JPH08169327A - 車両のアンチロックブレ−キ装置 - Google Patents

車両のアンチロックブレ−キ装置

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JPH08169327A
JPH08169327A JP33385294A JP33385294A JPH08169327A JP H08169327 A JPH08169327 A JP H08169327A JP 33385294 A JP33385294 A JP 33385294A JP 33385294 A JP33385294 A JP 33385294A JP H08169327 A JPH08169327 A JP H08169327A
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control
pressure
reservoir
brake fluid
motor
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Haruki Okazaki
晴樹 岡崎
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Mazda Motor Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】減圧制御によってブレーキ液が導入されるリザ
−バ内の残留液量が多くなり過ぎる事態に適切に対応す
る。 【構成】減圧制御によって、ホイ−ルシリンダ2からリ
ザ−バ44へブレーキ液が解放される。リザ−バ44の
残留液量が所定値以上のときは、ABS制御の制御定数
が、減圧制御による減圧量を抑制する方向つまり車輪の
ロック傾向が弱まる方向に変更される。減圧制御が頻繁
に行われるハンチング発生時には、ABS制御終了後
も、リザ−バ44からブレーキ液を排出するためのポン
プ49を延長して運転させる。リザ−バ44内のブレー
キ液を付勢するスプリング44dを設けて、ブレーキ解
放時に、自動的にリザ−バ44からマスタシリンダ1側
へブレーキ液が戻るようにする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ブレーキ時に車輪がロ
ックするのを防止する車両のアンチロックブレーキ装置
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】最近の車両では、ABS制御装置と呼ば
れるように、ブレーキ時に車輪がロックするのを防止す
る車両のアンチロックブレーキ装置を搭載するものが増
加している。このアンチロックブレーキ装置つまりAB
S制御装置は、基本的に、車輪への制動力付与用となる
ホイ−ルシリンダへ印加されているブレーキ液圧を可変
制御することにより行われる。
【0003】ホイ−ルシリンダへのブレーキ液圧を可変
制御するために、少なくとも、増圧弁と減圧弁とがブレ
ーキ配管に接続される。すなわち、特開平4−1855
65号公報に示すように、減圧弁を閉じた増圧弁を開く
ことにより、マスタシリンダからホイ−ルシリンダへと
高圧のブレーキ液が供給されて、制動力増加となる。ま
た、増圧弁を閉じた状態で減圧弁を開くことにより、ホ
イ−ルシリンダのブレーキ液つまりブレーキ液圧がリザ
−バへ解放されて、制動力低下となる。そして、増圧弁
と減圧弁とを共に閉じることにより、制動力の保持状態
が得られる。
【0004】上述のように、減圧に伴ってホイ−ルシリ
ンダからリザ−バへ開放されたブレーキ液は、ポンプに
よってブレーキ配管へと戻されるが、このブレーキ液の
戻し位置として、増圧弁よりもマスタシリンダ側となる
上流側ブレーキ配管(高圧ブレーキ系統)とされるのが
一般的である。この場合、上流側ブレーキ配管は、マス
タシリンダに常に連通されている関係上、ブレーキ時は
マスタシリンダで発生される高圧を受けている高圧ブレ
ーキ系統となっており、ポンプは、この高圧に抗して、
ブレーキ液を戻す必要がある。
【0005】ところで、ホイ−ルシリンダからのブレー
キ液圧が解放されるリザ−バに多量のブレーキ液が残留
すると、ホイ−ルシリンダからリザ−バへのブレーキ液
の解放を十分におこなえないこととなって、ABS制御
を良好に行う上で好ましくないものとなる。このため、
特開平4−123963号公報に示すように、リザ−バ
内にブレーキ液量検知のためのリ−ドスイッチを設け
て、リザ−バ内が常に空になるようにポンプ駆動用モー
タを制御するものが提案されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ポンプによってリザ−
バ内のブレーキ液を排出する場合、ABS制御における
減圧制御の頻度(度合い)が高く、このような減圧制御
が短時間のうちに頻繁におこなわれると、リザ−バ内に
残留するブレーキ液量も増加して、減圧制御を良好に行
うなうことがむずかしくなる。特に、最近では、省燃費
をはじめてとして、軽量化、小型化等のために、ポンプ
つまり該ポンプを駆動するモータの能力を小さいものに
するという要請が強くなっているので、リザ−バからの
ブレーキ液排出を十分に行えない事態の発生というもの
にいかに対応するかが問題となる。
【0007】本発明は以上のような事情を勘案してなさ
れたもので、その第1の目的は、リザ−バ内にブレーキ
液が多量に残留しても、ABS制御を良好に行えるよう
にした車両のアンチロックブレーキ装置を提供すること
にある。
【0008】本発明の第2の目的は、ポンプの不要な運
転を極力避けつつ、少なくともABS制御制御開始時に
は、リザ−バ内の残留ブレーキ液量が零あるいは十分低
減されている状態とし得るようにした車両のアンチロッ
クブレーキ装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】前記第1の目的を達成す
るため、本発明はその第1の構成として次のようにして
ある。すなわち、ホイ−ルシリンダのブレーキ液圧を少
なくとも増圧制御と減圧制御することによって、車輪の
路面に対するロックを防止するABS制御手段を備え、
減圧制御によってホイ−ルシリンダからリザ−バへ開放
されたブレーキ液を、ポンプによって、マスタシリンダ
で発生される高圧のブレーキ液圧が作用している高圧ブ
レーキ系統に戻すようにした車両のアンチロックブレー
キ装置において、前記リザ−バ内の残留ブレーキ液量を
検出する残留量検出手段と、前記残留量検出手段で検出
された残留量に応じて、前記ABS制御手段の制御定数
を変更する制御定数変更手段と、を備えた構成としてあ
る。上記構成を前提とした本発明の好ましい態様は、特
許請求の範囲における請求項2〜請求項11に記載のと
おりである。
【0010】前記第2の目的を達成するため、本発明は
その第2の構成として次のようにしてある。すなわち、
ホイ−ルシリンダのブレーキ液圧を少なくとも増圧制御
と減圧制御することによって、車輪の路面に対するロッ
クを防止するABS制御手段を備え、減圧制御によって
ホイ−ルシリンダからリザ−バへ開放されたブレーキ液
を、モータによって駆動されるポンプによって、マスタ
シリンダで発生される高圧のブレーキ液圧が作用してい
る高圧ブレーキ系統に戻すようにした車両のアンチロッ
クブレーキ装置において、前記ABS制御手段による制
御にハンチングが生じたとき、該ABS制御手段の制御
終了後に、所定時間だけ前記モータを駆動する駆動時間
延長手段を備えている、ような構成としてある。上記構
成を前提とした好ましい態様は、特許請求の範囲におけ
る請求項13、請求項14に記載のとおりである。
【0011】前記第2の目的を達成するため、本発明は
その第3の構成として次のようにしてある。すなわち、
ホイ−ルシリンダのブレーキ液圧を少なくとも増圧制御
と減圧制御することによって、車輪の路面に対するロッ
クを防止するABS制御手段を備え、減圧制御によって
ホイ−ルシリンダからリザ−バへ開放されたブレーキ液
を、ポンプによって、マスタシリンダで発生される高圧
のブレーキ液圧が作用している高圧ブレーキ系統に戻す
ようにした車両のアンチロックブレーキ装置において、
前記リザ−バが、該リザ−バ内のブレーキ液を前記高圧
ブレーキ系統へ向けてブレーキ液を戻すように所定の付
勢力でもって付勢され、前記所定の付勢力が、該リザ−
バから前記高圧ブレーキ系統に至るまでの戻し通路の通
路抵抗に打ち勝って該リザ−バ内のブレーキ液を該高圧
ブレーキ系統へ戻すことができるような大きさに設定さ
れている、ような構成としてある。上記構成を前提とし
た本発明の好ましい態様は、特許請求の範囲における請
求項16に記載のとおりである。
【0012】
【発明の効果】請求項1に記載された本発明によれば、
リザ−バ内での残留ブレーキ液量に応じてABS制御の
制御定数を変更するので、リザ−バ内がブレーキ液で満
杯になって減圧制御を良好に行えなくなってしまうとい
う好ましくない事態を防止して、ABS制御を良好に続
行する上で好ましいものが得られる。
【0013】請求項2に記載したような構成とすること
により、リザ−バ内のブレーキ液量が多いときは少ない
ときに比して、ABS制御を減圧制御が抑制される方向
つまり車輪のロック傾向が弱まる方向に変更して、ホイ
−ルシリンダからリザ−バへのブレーキ液解放を抑制し
て、減圧制御がきちんと行える状態でABS制御を行う
ことができる。
【0014】請求項3に記載したような構成とすること
により、モータの逆起電力を利用したリザ−バ内の残留
ブレーキ液量の推定を行うことにより、残留ブレーキ液
量を検知するセンサ等を設ける場合に比して、コスト等
の点で有利となる。
【0015】請求項4に記載したような構成とすること
により、増圧速度を遅くするという簡単な手法により、
増圧制御のオ−バシュ−トに起因して次の減圧制御が過
剰に行われてしまう事態を防止、つまりリザ−バ内にブ
レーキ液が多量に残留してしまうという事態を防止する
ことができる。
【0016】請求項5に記載したような構成とすること
により、減圧制御のための制御しきい値を車輪のロック
傾向が弱まる方向に変更するという簡単な手法により、
リザ−バ内にブレーキ液が多量に残留してしまうという
事態を防止することができる。
【0017】請求項6に記載したような構成とすること
により、ABS制御の開始に先立っておこなわれるイニ
シャルチェック時に制御定数を変更することにより、A
BS制御の開始直後から、リザ−バ内の残留ブレーキ液
量に応じた最適なABS制御を行うことができる。
【0018】請求項7に記載したような構成とすること
により、ABS制御中にリザ−バ内の残留ブレーキ液量
に応じて制御定数を変更することにより、制御定数の最
適化の機会を増大させて、ABS制御を良好におこなう
ことができる。
【0019】請求項8に記載したような構成とすること
により、モータの逆起電力を利用するという極めて簡単
な手法によりモータつまりポンプのロックを判定しつ
つ、ポンプがロックしてリザ−バからブレーキ液が排出
できないときはABS制御を禁止して、減圧制御が事実
上行えない状態でABS制御を無理に行ってしまう事態
を防止することができる。
【0020】請求項9に記載したような構成とすること
により、逆起電力が所定値以上であるということは、モ
ータつまりポンプが事実上空運転されているとき、つま
りリザ−バ内の残留ブレーキ液量が零あるいは零に近い
状態であり、このようなときに、モータつまりポンプを
停止して、燃費向上を図る等の観点から好ましいものと
なる。
【0021】請求項10に記載したような構成とするこ
とにより、逆起電力の検出を極めて簡単に行なうことが
できる。請求項11に記載したような構成とすることに
より、電流検出手段を利用して、簡単に逆起電力を検出
することができる。
【0022】請求項12に記載された発明によれば、A
BS制御の状態がリザ−バへ多量にブレ−キ液を解放す
るような状態であるときは、ABS制御終了後にモ−タ
駆動時間を延長して、リザ−バ内のブレ−キ液を確実に
マスタシリンダ側へ戻すことができる。また、ABS制
御終了後にリザ−バ内の残留ブレーキ液量が少ないとき
は、不要にポンプが駆動されることがない。
【0023】請求項13に記載したような構成とするこ
とにより、ABS制御に制御のハンチングが生じている
か否かを、ABS制御そのものの制御状態から簡単に知
ることができる。請求項14に記載したような構成とす
ることにより、ABS制御に制御のハンチングが生じて
いるか否かを、悪路検出という簡単な手法によって簡単
に知ることができる。
【0024】請求項15に記載したような構成とするこ
とにより、ABS制御終了時点でリザ−バ内のブレ−キ
液を十分に排出できなかったときでも、ブレ−キ操作が
終了してマスタシリンダでブレ−キ液圧が発生されなく
なった時点で、リザ−バからマスタシリンダ側へ自動的
にブレ−キ液を戻すことができ、このブレーキ液の自動
戻しのための構成も、付勢という手法によって簡単なも
のとすることができる。
【0025】請求項16に記載したような構成とするこ
とにより、リザ−バから高圧ブレ−キ系統へのブレ−キ
液の戻し通路にチェック弁が配設されている場合でも、
請求項15に対応した効果を得ることができる。
【0026】
【実施例】以下本発明の実施例を添付した図面に基づい
て説明する。 ブレーキ系統の説明(図1) 図1において、1はマスタシリンダ、2FL〜2RRは
それぞれホイ−ルシリンダであり、2FLが左前輪用、
2FRが右前輪用、2RLが左後輪用、2RRが右後輪
用である。マスタシリンダ1は、倍力装置3を介して、
ブレーキペダル4に連結され、ブレーキペダル4を踏み
込み操作することによって、マスタシリンダ1にブレー
キ液圧が発生される。この倍力装置3は、例えば真空倍
力式あるいは液圧倍力式のものとされている。
【0027】マスタシリンダ1は、2つの吐出口1aと
1bとを有するタンデム型とされている。一方の吐出口
1aには第1ブレーキ配管11が接続され、この第1ブ
レーキ配管11からは、2本の分岐配管11Aと11B
とが分岐されている。分岐配管11Aにホイ−ルシリン
ダ2FLが接続され、分岐配管11Bにホイ−ルシリン
ダ2RRが接続されている。他方の吐出口1bには第2
ブレーキ配管12が接続され、この第2ブレーキ配管1
2からは、2本の分岐配管12Aと12Bとが分岐され
ている。分岐配管12Aにホイ−ルシリンダ2FRが接
続され、分岐配管12Bにホイ−ルシリンダ2RLが接
続されている。このように、ブレーキ配管系は、いわゆ
る2系統X字型配管とされている。
【0028】前記ブレーキ配管11、12には、その上
流側つまりマスタシリンダ1に近い側において、トラク
ション制御用の調圧機構13が構成され、該調圧機構1
3の下流側においてABS制御用の調圧機構14が構成
されている。
【0029】トラクション制御用の調圧機構13は、次
のように構成されている。先ず、ブレーキ配管11に
は、電磁開閉弁からなる遮断弁21が接続されると共
に、該遮断弁21よりも下流側において加圧機構22が
接続されている。この加圧機構22は、シリンダ22a
と、該シリンダ22a内に摺動自在に嵌挿されたピスト
ン22bと、該ピストン22bを戻り位置に付勢するス
プリング22cとから構成されて、スプリング22cに
抗してピストン22bを変位させることにより、当該ピ
ストン22bによってブレーキ配管11内に圧力発生
(圧縮)可能とされている。ブレーキ配管12にも、上
記と同様に、遮断弁21と加圧機構22が接続されてい
る。
【0030】調圧機構13は、ブレーキ液を貯溜したリ
ザ−バ23と、該リザ−バ23内のブレーキ液を汲み上
げて加圧機構22へ吐出するためのポンプ24とを有す
る。各加圧機構22は、供給配管25を介してポンプ2
4の吐出側へ接続されると共に、戻り配管26を介して
リザ−バ23へ接続されている。ポンプ24の吐出側つ
まり供給配管25には、加圧機構22側へ向けての流れ
のみを許容するチェック弁27が接続され、リザ−バ2
3に連なるポンプ24の吸い込み側には、当該ポンプ2
4側へ向けての流れのみを許容するチェック弁28が接
続されている。
【0031】前記供給配管25と戻り配管26とは、供
給配管25の圧力が所定値以上になると開弁される調圧
弁29が接続されている。また、戻り配管26には、調
圧弁29に対する接続部分よりも加圧機構22側におい
て、電磁式開閉弁からなる制御弁30が接続されてい
る。
【0032】ポンプ24は、DCモータ等の電気式のモ
ータ31により駆動されるもので、このモータ31は、
後述するように、ABS制御用のポンプ駆動用として兼
用されている。このモータ31に通電してポンプ24を
駆動した状態で、制御弁30を例えばデュ−ティ制御す
ることにより、加圧機構22に印加される圧力、つまり
トラクション制御時におけるブレーキ液圧(つまり制動
力)が制御される。
【0033】ABS制御用の調圧機構14は、次のよう
に構成されている。先ず、分岐配管11Aには、電磁式
の開閉弁からなる増圧弁41が接続されると共に、該増
圧弁41をバイパスするバイパス通路42が接続され
て、該バイパス通路42には、マスタシリンダ1側へ向
けての流れのみを許容するチェック弁43が接続されて
いる。分岐配管11Aには、上記増圧弁41の下流側つ
まりホイ−ルシリンダ2FL側において、リザ−バ44
に連なる解放配管45が接続され、この解放配管45に
は、電磁開閉弁からなる減圧弁46が接続されている。
分岐配管11Bに対しても、上記分岐配管11Aと同様
に各構成要素41〜46が設けられているが、リザ−バ
44は、各分岐配管11Aと11Bとで共通とされてい
る。
【0034】前記リザ−バ44と、増圧弁41よりも上
流側(遮断弁21よりも下流側)のブレーキ配管(上流
側ブレーキ配管となる)11とが、戻し配管47により
接続されている。この戻し配管47には、リザ−バ44
側から順次、第1チェック弁48、ポンプ49、第2チ
ェック弁50、脈動吸収用のタンク51、オリフィス5
2、第3チェック弁53が接続されている。この戻し配
管47は、リザ−バ44と同様に、2つの分岐配管11
A用と11B用とで共通とされている。
【0035】ホイ−ルシリンダ2FR、2RL用のブレ
ーキ配管12(分岐配管12A、12B)に対しても、
前記ブレーキ配管11(分岐配管11A、11B)と同
様に構成されている。ただし、モータ31は、トラクシ
ョン制御用ポンプ24と、ABS制御用の2つのポンプ
49用との共通とされている。なお、ポンプ24、49
はそれぞれ、容積型(実施例でプランジャ型)とされ
て、モータ1回転(プランジャ1往復)あたりの吐出量
を知りえる構造のものとなっている。
【0036】前記リザ−バ44は、シリンダ44aと、
該シリンダ44a内に摺動自在に画成されたピストン4
4bとを有し、該ピストン44bによってシリンダ44
a内には、ブレ−キ液が出入りされる作動室(貯留室)
44cが画成されている。ピストン44bを挟んで作動
室44cとは反対側の室には、リタン−ンスプリング4
4dが配設されて、このスプリング44dによって、ピ
ストン44bが作動室44cを圧縮する方向、つまり作
動室44c内のブレ−キ液を排出する方向に所定の付勢
力でもって付勢されている。
【0037】上記スプリング44dの付勢力(によって
生じる作動室44cでの発生圧力)は、戻し配管47の
通路抵抗よりも若干大きい程度に設定されている。より
具体的には、戻し配管47における通路抵抗は、実質的
に各チェック弁48、50、53のチェック圧(開弁
圧)によって決定されるが、スプリング44dの付勢力
は、各チェック弁48、50、53のチェック圧の総和
よりも若干大きくなるように設定されている(スプリン
グ44dにより生じる作動室44cでの発生圧が上記各
チェック圧の総和よりも若干大きい)。これにより、マ
スタシリンダ1にブレ−キ液圧が発生されていないとき
は、モ−タ31つまりポンプ49が停止していても、作
動室44c内に残留したブレ−キ液は、スプリング44
dの付勢力によって、戻し配管47を経てブレ−キ配管
11あるいは12(つまりマスタシリンダ1)へ戻すこ
とが可能とされている。
【0038】ここで、駆動輪を前輪(ホイ−ルシリンダ
2FL、2FRが対応)とした場合、トラクション制御
に際しては、ABS制御用の各弁のうち、全ての減圧弁
46が閉じられると共に、従動輪用となる分岐配管11
Bと12Bの各増圧弁41も閉じられ、駆動輪用の分岐
配管11A、12A用の増圧弁41のみが開かれる。こ
の状態で、モータ31に通電することによりポンプ24
を駆動しつつ、各制御弁30を個々独立して制御(例え
ばデュ−ティ制御)することにより、駆動輪の路面に対
する過大なスリップが防止される。なお、トラクション
制御に際しては、例えば、駆動輪の路面に対するスリッ
プ値を、車速と各駆動輪の回転速度とから決定して(例
えば、車速と駆動輪回転速度との偏差、あるいは比でス
リップ値を決定する)、このスリップ値が所定の目標値
となるように、制御弁30がフィ−ドバック制御され
る。
【0039】ABS制御に際しては、トラクション制御
用の遮断弁21が開かれた状態とされる。この状態で、
増圧弁41と減圧弁46とを制御することにより、各車
輪毎つまり各ホイ−ルシリンダ2FL〜2RR毎に個々
独立して、ブレーキ液圧の増圧、減圧、保持の制御が行
われる。勿論、増圧は、減圧弁46を閉じて増圧弁41
を開くことにより行われ、減圧は、増圧弁41を閉じて
減圧弁46を開くことにより行われ、保持は、増圧弁4
1と減圧弁46とを共に閉じることにより行われる。な
お、ABS制御の具体的な手法の一例については、後述
する。
【0040】減圧により、リザ−バ44内にはブレーキ
液が排出されるが、このリザ−バ44内のブレーキ液
は、ポンプ49によって、増圧弁41より上流側のブレ
ーキ配管11あるいは12へ戻されるが、このブレーキ
液が戻されるブレーキ配管11、12の圧力は、マスタ
シリンダ1での発生ブレーキ液圧と同じ高圧であり、ポ
ンプ49(モータ31)は、この高圧に抗してブレーキ
液を戻すことになる。したがって、ブレーキ液が戻され
るブレーキ配管11、12の圧力が小さいほど、ポンプ
49(モータ31)の行う仕事は小さくて済むことにな
る(ポンプ49、モータ31の能力を小さなものとする
ことができる)。
【0041】ABS制御の一例(図2、図3) ABS制御に際しては、フェ−ズ0、フェ−ズ1、フェ
−ズ2、フェ−ズ3、フェ−ズ5が用いられるが、この
意味するところは次の通りである。 フェ−ズ0:非ABS制御中を意味する。 フェ−ズ1:増圧を意味する。 フェ−ズ2:非ABS制御後あるいは増圧後の保持を意
味する。 フェ−ズ3:減圧を意味する。 フェ−ズ5:減圧後の保持を意味する。
【0042】また、車輪のロック傾向を示すスリップ値
は、例えば次式により決定されるが、疑似車体速の推定
は、既知の適宜の手法によって行われる(もっとも簡単
な手法は、ハンドル舵角つまり旋回半径の相違を補償す
るように補正された後の各車輪速のうち、もっとも大き
い車輪速を擬似車体速とすればよい)。 ABS制御用のスリップ値=(車輪速/疑似車体速)×
100%
【0043】以上のことを前提として、図2において、
t1時点となるまではABS制御が行なわれないときで
あり、ブレ−キ液圧の上昇につれて車輪速が疑似車体速
よりも徐々に低下されていく。車輪速の低下により、t
1時点すなわちA時点では、車輪速の減速度がABS制
御開始条件としての所定値にまで低下する。
【0044】A時点からABS制御が開始されるが、先
ずブレ−キ液圧を保持することから行なわれる。この保
持中も車輪速が低下していき、B時点で示すようにスリ
ップ値が所定のしきい値にまで低下すると、減圧が行な
われる。この減圧により、車輪速の低下度合が弱まって
いき、C時点では減速度が0付近になる。
【0045】減速度が0付近になったC時点では、保持
が行なわれ、これにより車輪速が徐々に上昇して、D時
点でスリップ値が前記所定のしきい値にまで復帰する。
このD時点からは、増圧されるが、初期は急増圧とさ
れ、その後緩増圧とされる。
【0046】増圧により、E時点において再び車輪速の
減速度が、ABS制御開始条件として設定した前記所定
の値にまで小さくなる。これにより、ブレ−キ液圧の保
持が行なわれた後、F時点でスリップ値が所定のしきい
値にまで低下すると、減圧が行なわれる。そして、前記
C時点に対応したG時点から、ブレ−キ液圧の保持が行
なわれる。
【0047】以上がABS制御の概略であり、減圧後の
保持となるフェ−ズ5の終了(増圧開始)から次のフェ
−ズ5の終了までの期間が制御1サイクルとなる。ただ
し、ABS制御開始時に限りこの1サイクルが、フェ−
ズ2の保持開始からフェ−ズ5の終了時点までとなる
(ABS制御がフェ−ズ2から開始されるため)。フェ
−ズが変更されるときのしきい値は、路面μ(摩擦係
数)に応じて変更され、この路面μに応じたしきい値の
具体的設定例例を、図3に示してある。
【0048】逆起電力検出(図4、図5) 図4は、モ−タ31の逆起電力を検出する部分の構成を
含めた制御系統を示すものである。この図4において、
Uはマイクロコンピュ−タを利用して構成された制御ユ
ニットで、この制御ユニットUは、トラクション制御や
前述したABS制御を行なうため、各輪の回転速度を個
々独立して検出するセンサや、このABS制御等に必要
なパラメ−タ例えば舵角、路面μ(既知のように推定で
も可)等の各種信号が入力されるが、これ等のセンサ類
は図示を略してある。勿論、この制御ユニットUから
は、図1に示す各種弁やモ−タ31に制御信号(駆動信
号)が出力される。
【0049】図4において、81はバッテリ、82はイ
グニッションスイッチ、83は、ブザ−や運転者から目
視し易い位置に設けたランプ等の警報器である。モータ
31にたいする通電は、リレー84の常開型接点スイッ
チ85を介して行われるようになっており、このリレー
84のコイル86に対する通電制御が、制御ユニットU
におけるスイッチトランジスタSTRを利用して行われ
る。すなわち、トランジスタSTRをONしてコイル8
6を励磁することによりスイッチ85が閉となってモー
タ31に対して通電される。コイル86の制御ユニット
Uに対する接続ポートが符合αで示される。スイッチ8
5とモータ31との間の給電経路が、制御ユニットUの
接続ポートβに接続されている。この接続ポートβは、
モータ31の端子電圧検出用となる。なお、図4一点鎖
線で示す部分は、逆起電力検出の他の例を示すものであ
り、この点については後述する。
【0050】モータ31の起電力検出は、モータ31の
通電中(コイル86の励磁中)に一時的にモータ31の
通電をカットして(コイル86を消磁する)、この通電
カットされた直後の接続ポートβへの入力電圧(逆起電
力)を検出することにより行われる。ここで、逆起電力
とモータ回転数との関係を図5に示してあり、逆起電力
が大きいほどモータ回転数が線形的に大きくなる(図5
の特性は、制御ユニットU中のROMに記憶されてい
る)。
【0051】なお、逆起電力が小さすぎるとき、例えば
図5においてE1以下のときは、モータ31(つまりポ
ンプ24あるいは49)がロックしているときと考えら
れるときである。また、逆起電力が大きすぎるとき、例
えば図5においてE2以上のときは、モータ31に対す
る負荷が小さくてポンプが事実上仕事をしていないと
き、つまりポンプ49に着目すれば、リザ−バ44内の
残留ブレーキ液量が零あるいは零付近である状態のとき
であるとみることができる。
【0052】ABS制御の制御定数変更の制御(図6) 次に、図6のフロ−チャ−トを参照しつつ、制御ユニッ
トUによるABS制御用の制御定数変更の制御について
説明する。この図6は、ABS制御中における制御定数
変更の場合を示し、また通常のABS制御に対して所定
時間(例えば900msec)毎の割り込み処理となっ
ている。なお、以下の説明でQはステップを示す。
【0053】先ず、Q1において、ABS制御のデ−
タ、例えばロック判定時の車両減速度、減圧時間、増圧
時間、増圧後のロック判定時の車輪減速度等が読み込ま
れる。Q2では、ホイ−ルシリンダ液圧が決定される。
なお、Q1、Q2の処理は、モータ31の逆起電力を利
用してリザ−バ44内の残留ブレーキ液量を算出するた
めに必要なデ−タを得るための処理であり、この点につ
いては後に詳述する。
【0054】Q3では、モータ31の逆起電力GEが検
出されるが、この処理は前述したように、コイル86の
励磁を一時的にカットして、このカットした後(実施例
では100msec後)の接続ポートβの入力電圧を読
み込むことにより行われる。Q4では、得られた逆起電
力GEを、図5にマップに照合して、モータ31の回転
数が決定される。
【0055】Q5では、後述するように、Q1、Q2、
Q4でえられたデ−タから、リザ−バ4内の残留ブレー
キ液量RZが推定される。Q6では、残留ブレーキ液量
RZが、所定値以上であるか否かが判別される。このQ
6の判別でNOのときは、Q7において、ABS制御の
制御定数が通常のもの(基本のもの)とされる。すなわ
ち、各種制御しきい値は、図3に示す値に設定され、減
圧速度や増圧速度も基本通りとされる。
【0056】Q6の判別でYESのときは、Q8におい
て、ABS制御の制御定数が、ホイ−ルシリンダ2から
リザ−バ44へのブレーキ液解放が抑制される方向、つ
まり車輪のロック傾向が弱まる方向へ変更される。この
制御定数変更にさいしては、種々の制御定数の一部のみ
あるいは複数さらには全部を変更することができるが、
変更対象となる制御定数としては例えば次のようなもの
がある。先ず、減圧制御開始の減圧制御しきい値を小さ
くする方向に変更することである(例えば、低μ路用の
パラメ−タである95%を98%に変更する)。また、
減圧速度を早くする変更とすることもできる。さらに、
増圧開始用の増圧制御しきい値を大きくする方向へ変更
すること、あるいは増圧速度を遅くする変更とすること
もできる(いずれの場合も、増圧のオ−バシュ−トに起
因して、次の減圧制御が過度に行われないようにす
る)。
【0057】Q7あるいはQ8の後は、Q9において、
逆起電力GEが小さいか否か、より具体的には、逆起電
力GEが図5におけるE1以下であるか否かが判別され
る。このQ9の判別でYESのときは、モータ31つま
りポンプ49がロックしていて、リザ−バ44からブレ
ーキ液が排出されない可能性が高いときであるとして、
Q10において、ABS制御が中止(禁止)される。
【0058】Q9の判別でNOのときは、Q11におい
て、逆起電力GEが大きいか否か、より具体的には、逆
起電力GEが図5におけるE2以上であるか否かが判別
される。このQ11の判別でYESのときは、ポンプ4
9の負荷が小さいとき、つまりリザ−バ44内の残留ブ
レーキ液量が零あるいは零付近であって、ポンプ49の
運転が不要なときであるとして、Q12において、モー
タ31つまりポンプ49が停止される。
【0059】ここで、逆起電力GE等を利用して、リザ
−バ44内の残留ブレーキ液量を推定する1例について
説明する。先ず、ホイ−ルシリンダ液圧が次のようにし
て推定される。 (1)ロック判定時の車両減速度から、減圧開始時の液圧
の推定を行う。 (2)減圧時間から、上記 (1)からの減圧量を計算して、
減圧後の液圧を推定する。 (3)増圧時間を積算する。 (4)増圧後のロック判定時の車両減速度から、液圧推定
を行う(上記 (1)と同じ意味合い)。 (5)上記 (4)の推定液圧から (2)の推定液圧を差し引い
た分が、 (3)の増圧時間内での増圧となるので、元圧
(マスタシリンダ圧)を演算する。 (6)次回増圧サイクル(上記 (3)に相当)では、上記
(5)の元圧と一連のホイ−ルシリンダ圧とから、制御後
のホイ−ルシリンダ圧が推定される。
【0060】リザ−バ44内の残留ブレーキ液量の推定
は次のようにして行われる。 (1)ABS制御開始時には初期値が零とされる。 (2)減圧時、減圧前後における推定ホイ−ルシリンダ液
圧の差(減圧量)から、リザ−バ44へ解放されたブレ
ーキ液量を推定して、この推定分をリザ−バ内の残留ブ
レーキ液量に加算する。 (3)モータ31の回転数に見合うポンプ49のブレーキ
液汲み上げ量を、当該モータ回転数から推定して、この
推定分をリザ−バ液量から減算する。
【0061】逆起電力検出の変形例(図4) 図4の一点鎖線部分は、逆起電力検出の別の手法を示す
ものである。すなわち、スイッチ85とモ−タ31との
間に、駆動電流を検出する電流計87を接続して、電流
計87で検出された電流が制御ユニットUの入力ポ−ト
γへ入力されるようにしてある。本実施例では、逆起電
力の検出は、入力ポ−トγに入力される電流計87で検
出された電流と、入力ポ−トβに入力されるモ−タ31
の端子電圧と、モ−タ31の抵抗値(コイル抵抗値)と
に基づいて理論的に算出されるが、モ−タ31の抵抗値
は通常の使用温度条件下においてあらかじめ計測、記憶
されている。
【0062】逆起電力GEの算出は、『V−GE=I・
R』の計算式に基づいて得られる。ただし、V=バッテ
リ電圧(モータ31への印加電圧)、I=計測電流、R
=抵抗値である。本実施例によれば、電流計87を付加
するというだけで、モ−タ31への通電をカットするこ
となく任意の時点でモ−タ31の逆起電力を知ることが
できる。なお、得られた逆起電力に基づく制御(逆起電
力の利用)は、例えば図6に示す場合と同じように行な
うことができる。
【0063】モ−タ31への通電時間制御(図7) 図7は、ABS制御に制御のハンチング発生、つまり減
圧制御が頻繁に行なわれることによりリザ−バ44への
ブレ−キ液解放が多量に行なわれる場合に対応したモ−
タ制御の実施例を示す。なお、モ−タ31は、原則とし
て、ABS制御開始時に通電開始されて、ABS制御中
通電され続け、ABS制御終了時に通電終了とされるも
のである。
【0064】この図7において、先ず、Q21におい
て、ABS制御の開始時であるか否かが判別される。こ
のQ21の判別でYESのときは、Q22において、タ
イマが0にクリアされる。Q22を経た後、Q21の判
別でNOとなってQ23へ移行し、現在ABS制御中で
あるか否かが判別される、当初は、Q23の判別でYE
Sとなり、このときは、Q24においてタイマがカウン
トアップされ、次いでQ25において、制御サイクルの
数SSがカウントされる(図2で示す第1サイクル、第
2サイクル、第3サイクルというサイクル数のカウウ
ト)。
【0065】Q25の後、Q26において、ABS制御
から所定時間経過した否かが判別される。このQ26の
判別でNOのときはそのままリタ−ンされ、Q26の判
別でYESとなると、Q27において、これまでにカウ
ントされた制御サイクルの数SSが所定値以上であるか
否かが判別される。このQ27の判別でYESのとき
は、制御のハンチングを生じているときであるとして、
Q28においてフラグが1にセットされ、Q27の判別
でNOのときは、Q29においてフラグが0にセットさ
れる。
【0066】Q23の判別でNOは、Q30において、
ABS制御の終了時点であるか否かが判別される。この
Q31の判別でYESのときは、Q31において、フラ
グが1であるか否かが判別される。このQ31の判別で
NOのときは、そのままリタ−ンされる(原則通り、A
BS制御終了に応じてモ−タ31への通電停止)。Q3
1の判別でYESのときは、Q32において、モ−タ3
1への通電を継続し続ける。これにより、リザ−バ44
内のブレ−キ液がマスタシリンダ1側へと戻され続け
る。
【0067】Q32の後、Q33において、モ−タ31
の逆起電力が所定値よりも大きくなったか否かが判別さ
れる。このQ33の判別でNOのときは、モ−タ31へ
の負荷が大きいとき、つまりリザ−バ44内にブレ−キ
液が残留していて、モ−タ31はこのブレ−キ液を戻す
ための仕事をしているときであるとして、Q32へ戻っ
て、モ−タ31への通電が継続される。Q33の判別で
YESとなると、リザ−バ44内が空となって、モ−タ
31への負荷が軽減されたときであるとして、Q34に
おいてモ−タ31への通電がカットされる。
【0068】図7の変形として、例えば、次のようにす
ることもできる。すなわちに、Q33の処理を行なう代
りに、モ−タ32の通電を所定時間だけ継続するという
制御に変更してもよい。この場合、上記所定時間を、一
定時間として設定するだけでなく、カウントされた制御
サイクル数が多いほど長くするように可変設定すること
もできる。また、ABS制御のハンチング検出は、例え
ば減圧弁46の所定時間内の作動回数として見る等、適
宜の手法により検出することができる。
【0069】図7のQ32〜Q34の処理は、ABS制
御のハンチングとは無関係に、ABS制御終了後におけ
るモ−タ31への通電停止を行なう基本条件として設定
することもできる(Q31の処理をなくして、Q30の
判別でYESとなると、Q32へ移行するようにす
る)。
【0070】以上実施例について説明したが、本発明は
これに限らず、例えば次のような場合をも含むものであ
る。 (1)駆動輪が後輪のみの場合でもよく、4輪全てが駆動
輪の場合であってもよい。 (2)トラクション制御は行わないで、ABS制御のみを
行うものであってもよい。 (3)リザ−バ44やポンプ49は、各車輪毎に個々独立
して設けてもよい。 (4)増圧弁41と減圧弁46とは、1ユニット化したも
のとしてもよい。この場合、ブレーキ液圧の保持の状態
を確保するため、1ユニット化された弁装置は、増圧位
置と減圧位置と保持位置との3ポジションを取りえる構
造のものを採択すればよい。 (5)リザ−バ44内の残留ブレーキ液量(例えば液面検
知)を検出するセンサを別途設けて、このセンサの出力
に応じてABS制御の制御定数を変更するようにしても
よい。この場合、上記センサは、例えば2段階等の段階
式にブレーキ液量を検出するものに限らず、連続可変式
にブレーキ液量を検知するものであってもよい。なお、
ABS制御の制御定数は、実施例に示すように2段階に
限らず、3段階以上の多段階にあるいは連続可変式に変
更するようにしてもよい。 (6)ABS制御の制御定数変更は、ABS制御開始前
(通常はイグニッションスイッチがONされた直後)に
行われるイニシャルチェック時に行うようにしてもよ
い。イニシャルチェック時の制御定数変更を簡単に行う
ため、モータ31の逆起電力が所定値以上のとき(図5
E2以上)のときに、リザ−バ44内のブレーキ液量が
少ないときであるとして制御定数を基本通りとし、これ
以外のときに制御定数を減圧制御が抑制される方向に変
更するようにすることができる。 (7)ABS制御は、保持制御を有しないで、減圧制御と
増圧制御のみであってもよい。 (8)図7におけるABS制御の制御ハンチングの検出と
して、悪路が検出されたときに制御ハンチング生じてい
るとする手法を採択してもよい。悪路検出は、従来既知
の適宜の手法によりなし得るが、例えば、上下方向加速
度を検出するセンサを利用して、車体に作用する所定以
上の上下方向加速度が所定時間内に所定回数以上検出さ
れたときに悪路であると判定することができ、また、車
高センサを用いて、車輪の所定以上の上下方向変位量が
所定時間内に所定回数以上検出されたときに悪路である
と判定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ブレーキ系統の一例を示す全体系統図。
【図2】ABS制御の一例を示す図。
【図3】ABS制御を行う場合の制御しきい値の設定例
を示す図。
【図4】逆起電力検出部分を含む制御系統図。
【図5】逆起電力とモータ回転数との関係例を示す図。
【図6】制御定数変更の制御例を示すフロ−チャ−ト。
【図7】ABS制御の制御ハンチングに応じたモ−タ通
電時間の制御例を示すフロ−チャ−ト。
【符合の説明】
1:マスタシリンダ 2:ホイ−ルシリンダ 4:ブレーキペダル 11:ブレーキ配管(高圧ブレーキ系統) 12:ブレーキ配管(高圧ブレーキ系統) 14:調圧機構(ABS制御用) 31:モータ 41:増圧弁 44:リザ−バ 44a:シリンダ 44b:ピストン 44c:作動室 44d:スプリング 46:減圧弁 47:戻し配管 49:ポンプ 48、50、53:チェック弁 81:バッテリ 82:イグニッションスイッチ 87:電流計 U:制御ユニット β:逆起電力検出用ポート

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ホイ−ルシリンダのブレーキ液圧を少なく
    とも増圧制御と減圧制御することによって、車輪の路面
    に対するロックを防止するABS制御手段を備え、 減圧制御によってホイ−ルシリンダからリザ−バへ開放
    されたブレーキ液を、ポンプによって、マスタシリンダ
    で発生される高圧のブレーキ液圧が作用している高圧ブ
    レーキ系統に戻すようにした車両のアンチロックブレー
    キ装置において、 前記リザ−バ内の残留ブレーキ液量を検出する残留量検
    出手段と、 前記残留量検出手段で検出された残留量に応じて、前記
    ABS制御手段の制御定数を変更する制御定数変更手段
    と、を備えていることを特徴とする車両のアンチロック
    ブレーキ装置。
  2. 【請求項2】請求項1において、 前記制御定数変更手段が、前記残留量検出手段で検出さ
    れる残留量が多いときは少ないときに比して、前記減圧
    制御による減圧量が抑制される方向に前記制御定数を変
    更するもの。
  3. 【請求項3】請求項1において、 前記ポンプが、モータによって駆動されるように設定さ
    れ、 前記残留量検出手段が、前記モータの逆起電力を検出す
    る逆起電力検出手段と、該逆起電力検出手段により検出
    された逆起電力に基づいて前記モータの回転数を決定す
    る回転数決定手段とを備えて、該回転数決定手段で決定
    されるモータ回転数に基づいて前記リザ−バ内に残留し
    ているブレーキ液の残留量を推定するもの。
  4. 【請求項4】請求項1において、 前記制御定数変更手段が、前記残留量検出手段で検出さ
    れる残留量が所定値以上のときは所定値未満のときに比
    して、前記増圧制御の際における増圧速度が遅くなるよ
    うにするもの。
  5. 【請求項5】請求項1において、 前記制御定数変更手段が、前記残留量検出手段で検出さ
    れる残留量が所定値以上のときは所定値未満のときに比
    して、前記減圧制御を開始するための減圧用制御しきい
    値を車輪のロック傾向が弱くなる方向に変更するもの。
  6. 【請求項6】請求項1において、 前記制御定数変更手段による制御定数の変更が、イニシ
    ャルチェック時に行われるもの。
  7. 【請求項7】請求項1において、 前記制御定数変更手段による制御定数の変更が、前記A
    BS制御手段によるABS制御中に、所定時間毎におこ
    なわれるもの。
  8. 【請求項8】請求項3において、 前記回転数決定手段で決定されるモータ回転数に基づい
    て前記ポンプのロックを判定して、該ポンプがロックし
    ていると判定されたときに前記ABS制御手段による制
    御を禁止する禁止手段を備えているもの。
  9. 【請求項9】請求項3において、 前記逆起電力検出手段で検出される逆起電力が所定値以
    上のときに、前記モータを停止させることにより前記ポ
    ンプを停止させるポンプ停止手段を備えているもの。
  10. 【請求項10】請求項3において、 前記逆起電力検出手段が、前記モータに対する通電を一
    時的に停止して、該通電停止後のモータ端子電圧を測定
    することにより逆起電力を検出するように設定されてい
    るもの。
  11. 【請求項11】請求項3において、 前記逆起電力検出手段が、前記モータに対する供給電流
    を検出する電流検出手段を備えて、該電流検出手段で検
    出された電流とモータ端子電圧とモータのコイル抵抗値
    とに基づいて、逆起電力を算出するもの。
  12. 【請求項12】ホイ−ルシリンダのブレーキ液圧を少な
    くとも増圧制御と減圧制御することによって、車輪の路
    面に対するロックを防止するABS制御手段を備え、 減圧制御によってホイ−ルシリンダからリザ−バへ開放
    されたブレーキ液を、モータによって駆動されるポンプ
    によって、マスタシリンダで発生される高圧のブレーキ
    液圧が作用している高圧ブレーキ系統に戻すようにした
    車両のアンチロックブレーキ装置において、 前記ABS制御手段による制御にハンチングが生じたと
    き、該ABS制御手段の制御終了後に、所定時間だけ前
    記モータを駆動する駆動時間延長手段を備えている、こ
    とを特徴とする車両のアンチロックブレーキ装置。
  13. 【請求項13】請求項12において、 前記ABS制御手段による制御が、前記増圧制御と減圧
    制御とを所定の制御サイクルで繰り返し行うように設定
    され、 前記制御サイクルが所定時間内に所定回数以上発生した
    ときに、前記制御のハンチグンが生じているものとし
    て、前記駆動時間延長手段が作動されるもの。
  14. 【請求項14】請求項12において、 悪路を検出する悪路検出手段を備え、 前記悪路検出手段により悪路が検出されたときに、前記
    制御のハンチングが生じているものとして、前記駆動時
    間延長手段が作動されるもの。
  15. 【請求項15】ホイ−ルシリンダのブレーキ液圧を少な
    くとも増圧制御と減圧制御することによって、車輪の路
    面に対するロックを防止するABS制御手段を備え、 減圧制御によってホイ−ルシリンダからリザ−バへ開放
    されたブレーキ液を、ポンプによって、マスタシリンダ
    で発生される高圧のブレーキ液圧が作用している高圧ブ
    レーキ系統に戻すようにした車両のアンチロックブレー
    キ装置において、 前記リザ−バが、該リザ−バ内のブレーキ液を前記高圧
    ブレーキ系統へ向けてブレーキ液を戻すように所定の付
    勢力でもって付勢され、 前記所定の付勢力が、該リザ−バから前記高圧ブレーキ
    系統に至るまでの戻し通路の通路抵抗に打ち勝って該リ
    ザ−バ内のブレーキ液を該高圧ブレーキ系統へ戻すこと
    ができるような大きさに設定されている、ことを特徴と
    する車両のアンチロックブレーキ装置。
  16. 【請求項16】請求項15において、 前記戻し通路に、前記リザ−バから高圧ブレーキ系統へ
    向けての流れのみを許容する複数のチェック弁が配設さ
    れ、 前記所定の付勢力が、前記複数のチェック弁のチェック
    圧の和以上の大きさに設定されているもの。
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