号のドップラー周波数を算出する算出手段(例えば、図4のドップラー周波数検出部106)と、前記OFDM信号を補正するときに用いられる、前記OFDM信号が伝送された伝送路の特性を示す伝送路特性の推定値として、前記OFDM信号に挿入されているSPから求められる値が時間方向および周波数方向に補間された推定値か、または前記SPから求められる値が周波数方向に補間された推定値のうちのいずれかを、前記ドップラー周波数に応じて選択する選択手段(例えば、図6の選択部187)と、選択された推定値を用いて前記OFDM信号を補正する補正手段(例えば、図6のシンボル補正部188)とを備える。
前記選択手段には、前記ドップラー周波数が所定の閾値以上である場合、周波数方向に補間された推定値を選択させ(例えば、図16のステップS88の処理)、前記ドップラー周波数が所定の閾値より小さい場合、時間方向および周波数方向に補間された推定値を選択(例えば、図16のステップS87の処理)させることができる。
前記算出手段には、前記OFDM信号の利得の絶対値を算出する絶対値算出手段(例えば、図5の絶対値算出部141)と、所定のサンプリングレートで前記絶対値をサンプリングし、前記絶対値が閾値以下となったときから、前記絶対値が前記閾値より大きい値から再び前記閾値以下となるまでの期間にサンプリングした回数をカウントさせるカウント制御手段(例えば、図5のサンプリング制御部151)と、カウントされた前記回数、および前記所定のサンプリングレートを用いて前記ドップラー周波数を算出するドップラー周波数算出手段(例えば、図5のドップラー周波数算出部146)とを設けることができる。
本発明の一側面の受信方法またはプログラムは、受信されたOFDM信号のドップラー周波数を算出し(例えば、図12のステップS51)、前記OFDM信号を補正するときに用いられる、前記OFDM信号が伝送された伝送路の特性を示す伝送路特性の推定値として、前記OFDM信号に挿入されているSPから求められる値が時間方向および周波数方向に補間された推定値か、または前記SPから求められる値が周波数方向に補間された推定値のうちのいずれかを、前記ドップラー周波数に応じて選択し(例えば、図16のステップS87またはステップS88)、選択された推定値を用いて前記OFDM信号を補正する(例えば、図16のステップS89)ステップを含む。
以下、図面を参照して、本発明を適用した実施の形態について説明する。
図4は、本発明を適用した受信装置の構成例を示すブロック図である。
受信装置91は、アンテナ101、チューナ102、A/D(Analog/Digital)変換部103、直交復調部104、FFT演算部105、ドップラー周波数検出部106、切り替え回路107、等化回路108、デマッピング回路109、およびAGC(Auto Gain Control)部110から構成される。
アンテナ101は、例えば図示せぬ放送局により放送されたデジタル放送信号などのOFDM信号を受信してチューナ102に供給する。チューナ102は、アンテナ101から供給されたOFDM信号に周波数変換などの処理を施してA/D変換部103に供給する。
A/D変換部103は、AGC部110の制御に基づいて、チューナ102から供給されたOFDM信号の利得を増幅または減衰させるとともに、OFDM信号にA/D変換処理を施して、OFDM信号をアナログ信号からデジタル信号に変換する。A/D変換部103は、デジタル信号に変換されたOFDM信号を直交復調部104およびドップラー周波数検出部106に供給する。
直交復調部104は、A/D変換部103から供給されたOFDM信号を、所定の周波数の搬送波信号により直交復調し、これにより得られたベースバンド信号であるOFDM信号をFFT演算部105に供給する。FFT演算部105は、直交復調部104から供給されたOFDM信号に対して高速フーリエ変換を施し、等化回路108に供給する。
ドップラー周波数検出部106は、A/D変換部103から供給されたOFDM信号に含まれているドップラー周波数成分を検出し、そのドップラー周波数を算出する。ドップラー周波数検出部106は、算出されたドップラー周波数を等化回路108およびAGC部110に供給する。
切り替え回路107は、入力された複数の閾値のうちのいずれかが等化回路108に出力されるように、その出力を切り替える。例えば、切り替え回路107には、受信装置91が高速で移動しているか否かの判定処理に用いられる閾値として、ISDB-T方式におけるMode3のOFDM信号を受信したときに用いられる閾値と、Mode2のOFDM信号を受信したときに用いられる閾値とが入力される。切り替え回路107は、受信しているOFDM信号がMode3の信号であるか、またはMode2の信号であるかに応じて、Mode3の閾値またはMode2の閾値のいずれかを等化回路108に供給する。
等化回路108は、ドップラー周波数検出部106からのドップラー周波数、および切り替え回路107からの閾値に基づいて、FFT演算部105から供給されたOFDM信号のひずみを補正する。換言すれば、等化回路108は、FFT演算部105から供給されたOFDM信号が、本来受信されるべき信号、すなわち放送局などの発信元から送信された時点におけるOFDM信号に近い状態となるように、伝送路の影響によるひずみを補償することでOFDM信号を等化する。
等化回路108は、等化されたOFDM信号をデマッピング回路109に供給する。デマッピング回路109は、等化回路108から供給されたOFDM信号に対してデータのデマッピング処理を行い、これにより復元されたデータを復調されたデータとして出力する。AGC部110は、ドップラー周波数検出部106から供給されたドップラー周波数に基づいて、A/D変換部103によるOFDM信号の利得の増幅および減衰を制御する。
図5は、ドップラー周波数検出部106のより詳細な構成例を示すブロック図である。
ドップラー周波数検出部106は、絶対値算出部141、LPF(Low Pass Filter)142、移動平均フィルタ143、間引き部144、サンプリング部145、ドップラー周波数算出部146、および移動平均フィルタ147から構成される。
絶対値算出部141は、A/D変換部103から供給されたOFDM信号の利得の絶対値を算出し、算出した絶対値を利得とするOFDM信号をLPF142に供給する。LPF142は、絶対値算出部141から供給されたOFDM信号の高周波数成分を除去し、高周波数成分が除去されたOFDM信号を移動平均フィルタ143に供給する。
移動平均フィルタ143は、LPF142から供給されたOFDM信号に移動平均処理を施して間引き部144に供給する。間引き部144は、移動平均フィルタ143から供給されたOFDM信号に対して間引き処理を施し、サンプリング部145に供給する。
サンプリング部145は、サンプリング制御部151およびカウンタ152から構成される。サンプリング部145のサンプリング制御部151は、間引き部144から供給されたOFDM信号を所定のサンプリング周期でサンプリングする。また、サンプリング制御部151は、サンプリングしたOFDM信号の値が、入力された所定の閾値以下となった場合、カウンタ152にサンプリングした回数であるサンプリング回数をカウントさせる。そして、サンプリング制御部151は、OFDM信号の値がその閾値より大きい値から再び閾値以下の値に変化した場合、カウンタ152にサンプリング回数のカウントを終了させる。
カウンタ152は、OFDM信号の値が所定の閾値以下となってから、OFDM信号の値がその閾値より大きい値から閾値以下の値に再び変化するまでの区間においてサンプリング制御部151によりサンプリングされた回数をカウントする。サンプリング制御部151は、カウンタ152にサンプリング回数のカウントを終了させると、カウンタ152が保持しているサンプリング回数をドップラー周波数算出部146に供給する。
ドップラー周波数算出部146は、入力されたクロック周波数と、サンプリング部145から供給されたサンプリング回数とを用いて、OFDM信号のドップラー周波数を算出し、移動平均フィルタ147に供給する。移動平均フィルタ147は、ドップラー周波数算出部146から供給されたドップラー周波数に対して移動平均処理を施して、等化回路108およびAGC部110に供給する。
図6は、図4の等化回路108のより詳細な構成例を示すブロック図である。
等化回路108は、遅延部181、SP抽出部182、時間補間部183、周波数補間部184、周波数補間部185、比較回路186、選択部187、およびシンボル補正部188から構成される。
遅延部181は、FFT演算部105から供給されたOFDM信号を、SP抽出部182乃至選択部187における処理の時間だけ遅延させてシンボル補正部188に供給する。SP抽出部182は、FFT演算部105から供給されたOFDM信号からSPを抽出して、抽出したSPを用いて伝送路特性の推定値を算出する。SP抽出部182は、各SPを用いて算出された推定値のそれぞれを時間補間部183および周波数補間部185に供給する。
時間補間部183は、SP抽出部182から供給された推定値を用いて、推定値の時間方向、すなわちシンボル方向の補間を行う。時間補間部183は、時間方向に補間された各シンボルの推定値を周波数補間部184に供給する。
周波数補間部184は、時間補間部183からの推定値を用いて、推定値の周波数方向、すなわち搬送波方向の補間を行う。周波数補間部184は、時間方向および周波数方向に補間された推定値を選択部187に供給する。
周波数補間部185は、SP抽出部182から供給された推定値を用いて、推定値の周波数方向の補間を行う。これにより、時間方向に補間されていない、周波数方向だけの補間により求められた各シンボルの推定値が得られる。周波数補間部185は、周波数方向に補間された推定値を選択部187に供給する。
比較回路186は、切り替え回路107から供給された閾値と、ドップラー周波数検出部106から供給されたドップラー周波数とを比較して、その比較の結果を示す信号を選択部187に供給する。すなわち、比較回路186は、ドップラー周波数が閾値以上である場合、ドップラー周波数が閾値以上である旨の信号を選択部187に供給し、ドップラー周波数が閾値より小さい場合、ドップラー周波数が閾値より小さい旨の信号を選択部187に供給する。
選択部187は、比較回路186からの信号に応じて、周波数補間部184または周波数補間部185から供給された推定値をシンボル補正部188に供給する。シンボル補正部188は、選択部187から供給された各シンボルの伝送路特性の推定値を用いて、遅延部181から供給されたOFDM信号の各シンボルのひずみを補正し、補正されたOFDM信号をデマッピング回路109に供給する。
ところで、受信装置91が受信するOFDM信号には、OFDM信号が伝送されてきた伝送路に応じたひずみが生じる。
例えば、OFDM信号に白色ガウスノイズだけが付加される伝送路を伝送されて受信されたOFDM信号、すなわち、いわゆるAWGN(Additive white Gaussian Noise)チャネルにおけるOFDM信号は、図7に示すように、その利得が大きく変動せずにほぼ一定の大きさとなっており、OFDM信号にはドップラー周波数成分は含まれていない。なお、図7において、縦軸は利得を示しており、横軸はサンプル数を示している。
また、例えば、所定の時刻に送信されたOFDM信号であって、それぞれ伝送経路の異なるOFDM信号が、受信装置91において同時刻に複数受信される伝送路を伝送されて受信されたOFDM信号、すなわち、いわゆるフラッターチャネルにおけるOFDM信号は、図8に示すように、その利得が時間とともに周期的に変化する。なお、図8において、縦軸は利得を示しており、横軸はサンプル数を示している。
図8に示すOFDM信号には、ドップラー周波数成分が含まれており、OFDM信号は、同時刻に受信された複数の信号、つまり反射波のそれぞれが同じ位相であるときに利得の大きさが最大となり、位相が90度ずれているときに利得が0となっている。特に、図8に示すように、時刻によって利得が0となるOFDM信号は、0dBフラッターチャネルにおけるOFDM信号と称される。
さらに、複数の反射波のそれぞれの遅延時間が充分に小さく、受信側において複数の反射波が1つの波として認識されるような伝送路を伝送されて受信されたOFDM信号、すなわち、いわゆる1波レイリーチャネルにおけるOFDM信号は、例えば図9に示すように、その利得が時間とともに変化する。なお、図9において、縦軸は利得を示しており、横軸はサンプル数を示している。
図9に示すOFDM信号には、ドップラー周波数成分が含まれており、OFDM信号の利得は時間とともに変化しているが、周期的には変化していない。
このように、OFDM信号が伝送される伝送路の特性は様々であり、受信装置91では、受信したOFDM信号を確実に復調するために、OFDM信号に挿入されているSPを利用して伝送路の特性を示す伝送路特性の推定値を求め、その推定値を用いて伝送路の影響により生じたOFDM信号のひずみを補正する。
例えば、時間方向および周波数方向に伝送路特性の推定値を補間した場合、図10に示すように、ドップラー周波数が110Hz程度までのOFDM信号のひずみは正確に補正することができる。なお、図中、縦軸はOFDM信号のドップラー周波数を示しており、横軸はマルチパスによる遅延時間、すなわち受信装置91に最初に到達した直接波または反射波が受信されてから、それ以降に到達した波が受信されるまでの時間を示している。
図10では、領域211は、時間方向および周波数方向に推定値の補間を行った場合に、OFDM信号を正確に補正することができる領域を示している。また、領域212は、周波数方向に推定値の補間を行った場合に、OFDM信号を正確に補正することができる領域を示している。
ここで、有効シンボル長が1008μsecであり、OFDM信号の図3に示した位置にSPが挿入されているとすると、時間方向および周波数方向に推定値の補間を行う場合、時間方向に推定値の補間が行われるので、実質的に周波数方向には3シンボルごとにSPが挿入されていることになり、領域211に示されるように336(=1008/3)μsecの遅延時間までは正確に推定値を補間することができる。また、時間方向および周波数方向に推定値の補間を行う場合、領域211に示されるようにドップラー周波数が−110Hz乃至110Hzまでの範囲であれば、正確に推定値を補間することができる。
例えば、受信装置91が500MHzのOFDM信号を時速238Km/hで移動しながら受信した時のドップラー周波数は110Hzであるので、時間方向および周波数方向に推定値の補間を行う場合、ある程度高速で移動しているときにも確実にOFDM信号を復調することができる。
これに対して、周波数方向だけ推定値の補間を行う場合、時間方向に推定値の補間が行われないので、周波数方向には12シンボルごとにSPが挿入されていることになり、領域212に示されるように、84(=1008/12)μsecの遅延時間までは正確に推定値を補間することができる。また、周波数方向に推定値の補間を行う場合、領域212に示されるようにドップラー周波数が−440Hz乃至440Hzまでの範囲であれば、正確に推定値を補間することができる。
つまり、時間方向の補間を行わずに周波数方向だけ補間を行った場合、時間方向および周波数方向に補間を行った場合よりも、より高いドップラー周波数成分が含まれるOFDM信号をより確実に復調することができる。一方、時間方向および周波数方向に補間を行った場合には、周波数方向にだけ補間を行った場合よりも、遅延時間がより大きいOFDM信号をより確実に復調することができる。
ドップラー周波数が、所定の周波数以上である場合、より具体的にはドップラー周波数が、ドップラー効果により生じるひずみを補正するためのサンプリング定理を満たす周波数以上である場合、推定値を時間方向に補間するとエリアシングが生じ、かえってOFDM信号を復調できなくなってしまう恐れがある。そのような場合、推定値の時間方向の補間を行わずに、周波数方向だけ補間を行った方がより正確にOFDM信号のひずみを補正することができる。すなわち、周波数方向だけの補間を行うことで、各シンボルについてより適切な推定値を求めることができる。
そこで、選択部187は、比較回路186からドップラー周波数が閾値以上である旨の信号が供給されると、受信装置91が高速で移動しているとして、周波数補間部185から供給された、周波数方向だけ補間された推定値を選択してシンボル補正部188に供給し、ドップラー周波数が閾値より小さい旨の信号が供給されると、受信装置91が高速で移動していないとして、周波数補間部184から供給された、時間方向および周波数方向に補間された推定値を選択してシンボル補正部188に供給する。
このように、受信装置91が高速で移動している場合には、周波数方向だけ補間された推定値を用いることで、エリアシングの発生を抑制して確実にOFDM信号を復調し、受信装置91が高速で移動していない場合には、時間方向および周波数方向に補間された推定値を用いて、遅延時間がより大きいOFDM信号も復調できるようにする。
次に、図11のフローチャートを参照して、受信装置91が送信されてきたOFDM信号を受信して復調する処理である受信処理について説明する。
ステップS11において、アンテナ101は、送信されてきたOFDM信号を受信して、チューナ102に供給する。チューナ102は、アンテナ101から供給されたOFDM信号に周波数変換などの処理を施してA/D変換部103に供給する。
ステップS12において、A/D変換部103は、チューナ102から供給されたOFDM信号の利得を増幅または減衰させ、利得がほぼ一定となるように調整するとともに、OFDM信号にA/D変換処理を施してアナログ信号からデジタル信号に変換する。A/D変換部103は、デジタル信号に変換されたOFDM信号を直交復調部104およびドップラー周波数検出部106に供給する。
ステップS13において、直交復調部104は、A/D変換部103から供給されたOFDM信号を、所定の周波数の搬送波信号により直交復調し、これにより得られたベースバンド信号であるOFDM信号をFFT演算部105に供給する。
ステップS14において、FFT演算部105は、直交復調部104から供給されたOFDM信号に対して高速フーリエ変換を施し、等化回路108に供給する。また、切り替え回路107は、受信装置91が高速で移動しているか否かの判定処理に用いられる閾値を等化回路108に供給する。例えば、切り替え回路107は、受信しているOFDM信号が、Mode3の信号である場合、入力されたMode3の閾値およびMode2の閾値のうち、Mode3の閾値を等化回路108に供給する。
ステップS15において、ドップラー周波数検出部106は、ドップラー周波数検出処理を行う。なお、ドップラー周波数検出処理の詳細は後述するが、このドップラー周波数検出処理において、ドップラー周波数検出部106は、OFDM信号のドップラー周波数を算出し、等化回路108およびAGC部110に供給する。
ステップS16において、等化回路108は等化処理を行う。なお、等化処理の詳細は後述するが、等化処理において、等化回路108は、切り替え回路107からの閾値と、ドップラー周波数検出部106からのドップラー周波数とを用いて、FFT演算部105から供給されたOFDM信号のひずみを補正する。そして、等化回路108は、補正されたOFDM信号をデマッピング回路109に供給する。
ステップS17において、デマッピング回路109は、等化回路108から供給されたOFDM信号に対してデータのデマッピング処理を行い、これにより復元されたデータを復調されたデータとして出力して、受信処理は終了する。例えば、デマッピング回路109は、QPSK(Quadrature Phase Shift Keying)、16QAM(Quadrature Amplitude Modulation)、または64QAMに対応したデマッピング処理を行う。
このようにして、受信装置91は、OFDM信号を受信して復調する。
次に、図12のフローチャートを参照して、図11のステップS15の処理に対応する、ドップラー周波数検出処理について説明する。
ステップS41において、絶対値算出部141は、A/D変換部103から供給されたOFDM信号の利得の絶対値を算出し、算出した絶対値を利得とするOFDM信号をLPF142に供給する。
ステップS42において、LPF142は、絶対値算出部141から供給されたOFDM信号の高周波数成分を除去し、高周波数成分が除去されたOFDM信号を移動平均フィルタ143に供給する。例えば、LPF142は、OFDM信号から1000Hz以上の周波数の周波数成分を除去する。
ステップS43において、移動平均フィルタ143は、LPF142から供給されたOFDM信号に移動平均処理を施して間引き部144に供給する。例えば、移動平均フィルタ143は、OFDM信号の新たにサンプリングした点を含む、いくつかのサンプリング点における値の平均値を、サンプリングを行うごとに算出し、算出された平均値からなる信号を移動平均処理が施されたOFDM信号として間引き部144に供給する。
ステップS44において、間引き部144は、移動平均フィルタ143から供給されたOFDM信号に対して間引き処理を施し、サンプリング部145のサンプリング制御部151に供給する。
これにより、例えば、図13Aに示されるOFDM信号がA/D変換部103からドップラー周波数検出部106の絶対値算出部141に供給された場合、絶対値算出部141、LPF142、移動平均フィルタ143、および間引き部144からは、図13B乃至図13Eのそれぞれに示すOFDM信号が出力される。なお、図13において、縦軸はOFDM信号の利得を示しており、横軸はサンプル数を示している。
図13Aに示されるOFDM信号は、フラッターチャネルにおけるOFDM信号であり、その利得は時間とともに周期的に変化している。このOFDM信号が絶対値算出部141に入力されて、利得の絶対値が算出されると、絶対値算出部141からは、図13Bに示すOFDM信号が出力される。
図13Bに示すOFDM信号は、そのOFDM信号の各時刻における値が、算出された絶対値となるので、各時刻における値が正の値とされている。そして、このOFDM信号がLPF142に供給され、OFDM信号の高周波数成分が除去されると、LPF142から移動平均フィルタ143には、図13Cに示すOFDM信号が供給される。図13Cに示すOFDM信号は、図13Bに示したOFDM信号の包絡線となっている。
図13Cに示すOFDM信号が移動平均フィルタ143に供給されて、OFDM信号に移動平均処理が施されると、移動平均フィルタ143から間引き部144には、図13Dに示すOFDM信号が供給される。図13Dに示すOFDM信号は、移動平均フィルタ143に供給された図13Cに示すOFDM信号に移動平均処理が施されており、OFDM信号が平滑化されている。
さらに、図13Dに示すOFDM信号が間引き部144に供給されて、間引き処理が施されると、間引き部144からサンプリング制御部151には、図13Eに示すOFDM信号が供給される。図13Eに示すOFDM信号は、間引かれて図13Dに示すOFDM信号よりもサンプル数が少なくなっている。
このように、ドップラー周波数検出部106に供給されたOFDM信号は、図14に示すように、ドップラー周波数検出部106の絶対値算出部141乃至間引き部144のそれぞれにおいて処理されることにより、受信されたOFDM信号の利得の絶対値の包絡線だけが残されてサンプリング制御部151に供給される。
図12のフローチャートの説明に戻り、ステップS44において、間引き処理が行われ、OFDM信号が間引き部144からサンプリング制御部151に供給されると、処理はステップS45に進む。
ステップS45において、サンプリング制御部151は、間引き部144から供給されたOFDM信号をサンプリングする。この場合、サンプリング制御部151は、OFDM信号の最初のサンプルの利得の値を取得する。
ステップS46において、サンプリング制御部151は、サンプリングした利得の値が入力された所定の閾値以下であるかを判定する。より詳細には、利得の値が閾値より大きい値から閾値以下の値に変化したか否かを判定する。
例えば、図15に示すOFDM信号がサンプリング制御部151に供給された場合、サンプリング制御部151は、利得の値が閾値th以下であるかを判定する。なお、図中、縦軸は利得を示しており、横軸は時間を示している。また、曲線A11はOFDM信号を示しており、thはサンプリング制御部151に入力された閾値を示している。
図15では、曲線A11により示されるOFDM信号の周波数、すなわち振動の周期の逆数がドップラー周波数とされる。したがって、OFDM信号のドップラー周波数を求めるには、OFDM信号の周期を求めればよいことになる。
ここで、OFDM信号の1周期は、利得が0である位置から、次に利得が0となる位置までの時間とされるが、OFDM信号では、必ずしも利得が0とならなかったり、利得が0である位置の検出が困難であったりすることもある。そこで、充分に小さい閾値thを予め定めておき、OFDM信号の利得の値が閾値thより大きい値から、閾値th以下の値に変化した時刻から、OFDM信号の利得の値が再び閾値thより大きい値から、閾値th以下の値に変化した時刻までの時間をOFDM信号の振動の周期とする。
図15の例では、時刻t1乃至時刻t11のそれぞれにおいて、サンプリング制御部151がサンプリングを行うとすると、OFDM信号の利得の値が最初に閾値thより大きい値から閾値th以下の値に変化する時刻、つまり前回サンプリングした値が、閾値thより大きい値であり、今回サンプリングした値が閾値th以下となる時刻は、時刻t1となる。
そして、その後、利得の値が閾値thより大きい値から閾値th以下の値に再び変化する時刻は、時刻t11であるので、この場合、時刻t1から時刻t10までの時間が振動の周期とされる。この振動の周期は、時刻t1から時刻t10までの期間にサンプリング制御部151がサンプリングを行ったサンプリング回数に、サンプリング周期、つまりサンプリングレートの逆数を乗算することで求めることができる。そこで、サンプリング制御部151は、時刻t1から時刻t10までの期間におけるサンプリング回数をカウンタ152にカウントさせ、その値をドップラー周波数算出部146に出力する。
図12のフローチャートの説明に戻り、ステップS46において、閾値以下でないと判定された場合、サンプリング回数のカウントを開始しないので、処理はステップS45に戻り、新たにサンプリングが行われる。
これに対して、ステップS46において、閾値以下であると判定された場合、処理はステップS47に進み、カウンタ152は、サンプリング制御部151の制御の基に、保持しているサンプリング回数を示す値を1だけインクリメントする。例えば、図15の時刻t1においてサンプリングが行われた場合、カウンタ152は、保持している値をインクリメントして0から1とする。
ステップS48において、サンプリング制御部151は、OFDM信号をサンプリングし、OFDM信号の利得の値を取得する。
ステップS49において、サンプリング制御部151は、サンプリングにより取得された利得の値が、閾値より大きい値から閾値以下の値に変化したかを判定する。ステップS49において、閾値より大きい値から閾値以下の値に変化していないと判定された場合、処理はステップS47に戻り、カウンタ152が保持している値がインクリメントされる。
一方、ステップS49において、閾値より大きい値から閾値以下の値に変化したと判定された場合、処理はステップS50に進み、サンプリング制御部151は、カウンタ152に保持されているサンプリング回数を示す値を取得して、取得した値をドップラー周波数算出部146に供給する。例えば、図15の例では、カウンタ152は、時刻t1から時刻t10までの期間にカウントした値“10”を保持しているので、サンプリング制御部151からドップラー周波数算出部146には、サンプリング回数を示す値である10が供給される。また、ドップラー周波数算出部146にサンプリング回数を示す値が供給されると、カウンタ152は、保持している値をリセットし、0とする。
ステップS51において、ドップラー周波数算出部146は、入力されたクロック周波数と、サンプリング制御部151から供給されたサンプリング回数を示すカウンタ152の値とを用いて、OFDM信号のドップラー周波数を算出し、移動平均フィルタ147に供給する。
例えば、ドップラー周波数算出部146は、次式(1)を計算することにより、ドップラー周波数を算出する。
(ドップラー周波数)
=((クロック周波数)/(ダウンサンプリングレート))/(カウンタの値)
・・・(1)
ここで、クロック周波数は、ドップラー周波数算出部146に入力されたクロック周波数であって、A/D変換部103において、OFDM信号にA/D変換処理を施すときに用いられるクロック周波数とされる。すなわち、クロック周波数は、A/D変換部103がOFDM信号をアナログ信号からデジタル信号に変換するときのサンプリングレートとされる。
また、ダウンサンプリングレートは、サンプリング制御部151が、OFDM信号をサンプリングしたときのダウンサンプリングレートを示している。例えば、間引き部144において、OFDM信号のサンプル数が半分に間引きされ、A/D変換部103がA/D変換処理を行うときのサンプリングレートの半分のサンプリングレートでサンプリング制御部151がサンプリングを行ったとき、ダウンサンプリングレートは2とされる。さらに、例えばA/D変換部103がA/D変換処理を行うときのサンプリングレートと同じサンプリングレートでサンプリング制御部151がサンプリングを行ったときには、ダウンサンプリングレートは1とされる。
したがって、式(1)における(クロック周波数)/(ダウンサンプリングレート)は、サンプリング制御部151が、OFDM信号をサンプリングしたときのサンプリングレートを示している。
また、サンプリング制御部151が、A/D変換処理が行われるときのサンプリングレートと同じサンプリングレートでOFDM信号のサンプリングを行うと、計算に必要となるデータ量が多くなるので、サンプリングレートを下げることでより迅速にドップラー周波数を算出することができる。
例えば、ドップラー周波数算出部146に入力されたクロック周波数が20.5MHzであり、サンプリング制御部151からドップラー周波数算出部146に供給されたカウンタ152の値が10であり、ダウンサンプリングレートが5000である場合、式(1)からドップラー周波数410(=(20.5×106/5000)/10)Hzが算出される。
ドップラー周波数が算出されると、ステップS52において、移動平均フィルタ147は、ドップラー周波数算出部146から供給されたドップラー周波数に対して移動平均処理を施して、等化回路108およびAGC部110に供給し、処理は図11のステップS16に進む。
このようにして、ドップラー周波数検出部106は、利得が閾値より大きい値から閾値以下に変化してから、再び閾値以下に変化するまでの区間においてサンプリングされた回数をカウントし、その値を用いてOFDM信号のドップラー周波数を算出する。
このように、利得が閾値より大きい値から閾値以下に変化してから、再び閾値以下に変化するまでの区間においてサンプリングされた回数をカウントし、その値を用いてOFDM信号のドップラー周波数を算出することによって、簡単にドップラー周波数を求めることができる。また、ドップラー周波数を求めることにより、そのドップラー周波数を用いて、受信装置91が高速で移動しているか否かを簡単に知ることができる。
次に、図16のフローチャートを参照して、図11のステップS16の処理に対応する、等化処理について説明する。
ステップS81において、遅延部181は、FFT演算部105から供給されたOFDM信号を、SP抽出部182乃至選択部187における処理の時間だけ遅延させてシンボル補正部188に供給する。
ステップS82において、SP抽出部182は、FFT演算部105から供給されたOFDM信号からSPを抽出して、抽出したSPを用いて伝送路特性の推定値を算出する。例えば、SP抽出部182は、抽出したSPにより示される値を予め定められたSPの値、すなわち送信した時点でのひずみのないSPにより示される値で除算することにより、そのSPが挿入されているシンボルに対する伝送路特性の推定値を算出する。SP抽出部182は、各SPについて算出された推定値のそれぞれを時間補間部183および周波数補間部185に供給する。
ステップS83において、時間補間部183は、SP抽出部182から供給された推定値を用いて、推定値の時間方向の補間を行う。例えば、OFDM信号の図3に示した位置にSPが挿入されている場合、時間補間部183は、シンボル51の推定値と、シンボル52の推定値とを用いて、線形補間により領域61に含まれる他のシンボルの推定値を算出し、同様に他のSPにより算出された推定値を用いて、時間方向に並べられたSPが挿入されているシンボルの間に位置する他のシンボルに対する推定値を算出する。そして、時間補間部183は、時間方向に補間された各シンボルの推定値を周波数補間部184に供給する。
ステップS84において、周波数補間部184は、時間補間部183からの推定値を用いて、推定値の周波数方向の補間を行う。例えば、OFDM信号の図3に示した位置にSPが挿入されている場合、周波数補間部184は、既に算出されたシンボル53乃至シンボル57の推定値のそれぞれを用いて、線形補間により領域62に含まれる他のシンボルについて推定値を算出する。同様に、周波数補間部184は、他の算出された推定値を用いて、周波数方向において推定値が算出されたシンボルの間に位置する他のシンボルに対する推定値を算出する。そして、周波数補間部184は、時間方向および周波数方向に補間された推定値を選択部187に供給する。
ステップS85において、周波数補間部185は、SP抽出部182からの推定値を用いて、推定値の周波数方向の補間を行う。例えば、OFDM信号の図3に示した位置にSPが挿入されている場合、推定値の時間方向の補間は行われていないので、周波数補間部185は、シンボル51の推定値と、図3中、シンボル51から右側に12番目のシンボルの推定値とを用いて、線形補間によりそれらのシンボルの間に配置されているシンボルに対する推定値を算出する。同様に、周波数補間部185は、他のSPにより算出された推定値を用いて、周波数方向においてSPが挿入されているシンボルの間に位置する他のシンボルに対する推定値を算出する。そして、周波数補間部185は、周波数方向に補間された推定値を選択部187に供給する。
ステップS86において、比較回路186は、切り替え回路107から供給された閾値と、ドップラー周波数検出部106の移動平均フィルタ147から供給されたドップラー周波数とを比較して、ドップラー周波数が閾値以上であるかを判定する。
ステップS86において、ドップラー周波数が閾値以上でないと判定された場合、比較回路186は、ドップラー周波数が閾値より小さい旨の信号を選択部187に供給し、処理はステップS87に進む。
ステップS87において、選択部187は、比較回路186からドップラー周波数が閾値より小さい旨の信号が供給されたので、受信装置91が高速で移動していないとして、周波数補間部184から供給された、時間方向および周波数方向に補間された伝送路特性の推定値を選択してシンボル補正部188に供給する。
これに対して、ステップS86において、ドップラー周波数が閾値以上であると判定された場合、比較回路186は、ドップラー周波数が閾値以上である旨の信号を選択部187に供給し、処理はステップS88に進む。
ステップS88において、選択部187は、比較回路186からドップラー周波数が閾値以上である旨の信号が供給されたので、受信装置91が高速で移動しているとして、周波数補間部185から供給された、周波数方向に補間された伝送路特性の推定値を選択してシンボル補正部188に供給する。
ステップS87またはステップS88において、伝送路特性の推定値がシンボル補正部188に供給されると、ステップS89において、シンボル補正部188は、選択部187から供給された各シンボルの伝送路特性の推定値を用いて、遅延部181から供給されたOFDM信号の各シンボルのひずみを補正し、補正されたOFDM信号をデマッピング回路109に供給して、処理は図11のステップS17に進む。
例えば、シンボル補正部188は、遅延部181から供給されたOFDM信号の各シンボルを、選択部187から供給された各シンボルの伝送路特性の推定値で除算することにより、各シンボルのひずみを補正する。
このようにして、等化回路108は、受信装置91が高速で移動しているか否かに応じて時間方向および周波数方向に補間された推定値を用いるか、または周波数方向だけ補間された推定値を用いるかを切り替えて、受信されたOFDM信号のひずみを補正する。
このように、受信装置91が高速で移動しているか否かに応じて時間方向および周波数方向に補間された推定値を用いるか、または周波数方向だけ補間された推定値を用いるかを切り替えることによって、受信装置91の移動速度に応じて、より正確にOFDM信号のひずみを補正することができ、その結果、確実にOFDM信号を復調することができる。
すなわち、受信装置91が高速で移動している場合には、周波数方向にだけ補間された推定値を用いることで、エリアシングの発生を抑制して確実にOFDM信号を復調し、受信装置91が高速で移動していない場合には、時間方向および周波数方向に補間された推定値を用いて、遅延時間がより大きいOFDM信号についても復調することができる。これにより、BER(Bit Error Rate)特性を向上させることができる。
なお、以上においては、0dBフラッターチャネルにおける場合を例として、ドップラー周波数の算出方法について説明したが、他のフラッターチャネルや1波レイリーチャネルにおける場合においても、同様にドップラー周波数を算出することができる。
例えば、1波レイリーチャネルにおける場合、図9に示したように、受信されたOFDM信号の山と谷は周期的に現れるわけではない。すなわちOFDM信号の振動は周期的ではないが、図15を参照して説明したように閾値thを設けて、OFDM信号の振動の周期を求め、その振動の周期の逆数に移動平均処理を施すと、これにより求められる値は、ドップラー周波数と比例関係にあることが知られているので、移動平均処理が施された振動の周期の逆数を示す値から、ドップラー周波数を算出することができる。
また、推定値を時間方向または周波数方向に補間する場合、線形補間に限らず、重み付けを行うなど、他の方法により補間を行うようにしてもよい。
さらに、受信装置91は、OFDM信号を受信したとき、図11を参照して説明した受信処理と並行して、受信されたOFDM信号の利得がほぼ一定となるように調整する処理であるAGC処理を行う。以下、図17のフローチャートを参照して、受信装置91によるAGC処理について説明する。
なお、AGC処理が開始されると受信処理、すなわち図12のステップS51の処理において算出されたドップラー周波数が、ドップラー周波数算出部146から、移動平均フィルタ147を介してAGC部110に供給される。
ステップS111において、AGC部110は、ドップラー周波数検出部106の移動平均フィルタ147から供給されたドップラー周波数が、予め定められた閾値以上であるかを判定する。ステップS111において、ドップラー周波数が閾値以上ではないと判定された場合、処理はステップS112に進む。
ステップS112において、AGC部110は、A/D変換部103がOFDM信号の利得を調整するときの追従速度を遅く設定する。AGC部110は、設定した追従速度を示す信号をA/D変換部103に供給する。
例えば、A/D変換部103は、過去の所定の期間において既に受信されたOFDM信号の利得の絶対値の平均値を求め、その平均値に基づいて、たった今受信されたOFDM信号の利得を増幅させたり、減衰させたりする。
したがって、その平均値を求めるための対象となる期間を長くすれば、平均値を求めるために時間がかかるので、利得の調整時の追従速度は遅くなり、平均値を求めるための対象となる所定の期間を短くすると、直に平均値を求めることができるので追従速度は速くなる。ここで、追従速度は、既に受信されたOFDM信号の利得から、たった今受信されたOFDM信号の利得を増幅または減衰させる値を求めるまでの速度ということができる。
また、ステップS111において、ドップラー周波数が閾値以上であると判定された場合、処理はステップS113に進み、AGC部110は、A/D変換部103がOFDM信号の利得を調整するときの追従速度を速く設定する。AGC部110は、設定した追従速度を示す信号をA/D変換部103に供給する。
例えば、ドップラー周波数が所定の閾値以上である場合、受信装置91は、所定の速度以上で移動していることになる。受信装置91が高速で移動している場合、ドップラー効果の影響で、受信されたOFDM信号の利得は、短い時間の間で急激に変化する。したがって追従速度が遅い場合、A/D変換部103が利得を増幅または減衰させるときに、利得の急激な変化に対応できず、本来ならば、利得を増幅させなければならないときに、利得を減衰させてしまったりして、OFDM信号にかえって悪い影響を与えてしまう恐れがある。
そこで、受信装置91が所定の速度以上の速度で移動している場合、AGC部110は、速い追従速度を設定し、利得の平均値を求めるための対象となる所定の期間を短くして、利得の急激な変化を抑制する。すなわち、追従速度を速くすると、利得が短い時間で急激に変化する場合においても、OFDM信号の利得を増幅または減衰させるべき正確な値を求めることができる。したがって、利得の調整によりOFDM信号にかえって悪い影響を与えてしまうことを抑制するとともに、OFDM信号の利得が一定の値となるように調整することができる。
なお、ドップラー周波数が所定の閾値以上である場合には、利得の調整によりOFDM信号に悪い影響を与えないようにするために、利得の調整を行わないようにしてもよい。
ステップS112またはステップS113において、設定された追従速度を示す信号がAGC部110からA/D変換部103に供給されると、処理はステップS114に進む。
ステップS114において、A/D変換部103は、AGC部110から供給された追従速度を示す信号に基づいて、設定された追従速度でOFDM信号の利得を調整し、AGC処理は終了する。すなわち、A/D変換部103は、速い追従速度が設定された場合には、設定された速い追従速度で利得を調整し、追従速度が遅く設定された場合には、設定された遅い追従速度で利得を調整する。なお、より詳細には、このAGC処理は受信装置91におけるOFDM信号の受信が終了するまで継続して行われる。
このようにして、受信装置91は、受信装置91の移動している速度に応じて、利得の調整の追従速度を変化させ、受信されたOFDM信号の利得が一定の値となるように利得の値を調整する。
このように、受信装置91の移動している速度に応じて、利得の調整の追従速度を変化させることによって、利得の大きな変動を抑制することができ、より確実にOFDM信号のひずみを補正することができる。これにより、受信装置91の受信性能を向上させることができる。
なお、以上においては、OFDM信号の利得の変動の周期を求めることでドップラー周波数を求める構成としたが、離散フーリエ変換を行うことでドップラー周波数を求めるようにしてもよい。そのような場合、図4のドップラー周波数検出部106は、例えば図18に示すように構成される。
図18に示すドップラー周波数検出部106は、絶対値算出部241、LPF242、DFT(Discrete Fourier Transform)演算部243、ドップラー周波数算出部244、および移動平均フィルタ245から構成される。
絶対値算出部241は、A/D変換部103から供給されたOFDM信号の利得の絶対値を算出し、算出した絶対値を利得とするOFDM信号をLPF242に供給する。LPF242は、絶対値算出部241から供給されたOFDM信号の高周波数成分を除去し、高周波数成分が除去されたOFDM信号をDFT演算部243に供給する。
DFT演算部243は、LPF242から供給されたOFDM信号に離散フーリエ変換を施し、離散フーリエ変換が施されたOFDM信号をドップラー周波数算出部244に供給する。ドップラー周波数算出部244は、DFT演算部243から供給されたOFDM信号からドップラー周波数を算出し、移動平均フィルタ245に供給する。移動平均フィルタ245は、ドップラー周波数算出部244から供給されたドップラー周波数に対して移動平均処理を施して、等化回路108およびAGC部110に供給する。
次に、図19のフローチャートを参照して、図18のドップラー周波数検出部106によって行われる、図11のステップS15の処理に対応するドップラー周波数検出処理について説明する。
ステップS141において、絶対値算出部241は、A/D変換部103から供給されたOFDM信号の利得の絶対値を算出し、算出した絶対値を利得とするOFDM信号をLPF242に供給する。
ステップS142において、LPF242は、絶対値算出部241から供給されたOFDM信号の高周波数成分を除去し、高周波数成分が除去されたOFDM信号をDFT演算部243に供給する。例えば、LPF242は、OFDM信号から1000Hz以上の周波数の周波数成分を除去する。
ステップS143において、DFT演算部243は、LPF242から供給されたOFDM信号に離散フーリエ変換を施し、離散フーリエ変換が施されたOFDM信号をドップラー周波数算出部244に供給する。
ステップS144において、ドップラー周波数算出部244は、DFT演算部243から供給されたOFDM信号からドップラー周波数を算出し、移動平均フィルタ245に供給する。
例えば、A/D変換部103がOFDM信号をアナログ信号からデジタル信号に変換するときのサンプリングレートが2KHzである場合、DFT演算部243は、離散フーリエ変換後の1周期分のOFDM信号が、32個の周波数成分の値からなる信号となるように、OFDM信号に対して離散フーリエ変換を施す。この場合、離散フーリエ変換の周波数の区分の単位、すなわち互いに隣接する周波数成分の間隔であるビンは、約62(=2×103/32)Hzとなる。
ドップラー周波数算出部244は、離散フーリエ変換が施されたOFDM信号の値としての各周波数成分の値のうち、その値が最も大きい周波数成分の周波数をドップラー周波数とし、ビンの値62Hzを用いてドップラー周波数を算出する。
離散フーリエ変換を利用してドップラー周波数を算出する場合、離散フーリエ変換後のOFDM信号の1周期に含まれる周波数成分の数を少なくすることで、ドップラー周波数検出部106を構成する回路の規模を小さくすることができる。また、逆に離散フーリエ変換後のOFDM信号の1周期に含まれる周波数成分の数を多くすると、より精度よくドップラー周波数を求めることができる。
ドップラー周波数が算出され、算出されたドップラー周波数が移動平均フィルタ245に供給されると、ステップS145において、移動平均フィルタ245は、ドップラー周波数算出部244から供給されたドップラー周波数に対して移動平均処理を施して、等化回路108およびAGC部110に供給し、処理は図11のステップS16に進む。
このようにして、ドップラー周波数検出部106は、離散フーリエ変換を利用してOFDM信号のドップラー周波数を算出する。
このように、離散フーリエ変換を利用してOFDM信号のドップラー周波数を算出することで、簡単にドップラー周波数を算出することができる。また、ドップラー周波数を求めることにより、そのドップラー周波数を用いて、受信装置91が高速で移動しているか否かを簡単に知ることができる。
さらに、離散フーリエ変換を利用してドップラー周波数を算出する場合、フラッターチャネルや1波レイリーチャネルなどの伝送路の特性によらず、受信されたOFDM信号のドップラー周波数を求めることができる。これにより、より正確にOFDM信号のひずみを補正することができ、その結果、確実にOFDM信号を復調することができる。
上述した一連の処理は、ハードウエアにより実行させることもできるし、ソフトウエアにより実行させることもできる。一連の処理をソフトウエアにより実行させる場合には、そのソフトウエアを構成するプログラムが、専用のハードウエアに組み込まれているコンピュータ、または、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能な、例えば汎用のパーソナルコンピュータなどに、プログラム記録媒体からインストールされる。
図20は、上述した一連の処理をプログラムにより実行するパーソナルコンピュータの構成の例を示すブロック図である。パーソナルコンピュータ301のCPU(Central Processing Unit)311は、ROM(Read Only Memory)312、または記録部318に記録されているプログラムに従って各種の処理を実行する。RAM(Random Access Memory)313には、CPU311が実行するプログラムやデータなどが適宜記憶される。これらのCPU311、ROM312、およびRAM313は、バス314により相互に接続されている。
CPU311にはまた、バス314を介して入出力インターフェース315が接続されている。入出力インターフェース315には、キーボード、マウス、マイクロホンなどよりなる入力部316、ディスプレイ、スピーカなどよりなる出力部317が接続されている。CPU311は、入力部316から入力される指令に対応して各種の処理を実行する。そして、CPU311は、処理の結果を出力部317に出力する。
入出力インターフェース315に接続されている記録部318は、例えばハードディスクからなり、CPU311が実行するプログラムや各種のデータを記録する。通信部319は、インターネットやローカルエリアネットワークなどのネットワークを介して外部の装置と通信する。
また、通信部319を介してプログラムを取得し、記録部318に記録してもよい。
入出力インターフェース315に接続されているドライブ320は、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、或いは半導体メモリなどのリムーバブルメディア331が装着されたとき、それらを駆動し、そこに記録されているプログラムやデータなどを取得する。取得されたプログラムやデータは、必要に応じて記録部318に転送され、記録される。
コンピュータにインストールされ、コンピュータによって実行可能な状態とされるプログラムを格納するプログラム記録媒体は、図20に示すように、磁気ディスク(フレキシブルディスクを含む)、光ディスク(CD-ROM(Compact Disc-Read Only Memory),DVD(Digital Versatile Disc)を含む)、光磁気ディスクを含む)、もしくは半導体メモリなどよりなるパッケージメディアであるリムーバブルメディア331、または、プログラムが一時的もしくは永続的に格納されるROM312や、記録部318を構成するハードディスクなどにより構成される。プログラム記録媒体へのプログラムの格納は、必要に応じてルータ、モデムなどのインターフェースである通信部319を介して、ローカルエリアネットワーク、インターネット、デジタル衛星放送といった、有線または無線の通信媒体を利用して行われる。
なお、本明細書において、プログラム記録媒体に格納されるプログラムを記述するステップは、記載された順序に沿って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的あるいは個別に実行される処理をも含むものである。
なお、本発明の実施の形態は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。
SPの配置を説明するための図である。 従来の等化回路の構成を示すブロック図である。 推定値の補間を説明するための図である。 本発明の一実施の形態の受信装置の構成を示すブロック図である。 ドップラー周波数検出部の構成を示すブロック図である。 等化回路の構成を示すブロック図である。 AWGNチャネルにおけるOFDM信号を示す図である。 フラッターチャネルにおけるOFDM信号を示す図である。 1波レイリーチャネルにおけるOFDM信号を示す図である。 推定値の補間を説明するための図である。 受信処理を説明するフローチャートである。 ドップラー周波数検出処理を説明するフローチャートである。 OFDM信号に施される処理を説明するための図である。 OFDM信号に施される処理を説明するための図である。 ドップラー周波数の算出について説明する図である。 等化処理を説明するフローチャートである。 AGC処理を説明するフローチャートである。 ドップラー周波数検出部の他の構成例を示すブロック図である。 ドップラー周波数検出処理を説明するフローチャートである。 パーソナルコンピュータの構成を示すブロック図である。
符号の説明
91 受信装置, 103 A/D変換部, 106 ドップラー周波数検出部, 108 等化回路, 110 AGC部, 145 サンプリング部, 146 ドップラー周波数算出部, 151 サンプリング制御部, 152 カウンタ, 182 SP抽出部, 183 時間補間部, 184 周波数補間部, 185 周波数補間部, 186 比較回路, 187 選択部, 188 シンボル補正部, 243 DFT演算部, 244 ドップラー周波数算出部

Claims (5)

  1. 受信されたOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)信号のドップラー周波数を算出する算出手段と、
    前記OFDM信号を補正するときに用いられる、前記OFDM信号が伝送された伝送路の特性を示す伝送路特性の推定値として、前記OFDM信号に挿入されているSP(Scattered Pilot)から求められる値が時間方向および周波数方向に補間された推定値か、または前記SPから求められる値が周波数方向に補間された推定値のうちのいずれかを、前記ドップラー周波数に応じて選択する選択手段と、
    選択された推定値を用いて前記OFDM信号を補正する補正手段と
    を備える受信装置。
  2. 前記選択手段は、前記ドップラー周波数が所定の閾値以上である場合、周波数方向に補間された推定値を選択し、前記ドップラー周波数が所定の閾値より小さい場合、時間方向および周波数方向に補間された推定値を選択する
    請求項1に記載の受信装置。
  3. 前記算出手段は、
    前記OFDM信号の利得の絶対値を算出する絶対値算出手段と、
    所定のサンプリングレートで前記絶対値をサンプリングし、前記絶対値が閾値以下となったときから、前記絶対値が前記閾値より大きい値から再び前記閾値以下となるまでの期間にサンプリングした回数をカウントさせるカウント制御手段と、
    カウントされた前記回数、および前記所定のサンプリングレートを用いて前記ドップラー周波数を算出するドップラー周波数算出手段と
    を備える
    請求項1に記載の受信装置。
  4. 受信されたOFDM信号のドップラー周波数を算出し、
    前記OFDM信号を補正するときに用いられる、前記OFDM信号が伝送された伝送路の特性を示す伝送路特性の推定値として、前記OFDM信号に挿入されているSPから求められる値が時間方向および周波数方向に補間された推定値か、または前記SPから求められる値が周波数方向に補間された推定値のうちのいずれかを、前記ドップラー周波数に応じて選択し、
    選択された推定値を用いて前記OFDM信号を補正する
    ステップを含む受信方法。
  5. 受信されたOFDM信号のドップラー周波数を算出し、
    前記OFDM信号を補正するときに用いられる、前記OFDM信号が伝送された伝送路の特性を示す伝送路特性の推定値として、前記OFDM信号に挿入されているSPから求められる値が時間方向および周波数方向に補間された推定値か、または前記SPから求められる値が周波数方向に補間された推定値のうちのいずれかを、前記ドップラー周波数に応じて選択し、
    選択された推定値を用いて前記OFDM信号を補正する
    ステップをコンピュータに実行させるプログラム。
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