JPH09290723A - ホイールシリンダ液圧制御装置 - Google Patents

ホイールシリンダ液圧制御装置

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JPH09290723A
JPH09290723A JP8109032A JP10903296A JPH09290723A JP H09290723 A JPH09290723 A JP H09290723A JP 8109032 A JP8109032 A JP 8109032A JP 10903296 A JP10903296 A JP 10903296A JP H09290723 A JPH09290723 A JP H09290723A
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reservoir
pressure
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wheel cylinder
control
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JP8109032A
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Kazuhiko Kubota
和彦 窪田
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Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
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Publication date
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    • B60TVEHICLE BRAKE CONTROL SYSTEMS OR PARTS THEREOF; BRAKE CONTROL SYSTEMS OR PARTS THEREOF, IN GENERAL; ARRANGEMENT OF BRAKING ELEMENTS ON VEHICLES IN GENERAL; PORTABLE DEVICES FOR PREVENTING UNWANTED MOVEMENT OF VEHICLES; VEHICLE MODIFICATIONS TO FACILITATE COOLING OF BRAKES
    • B60T8/00Arrangements for adjusting wheel-braking force to meet varying vehicular or ground-surface conditions, e.g. limiting or varying distribution of braking force
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    • B60T8/176Brake regulation specially adapted to prevent excessive wheel slip during vehicle deceleration, e.g. ABS
    • B60T8/1763Brake regulation specially adapted to prevent excessive wheel slip during vehicle deceleration, e.g. ABS responsive to the coefficient of friction between the wheels and the ground surface
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
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    • B60T8/4275Pump-back systems

Abstract

(57)【要約】 【課題】リザーバ液量の推定中にリザーバ液量推定値を
監視し、必要な場合に設定値にリセットする液圧制御装
置を得る。 【解決手段】前輪についての増圧制御が設定時間以上継
続して行われた場合には、S33において推定値フラグ
1がセットされる。リザーバ液量推定値が0にリセット
され、遮断弁が連通状態に切り換えられ、ホイールシリ
ンダに作動液が供給される。継続増圧制御時間が設定時
間以上になったのは、実際のリザーバ液量が0であるに
も係わらずリザーバ液量推定値が0より大きいため、制
御マップAに基づく制御が続けられ、作動液が不足して
いる状態にあると推定される。そのため、リザーバ液量
推定値を0にリセットすれば、ホイールシリンダ液圧を
良好に増圧することができる。また、リザーバ液量推定
値を実際のリザーバ液量の値に近づけることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、リザーバにある作
動液量(以下、リザーバ液量と略称する)を推定してリ
ザーバ液量推定値を取得するリザーバ液量推定値取得手
段を備えたホイールシリンダ液圧制御装置に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】特開平1─119462号公報には、
(a) 車輪の回転を抑制するブレーキのホイールシリンダ
の作動液をリザーバへ排出することによってホイールシ
リンダ液圧を減圧し、リザーバの作動液をポンプにより
くみ上げてホイールシリンダに供給することによってホ
イールシリンダ液圧を増圧する液圧制御手段と、(b) リ
ザーバへ排出された作動液の累積排出量およびリザーバ
からくみ上げられた作動液の累積汲上量を推定するとと
もに、これら推定された累積排出量および累積汲上量に
基づいてリザーバ液量を推定してリザーバ液量推定値を
取得するリザーバ液量推定値取得手段とを含むホイール
シリンダ液圧制御装置が記載されている。このホイール
シリンダ液圧制御装置においては、累積排出量が液圧制
御手段によってホイールシリンダ液圧が減圧制御される
減圧時間に基づいて推定され、累積汲上量がポンプによ
ってリザーバから作動液がくみ上げられる汲上時間に基
づいて推定されるようになっている。
【0003】
【発明の解決しようとする課題】上記公報に記載のホイ
ールシリンダ液圧制御装置においては、一旦リザーバ液
量の推定が開始されれば、少なくとも一連のホイールシ
リンダ液圧制御が終了するまでは推定が続けられる。し
かし、実際には、リザーバ液量推定中に、リザーバ液量
推定値が実際のリザーバ液量の値から大きく外れ、その
まま推定を行うことを禁止すべき場合や、実際のリザー
バ液量の値から外れているわけではないが、そのまま推
定を行わない方が望ましい場合がある。後者の場合の一
例は、当該ホイールシリンダ液圧制御装置が、リザーバ
液量推定値が設定値になった場合に予め定められた制御
を行う手段を有する場合において、リザーバ液量推定値
を設定値にリセットすることによって、制御手段を強制
的に作動させることが望ましい場合である。
【0004】そこで、請求項1に係る第一発明の第一課
題は、リザーバ液量の推定中、すなわち液圧制御手段に
よるホイールシリンダ液圧の制御中にホイールシリンダ
液圧制御装置の状態を監視し、必要な場合にリザーバ液
量推定値を設定値にリセットする機能を有するホイール
シリンダ液圧制御装置を得ることであり、請求項2に記
載の第二発明の第二課題は、リザーバ液量推定値が実際
のリザーバ液量の値から大きく外れ、そのまま推定を行
うことを禁止すべき場合に、リザーバ液量推定値を実際
のリザーバ液量に近づけることを可能とすることであ
り、請求項3に記載の第三発明の第三課題は、リザーバ
液量推定値が設定値になった場合に予め定められた制御
を行う手段を有するホイールシリンダ液圧制御装置にお
いて、その予め定められた制御を行う手段の有効利用を
図ることである。
【0005】
【課題を解決するための手段】第一の課題は、前記(a)
の液圧制御手段と、(b) のリザーバ液量推定値取得手段
とを含むホイールシリンダ液圧制御装置において、リザ
ーバ液量推定値取得手段を、液圧制御手段によるホイー
ルシリンダ液圧制御中にホイールシリンダ液圧制御装置
の状態が設定条件を満たした場合に、リザーバ液量推定
値を設定値にリセットする推定値リセット手段を含むも
のとすることによって解決され、第二の課題は、設定条
件を、液圧制御手段によりホイールシリンダの液圧を継
続的に増圧制御する継続増圧制御時間が設定時間以上に
なったこととし、設定値を最小値とすることによって解
決される。
【0006】ここで、「ホイールシリンダ液圧制御装置
の状態」には、液圧制御手段の状態やリザーバ液量推定
値取得手段の状態等が含まれる。液圧制御手段の状態に
はホイールシリンダ液圧の制御状態等が含まれ、リザー
バ液量推定値取得手段の状態にはリザーバ液量の推定状
態等が含まれる。また、「設定値」は、値自体が予め決
められている固定値のみならず、値を決定するための規
則等が予め定められており、その規則等に基づいてその
都度設定される変動値(演算値)をも含む。さらに、
「設定値」は目的に合わせて種々のものを採用し得る。
例えば、リザーバの容量に基づいて決まる容量関連値、
作動液が不足している,過剰である等リザーバ液量の状
態に起因して現れる液圧制御状態に対応して決まる液圧
制御状態対応値、通常のホイールシリンダ液圧制御が行
われる場合を想定して決められる値等現実にそうである
可能性が高い高可能性値等が採用可能である。容量関連
値には、例えば、リザーバ容量に対応する容量値(リザ
ーバに容量一杯の作動液があることを示す値)、容量値
の半分の値(リザーバに平均的な作動液があることを示
す値)等が該当する。液圧制御状態対応値には、例え
ば、リザーバ液量が不足である場合の設定値や、リザー
バ液量が過剰である場合の設定値が該当し、前者には、
リザーバに作動液が無いことを示す0やリザーバ液量が
過少であることを示す過少値が該当し、後者にはリザー
バが満杯であることを示す容量値やリザーバ液量が過多
であることを示す過多値が該当する。また、高可能性値
には、通常の一連の液圧制御(一般に複数回の減圧制御
や増圧制御を含む)中におけるリザーバ液量の平均値
や、リセットの必要性を生じさせた事態の発生直前のリ
ザーバ液量に対応する直前値、液圧制御開始時からリセ
ットされるまでの間に通常の液圧制御が行われたと想定
して推定されるリサーバ液量に対応する通常液量値等が
該当する。上記容量関連値や液圧制御状態対応値や高可
能性値のうちの平均値は前記固定値に該当し、高可能性
値のうちの直前値や通常液量値は前記変動値に該当す
る。
【0007】継続増圧制御時間は、継続的に行われる一
回の増圧制御の時間であり、複数回の増圧制御が行われ
る場合における増圧制御時間の和ではない。そして、継
続的な一回の増圧制御には、ホイールシリンダに作動液
が連続して供給される増圧制御のみならず、増圧と保持
とが繰り返される緩増圧制御も含まれる。また、設定時
間は、例えば、通常、液圧制御手段により継続的に増圧
制御が行われることがない時間とすることができ、設定
値としての最小値は、リザーバにポンプによってくみ上
げ可能な作動液が無いことを示す値、例えば0とするこ
とができる。
【0008】また、第三の課題は、液圧制御手段を、
(c) ホイールシリンダとマスタシリンダとを接続する主
液通路の途中に設けられ、これらを連通させる連通状態
と遮断する遮断状態とに切換可能なマスタシリンダ遮断
装置と、(d) リザーバ液量推定値が下限値以下になった
場合に、マスタシリンダ遮断装置を遮断状態から連通状
態に切り換えるマスタシリンダ遮断装置制御手段とを含
むものとし、かつ、設定条件を、液圧制御手段によるホ
イールシリンダ液圧制御開始後に車輪のスリップ状態が
設定スリップ状態より浅い低スリップ状態が設定時間以
上継続したこととし、設定値を前記下限値以下の値とす
ることによって解決される。ここで、低スリップ状態
は、液圧制御手段によるホイールシリンダ液圧の増圧制
御が十分に行われていない状態であると考えることがで
きるため、ホイールシリンダ液圧制御装置の状態の一態
様であると考えることができる。また、上記「下限値」
は、リザーバ液量の推定にある程度の誤差が生じても、
リザーバにポンプによってくみ上げ可能な作動液が無く
なる前に確実にマスタシリンダ遮断装置を連通状態に切
り換えるために、リザーバにポンプによってくみ上げ可
能な作動液が無いことを示す値に一定の余裕値を加えた
値に設定される。したがって、上記「設定値」を、例え
ば、リザーバにポンプによってくみ上げ可能な作動液が
無いことを示す値とすれば確実に目的を達し得る。な
お、スリップ状態が浅い状態は、スリップ率が設定すり
っぷ率より低い状態やスリップ量が設定スリップ量より
小さい状態等である。
【0009】
【第一ないし第三発明の作用および効果】第一発明のホ
イールシリンダ液圧制御装置においては、当該ホイール
シリンダ液圧制御装置の状態が設定条件を満たさない場
合はリザーバ液量推定値はリセットされないが、設定条
件を満たす場合は予め定められた設定値にリセットされ
る。リザーバ液量推定値が実際のリザーバ液量の値から
外れていても外れていなくても設定値にリセットされる
のである。設定条件は、リザーバ液量の推定を継続する
ことを禁止すべき状態になった場合や、推定を継続しな
い方が望ましい状態になった場合等に満たされる。
【0010】まず、推定の継続を禁止すべき状態になっ
た場合の設定条件について説明する。この場合の設定条
件は、例えば、第二発明におけるように、液圧制御手段
によりホイールシリンダの液圧を継続的に増圧制御する
継続増圧時間が設定時間以上になったこととすることが
できる。リザーバ液量推定値が実際のリザーバ液量の値
より大きい場合は、リザーバ液量推定値に基づいてはリ
ザーバにおいて作動液が不足しているとの判定は行われ
ないが、実際には作動液が不足することがある。リザー
バに作動液が不足している状態においては、増圧制御が
行われてもホイールシリンダに作動液が供給されないた
めにホイールシリンダ液圧が増大せず、減圧制御や保持
制御の開始条件が満たされないため、継続増圧制御時間
が設定時間以上になる。換言すれば、継続増圧制御時間
が設定時間以上になった場合は、リザーバにおいて作動
液が不足しているとみなすことができるのであり、リザ
ーバ液量推定値が最小値にリセットされるようにすれ
ば、実際のリザーバ液量に近づけることができる。リザ
ーバ液量の推定精度を向上させなくてもリザーバ液量推
定値を容易に妥当な値にすることができるのである。
【0011】また、設定条件を、液圧制御手段によりホ
イールシリンダの液圧を継続的に減圧制御する継続減圧
時間が設定時間以上になったこととすることもできる。
リザーバ液量推定値が実際のリザーバ液量の値より小さ
い場合には、リザーバ液量推定値に基づいてはリザーバ
において作動液が過剰であるとの判定は行われないが、
実際には過剰であり、それ以上作動液を収容できない状
態になることがある。この状態においては、減圧制御が
行われてもホイールシリンダからリザーバに作動液が排
出されないために減圧が行われず、ホイールシリンダ液
圧が減少せず、増圧制御や保持制御の開始条件が満たさ
れないため、継続減圧制御時間が設定時間以上になる。
そこで、リザーバ液量推定値が最大値にリセットされる
ようにして、リザーバ液量推定値を実際のリザーバ液量
の値に近づけるのである。ここで、最大値は、リザーバ
がそれ以上作動液を収容できない状態にあることを示す
値、例えば、容量値とすることができる。
【0012】上記2つの態様は、リザーバ液量推定値自
体を監視しても、その推定値が実際のリザーバ液量の値
と異なっているか否かを検出することができないため、
液圧制御手段による制御状態が監視される態様であると
考えることができる。リザーバ液量推定値が誤っている
ことに起因した事態が起きるか否かを監視すれば、リザ
ーバ液量推定値を間接的に監視することになるのであ
る。
【0013】それに対して、ホイールシリンダ液圧制御
装置に異常が発生したことに起因してリザーバ液量推定
値が実際のリザーバ液量の値と異なる値になる場合に
は、リザーバ液量推定値自体やリザーバ液量推定値の一
定時間当たりの変化量等を監視すればリザーバ液量推定
値が信頼できないものとなったことを検出することがで
き、設定条件を、これらリザーバ液量関連量が予め定め
られた設定範囲内の大きさにないこととすることができ
る。リザーバ液量推定値取得手段や液圧制御手段に異常
が発生すれば、リザーバ液量の推定が正常に行われなく
なり、リザーバ液量推定値が0以下の値になったり、非
常に大きな値になったり、リザーバ液量推定値の一定時
間当たりの変化量があり得ない大きさとなったりする。
したがって、リザーバ液量推定値自体が負になる、リザ
ーバ容量に対応する容量値より設定値以上大きくなる、
一定時間当たりの変化量が設定変化量以上となる等の条
件が満たされた場合には、それら異常発生の原因と推定
される事項に対応して、リザーバ液量推定値が前述の
0,過少値,容量値,過多値,容量値の半分の値,平均
値,直前値,通常液量値等にリセットされるようにする
のである。
【0014】上記「一定時間当たりの変化量」の一定時
間は、1ms等の単位時間としてもよいが、リザーバ液量
を推定する推定周期等予め定められた時間とすることも
できる。また、異常は、電気系統に生じることが多く、
例えば、電気ノイズの発生や一時的な電源ダウン等があ
る。なお、リザーバ液量推定値関連量は、リザーバ液量
推定値取得手段によるリザーバ液量の推定状態を反映す
る量であるため、リザーバ液量推定値関連量が設定範囲
外にあるか否かを監視することは、リザーバ液量推定値
取得手段によるリザーバ液量の推定状態が設定条件を満
たすか否かを監視することに含まれると考えることがで
きる。
【0015】次に、前記リザーバ液量の推定を継続しな
い方が望ましい場合の設定条件について説明する。この
場合の設定条件は、例えば、第三発明に記載のように、
車輪のスリップ状態が設定スリップ状態より浅い低スリ
ップ状態が設定時間以上継続したこととすることができ
る。第三発明のホイールシリンダ液圧制御装置のよう
に、マスタシリンダ遮断装置とマスタシリンダ遮断装置
制御手段とを含む場合において、リザーバ液量推定値が
下限値以下の値にリセットされれば、マスタシリンダ遮
断装置が連通状態に切り換えられ、ホイールシリンダ液
圧が急速に増圧される。
【0016】この場合には、リザーバ液量推定値が実際
のリザーバ液量の値と異なったからリセットされるので
はなく、本来別の目的で設けられているマスタシリンダ
遮断装置とマスタシリンダ遮断装置制御手段とを有効利
用するためにリセットされるのである。マスタシリンダ
遮断装置とその制御手段とは、リザーバにポンプにより
くみ上げ可能な作動液が無くなってホイールシリンダ液
圧の増圧が不可能になることを回避するために設けられ
ているものであるため、リザーバ液量推定値が下限値以
下となればマスタシリンダ遮断装置制御手段がマスタシ
リンダ遮断装置を連通状態とし、マスタシリンダから作
動液がホイールシリンダに供給される。それに対して、
第三発明のホイールシリンダ液圧制御装置においては、
例えば、路面μが急に高くなる等によってホイールシリ
ンダ液圧を急速に増大させることが望ましく、リザーバ
には十分な作動液があるにもかかわらず、ポンプの吐出
容量が不足であるために十分な増圧勾配が得られないと
いう不都合を解消するために、リザーバ液量推定値が便
宜的に下限値以下の値にリセットされ、それに応じてマ
スタシリンダ遮断装置制御手段がマスタシリンダ遮断装
置を連通状態とし、マスタシリンダから作動液がホイー
ルシリンダに供給されて、増圧勾配が大きくされるので
ある。
【0017】
【発明の補足説明】本発明は、上記請求項に記載された
態様の他、以下の態様でも実施することができる。実施
の態様は、便宜上、請求項と同じ形式の実施態様項とし
て記載する。 (1)前記推定値リセット手段が、前記液圧制御手段に
よるホイールシリンダ液圧の制御状態が設定条件を満た
した場合に、前記リザーバ液量推定値を予め定められた
設定値にリセットする液圧制御状態対応推定値リセット
手段を含むものである請求項1に記載のホイールシリン
ダ液圧制御装置。 (2)前記推定値リセット手段が、前記リザーバ液量推
定値取得手段によるリザーバ液量の推定状態が設定条件
を満たした場合に、前記リザーバ液量推定値を予め定め
られた設定値にリセットする液量推定状態対応推定値リ
セット手段を含むものである請求項1に記載のホイール
シリンダ液圧制御装置。前述のように、当該ホイールシ
リンダ液圧制御装置の状態には、液圧制御手段の状態と
リザーバ液量推定値取得手段の状態とが含まれる。ま
た、液圧制御手段の状態にはホイールシリンダ液圧の制
御状態が含まれ、リザーバ液量推定値取得手段の状態に
はリザーバ液量の推定状態が含まれる。 (3)前記設定条件が、前記液圧制御手段によりホイー
ルシリンダの液圧を継続的に減圧制御する継続減圧制御
時間が設定時間以上になったことと、車輪のスリップ状
態が設定スリップ状態より深い高スリップ状態が設定時
間以上継続したこととの少なくとも一方であり、前記設
定値が最大値である請求項1〜3,実施態様項1,2の
いずれか1つに記載のホイールシリンダ液圧制御装置。
ここで、継続的な減圧制御には、前述の継続的な増圧制
御と同様に、作動液が連続して排出される急減圧制御や
急減圧と保持とが繰り返される緩減圧制御が含まれる。
また、スリップ状態が深い状態は、前述と同様に、スリ
ップ率が設定スリップ率より高い状態やスリップ量が設
定スリップ量より大きい状態等である。減圧制御が設定
時間以上継続して行われたり高スリップ状態が設定時間
以上継続したりするということは、実際のリザーバ液量
が過剰で、ホイールシリンダの作動液が良好に排出され
ない状態にあると推定することができる。その場合に、
リザーバ液量推定値を最大値にリセットすれば、実際の
リザーバ液量に近づけることができる。 (4)当該ホイールシリンダ液圧制御装置が、前記ポン
プを駆動するモータの出力を制御するモータ出力制御装
置と、前記リザーバ液量推定値が前記最大値になった場
合に、そのモータの出力を最大とするモータ出力最大化
手段とを含む実施態様項3に記載のホイールシリンダ液
圧制御装置。本実施態様項に記載のホイールシリンダ液
圧制御装置においては、リザーバ液量推定値が最大値に
なった場合に、リザーバから作動液が急速にくみ上げら
れる。その結果、ホイールシリンダ液圧の良好な減圧が
可能になる。モータ制御装置が、モータに供給する電流
をデューティ制御するデューティ制御装置を含む場合に
は、デューティ制御比を最大にすれば、モータの出力を
最大にすることができる。 (5)前記設定条件が、前記リザーバ液量推定値に関連
するリザーバ液量推定値関連量が設定範囲外の大きさに
なったことである請求項1または実施態様項2に記載の
液圧制御装置。リザーバ液量推定値関連量には、前述の
ように、リザーバ液量推定値自体や、リザーバ液量推定
値の一定時間当たりの変化量等が含まれる。この場合に
は、設定値を容量値や0等とすることもできるが、容量
値と0との間の中間値である高可能性値等とすることも
できる。なお、設定条件をリザーバ液量推定値取得手段
と液圧制御手段との少なくとも一方に異常が検出された
こととすることもでき、この場合には、ホイールシリン
ダ液圧制御装置は、異常検出手段、電気ノイズ検出手
段、一時的電源ダウン検出手段等を含むことになり、こ
れらの検出時にリザーバ液量推定値が高可能性値にリセ
ットされることとなる。 (6)当該ホイールシリンダ液圧制御装置が、前記リザ
ーバへ作動液を供給する作動液供給装置と、前記リザー
バ液量推定値が下限値以下になった場合に、作動液供給
装置にリザーバへ作動液を供給させる作動液供給装置制
御手段とを含む請求項1〜3,実施態様項1〜5のいず
れか1つに記載のホイールシリンダ液圧制御装置。本実
施態様項のホイールシリンダ液圧制御装置においては、
リザーバ液量推定値が下限値以下になった場合に、リザ
ーバに作動液が供給される。そのため、リザーバに作動
液不足が生じることが良好に回避される。作動液供給装
置は、リザーバへ作動液溜から作動液を直接供給する作
動液直接供給装置であっても、一旦ホイールシリンダに
供給し、そのホイールシリンダ液圧の減圧制御時に作動
液をリザーバへ供給する作動液間接供給装置であっても
よい。請求項3に記載のマスタシリンダ、主液通路、マ
スタシリンダ遮断装置等は作動液間接供給装置の一態様
と考えることができる。このように、ホイールシリンダ
液圧制御装置が、リザーバ液量推定値が設定値になった
場合に予め定められた制御を行う手段を有する場合に
は、リザーバ液量推定値をその設定値にリセットするこ
とによってその制御を強制的に作動させることができ
る。換言すれば、ある制御を行うことが望ましい場合に
は、リザーバ液量推定値をその設定値にリセットすれば
よいのであり、当該制御手段の有効利用を図り得るので
ある。 (7)前記ホイールシリンダ液圧制御装置が、前記リザ
ーバとマスタシリンダとを接続するリザーバ液通路の途
中に設けられ、これらを遮断する遮断状態と連通させる
連通状態とに切換可能なリザーバ連通装置と、前記リザ
ーバ液量推定値が下限値以下になった場合に、前記リザ
ーバ連通装置を遮断状態から連通状態に切り換えるリザ
ーバ連通装置制御手段とを含む請求項1〜3,実施態様
項1〜6のいずれか1つに記載のホイールシリンダ液圧
制御装置。マスタシリンダ、リザーバ液通路、リザーバ
連通装置等は、作動液直接供給装置の一態様である。ま
た、これらリザーバ連通装置等を設ければ、トラクショ
ン制御が可能となる。 (8)前記液圧制御手段が、少なくとも、車輪の回転を
抑制するブレーキのホイールシリンダの作動液をリザー
バへ排出することによってホイールシリンダ液圧を減圧
する減圧制御手段と、リザーバの作動液をポンプにより
くみ上げて前記ホイールシリンダに供給することによっ
てホイールシリンダ液圧を増圧する増圧制御手段とを含
む請求項1〜3,実施態様項1〜7のいずれか1つに記
載のホイールシリンダ液圧制御装置。 (9)前記液圧制御手段が、前記車輪の制動スリップ状
態が適正状態になるように前記ホイールシリンダ液圧を
制御するアンチロック制御手段と、前記車輪の駆動スリ
ップ状態が適正状態になるように前記ホイールシリンダ
液圧を制御するトラクション制御手段との少なくとも一
方を含む請求項1〜3,実施態様項1〜8のいずれか1
つに記載のホイールシリンダ液圧制御装置。 (10)前記累積排出量がホイールシリンダ液圧の減圧
制御時間に基づいて推定され、前記累積供給量がポンプ
の汲上時間に基づいて推定される請求項1〜3,実施態
様項1〜9のいずれか1つに記載の液圧制御装置。 (11)当該液圧制御装置が、当該液圧制御装置を搭載
した車両の減速度を取得する減速度取得装置を含み、前
記リザーバ液量推定値取得手段が、前記減速度取得装置
によって取得された車両減速度を加味してリザーバ液量
推定値を取得する減速度加味推定値取得手段を含む実施
態様項10に記載の液圧制御装置。リザーバ液量推定値
は、ホイールシリンダ液圧の減圧制御時間およびポンプ
の汲上時間に基づいて取得することができるが、車両減
速度を加味すれば、推定精度を向上させることができ
る。 (12)前記液圧制御手段が、前記ホイールシリンダと
マスタシリンダとを接続する主液通路の途中に設けら
れ、これらを連通させる連通状態と遮断する遮断状態と
に切換可能なマスタシリンダ遮断装置と、前記リザーバ
液量推定値が下限値以下になった場合に、前記マスタシ
リンダ遮断装置を遮断状態から連通状態に切り換えるマ
スタシリンダ遮断装置制御手段とを含み、当該ホイール
シリンダ液圧制御装置が、前記液圧制御手段によるホイ
ールシリンダの液圧制御中の路面μを取得する路面μ取
得手段を含み、かつ、前記設定条件が、前記路面μ取得
手段によって取得された路面μが設定値以上高くなった
ことであり、前記設定値が下限値以下である請求項1に
記載のホイールシリンダ液圧制御装置。路面μ取得手段
は、例えば、車両減速度に基づいて路面μを取得する車
両減速度対応路面μ取得手段としたり、車輪の特殊な挙
動に基づいて路面μを取得する車輪挙動対応路面μ取得
手段手段としてもよい。また、請求項3のように、低ス
リップ状態が設定時間以上継続すれば、路面μが設定値
以上高くなったと推定することができるため、請求項3
に記載のリザーバ液量推定値取得手段は車輪挙動対応路
面μ取得手段を含むものと考えることもできる。 (13)車輪の回転を抑制するブレーキのホイールシリ
ンダの作動液をリザーバへ排出することによってホイー
ルシリンダ液圧を減圧し、リザーバの作動液をポンプに
よりくみ上げて前記ホイールシリンダに供給することに
よってホイールシリンダ液圧を増圧する液圧制御手段
と、前記リザーバへ排出された作動液の累積排出量およ
びリザーバからくみ上げられた作動液の累積汲上量を推
定するとともに、これら推定された累積排出量および累
積汲上量に基づいてリザーバにある作動液量を推定して
リザーバ液量推定値を取得するリザーバ液量推定値取得
手段とを含むホイールシリンダ液圧制御装置であって、
前記リザーバ液量推定値取得手段によるリザーバ液量の
取得中にリザーバ液量推定値が妥当か否かを監視する監
視手段を含むことを特徴とするホイールシリンダ液圧制
御装置。ここで、「リザーバ液量推定値が妥当」である
場合には、リザーバ液量推定値が実際のリザーバ液量に
近い値である場合の他、請求項3,実施態様項6,7に
記載のようにリザーバ液量推定値に基づく制御にとっ
て、そのリザーバ液量推定値が好都合な値である場合も
含まれる。換言すれば、監視手段による監視には、リザ
ーバ液量推定値が実際のリザーバ液量の値と異なってい
るか否かを問題にして行われる監視の他に、リザーバ液
量推定値がマスタシリンダ遮断装置の制御にとって望ま
しい値か否かを問題にして行われる監視等も含まれるの
である。例えば、第三発明に係るホイールシリンダ液圧
制御装置においてマスタシリンダ遮断装置制御手段を作
動させることが望ましい状況において、リザーバ液量推
定値が下限値以下の値であれば、制御にとって妥当な値
であることになるが、下限値より大きい値である場合に
は妥当な値ではないことになるのである。一般的にリザ
ーバ液量推定値そのものを監視しても、その値が妥当か
否かを判断することは困難である。そのため、請求項
2,3等に記載のように、液圧制御手段による制御状態
が設定条件を満たしたか否かが判断され、それに基づい
て、リザーバ液量推定値が妥当か否かが判断されるよう
にすることは有効である。それに対して、実施態様項5
に記載のように、異常等が発生した場合には、リザーバ
液量推定値自体が異常な大きさになるため、リザーバ液
量推定値を直接監視したり、リザーバ液量推定値関連量
を監視したりすればリザーバ液量推定値が妥当か否かが
わかる。このように、監視手段には、請求項2,3等の
ように、液圧制御手段の制御状態が設定条件を満たすか
否かを監視することによってリザーバ液量推定値を監視
する間接的監視手段と、実施態様項5に記載のように、
リザーバ液量推定値関連量の大きさを監視する直接的監
視手段とを含むのである。 (14)車輪の回転を抑制するブレーキのホイールシリ
ンダの作動液をリザーバへ排出することによってホイー
ルシリンダ液圧を減圧する減圧制御装置と、前記リザー
バの作動液をポンプによりくみ上げて前記ホイールシリ
ンダに供給することによってホイールシリンダ液圧を増
圧する増圧制御装置と、前記ホイールシリンダとマスタ
シリンダとを接続する主液通路の途中に設けられ、これ
らを連通させる連通状態と遮断する遮断状態とに切換可
能なマスタシリンダ遮断装置と、前記車輪の状態が設定
条件を満たす場合に前記マスタシリンダ遮断装置を遮断
状態から連通状態に切り換えるマスタシリンダ遮断装置
制御手段と、を含むホイールシリンダ液圧制御装置。前
記設定条件は、例えば、車輪のスリップ状態が設定スリ
ップ状態より低スリップ状態が設定時間以上継続したこ
ととすることができる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、第一ないし第三発明に共通
の一実施形態であるホイールシリンダ液圧制御装置を搭
載した液圧ブレーキ装置について図面に基づいて詳細に
説明する。図3に示す液圧ブレーキ装置は、ダイヤゴヤ
ル2系統式のアンチスキッド型ブレーキ装置である。図
において、符号10はマスタシリンダである。マスタシ
リンダ10は互いに独立した2つの加圧室が直列に並ん
だタンデム型であり、ブースタ11を介してブレーキ操
作部材としてのブレーキペダル12に連結させられてい
る。運転者によるブレーキペダル12の操作力に応じて
2つの加圧室には互いに等しい高さの液圧がそれぞれ機
械的に発生させられる。
【0019】マスタシリンダ10の一方の加圧室には右
前輪14のフロントホイールシリンダ16と左後輪18
のリヤホイールシリンダ20とがそれぞれ接続され、他
方の加圧室には、図示しない左前輪のフロントホイール
シリンダと右後輪のリヤホイールシリンダとがそれぞれ
接続されている。マスタシリンダ10の各加圧室から延
びる2つのブレーキ系統が互いに独立してダイヤゴナル
に構成されているのである。以下、フロントホイールシ
リンダ16とリヤホイールシリンダ20とが接続された
ブレーキ系統のみを詳細に説明し、他のブレーキ系統に
ついては構成が同じであるため、説明を省略する。
【0020】マスタシリンダ10の一方の加圧室は前輪
ブレーキ通路である主液通路22によりフロントホイー
ルシリンダ16に接続されている。その主液通路22の
途中から後輪ブレーキ通路である副液通路24が分岐さ
せられており、その先端にリヤホイールシリンダ20が
接続されている。主液通路22のうちの副液通路24の
接続位置よりマスタシリンダ10側の部分には、常開の
開閉弁であるマスタシリンダ遮断装置としての遮断弁3
0が設けられている。主液通路22には、また、遮断弁
30をバイパスする戻り通路32が接続されており、そ
の途中に逆止弁34が設けられている。逆止弁34は、
マスタシリンダ10からフロントホイールシリンダ16
に向かう向きの作動液の流れは阻止するが、逆向きの流
れは許容するものである。この逆向きの流れを許容する
際の開弁圧は実質的に0である。戻り通路32,逆止弁
34は、ブレーキペダル12の踏込みが緩められた場合
に、フロントホイールシリンダ16の作動液をマスタシ
リンダ10に戻すために設けられたものである。詳述す
れば、戻り通路32および逆止弁34は、通常ブレーキ
状態においてブレーキペダル12の踏込みが緩められた
場合に、ホイールシリンダ16の作動液をマスタシリン
ダ10に早急に戻す役割だけでなく、アンチロック制御
中においても、踏込みが緩められた場合に、ホイールシ
リンダ16の作動液をマスタシリンダ10に戻す役割も
有している。本実施例においては、後述するように、ア
ンチロック制御中は遮断弁30は、たいてい遮断状態に
保たれるため、ホイールシリンダ16の作動液を遮断弁
30を経て戻すことができないが、戻り通路32および
逆止弁34を経れば戻すことができるのである。
【0021】副液通路24にはプロポーショニングバル
ブ(以下、単にPバルブと略称する)36が設けられて
いる。このPバルブ36は、よく知られたものであるた
め、詳細な説明は省略するが、入力圧が折れ点圧以下で
ある場合には、入力圧をそのまま出力圧としてリヤホイ
ールシリンダ20に伝達し、入力圧が折れ点圧を越えれ
ば、後輪ロックを回避するために、入力圧を一定比率で
減圧した液圧を出力圧としてリヤホイールシリンダ20
に伝達するものである。Pバルブ36には、通常制動時
には、マスタシリンダ10の作動液が供給されるが、ア
ンチロック制御時には、ポンプ38から吐出された作動
液が供給される。前者の場合には、入力圧は、マスタシ
リンダ圧となり、後者の場合には、ポンプ38の吐出圧
となる。
【0022】副液通路24のPバルブ36よりマスタシ
リンダ10側の部分には常開の増・減圧開閉弁40が設
けられている。また、副液通路24の、増・減圧開閉弁
40とPバルブ36との間には減圧通路42が接続され
ている。減圧通路42はリザーバ44から延びており、
その途中には、常閉の減圧開閉弁46が設けられてい
る。
【0023】リザーバ44からは、前記ポンプ38が設
けられたポンプ通路としての増圧通路48が延びてい
る。ポンプ38はリザーバ44の作動液を汲み上げて加
圧してフロント,リヤ両ホイールシリンダ16,20に
供給するものであり、モータ52によって駆動される。
増圧通路48は副液通路24のうちの増・減圧開閉弁4
0よりマスタシリンダ10側の部分に接続されている。
本実施形態においては、ポンプ38は、プランジャポン
プであり、モータ52の回転速度にほぼ比例してそれの
吐出流量が増加するものである。モータ52の回転速度
は供給電流の増加に伴って大きくなる。したがって、モ
ータ52への供給電流に基づいて吐出流量を推定するこ
とができる。本実施形態においては、供給電流は一定と
されているが、後述するが、推定されたリザーバ液量の
値(以下、リザーバ液量推定値と称する)が最大値とし
ての容量値以上の場合には供給電流が最大とされる。
【0024】副液通路24の増・減圧開閉弁40とPバ
ルブ36との間の部分とマスタシリンダ10とは戻り通
路54によって接続されている。戻り通路54には、逆
止弁56が設けられている。逆止弁56は、マスタシリ
ンダ10からリヤホイールシリンダ20に向かう方向の
作動液の流れを阻止し、逆向きの流れを許容するもので
ある。この逆向きの流れを許容する際の開弁圧は実質的
には0である。戻り通路54,逆止弁56は、戻り通路
32,逆止弁34と同様に、リヤホイールシリンダ20
の作動液をマスタシリンダ10に早急に戻すために設け
られたものである。
【0025】副液通路24のうち増圧通路48が接続さ
れた部分よりマスタシリンダ10側には減圧装置60が
設けられている。減圧装置60は、第一逆止弁62と第
二逆止弁64とを備えたものであり、これらが互いに逆
向きに、かつ並列に配設されている。第一逆止弁62
は、フロントホイールシリンダ16から増・減圧開閉弁
40への作動液の流れは阻止するが、逆向きの流れは許
容するものであるが、その場合の開弁圧は0ではない。
第二逆止弁64は、フロントホイールシリンダ16から
増・減圧開閉弁40への作動液の流れは許容するが逆向
きの流れは阻止するものであり、開弁圧は実質的に0で
ある。
【0026】ここで、マスタシリンダ10,ポンプ3
8,減圧装置60,フロントホイールシリンダ16およ
びリヤホイールシリンダ20間での作動液の流れを簡単
に説明する。通常ブレーキ状態では、ポンプ38は作動
せず、遮断弁30は開状態にある。マスタシリンダ10
からの作動液が遮断弁30を経てフロントホイールシリ
ンダ16に供給されるとともに、遮断弁30および第二
逆止弁64を経てリヤホイールシリンダ20に供給され
る。第二逆止弁64の開弁圧は実質的に0であるから、
フロントホイールシリンダ16とリヤホイールシリンダ
20とには、それぞれ等しい高さの液圧の作動液が供給
される。また、ブレーキ状態が解除されれば、フロント
ホイールシリンダ16の作動液は、逆止弁34を経てマ
スタシリンダ10に戻され、リヤホイールシリンダ20
の作動液は、逆止弁56を経てそれぞれマスタシリンダ
10に戻される。
【0027】アンチロック制御時にはポンプ38が作動
状態にある。遮断弁30が閉状態にある場合には、ポン
プ38から吐出された作動液がそのままリヤホイールシ
リンダ20に供給されるとともに、第一逆止弁62を経
てフロントホイールシリンダ16に供給される。第一逆
止弁62は一定の開弁圧を有しているため、フロントホ
イールシリンダ16には、リヤホイールシリンダ20よ
り第一逆止弁62の開弁圧だけ低い液圧の作動液が供給
されることになる。
【0028】すなわち、液圧源がマスタシリンダ10の
場合には、前輪制動力と後輪制動力とは互いに等しくな
るが、液圧源がポンプ38の場合には、後輪制動力は前
輪制動力より相対的に開弁圧に相当する制動力分(以
下、開弁圧分と略称する)だけ大きくなるのである。
【0029】以上説明した機械的なブレーキ構成部品の
うち破線で囲まれた領域内に存在するものはユニット化
されており、車両のフロント側に搭載されている。その
結果、副液通路24の増・減圧開閉弁40とPバルブ3
6との間の部分が長くなり、その部分における流路抵抗
が大きくなる。そのために、後述するように、アンチロ
ック制御中のフロントホイールシリンダ16に対する減
圧制御時に、フロントホイールシリンダ16から流出さ
せられた作動液が、リヤホイールシリンダ20に流入し
難くなっている。
【0030】本液圧ブレーキ装置は、コントローラ70
を備えている。コントローラ70は、CPU,ROM,
RAMおよびバスを含むコンピュータ,A/Dコンバー
タ等を主体として構成されたものである。入力部には、
右前輪14,左後輪18の回転速度を検出する車輪速セ
ンサ72,74,図示しない左前輪,右後輪の回転速度
を検出する車輪速センサ等が接続され、出力部には、開
閉弁30,40,46のソレノイドおよびモータ52等
が、図示しない駆動回路を介して接続されている。
【0031】ROMには、図4のフローチャートで表さ
れるリザーバ液量推定プログラム(リザーバ液量推定値
取得プログラムと称することもできる),図1,2のフ
ローチャートでそれぞれ表されるリザーバ液量推定値監
視プログラム,図5のフローチャートで表される制御マ
ップ選択プログラム,図6のフローチャートで表される
モータ出力制御プログラムの他、推定車体速度等演算プ
ログラム,アンチロック制御プログラム,ポンプ汲み上
げ量推定プログラム,制御マップA,制御マップB,図
7で表される流入流量選択マップ等種々のプログラムや
マップが格納されている。
【0032】推定車体速度等演算プログラムの実行によ
って、車輪速センサ72,74等の出力信号に基づい
て、推定車体速度VSOが求められるとともに、その推定
車体速度VSOを時間で微分することにより車体減速度D
SOが求められる。また、車輪速センサ72,74等の
出力信号と推定車体速度VSOとに基づいて各車輪14,
18等のスリップ率が求められる。
【0033】アンチロック制御プログラムにおいては、
上述の推定車体速度等演算プログラムの実行により求め
られた推定車体速度,車体減速度,各車輪14,18の
スリップ率等に基づき、制御マップA,Bに従って、表
1に示す各モードが決定され、各開閉弁30,40,4
6のソレノイドやモータ52が駆動回路を介して制御さ
れる。モータ52は、アンチロック制御の開始時に駆動
開始され、アンチロック制御中は継続して駆動される。
また、アンチロック制御が終了した後も一定時間だけ駆
動され、リザーバ44内に収容された作動液がすべてマ
スタシリンダ10に戻される。したがって、アンチロッ
ク制御開始時には、リザーバ液量は0である。
【0034】
【表1】
【0035】本実施例においては、制御マップ選択プロ
グラムの実行により制御マップAと制御マップBとのい
ずれかが選択される。図5のフローチャートにおいて、
ステップ1(以下、S1と略称する。他のステップにつ
いても同様とする)において、リザーバ液量推定プログ
ラムの実行により取得されたリザーバ液量推定値CRE
(n) が0より大きいか否かが判定される。0より大き
い場合には、S1における判定がYESとなり、S2に
おいて制御マップAが選択され、0以下の場合には、判
定がNOとなり、S3において制御マップBが選択され
る。すなわち、リザーバ44に作動液があると推定され
た場合には制御マップAが選択され、作動液がないと推
定された場合には制御マップBが選択されるのである。
なお、リザーバ液量推定値CRES(n) は、イグニッシ
ョンスイッチのON操作に応じて実行される初期設定に
おいてクリアされ、また、1回のアンチロック制御終了
時にもクリアされるため、各アンチロック制御の開始時
には0になっている。リザーバ液量推定プログラムにつ
いては後述する。
【0036】まず、制御マップAに基づいてアンチロッ
ク制御が行われる場合について説明する。制御マップA
は、表2に示される。
【0037】
【表2】
【0038】アンチロック制御が、最初に、右前輪14
に対して開始されるか、左後輪18に対して開始される
か、右前輪14および左後輪18の両方に対して同時に
開始されるかは、路面の状態や制動力の大きさ等により
決まるが、説明が簡単であるため、まず、左後輪18に
対してアンチロック制御が最初に開始される場合につい
て説明する。左後輪18のスリップが右前輪14より先
に増大傾向かつ過大になると(以下、単に、スリップが
過大であると称する)、第三モードが設定され、遮断弁
30が開状態に、増・減圧開閉弁40が閉状態に、減圧
開閉弁46が開状態に切り換えられる。リヤホイールシ
リンダ20の作動液のみが流出させられてリザーバ44
に流入させられる。また、遮断弁30が開状態にあるた
め、フロントホイールシリンダ16にはマスタシリンダ
10の作動液が供給される。リヤホイールシリンダ20
の液圧が減圧される一方、フロントホイールシリンダ1
6の液圧は増圧を許容され、リヤホイールシリンダ20
には減圧モードが、フロントホイールシリンダ16には
増圧モードがそれぞれ設定されるのである。
【0039】また、左後輪18のスリップが回復傾向に
なれば、第二モードが設定される。遮断弁30が開状態
に保たれたまま、増・減圧開閉弁40,減圧開閉弁46
が閉状態に切り換えられる。リヤホイールシリンダ20
の液圧が保持され、フロントホイールシリンダ16の液
圧は、上記と同様に、増圧を許容される。さらに、左後
輪18のスリップが回復すれば、第一モードと第二モー
ドとが交互に設定される。遮断弁30が開状態に、減圧
開閉弁46が閉状態に保たれたまま、増・減圧開閉弁4
0が開状態と閉状態とに交互に切り換えられるのであ
る。リヤホイールシリンダ20に対しては、増圧制御と
保持制御とが交互に行われ、液圧は緩増圧される。緩増
圧モードが設定された場合には継続的に液圧が増圧され
るため、継続的な増圧制御が行われることになる。
【0040】このように、左後輪18に対してのみアン
チロック制御が行われている間に右前輪14のスリップ
が過大になれば、右前輪14に対してもアンチロック制
御が開始され、第四モード〜第七モードが設定される。
左後輪18に対してのみアンチロック制御が行われる場
合には、第一〜第三モードが設定され、遮断弁30は開
状態に保たれるのであるが、後述するように、右前輪1
4に対してのみアンチロック制御が行われる場合あるい
は右前輪14および左後輪18に対して行われる場合に
は、原則として第四〜第七モードが設定されて、遮断弁
30が閉状態に保たれる。遮断弁30の開閉を伴う制御
を行うことも可能なのであるが、遮断弁30を開状態に
保つと、ブレーキペダル12にキックバックが生じた
り、液圧の脈動が大きくなり易かったりするため、閉状
態に保たれることが望ましいのである。また、ポンプ3
8を吐出能力の小さなものとすることが可能となる。
【0041】左後輪18に対して、右前輪14に対して
より先にアンチロック制御が開始されるのは、例えば、
車両制動がまたぎ路上で行われる場合であって、路面の
摩擦係数が高い部分に前輪が接し、低い部分に後輪が接
する場合や、車両の左旋回中に制動が行われる場合であ
る。この場合には、前輪がロックしない範囲でできる限
りフロントホイールシリンダ圧を高めることが路面の利
用率を高めて制動距離の短縮を図る上で望ましい。した
がって、本実施例においては、左後輪18に対してのみ
アンチロック制御が行われる場合には、第一〜第三モー
ドが設定されて遮断弁30が開状態に保たれ、フロント
ホイールシリンダ16には常にマスタシリンダ10の作
動液が供給されるようにされているのである。
【0042】次に、左後輪18に対してアンチロック制
御が開始される前に右前輪14に対してアンチロック制
御が開始される場合について説明する。右前輪14のス
リップが過大になると、第七モードが設定される。遮断
弁30が閉状態に切り換えられるとともに、増・減圧開
閉弁40および減圧開閉弁46が開状態に切り換えら
れ、フロント,リヤ両ホイールシリンダ16,20がリ
ザーバ44に連通させられるのである。フロントホイー
ルシリンダ16の作動液が流出させられ、第二逆止弁6
4,増・減圧開閉弁40,減圧開閉弁46を経てリザー
バ44に流入させられ、リヤホイールシリンダ20から
流出させられた作動液は、減圧開閉弁46を経てリザー
バ44に流入させられる。
【0043】本液圧ブレーキ装置においては、フロント
ホイールシリンダ16の液圧のみを減圧することができ
ないため、フロントホイールシリンダ16の液圧を減圧
する場合には、必ずリヤホイールシリンダ20の液圧も
左後輪18のスリップ状態とは無関係に減圧される。フ
ロントホイールシリンダ16とリヤホイールシリンダ2
0との両方に減圧モードが設定されることになるのであ
る。しかし、前述のように、副液通路24の増・減圧開
閉弁40とPバルブ36との間においては流路抵抗が大
きくされているため、リヤホイールシリンダ20からは
作動液が流出し難く、フロントホイールシリンダ14か
らの作動液の流出が速やかに行われる。
【0044】第七モードが設定されたことにより、右前
輪14のスリップが回復傾向になれば、第四モードが設
定され、増・減圧開閉弁40が開状態,減圧開閉弁46
が閉状態にされる。フロント,リヤ両ホイールシリンダ
16,20がリザーバ44から遮断されてポンプ38の
吐出口に連通させられるのである。この時点において
は、リザーバ44に作動液があるため、リザーバの作動
液がポンプ38によって汲み上げられ、増・減圧開閉弁
40,Pバルブ36を経てリヤホイールシリンダ20に
供給され、液圧が増圧される。また、フロントホイール
シリンダ16には、第一逆止弁62を経て供給されるの
であるが、ポンプ38から吐出された作動液の液圧とフ
ロントホイールシリンダ16の液圧との液圧差が開弁圧
に達するまでの間は供給されない。その間においては液
圧は保持される。この場合には、フロントホイールシリ
ンダ16には保持モードが設定され、リヤホイールシリ
ンダ20には増圧モードが設定されることになる。
【0045】第七モードの後に第四モードが設定された
場合には、ポンプ38によって汲み上げられた作動液
は、リヤホイールシリンダ20に供給される。そのた
め、リヤホイールシリンダ20の液圧が、本来減圧する
必要がない場合に第七モードが設定されることによって
減圧された場合に、リヤホイールシリンダ20の液圧を
早急に回復させることが可能となるのである。
【0046】第四モードが比較的長い時間設定されてい
る場合や第四モードに設定された時点におけるリヤホイ
ールシリンダ20の液圧がそれほど低くない場合には、
フロントホイールシリンダ16にも、第一逆止弁62を
経て作動液が供給されることになる。その場合には、フ
ロントホイールシリンダ16には増圧モードあるいは緩
増圧モードが設定される考えることも可能である。しか
し、本実施例においては、フロントホイールシリンダ1
6の液圧を保持する目的で第四モードが設定されるた
め、保持モードが設定されるとみなされるのである。
【0047】右前輪14のスリップが回復すれば、第四
モードと第五モードとが交互に設定される。すなわち、
減圧開閉弁46が閉状態に保たれたまま、増・減圧開閉
弁40が開状態と閉状態とに交互に切り換えられるので
ある。増・減圧開閉弁40が閉状態に切り換えられた場
合には、フロント,リヤ両ホイールシリンダ16,20
はリザーバ44から遮断される一方、ポンプ38の吐出
口がフロントホイールシリンダ16に連通させられる。
ポンプ38から吐出された作動液は、リヤホイールシリ
ンダ20に供給されないで、フロントホイールシリンダ
16のみに供給される。それに対して、増・減圧開閉弁
40が開状態に切り換えられた場合には、ポンプ38か
ら吐出された作動液は、主としてリヤホイールシリンダ
20に供給される。第四モードと第五モードとが交互に
設定されれば、フロントホイールシリンダ16に対して
は、保持制御と増圧制御とが交互に行われ、液圧は緩増
圧される。リヤホイールシリンダ20に対しては、フロ
ントホイールシリンダ16に対する制御とは反対の時期
に増圧制御と保持制御とが交互に行われ、やはり緩増圧
される。
【0048】このように、右前輪14に対してのみアン
チロック制御が行われる場合には、右前輪14のスリッ
プ率の大きさに基づいて第七モード,第四モード,第五
モードが設定されるのであるが、第七モードが設定され
ると、前述のように、フロントホイールシリンダ16の
液圧と共に、リヤホイールシリンダ20の液圧も減圧さ
れる。そのため、右前輪14に対してアンチロック制御
が先に開始された場合に、左後輪18に対してアンチロ
ック制御が開始され難くなる。左後輪18のスリップが
過大にならないように、予防的にホイールシリンダ20
の液圧が減圧されたのと同じことになるからである。
【0049】しかし、第七モードが設定された後に第四
モードが設定され、さらに、第四モードと第五モードと
が交互に設定されれば、リヤホイールシリンダ20の液
圧が増圧されるため、左後輪18のスリップが過大にな
る可能性も生じる。その場合には、左後輪18に対して
もアンチロック制御が開始されることになる。これは、
右前輪14に対してアンチロック制御が行われている場
合に左後輪18に対してアンチロック制御が開始される
一因であるが、他にも、路面の状態変化等によって、右
前輪14に対してアンチロック制御が行われている間に
左後輪18に対してアンチロック制御が開始される場合
もある。また、稀にではあるが、右前輪14および左後
輪18の両方に対して同時にアンチロック制御が開始さ
れる場合もある。
【0050】以下、右前輪14および左後輪18の両方
の車輪に対してアンチロック制御が行われる場合につい
て説明する。ただし、少なくとも右前輪14のスリップ
が過大である場合、すなわち、右前輪14および左後輪
18の両方の車輪のスリップが過大である場合あるいは
右前輪14のみのスリップが過大である場合には、前述
のように第七モードが設定されてフロント,リヤ両ホイ
ールシリンダ16,20の液圧が減圧される。
【0051】また、右前輪14のスリップが回復傾向に
あり、左後輪18のスリップが過大である場合には、第
五モードと第七モードとが交互に設定される。第五モー
ドが設定され、増・減圧開閉弁40,減圧開閉弁46が
共に閉状態に切り換えられれば、ポンプ38から吐出さ
れた作動液は第一逆止弁62を経てフロントホイールシ
リンダ16に供給される。また、第七モードが設定され
れば、上述のようにフロント,リヤ両ホイールシリンダ
16,20がリザーバ44に連通させられる。したがっ
て、第五モードと第七モードとが交互に設定されれば、
フロントホイールシリンダ16に対しては増圧制御と減
圧制御とが交互に行われ、液圧が保持される。リヤホイ
ールシリンダ20に対して保持制御と減圧制御とが交互
に行われ、液圧は減圧される。フロントホイールシリン
ダ16には保持モードが設定され、リヤホイールシリン
ダ20には減圧モードが設定されるのである。
【0052】右前輪14のスリップが回復し、左後輪1
8のスリップが過大である場合には、第六モードが設定
され、リヤホイールシリンダ20の液圧が減圧され、フ
ロントホイールシリンダ16の液圧が増圧される。フロ
ントホイールシリンダ16には増圧モードが設定され、
リヤホイールシリンダ20には減圧モードが設定される
のである。
【0053】右前輪14および左後輪18のスリップが
共に回復傾向にある場合には、第五モード,第七モー
ド,第四モードおよび第七モードが交互に設定される。
増・減圧開閉弁40は主として開状態にあり、減圧開閉
弁46は閉状態と開状態とに交互に切り換えられる。フ
ロントホイールシリンダ16に対しては、増圧制御,減
圧制御,保持制御および減圧制御が交互に行われ、ま
た、リヤホイールシリンダ20に対しては、保持制御,
減圧制御,増圧制御および減圧制御が交互に行われるの
である。ここでは、増・減圧開閉弁40,減圧開閉弁4
6の切換えが、フロント.リヤの両ホイールシリンダ1
6,20液圧を保持することを目的として制御される。
【0054】右前輪14のスリップが回復し、左後輪1
8のスリップが回復傾向にある場合には、第五モードが
設定され、増・減圧開閉弁40および減圧開閉弁46が
共に閉状態に切り換えられる。フロントホイールシリン
ダ16の液圧は増圧され、リヤホイールシリンダ20の
液圧は保持される。フロント,リヤホイールシリンダ1
6,20には、増圧モード,保持モードがそれぞれ設定
されるのである。また、右前輪14のスリップが回復傾
向にあり、左後輪18のスリップが回復した場合には、
第四モードが設定され、左後輪18および右前輪14の
両方のスリップが回復した場合には、第四モードと第五
モードとが交互に設定される。
【0055】なお、アンチロック制御中は、前述のよう
に、ポンプ38は作動状態に保たれる。そのため、ポン
プ38から吐出された作動液が過剰となれば、戻り通路
32を経てマスタシリンダ10に戻される。換言すれ
ば、フロントホイールシリンダ16の液圧はマスタシリ
ンダ10の液圧より高くはならないのであり、逆止弁3
4は、リリーフ弁としての機能も備えることになる。
【0056】さて、制御マップAに基づいてアンチロッ
ク制御が行われている間(右前輪14に対してのみ行わ
れる場合あるいは右前輪14および左後輪18の両方に
対して行われる場合)は、遮断弁30が閉状態に保たれ
るため、制御途中において、リザーバ液量が0になるお
それがある。リザーバ液量が0になると、フロントホイ
ールシリンダ16やリヤホイールシリンダ20に作動液
を供給することができなくなり、増圧できなくなる。そ
れで、本実施形態においては、リザーバ液量が推定さ
れ、リザーバ液量推定値が0以下の場合には、アンチロ
ック制御が制御マップBに基づいて行われるようにされ
ているのである。
【0057】制御マップBに基づく制御について説明す
る。制御マップBは表3に示される。表2と表3とにお
いては、右前輪14のスリップが回復した場合(右前輪
14および左後輪18の両方のスリップが回復した場合
を含む)における制御が異なるが、それ以外の場合にお
ける制御は同じである。
【0058】
【表3】
【0059】右前輪14のスリップが回復した場合以外
においては作動液が不足するおそれはないからである。
右前輪14に対してアンチロック制御が行われていない
場合には、左後輪18のスリップ状態に応じて第一モー
ド〜第三モードが設定されるが、これらにおいては遮断
弁30が開状態に保たれるため問題はない。右前輪14
のスリップが過大である場合には、減圧が行われてリザ
ーバ液量が増大するためやはり問題はない。それに対し
て、右前輪14のスリップが回復傾向にある場合には、
第四〜第七モードが設定され、増圧が行われる場合があ
るが、右前輪14について言えば、第五モードと第七モ
ードとの交互繰返し,第五モード,第七モード,第四モ
ードおよび第七モードの繰返しのいずれにおいても、減
圧制御の後に増圧制御または保持制御が行われるため、
リザーバ液量が大きく減少することはない。また、第四
モードは必ず第七モードの実行によりリザーバ液量が増
大した直後に設定されるため、同様に、作動液が不足す
るおそれはない。左後輪18について言えば、第五モー
ド,第七モード,第四モードおよび第七モードの繰返し
では、保持あるいは増圧と減圧とが交互に設定されるた
め、作動液が不足するおそれはないのである。
【0060】右前輪14のみに対してアンチロック制御
が行われている場合において、右前輪14のスリップが
回復した場合には、制御マップAに基づく制御によれ
ば、第四モードと第五モードとが交互に設定されるが、
制御マップBに基づく制御によれば、第一モード,第四
モード,第二モードおよび第五モードが交互に設定され
ることになる。減圧開閉弁46が閉状態に保たれた状態
において、遮断弁30と増・減圧開閉弁40とが開状態
と閉状態とに交互に切り換えられるのであり、遮断弁3
0が開状態にされることによってマスタシリンダ10の
作動液がフロントホイールシリンダ16やリヤホイール
シリンダ20に供給されるため、作動液不足が生じるこ
とが回避される。
【0061】また、右前輪14および左後輪18の両方
に対してアンチロック制御が行われており、右前輪14
のスリップが回復し、左後輪18のスリップが過大であ
る場合には、第三モードと第六モードとが交互に設定さ
れる。増・減圧開閉弁40が閉状態,減圧開閉弁46が
開状態にある状態において、遮断弁30が開状態と閉状
態とに交互に切り換えられるのであり、遮断弁30が開
状態にされることによってマスタシリンダ10の作動液
がフロントホイールシリンダ16に供給される。右前輪
14のスリップが回復し、左後輪18のスリップが回復
傾向にある場合には、第五モードと第二モードとが交互
に設定される。増・減圧開閉弁40および減圧開閉弁4
6が共に閉状態に保たれたままで遮断弁30が交互に開
閉され、マスタシリンダ10の作動液がフロントホイー
ルシリンダ16に供給される。右前輪14および左後輪
18のいずれのスリップも回復した場合には、前述の右
前輪14のみに対してアンチロック制御が行われている
場合において右前輪14のスリップが回復した場合と同
様である。
【0062】前述のように制御マップAまたは制御マッ
プBに基づいてアンチロック制御が行われるのである
が、本液圧ブレーキ装置においては減圧装置60が設け
られ、ポンプ38から吐出された作動液が減圧装置60
を経てフロントホイールシリンダ16に供給されるよう
になっている。そのため、第四モードが設定されること
により増圧制御が行われる場合には、フロントホーイル
シリンダ16の液圧がリヤホイールシリンダ20の液圧
に遅れて増圧されることになる。そして、第四モードが
設定されるのは第七モードが設定されて減圧制御が行わ
れた後であることが多い。したがって、アンチロック制
御開始当初において、後輪制動力を早急に大きくするこ
とが可能となる。また、後輪制動力の前輪制動力に対す
る相対的な増加が、従来の液圧ブレーキ装置における場
合より、後輪ロックに至り難い領域において可能とな
る。さらに、アンチロック制御中には、液圧源がポンプ
38とされるため、前後制動力配分点を、液圧源はマス
タシリンダ10の場合より、後輪制動力が大きい側に移
動させることができるため、積車時に理想配分線に近づ
けた制御が可能となるのである。
【0063】次に、リザーバ液量の推定について説明す
る。以下、右前輪14のフロントホイールシリンダ16
および左後輪18のリヤホイールシリンダ20について
共通に設けられたリザーバ44に収容された作動液量を
推定する場合について説明する。図示しない左前輪のフ
ロントホイールシリンダおよび右後輪のリヤホイールシ
リンダに共通に設けられたリザーバのリザーバ液量の推
定は、同様に行われるため、説明を省略する。
【0064】リザーバ液量は、リザーバ44に流入され
たと推定される累積流入量(ホイールシリンダから排出
された累積排出量と同じ)と、リザーバ44からポンプ
38によって汲み上げられたと推定される累積汲上量と
に基づいて推定される。累積流入量は、(減圧時間)×
(単位時間当たりにフロント,リヤホイールシリンダ1
6,20各々から排出されてリザーバ44に流入する作
動液流入量(流入流量KX :X=f,r))に基づいて
推定される。流入流量KX は、ホイールシリンダとリザ
ーバとの差圧が大きいほど大きいが、リザーバ44の液
圧はほぼ一定であるためホイールシリンダの液圧が高い
ほど大きくなる。したがって、車体減速度と流入流量と
の間にはほぼ一義的な関係が存在する。流入流量K
X は、後述するが、車体減速度の大きさと流量決定フラ
グの状態とに基づいて流入流量選択マップに従って決め
られる。
【0065】累積汲上量、すなわち、ポンプ38によっ
て汲み上げられる作動液量は、フローチャートは図示し
ないが、ポンプ汲み上げ量推定プログラムの実行によっ
て取得される。累積汲上量は、(ポンプ38の汲上時
間)×(ポンプ38の吐出流量(ポンプ38から単位時
間当たりに吐出される作動液量))に基づいて推定され
る。ポンプの吐出流量は、モータ52への供給電流が大
きいほど大きくなるが、本実施形態においては、アンチ
ロック制御中は供給電流は一定とされているため、吐出
流量は一定とされる。モータ52は、図6のフローチャ
ートで表されるモータ出力制御プログラムの実行に従っ
て制御される。S4において、リザーバ液量推定値CR
ES(n) が読み込まれ、容量値以上か否かが判定され
る。容量値より小さい場合は、S5において、デューテ
ィ制御比が予め定められた値とされるが、容量値以上の
場合は、S6において、デューティ制御比が1とされる
のである。その結果、ポンプ38の吐出能力は最大とな
り、リザーバ44の作動液は急速にくみ上げられること
になる。ポンプ38の汲上時間は、前回推定時と今回推
定時との間の時間である。前述のように、本実施形態に
おいては、モータ52はアンチロック制御中は作動状態
に保たれるからである。アンチロック制御開始後最初に
推定される場合には、アンチロック制御開始時から推定
時までの時間となる。
【0066】また、リザーバ液量の推定が行われている
間には、タイマ割込みにより、その車輪についてアンチ
ロック制御プログラムの実行により設定されたモード
(増圧モード,減圧モード,保持モード)が読み込ま
れ、そして、設定されたモードが減圧モードの場合に
は、減圧時間tdx(tdf,tdr)が計測される。減圧時
間t dxは、リザーバ液量の前回の推定が行われてから今
回の推定が行われるまでのリザーバ液量推定間隔内にお
いてその車輪について減圧モードが設定されていた時間
であり、前回の推定時から今回の推定時までの間にその
車輪のホイールシリンダから作動液が流出してリザーバ
44に流入する時間である。減圧時間tdxはリザーバ液
量の1回の推定が終了する毎に0にされるが、その車輪
について減圧モードが設定されている限り、継続して計
測される。
【0067】リザーバ液量の推定は、図4のフローチャ
ートに従って行われるが、このプログラムは、少なくと
も1つの車輪についてアンチロック制御が行われている
間実行され、2輪共アンチロック制御が終了した場合に
は実行されなくなり、かつ、リザーバ液量推定値CRE
(n) が0にされる。S11において、後述する推定値
フラグ1〜3の少なくとも1つがリセット状態からセッ
ト状態に切り換わったか否かが判定される。リセット状
態からセット状態に切り換わった推定値フラグがあれ
ば、S12〜19は実行されず、S22以降が実行され
る。推定値フラグ1〜3の少なくとも1つがセット状態
に切り換わった場合には、リザーバ液量推定値が予め定
められた設定値にリセットされるのである。
【0068】S12〜16のステップは1輪ずつに対し
て個別に行われ、2輪共に実行が終了した後、S18,
19において、リザーバ液量推定値が取得されるのであ
る。S12において、その車輪についてアンチロック制
御中か否かが判定され、制御中の場合には、S13にお
いて、その車輪について設定された制御モードが減圧モ
ードか否かが判定され、制御中でない場合には、S17
が実行される。その車輪が前輪14の場合には、上述の
ように、その前輪14についてアンチロック制御中か否
かが判定されるのであるが、後輪18の場合には、後輪
18について制御中か否かが判定されるとともに、その
後輪18と減圧開閉弁46を共有する前輪14について
(その車輪が左後輪18の場合には右前輪14につい
て、その車輪が右後輪の場合には左前輪について)も制
御中か否かが判定される。後輪18および前輪14の少
なくとも一方について制御中であると判定された場合
に、判定がYESとなる。表2の制御マップAに示すよ
うに、例えば、前輪14に対して減圧モードが設定され
ることによって第七モードが設定された場合には、後輪
18が非制御中であっても、後輪18に対して減圧モー
ドが設定されることになる。したがって、後輪18が非
制御中であっても、前輪14についてアンチロック制御
が行われる場合にはS13が実行されるようになってお
り、S13において、後輪18について減圧モードが設
定されたか否かが判定されるのである。
【0069】また、S12において、前輪14について
制御中であると判定された場合には流量決定フラグがセ
ットされ、後輪18についてのみ制御中であると判定さ
れた場合には流量決定フラグがリセットされるようにな
っている。流量決定フラグは、後述するように、S15
において流入流量Kx を選択する際に使用されるフラグ
である。減圧通路42には等価減圧オリフィス径が存在
するため、フロント,リヤの両ホイールシリンダ16,
20から作動液が排出されてリザーバ44に流入する状
態にあるか、リヤホイールシリンダ20のみから作動液
が排出される状態にあるかによって、ホイールシリンダ
16,20各々から排出される作動液流量が変わるので
ある。そして、前述のように、前輪14について減圧モ
ードが設定された場合には、必ず後輪18についても減
圧モードが設定されるため、流量決定フラグがセットさ
れている場合には、フロント,リヤの両ホイールシリン
ダ16,20から作動液が排出される状態にあり、流量
決定フラグがリセットされている場合には、リヤホイー
ルシリンダ20のみから作動液が排出される状態にある
ことになる。
【0070】その車輪について設定されている制御モー
ドが減圧モードの場合には、S13における判定がYE
Sとなり、S14において車体減速度が読み込まれ、S
15において、その車体減速度と流量決定フラグの状態
とに基づいて図7に表される流入流量選択マップに従っ
て流入流量Kx が選択される。前輪14について減圧モ
ードが設定されている場合には流量決定フラグはセット
されているため、流入流量Kf は、車体減速度の大きさ
に応じてKfr1 ,Kfr 2 ,Kfr3 のいずれかに決定され
る。後輪18について減圧制御が行われる場合には、第
七モードが設定されている場合には流量決定フラグはセ
ットされているが、第六モードまたは第三モードが設定
されている場合にはリセットされている。セットされて
いる場合には流入流量Kr が車体減速度に応じて
rf1 ,Krf2,Krf3 のいずれかに決定され、リセッ
トされている場合には、Kr1,Kr2,K r3のいずれかに
決定されることになる。
【0071】S16において、その車輪における減圧時
間tdxが読み込まれ、S17において、以上の実行が、
前輪14および後輪18各々について行われたか否かが
判定される。両輪14,18について行われていない場
合には、判定はNOとなり、S12に戻され、同様の実
行が他の車輪について行われる。前輪14および後輪1
8について終了した場合には、判定はYESとなり、S
18が実行される。
【0072】S18において、前回のリザーバ液量推定
以後にリザーバ44からポンプ38によって汲み上げら
れた累積汲上量KPUMPUPが読み込まれ、S19に
おいて、リザーバ液量推定値CRES(n) が式 CRES(n) =CRES(n-1) +tdf×Kf +tdr×K
r −KPUMPUP により取得される。前回のS19の実行時から今回のS
19の実行時までの時間が前記リザーバ液量推定間隔な
のであり、このリザーバ液量推定間隔内における累積流
入量および累積汲上量が推定され、それらに基づいてリ
ザーバ液量推定値CRES(n) が取得されるのである。
前述のように、本実施形態においては、リザーバ44に
は、右前輪14および左後輪18のそれぞれのホイール
シリンダ16,20から作動液が排出され、図示しない
リザーバには、右後輪および左前輪のそれぞれのホイー
ルシリンダから作動液が排出されるようになっているた
め、リザーバ液量の推定も各々別個に行われるのであ
る。その後、S20,21において、今回値が前回値と
されるとともに、上述の各車輪の減圧時間tdxが0にさ
れる。
【0073】前記推定フラグ1〜3は、図1,2のフロ
ーチャートで各々表されるリザーバ液量推定値監視プロ
グラムの実行によりセットされる。S31において、前
輪14の低スリップ状態が設定時間TL 以上継続したか
否かが判定される。すなわち、前輪14のスリップ率が
読み込まれ、そのスリップ率が低設定スリップ率SL
り小さいか否かが判定され、小さい場合にはカウンタが
1増加させられることにより低スリップ状態継続時間が
計測され、その低スリップ状態継続時間が設定時間TL
以上になったか否かが判定されるのである。本実施形態
においては、スリップ率に基づいて低スリップ状態か否
かが判定されるのである。
【0074】そして、S32において、継続的な増圧制
御が増圧設定時間TU 以上継続して行われたか否か否か
が判定される。前輪14について増圧モードまたは緩増
圧モードが設定されている場合には時間が計測され、そ
の継続増圧設定時間TU が増圧設定時間TU 以上になっ
たか否かが判定されるのである。S31,32のうちい
ずれか一方のステップにおける判定結果がYESの場合
には、S33において推定値フラグ1がセットされ、両
方のステップにおける判定結果がNOの場合には、S3
4において推定値フラグ1がリセットされる。このよう
に、本実施形態においては、前輪14のスリップ率、前
輪14について設定された制御モードに基づいてリザー
バ液量推定値が監視されるようにされているが、後輪1
8のスリップ率や後輪18について設定された制御モー
ドに基づいて監視されるようにしてもよく、前輪14お
よび後輪18の少なくとも一方のそれらに基づいて監視
されるようにしてもよい。
【0075】継続的な増圧制御が設定時間以上継続して
行われるのは、リザーバ44の作動液が不足し、ホイー
ルシリンダ16に作動液を供給できない場合がある。リ
ザーバ液量推定値が0以下になれば、前述のように、S
2において、制御マップBが選択され、遮断弁30が連
通状態と遮断状態とに交互に切り換えられる。その結
果、ホイールシリンダ16に作動液が供給され、液圧が
増圧され減圧制御や保持制御の開始条件が満たされるた
め、本来継続増圧制御時間が設定時間TU より長くなる
ことはないなずである。しかし、実際にはリザーバ液量
が0であるにもかかわらずリザーバ液量推定値が0より
大きい場合には、遮断弁30が遮断状態に保たれたまま
であるため、ホイールシリンダ16に作動液が供給され
ないのである。
【0076】低スリップ状態が設定時間以上続くのは、
例えば、ポンプ38の吐出容量が不足であるため十分な
増圧勾配が得られない場合がある。アンチロック制御中
に低μ路から高μ路へ移った場合等には、ホイールシリ
ンダ16の液圧を急速に増圧することが望ましいが、ポ
ンプ38の吐出容量不足によりホイールシリンダ16に
作動液を十分に供給することができない状態なのであ
る。この場合には、リザーバ液量推定値が実際のリザー
バ液量と異なっているわけではない。
【0077】同様に、S35において、前輪14のスリ
ップ率が高設定スリップ率SH より高い状態が設定時間
H 以上継続しているか否かが判定され、S36におい
て、継続減圧時間が減圧設定時間TD 以上か否かが判定
される。S35,36のうちいずれか一方のステップに
おける判定結果がYESの場合には、S37において推
定値フラグ2がセットされ、両方の判定結果がNOの場
合には、S38において推定値フラグ2がリセットされ
る。高スリップ状態が設定時間TH 以上続いたり、継続
減圧制御時間が設定時間T D 以上になった場合は、リザ
ーバ液量が過剰で、ホイールシリンダ16から作動液が
良好に排出されない状態にあると推定される。リザーバ
液量推定値が容量値の場合には、モータ52に供給され
る電流量が最大とされ、作動液が急速にくみ上げられる
ようにされているため、本来、ホイールシリンダ16か
ら良好に作動液を排出できないほどリザーバ44に作動
液が蓄えられるはずはない。しかし、リザーバ液量推定
値が実際のリザーバ液量の値より小さく、ポンプ38の
吐出能力が大きくされていない状態にあるのである。こ
のように、推定フラグ1は増圧制御が行われている場合
にセットされ、推定フラグ2は減圧制御が行われている
場合にセットされるため、推定フラグ1,2が共にセッ
トされることはない。
【0078】S61〜63において、リザーバ液量推定
値CRES(n) が読み込まれ、前回のリザーバ推定値C
RES(n-1) との差の絶対値CDが演算され、その差の
絶対値CDが設定値より大きいか否かが判定される。大
きい場合にはS64において推定フラグ3がセットさ
れ、小さい場合にはS65においてリセットされる。例
えば、コントローラ70の電気系統に異常が発生し、リ
ザーバ液量推定値自体が異常になると、リザーバ液量推
定値の変化量の絶対値が、制御中には起こり得ないほど
大きくなる。したがって、変化量の絶対値が設定値より
大きい場合には電気系統等に異常が発生したと推定する
ことができるのである。
【0079】このように、推定フラグ3は、リザーバ液
量推定値関連量に基づいてセットされるフラグである
が、推定値フラグ1,2は前輪14についての制御状態
に基づいてセットされるフラグである。そのため、推定
フラグ3と前述の推定値フラグ1,2のいずれか一方と
が共にセットされる場合があり得る。これらが共にセッ
トされた場合には、本実施形態においては、推定フラグ
1,2に基づいてリザーバ液量推定値がリセットされる
ようにされている。また、推定値フラグ3は、リザーバ
液量推定値関連量の大きさに基づいてセットされるフラ
グであるが、推定値フラグ1,2は、ホイールシリンダ
16の液圧制御状態に基づいてセットされるフラグであ
る。換言すれば、図2のフローチャートで表される液量
推定対応リザーバ液量推定値監視プログラムの実行によ
り、リザーバ液量推定値は直接的に監視され、図1のフ
ローチャートで表される液圧制御対応リザーバ液量推定
値監視プログラムの実行により、間接的に監視されるこ
とになる。したがって、液量推定対応リザーバ液量推定
値監視プログラムを直接リザーバ液量推定値監視プログ
ラムと称し、液圧制御対応リザーバ液量推定値監視プロ
グラムを間接リザーバ液量推定値監視プログラムと称す
ることもできる。
【0080】これらリザーバ液量推定値監視プログラム
の実行により、推定値フラグ1〜3がセットされるので
あるが、推定値フラグ1〜3の少なくとも1つがリセッ
ト状態からセット状態に切り換えられた場合には、S1
1における判定がYESとなり、S22において、セッ
ト状態に切り換わった推定値フラグが推定値フラグ1ま
たは2であるか否かが判定され、S23において、さら
に、推定値フラグ1であるか否かが判定される。リセッ
ト状態からセット状態に切り換わった推定値フラグが推
定値フラグ1の場合には、S22,23における判定が
いずれもYESとなり、S24において今回のリザーバ
液量推定値CRES(n) が0にリセットされ、推定値フ
ラグ2の場合には、S25において容量値にリセットさ
れる。また、推定値フラグ1,2がセットされておら
ず、かつ、推定値フラグ3がセットされている場合に
は、S22における判定がNOとなり、S26におい
て、平均値にリセットされる。その後、S20,21に
おいて、今回値が前回値とされ、減圧時間がリセットさ
れる。このリセットされた値に基づいてリザーバ液量の
推定が行われることになる。本実施形態においては、下
限値と最小値とが共に0とされたが、下限値は0より大
きい値であってもよい。
【0081】前述のように、リザーバ液量推定値CRE
(n) が0以下になれば、表3の制御マップBが選択さ
れ、リザーバ液量推定値CRES(n) が容量値以上にな
れば、モータ52に供給される電流量のデューティ制御
比が1にされモータ52へ供給電流が最大となる。
【0082】以下、実際の制御例を図8〜10に基づい
て説明する。リザーバ液量推定値が実際のリザーバ液量
の値より大きい場合の制御例を図8に基づいて説明す
る。スリップ状態の回復により、時点m1 において増圧
モードあるいは緩増圧モードが設定され、リザーバ44
の作動液がホイールシリンダ16に供給される。リザー
バ液量推定値は0ではないため、制御マップAに基づい
て制御が続けられることになる。しかし、実際のリザー
バ液量はそれより小さく、時点m2 において0になり、
ホイールシリンダ16に供給する作動液がなくなり、増
圧できない状態になる。その結果、減圧制御や保持制御
の開始条件が満たされないため、継続増圧制御時間が長
くなり、時点m3 において設定時間TU 以上になる。S
32における判定がYESとなり、S33において推定
値フラグ1がセットされる。その結果、S24におい
て、リザーバ液量推定値CRES(n) が0にリセットさ
れ、S2において制御マップBが選択される。制御マッ
プBに従って制御されれば、遮断弁30が連通状態と遮
断状態とに交互に切り換えられることになるため、ホイ
ールシリンダ16にマスタシリンダ10の作動液が供給
され、良好に増圧することが可能となる。また、ホイー
ルシリンダ16について減圧制御が行われれば、リザー
バ44へも作動液が供給される。本実施形態によれば、
推定精度を向上させなくても、リザーバ液量推定値を実
際のリザーバ液量に近づけることができる。また、ホイ
ールシリンダ16の増圧を良好に行い得、増圧遅れを小
さくすることができる。本実施形態の液圧制御装置が搭
載されない液圧ブレーキ装置においては、時点m3 ′に
なるまで制御マップBに切り換えられないのである。
【0083】次に、低μ路から高μ路へ変わった場合の
制御例を図9に基づいて説明する。低μ路を走行中の時
点m4 においてアンチロック制御が開始され、減圧モー
ドが設定されるが、その後、高μ路へ移行し、増圧モー
ドまたは緩増圧モードが設定される。そして、時点m5
においてスリップ率が低設定スリップ率SL より低くな
る。増圧制御が続けられるが、ポンプ38の吐出容量が
不足である等のために十分な増圧勾配が得られず、低ス
リップ状態が続き、時点m6 において、低スリップ状態
継続時間が設定時間TL 以上になる。この場合にはホイ
ールシリンダ16に作動液を急速に供給することが望ま
しいため、リザーバ液量推定値を0にリセットするので
ある。S31における判定がYESとなり、S33にお
いて推定値フラグ1がセットされる。リザーバ液量推定
値CRES(n) が0にリセットされ、遮断弁30が連通
状態と遮断状態とに交互に切り換えられる。このよう
に、遮断弁30を強制的に連通状態に切り換えれば、ホ
イールシリンダ16に急速に作動液を供給することがで
きる。遮断弁30は、アンチロック中にリザーバ44の
作動液が不足した場合に連通状態に切り換えられるもの
であるが、ホイールシリンダの液圧を急速に増圧するこ
とが望ましい場合にも連通状態に切り換えられるのであ
る。このように、遮断弁30が本来とは別の目的で連通
状態に切り換えられることにより、ホイールシリンダ1
6の液圧を急速に増圧することができ、遮断弁30等の
有効利用を図ることが可能となる。また、適正液圧に近
づけた制御が可能となる。この場合は、リザーバ液量推
定値は実際のリザーバ液量と異なっているわけではない
が、ホイールシリンダ16に作動液を急速に供給するた
めにリザーバ液量推定値を0にリセットし、制御マップ
Aから制御マップBへ強制的に切り換えたのである。
【0084】このように、リザーバ液量推定値が実際の
リザーバ液量から外れていたわけではないにもかかわら
ず、0にリセットされた場合には、実際のリザーバ液量
から外れてしまうため、ホイールシリンダ16に作動液
を急速に供給するという目的を達した後にはリセットさ
れる以前のリザーバ液量推定値に戻しておくことが望ま
しい。しかし、以下の理由から元の値に戻すことは不可
欠ではない。高μ路へ移行した場合には、アンチロック
制御が終了する可能性が高いためリザーバ液量推定値が
実際のリザーバ液量と異なっていても制御への影響は小
さい。また、0にリセットされた後に、継続減圧制御時
間が設定時間以上になれば、容量値にリセットされるた
め、その時にリザーバ液量に近づけることが可能となる
のである。
【0085】部分低μ路を通過した場合の制御例を図1
0に基づいて説明する。段差、マンホール等の部分低μ
路を通過する際にアンチロック制御が開始されるが、高
μ路へ移行すれば、ホイールシリンダ液圧を急速に増大
させることが望ましい。しかし、ポンプ38の吐出容量
が不足である等によってそれが不可能であり、時点m 8
において、低スリップ状態が設定時間以上継続すること
になる。推定フラグ1がセットされ、遮断弁30が連通
状態と遮断状態とに交互に切り換えられる。本実施形態
においては、低設定スリップ率SL は、通常アンチロッ
ク制御が行われる間には生じ得ないほどの値、すなわ
ち、増圧制御が開始される時点のスリップ率より大きな
値に設定されている。そして、S31における設定時間
L は、S32における設定時間TU より短くされてい
る。したがって、リザーバ液量推定値が実際のリザーバ
液量の値より大きいことに起因して増圧不足が生じた場
合には、継続増圧制御時間が設定時間TU 以上になり、
ポンプ38の吐出容量が不足している場合には、低スリ
ップ状態が設定時間TL 以上になる。なお、設定時間T
L を、S32における設定時間TU より短くしたことに
より、ポンプ38の吐出容量不足による増圧不足を良好
に回避することができる。
【0086】また、高スリップ状態が設定時間以上続い
た場合や、継続減圧制御時間が設定時間以上になった場
合には、S35あるいは36における判定がYESとな
り、S37において推定値フラグ2がセットされる。S
25において、リザーバ液量推定値CRES(n) が容量
値にリセットされ、S6において、モータ52への供給
電流が最大にされる。リザーバ44の作動液が急速にく
み上げられ、ホイールシリンダ16の作動液が良好に排
出され、減圧が良好に行われる。ポンプ38によってく
み上げられた作動液は、戻り通路32を経てマスタシリ
ンダ10に戻される。さらに、電気系統等に異常が生じ
た場合には、S64において推定値フラグ3がセットさ
れ、S26においてリザーバ液量推定値CRES(n)
平均理にリセットされる。この場合には、継続増圧制御
時間や継続減圧制御時間が設定時間以上になったわけで
はないため、0や容量値にリセットするより、平均理に
リセットする方が妥当である。平均理にリセットするこ
とにより、後に、継続増圧時間や継続減圧時間がそれぞ
れ設定時間以上になった場合には、その時点において、
0や容量値にリセットされることになるため差し支えな
い。
【0087】以上のように、本実施形態においては、遮
断弁30,増・減圧開閉弁40,減圧開閉弁46等によ
り液圧制御手段が構成され、コントローラ70のリサー
バ液量推定プログラム,リザーバ液量推定値監視プログ
ラムを記憶し、実行する部分等によりリザーバ液量推定
値取得手段が構成される。また、リザーバ液量推定値取
得手段のうち、S11,S22〜26を記憶し、実行す
る部分等によって推定値リセット手段が構成され、リザ
ーバ液量推定値監視プログラムを記憶し、実行する部分
等によってリザーバ液量推定値監視手段が構成される。
【0088】なお、上記実施形態においては、推定値フ
ラグ1がリセット状態からセット状態に切り換えられた
場合にはリザーバ液量推定値が0にリセットされ、推定
値フラグ2がセット状態に切り換えられた場合には、リ
ザーバ容量に対応する容量値に、推定値フラグ3がセッ
ト状態に切り換えられた場合には平均値にそれぞれリセ
ットされるようにされていたが、リセットされる設定値
は、上記実施形態における場合に限らず他の値であって
もよい。下限値を過少値等としても、最大値を過多値等
としてもよい。また、リザーバ液量推定値関連量が設定
範囲内にない場合には、設定値を容量の半分の値,通常
液量値等としてもよい。
【0089】また、リザーバ液量推定値が0以下になる
と制御マップAから制御マップBへ切り換えられるよう
にされていたが、低スリップ状態が設定時間以上継続し
た場合には、リザーバ液量推定値を0にリセットしない
で、制御マップのみを切り換えてもよい。この場合に
は、リザーバ液量推定値が実際のリザーバ液量から外れ
ることを回避することができる。また、制御マップの切
り換えでなく、遮断弁30を予め定められた設定時間だ
け連通状態に保つようにしてもよい。さらに、遮断弁3
0を連通状態に切り換えるだけでなく、増・減圧開閉弁
40,減圧開閉弁46も同時に連通状態に切り換えても
よい。この場合には、リザーバ44に直接作動液を供給
することができる。また、上記実施形態においては、リ
ザーバ液量推定値が0になった場合に制御マップBの制
御に切り換えられていたが、0より大きい設定値(下限
値)以下になった場合に制御マップBが選択されるよう
にすることもできる。その場合には、推定フラグ1がセ
ットされた場合には、リザーバ液量推定値がその下限値
以下の値にリセットされることになる。
【0090】さらに、低スリップ状態が設定時間以上継
続した場合には、リザーバ液量推定値を0にリセットし
た後に、リセットされる直前の推定値である直前値に戻
すこともできる。直前値に戻せば、リザーバ液量推定値
が実際のリザーバ液量から外れた値になることを良好に
回避することができる。この場合には、図11のフロー
チャートで表されるように、低スリップ状態が設定時間
以上続いた場合には、S31a,S32bにおいて、推
定値フラグ4がセットされ、その時点におけるリザーバ
液量推定値が記憶される。また、S33において、推定
値フラグ1もセットされる。推定値フラグ1と推定値フ
ラグ4との両方がセットされるのである。そして、推定
値フラグ1がセット状態に切り換えられたことにより、
制御マップBに基づいた制御が行われるのであるが、そ
の後、最初に減圧モードが設定された場合に、図12の
フローチャートで表されるように、S13aにおける判
定がYESとなり、S13bにおいて、前回のリザーバ
液量推定値CRES(n-1)が直前値にリセットされる。
制御マップBに切り換えられた後直ちに直前値に戻す
と、再び制御マップAが選択されてしまい、ホイールシ
リンダ16の液圧を良好に増圧することができない。ま
た、低スリップ状態が設定時間以上続くのは増圧制御が
行われている場合であるため、増圧制御中は制御マップ
Bに基づく制御が行われることが望ましいからである。
【0091】また、低設定スリップ率SL ,設定時間T
L ,TU の大きさは、上記実施形態における場合に限ら
ず、他の大きさにしてもよい。例えば、低設定スリップ
率S L を通常の増圧制御が開始される時点のスリップ率
の大きさ程度としたり、設定時間TL ,TU をほぼ同じ
長さにしたりすることができる。この場合には、増圧制
御中にS31,32のいずれのステップにおける判定結
果が先にYESになるかは予め分からないことになる。
【0092】さらに、リザーバ液量推定値が、車体減速
度,減圧時間,ポンプ汲上時間等に基づいて取得されて
いたが、その他、減圧制御が開始された時点のオーバホ
ール量,減圧制御が開始される以前の増圧制御時間等を
加味して取得されるようにしてもよい。また、後輪18
のホイールシリンダ20は前輪14のホイールシリンダ
16より容積が小さく、かつ、このブレーキ回路の特徴
により、前輪14について減圧モードが設定されれば、
必ず後輪18についても減圧モードが設定されることに
なる。したがって、累積流入量は、後輪18のみについ
て減圧モードが設定されている場合を考慮しないで、前
輪14について減圧モードが設定された場合のみに基づ
いて推定することもできる。このようにすれば、減圧モ
ードが設定された場合には、常に、両ホイールシリンダ
16,20から作動液が排出される状態にあるため、流
入流量Kx をホイールシリンダ16,20からの作動液
の流出状態に基づいて選択する必要がなくなり、流量決
定フラグも不要となる。このように、前輪14について
減圧モードが設定された場合のみに基づいて累積流入量
を推定することや、上述のオーバホール量や前回の増圧
時間を考慮してリザーバ液量を推定することは、本願出
願人によって出願された特願平8─19692号の明細
書に記載されている。さらに、減圧時間と増圧時間とに
基づいて推定することも可能である。
【0093】また、上記実施形態のリザーバ液量推定プ
ログラムによれば、S13における判定が、液圧制御モ
ード(増圧モード,減圧モード,保持モード)に基づい
て行われたが、開閉弁制御モード(第一〜第七モード)
に基づいて行われるようにしてもよい。上記実施形態に
おいては、第七モードと第六モードとが交互に設定され
た場合や第四モードと第七モードとが交互に設定された
場合には、保持モードとされていたため、これらの制御
が行われる場合において第七モードが設定された場合に
ついては減圧時間として計測されなかった。それに対し
て、本実施形態においては、保持モードが設定された場
合にも第七モードが設定された場合には減圧時間とされ
るため、その分、作動液累積流入量の推定精度を向上さ
せることができる。
【0094】さらに、制御マップA,Bは、上記実施形
態のものに限定されるわけではない。例えば、右前輪1
4,左後輪18のスリップが共に回復傾向にある場合に
は、第五モードと第七モードとが交互に設定されるよう
にしても、第四モードと第七モードとが交互に設定され
るようにしてもよい。右前輪14のスリップが回復傾向
にあり、左後輪18のスリップが増圧傾向にある場合に
は、第六モードと第七モードとが交互に切り換えられる
ようにしてもよい。
【0095】また、本発明のホイールシリンダ液圧制御
装置を含む液圧ブレーキ装置の構造は、上記実施形態に
おける液圧ブレーキ装置に限らず、他の構造の液圧ブレ
ーキ装置であってもよい。例えば、増・減圧開閉弁4
0,減圧開閉弁46の代わりに1個の3位置方向切換弁
としてもよく、減圧装置60,Pバルブ36は不可欠で
はない。本発明を、図13に示すように、前後配管の液
圧ブレーキ装置に適用することもできる。本実施形態に
おいては、1個のリザーバに、1個のポンプおよび左右
前輪の2個のホイールシリンダが設けられるが、上記実
施形態における場合と異なって左右前輪各々について独
立に液圧の制御が行われることになる。
【0096】図13において、200はマスタシリンダ
であり、マスタシリンダ200と右前輪202のホイー
ルシリンダ204とを接続する主液通路206の途中に
は、遮断弁210,増圧弁212が設けられている。主
液通路206の遮断弁210と増圧弁212との間に
は、先端に左前輪214のホイールシリンダ216が接
続された副液通路218が接続されている。副液通路2
18の途中には、増圧弁220が設けられている。ま
た、主液通路206,副液通路218の各々には、バイ
パス通路222.226および逆止弁224,228が
設けられている。ホイールシリンダ204とリザーバ2
34とを接続する減圧通路236の途中には減圧弁23
8が設けられ、ホイールシリンダ216とリザーバ23
4とを接続する減圧通路240の途中には減圧弁242
が設けられている。
【0097】リザーバ234から延び出させられている
増圧通路246の途中には、ポンプ250が設けられて
いる。ポンプ250はモータ252により駆動される。
モータ252は図示しない駆動回路を介してコントロー
ラ260に接続され、コントローラ260の指令に基づ
き駆動回路により制御される。モータ250に供給され
る電流は、上記実施形態における場合と同様に、常には
一定とされているが、リザーバ液量推定値が容量値以上
の場合には、最大とされる。また、増圧通路246のポ
ンプ250の吐出口側および吸入口側には、逆流防止用
の逆止弁262,264が設けられるとともに、ポンプ
250の吐出口側から吸入口側へ向かう作動液の流れ
を、圧力差が設定圧以上になると許容するリリーフ弁2
68が設けられている。リザーバ234の液圧は大気圧
に近く、変化が小さいため、ポンプ250の吐出圧が設
定圧以上になると、ポンプ250から吐出された作動液
はリリーフ弁268を経てリザーバ234に戻されるこ
とになる。
【0098】通常ブレーキ状態にある場合には、遮断弁
210,増圧弁212,220,減圧弁238,242
は図示する原位置にある。マスタシリンダ200の作動
液は、ブレーキペダル230の踏込みに応じて各ホイー
ルシリンダ204,216に供給される。ブレーキペダ
ル230の踏込みが緩められると、ホイールシリンダ2
04,216の作動液は、バイパス通路222,226
を経て、あるいは連通状態にある増圧弁212,遮断弁
210,増圧弁220,遮断弁210を経てマスタシリ
ンダ200に戻される。
【0099】左右車輪202,214の少なくとも一方
の制動スリップが過大になるとアンチロック制御が開始
される。アンチロック制御中には、モータ252は連続
して駆動され、遮断弁210は遮断状態に保たれる。ア
ンチロック制御は、通常は、表4で表される制御マップ
Aに基づいて行われる。以下、右前輪202についてア
ンチロック制御が行われる場合について説明する。左前
輪214に対する制御は、右前輪202に対する制御と
同様であるため、説明を省略する。
【0100】
【表4】
【0101】制御マップAに基づいてアンチロック制御
が行われる場合において、減圧モードが設定されると、
増圧弁212が遮断状態,減圧弁238が連通状態に切
り換えられる。ホイールシリンダ204はポンプ250
から遮断されてリザーバ234に連通させられ、ホイー
ルシリンダ204の作動液がリザーバ234に流入させ
られて液圧が減圧される。保持モードが設定されると、
増圧弁212,減圧弁238が共に遮断状態に切り換え
られ、ホイールシリンダ204はリザーバ234からも
ポンプ250からも遮断される。ホイールシリンダ20
4の液圧は保持される。増圧モードが設定されると、増
圧弁212が連通状態に、減圧弁238が遮断状態に切
り換えられる。ホイールシリンダ204はリザーバ23
4から遮断され、ポンプ250に連通させられて、ホイ
ールシリンダ204には、ポンプ250によってくみ上
げられた作動液が加圧されて供給され、液圧が増圧され
る。制御マップAに基づいてアンチロック制御が行われ
る間にリザーバ液量推定プログラムの実行により、リザ
ーバ液量推定値が0以下になると制御マップBに基づく
制御に切り換えられる。
【0102】
【表5】
【0103】制御マップBに基づく制御と制御マップA
に基づく制御とは、増圧モードが設定された場合におい
て異なる。制御マップBに基づいて制御が行われる場合
において、増圧モードが設定されれば、遮断弁210が
連通状態と遮断状態とに交互に切り換えられる。ホイー
ルシリンダ204の液圧は、主としてマスタシリンダ2
00から供給される作動液によって増圧される。
【0104】リザーバ液量の推定は、上記第一実施形態
における場合と同様に、図4のフローチャートで表され
るリザーバ液量推定プログラムの実行により行われる。
本実施形態においては、左右前輪214,202のホイ
ールシリンダ216,204に対して独立に液圧制御が
可能であり、前輪の減圧制御に付随して後輪の減圧制御
が行われるということがないため、流量決定フラグは不
要である。右前輪202のホイールシリンダ204と左
前輪214のホイールシリンダ216とが減圧開閉弁を
共有することもないため、流入流量を、右前輪202,
左前輪214の各々1輪に対してのみ減圧モードが設定
されている場合と、両前輪202,214に共に減圧モ
ードが設定されてる場合とを区別する必要がない。ま
た、左右前輪214,202のホイールシリンダ21
6,204の容量はほぼ同じであるため、これらの流入
流量Kf ,Kr は互いに同じ大きさにすることができ
る。
【0105】左右前輪214,202は大抵の場合に
は、同時あるいは僅かな時間差でアンチロック制御が開
始されるが、またぎ路走行時等には、いずれか一方の車
輪に対してのみアンチロック制御が行われる場合があ
る。例えば、右前輪202に対してアンチロック制御が
行われ、左前輪214に対しては行われてない場合に
は、アンチロック制御対象でないホイールシリンダ21
6については、常に増圧モードが設定された場合と同様
の状態となる。増圧弁220が連通状態に、減圧弁24
2が遮断状態にそれぞれ保たれる。ホイールシリンダ2
16からは作動液は流出させられることなく、常にポン
プ250によってくみ上げられたリザーバ234の作動
液が供給されることになる。このように、一輪のみがア
ンチロック制御中の場合には、累積流入量より累積汲上
量が大きくなり、リザーバ液量推定値CRES(n) が0
以下の値になる頻度が高くなり、制御マップAから制御
マップBへの切り換え頻度が高くなる。しかし、制御マ
ップBに基づく制御に切り換えられれば、マスタシリン
ダ200の作動液が供給されるため、作動液不足になる
ことが良好に回避される。
【0106】また、リザーバ液量推定値が実際のリザー
バ液量の値より大きいことに起因して作動液不足が生じ
ても、継続増圧制御時間が設定時間以上になれば推定値
フラグ1がセットされるため、制御マップBに基づく制
御に切り換えられ、増圧遅れを小さくすることができ
る。さらに、リザーバ液量推定値を実際のリザーバ液量
の値に近づけることができる。また、継続減圧制御時間
が設定時間以上になった場合には、推定値フラグ2がセ
ット状態に切り換えられ、モータ252の吐出能力が最
大にされると共に、遮断弁210が連通状態に切り換え
られる。ポンプ250によってリザーバ234の作動液
が急速にくみ上げられ、作動液が遮断弁210を経てマ
スタシリンダ200に戻される。この条件が満たされる
のは減圧制御中であるため、増圧弁212,220は遮
断状態にあり、遮断弁210を連通状態にしても差し支
えないのである。このように、1個のリザーバ234
に、1個のポンプ232および2個のホイールシリンダ
204,216が設けられている液圧ブレーキ装置にお
いても、本発明を適用することができる。
【0107】その他、いちいち例示することはしない
が、特許請求の範囲を逸脱することなく当業者の知識に
基づいて種々の変形,改良を施した態様で本発明を実施
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第一ないし第三発明の共通の一実施形態である
ホイールシリンダ液圧制御装置のコントローラのROM
に格納された液圧制御対応リザーバ液量推定値監視プロ
グラムを示すフローチャートである。
【図2】上記コントローラのROMに格納された液量推
定対応リザーバ液量推定値監視プログラムを示すフロー
チャートである。
【図3】上記ホイールシリンダ液圧制御装置が搭載され
た液圧ブレーキ装置の回路図である。
【図4】上記コントローラのROMに格納されたリザー
バ液量推定プログラムを示すフローチャートである。
【図5】上記コントローラのROMに格納された制御マ
ップ選択プログラムを示すフローチャートである。
【図6】上記コントローラのROMに格納されたモータ
出力制御プログラムを示すフローチャートである。
【図7】上記コントローラのROMに格納された流入流
量選択マップを表す図である。
【図8】上記ホイールシリンダ液圧制御装置を搭載した
液圧ブレーキ装置において、実際に制御が行われた場合
のホイールシリンダ液圧とリザーバ液量推定値との関係
の一例を示す図である。
【図9】上記とは別の制御が行われた場合のホイールシ
リンダ液圧とリザーバ液量推定値との関係の一例を示す
図である。
【図10】上記とは別の制御が行われた場合のホイール
シリンダ液圧とリザーバ液量推定値との関係の一例を示
す図である。
【図11】第一ないし第三発明の共通の別の実施形態で
あるホイールシリンダ液圧制御装置のコントローラのR
OMに格納された液圧制御対応リザーバ液量推定値監視
プログラムを示すフローチャートである。
【図12】上記コントローラのROMに格納されたリザ
ーバ液量推定プログラムを示すフローチャートである。
【図13】第一ないし第三発明の別の実施形態であるホ
イールシリンダ液圧制御装置が搭載された液圧ブレーキ
装置の回路図である。
【符号の説明】
10,200 マスタシリンダ 16 フロントホイールシリンダ 20 リヤホイールシリンダ 30,210 遮断弁 38,250 ポンプ 40 増・減圧開閉弁 44,234 リザーバ 46 減圧開閉弁 52,252 モータ 70,260 コントローラ 72,74,270,272 車輪速センサ 204,216 ホイールシリンダ 212,220 増圧弁 238,242 減圧弁

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】車輪の回転を抑制するブレーキのホイール
    シリンダの作動液をリザーバへ排出することによってホ
    イールシリンダ液圧を減圧し、リザーバの作動液をポン
    プによりくみ上げて前記ホイールシリンダに供給するこ
    とによってホイールシリンダ液圧を増圧する液圧制御手
    段と、 前記リザーバへ排出された作動液の累積排出量およびリ
    ザーバからくみ上げられた作動液の累積汲上量を推定す
    るとともに、これら推定された累積排出量および累積汲
    上量に基づいてリザーバにある作動液量を推定してリザ
    ーバ液量推定値を取得するリザーバ液量推定値取得手段
    とを含むホイールシリンダ液圧制御装置であって、 前記リザーバ液量推定値取得手段が、前記液圧制御手段
    によるホイールシリンダ液圧制御中に当該ホイールシリ
    ンダ液圧制御装置の状態が設定条件を満たした場合に、
    前記リザーバ液量推定値を設定値にリセットする推定値
    リセット手段を含むことを特徴とする液圧制御装置。
  2. 【請求項2】前記設定条件が、前記液圧制御手段により
    ホイールシリンダの液圧を継続的に増圧制御する継続増
    圧制御時間が設定時間以上になったことであり、前記設
    定値が最小値であることを特徴とする請求項1に記載の
    液圧制御装置。
  3. 【請求項3】前記液圧制御手段が、前記ホイールシリン
    ダとマスタシリンダとを接続する主液通路の途中に設け
    られ、これらを連通させる連通状態と遮断する遮断状態
    とに切換可能なマスタシリンダ遮断装置と、前記リザー
    バ液量推定値が下限値以下になった場合に、前記マスタ
    シリンダ遮断装置を遮断状態から連通状態に切り換える
    マスタシリンダ遮断装置制御手段とを含み、かつ、 前記設定条件が、前記液圧制御手段によるホイールシリ
    ンダ液圧制御開始後に前記車輪のスリップ状態が設定ス
    リップ状態より浅い低スリップ状態が設定時間以上継続
    したことであり、前記設定値が前記下限値以下の値であ
    ることを特徴とする請求項1または2に記載の液圧制御
    装置。
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