JPH0986375A - 制動力制御装置 - Google Patents

制動力制御装置

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JPH0986375A
JPH0986375A JP24614895A JP24614895A JPH0986375A JP H0986375 A JPH0986375 A JP H0986375A JP 24614895 A JP24614895 A JP 24614895A JP 24614895 A JP24614895 A JP 24614895A JP H0986375 A JPH0986375 A JP H0986375A
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浩朗 吉田
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雅宏 原
Masashi Ota
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は自動車の各車輪の制動力を制御する
制動力制御装置に関し、制動液圧の配分制御に次いで更
に制動力制御が実行される場合に、車両挙動を安定に維
持しつつ、後の制御に関して優れた応答性を確保するこ
とを目的とする。 【解決手段】 制動液圧の配分制御が開始されたらカウ
ンタCをスタートする(ステップ100,102)。ア
ンチロック制御の実行条件が成立したら配分制御を中止
すると共にカウンタCをストップする(ステップ10
4,106)。C<T0 が成立する場合は急制動である
と判断して配分制御により減圧されていた車輪の制動液
圧を急増圧パターンで増圧する(ステップ108,11
0)。C<T 0 が不成立である場合は緩制動であると判
断して配分制御により減圧されていた車輪の制動液圧を
緩増圧パターンで増圧する(ステップ108,11
8)。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、制動力制御装置に
係り、特に、自動車の各車輪の制動力を制御する制動力
制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、自動車の分野においては、車
両挙動の安定化等を目的として各車輪の制動力を制御す
る制動力制御装置が知られている。例えば、特開平6−
144180号には、車両の制動時に、前輪の制動力と
後輪の制動力とが所定の関係を満たすように、後輪の制
動液圧を前輪の制動液圧に比して減圧する装置が開示さ
れている。車両の制動時には、荷重移動により前輪に大
きな荷重が作用する。上記従来の装置の如く、前輪の制
動液圧が後輪の制動液圧に比して高圧に制御されると、
前後輪の制動能力が効果的に発揮され、高い制動能力を
確保することができる。
【0003】上記従来の装置においては、上述した制動
力制御(以下、制動力配分制御と称す)の終了条件が成
立すると、その後、所定時間に渡り後輪の制動液圧を徐
々に増圧させる制御が実行される。制動力配分制御の実
行中は、後輪の制動液圧が前輪の制動液圧に比して低圧
に維持されている。従って、制動力配分制御が終了され
た後、何ら後輪の制動液圧が制御されないとすれば、後
輪の制動液圧が急激に上昇し、車両挙動が不安定になり
易い。これに対して、上記従来の装置の如く、制動力配
分制御の終了後に後輪の制動液圧を徐々に増圧すること
とすれば、後輪の制動液圧の急上昇を避けることがで
き、車両挙動を安定に維持することができる。
【0004】車両の分野においては、また、旋回内輪の
制動力と旋回外輪の制動力とを適当な比率とすることで
旋回挙動の安定化を図る制動力配分制御が知られてい
る。かかる場合においても、制動力配分制御の終了条件
が成立した後に、制動力配分制御により減圧制御されて
いた車輪の制動液圧を徐変させることとすれば、制動力
配分制御が終了された後に、安定した旋回挙動を維持す
ることができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上述した制動力配分制
御は、例えば、何れかの車輪がロック状態に近づき、ア
ンチロックブレーキ制御の実行条件が成立した際に終了
させる必要がある。制動力配分制御からアンチロックブ
レーキ制御に移行する際に、車両挙動を安定に維持する
ためには、かかる場合においても、減圧されていた車輪
の制動液圧を徐変させることが適切である。
【0006】しかしながら、急制動時等、制動操作が開
始された後、速やかに大きな制動力を発生させる必要が
ある場合には、アンチロックブレーキ制御が開始された
後、制動力配分制御によって減圧されていた車輪の制動
液圧を即座に上昇させることが適切である。この点、急
制動時も緩制動時も一律に制動液圧の徐変制御を実行す
る上記従来の装置は、急制動時においてアンチロックブ
レーキ制御の開始に関して優れた応答性を得難いという
問題を有していることになる。
【0007】また、旋回内輪と旋回外輪とについて制動
力配分制御が実行される場合、制動力配分制御が終了さ
れた時点で車両が緩旋回状態であれば、減圧制御されて
いた車輪の制動液圧は速やかに増圧すべきである。一
方、制動力配分制御が終了された時点で車両が急旋回状
態であれば、急激な車両挙動の変動を避けるため、減圧
制御されていた車輪の制動液圧は緩やかに増圧すべきで
ある。この点、制動力配分制御の終了時における旋回状
態に関わりなく一律に制動液圧の徐変制御を実行する上
記従来の手法は、制御終了時における車両挙動の安定化
を図る上で改良の余地を残すものであった。
【0008】更に、旋回内輪と旋回外輪とについて制動
力配分制御を実行する装置においては、ステアリングホ
イルの切り戻し操作等に伴って車両の旋回方向が反転さ
れた場合に、一の旋回方向に対応する制動力配分制御を
終了して、速やかに他の旋回方向に対応する制動力配分
制御を開始する必要が生ずる。これに対して、上記従来
の装置の如く、制動力配分制御が終了された後、常に所
定時間に渡る制動液圧の徐変制御が実行されるとすれ
ば、反転後の旋回方向に対する制動力配分制御を速やか
に開始することができない。上記従来の手法は、かかる
点においても改良の余地を残すものであった。
【0009】本発明は、上述の点に鑑みてなされたもの
であり、制動力配分制御が終了される際の車両の走行状
態に応じて、制動液圧を徐変させる際の液圧変化速度を
適切に変更することにより、上記の課題を解決する制動
力制御装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記の目的は、請求項1
に記載する如く、車両の各車輪に対して所定の配分比で
制動液圧を供給する配分制御手段と、制動液圧の配分制
御が終了された後に、前記配分制御の対象とされていた
車輪の制動液圧を徐変させる制動液圧徐変手段と、を備
える制動力制御装置において、車両の走行状態を検出す
る走行状態検出手段と、該走行状態検出手段の検出結果
に基づいて、前記制動液圧徐変手段が制動液圧を徐変さ
せる際の液圧変化速度を変更する液圧変化速度変更手段
と、を備える制動力制御装置により達成される。
【0011】本発明において、前記配分制御手段は、車
両の各車輪に配設されるホイルシリンダに対して所定の
配分比で制動液圧を供給する。所定の配分比は、車両の
走行挙動が安定化されるように決定される。従って、か
かる配分制御が実行されると、車両挙動の安定化が図ら
れる。制動液圧の配分制御の実行中は、各車輪のホイル
シリンダ圧に差圧が生ずる。前記制動液圧徐変手段は、
配分制御が終了された後、かかる差圧が徐々に消滅され
るように配分制御の対象とされていた車輪(以下、制御
対象車輪と称す)の制動液圧を徐変させる。制動液圧が
このように徐変されると、配分制御が終了された後、制
御対象車輪が発生する制動力が急変することがなく、車
両挙動が安定に維持される。前記走行状態検出手段は、
車両の走行状態を検出する。前記配分制御手段による配
分制御は、種々の走行状態の下で終了される。配分制御
が終了された後、制御対象車輪の制動液圧と、他の車輪
の制動液圧との偏差を消滅させる適切な速度は、その際
の走行状態により異なる。前記液圧変化速度変動手段
は、走行状態に応じた適切な液圧変化速度が得られるよ
うに、前記制動液圧徐変手段が制動液圧を徐変させる際
の液圧変化速度を変更する。
【0012】上記の目的は、請求項2に記載する如く、
上記請求項1記載の制動力制御装置において、各車輪の
ロック状態を判定して各車輪の制動液圧を制御するアン
チロック制御手段と、何れかの車輪についてアンチロッ
ク制御の実行条件が成立した際に、前記配分制御の実行
を終了させる配分制御終了手段と、を備えると共に、前
記配分制御手段が、車両の制動時に制動液圧の配分制御
を実行する制動時配分制御手段を備え、前記走行状態検
出手段が、前記配分制御が開始された後、前記アンチロ
ック制御が開始されるまでの時間を計数する配分制御実
行時間計数手段を備え、かつ、前記液圧変化速度変更手
段が、前記配分制御実行時間計数手段により計数される
時間に基づいて前記液圧変化速度を変更する制御時間対
応速度変更手段を備える制動力制御装置によっても達成
される。
【0013】本発明において、前記配分制御手段は、制
動時配分制御手段を備えている。従って、車両が制動状
態となると、先ず制動液圧の配分制御が開始される。前
記アンチロック制御手段は、車両の制動時に各車輪のロ
ック状態を判定して、車輪がロック状態に移行しないよ
うに各車輪の制動液圧を制御する。また、前記配分制御
終了手段は、配分制御の実行中に何れかの車輪について
アンチロック制御の実行条件が成立した場合、配分制御
を終了させる。従って、車両が制動状態に移行して配分
制御が開始された後、アンチロック制御の実行条件が成
立すると、その後速やかに、配分制御からアンチロック
制御への移行が行われる。かかる移行の過程で、制御対
象車輪の制動液圧は、前記制動液圧徐変手段によって徐
変される。前記配分制御実行時間計数手段は、車両が制
動状態となって配分制御が開始された後、アンチロック
制御の実行条件が成立するまでの時間を計数する。この
時間は、車両が制動状態に移行した後、制動力が緩やか
に増加された場合には長時間となり、制動力が急激に増
加された場合には短時間となる。前記制御時間対応速度
変更手段は、かかる時間に基づいて、車両が急制動状態
である場合は制御対象車輪の制動液圧が早期に他の車輪
の制動液圧と同等となるように、また、車両が緩制動状
態である場合は制御対象車輪の制動液圧が緩やかに変化
するように、液圧変化速度を変更する。
【0014】上記の目的は、請求項3に記載する如く、
上記請求項1記載の制動力制御装置において、前記走行
状態検出手段が、車両の旋回程度を検出する旋回程度検
出手段を備えると共に、前記液圧変化速度変更手段が、
前記旋回程度検出手段の検出結果に基づいて前記液圧変
化速度を変更する旋回程度対応速度変更手段を備える制
動力制御装置によっても達成される。
【0015】本発明において、前記旋回程度検出手段
は、車両の旋回程度を検出する。車両の急旋回時には、
各車輪の制動力変化が旋回挙動に大きく反映されるた
め、配分制御が終了された後、制御対象車輪の制動液圧
は緩やかに変化させることが望ましい。一方、車両の緩
旋回時または直進時には、各車輪の制動力が大きく変化
しても車両挙動の変化は少ないため、早期に高い制動能
力を得る意味で、配分制御が終了された後、制御対象車
輪の制動液圧は速やかに変化させることが望ましい。前
記旋回程度対応速度変更手段は、かかる要求を満たすべ
く、車両の旋回程度に応じて液圧変化速度を変更する。
【0016】上記の目的は、また、請求項4に記載する
如く、上記請求項1記載の制動力制御装置において、前
記配分制御手段が、車両の旋回時に、旋回方向に応じた
制動液圧の配分制御を実行する旋回時配分制御手段を備
え、前記走行状態検出手段が、一の旋回方向に対する配
分制御が終了された後、他の旋回方向に対する配分制御
が開始されるまでの時間を計数する配分制御間隔計数手
段を備え、かつ、前記液圧変化速度変更手段が、前記配
分制御間隔計数手段により計数される時間に基づいて前
記液圧変化速度を変更する制御間隔対応速度変更手段を
備える制動力制御装置によっても達成される。
【0017】本発明において、前記配分制御手段は、旋
回時配分制御手段を備えている。従って、車両が旋回状
態に移行すると、旋回方向に応じた配分制御が開始され
る。また、旋回方向が切り替わった場合は、切替え前の
旋回方向に対する配分制御が終了され、次いで、切替え
後の旋回方向に対する配分制御が開始される。上記の如
く配分制御が切替えられる過程では、切替え前の配分制
御の制御対象車輪の制動液圧が、前記制動液圧徐変手段
によって徐変される。前記配分制御間隔計数手段は、切
替え前の旋回方向に対する配分制御が終了された後、切
替え後の旋回方向に対する配分制御が開始されるまでの
時間を計数する。この時間が短い場合は、切替え後の旋
回方向に対する配分制御を適切に実行すべく、切替え前
の配分制御の終了に起因する制動液圧の徐変制御は速や
かに終了させることが望ましい。一方、上記の時間が長
い場合は、旋回方向の切替え過程における車両挙動の安
定化を図る意味で、切替え前の配分制御の終了に起因す
る制動液圧は、緩やかに変化させることが望ましい。前
記制御間隔対応速度変更手段は、かかる要求を満たすべ
く、前記配分制御間隔計数手段により計数される時間に
基づいて前記液圧変化速度を変更する。
【0018】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の一実施例のシス
テム構成図を示す。本実施例のシステムは、後述する電
子制御ユニット(以下、ECUと称す)10により制御
される。図1において、ブレーキペダル12は、車両の
運転席フットスペースに配設される。ブレーキペダル1
2には、ブレーキブースタ14が連結されている。ブレ
ーキブースタ14は、ブレーキペダル12に供給された
ブレーキ踏力を所定の倍力比で倍力してマスタシリンダ
16に伝達する。
【0019】マスタシリンダ16は、独立した2つの油
圧室を備えている。本実施例のシステムでは、マスタシ
リンダ16の一方の油圧室から左後輪RLおよび右前輪
FRのホイルシリンダ18RL,18FRに制動液圧を
供給し、他方の油圧室から右後輪RRおよび左前輪FL
のホイルシリンダ18RR,18FLに制動液圧を供給
する、いわゆるクロス配管方式を採用している。
【0020】マスタシリンダ16が備える2つの油圧室
には、それぞれ液圧通路20-1又は20-2が連通してい
る。液圧通路20-1には、増圧用制御弁22RL,22
FRが連通している。また、液圧通路20-2には、増圧
用制御弁22RR,22FLが連通している。増圧制御
弁22FL,22FR,22RL,22RR(以下、こ
れらを総称する場合には、単に符号22を付して表す)
は、ECU10から供給される駆動信号に応じて開閉状
態を切替える2位置のソレノイドバルブであり、常態で
は開弁状態に維持される。
【0021】増圧用制御弁22には、それぞれ下流側か
らマスタシリンダ16側へ向かう油液の流れのみを許容
する逆止弁24FL,24FR,24RL,24RR
(以下、これらを総称する場合には、単に符号24を付
して表す)が内蔵されている。従って、マスタシリンダ
16側の圧力が、増圧用制御弁22の下流側の圧力に比
して低圧となると、増圧用制御弁22の開閉状態に関わ
らず、増圧用制御弁22の下流側からマスタシリンダ1
6側へ油液が逆流する。
【0022】増圧用制御弁22RLの下流には、減圧用
制御弁26RLおよびホイルシリンダ18RLが連通し
ている。同様に、増圧用制御弁22FR,22FL,2
2RRの下流には、それぞれ減圧用制御弁26FRおよ
びホイルシリンダ18FR、減圧用制御弁26FLおよ
びホイルシリンダ18FL、または、減圧用制御弁26
RRおよびホイルシリンダ18RRが連通されている。
【0023】減圧用制御弁26FL,26FR,26R
L,26RR(以下、これらを総称する場合には、単に
符号26を付して表す)は、ECU10から供給される
駆動信号に基づいて開閉状態を切替える2位置のソレノ
イドバルブであり、常態では閉弁状態に維持される。
【0024】減圧用制御弁26RL及び26FRの下流
側には、リザーバタンク28-1、および逆止弁30-1
連通している。一方、減圧用制御弁26FL及び26R
Rの下流側には、リザーバタンク28-2、および逆止弁
30-2が連通している。逆止弁30-1,30-2には、そ
れぞれ、ポンプ機構32-1,32-2が連通している。更
に、ポンプ機構32-1,32-2は、それぞれ逆止弁34
-1を介して増圧用制御弁22RL,22FRの上流側、
または、逆止弁34-2を介して増圧用制御弁22FL,
22RRの上流側に連通している。
【0025】逆止弁30-1,30-2は、減圧用制御弁2
6の下流側からポンプ機構32-1,32-2側へ向かう油
液の流れのみを許容する一方向弁である。また、逆止弁
34 -1,34-2は、ポンプ機構32-1,32-2側から増
圧用制御弁22の上流側へ向かう油液の流れのみを許容
する一方向弁である。ポンプ機構32-1,32-2は、E
CU10により制御されるモータを駆動源として備える
プランジャ式ポンプ機構である。ECU10からポンプ
機構32-1,32-2に対して駆動信号が供給されると、
ポンプ機構32-1,32-2が備えるプランジャが往復運
動を開始する。ポンプ機構32-1,32-2が上記の如く
作動すると、減圧用制御弁26の下流側から増圧用制御
弁22の上流側へ向けて油液が圧送される。このため、
減圧ソレノイド26の下流側に流出した油液は、一時的
にリザーバタンク28-1,28-2に貯留された後、ポン
プ機構32-1,32-2が作動することにより、増圧用制
御弁22の上流側に還流されることになる。
【0026】上記の構成によれば、増圧用制御弁22が
開弁状態、かつ、減圧用制御弁26が閉弁状態とされる
ことにより、マスタシリンダ16で生じた制動液圧がホ
イルシリンダ18FL,18FR,18RL,18RR
(以下、これらを総称する場合には、単に符号18を付
して表す)に導かれる状態、すなわち、増圧モードが実
現される。また、増圧用制御弁22が閉弁状態、かつ、
減圧用制御弁26が閉弁状態とされることにより、ホイ
ルシリンダ18内の制動液圧が保持される状態、すなわ
ち、保持モードが実現される。更に、増圧用制御弁22
が閉弁状態、かつ、減圧用制御弁26が開弁状態とされ
ることにより、ホイルシリンダ18内の制動液圧がリザ
ーバタンク28-1,28-2に開放される状態、すなわ
ち、減圧モードが実現される。
【0027】ECU10には、上述した増圧用制御弁2
2、減圧用制御弁26、およびポンプ機構32-1,32
-2が接続されていると共に、各車輪毎に配設された車輪
速センサ36FL,36FR,36RL,36RR(以
下、これらを総称する場合には、単に符号36を付して
表す)、ブレーキスイッチ38、車速センサ40、およ
び加速度センサ42が接続されている。
【0028】車輪速センサ36のそれぞれは、各車輪F
L,FR,RL,RRの車輪速度V WFL,WFR,WRL,
WRR (以下、これらを総称する場合には、単に車輪速度
Wと称す)を検出する。ブレーキスイッチ38は、ブ
レーキペダル12が踏み込まれた際にオン信号を出力す
る。車速センサ40は、車両の車体速度Vを検出する。
また、加速度センサ42は車両に作用する横方向の加速
度Gyを検出する。ECU10は、これら各センサ、ま
たはスイッチから供給される出力信号に基づいて車両の
走行状態、各車輪FL,FR,RL,RRのロック状態
等を検出し、アンチロック制御、および、制動液圧の配
分制御等を実行する。
【0029】アンチロック制御は、制動操作中に、何れ
かの車輪について、ロック状態へ移行する可能性が検出
された際に実行される。車輪における制動力は、車輪速
度V W が車体速度Vに対して遅れることにより、すなわ
ち、車輪に適当なスリップ率Sが生ずることにより発生
する。また、車輪の制動力は、その車輪のスリップ率S
が、タイヤの特性により決定される所定のスリップ率
(以下、かかるスリップ率を目標スリップ率と称す)S
* となる場合に最も効率良く発生される。ECU10
は、ブレーキスイッチ38からオン信号が出力されてお
り、かつ、何れかの車輪FL,FR,RL,RRのスリ
ップ率Sが目標スリップ率S* を超えている場合にアン
チロック制御の実行条件が成立すると判断する。アンチ
ロック制御の実行条件が成立すると、以後ECU10
は、各車輪のスリップ率Sが目標スリップ率S* 近傍に
維持されるように、上述した増圧モード、減圧モード、
および、保持モードを繰り返し実現する。上述したアン
チロック制御によれば、制動操作時に、車輪をロックさ
せることなく大きな制動力を発生させることができる。
【0030】また、ECU10は、車両が旋回制動状態
である場合に、旋回内輪側の車輪のスリップ状態と、旋
回外輪側の車輪のスリップ状態とを同等とするための制
動液圧の配分制御を実行する。車両の旋回中は、車両の
荷重が旋回外側に移動するため、旋回内輪側には旋回外
輪側に比して小さな荷重が作用する。このため、旋回内
輪と旋回外輪とに同等の制動液圧が供給されるとすれ
ば、旋回内輪が旋回外輪に比して早期にロック状態とな
る。旋回中において高い旋回能力を確保するためには、
旋回内輪と旋回外輪とがほぼ同時にロック状態となるこ
とが望ましい。そこで、本実施例のシステムでは、車両
の旋回制動中において、旋回内輪のスリップ率と旋回外
輪のスリップ率とが同等となるように、旋回内輪側のホ
イルシリンダに供給される制動液圧と、旋回外輪側のホ
イルシリンダに供給される制動液圧とが所定の比率とな
るように、制動液圧の配分制御を実行する。ECU10
は、ブレーキスイッチ38の出力信号に基づいて車両が
制動状態であるか否かを判別すると共に、加速度センサ
42の出力信号に基づいて車両が旋回制動状態であるか
否かの判別、および、車両の旋回方向の検出を行う。車
両が旋回制動状態であると判断された場合、ECU10
は、旋回外輪側のホイルシリンダに連通する油圧回路を
増圧モードに維持すると共に、旋回内輪側のホイルシリ
ンダに連通する油圧回路において増圧モード、減圧モー
ド、および、保持モードを適当に実現することで上述し
た制動液圧の配分制御を実行する。
【0031】図2は、本実施例のシステムの動作を説明
するためのタイムチャートを示す。図2(A)は、マス
タシリンダ圧PMCの変化(一点鎖線で示す曲線)、およ
び、旋回内輪側のホイルシリンダにおける制動液圧PIN
(実線で示す曲線)を示す。また、図2(B)は、マス
タシリンダ圧PMCの変化(一点鎖線で示す曲線)、およ
び、旋回外輪側のホイルシリンダにおける制動液圧P
OUT (実線で示す曲線)を示す。
【0032】図2に示すタイムチャートは、時刻t0
車両が旋回制動状態となり、時刻t 1 に配分制御が開始
され、更に、時刻t2 に旋回外輪についてアンチロック
制御が開始された場合の液圧変化を示している。図2
(B)に示す如く、旋回外輪側の制動液圧POUT は、ア
ンチロック制御が開始される時刻t2 までは、ほぼマス
タシリンダ圧PMCと同等に維持されている。アンチロッ
ク制御が開始されると、旋回外輪側の制動液圧P
OUT は、旋回外輪のスリップ率Sを目標スリップ率S*
に一致させるべくマスタシリンダ圧PMCに比して低圧の
領域で増減される。
【0033】図2(A)に示す如く、旋回内輪側の制動
液圧PINは、配分制御が開始される時刻t1 以降、マス
タシリンダ圧PMC、すなわち、旋回外輪側の制動液圧P
OUTに比して低圧に制御される。そして、時刻t2 にア
ンチロック制御の実行条件が成立すると、配分制御に対
してアンチロック制御を優先させるため、配分制御が中
止される。上記の如く旋回制動中にアンチロック条件が
成立して配分制御が中止された場合、その時点での旋回
内輪側の制動液圧PINはマスタシリンダ圧PMCに比して
低圧とされている。このため、配分制御が中止された
後、何ら旋回内輪側の制動液圧PINの制御を行わないと
すれば、PINが急激にマスタシリンダ圧P MC付近まで上
昇し、車両の旋回挙動が不安定化するおそれが生ずる。
このため、本実施例のシステムでは、アンチロック制御
の実行条件が成立することにより配分制御が終了された
場合には、その後、旋回内輪側のホイルシリンダに連通
する油圧回路において、所定周期で増圧モードと保持モ
ードとを繰り返させることにより、旋回内輪側の制動液
圧PINを徐変させることとしている。かかる徐変制御が
実行された場合、配分制御が中止された後、旋回内輪側
のホイルシリンダが発生する制動トルクが急変すること
はなく、車両を安定した旋回状態に維持することができ
る。
【0034】上述の如く、配分制御が中止された後、旋
回内輪側の制動液圧PINについて徐変制御を行うこと
は、車両を安定した旋回状態に維持するうえで有効であ
る。また、かかる徐変制御を実行するにあたっては、旋
回内輪側の制動液圧PINの増圧速度が緩やかであるほ
ど、配分制御の終了時における車両挙動を安定に維持す
ることができる。しかしながら、配分制御が中止された
後、速やかに旋回内輪に大きな制動力を発生させるため
には、制動液圧PINの増圧速度は速いほど有利である。
【0035】そこで、本実施例においては、急激な制動
力上昇が要求されていない緩制動時には、車両挙動を安
定に維持することを優先して、徐変制御により緩やかに
制動液圧PINを上昇させることとし、急激な制動力上昇
が要求される急制動時には、大きな制動力の確保を優先
して、徐変制御により速やかに制動液圧PINを上昇させ
ることとしている。
【0036】図3は、急制動が行われた際の本実施例の
システムの動作を説明するためのタイムチャートを示
す。図3(A)は、マスタシリンダ圧PMCの変化(一点
鎖線で示す曲線)、および、旋回内輪側のホイルシリン
ダにおける制動液圧PIN(実線で示す曲線)を示す。ま
た、図3(B)は、マスタシリンダ圧PMCの変化(一点
鎖線で示す曲線)、および、旋回外輪側のホイルシリン
ダにおける制動液圧POU T (実線で示す曲線)を示す。
【0037】図3に示すタイムチャートは、時刻t0
車両が旋回急制動状態となり、時刻t3 に配分制御が開
始され、また、時刻t4 に旋回外輪についてアンチロッ
ク制御が開始され、更に、時刻t5 に旋回内輪について
アンチロック制御が開始された場合の液圧変化を示して
いる。図3(A)に示す如く、旋回内輪側の制動液圧P
INは、時刻t4 にアンチロック制御の実行条件が成立す
ると、比較的急激にマスタシリンダ圧PMCに向けて増圧
される。このようにPINが速やかに増圧されると、旋回
外輪側でアンチロック制御が実行されている間に旋回内
輪の制動能力を有効に活用することができ、車両全体と
して高い制動能力を発揮することができる。そして、時
刻t5 以降、旋回内外輪双方においてアンチロック制御
が実行され、車両が発揮し得る最大の制動能力が発揮さ
れる。このように、本実施例のシステムによれば、急制
動時には、配分制御が終了された後の車両挙動の安定化
を図りつつ、制動操作が開始された後早期に最大の制動
能力が発揮される状態を実現することができる。
【0038】図4は、上記の機能を実現すべくECU1
0が実行する制御ルーチンの一例のフローチャートを示
す。図4に示すルーチンが起動されると、先ず、ステッ
プ100において、前回の処理時から今回の処理時にか
けて制動液圧の配分制御が開始されたか否かが判別され
る。配分制御が開始されたと判別された場合は、次にス
テップ102で、カウンタCをクリア、再スタートする
処理が実行された後、ステップ104の処理が実行され
る。カウンタCは、所定の上限値に向けて常にカウント
アップを続けるカウンタである。従って、カウンタCの
値は、配分制御が開始された後の経過時間を表している
ことになる。一方、配分制御が開始されていない、すな
わち、配分制御が停止されているまたは配分制御が継続
的に実行されていると判別された場合は、ステップ10
2がジャンプされ、次いでステップ104の処理が実行
される。
【0039】ステップ104では、何れかの車輪につい
てアンチロック制御の実行条件が成立しているか否かが
判別される。何れの車輪についてもアンチロック制御の
実行条件が成立していない場合は、以後、何ら処理を進
める実益がないと判断され、その後、今回のルーチンが
終了される。一方、何れかの車輪についてアンチロック
制御の実行条件が成立していると判別された場合は、ス
テップ106においてカウンタCをストップする処理が
実行される。
【0040】上述の如く、ECU10は、制動液圧の配
分制御が開始された後、アンチロック制御の実行条件が
成立すると、その時点で配分制御の実行を中止する。従
って、配分制御が開始された後、カウンタCが上限値に
到達するまでの間にアンチロック制御の実行条件が成立
した場合、カウンタCの値は配分制御が実行された時間
を表していることになる。
【0041】車両において制動操作が行われる際に、そ
の操作が緩制動を目的とする場合、すなわち、急激な制
動力の上昇が要求されていない場合は、制動操作が開始
された後、アンチロック条件が成立するまで、すなわ
ち、何れかの車輪についてロック状態に移行する可能性
が検知されるまでには比較的長い時間を要する。従っ
て、緩制動に起因してアンチロック制御の実行条件が成
立する場合には、カウンタCに比較的長い時間が計数さ
れているはずである。一方、制動力を急激に上昇させる
べく急制動操作が行われた場合は、制動操作が開始され
た後、早期にアンチロック条件が成立する。従って、急
制動に起因してアンチロック制御の実行条件が成立する
場合には、カウンタCに比較的短い時間が計数されてい
るはずである。
【0042】本ルーチンにおいて、上記ステップ106
の処理が終了すると、次に、ステップ108において、
カウンタCのカウンタ値Cが所定時間T0 に比して短い
か否かが判別される。その結果、C<T0 が成立する場
合は、車両が旋回急制動状態にあると判断され、以後、
ステップ110の処理が実行される。
【0043】ステップ110では、旋回内輪の制動液圧
INを急増パターン、すなわち、上記図3(A)に示す
パターンで増圧させるための徐変制御が実行される。具
体的には、急増パターンとして予め設定された周期で増
圧モードと保持モードとを繰り返すべく、旋回内輪側の
ホイルシリンダに連通する油圧回路の増圧用制御弁22
および減圧用制御弁26に、所定のタイミングで駆動信
号が出力される。
【0044】ステップ110の処理が終了すると、ステ
ップ112で、旋回内輪についてアンチロック制御の実
行条件が成立しているか否か、すなわち、旋回内輪のス
リップ率Sが目標スリップ率S* を超えているか否かが
判別される。その結果、かかる条件が成立すると判別さ
れた場合は、ステップ114でアンチロック制御を実現
するための処理が実行された後、今回のルーチンが終了
される。一方、上記ステップ112の条件が成立しない
と判別された場合は、次にステップ116において、制
動液圧の徐変制御が開始された後、所定時間が経過した
か否かが判別される。その結果、未だ所定時間が経過し
ていないと判別された場合は、再び上記ステップ110
以降の処理が繰り返される。一方、すでに所定時間が経
過していると判別されと、制動液圧の徐変制御を終了さ
せるべく、本ルーチンが終了される。
【0045】また、上記ステップ108において、カウ
ンタ値Cが所定時間T0 以上であると判別された場合
は、車両が旋回緩制動状態にあると判断され、以後、ス
テップ118の処理が実行される。ステップ118で
は、旋回内輪の制動液圧PINを緩増パターン、すなわ
ち、上記図2(A)に示すパターンで増圧させるための
徐変制御が実行される。具体的には、緩増パターンとし
て予め設定された周期で増圧モードと保持モードとを繰
り返すべく、旋回内輪側のホイルシリンダに連通する油
圧回路の増圧用制御弁22および減圧用制御弁26に、
所定のタイミングで駆動信号が出力される。
【0046】ステップ118の処理が終了すると、ステ
ップ120で、旋回内輪についてアンチロック制御の実
行条件が成立しているか否かが判別される。その結果、
かかる条件が成立すると判別された場合は、上記したス
テップ114の処理が実行された後、今回のルーチンが
終了される。一方、上記ステップ120の条件が成立し
ないと判別された場合は、次にステップ122におい
て、制動液圧の徐変制御が開始された後、所定時間が経
過したか否かが判別される。その結果、未だ所定時間が
経過していないと判別された場合は、再び上記ステップ
118以降の処理が繰り返される。一方、すでに所定時
間が経過していると判別されと、制動液圧の徐変制御を
終了させるべく、本ルーチンが終了される。
【0047】上記の処理によれば、車両が旋回急制動状
態である場合にアンチロック制御の実行条件が成立した
後には、急増パターンにより所定時間にわたり旋回内輪
側の制動液圧PINの増圧が図られる。また、車両が旋回
緩制動状態である場合にアンチロック制御の実行条件が
成立した後には、緩増パターンにより所定時間にわたり
旋回内輪側の制動液圧PINの増圧が図られる。更に、制
動液圧PINの増圧中に旋回内輪についてアンチロック制
御の実行条件が成立した場合には、速やかに旋回内輪に
ついてもアンチロック制御が開始される。従って、本実
施例のシステムによれば、配分制御が中止された後、車
両に生ずる挙動変化を十分に小さく抑制しつつ、急制動
時において優れた応答性の下に高い制動能力を得ること
ができる。
【0048】尚、上記の実施例においては、ECU10
が配分制御を実行することにより前記請求項1記載の配
分制御手段が、上記ステップ108,110および11
8の処理を実行することにより前記請求項1記載の制動
液圧徐変手段、および前記請求項1記載の液圧変化速度
変更手段が、車両の制動時に上記ステップ102,10
6の処理を実行することにより前記請求項1記載の走行
状態検出手段が、それぞれ実現される。
【0049】また、上記の実施例においては、ECU1
0がアンチロック制御を実行することにより前記請求項
2記載のアンチロック制御手段が、上記ステップ104
の処理を実行することにより前記請求項2記載の配分制
御終了手段が、車両の制動時に配分制御を実行すること
により前記請求項2記載の制動時配分制御手段が、上記
ステップ102,106の処理を実行することにより前
記請求項2記載の配分制御実行時間計数手段が、また、
上記ステップ108,110および118の処理を実行
することにより前記請求項2記載の制御時間対応速度変
更手段が、それぞれ実現される。
【0050】次に、本発明の第2実施例について説明す
る。本実施例は、上述した第1実施例と同様のシステム
構成により実現することができる。車両が旋回制動状態
である場合に実行される制動液圧の配分制御は、上述の
如く、例えば何れかの車輪についてアンチロック制御の
実行条件が成立した場合等においては、車両が旋回制動
状態に維持されたままであっても中止される場合があ
る。
【0051】この場合、配分制御が中止された後、旋回
内輪側の制動液圧PINを徐変させることで車両挙動を安
定に維持し得ることは前記した通りである。ところで、
車両には、旋回程度が急になるほど高度のバランスが要
求される。このため、車両が緩旋回中である場合は、配
分制御が中止された後に旋回内輪の制動力が比較的大き
く変化しても、さほど車両挙動が不安定となることはな
く、一方、車両が急旋回中である場合は、配分制御が中
止された後に旋回内輪の制動力が僅かに変化しただけで
も、その変化が車両挙動に大きく反映される。
【0052】かかる観点からすれば、配分制御が中止さ
れた際に車両が急旋回状態である場合は、旋回内輪の制
動液圧PINの徐変速度を緩やかとし、配分制御が中止さ
れた際に車両が緩旋回状態である場合は、旋回内輪の制
動液圧PINの徐変速度を急にすることが適切である。
【0053】図5は、上記の要求を実現すべくECU1
0が実行する制御ルーチンの一例のフローチャートを示
す。図5に示すルーチンが所定時間毎に起動される定時
割り込みルーチンである。図5に示すルーチンが起動さ
れると、先ずステップ200において、ブレーキスイッ
チ38からオン信号が出力されているか否かが判別され
る。ブレーキスイッチ38からオン信号が出力されてい
る場合は、車両が制動状態であると判断され、次にステ
ップ202の処理が実行される。一方、ブレーキスイッ
チ38からオン信号が出力されていない場合は、後の処
理を進める実益がないと判断されて今回のルーチンが終
了される。
【0054】ステップ202では、旋回内輪について、
すなわち、配分制御における制御対象車輪について、ア
ンチロック制御の実行条件が成立しているか否かが判別
される。その結果、制御対象車輪についてアンチロック
制御の実行条件が成立していると判別された場合は、ス
テップ206でアンチロック制御を実現するための処理
が実行された後、今回のルーチンが終了される。一方、
上記ステップ202の条件が不成立であると判別された
場合は、次にステップ204の処理が実行される。
【0055】ステップ204では、制動液圧の配分制御
の実行条件が成立しているか否かが判別される。具体的
には、車両が制動状態であり、かつ、所定値以上の横加
速度Gyを伴う旋回中であるか否かが判別される。その
結果、配分制御の実行条件が成立していないと判別され
た場合は、以後の処理を進める実益がないと判断され、
今回のルーチンが終了される。一方、配分制御の実行条
件が成立していると判別された場合は、更にステップ2
08において、配分制御の終了条件が成立しているか否
かが判別される。
【0056】ステップ208では、何れかの車輪につい
てアンチロック制御の実行条件が成立した場合、およ
び、旋回内輪側のホイルシリンダに連通する油圧回路が
所定期間継続して、または、頻繁に増圧モードとされる
場合に配分制御の終了条件が成立すると判別される。上
記の終了条件が成立していない場合は、以後、ステップ
210で配分制御を実現するための処理が実行された
後、今回のルーチンが終了される。一方、配分制御の終
了条件が成立していると判別された場合は、次に、ステ
ップ212の処理が実行される。
【0057】ステップ212では、図6に示すマップを
参照して、配分制御の終了後に実行する旋回内輪側の制
動液圧PINについての徐変制御で実現すべき増圧勾配が
決定される。本実施例において、制動液圧PINの徐変制
御は、旋回内輪側のホイルシリンダに連通する油圧回路
を、図7に示すパターンで、所定回数繰り返して保持モ
ードおよび増圧モードとすることで実現される。図7に
示すパターンにおいて、増圧モードと保持モードとの繰
り返し周期T2 は固定値である。一方、図7に示すパタ
ーンにおいて、油圧回路が保持モードに維持される時間
1 と、図7に示すパターンの繰り返し回数Nは変動値
である。本ステップ212では、図6に示すマップを参
照して、これらの変動値T1 およびNが決定される。
【0058】図6に示すマップは、配分制御の終了条件
が成立した際に車両に作用していた横加速度Gyとの関
係でT1 およびNを設定したマップである。上述の如
く、配分制御の終了条件が成立した際に車両に作用して
いる横加速度Gyが大きいほど、徐変制御により旋回内
輪の制動液圧PINを緩やかに変化させる必要がある。こ
のため、図6に示すマップは、Gyが大きいほどT1
よびNが大きな値となるように設定されている。かかる
設定によれば、Gyが大きくなるほど、図7に示すパタ
ーンの1周期内に占める保持時間T1 の割合が大きくな
る。このため、Gyが大きいほど、徐変制御における制
動液圧PINの増圧速度が緩やかとされる。この場合、G
yが大きいほど繰り返し回数Nが大きくなるため、徐変
制御中に確保される増圧時間の総和は常に一定時間とな
る。
【0059】上記の如く、徐変制御で実現すべき増圧勾
配が決定されると、次いで、ステップ214において、
徐変制御を実現するための処理が実行された後、今回の
ルーチンが終了される。上記の処理によれば、如何なる
旋回状態で車両が走行している場合においても、車両挙
動を安定に維持しつつ配分制御を終了させることができ
る。
【0060】尚、上記の実施例においては、ECU10
が配分制御を実行することにより前記請求項1記載の配
分制御手段が、上記ステップ214の処理を実行するこ
とにより前記請求項1記載の制動液圧徐変手段が、上記
ステップ212の処理を実行することにより前記請求項
1記載の液圧変化速度変更手段および前記請求項1記載
の走行状態検出手段が、それぞれ実現される。
【0061】また、上記の実施例においては、ECU1
0がステップ212の処理を実行することにより、前記
請求項3記載の旋回程度検出手段および前記請求項3記
載の旋回程度対応速度変更手段が実現される。次に、本
発明の第3実施例について説明する。本実施例は、上述
した第1実施例と同様のシステム構成により実現するこ
とができる。第1及び第2実施例において実行される配
分制御は、旋回内輪と旋回外輪とを同等のスリップ状態
とすべく、旋回内輪側の制動液圧PINを、旋回外輪側の
制動液圧POUT に比して低圧とすることで実現される。
旋回内輪と旋回外輪とは、車両の旋回方向が切替えられ
ることにより反転する。従って、上述した配分制御を実
行する装置においては、旋回方向が切替えられた場合、
切替え前の旋回方向に対する配分制御を終了させ、切替
え後の旋回方向に対する配分制御を新たに開始すること
が必要である。
【0062】配分制御が中止された後、旋回内輪側の制
動液圧PINを徐変させることで車両挙動を安定に維持し
得ることは前記した通りである。しかしながら、旋回方
向が切替えられることにより配分制御が中止された際に
徐変制御の対象とされる車輪は、旋回方向が切替えられ
た後には旋回外輪となる。従って、その車輪について制
動液圧を徐変させることとすれば、旋回方向が切替えら
れた後、新たな旋回外輪が十分な制動力を発生するまで
にタイムラグが生ずることになる。
【0063】かかる観点からすれば、一方の旋回方向に
対する配分制御が終了された後、他方の旋回方向に対す
る配分制御が開始されるまでに十分に時間が経過してい
る場合は、旋回内輪の制動液圧PINの徐変速度を緩やか
とし、一方の旋回方向に対する配分制御が終了された
後、短時間の後に他方の旋回方向に対する配分制御が開
始される場合は、旋回内輪の制動液圧PINの徐変速度を
急にすることが適切である。
【0064】図8は、上記の要求を実現すべくECU1
0が実行する制御ルーチンの一例のフローチャートを示
す。図8に示すルーチンが起動されると、先ずステップ
300において、何れかの車輪についてアンチロック制
御の実行条件が成立しているか否かが判別される。その
結果、アンチロック制御の実行条件が成立していると判
別された場合は、ステップ302でアンチロック制御を
実現するための処理が実行される。
【0065】上記ステップ302の処理が終了すると、
次にステップ304で、アンチロック制御の終了条件が
成立しているか否かが判別される。その結果、未だアン
チロック制御の終了条件が成立していないと判別された
場合は、かかる条件が成立するまで、繰り返し上記ステ
ップ302の処理が実行される。一方、アンチロック制
御の終了条件が成立すると判別された場合は今回の処理
が終了される。
【0066】上記ステップ300においてアンチロック
制御の実行条件が成立していないと判別された場合は、
ステップ306において、配分制御の実行条件が成立し
ているか否かが判別される。配分制御の実行条件が成立
していない場合は、後の処理を進める実益がないと判断
され、今回のルーチンが終了される。一方、配分制御の
実行条件が成立していると判別された場合は、ステップ
308で配分制御を実現するための処理が実行される。
尚、ステップ308では、上記の処理が実行されると共
に、左右の車輪の何れが配分制御の制御対象車輪である
か、すなわち旋回内輪であるかが記憶される。
【0067】上記ステップ308の処理が終了したら、
次に、ステップ310において配分制御の終了条件が成
立しているか否かが判別される。本ステップ310で
は、車両に作用する横加速度Gyが0.2G以下となっ
た場合、および、何れかの車輪についてアンチロック制
御の実行条件が成立した場合に配分制御の終了条件が成
立したと判別される。
【0068】上記ステップ310において配分制御の終
了条件が不成立であると判別された場合は、かかる条件
が成立するまで、繰り返し上記ステップ308の処理が
実行される。一方、配分制御の終了条件が成立すると判
別された場合は、ステップ312において、更に、配分
制御の制御対象車輪についてアンチロック制御の実行条
件が成立しているか否かが判別される。
【0069】ステップ312で、配分制御の制御対象車
輪についてアンチロック制御の実行条件が成立している
と判別された場合は即座に配分制御が終了され、ステッ
プ314でアンチロック制御を実現するための処理が実
行され、更に、ステップ316で、アンチロック制御の
終了条件が成立しているか否かが判別される。その結
果、未だアンチロック制御の終了条件が成立していない
と判別された場合は、かかる条件が成立するまで、繰り
返し上記ステップ314の処理が実行される。一方、ス
テップ316でアンチロック制御の終了条件が成立して
いると判別された場合は今回の処理が終了される。
【0070】上記ステップ312で、配分制御の制御対
象車輪についてアンチロック制御の実行条件が不成立で
あると判別された場合は、ステップ318で、カウンタ
Cがクリアされた後、再スタートされる。カウンタC
は、所定の上限値に向けて常にカウントアップを続ける
カウンタである。従って、カウンタCの値は、配分制御
の終了条件が成立した後の経過時間を表していることに
なる。
【0071】ステップ320では、上記ステップ308
で制御対象車輪とされた車輪と逆の車輪を制御対象車輪
とする配分制御が開始されたか否かが判別される。本ス
テップ320の条件は、上記ステップ306の条件が成
立した後、車両の旋回方向が反転され、逆の旋回方向に
対する配分制御の実行条件が成立した場合に成立する。
かかる条件が成立する場合は、上述したカウンタCがス
トップされた後、ステップ322の処理が、一方、かか
る条件が成立しない場合はカウンタCを作動させたまま
ステップ324の処理が実行される。この場合、カウン
タ値Cは、一方の旋回方向に対する配分制御が終了され
た後、他方の旋回方向に対する配分制御が開始されるま
でに経過した時間を表すことになる。
【0072】ステップ322では、図9に示すマップを
参照して、配分制御の終了後に実行される旋回内輪側の
制動液圧PINについての徐変制御で実現すべき増圧勾配
が決定される。本実施例において、制動液圧PINの徐変
制御は、旋回内輪側のホイルシリンダに連通する油圧回
路を、図10に示すパターンで、所定回数繰り返して保
持モードおよび増圧モードとすることで実現される。図
10に示すパターンにおいて、油圧回路が保持モードに
維持される時間T1 と、増圧モードと保持モードとの繰
り返し周期T2 は変動値である。一方、図10に示すパ
ターンの繰り返し回数Nは固定値である。本ステップ3
22では、図9に示すマップを参照して、これらの変動
値T1 およびT2 が決定される。
【0073】図9に示すマップは、一方の旋回方向に対
する配分制御が終了された後、他方の旋回方向に対する
配分制御が開始されるまでに経過した時間、すなわち、
カウンタCに計数されている時間との関係で、T1 およ
びT2 を設定したマップである。かかる時間が短時間で
ある場合は、旋回方向の切替え後において適切な制動力
を確保するため、徐変制御により旋回内輪の制動液圧P
INを速やかに増圧させる必要がある。このため、図9に
示すマップは、上記時間が短時間であるほどT 1 および
2 が小さな値となるように設定されている。かかる設
定によれば、上記時間が短くなるほど図10に示すパタ
ーンの1周期内に占める増圧時間(T2−T1 )の割合
が大きくなり、徐変制御における制動液圧PINの増圧速
度が急となる。尚、図9に示すマップは、上記時間が所
定値を超える場合は、T1 ,T2が上限値となるように
設定されている。従って、上記時間が長期化した場合に
おいても、図10に示すパターンのデューティ比が不当
に小さくなることはない。
【0074】上記の如く、徐変制御で実現すべき増圧勾
配が決定されると、ステップ324で、決定された増圧
勾配で制動液圧を徐変させるための処理が実行される。
尚、T1 ,T2 には、図9に示すマップの上限値が初期
値として設定されている。従って、上記ステップ320
の条件が不成立であると判別され、ステップ322がジ
ャンプされてステップ324の処理が実行された場合に
は、T1 ,T2 に上限値が代入されてなる緩増圧パター
ンで徐変制御が実行される。
【0075】ステップ324の処理が終了すると、次
に、ステップ326で、徐変制御の終了条件が成立して
いるか、すなわち、図10に示すパターンが所定回数繰
り返されたか否かが判別される。その結果、未だ徐変制
御の終了条件が成立していないと判別される場合は、上
記312以降の処理が繰り返し実行される。一方、ステ
ップ326で徐変制御の終了条件が成立すると判別され
た場合は今回のルーチンが終了される。
【0076】上記の処理によれば、旋回方向が切替えら
れた後、速やかに新たな旋回方向に対する配分制御を実
行する必要があるか否かに応じて、適切な増圧勾配で制
動液圧の徐変制御を実行することができる。従って、本
実施例の制動力制御装置によれば、配分制御が終了され
た後の車両挙動を安定に維持し得ると共に、短時間で旋
回方向が切替えられた場合において、違和感のない制動
力特性を実現することができる。
【0077】尚、上記の実施例においては、ECU10
が配分制御を実行することにより前記請求項1記載の配
分制御手段が、上記ステップ324の処理を実行するこ
とにより前記請求項1記載の制動液圧徐変手段が、上記
ステップ322の処理を実行することにより前記請求項
1記載の液圧変化速度変更手段が、また、上記ステップ
318,320の処理を実行することにより前記請求項
1記載の走行状態検出手段が、それぞれ実現される。
【0078】また、上記の実施例においては、ECU1
0が、旋回制動時に配分制御を実行することにより前記
請求項4記載の旋回時配分制御手段が、上記ステップ3
18、320の処理を実行することにより前記請求項4
記載の配分制御間隔計数手段が、また、上記ステップ3
22、324の処理を実行することにより前記請求項4
記載の制御間隔対応速度変更手段が、それぞれ実現され
る。
【0079】ところで、上述した第1乃至第3実施例
は、旋回外輪の制動力と旋回内輪の制動力とを所定の関
係とする配分制御を実行することとしているが、本発明
はこれに限定されるものではなく、前輪の制動力と後輪
の制動力とを所定の関係とする配分制御を実行する場合
に適用してもよい。また、上記の説明においては、第1
乃至第3実施例の制御が、それぞれ独立に行われること
としているが、本発明はこれに限定されるものではな
く、複数の制御を組み合わせて実行することとしてもよ
い。
【0080】
【発明の効果】上述の如く、請求項1記載の発明によれ
ば、制動液圧の配分制御が終了された後、車両の走行状
態に応じた適切な液圧速度で、制御対象車輪の制動液圧
を徐変させることができる。従って、本発明にかかる制
動力制御装置によれば、種々の走行状態の下で、最適な
状態で配分制御を終了させることができる。
【0081】請求項2記載の発明によれば、車両が急制
動状態である場合には、アンチロック制御の実行条件が
成立した後、制御対象車輪の制動液圧を速やかに変化さ
せることができると共に、車両が緩制動状態である場合
には、アンチロック制御の実行条件が成立した後、制御
対象車輪の制動液圧を緩やかに変化させることができ
る。制御対象車輪の制動液圧が速やかに変化すると、ア
ンチロック制御の実行条件が成立した後即座に、制御対
象車輪の制動能力を有効に活用することができる。ま
た、制御対象車輪の制動液圧が緩やかに変化すると、ア
ンチロック制御が実行条件が成立した後の車両の挙動変
化を抑制することができる。従って、本発明にかかる制
動力制御装置によれば、急制動時に高い制動能力を確保
しつつ、緩制動時において高い安定性を確保することが
できる。
【0082】請求項3記載の発明によれば、配分制御が
終了された際に車両が急旋回状態である場合には、制御
対象車輪の制動液圧を緩やかに変化させることにより、
車両挙動を安定に維持するうえで有利な状態を形成する
ことができる。また、配分制御が終了された際に車両が
緩旋回状態又は直進状態である場合には、制御対象車輪
の制動液圧を速やかに変化させることにより、高い制動
能力を得るうえで有利な状態を形成することができる。
つまり、本発明に係る制動力制御装置によれば、車両挙
動を安定に維持しつつ、高い制動能力を確保することが
できる。
【0083】請求項4記載の発明によれば、旋回方向が
短時間で切替えられた場合には、切替え前の旋回方向に
対する配分制御の終了に起因する制動液圧の徐変制御を
速やかに終了させることができる。また、旋回方向の切
替えが緩やかに行われた場合には、切替え前の旋回方向
に対する配分制御が終了された後、制御対象車輪の制動
液圧が緩やかに変化するように、その制動液圧について
の徐変制御を実行することができる。このため、本発明
に係る制動力制御装置によれば、車両挙動の安定化を図
りつつ、旋回方向が切替えられた後に、新たな旋回方向
に対する配分制御を速やかに開始させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例のシステム構成図である。
【図2】本発明の第1実施例において緩制動が行われた
際の動作を説明するためのタイムチャートである。
【図3】本発明の第1実施例において急制動が行われた
際の動作を説明するためのタイムチャートである。
【図4】本発明の第1実施例において実行される制御ル
ーチンの一例のフローチャートである。
【図5】本発明の第2実施例において実行される制御ル
ーチンの一例のフローチャートである。
【図6】本発明の第2実施例において実行される制御ル
ーチン中で用いられるマップの一例である。
【図7】本発明の第2実施例において実行される制動液
圧の徐変制御に用いられる増圧パターンの一例である。
【図8】本発明の第3実施例において実行される制御ル
ーチンの一例のフローチャートである。
【図9】本発明の第3実施例において実行される制御ル
ーチン中で用いられるマップの一例である。
【図10】本発明の第3実施例において実行される制動
液圧の徐変制御に用いられる増圧パターンの一例であ
る。
【符号の説明】
10 電子制御ユニット(ECU) 12 ブレーキペダル 16 マスタシリンダ 18(18RL,18RR,18FL,18FR) ホ
イルシリンダ 22(22RL,22RR,22FL,22FR) 増
圧用制御弁 26(26RL,26RR,26FL,26FR) 減
圧用制御弁 36(36RL,36RR,36FL,36FR) 車
輪速センサ 38 ブレーキスイッチ 40 車速センサ 42 加速度センサ PMC マスタシリンダ圧 PIN 旋回内輪側の制動液圧 POUT 旋回外輪側の制動液圧

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両の各車輪に対して所定の配分比で制
    動液圧を供給する配分制御手段と、制動液圧の配分制御
    が終了された後に、前記配分制御の対象とされていた車
    輪の制動液圧を徐変させる制動液圧徐変手段と、を備え
    る制動力制御装置において、 車両の走行状態を検出する走行状態検出手段と、 該走行状態検出手段の検出結果に基づいて、前記制動液
    圧徐変手段が制動液圧を徐変させる際の液圧変化速度を
    変更する液圧変化速度変更手段と、 を備えることを特徴とする制動力制御装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の制動力制御装置におい
    て、 各車輪のロック状態を判定して各車輪の制動液圧を制御
    するアンチロック制御手段と、 何れかの車輪についてアンチロック制御の実行条件が成
    立した際に、前記配分制御の実行を終了させる配分制御
    終了手段と、を備えると共に、 前記配分制御手段が、車両の制動時に制動液圧の配分制
    御を実行する制動時配分制御手段を備え、 前記走行状態検出手段が、前記配分制御が開始された
    後、前記アンチロック制御が開始されるまでの時間を計
    数する配分制御実行時間計数手段を備え、かつ、 前記液圧変化速度変更手段が、前記配分制御実行時間計
    数手段により計数される時間に基づいて前記液圧変化速
    度を変更する制御時間対応速度変更手段を備えることを
    特徴とする制動力制御装置。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の制動力制御装置におい
    て、 前記走行状態検出手段が、車両の旋回程度を検出する旋
    回程度検出手段を備えると共に、 前記液圧変化速度変更手段が、前記旋回程度検出手段の
    検出結果に基づいて前記液圧変化速度を変更する旋回程
    度対応速度変更手段を備えることを特徴とする制動力制
    御装置。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の制動力制御装置におい
    て、 前記配分制御手段が、車両の旋回時に、旋回方向に応じ
    た制動液圧の配分制御を実行する旋回時配分制御手段を
    備え、 前記走行状態検出手段が、一の旋回方向に対する配分制
    御が終了された後、他の旋回方向に対する配分制御が開
    始されるまでの時間を計数する配分制御間隔計数手段を
    備え、かつ、 前記液圧変化速度変更手段が、前記配分制御間隔計数手
    段により計数される時間に基づいて前記液圧変化速度を
    変更する制御間隔対応速度変更手段を備えることを特徴
    とする制動力制御装置。
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