JPS642518B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、印刷機の圧胴の外とう面上の二層カ
バーの内層を定められた位置に保持する保持具に
関する。

〔従来の技術〕

印刷機において、圧胴の外とう面上の二層のカ
バーを使用しなくてはならない理由が多くある。
その１つは、“フオーマツトシート”（比較的小さ
な印刷フオーマツトのために使われるシート）を
オフセツト印刷機のゴム胴の上に正確に固定する
ためである。

もし、カバーの内外層を定められた位置に別々
に固定するものとすれば、ある種の問題、特に、
定められた位置に内層を固定する保持具の構造に
おいて、内層を正確に所望の位置に保持すること
が難しいということが問題が生じる。

公知のシステムの１つの例がドイツ特許公開公
報1611325において見られる。それによれば、２
つの支持棒の間で内層を把握することにより二層
のカバーが圧胴に、すなわち印刷機に固定され、
そして、内層を把握する支持棒を正確、かつ所望
の位置に位置決めすることが、圧胴の縁に設けら
れた穴にマグネツトによつて保持される平ねじに
よつて行なわれる。

このシステムでは多くのスペースをとり、さら
に内層を把握した状態の支持棒を取付けることは
長い時間のかかる複雑な作業である。支持棒の位
置は圧胴の縁の穴によつて決まり、この穴の中に
平ねじの頭が落着くことになるのであるが、内層
が支持棒に対して正確な位置におかれることを保
証することは不可能である。

別の提案がドイツ特許公開公報1145185におい
てなされた。それによれば、二層のカバーを、横
断面が縁の一部が欠けた形の圧胴のポケツト部に
おいて、一方は２つの緊張用ローラの間、他方は
圧胴の長さ方向に延びている凹部に固定するため
に、緊張用ローラに平行におかれその回転軸が圧
胴の外とう面の軸方向の凹部の中央にある緊張用
ロツドが用いられている。この緊張用ロツドの横
断面は円形の部分をもち、この円形の部分は内層
を、緊張用ロツドを把握の位置におくときに、圧
胴の緊張用ロツドを収納するポケツト部に対して
おしつける役目をする。この円形部分に続いて１
つまた２つの平面部があり、緊張用ロツドには直
径方向にその平面部を貫通する縦長のスロツトが
あり、このスロツトは、緊張用ロツドが把握の位
置にあるとき、圧胴の外とう内にあつてその軸の
方向に延びている凹部と揃い、カバーの外層を緊
張用ローラへ導く。

このシステムのもつとも重大な欠点は、内層の
取付調整が手でなされなくてはならないので、長
い時間がかかる一方、部品の完全に正確な位置決
めが不可能であることである。緊張用ロツドを用
いて内層をきつく引つぱり把握する方法であるの
で、緊張用ロツドは非常に強く、剛に作られなく
てはならない。最後に、内層を固定する保持具の
縦長のスロツトに外層を通さなくてはならないの
で印刷工が外層を定められた位置に固定するとい
うトラブルが起りがちである。

〔発明が解決しようとする課題〕

従来技術に関するこれらの刊行物を考慮した上
で本発明の目的は、上述した欠点を解消し、殆ん
どスペースをとらず、加えて内層を保持具上の定
められた位置に迅速に固定することを可能にし、
保持具が常に圧胴の軸と平行で、圧胴の外側の縁
から一定の所定の距離に位置する保持具を提供す
ることにある。

〔課題を解決するための手段〕

本発明の、印刷機の圧胴の外とう面上の二層カ
バーの内層を定められた位置に保持する保持具
は、圧胴の長さ方向に延びる実質的に円形の断面
を有する支持棒として形成され、前記支持棒は、
圧胴の長さ方向および円周方向の所定の位置に位
置するように、長さ方向は圧胴の胴枕に固定支持
され、円周方向は圧胴の表面に設けられた凹部の
圧胴の軸に平行な壁と、凹部内に圧胴の軸に平行
に設けられた、外層の緊張装置とに当接支持さ
れ、前記支持棒には、その長さ方向に対して直交
する貫通穴が長さ方向に所定の間隔で形成されて
これら貫通穴に縦横の長さが異なる頭部を備えた
固定用ピンが挿入されており、これら固定用ピン
は、前記内層の前記各貫通穴に対応する位置に形
成された縦横の長さが異なる打抜穴を頭部が通過
して前記内層と係合することにより前記内層を前
記支持棒に固定する働きをする。

このように、本発明の保持具は、長さ方向は圧
胴の胴枕に固定支持され、円周方向は圧胴の表面
に設けられた凹部の圧胴の軸に平行な壁と、凹部
内に圧胴の軸に平行に設けられた、外層の緊張装
置とに当接支持され、長さ方向に対して直交する
貫通穴が長さ方向に所定の間隔で形成されてこれ
ら貫通穴に縦横の長さが異なる頭部を備えた固定
用ピンが挿入された支持棒で構成されているの
で、殆んどスペースをとらず、内層を定められた
位置に正確に、かつ迅速に固定することができ
る。

〔実施例〕

次に、本発明の実施例について図面を参照して
説明する。

印刷機の圧胴１は、その外側に、カバーの外層
４のための２つの緊張装置３を収容する凹部２を
もつている。内層６のための保持具５は、外層
４、その緊張装置３そして凹部２の壁７の間に位
置している。内層６は、本実施例においては、圧
胴１のまわりの一部だけに張られている。

第２図（第１図のＡ部拡大図）に示される保持
具５は圧胴１の全長に亘つて延びている支持棒８
を主体として作りあげられており、この支持棒８
は、内層６がのる平面部９を有し、大体において
円形の横断面を持つている。内層６が取付けられ
た保持具５が、壁７と緊張装置３の間に形成され
たくさび状の横断面の空間１０によつて、圧胴１
の軸に平行な定められた位置に保たれている。さ
らに、この保持具５はきつく引つ張られた外層４
によつてこの空間１０におしつけられている。

内層６と保持具５を結合させるために、支持棒
８上の固定用ピン１１が使われる。おのおのの固
定用ピン１１のステム１２は、そのために支持棒
８に設けられた穴を貫通し、そしてその軸のまわ
りに回転できるようになつている。支持棒８は、
おのおのの固定用ピン１１が支持棒８を貫通して
突き出る位置に切欠き１３をもつている。スプリ
ングワツシヤー１４がカラー１５とおのおのの固
定用ピン１１のステム１２の先端の間に位置し、
横断面が円筒形の頭部１６を支持棒８の平面部９
におしつける機能をもつている。固定用ピン１１
の頭部１６にはさらに両端が丸くなつた棒のよう
な形をした頭部１７がついている（第４図参照）
が、この頭部１７の形として必要な一般的条件
は、その横断面において幅よりも長さが長いとい
うことである。

内層６および固定用ピン１１の頭部１７の内層
６の間に位置する縁補強材１８には、固定用ピン
１１の頭部１７と同じ形をした、正確に位置決め
された打抜穴１９がある。保持具５と内層６を結
合するためには、内層６が支持棒８の上に平面部
９にのるように固定用ピン１１の頭部１７を内層
６の穴をくぐらせる。そしてドライバまたはその
目的のために作られた他の道具を使い、内層６が
定められた位置に固定されるように、固定用ピン
１１を90゜回転させる。縁補強材１８は、固定用
ピン１１で把握されている場所で内層６が裂ける
のを防ぐ役目をする。本発明の保持具５が機能す
るためには、縁補強材１８の長さが圧胴１の長さ
と等しい必要はないし、また固定用ピン１１を正
確に圧胴１の長さ方向に間隔をおいて配置する必
要もない。

圧胴１と保持具５の結合は保持具５の両端にお
いてなされる。支持棒８の端から突出している多
少先細になつたピン２０は、この例では、胴枕２
２内にある位置決め穴２１によつて受けられてい
る。支持棒８の他端にある先細のピン２３は他方
の胴枕２２内にある位置決め穴２１の中にすべり
込んでおり、このピン２３は、一端が支持棒８に
当つているスプリング２４によつて胴枕２２へお
しつけられている。支持棒８の先細のピン２０を
もつている側の端２５と、各々の固定用ピン１１
との間の距離は、打抜穴１９の位置が定められた
とおりになつていることと相まつて、内層６が圧
胴１上の所望の位置に正しく合わされることを保
証されるような定められた大きさになつている。

内層６を位置決め固定するこの方法によれば、
外層４が定められた位置にないときでも、保持具
５がくさび状の横断面の空間１０から脱落するこ
とがないようにすることもさらに可能である。

支持棒２７の端の支持方法の他の実施例を第５
図に示す。

この場合、軸方向に平行な支持個所３，７で受
けられ、それ自体の剛性を考慮する必要がないの
で、支持棒２７をもつと細くできることを示して
いる。その際、支持棒２７の一端に胴枕２２ほ位
置決め穴２１にはまりこむ円錐部２８が設けら
れ、支持棒２７の他端には他方の胴枕２２の受け
穴３０にはまりこむピボツト２９が設けられてい
る。支持棒２７の組付けを容易にするために、こ
の受け穴３０を、胴枕２２の軸に直角に（半径方
向に）走る溝とすることができる。そして、ピボ
ツト２９にかぶさつて肩部３１と胴枕２２に両端
を支持されたスプリング３２によつて、円錐部２
８のはまり具合のよつて決まる支持棒２７の軸方
向の位置決めが保証される。

終りに、内層６を簡単な方法で固定する可能性
について示す。このために縁補強材１８および内
層６に第６図に示すような打抜穴１９，３３が設
けられる。内層６を組付けるために、固定用ピン
１１の頭部１７を内層６をくぐらせて、支持棒２
７の平面部９の上にもつて来る。それから、内層
６を、固定用ピン１１の一つにおいてそのステム
１２が対応する打抜穴１９，３３の縁に当るまで
横にずらす。固定用ピン１１の頭部１７はそうす
ると打抜穴１９，３３にかぶさる形となり、内層
６の固定が実現することになる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の保持具の位置を示す印刷機圧
胴の側面図、第２図は第１図に示す本発明の保持
具の拡大図、第３図は圧胴１の全長に亘る保持具
の構造を示す図、第４図は第３図の示す構造部分
を上から見た図、第５図は保持具の他の実施例を
示す図、第６図は内層６の固定方法の他の例を示
す図である。 １……圧胴、２……凹部、３……緊張装置、４
……外層、５……保持具、６……内層、７……
壁、８，２７……支持棒、９……平面部、１０…
…空間、１１……固定用ピン、１２……ステム、
１３……切欠き、１４……スプリングワツシヤ、
１５……カラー、１６，１７……頭部、１８……
縁補強材、１９，３３……打抜穴、２０，２３…
…先細のピン、２８……円錐部、２９……ピボツ
ト、３０……受け穴、３１……肩部、３２……ス
プリング。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 印刷機の圧胴１の外とう面上の二層カバー
   ４，６のうち内層６を定められた位置に保持し、
   外層４によつてほぼ完全に覆われる保持具であつ
   て、 圧胴１の長さ方向に延びる実質的に円形の断面
   を有する支持棒８，２７として形成され、 前記支持棒８，２７は、圧胴１の長さ方向およ
   び円周方向の所定の位置に位置するように、長さ
   方向は圧胴１の胴枕２２に固定支持され、円周方
   向は圧胴１の表面に設けられた凹部２の圧胴１の
   軸に平行な壁７と、凹部２内に圧胴１の軸に平行
   に設けられた、外層４の緊張装置３とに当接支持
   され、 前記支持棒８，２７には、その長さ方向に対し
   て直交する貫通穴が長さ方向に所定の間隔で形成
   されてこれら貫通穴に縦横の長さが異なる頭部１
   ７を備えた固定用ピン１１が挿入されており、こ
   れら固定用ピン１１は、前記内層６の前記各貫通
   穴に対応する位置に形成された縦横の長さが異な
   る打抜穴１９，３３を頭部１７が通過して前記内
   層６と係合することにより前記内層６を前記支持
   棒８，２７に固定する働きをする、印刷機の圧胴
   の外とう面の二層カバーの内層を定められた位置
   に保持する保持具。 ２ 圧胴１の軸２６に平行に走る凹部２の壁７
   と、凹部２にある外層４の緊張装置３とによつて
   形成されたくさび状の横断面の空間１０の中に、
   外層４を引張つて緊張させると、このくさび状の
   横断面の空間１０内に押し込まれるように支持棒
   ８，２７が支持されている、特許請求の範囲第１
   項記載の保持具。 ３ 支持棒８，２７が、内層６をのせるための平
   面部９と、支持棒８，２７の長さ方向に沿つて配
   列され、縁補強材１８と内層６に設けられた打抜
   穴１９，３３を通して内層６を固定する固定用ピ
   ン１１とを有している、特許請求の範囲第１項ま
   たは第２項記載の保持具。 ４ 固定用ピン１１をその軸のまわりに約90゜回
   転させることにより、内層６が支持棒８，２７に
   固定される、特許請求の範囲第１項ないし第３項
   のいずれか１項に記載の保持具。 ５ 支持棒８の両端に、それぞれ胴枕２２の対応
   する位置決め穴２１で受けられる固定用の先細ピ
   ン２０とスプリング２４で押された先細ピン２３
   が設けられ、固定用ピン１１または内層６と、胴
   枕２２の形となつている圧胴１の先細ピン２０を
   受ける側の端面との距離が支持棒８のスプリング
   ２４で押された先細ピン２３によつて決められ
   る、特許請求の範囲第１項ないし第３項のいずれ
   か１項に記載の保持具。 ６ 内層６を圧胴１の長さ方向に移動させること
   によつて内層６が支持棒８，２７に固定される、
   特許請求の範囲第１項ないし第３項のいずれか１
   項に記載の保持具。 ７ 支持棒２７の両端が、それぞれ円錐部２８と
   ピボツト２９として形成され、円錐部２８は胴枕
   ２２に対応する位置決め穴２１で受けられ、圧縮
   スプリング３２の案内の役目をするピボツト２９
   のための胴枕２２の半径方向に走る溝３０が設け
   られている、特許請求の範囲第１項ないし第３項
   のいずれか１項に記載の保持具。