JPH10500639A - スリップ制御付き液圧ブレーキ装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 本発明は主圧力ライン（２）を介して少なくとも１つのホイールブレーキ（３）に液圧的に接続された圧力発生装置（５）と、上記ホイールブレーキ及び補助圧力ポンプ（１８）の吸引側に接続された戻りラインと、上記圧力発生装置（５）に液圧的に接続された補助圧力ライン（２０）と、上記主圧力ライン（２）及び戻りライン（１６）に挿置され、上記主圧力ライン（２）及び戻りライン（１６）において圧力流体通路を閉塞又は開放保持する入口弁及び出口弁とを具備し、リストリクター（４）は、入口弁（１）とホイールブレーキ（３）間の主圧力ライン（２）において制御可能であり、第１の作動位置においては，ホイールブレーキ（３）に対する主圧力ライン（２）の圧力流体の流れを妨げることなく、他の作動位置においては，リストリクター（４）が、ホイールブレーキ（３）に対する圧力流体の流れを制限することを特徴とするスリップ制御付き液圧ブレーキ装置。

Description

【発明の詳細な説明】 スリップ制御付き液圧ブレーキ装置 本発明は請求項１の前提部に示されるスリップ制御付き液圧ブレーキ装置に関 する。 デジタル式に制御可能な入口弁及び出口弁によるスリップ制御付きブレーキ装 置における不連続な圧力流体制御は、パルス状の圧力変化により発生する好まし くないノイズが生じる。 従って，ＡＢＳ／ＴＣＳ制御動作中の騒音レベルを減じるための種々の対策が 提案されてきた。中でも，国際特許出願ＰＣＴ／ＥＰ００２６６に開示されてい る。上記出願はブレーキ圧発生装置に近い主圧力ライン或いは電磁作動入口弁及 出口弁の分路に圧力振動ダンパーを配置することが開示されている。上記従来の 圧力脈動ダンパーは、振動を弾性的に減衰するエネルギー蓄積要素であり、限ら れた体積膨脹度、流路の長さ及び絞り特性に基き、圧力流体が充填され、その結 果，振動するブレーキ装置に対して、弁の反復切替え時に生じる音の伝達を防止 する。 相対的に柔なペダル感覚やペダル踏みしろの増加は、ブレーキ操作時における 圧力流体のボリューム吸収がもたらす好ましくない結果であり、さらに又，これ は上述の圧力振動ダンパーによっても生じることである。 従って，本発明の目的は現在使用されているブレーキ装置 の簡単な基本的構造を可及的に変更することなく維持すると共に、弁の操作位置 及びノイズの伝達によるノイズを効果的に減じるための解決策を提供することに ある。 上記目的は請求項１における特徴部分の構成により達成される。達成すべき他 の目的及びその解決策は、請求項１１における特徴部分の構成によって可能とな る。 かくして，本発明はホイールブレーキとブレーキ圧発生装置間の圧力差による 作用に従って，弁の反復する切替時に生じる強度の異なる圧力の脈動を減ずると いう考えに基くものであり、入口弁とホイールブレーキ間の流体の流れ断面を、 制御可能なリストリクター或いは絞り部材によって変化させることにより、低減 させる。 さらに本発明の特徴及び有利かつ可能な応用例は、以下述べる各実施例によっ て明らかになる。 図面において， 図１は本発明によるブレーキ装置の液圧回路、 図２は本発明によるブレーキ装置の入口弁の一部断面図、 図３は入口弁の他の実施例の一部断面図、 図４は他の弁構造を示す断面図 である。 図１は本発明のブレーキ装置における液圧回路の概略的に示すものである。ブ レーキ圧力発生装置５は主圧力ライン２によってホイールブレーキ３に接続され ている。基本位置においては電磁的に開かれている入口弁１と、上記入口弁１の 下流側に接続され、基本位置においては作動しないリストリ クター４とは、上記主圧力ライン２に備えられている。制御可能なリストリクタ ー４は、２方向／２位置切換え制御弁として機能する。第１の制御圧力ポート６ は、上記ブレーキ圧力発生装置５の圧力によって作動し、第２方向／２位置切換 え制御弁の対向する制御圧力ポート６´はホイールブレーキ３の圧力によって作 動する。上記２／２方向切換弁に記号的に示されている圧縮スプリング７は、ホ イールブレーキ３に対する圧力流体が最初，絞られていないことを示している。 加えて，戻りライン１６はホイールブレーキ３に接続され、かつ基本位置におい ては閉の電磁作動出口弁１７を介して，補助圧力ポンプ１８の吸入側に接続され ている。さらに，上記戻りライン１６は、過剰な圧力容量を中間的に貯蔵するた めの低圧アキュムレータ１９を有する。上記補助圧力ポンプ１８の圧力側は、補 助圧力ライン２０を介して，ブレーキ圧力発生装置５に接続され、次いで主圧力 ライン２に接続されている。本発明によるバルブ構造は、主圧力ライン２におけ るリストリクター４が、入口弁の切換え操作時、構造上，定められた切換えポイ ントに従い作動すると直ちに、入口弁１に起因する弁作動ノイズを減ずることが できる。上記配置において，リストリクターの機能は、ブレーキ装置の設計基準 によって定められた、例えば１５バール以上の増加する圧力差をもって作動する 。 図２は、入口弁１内にリストリクター機能を組込んだ具体的な構造を示すもの である。上記入口弁１は弁閉塞部材１１と主圧力ライン２の案内通路とを備えた 弁キャリア１０を有 する。好ましくは，上記弁キャリア１０は、カートリッジ型構造の弁収容部材９ 内に組込まれている。 主圧力ライン２における圧力流体は、記号的に示される圧力発生装置５から、 プレート型フィルター２１，開位置にある弁閉塞部材１１及び弁キャリア１０に 挿入された環状フィルター２２を経て横方向ボア１３に伝達し、横ボアは主圧力 ライン２の機能を構成要素として，図２の環状ピストン８と部分的にオーバラッ プしている。上記環状ピストン８は、前端（リストリクター４）のノッチにより ，リストリクター機能を奏し、又，従って環状ピストン８のストロークを変化さ せ、又，上記横方向ボア１３と環状ピストンの端面との間の流体断面を変化させ る。上記環状ピストン８は、弁キャリア１０の延長部において径方向に案内支持 され、又，圧縮スプリング７の作用により、弁収容部材９の段付きボアと上記延 長部間で，逆止カップシールとして作用する環状シール１２上に支持されている 。上記環状シール１２は逆止弁の圧力除去作用を奏し、図１における入口弁に対 して平行に配置され、圧力発生装置５方向に開き、特にコンパクトな構造をもっ て設けられている。上記プレート型フィルター２１は上記延長部にかしめられた 容器状ボウルによって固定されており、上記容器状ボウルは環状ピストン８を直 接調整するため適切な方法で使用される。これは環状ピストン８の閉塞動程に対 する組立て公差を減ずる。上記圧縮スプリング７は、弁キャリア１０の拡大端面 部と隣接する環状ピストン８の端面との間に、必要な取付スペースが最適にする となるように、一対の ポペットばねのごとく圧縮支持されている。 図２に対して，図３におけるリストリクター機能は、環状ピストン８の外周面 を通って延びるリストリクターボアによって奏され、増大する差圧状態で，環状 ピストン８は上記圧縮スプリング７の反対側上方に移動し、横方向ボア１３にオ ーバラップし、流体の流れ断面はリストリクターボアのサイズに減じられる。図 ２の代替案として，図３におけるプレート状フィルター２１は、プラスチック部 材として，弁キャリア１０の外周に固定されている。Ｏリング２４は上記配置構 成のトップに位置し、図２において述べた圧力逃がし作用は、弁キャリア１０に 別個に設けられた球状逆止弁によってなされる。かくして，上記Ｏリング２４は 、専ら環状ピストン８をシールするべく意図され、さらに，環状フィルタ２１に よって保持される。図２及び３の前記実施例に対し，図４は制御ピストン１４に よって制御可能なリストリクター或いは絞り作用を達成するための他の代替構造 体を示すもので、構造的には弁閉塞部材１１と平行に配置されている。上記制御 ピストン１４は、弁キャリア１０内にガイドされ、かつピストン軸部はＯリング ２４によりシールされており、その端面部は弁キャリア１０内に固定されたスト ップディスク２５上に支持されている。上記制御ピストン１４の反対側端面は、 前記実施例と同様に圧縮スプリング７によって作動される。この端面は、主圧力 ライン２に連結する横方向ボア内においてリストリクターの流れ断面を提供する ような構造に形成されている。かくして，制御ピストン１４は、圧力発生装置５ と ホイールブレーキ３間における圧力差が増大し、上記リストリクター断面に達成 するまで，横方向ボア１３を遮断する。上記実施例の特徴は、制御ピストン１４ を低コストで製造できること、及び横方向ボアに対し直交して配置される収容ボ ア１５を収納設置することである。又，弁キャリア１０は実施例に示されるよう に弁収容部材９内に自動かしめによって保持される。しかしながら上記弁はかし め及び／又は嵌合等，詳細な説明を要するまでもないその他の方法で取付けるこ とが可能である。 以上述べた実施例は特に弁キャリア１０或いは弁収容部材９内に，制御可能な 種々のリストリクターを、弁構造の複雑な変形を要することなく，コンパクトに 組み込むことができる。 参照符号のリスト： １ 入口弁 ２ 主圧力ライン ３ ホイールブレーキ ４ リストリクター ５ ブレーキ圧力発生装置 ６ 制御圧力ポート ６´ 制御圧力ポート ７ 圧縮スプリング ８ 環状ピストン ９ 弁収容部材 １０ 弁キャリア １１ 弁閉塞部材 １２ 環状シール １３ 横方向ボア １４ 制御ピストン １５ 収容ボア １６ 戻りライン １７ 出口弁 １８ 補助圧力ポンプ １９ 低圧アキュムレータ ２０ 補助圧力ライン ２１ プレート状フィルタ ２２ 環状フィルタ ２３ 逆止弁 ２４ Ｏリング ２５ ストップディスク

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 フォルツ、ペーター ドイツ連邦共和国、デー―64291 ダルム シュタット、イン・デン・ビンガーテン 14 (72)発明者 ディンケル、ディーター ドイツ連邦共和国、デー―65817 エップ シュタイン／テーエス、アドルフ―グッケ ス―ベーク ２

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １．主圧力ラインを介して少なくとも１つのホイールブレーキに液圧的に接続さ れた圧力発生装置と、上記ホイールブレーキ及び圧力流体収集手段に接続された 戻りラインと、補助圧力ラインを備え，上記圧力発生装置に液圧的に接続された 補助圧力ポンプと、上記主圧力ライン及び戻りラインに挿置され、上記主圧力ラ イン及び戻りラインにおいて圧力流体通路を閉塞又は開放保持する入口弁及び出 口弁とを具備するスリップ制御付き液圧ブレーキ装置において、 リストリクター（４）は、入口弁（１）とホイールブレーキ（３）間の主圧力ラ イン（２）において制御可能であり、第１の作動位置においては，ホイールブレ ーキ（３）に対する主圧力ライン（２）の圧力流体の流れを妨げることなく、他 の作動位置においては，リストリクター（４）が、ホイールブレーキ（３）に対 する圧力流体の流れを制限することを特徴とする液圧ブレーキ装置。 ２．前記リストリクター（４）が、 ホイールブレーキ（３）とブレーキ圧力発生装置（５）間における所定の液圧差 の作用に従って制御位置をとるように制御可能であることを特徴とする請求項１ に記載の液圧ブレーキ装置。 ３．前記リストリクター（４）は、２つの対向して作用する制御圧力ポート（６ 、６´）によって作動し、第１の制御圧力ポート（６）が入口弁（１）と圧力発 生装置（５）間の領 域で主圧力ライン（２）に接続され、第２の制御圧力ポート（６′）がホイール ブレーキ（３）に開放されていることを特徴とする請求項１又は２に記載の液圧 ブレーキ装置。 ４．圧縮スプリング（７）は、制御可能なリストリクター（４）の基本位置を定 め、ブレーキ開放時，制限されない開位置をとることを特徴とする前記請求項の いずれか１つに記載の液圧ブレーキ装置。 ５．前記リストリクター（４）が入口弁（１）と一体の部材であることを特徴と する前記請求項のいずれか１つに記載の液圧ブレーキ装置。 ６．前記制御可能なリストリクター（４）が、環状ピストン（８）の構成要素部 材であり、弁収容部材（９）内に挿置され、電磁的に作動可能な弁閉塞部材（１ １）を収容する弁キャリア（１０）のテーパー状延長部に案内支持されているこ とを特徴とする請求項５に記載の液圧ブレーキ装置。 ７．前記圧縮スプリング（７）が、環状ピストン（８）の端面と弁キャリア（１ ０）の隣接する端面との間に圧縮支持されていることを特徴とする請求項３に記 載の液圧ブレーキ装置。 ８．前記弁キャリア（１０）のシリンシリンダ上記延長部が、弁収容部材（９） の段付きボア内に延出し、そこで環状ピストン（８）が径方向に案内支持され、 かつ軸方向に当接していることを特徴とする請求項６に記載の液圧ブレーキ装置 。 ９．環状シール（１２）が、前記延長部と段付きボア間に配置され、圧縮スプリ ング（７）から離れた環状ピストン（８） の他端面に当接していることを特徴とする請求項８に記載の液圧ブレーキ装置。 １０．前記リストリクター（４）が圧縮スプリング（７）に接触する環状ピスト ン（８）の端面部の領域に配置されていることを特徴とする前記請求項１乃至９ の少なくとも１つに記載の液圧ブレーキ装置。 １１．前記圧縮スプリング（７）に近い環状ピストン（８）の端面が、弁キャリ ア（１０）を介して径方向に延びる少なくとも１つの圧力流体ダクト（１３）と 共に，ストロークに応じて変化する流れ断面を形成することを特徴とする前記請 求項１乃至１０の少なくとも１つに記載の液圧ブレーキ装置。 １２．主圧力ラインを介して少なくとも１つのホイールブレーキに液圧的に接続 された圧力発生装置と、上記ホイールブレーキ及び圧力流体収集手段に接続され た戻りラインと、補助圧力ラインを備え，上記圧力発生装置に液圧的に接続され た補助圧力ポンプと、上記主圧力ライン及び戻りラインに挿置され、上記主圧力 ライン及び戻りラインにおいて圧力流体通路を閉塞又は開放保持する入口弁及び 出口弁とを具備するスリップ制御付き液圧ブレーキ装置において、 制御ピストン（１４）入口弁（１）とホイールブレーキ（３）間の主圧力ライン （２）に設けられ、上記制御ピストンの第１の端面が、圧力発生装置（５）の圧 力によって作動し、その第２の端面が、ホイールブレーキ（３）の液圧及び圧縮 スプリング（７）によって作動することを特徴とする液圧ブレーキ装置。 １３．前記制御ピストン（１４）は電磁的に作動可能な弁閉塞部材（１１）と平 行をなし、主圧力ライン（２）に対し横方向に延びる弁キャリア（１０）の収容 ボア（１５）内に配置されていることを特徴とする請求項１１に記載の液圧ブレ ーキ装置。