JPH09254764A - 車両の制動力制御装置 - Google Patents

車両の制動力制御装置

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JPH09254764A
JPH09254764A JP7001396A JP7001396A JPH09254764A JP H09254764 A JPH09254764 A JP H09254764A JP 7001396 A JP7001396 A JP 7001396A JP 7001396 A JP7001396 A JP 7001396A JP H09254764 A JPH09254764 A JP H09254764A
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JP
Japan
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wheel
control
vehicle
fluid pressure
braking force
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JP7001396A
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Inventor
Haruki Okazaki
晴樹 岡崎
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Mazda Motor Corp
Original Assignee
Mazda Motor Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】左右に相対する車輪のブレーキ液圧を個別に調
節するABS制御において、該左右の両輪が同時に深い
ロック状態に落ち込むことを防止する。 【解決手段】左右に相対する車輪の各々についてABS
制御閾値を設定し、該左右の車輪のうちの一方のみにつ
いてABS制御が開始されたときには、他方の車輪につ
いては目標とする車輪のスリップ率を小さくする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は車両の制動力制御装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】最近の車両では、車体速度と各車輪の車
輪速度とに基いて車両制動時の各車輪のロック傾向を判
定(予測)し、制動用ホイールシリンダのブレーキ液圧
を適切に制御(制動規制)することによって、スピン等
の恐れのない安定した車両制動状態を実現するようにし
た車両の制動力制御装置(所謂ABSシステム)が多く
採用されるようになっている。そして、このようなAB
Sシステムにおいて、前輪及び後輪の各々に関し左右の
車輪を互い独立に制御することは知られており、例え
ば、特開平1−269655号公報には、通常は左右の
後輪をセレクトローで制御し、路面左右の摩擦係数が異
なる所謂スプリット路が検出されたときに該左右の後輪
を独立制御に切り換えることが記載されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、一般に前輪で
あるか後輪であるかを問わず、左右の車輪を独立制御に
した場合には、各車輪のロック傾向の強弱に応じた適切
な制御を行なうことができるものの、この左右の車輪が
別個に制御される関係で同時に深いロック状態(高スリ
ップ率状態)に陥ってしまう場合を生ずる。これでは、
車両の走行安定性の確保に不利になり、また車両の制動
距離の長くなってしまう結果となる。
【0004】
【課題を解決するための手段】このような課題に対し、
本発明は、左右に相対する車輪を原則として独立に制御
するが、完全な独立ではなく、一方の車輪のロック傾向
の大小に相応じて他方の車輪の制御状態を変更するよう
にして、両輪が同時に深いロック状態に陥ることを避
け、車両の走行安定性の確保、ひいては車両全体に及ぼ
す制動力の確保を図るものである。
【0005】すなわち、この出願の発明は、車体速と車
輪速とに基づいて車両制動時の各車輪のロック傾向を判
定し、各車輪の制動用ホイールシリンダのブレーキ液圧
を制動力が適切なものになるように且つ左右の車輪につ
いて個別に調節するようにした車両の制動力制御装置に
おいて、上記左右に相対する各車輪のブレーキ液圧制御
の開始条件を互いに相手側の制御開始に応じて変更する
制御条件の相応変更手段を備えているものであり、一方
の車輪のみについてブレーキ液圧の制御が開始されたと
きに、他方の車輪については予め制御開始条件として設
定されたロック傾向が判定される前にブレーキ液圧の制
御が開始されるようにして、該他方の車輪が深いロック
状態に陥ることを未然に防ぐようにしている。
【0006】従って、ABS制御の開始に伴って上記一
方の車輪が比較的深いロック状態に陥ることがあって
も、両輪が同時に深いロック状態に陥ることがなくなる
ため、車両の走行安定性を確保する上で有利になる。
【0007】この出願の別の発明は、上記発明と同様の
車両の制動力制御装置において、その左右に相対する各
車輪のブレーキ液圧の制御の開始条件についての相応変
更手段が、一方の車輪のみについてブレーキ液圧の制御
が開始され且つ該一方の車輪のロック傾向が所定程度以
上に強いときに、他方の車輪の制御開始条件を予定のロ
ック傾向が判定される前にブレーキ液圧の制御が開始さ
れるように変更するものとして構成されている。
【0008】すなわち、上記左右の車輪のうちの一方の
車輪のブレーキ液圧の制御が開始されても、そのロック
傾向が弱いものであれば、左右の両輪が同時に深いロッ
ク状態に落ち込む可能性が少ないため、他方の車輪につ
いてはブレーキ液圧の制御を早期に開始させる必要はな
いものであり、車両全体に与える制動力を確保するとい
う観点から、上記のように構成されているものである この出願のさらに別の発明は、先に説明した発明と同様
の車両の制動力制御装置において、その左右に相対する
各車輪のブレーキ液圧の制御の開始条件についての相応
変更手段が、左右の車輪のうちの一方の車輪のみについ
てブレーキ液圧の制御が開始され且つ該一方の車輪のロ
ック傾向が所定の程度よりも弱いときには、他方の車輪
については予定するロック傾向よりも強いロック傾向が
判定されないとブレーキ液圧の制御が開始されないよう
に、制御開始条件を変更するものとして構成されてい
る。
【0009】すなわち、この発明は、一方の車輪のロッ
ク傾向が弱いときには、車両全体に与える制動力の確保
の観点から、他方の車輪についてはブレーキ液圧制御の
開始を積極的に遅らせる、つまり、予定するロック傾向
があっても、ブレーキ液圧の制御に入らないようにして
該他方の車輪に比較的大きなブレーキ液圧を作用させる
ことができるようにしているものである。
【0010】この出願のさらに別の発明は、以上に説明
した各発明において、ブレーキ液圧の減圧制御の開始条
件を車両制動時における車輪のスリップ量で設定すると
ともに、上記制御条件の相応変更手段が、上記ブレーキ
液圧の減圧を開始するためのスリップ量に関する所定値
を変更するものとして構成されている。
【0011】従って、先に説明した3つの発明のうち前
二者の場合は上記所定値であるスリップ量が小さくなる
ように変更することによって減圧制御に入り易くし、後
者の場合は該スリップ量が大きくなるように変更するこ
とによって減圧制御に入り難くすることになる。
【0012】この出願のさらに別の発明は、以上に説明
した各発明において、上記制御条件の相応変更手段によ
ってブレーキ液圧の制御条件が変更される車輪を後輪に
限定したものである。それは、車両の走行安定性の確保
には後輪のロック防止が極めて重要である、という観点
からであり、前輪については車両全体に及ぼす制動力の
確保の観点から、通常のABS制御を行なうようにして
いるものである。
【0013】この出願のさらに別の発明は、先に説明し
た発明のうち、左右の車輪の一方の制御開始に応じて他
方も制御が開始され易いようにする発明において、上記
制御条件の相応変更手段が、該他方の車輪のブレーキ液
圧がマスタシリンダ液圧の増大速度よりも低い速度で増
大する緩増圧制御が開始されるように、当該他方の車輪
の制御条件を変更することを特徴とする。
【0014】従って、上記他方の車輪についてはブレー
キ液圧の増大が遅れることによって急に深いロック状態
に陥ることがなくなり、車両の走行安定性の確保に有利
になる。
【0015】この出願のさらに別の発明は、先に説明し
た発明のうち、左右の車輪の一方の制御開始に応じて他
方も制御が開始され易いようにする発明において、上記
制御条件の相応変更手段が、当該他方の車輪のブレーキ
液圧制御を開始させるように制御開始条件を変更する度
合については、前輪側よりも後輪側の方を、そのブレー
キ液圧制御がより弱いロック傾向で開始されるように、
大きくすることを特徴とする。
【0016】すなわち、一般に後輪については前輪より
もロック傾向が弱いときからABS制御が開始されるよ
うに制御条件が設定されるが、当該発明では、後輪のロ
ック防止が車両の走行安定性に前輪よりも重要な役割を
果たすことを重視し、上記制御開始条件の変更度合につ
いても、後輪の方を前輪よりも大きくして、後輪がより
早くABS制御に入るようにしたものである。
【0017】この出願のさらに別の発明は、先に説明し
た発明のうち、左右の車輪の一方の制御が開始されても
そのロック傾向が弱いときには他方の車輪の制御開始を
規制する発明において、上記制御条件の相応変更手段
が、当該他方の車輪のブレーキ液圧制御を開始させるよ
うに制御開始条件を変更する度合については、前輪側よ
りも後輪側の方を、そのブレーキ液圧制御がより弱いロ
ック傾向で開始されるように、小さくすることを特徴と
する。この出願の発明も、上記後輪のロック防止が車両
の走行安定性に前輪よりも重要な役割を果たすことを重
視したものである。
【0018】この出願のさらに別の発明は、左右に相対
する各車輪のブレーキ液圧の制御条件を、該左右の車輪
のうちの一方のロック傾向が強いほど他方の車輪に与え
る制動力が小さくなるように、変更する制御条件の相応
変更手段を備えていることを特徴とする。
【0019】すなわち、一方の車輪のロック傾向が強い
ときに他方の車輪の制動力が小さくなれば、当該左右の
両輪が同時に深いロック状態に陥ることがなくなる。
【0020】この出願のさらに別の発明は、左右に相対
する各車輪のブレーキ液圧の制御条件を、該左右の車輪
のうちの一方のロック傾向が弱いほど他方の車輪に与え
る制動力が大きくなるように、変更する制御条件の相応
変更手段を備えていることを特徴とする。
【0021】すなわち、一方の車輪のロック傾向が弱い
ときには他方の車輪の制動力が大きくなっても、当該左
右の両輪が同時に深いロック状態に陥ることはなく、か
えって、上記他方の車輪の制動力の増大によって、車両
全体に及ぼす制動力を大きくして制動距離の短縮に有利
になる。
【0022】
【発明の効果】従って、本発明によれば、左右に相対す
る車輪のうちの一方の車輪の制御状態ないしはロック傾
向に相応じて他方の車輪の制御条件を変更するようにし
たから、左右両輪が同時に深いロック状態に陥ることを
防止することができ、車両の走行安定性の確保に有利に
なる。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、本願発明の幾つかの実施の
形態に係る車両の制動力制御装置の構成について、添付
の図面に基づいて詳細に説明する。
【0024】(1) 各実施の形態に共通なブレーキ液
圧系統の説明(図1参照) 図1において、符号1はマスタシリンダ、2FL〜2R
Rはそれぞれホイールシリンダであり、2FLが左前輪
用、2FRが右前輪用、2RLが左後輪用、2RRが右
後輪用である。マスタシリンダ1は、倍力装置3を介し
てブレーキペダル4に連結され、ブレーキペダル4を踏
み込み操作することによって、マスタシリンダ1にブレ
ーキ液圧が発生される。この倍力装置3は、例えば真空
倍力式あるいは液圧倍力式ものとされている。
【0025】マスタシリンダ1は、2つの吐出口1aと
1bとを有するタンデム型とされている。一方側の吐出
口1aには第1のブレーキ配管11が接続され、この第
1のブレーキ配管11の下流は、第1、第2の2本の分
岐配管11Aと11Bとに分岐されている。そして、第
1の分岐配管11Aには左後輪用のホイールシリンダ2
RLが接続され、第2の分岐配管11Bには右後輪用の
ホイールシリンダ2RRが接続されている。また、他方
側の吐出口1bには第2のブレーキ配管12が接続さ
れ、この第2のブレーキ配管12の下流は、第3、第4
の2本の分岐配管12Aと12Bとに分岐されている。
第3の分岐配管12Aには左前輪用のホイールシリンダ
2FLが接続され、さらに第4の分岐配管12Bには右
前輪用のホイールシリンダ2RRが接続されている。
【0026】前記第1のブレーキ配管11には、その上
流側、つまり上述のマスタシリンダ1に近い領域におい
て、トラクション制御用の調圧機構13が構成されてい
るとともに、さらに前記第1、第2の両ブレーキ配管1
1,12の各下流側ホイールシリンダ2RL,2RR,
2FL,2FRに近い領域において本願発明の対象とな
るABS制御用の調圧機構14が構成されている。
【0027】トラクション制御用の調圧機構13は、次
のように構成されている。
【0028】すなわち、上記第1のブレーキ配管11に
は、電磁開閉弁からなる遮断弁21が接続されていると
共に、該遮断弁21よりも下流側において加圧機構22
が接続されている。この加圧機構22は、シリンダ22
aと、該シリンダ22a内に摺動自在に嵌挿されたピス
トン22bと、該ピストン22bを戻り位置に付勢する
リターンスプリング22cとから構成されており、上記
スプリング22cの付勢力に抗してピストン22bを変
位させることにより、当該ピストン22bによって上記
第1のブレーキ配管11内に所定の圧力を発生(圧縮)
させることが可能なようになっている。
【0029】また、この調圧機構13は、さらにブレー
キ液を貯留したリザーバタンク23と、該リザーバタン
ク23内のブレーキ液を組み上げて上記加圧機構22へ
吐出するための液ポンプ24とを有している。加圧機構
22は、液供給配管25を介して液ポンプ24の吐出側
へ接続されていると共に、液戻り配管26を介してリザ
ーバタンク23へ接続されている。液ポンプ24の吐出
側、つまり液供給配管25には、加圧機構22側へ向け
ての流れのみを許容するチェック弁27が接続されてい
るとともに、リザーバタンク23に連なる液ポンプ24
の吸い込み側には、当該液ポンプ24側へ向けての流れ
のみを許容するチェック弁28が接続されている。
【0030】前記液供給配管25と液戻り配管26と
は、液供給配管25の圧力が所定値以上になると開弁さ
れる調圧弁29によって相互に接続されており、液戻り
配管26には、同接続部分よりも加圧機構22側におい
て電磁式開閉弁からなる制御弁30が接続されている。
【0031】また、上記液供給配管25における上記液
戻り配管26との分岐位置と、該液戻り配管26におけ
る制御弁30とリザーバタンク23との中間位置との間
は液戻し配管56を介して接続されている。そして、こ
の液戻し配管56には、上記液戻り配管26の液圧を受
けて開弁する常閉の調圧弁57と上記液供給配管25の
液圧が所定以上の時に開弁して該液供給配管25側から
液戻り配管26側への流通のみを許容するチェック弁5
8とが備えられている。
【0032】液ポンプ24は、例えばDCモータ等の電
動のモータ31により駆動されるものであり、このモー
タ31は、後述するように、ABS制御用のポンプ4
9,49駆動用のものとしても兼用されている。このモ
ータ31に通電して上記液ポンプ24を駆動した状態
で、上記制御弁30を例えばデューティ制御することに
より、上記加圧機構22に印加される圧力、つまりトラ
クション制御時におけるブレーキ液圧(つまりトラクシ
ョンコントロール用の制動力)が制御される。
【0033】他方、ABS制御用の調圧機構14は、次
のように構成されている。
【0034】左右の後輪のホイールシリンダ2RL,2
RRに対しては互いに独立にブレーキ液圧を制御するた
めの油圧回路60RL,60RRが設けられている。す
なわち、上記第1のブレーキ配管11の第1、第2の分
岐配管11A,11Bの各々には電磁式の開閉弁からな
る増圧弁41が接続されていると共に、該増圧弁41を
バイパスするバイパス通路42が接続されていて、該バ
イパス通路42には、マスタシリンダ1側へ向けての流
れのみを許容するチェック弁43が接続されている。ま
た、上記第1、第2の分岐配管11A,11Bの各々の
上記増圧弁41の下流側、つまりホイールシリンダ2R
L,2RR側には、減圧弁46を備えてリザーバタンク
44に連なる液圧解放配管45が接続されている。
【0035】そして、前記リザーバタンク44と、増圧
弁41よりも上流側(上記遮断弁21よりも下流側)の
第1のブレーキ配管(上流側ブレーキ配管となる)11
とは、液戻し配管47により接続されている。この液戻
し配管47には、リザーバタンク44側から順次第1チ
ェック弁48、液ポンプ49、第2チェック弁50、脈
動吸収用タンク51、オリフィス52、第3チェック弁
53がそれぞれ接続されている。この液戻し配管47
は、上記リザーバタンク44と共に上記第1、第2の2
つの分岐配管11A用と11B用とで共通とされてい
る。尚、上記液ポンプ24,49は、容積型、つまり容
積変化によって吸込みと吐出とを行なう形式のもの、例
えば本実施の形態ではプランジャ式とされている。
【0036】一方、上記左右前輪側ホイールシリンダ2
FL、2FR用の第2のブレーキ配管12側は、各ホイ
ールシリンダ2FL,2FRに対応した上記第3、第4
の各分岐配管12A、12Bに対してそれぞれ独立に前
記第1のブレーキ配管11側の液圧回路60RL,60
RRと同様の構造の2組の液圧回路60FL,60FR
を設けた構成が採用されている。ただし、液ポンプ49
駆動用のモータ31、液戻し配管47、リザーバタンク
44等は、それぞれ共通に構成されている。
【0037】前記リザーバタンク44,44は、それぞ
れシリンダ44a内に摺動自在に設けられたピストン4
4bを有し、該ピストン44bによってシリンダ44a
内に、ブレーキ液が出入りされる作動室(貯留室)44
cが画成されている。そして、ピストン44bを挟んで
上記作動室44cと反対側の室には、リターンスプリン
グ44dが配設されていて、このスプリング44dによ
って、上記ピストン44bが上記作動室44cを圧縮す
る方向、つまり左右各車輪のホイールシリンダ2RL,
2RR,2FL,2FR内のブレーキ液を排出する方向
に所定の付勢力でもって付勢されている。
【0038】上記スプリング44dの付勢力(それによ
って生じる作動室44c内での発生圧力)は、上記液戻
し配管47における通路抵抗よりも若干大きい程度に設
定されている。より具体的には、液戻し配管47におけ
る通路抵抗は、実質的に各チェック弁48,50,53
のチェック圧(開弁圧)によって決定されるが、上記ス
プリング44dの付勢力は、各チェック弁48,50,
53のチェック圧の総和よりも若干大きくなるように設
定されている(上記スプリング44dの付勢圧により生
じる作動室44c内での発生圧が上記各チェック圧の総
和よりも若干大きい)。これにより、マスタシリンダ1
内にブレーキ液圧が発生されていないときに、モータ3
1、つまり液ポンプ49が停止していても、上記作動室
44c内に残留したブレーキ液は、上記スプリング44
dの付勢力によって、上記液戻し配管47を経て第1の
ブレーキ配管11あるいは第2のブレーキ配管12(マ
スタシリンダ1)へ戻すことが可能なように構成されて
いる。
【0039】ここで、駆動輪が左右後輪(ホイールシリ
ンダ2RL、2RRが対応)である場合、そのABS制
御に際しては、先ず上記トラクション制御用の遮断弁2
1が開かれた状態に制御される。そして、この状態で、
上記増圧弁41と減圧弁46とを任意に制御することに
より、前輪側では左右の各車輪毎、つまり各ホイールシ
リンダ2FL,2FR毎に各々独立して、また後輪側で
は左右各車輪毎、つまり各ホイールシリンダ2FL,2
FR毎に各々独立して、ブレーキ液圧の増圧、減圧、保
持の3つが行われる。勿論、増圧は、減圧弁46を閉じ
て増圧弁41を開くことにより行われ、また減圧は、増
圧弁41を閉じて減圧弁46を開くことにより行われ、
さらに保持は、増圧弁41と減圧弁46とを共に閉じる
ことにより行われる。
【0040】(2) ABS制御の基本内容(図2参
照) ABS制御に際しては、一般にフェーズ0、フェーズ
1、フェーズ2、フェーズ3、フェーズ5等のフェーズ
値が用いられるが、その意味するところは次の通りであ
る。
【0041】フェーズ0:ABS非制御中を意味する。
【0042】フェーズ1:増圧を意味する。
【0043】フェーズ2:ABS非制御後あるいは増圧
後の保持を意味する。
【0044】フェーズ3:減圧を意味する。
【0045】フェーズ5:減圧後の保持を意味する。
【0046】また、車輪のロック傾向を示すスリップ値
Sは、例えば次式により決定されるが、擬似車体速の推
定は、既知の適宜の手法によって行われる(もっとも簡
単な手法は、各車輪の車輪速のうちもっとも大きい最高
車輪速を擬似車体速とすればよい)。
【0047】ABS制御用のスリップ値(率)S=
{(擬似車体速−車輪速)/擬似車体速}×100
(%) 以上のことを前提として、ABS制御の基本動作を図2
のタイムチャートを参照して説明すると、次のようにな
る。
【0048】すなわち、図2において、t1時点となる
までは該ABS制御が行なわれないときであり、ブレー
キ液圧の上昇につれて車輪速が擬似車体速よりも徐々に
低下されていく。この車輪速の低下により、t1時点す
なわちA時点では、車輪速の減速度(又は車輪のスリッ
プ率S)がABS制御開始条件としての所定値にまで増
大する。
【0049】そして、A時点からABS制御が開始され
るが、それは先ずブレーキ液圧を保持することから行な
われる。このブレーキ液圧の保持中も車輪速が低下して
いき、やがてB時点で示すように上述のスリップ値Sが
所定の閾値(減圧スリップ率)までに増大、すなわち車
輪速が擬似車体速に比べて所定値以上減少すると、そこ
から減圧が行なわれる。この減圧により制動規制がなさ
れて、車輪速の低下度合が弱まっていき、結局C時点で
は車輪減速度が0付近になる。
【0050】車輪減速度が0付近になったC時点では、
再びブレーキ液圧の保持が行なわれ、これにより車輪速
が徐々に上昇して、やがてD時点ではスリップ値Sが前
記所定の閾値にまで復帰する。そして、このD時点から
は、増圧制御されるが、初期には急増圧とされ、その後
は緩増圧とされる。
【0051】増圧により、E時点において再び上記車輪
速の減速度が、ABS制御開始条件として設定した前記
所定の閾値にまで小さくなる。これにより、ブレーキ液
圧の保持制御が行なわれた後、F時点でスリップ値Sが
所定の閾値にまで低下すると、減圧が行なわれる。そし
て、前記C時点に対応したG時点から、ブレーキ液圧の
保持制御が行なわれる。
【0052】(3) ABS制御システム系統の説明
(図3および図4参照) 図3及び図4は、上記のようなABS制御を行なうため
の制御システム系統の構成を示し、図中62はマイクロ
コンピュータを利用して構成されたABSコントロール
ユニットである。このABSコントロールユニット62
には、前後各車輪WFL,WFR、WRL,WRRの回
転速度を個々に独立して検出するための車輪回転速度検
出手段である4組の車輪速センサSFL,SFR、SR
L,SRRからの各検出信号が入力される。車輪速セン
サSFLは左前輪用であり、SFRは右前輪用であり、
SRLは左後輪用であり、SRRは右後輪用のものであ
る。各車輪速センサSFL〜SRRは、それぞれ例えば
ピックアップ式のものとされていて、図4に示すように
外周に所定歯数を有して車輪と一体回転される星形のセ
ンサロータ(マグネットロータ)70と、該センサロー
タ70の外周面部近傍に位置されたピックアップコイル
71とを備えている。すなわち、車輪が1回転すると、
センサロータ70の歯数分だけピックアップコイル71
がパルス信号を出力することになり、単位時間あたりの
パルス数が多いほど車輪回転速度が高いことになる。ま
た、上記ABSコントロールユニット62からは、上記
図1の4組の液圧回路60RL,60RR,60FL,
60FRをそれぞれ任意にコントロールするソレノイド
バルブSVを備えた液圧ユニット61に対して液圧制御
信号が出力される。
【0053】そして、液圧ユニット61は、同液圧制御
信号に対応して前述した図1の前輪側左右各車輪WF
L,WFRのホイールシリンダ2FL,2FR用の液圧
回路60FL,60FR、および後輪側左右各車輪のホ
イールシリンダ2RL,2RR用の液圧回路60RL,
60RRのそれぞれ供給液圧を上述のように増、減、保
持することによって前後各車輪の制動力を適切に規制す
る。
【0054】一方、上記ABSコントロールユニット6
2は、例えば図4に示すように、車輪速、擬似車体速、
車輪加減速度、車輪スリップ値等を演算する演算ブロッ
ク62aと、ABS制御閾値の設定、スプリット路およ
び路面μ等の諸状況判定、フェーズ値の判定、フェーズ
値に対応した制御量の設定、出力制御等を行う制御ブロ
ック62bと、それらの演算制御状況をモニターするモ
ニターブロック62cとを有して構成されている。そし
て、上記制御ブロック62bから上記液圧ユニット61
のソレノイドバルブSV側に液圧制御信号が出力され
る。また、モニターブロック62cからは、ABSシス
テムONの状態において、モニターランプ駆動信号が出
力され、モニターランプMLが点灯される。
【0055】(4) 本願発明の各実施の形態の前提と
なるABS制御の基本フローチャートの説明(図5参
照) すなわち、先ず上記ABS制御システムのメインリレー
(F/Sリレー)がONになった状態で、上記ABSコ
ントロールユニット62が作動し、ABS制御が開始さ
れる。
【0056】そして、ステップS1 で諸状況の入力、例
えば車輪速、エンジン回転数、路面状況(路面μ、スプ
リット路、悪路)、ブレーキ踏力、旋回状況等の各種外
部情報データの入力が行われる。
【0057】次に、ステップS2 で各車輪WFL,WF
R、WRL,WRRの車輪速から具体的に路面μの推定
がなされる。さらに、その後、ステップS3 で上記各車
輪WFL,WFR,WRL,WRRの車輪速の値の内の
例えば最高車輪速に基いて擬似車体速を推定する。
【0058】その後、ステップS4 で前述したABS制
御の閾値であるスリップ値Sを決定し、それに対応した
適切な制御量(緩急減圧・緩急増圧)を設定して、ステ
ップS5 で図2に示すようなABS制御を実行する。
【0059】次に該ABS制御実行後、ステップS6 で
減速度を判定し、車速がABS制御終了と認められるま
での安定車速に低下した時には、上記ABS制御を終了
してステップS7 に進み、次回のABS制御に備えたホ
イールシリンダの緩増圧制御を行う。
【0060】該緩増圧制御は、上記ABS制御終了後所
定時間内、又はホイールシリンダ圧がマスターシリンダ
圧に等しくなるまでを目標としてなされる。
【0061】(5)制御条件の相応変更についての説明 ところで、上記ABSシステムでは、前輪左右のブレー
キ液圧は個別に調節され、また、後輪左右のブレーキ液
圧も個別に調節されるが、左右の車輪が同時に深いロッ
クに陥らないように、左右に相対する各車輪の制御条件
については互い相手車輪のロック傾向の強弱に応じて変
更される。
【0062】すなわち、図6はそのための構成を示すも
のであり、当該ABSシステムは、ABS制御手段70
から各車輪についてブレーキ液圧の制御に関する信号を
受けて左右に相対する各車輪の制御状態を判定する制御
状態判定手段71と、該制御状態判定手段71によって
左右の車輪の一方のみについてABS制御が開始され他
方の車輪についてABS制御が開始されていないとき
に、該他方の車輪についてのABS制御条件を変更する
制御条件の相応変更手段72とを備え、該相応変更手段
72によってABS制御手段70の制御条件設定手段7
3に制御条件変更信号が与えられる。
【0063】以下では、上記制御条件の相応変更手段7
2を中心に本願発明の各種の実施形態を具体的に説明す
る。
【0064】<実施形態1>本形態は、左右に相対する
車輪の一方のみについてブレーキ液圧の減圧制御が開始
されているときに、該他方の車輪についても減圧制御に
入り易くなるようにその減圧フェーズ移行閾値つまり、
減圧スリップ率を変更するものである。そのため、上記
制御状態判定手段71は、ABS制御手段70から各車
輪のフェーズ信号を受けて減圧制御の開始を判定するも
のとして構成され、上記制御条件の相応変更手段72
は、左右に相対する一方の車輪についてのみ減圧制御が
開始されているときに、他方の車輪について減圧スリッ
プ率を小さくするものとして構成されている。
【0065】(制御のフロー)図7は左後輪についての
ABS制御条件の相応変更のフローを示している。他の
車輪についてもその変更制御は同じである。ABS制御
手段70の制御条件設定手段73によって左後輪につい
て減圧スリップ率DSRLが設定される(ステップS1
1)。この左後輪について減圧制御が開始されておら
ず、且つ対応する右後輪について減圧制御が開始されて
いる場合に、当該左後輪の減圧スリップ率DSRLが所定
値aだけ減じられる(ステップS12〜S14)。
【0066】従って、図8に示すように、右後輪が減圧
制御に入っている場合には、左後輪については減圧スリ
ップ率が減じられることによって、減圧制御に速やかに
移行し、このため、車輪速が過度に落ち込むことがなく
なって、車両の走行安定性の確保に有利になる。
【0067】<実施形態2>本形態は、実施形態1にお
いて、さらに当該一方の車輪について減圧制御が開始さ
れしかもそのロック傾向が強いときに他方の車輪につい
て減圧制御に入り易くなるようにその減圧スリップ率を
変更するものである。そのため、上記制御状態判定手段
71は、ABS制御手段70から各車輪のフェーズ信号
を受けて減圧制御の開始を判定するとともに、各車輪の
スリップ率信号を受けて所定値を越えるスリップを生じ
ているか否かを判定するものとして構成され、上記制御
条件の相応変更手段72は、左右に相対する一方の車輪
についてのみ減圧制御が開始され且つそのスリップ率が
所定値を越えるときに、他方の車輪について減圧スリッ
プ率を小さくするものとして構成されている。
【0068】(制御のフロー)図9は左後輪についての
ABS制御条件の相応変更のフローを示している。他の
車輪についてもその変更制御は同じである。ABS制御
手段70の制御条件設定手段73によって左後輪につい
て減圧スリップ率DSRLが設定される(ステップS2
1)。この左後輪について減圧制御が開始されておら
ず、且つ対応する右後輪について減圧制御が開始されて
いる場合において、該右後輪のスリップ率SRRが25%
を越えているときに、当該左後輪の減圧スリップ率DS
RLが所定値aだけ減じられる(ステップS22〜S2
5)。
【0069】従って、一方の車輪のみが減圧制御に入っ
ていてもそのスリップ率が低い場合には、車両の走行安
定性は確保できるために、他方の車輪の減圧スリップ率
は変更されないことになり、不必要に減圧制御に入って
車両全体に及ぼすべき制動力が小さくなることを避ける
ことができる。一方、上記一方の車輪のスリップ率が高
い場合には、他方の車輪の減圧スリップ率が減じられて
過度のロック状態に陥ることが防止され、車両の走行安
定性が確保されることになる。
【0070】<実施形態3>本形態は、実施形態1にお
いて、さらに当該一方の車輪について減圧制御が開始さ
れてもそのロック傾向が弱いときには、他方の車輪が減
圧制御に入り難くなるようにその減圧スリップ率を変更
するものである。そのため、上記制御条件の相応変更手
段72は、左右に相対する一方の車輪についてのみ減圧
制御が開始され且つそのスリップ率が所定値未満であれ
ば、他方の車輪について減圧スリップ率を大きくするも
のとして構成されている。
【0071】(制御のフロー)図10は左後輪について
のABS制御条件の相応変更のフローを示している。他
の車輪についてもその変更制御は同じである。ABS制
御手段70の制御条件設定手段73によって左後輪につ
いて減圧スリップ率DSRLが設定される(ステップS3
1)。この左後輪について減圧制御が開始されておら
ず、且つ対応する右後輪について減圧制御が開始されて
いる場合において、該右後輪のスリップ率SRRが15%
未満であれば、当該左後輪の減圧スリップ率DSRLが所
定値aだけ加算される(ステップS32〜S35)。
【0072】従って、一方の車輪のみが減圧制御に入っ
ていてもそのスリップ率が低い場合には、車両の走行安
定性は確保できるために、他方の車輪についてはスリッ
プ率が多少大きくなっても減圧制御に入らないようにな
り、車両全体に及ぼすべき制動力が確保されることにな
る。
【0073】<実施形態4>本形態は、左右に相対する
車輪の一方のみについて減圧制御に入っている場合に
は、他方の車輪についても直ちにABS制御を開始する
が、その制御は、ブレーキ液圧の増大速度を小さくする
(緩増圧にする)ことによって開始される。そのため、
上記制御状態判定手段71は、ABS制御手段70から
各車輪のフェーズ信号を受けて減圧制御の開始を判定す
るものとして構成され、上記制御条件の相応変更手段7
2は、左右に相対する一方の車輪についてのみ減圧制御
が開始されているときに、他方の車輪について増圧弁4
1の開度を調整することによってブレーキ液圧の増大速
度を低下させるものとして構成されている。
【0074】(制御のフロー)図11は左後輪について
のABS制御条件の相応変更のフローを示している。他
の車輪についてもその変更制御は同じである。すなわ
ち、左後輪が減圧制御に入っていない場合において、右
後輪が減圧制御に入ったときには、左後輪についてはA
BS制御に入ってそのブレーキ液圧の増大速度を1/2
に減ずる(ステップS41〜S43)。ステップ42に
おいて、右後輪が減圧制御に入っていなければ、左後輪
のブレーキ液圧の増大速度は全増圧(増圧弁全開)とな
る(ステップS44)。また、左後輪が減圧制御に入っ
た場合には通常のABS制御に移行する(ステップS4
1→S45)。
【0075】従って、左右の後輪の車輪速及びブレーキ
液圧は図12に示すようなものになる。すなわち、左後
輪車輪速の落ち込みは緩やかなものになって、左右の後
輪が同時に深いロックに落ち込むことはなくなり、車両
の走行安定性を確保することができる。
【0076】<実施形態5>本形態は、実施形態1にお
いて、さらに左右に相対する車輪のうちの一方のみにつ
いてABS制御が開始されているときに他方の車輪をA
BS制御に入り易くするように制御条件を変化させる度
合に関して、前輪側よりも後輪側の方を大きくするもの
である。そのため、上記制御条件の相応変更手段72
は、減圧スリップ率を変化させる度合を前輪側と後輪側
とで異ならせるものとして構成されている。
【0077】(制御のフロー)図13は左輪についての
ABS制御条件の相応変更のフローを示している。右輪
についてもその変更制御は同じである。ABS制御手段
70の制御条件設定手段73によって左前輪の減圧スリ
ップ率DSFL及び左後輪の減圧スリップ率DSRLが設定
される(ステップS51)。左前輪が減圧制御中でな
く、且つ右前輪が減圧制御中であれば、当該左前輪の減
圧スリップ率DSFLが所定値bだけ減じられる(ステッ
プS52〜S53)。一方、後輪に関しては、左後輪が
減圧制御中でなく且つ右後輪が減圧制御中であれば、等
が左後輪の減圧スリップ率DSRLが所定値aだけ減じら
れる(ステップS55〜S57)。但し、この場合、a
<bである。
【0078】従って、当初の減圧スリップ率の設定自体
が後輪の方が減圧制御に入り易いものになっているので
あるが、左右輪のうちの一方が減圧制御に入ったときに
は、後輪の前輪よりもさらに減圧制御に入り易くなるも
のである。これは、後輪の方が前輪よりも車両の走行安
定性に果たす役割がより大きい点を重視したためであ
る。
【0079】<実施形態6>本形態は、実施形態3にお
いて、さらに左右に相対する車輪のうちの一方のみにつ
いてABS制御が開始され且つそのロック傾向が弱いと
きに他方の車輪をABS制御に入り難くするように制御
条件を変化させる度合に関して、前輪側よりも後輪側の
方を小さくするものである。そのため、上記制御条件の
相応変更手段72は、減圧スリップ率を変化させる度合
を前輪側と後輪側とで異ならせるものとして構成されて
いる。
【0080】すなわち、制御のフローについては省略す
るが、左右輪のうちの一方のみが減圧制御に入り且つそ
のスリップ率が所定値以下であるときに、他方の車輪の
減圧スリップ率を大きくする度合(当初設定された減圧
スリップ率に加算する値)に関して、前輪側をa、後輪
側をbとしたときに、a>bとするものである。従っ
て、左右輪のうちの一方のみが減圧制御に入り且つその
スリップ率が所定値以下であるときに、他方の車輪につ
いては多少のロックがあっても減圧制御にはいり難くな
るのであるが、それでも後輪側は前輪側よりも減圧制御
に入り易いものになる。これも、後輪の方が前輪よりも
車両の走行安定性に果たす役割がより大きい点を重視し
たためである。
【0081】<実施形態7>本形態は、上記実施形態1
〜4に関し、左右輪間での制御条件の相応変更を後輪に
限定して行なうものである。各々の制御のフローは図示
を省略するが、制御条件の相応変更手段は72は、左右
の前輪に関してはその一方のみがABS制御に入ったこ
とによっては他方の制御条件を変更することはせず、後
輪に関してのみ当該制御条件の変更を行なうものとして
構成されている。
【図面の簡単な説明】
【図1】車両の制動力制御装置のブレーキ液圧回路図。
【図2】同装置の基本とるABS制御の内容を示すタイ
チャート図。
【図3】ABS制御システムの各要素のレイアウト及び
接続状態を示す概略図。
【図4】ABSコントロールユニット部の機能構成を示
す概略図。
【図5】ABS制御の基本のフロー図。
【図6】ABS制御システムの制御条件の相応変更のた
めの構成を示すブロック図。
【図7】実施形態1の制御のフロー図。
【図8】同形態での後輪に関する減圧閾値の変更と車輪
速の時間変化とを示す図。
【図9】実施形態2の制御のフロー図。
【図10】実施形態3の制御のフロー図。
【図11】実施形態4の制御のフロー図。
【図12】同形態の車輪速とブレーキ液圧の時間変化を
示す図。
【図13】実施形態5の制御のフロー図。
【符号の説明】
1 マスタシリンダ 2FL 左前輪ホイールシリンダ 2FR 右前輪ホイールシリンダ 2RL 左後輪ホイールシリンダ 2RR 右後輪ホイールシリンダ 4 ブレーキペダル 14 ABS制御用の調圧機構 62 ABSコントロールユニット 70 ABS制御手段 71 制御状態判定手段 72 制御条件相応変更手段 73 制御条件設定手段 WFL 左前輪 WFR 右前輪 WRL 左後輪 WRR 右後輪 SFL 左前車輪速センサ SFR 右前車輪速センサ SRL 左後車輪速センサ SRR 右後車輪速センサ

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車体速と車輪速とに基づいて車両制動時
    の各車輪のロック傾向を判定し、各車輪の制動用ホイー
    ルシリンダのブレーキ液圧を制動力が適切なものになる
    ように且つ左右に相対する車輪について個別に調節する
    ようにした車両の制動力制御装置において、 上記左右に相対する各車輪のブレーキ液圧の制御条件
    を、一方の車輪のみについてブレーキ液圧の制御が開始
    されたときに、他方の車輪については予め制御開始条件
    として設定されたロック傾向が判定される前にブレーキ
    液圧の制御が開始されるように、互いに相手側の制御開
    始に応じて変更する、制御条件の相応変更手段を備えて
    いることを特徴とする車両の制動力制御装置。
  2. 【請求項2】 車体速と車輪速とに基づいて車両制動時
    の各車輪のロック傾向を判定し、各車輪の制動用ホイー
    ルシリンダのブレーキ液圧を制動力が適切なものになる
    ように且つ左右の車輪について個別に調節するようにし
    た車両の制動力制御装置において、 上記左右に相対する各車輪のブレーキ液圧の制御条件
    を、一方の車輪のみについてブレーキ液圧の制御が開始
    され且つ該一方の車輪のロック傾向が所定程度以上に強
    いときに、他方の車輪については予め制御開始条件とし
    て設定されたロック傾向が判定される前にブレーキ液圧
    の制御が開始されるように、互いに相手側の制御開始に
    応じて変更する、制御条件の相応変更手段を備えている
    ことを特徴とする車両の制動力制御装置。
  3. 【請求項3】 車体速と車輪速とに基づいて車両制動時
    の各車輪のロック傾向を判定し、各車輪の制動用ホイー
    ルシリンダのブレーキ液圧を制動力が適切なものになる
    ように且つ左右の車輪について個別に調節するようにし
    た車両の制動力制御装置において、 上記左右に相対する各車輪のブレーキ液圧の制御条件
    を、一方の車輪のみについてブレーキ液圧の制御が開始
    され且つ該一方の車輪のロック傾向が所定の程度よりも
    弱いときには、他方の車輪については予め制御開始条件
    として設定されたロック傾向よりも強いロック傾向が判
    定されないとブレーキ液圧の制御が開始されないよう
    に、互いに相手側の制御状態に応じて変更する、制御条
    件の相応変更手段を備えていることを特徴とする車両の
    制動力制御装置。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至請求項3のいずれか一に記
    載されている車両の制動力制御装置において、 車両制動時に車体速と車輪速とに基づいて当該車輪に所
    定量以上のスリップが発生したときにブレーキ液圧の減
    圧制御が開始されるように構成されていて、 上記制御条件の相応変更手段が、上記ブレーキ液圧の減
    圧を開始するためのスリップ量に関する所定値を変更す
    ることを特徴とする車両の制動力制御装置。
  5. 【請求項5】 請求項1乃至請求項4のいずれか一に記
    載されている車両の制動力制御装置において、 上記制御条件の相応変更手段によってブレーキ液圧の制
    御条件が変更される車輪が前輪と後輪とのうちの後輪の
    みであることを特徴とする車両の制動力制御装置。
  6. 【請求項6】 請求項1又は請求項2に記載されている
    車両の制動力制御装置において、 上記制御条件の相応変更手段が、一方の車輪のブレーキ
    液圧制御の開始に相応じて他方の車輪のブレーキ液圧制
    御を開始させるときに、該他方の車輪についてブレーキ
    液圧がマスタシリンダ液圧の増大速度よりも低い速度で
    増大する緩増圧制御が開始されるように、制御条件を変
    更することを特徴とする車両の制動力制御装置。
  7. 【請求項7】 請求項1又は請求項2に記載されている
    車両の制動力制御装置において、 上記制御条件の相応変更手段が、左右に相対する車輪に
    ついて一方の車輪についてブレーキ液圧制御の開始に相
    応じて他方の車輪のブレーキ液圧制御を開始させるよう
    に制御開始条件を変更する度合については、前輪側より
    も後輪側の方を、そのブレーキ液圧制御がより弱いロッ
    ク傾向で開始されるように、大きくすることを特徴とす
    る車両の制動力制御装置。
  8. 【請求項8】 請求項3に記載されている車両の制動力
    制御装置において、 上記制御条件の相応変更手段が、左右に相対する車輪の
    一方の車輪のブレーキ液圧制御の開始に相応じて他方の
    車輪のブレーキ液圧制御を開始させるように制御条件を
    変更する度合については、前輪側よりも後輪側の方を、
    そのブレーキ液圧制御がより弱いロック傾向で開始され
    るように、小さくすることを特徴とする車両の制動力制
    御装置。
  9. 【請求項9】 車体速と車輪速とに基づいて車両制動時
    の各車輪のロック傾向を判定し、各車輪の制動用ホイー
    ルシリンダのブレーキ液圧を制動力が適切なものになる
    ように且つ左右に相対する車輪について個別に調節する
    ようにした車両の制動力制御装置において、 上記左右に相対する各車輪のブレーキ液圧の制御条件
    を、該左右の車輪のうちの一方のロック傾向が強いほど
    他方の車輪に与える制動力が小さくなるように変更す
    る、制御条件の相応変更手段を備えていることを特徴と
    する車両の制動力制御装置。
  10. 【請求項10】 車体速と車輪速とに基づいて車両制動
    時の各車輪のロック傾向を判定し、各車輪の制動用ホイ
    ールシリンダのブレーキ液圧を制動力が適切なものにな
    るように且つ左右に相対する車輪について個別に調節す
    るようにした車両の制動力制御装置において、 上記左右に相対する各車輪のブレーキ液圧の制御条件
    を、該左右の車輪のうちの一方のロック傾向が弱いほど
    他方の車輪に与える制動力が大きくなるように変更す
    る、制御条件の相応変更手段を備えていることを特徴と
    する車両の制動力制御装置。
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