JPH0995228A - 車両の制動力制御装置 - Google Patents

車両の制動力制御装置

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JPH0995228A
JPH0995228A JP7252332A JP25233295A JPH0995228A JP H0995228 A JPH0995228 A JP H0995228A JP 7252332 A JP7252332 A JP 7252332A JP 25233295 A JP25233295 A JP 25233295A JP H0995228 A JPH0995228 A JP H0995228A
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JP
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wheel
braking force
road surface
speed
wheels
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JP7252332A
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English (en)
Inventor
Haruki Okazaki
晴樹 岡崎
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Original Assignee
Mazda Motor Corp
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Publication date
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Publication of JPH0995228A publication Critical patent/JPH0995228A/ja
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B60VEHICLES IN GENERAL
    • B60TVEHICLE BRAKE CONTROL SYSTEMS OR PARTS THEREOF; BRAKE CONTROL SYSTEMS OR PARTS THEREOF, IN GENERAL; ARRANGEMENT OF BRAKING ELEMENTS ON VEHICLES IN GENERAL; PORTABLE DEVICES FOR PREVENTING UNWANTED MOVEMENT OF VEHICLES; VEHICLE MODIFICATIONS TO FACILITATE COOLING OF BRAKES
    • B60T8/00Arrangements for adjusting wheel-braking force to meet varying vehicular or ground-surface conditions, e.g. limiting or varying distribution of braking force
    • B60T8/32Arrangements for adjusting wheel-braking force to meet varying vehicular or ground-surface conditions, e.g. limiting or varying distribution of braking force responsive to a speed condition, e.g. acceleration or deceleration
    • B60T8/34Arrangements for adjusting wheel-braking force to meet varying vehicular or ground-surface conditions, e.g. limiting or varying distribution of braking force responsive to a speed condition, e.g. acceleration or deceleration having a fluid pressure regulator responsive to a speed condition
    • B60T8/48Arrangements for adjusting wheel-braking force to meet varying vehicular or ground-surface conditions, e.g. limiting or varying distribution of braking force responsive to a speed condition, e.g. acceleration or deceleration having a fluid pressure regulator responsive to a speed condition connecting the brake actuator to an alternative or additional source of fluid pressure, e.g. traction control systems
    • B60T8/4809Traction control, stability control, using both the wheel brakes and other automatic braking systems
    • B60T8/4827Traction control, stability control, using both the wheel brakes and other automatic braking systems in hydraulic brake systems
    • B60T8/489Traction control, stability control, using both the wheel brakes and other automatic braking systems in hydraulic brake systems using separate traction control modulators
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B60VEHICLES IN GENERAL
    • B60TVEHICLE BRAKE CONTROL SYSTEMS OR PARTS THEREOF; BRAKE CONTROL SYSTEMS OR PARTS THEREOF, IN GENERAL; ARRANGEMENT OF BRAKING ELEMENTS ON VEHICLES IN GENERAL; PORTABLE DEVICES FOR PREVENTING UNWANTED MOVEMENT OF VEHICLES; VEHICLE MODIFICATIONS TO FACILITATE COOLING OF BRAKES
    • B60T8/00Arrangements for adjusting wheel-braking force to meet varying vehicular or ground-surface conditions, e.g. limiting or varying distribution of braking force
    • B60T8/17Using electrical or electronic regulation means to control braking
    • B60T8/176Brake regulation specially adapted to prevent excessive wheel slip during vehicle deceleration, e.g. ABS
    • B60T8/1764Regulation during travel on surface with different coefficients of friction, e.g. between left and right sides, mu-split or between front and rear
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B60VEHICLES IN GENERAL
    • B60TVEHICLE BRAKE CONTROL SYSTEMS OR PARTS THEREOF; BRAKE CONTROL SYSTEMS OR PARTS THEREOF, IN GENERAL; ARRANGEMENT OF BRAKING ELEMENTS ON VEHICLES IN GENERAL; PORTABLE DEVICES FOR PREVENTING UNWANTED MOVEMENT OF VEHICLES; VEHICLE MODIFICATIONS TO FACILITATE COOLING OF BRAKES
    • B60T8/00Arrangements for adjusting wheel-braking force to meet varying vehicular or ground-surface conditions, e.g. limiting or varying distribution of braking force
    • B60T8/32Arrangements for adjusting wheel-braking force to meet varying vehicular or ground-surface conditions, e.g. limiting or varying distribution of braking force responsive to a speed condition, e.g. acceleration or deceleration
    • B60T8/34Arrangements for adjusting wheel-braking force to meet varying vehicular or ground-surface conditions, e.g. limiting or varying distribution of braking force responsive to a speed condition, e.g. acceleration or deceleration having a fluid pressure regulator responsive to a speed condition
    • B60T8/42Arrangements for adjusting wheel-braking force to meet varying vehicular or ground-surface conditions, e.g. limiting or varying distribution of braking force responsive to a speed condition, e.g. acceleration or deceleration having a fluid pressure regulator responsive to a speed condition having expanding chambers for controlling pressure, i.e. closed systems
    • B60T8/4275Pump-back systems

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 4センサ3チャンネル方式のABS制御シス
テムにおいて、スプリット路走行時にセレクトロー制御
を行った場合にも、安定した制動規制を行えるようにす
る。 【解決手段】 共通に制御される後輪側左右各車輪の内
の路面μが小さい方の車輪の車輪速に基いて制動力を制
御するとともに、車輪速センサの最高値に基いて演算し
ている車体速を路面μの差に基いて所定の値だけ小さく
補正するようにシステム構成し、路面μが異なるスプリ
ット路走行時には、ロックしやすい低μ側の車輪の車輪
速を基にして制動力を制御して、ヨーモーメントを減少
させ、車体のコントロール性を確保する一方、さらに、
各車輪速中の最高値に基いて演算している車体速を上記
後輪側左右各車輪WRL,WRRの路面μの差に対応し
て所定の値だけ小さく補正することによって、制動力の
規制制御を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本願発明は、左右各車輪の制
動力を共通に制御する制動力制御システムを採用した車
両の制動力制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】最近の車両では、車体速度と各車輪の車
輪速度とに基いて車両制動時の各車輪のロック傾向を判
定(予測)し、制動用ホイールシリンダのブレーキ液圧
を適切に制御(制動規制)することによって、スピン等
の恐れのない安定した車両制動状態を実現するようにし
た車両の制動力制御装置(所謂ABSシステム)が多く
採用されるようになっている。
【0003】ところで、該装置を構成するに際しては、
使用する車輪速センサの数と制御チャンネル(制御すべ
き液圧回路)の数とによって4センサ4チャンネル方式
や4センサ3チャンネル方式等車両の駆動形式に対応し
た幾つかの構成例が考えられている。中でも、例えば4
センサ3チャンネル方式のものは、前輪は2つの車輪速
センサによって各々個別に制御されるが、後輪は左右2
つの車輪速センサからの各車輪速情報を統合して共通の
液圧回路で共通に制御されるようになっており、ブレー
キ回路が前後配管構造となっている車両、すなわち後輪
駆動車に適したものとして一般に採用されている(例え
ば特開平4−197864号公報参照)。
【0004】また、一方その他3チャンネル3センサ方
式のものやX配管構造を採用した2チャンネル方式のも
のの場合にも、これと同様に左右各車輪の制動力が共通
に制御される。
【0005】これらの方式では、左右の各車輪の車輪速
を計測しているので、ロックしやすい回転状態にある方
の車輪、すなわちタイヤトルクの小さい方の車輪に適合
した等しいブレーキ圧での制御(所謂セレクトロー制
御)を確実に実現することができる特徴がある。
【0006】セレクトロー制御を行うと、ヨーモーメン
トが減少して、運転者はステアリング操作によって車体
の旋回を抑えることができるようになり、安定した走行
を行うことができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記のよう
なセレクトロー制御の可能な左右の各車輪の制動力を共
通に制御する方式の車両の制動力制御装置の場合、例え
ばFR車でスプリット路面を走行している時のように左
右後輪の各々の路面μ(路面との摩擦係数)が異なる場
合においてセレクトロー制御を行うと、路面μの小さい
方の車輪がロックして各車輪のブレーキ圧が減圧され、
路面μの大きい方の車輪の車輪速が高くなるために、該
車輪速に基いて演算される車体速が大となり、残りの3
輪がロック傾向にあると誤判定されてしまうので、その
ままではコントロルーユニットが必要以上に各車輪のブ
レーキ液圧を下げる方向に制御する場合も一応可能性と
して想定される。
【0008】
【課題を解決するための手段】本願発明は、このような
懸念を前提として、上記のようなABSシステム等車両
の制動力制御装置の一層の高性能化と信頼性の向上を図
ることを目的としてなされたもので、例えば次のように
当該目的に対応した種々の観点からの課題解決手段を備
えて構成されている。
【0009】すなわち、先ず本願発明は、左右各車輪の
制動力を共通に制御する制動力制御システムを採用し、
車体速と車輪速との差が所定値以上の時に制動力の規制
を行うようにしてなる車両の制動力制御装置において、
上記共通に制御される左右各車輪の内の路面μが小さい
方の車輪の車輪速に基いて制動力を制御するようにする
とともに、前後各車輪の車輪速センサの値、例えばそれ
らの内の最高値又は平均値に基いて演算している車体速
を上記左右各車輪の路面μの差に基いて所定の値だけ小
さく補正するように構成されている。
【0010】したがって、例えば左右の車輪の路面μが
異なるスプリット路を走行時には、例えばFR車の左右
後輪の一方等ロックしやすい低μ側の車輪の車輪速を基
に上記左右各車輪の制動力が制御される。つまり、セレ
クトロー制御が行われ、ヨーモーメントが減少して、車
体のコントロール性を確保することが可能となる。
【0011】しかし、そのままでは共通制御側の左右各
車輪のブレーキ液圧が低下させられて、高路面μ側の車
輪の車輪速が残りの3輪の車輪速に比べて大となり、残
りの3輪がロック気味と誤判定されるようになる。
【0012】その結果、制動力制御システムが作動し、
該残り3輪が制動規制されて本来必要な制動性能が低減
される恐れを生じる。
【0013】そこで、本願発明では、上記のように各車
輪速全ての値を用いて、例えばそれらの内の最高値又は
それらの平均値に基いて演算している車体速を上記左右
各車輪の路面μの差に対応して所定の値だけ小さく補正
し、該補正された可能な限り適正な値に基いて制動力の
規制制御を行うようにする。
【0014】そうすると、前述の高路面μ側の車輪の車
輪速の増大によって残りの3輪がロック気味と判定さ
れ、それらのブレーキ液圧が低下させられるのを防止す
ることができ、スプリット路走行時の適切な制動力を確
保することができる。
【0015】そして、具体的に上記補正値を決定するに
際しては、例えば上記左右各車輪の路面μの差が大きい
時には、それが小さい時よりも上記車体速補正量を相対
的に大きくし、またより具体的には当該補正量を上記左
右各車輪間の路面μの差の値に対応して大きくなるよう
にする。
【0016】それらの方法によって、それぞれ上記左右
各車輪間の路面μの差の大きさに対応した適切な車体速
補正値の決定が可能となる。
【0017】また、該補正値の決定ないし補正の実行に
際しては、例えば上記左右各車輪の路面μ間に差がある
全ての場合に行うのではなく、例えば車両の制動性能そ
のものに影響があると判断される左右各車輪間の路面μ
の差が所定値以上に大きい時にのみ行うようにし、不必
要な制御や制御系のハンチングを防止して安定した制御
を実現する。
【0018】これは、また例えば、先ず左右各車輪の路
面μの差に基いて現在走行中の路面が左右各車輪で路面
μが異なるスプリット路面であることを判定する判定手
段を設け、上記左右各車輪の路面μの差が所定値以上に
大きい時にスプリット路面であると判定し、該判定時に
上記車体速の補正を行うにし、それに対応して上記のよ
うに補正値を決定するようにすることによって、より正
確に実現される。
【0019】さらに、上記適切な車体速を得るための補
正制御は、当該車体速の算出に優先して、例えば左右各
車輪の内の路面μが大きい方の車輪の車輪速を先ず路面
μの差に応じて小さく補正し、その次に該小さく補正し
た車輪速値を用いて最終的に適切な上記車体速を演算す
るようにしてなされる。このようにすると、後から車体
速を補正する場合よりも補正精度が高まる。
【0020】また、上記補正制御は、上記左右各車輪の
路面μの差が所定値以上に大きい時には、当該左右各車
輪の内の路面μの大きい方の車輪を除いた残りの車輪の
車輪速に基いて上記車体速を演算するようにしてなされ
る。このようにすると、低μ側の車輪ロックによる高μ
側車輪の車体速上昇の影響を受けることなく、車体速の
算出が可能となる。
【0021】さらに、また上記と同様の制御は、同じく
上記左右各車輪の路面μの差が所定値以上に大きい時
に、上記のような手段とは異なり、例えば上記制動力規
制動作に入る基準値を高くすることによっても実現する
ことができる。
【0022】このようにすると、制動力規制タイミング
にリミッタをかけることができ、ブレーキ液圧を低減し
すぎるのを防止することができるようになる。
【0023】
【発明の効果】以上の結果、本願発明の車両の制動力制
御装置によると、スプリット路面走行時にセレクトロー
制御を行ったような場合にも適切な制動性能を有するA
BSシステムを提供することができる。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、本願発明の幾つかの実施の
形態に係る車両の制動力制御装置の構成について、添付
の図面に基づいて詳細に説明する。
【0025】(1) 各実施の形態に共通なブレーキ液
圧系統の説明(図1参照) 図1において、先ず符号1はマスタシリンダ、2FL〜
2RRはそれぞれホイールシリンダであり、2FLが左
前輪用、2FRが右前輪用、2RLが左後輪用、2RR
が右後輪用である。マスタシリンダ1は、倍力装置3を
介してブレーキペダル4に連結され、ブレーキペダル4
を踏み込み操作することによって、マスタシリンダ1に
ブレーキ液圧が発生される。この倍力装置3は、例えば
真空倍力式あるいは液圧倍力式ものとされている。
【0026】マスタシリンダ1は、2つの吐出口1aと
1bとを有するタンデム型とされている。一方側の吐出
口1aには第1のブレーキ配管11が接続され、この第
1のブレーキ配管11の下流は、第1、第2の2本の分
岐配管11Aと11Bとに分岐されている。そして、第
1の分岐配管11Aには左後輪用のホイールシリンダ2
RLが接続され、第2の分岐配管11Bには右後輪用の
ホイールシリンダ2RRが接続されている。また、他方
側の吐出口1bには第2のブレーキ配管12が接続さ
れ、この第2のブレーキ配管12の下流は、第3、第4
の2本の分岐配管12Aと12Bとに分岐されている。
第3の分岐配管12Aには左前輪用のホイールシリンダ
2FLが接続され、さらに第4の分岐配管12Bには右
前輪用のホイールシリンダ2RRが接続されている。こ
のように、本例のブレーキ配管系統は、いわゆる2系統
3チャンネルの後輪駆動車用の前後配管構造とされてい
る。
【0027】前記第1のブレーキ配管11には、その上
流側、つまり上述のマスタシリンダ1に近い領域におい
て、トランクション制御用の調圧機構13が構成されて
いるとともに、さらに前記第1、第2の両ブレーキ配管
11,12の各下流側ホイールシリンダ2RL,2R
R,2FL.2FRに近い領域において本願発明の対象
となるABS制御用の調圧機構14が構成されている。
【0028】トランクション制御用の調圧機構13は、
次のように構成されている。
【0029】すなわち、先ず上記第1のブレーキ配管1
1には、電磁開閉弁からなる遮断弁21が接続されてい
ると共に、該遮断弁21よりも下流側において加圧機構
22が接続されている。この加圧機構22は、シリンダ
22aと、該シリンダ22a内に摺動自在に嵌挿された
ピストン22bと、該ピストン22bを戻り位置に付勢
するリターンスプリング22cとから構成されており、
上記スプリング22cの付勢力に抗してピストン22b
を変位させることにより、当該ピストン22bによって
上記第1のブレーキ配管11内に所定の圧力を発生(圧
縮)させることが可能なようになっている。
【0030】また、この調圧機構13は、さらにブレー
キ液を貯留したリザーバタンク23と、該リザーバタン
ク23内のブレーキ液を組み上げて上記加圧機構22へ
吐出するための液ポンプ24とを有している。加圧機構
22は、液供給配管25を介して液ポンプ24の吐出側
へ接続されていると共に、液戻り配管26を介してリザ
ーバタンク23へ接続されている。液ポンプ24の吐出
側、つまり液供給配管25には、加圧機構22側へ向け
ての流れのみを許容するチェック弁27が接続されてい
るとともに、リザーバタンク23に連なる液ポンプ24
の吸い込み側には、当該液ポンプ24側へ向けての流れ
のみを許容するチェック弁28が接続されている。
【0031】前記液供給配管25と液戻り配管26と
は、液供給配管25の圧力が所定値以上になると開弁さ
れる調圧弁29によって相互に接続されており、液戻り
配管26には、同接続部分よりも加圧機構22側におい
て電磁式開閉弁からなる制御弁30が接続されている。
【0032】また、上記液供給配管25における上記液
戻り配管26との分岐位置と、該液戻り配管26におけ
る制御弁30とリザーバタンク23との中間位置との間
は液戻し配管56を介して接続されている。そして、こ
の液戻し配管56には、上記液戻り配管26の液圧を受
けて開弁する常閉の調圧弁57と上記液供給配管25の
液圧が所定以上の時に開弁して該液供給配管25側から
液戻り配管26側への流通のみを許容するチェック弁5
8とが備えられている。
【0033】液ポンプ24は、例えばDCモータ等の電
動のモータ31により駆動されるものであり、このモー
タ31は、後述するように、ABS制御用のポンプ4
9,49駆動用のものとしても兼用されている。このモ
ータ31に通電して上記液ポンプ24を駆動した状態
で、上記制御弁30を例えばデューティ制御することに
より、上記加圧機構22に印加される圧力、つまりトラ
ンクション制御時におけるブレーキ液圧(つまりトラク
ションコントロール用の制動力)が制御される。
【0034】他方、ABS制御用の調圧機構14は、次
のように構成されている。
【0035】すなわち、先ず、上記第1のブレーキ配管
11の下流側分岐部手前部分には電磁式の開閉弁からな
る増圧弁41が接続されていると共に、該増圧弁41を
バイパスするバイパス通路42が接続されていて、該バ
イパス通路42には、マスタシリンダ1側へ向けての流
れのみを許容するチェック弁43が接続されている。ま
た、上記第1のブレーキ配管11の上記増圧弁41の下
流側、つまりホイールシリンダ2RL,2RR側には、
減圧弁46を備えてリザーバタンク44に連なる液圧解
放配管45が接続されている。そして、これらの各々は
第1、第2の分岐配管11A,11Bに対して、左右各
後輪用ホイールシリンダ2RL,2RRに共通とされて
いる。
【0036】そして、前記リザーバタンク44と増圧弁
41よりも上流側(上記遮断弁21よりも下流側)の第
1のブレーキ配管(上流側ブレーキ配管となる)11と
は、また液戻し配管47により接続されている。この液
戻し配管47には、リザーバタンク44側から順次第1
チェック弁48、液ポンプ49、第2チェック弁50、
脈動吸収用タンク51、オリフィス52、第3チェック
弁53がそれぞれ接続されている。この液戻し配管47
も、上記リザーバタンク44と同様に上記下流側第1、
第2の2つの分岐配管11A用と11B用とで共通とさ
れている。尚、上記液ポンプ24,49は、容積型、つ
まり容積変化によって吸込みと吐出とを行なう形式のも
の、例えば本実施の形態ではプランジャ式とされてい
る。
【0037】一方、上記左右前輪側ホイールシリンダ2
FL、2FR用の第2のブレーキ配管12側は、各ホイ
ールシリンダ2FL,2FRに対応した上記第3、第4
の各分岐配管12A、12Bに対してそれぞれ独立に前
記第1のブレーキ配管11側の液圧回路60Rと同様の
構造の2組の液圧回路60FL,60FRを設けた構成
が採用されている。ただし、液ポンプ49駆動用のモー
タ31、液戻し配管47、リザーバタンク44等は、そ
れぞれ共通に構成されている。
【0038】前記リザーバタンク44,44は、それぞ
れシリンダ44a内に摺動自在に画成されたピストン4
4bを有し、該ピストン44bによってシリンダ44a
内に、ブレーキ液が出入りされる作動室(貯留室)44
cが画成されている。そして、ピストン44bを挟んで
上記作動室44cと反対側の室には、リターンスプリン
グ44dが配設されていて、このスプリング44dによ
って、上記ピストン44bが上記作動室44cを圧縮す
る方向、つまり左右各車輪のホイールシリンダ2RL,
2RR、2FL,2FR内のブレーキ液を排出する方向
に所定の付勢力でもって付勢されている。
【0039】上記スプリング44dの付勢力(それによ
って生じる作動室44c内での発生圧力)は、上記液戻
し配管47における通路抵抗よりも若干大きい程度に設
定されている。より具体的には、液戻し配管47におけ
る通路抵抗は、実質的に各チェック弁48,50,53
のチェック圧(開弁圧)によって決定されるが、上記ス
プリング44dの付勢力は、各チェック弁48,50,
53のチェック圧の総和よりも若干大きくなるように設
定されている(上記スプリング44dの付勢圧により生
じる作動室44c内での発生圧が上記各チェック圧の総
和よりも若干大きい)。これにより、マスタシリンダ1
内にブレーキ液圧が発生されていないときに、モータ3
1、つまり液ポンプ49が停止していても、上記作動室
44c内に残留したブレーキ液は、上記スプリング44
dの付勢力によって、上記液戻し配管47を経て第1の
ブレーキ配管11あるいは第2のブレーキ配管12(マ
スタシリンダ1)へ戻すことが可能なように構成されて
いる。
【0040】ここで、今本例のように駆動輪が左右後輪
(ホイールシリンダ2RL、2RRが対応)である場
合、そのABS制御に際しては、先ず上記トランクショ
ン制御用の遮断弁21が開かれた状態に制御される。そ
して、この状態で、上記増圧弁41と減圧弁46とを任
意に制御することにより、前輪側では左右の各車輪毎、
つまり各ホイールシリンダ2FL,2FR毎に各々独立
して、また後輪側では左右各車輪共通にブレーキ液圧の
増圧、減圧、保持の3つの制御が行われる。勿論、増圧
制御は、減圧弁46を閉じて増圧弁41を開くことによ
り行われ、また減圧制御は、増圧弁41を閉じて減圧弁
46を開くことにより行われ、さらに保持制御は、増圧
弁41と減圧弁46とを共に閉じることにより行われ
る。尚、本実施の形態におけるABS制御の具体的な制
御内容の一例については、後述する。
【0041】上記減圧により、リザーバタンク44,4
4内にはブレーキ液が排出されるが、このリザーバタン
ク44,44内のブレーキ液は、液ポンプ49によっ
て、増圧弁41より上流側の第1のブレーキ配管11あ
るいは第2のブレーキ配管12へ戻されるが、このブレ
ーキ液が戻される各ブレーキ配管11,12の圧力は、
マスタシリンダ1内での発生ブレーキ液圧と同じ高圧で
あり、液ポンプ49(モータ31)は、この高圧に抗し
てブレーキ液を戻すことになる。
【0042】(2) ABS制御の基本内容(図2参
照) ABS制御に際しては、一般にフェーズ0、フェーズ
1、フェーズ2、フェーズ3、フェーズ5等のフェーズ
値が用いられるが、この意味するところは次の通りであ
る。
【0043】フェーズ0:非ABS制御中を意味する。
【0044】フェーズ1:増圧を意味する。
【0045】フェーズ2:非ABS制御後あるいは増圧
後の保持を意味する。
【0046】フェーズ3:減圧を意味する。
【0047】フェーズ5:減圧後の保持を意味する。
【0048】また、車輪のロック傾向を示すスリップ値
Sは、例えば次式により決定されるが、疑似車体速の推
定は、既知の適宜の手法によって行われる(もっとも簡
単な手法は、各車輪の車輪速のうちもっとも大きい最高
車輪速を疑似車体速とすればよく、この疑似車体速の推
定並びにその補正の具体例については後述する)。
【0049】ABS制御用のスリップ値(率)S=
{(疑似車体速−車輪速)/疑似車体速}×100
(%) 以上のことを前提として、ABS制御の基本動作を図2
のタイムチャートを参照して説明すると、次のようにな
る。
【0050】すなわち、今例えば図2において、t1時
点となるまでは該ABS制御が行なわれないときであ
り、ブレーキ液圧の上昇につれて車輪速が疑似車体速よ
りも徐々に低下されていく。この車輪速の低下により、
t1時点すなわちA時点では、車輪速の減速度がABS
制御開始条件としての所定値にまで低下する。
【0051】そして、A時点からABS制御が開始され
るが、それは先ずブレーキ液圧を保持することから行な
われる。このブレーキ液圧の保持中も車輪速が低下して
いき、やがてB時点で示すように上述のスリップ値S、
すなわち減圧減速度が所定の閾値にまで低下すると、そ
こから減圧が行なわれる。この減圧により制動規制がな
されて、車輪速の低下度合が弱まっていき、結局C時点
では減速度が0付近になる。
【0052】減速度が0付近になったC時点では、再び
ブレーキ液圧の保持が行なわれ、これにより車輪速が徐
々に上昇して、やがてD時点ではスリップ値Sが前記所
定の閾値にまで復帰する。そして、このD時点からは、
増圧制御されるが、初期には急増圧とされ、その後は緩
増圧とされる。
【0053】増圧により、E時点において再び上記車輪
速の減速度が、ABS制御開始条件として設定した前記
所定の閾値にまで小さくなる。これにより、ブレーキ液
圧の保持制御が行なわれた後、F時点でスリップ値Sが
所定の閾値にまで増大すると、減圧が行なわれる。そし
て、前記C時点に対応したG時点から、ブレーキ液圧の
保持制御が行なわれる。
【0054】以上が基本的なABS制御の概略であり、
減圧後の保持となるフェーズ5の終了(増圧開始)から
次のフェーズ5の終了までの期間が制御周期の1サイク
ルとなる。ただし、ABS制御開始時に限り、この1サ
イクルが、フェーズ2の保持開始からフェーズ5の終了
時点までとなる(ABS制御がフェーズ2から開始され
るため)。
【0055】フェーズ値が変更されるときの閾値は、路
面μ(タイヤと路面との摩擦係数)に応じて変更され、
この路面μに応じた閾値の具体的設定例としては、例え
ば次のようになる。
【0056】
【表1】
【0057】(3) ABS制御システム系統の説明
(図3および図4参照) 先ず図3および図4は、上記のようなABS制御を行な
うための制御システム系統の構成を示し、図中62はマ
イクロコンピュータを利用して構成されたABSコント
ロールユニットである。このABSコントロールユニッ
ト62には、前後各車輪WFL,WFR、WRL,WR
Rの回転速度を個々に独立して検出するための車輪回転
速度検出手段である4組の車輪速センサSFL,SF
R、SRL,SRRからの各検出信号が入力される。車
輪速センサSFLは左前輪用であり、SFRは右前輪用
であり、SRLは左後輪用であり、SRRは右後輪用の
ものである。各車輪速センサSFL〜SRRは、それぞ
れ例えばピックアップ式のものとされていて、図4に示
すように外周に所定歯数を有して車輪と一体回転される
星形のセンサロータ(マグネットロータ)70と、該セ
ンサロータ70の外周面部近傍に位置されたピックアッ
プコイル71とを備えている。すなわち、車輪が1回転
すると、センサロータ70の歯数分だけピックアップコ
イル71がパルス信号を出力することになり、単位時間
あたりのパルス数が多いほど車輪回転速度が高いことに
なる。また、上記ABSコントロールユニット62から
は、上記図1の3組の液圧回路60R,60FL,60
FRをそれぞれ任意にコントロールするソレノイドバル
ブSVを備えた液圧ユニット61に対して液圧制御信号
が出力される。
【0058】そして、液圧ユニット61は、同液圧制御
信号に対応して前述した図1の前輪側左右各車輪WF
L,WFRのホイールシリンダ2FL,2FR用の液圧
回路60FL,60FR、および左右後輪のホイールシ
リンダWRL,WRRに共通な液圧回路60Rのそれぞ
れ供給液圧を上述のように増、減、保持制御することに
よって前後各車輪の制動力を適切に規制する。
【0059】一方、上記ABSコントロールユニット6
2は、例えば図4に示すように、車輪速、疑似車体速、
車輪加減速度、車輪スリップ量等を演算する演算ブロッ
ク62aと、ABS制御閾値(減圧減速度)の設定、ス
プリット路および路面μ等の諸状況判定、フェーズ値の
判定、フェーズ値に対応した制御量の設定、出力制御等
を行う制御ブロック62bと、それらの演算制御状況を
モニターするモニターブロック62cとを有して構成さ
れている。そして、上記制御ブロック62bから上記液
圧ユニット61のソレノイドバルブSV側に液圧制御信
号が出力される。また、モニターブロック62cから
は、ABSシステムONの状態において、モニターラン
プ駆動信号が出力され、モニターランプMLが点灯され
る。
【0060】(4) 本願発明の各実施の形態の前提と
なるABS制御の基本フローチャートの説明(図5参
照) すなわち、先ず上記ABS制御システムのメインリレー
(F/Sリレー)がONになった状態で、上記ABSコ
ントロールユニット62が作動し、ABS制御が開始さ
れる。
【0061】そして、先ずステップS1で諸状況の入
力、例えば車輪速、エンジン回転数、路面状況(路面
μ、スプリット路、悪路)、ブレーキ踏力、旋回状況等
の各種外部情報データの入力が行われる。
【0062】次に、ステップS2で各車輪WFL,WF
R、WRL,WRRの車輪速から具体的に路面μの推定
がなされる。さらに、その後、ステップS3で上記各車
輪WFL,WFR、WRL,WRRの車輪速の値の内の
例えば最高車輪速に基いて疑似車体速を推定する。
【0063】続いて、該最高車輪速に基いて推定された
疑似車体速の補正を行う。該補正は、例えば上記各車輪
WFL,WFR、WRL,WRRの内の駆動輪である後
輪側左右の車輪WRL,WRR間の路面μが相互に異な
るスプリット路走行時において、セレクトロー制御が実
行された場合に行われる。
【0064】すなわち、以上のような4センサ3チャン
ネル方式のABS制御システムでは、前輪WFL,WF
Rは2つの車輪速センサSFL,SFRによって各々個
別に制御されるが、後輪WRL,WRRは左右2つの車
輪速センサSRL,SRRからの各車輪速情報を統合し
て共通の液圧回路60Rで制御されるようになってお
り、該構成では、左右の各後輪WRL,WRRの各車輪
速を計測しているので、ロックしやすい回転状態にある
方の低μ側車輪、すなわちタイヤトルクの小さい方の車
輪に適合した等しいブレーキ圧での制御(所謂セレクト
ロー制御)を確実に実現することができる。
【0065】そして、該セレクトロー制御を行うと、ヨ
ーモーメントが減少して、運転者はステアリング操作に
よって車体の旋回を抑えることができるようになり、安
定した走行を行うことができる。
【0066】ところが、上記左右の各後輪WRL,WR
Rの各々の路面μ(路面との摩擦係数)が相互に異なる
スプリット路面を走行している場合において、上記セレ
クトロー制御を行うと、路面μの小さい方の車輪がロッ
クして各車輪のブレーキ圧が減圧され、路面μの大きい
方の車輪の車輪速が高くなるために、最高車輪速に基い
て演算されている車体速が大となり、残りの3輪がロッ
ク傾向にあると誤判定されてしまうので、そのままでは
コントロルーユニットが必要以上に各車輪のブレーキ液
圧を下げる方向に制御する可能性がある。
【0067】そこで、本願発明の構成では、例えば以下
の各種の実施の形態に示すように、共通に制御される後
輪側左右各車輪WRL,WRRの内の路面μが小さい方
の車輪の車輪速に基いて制動力を制御するようにすると
ともに、前後各車輪の車輪速センサの最高値に基いて演
算している車体速を上記後輪側左右各車輪WRL,WR
Rの路面μの差に基いて所定の値だけ小さく補正する。
【0068】このように各車輪速全ての値を用いて、そ
れらの中の最高値に基いて演算している車体速を上記後
輪側左右各車輪WRL,WRRの路面μの差に対応して
所定の値だけ小さく補正し、該補正された可能な限り適
正な値に基いて制動力の規制制御を行うようにすると、
前述のように高路面μ側の車輪の車輪速の増大によって
残りの3輪がロック気味と判定され、それらのブレーキ
液圧が低下させられるのを防止することができ、スプリ
ット路走行時の適切な制動力を確保することができるよ
うになる。
【0069】以上のような趣旨に基く疑似車体速の補正
が終ると、続いてステップS5でABS制御の閾値とな
るスリップ値Sを決定し、最終的にステップS6で適切
な制御量(緩急増圧・緩急減圧)を設定して図2のよう
なパターンでの適切なABS制御を行う。
【0070】なお、上記ステップS4の疑似車体速の補
正は、例えば一旦推定された疑似車体速を補正する場合
のほか、車輪速そのものを補正した上で疑似車体速を修
正する場合、また誤判定の基になる高μ側の車輪速その
ものを除いて残り3輪による車輪速から疑似車体速を推
定する場合などの実質的な補正を含む広義の意味での補
正作用を表している。
【0071】(実施の形態1)図6のフローチャート
は、上記図5の基本となるABS制御に組み合せて構成
される本願発明の実施の形態1に係る疑似車体速補正機
能を有するABS制御の内容を示している。
【0072】すなわち、本実施の形態では、最終的な制
動力制御に使用する疑似車体速の演算に際し、先ずステ
ップS1で各車輪WFL,WFR、WRL,WRRの車
輪速センサSFR,SFL、SRL,SRRの出力に基
いて最高車輪速を算出し、次にステップS2に進んで、
該最高車輪速に基いて通常通り一旦疑似車体速Vref
を算出する。
【0073】さらに、その後、ステップS3で左右後輪
WRL,WRRの路面μの差が所定値以上であることを
基準として現在走行中の路面がスプリット路面であるか
否かを判定する。
【0074】その結果、YESのスプリット路であると
判定された時は、次にステップS4に進んで上記ステッ
プS2で算出した疑似車体速Vrefの値に上記路面μ
の差を考慮した所定の低減補正係数(0.95)を乗じ
て上記疑似車体速Vrefの値を最終的に小さく補正す
る(5%カット)。
【0075】そして、該小さく補正された疑似車体速V
refを使用してスリップ値Sを算出して前述の図2、
図5のようなABS制御が行われる。
【0076】他方、上記ステップS3のスプリット路判
定の結果がNOのスプリット路面でない時は、上記疑似
車体速の低減補正を行うことなく、通常通り上記ステッ
プS2で最高車輪速に基いて算出した疑似車体速Vre
fによりスリップ値Sを算出して制動力規制制御を行
う。
【0077】以上の結果、例えばセレクトロー制御の実
行によって前述の如く高路面μ側の車輪の車輪速が増大
し、それによって残りの3輪がロック気味と判定され、
それらのブレーキ液圧が不必要に低下させられるのを防
止することができ、スプリット路走行時の適切な制動力
を確保することができるようになる。
【0078】(実施の形態2)図7は、図6と同じく図
5のABS制御に組み合わせて構成される本願発明の実
施の形態2に係るABS制御の内容を示している。
【0079】すなわち、本実施の形態では、上記図6の
場合とは異なり、先ず最高車輪速の算出前に、ステップ
1で当該走行路面が左右後輪WRL,WRRの各々で
路面μが所定値以上異なるスプリット路面であるか否か
を判定する。そして、その判定結果がNOのスプリット
路走行中でない場合には、ステップS2に進んで、前後
各車輪WFL,WFR、WRL,WRRの車輪速Wf
l,Wfr,Wrl,Wrrの中の最高車輪速のものを
最高車輪速として算出し、続くステップS4で、該最高
車輪速に基いて疑似車体速Vrefを算出する。
【0080】一方、上記ステップS1の判定で、YES
(スプリット路)と判定された時は、ステップS3に進
んで、スプリット路の影響を受ける駆動側左右後輪WR
L,WRR側の車輪速Wrl,Wrrについて上記路面
μの差に対応した車輪速自体の低減補正(Wrl×0.
9、Wrr×0.9)を行って、その上で各車輪速中の
最高車輪速Vrefを算出し、ステップS4では該後輪
側車輪速の補正を行った上での最高車輪速に基いて疑似
車体速Vrefを算出する。
【0081】そして、該疑似車体速Vrefに基いて上
述したABS制御を行う。
【0082】このように、算出の元になる最高車輪速そ
のものを補正してから、疑似車体速を算出するようにす
ると、より精度の高い疑似車体速の算出が可能となる。
【0083】(実施の形態3)図8は、図6と同じく図
5のABS制御に組み合わせて構成される本願発明の実
施の形態3に係るABS制御の内容を示している。
【0084】すなわち、本実施の形態では、最終的な制
動力制御に使用する疑似車体速の演算に際し、先ずステ
ップS1で各車輪WFL,WFR、WRL,WRRの車
輪速センサSFR,SFL、SRL,SRRの出力に基
いて最高車輪速を算出し、次にステップS2に進んで、
該最高車輪速に基いて通常通り一旦疑似車体速Vref
を算出する。
【0085】さらに、その後、ステップS3で現在走行
中の路面が左右後輪WRL,WRR間で所定値以上の路
面μの差があるスプリット路面であるか否かを判定す
る。
【0086】その結果、YESのスプリット路であると
判定された時は、次にステップS4に進んで、さらに後
輪側左右各車輪WRL,WRR各々の路面μを判定し、
その判定結果に応じて、ステップS5又はS6に進み、上
記ステップS2で算出した疑似車体速Vrefの値に所
定の低減補正係数0.95又は0.90を乗じて路面μ
の大きい方の上記疑似車体速Vrefの値を相対的に小
さく補正する(5%又は10%カット)。
【0087】そして、スプリット路走行時には、該高μ
側程小さく補正された疑似車体速Vrefを使用してス
リップ値Sを算出して前述の図2、図5のようなABS
制御が行われる。
【0088】他方、上記ステップS3のスプリット路判
定の結果がNOのスプリット路面でない時は、上記のよ
うな疑似車体速の低減補正を行うことなく、通常通り上
記ステップS2で最高車輪速に基いて算出した疑似車体
速Vrefによりスリップ値Sを算出して制動力規制制
御を行う。
【0089】以上の結果、セレクトロー制御の実行によ
って、前述のように高路面μ側の車輪の車輪速が増大
し、それによって残りの3輪がロック気味と判定され、
それらのブレーキ液圧が不必要に低下させられるのを適
切に防止することができ、スプリット路走行時の適切な
制動力を確保することができるようになる。
【0090】(実施の形態4)図9は、図6と同じく図
5のABS制御に組み合わせて構成される本願発明の実
施の形態4に係るABS制御の内容を示している。
【0091】すなわち、本実施の形態では、先ず最高車
輪速および疑似車体速の演算を行う前に、先ずステップ
1で現在走行中の路面が後輪側左右の各車輪WRL,
WRRで所定値以上に路面μが異なるスプリット路であ
るか否かを判定する。
【0092】その結果、NOと判定されたスプリット路
でない時は、ステップS2に進んで、通常通り各車輪の
中の最高車輪速Wfl,Wfr,Wrl,Wrrを算出
し、ステップS5で該最高車輪速に基いて疑似車体速V
refを算出してABS制御を行う。
【0093】一方、スプリット路であると判定された場
合であって、左側後輪WRLの方が路面μが高い場合に
は、ステップS3に進んで、当該高μ側の車輪の車輪速
Wrlを除いた残りの3輪の車輪速Wfl,Wfr,W
rrの内の最高車輪速を算出し、ステップS5では該最
高車輪速に基いて疑似車体速Vrefを算出する。
【0094】一方、スプリット路であると判定された場
合であって、上記とは逆に右側後輪WRRの方が路面μ
が高い場合には、ステップS4に進んで、当該高μ側の
車輪の車輪速Wrrを除いた残り3輪の中の最高車輪速
Wfl,Wfr,Wrlを算出し、ステップS5では該
最高車輪速に基いて疑似車体速Vrefを算出してAB
S制御を行う。
【0095】このようにすると、セレクトロー制御を行
ったような場合にも、低μ側の後輪ロックによる高μ側
後輪の車輪速上昇による他の3輪ロックという誤判定が
なくなる。
【0096】(実施の形態5)図10は、図6と同じく
図5のABS制御に組み合わせて構成される本願発明の
実施の形態5に係るABS制御の内容を示している。
【0097】本実施の形態は、以上までの実施の形態と
は若干異なって、上記ABS制御における制動力規制に
入る車輪スリップ値Sの閾値をスプリット路である時
は、通常の設定値より高く補正するようにして制動規制
動作にリミッタをかけ、減圧しすぎることなく適切な制
動力規制を行えるようにしたことを特徴とするものであ
る。
【0098】すなわち、先ずステップS1で上記制動力
規制に入るためのスリップ値Sの閾値を通常通り、車輪
速および疑似車体速に基いて設定する。
【0099】そして、その上でステップS2に進み、現
在走行中の路面が左右後輪WRL,WRR相互の路面μ
が所定値以上に異なるスプリット路であるか否かを判定
する。
【0100】その結果、現在走行中の路面が非スプリッ
ト路であるNOの判定の場合には、そのまま上記設定さ
れた閾値に基いてABS制御を実行する一方、YESと
判定されたスプリット路である場合には、ステップS3
に進んで上記ステップS1で設定されたABS制御の閾
値を例えばその時の路面μの差に応じて、高く補正し、
該高く補正された閾値に基いてABS制御を実行する。
【0101】この結果、適切な制動規制制御が実現され
るようになり、スプリット路走行時のセレクトロー制御
による減圧のしすぎが防止される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明の各実施の形態に共通な車両の制動力
制御装置のブレーキ液圧回路の概略図である。
【図2】同装置の基本となるABS制御の内容を示すタ
イムチャートである。
【図3】同装置の車両に対するABS制御システム系統
各要素のレイアウトおよび接続状態を示す概略図であ
る。
【図4】同装置のABSコントロールユニット部の機能
構成を示す概略図である。
【図5】同装置のメイン制御ルーチンを示すフローチャ
ートである。
【図6】同装置の実施の形態1に係るABS制御の内容
を示すサブルーチンのフローチャートである。
【図7】同装置の実施の形態2に係るABS制御の内容
を示すサブルーチンのフローチャートである。
【図8】同装置の実施の形態3に係るABS制御の内容
を示すサブルーチンのフローチャートである。
【図9】同装置の実施の形態4に係るABS制御の内容
を示すサブルーチンのフローチャートである。
【図10】同装置の実施の形態5に係るABS制御の内
容を示すサブルーチンのフローチャートである。
【符号の説明】
1はマスタシリンダ、2FL,2FR,2RL,2RR
はホイールシリンダ、4はブレーキペダル、11は第1
のブレーキ配管、12は第2のブレーキ配管、13はト
ランクション制御用の調圧機構、14はABS制御用の
調圧機構、21は遮断弁、22は加圧機構、61は液圧
ユニット、62はABSコントロールユニット、WFL
は左前輪、WFRは右前輪、WRLは左後輪、WRRは
右後輪、SFL,SFR,SRL,SRRは車輪速セン
サ、60FL,60FR,60Rは各車輪のホイールシ
リンダ用の液圧回路である。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 左右各車輪の制動力を共通に制御する制
    動力制御システムを採用し、車体速と車輪速との差が所
    定値以上の時に制動力の規制を行うようにしてなる車両
    の制動力制御装置において、上記共通に制御される左右
    各車輪の内の路面μが小さい方の車輪の車輪速に基いて
    制動力を制御するようにするとともに前後各車輪の車輪
    速センサの値に基いて演算している車体速を上記左右各
    車輪の路面μの差に基いて所定の値だけ小さく補正する
    ようにした車両の制動力制御装置。
  2. 【請求項2】 上記左右各車輪の路面μの差が大きい時
    には、それが小さい時よりも上記車体速補正量を相対的
    に大きくするようにしたことを特徴とする請求項1記載
    の車両の制動力制御装置。
  3. 【請求項3】 上記左右各車輪の路面μの差に対応して
    補正量を大きくするようにしたことを特徴とする請求項
    1記載の車両の制動力制御装置。
  4. 【請求項4】 上記左右各車輪の路面μの差が所定値以
    上に大きい時にのみ、上記車体速の補正を行うようにし
    たことを特徴とする請求項1,2又は3記載の車両の制
    動力制御装置。
  5. 【請求項5】 上記左右各車輪の路面μの差が所定値以
    上に大きい時はスプリット路面であると判定し、該判定
    時に上記車体速の補正を行うようにしたことを特徴とす
    る請求項1,2,3又は4記載の車両の制動力制御装
    置。
  6. 【請求項6】 上記左右各車輪の内の路面μが大きい方
    の車輪の車輪速を路面μの差に応じて小さく補正し、該
    小さく補正した車輪速値を用いて上記車体速を演算する
    ようにしたことを特徴とする請求項1記載の車両の制動
    力制御装置。
  7. 【請求項7】 上記左右各車輪の路面μの差が所定値以
    上に大きい時には、当該左右各車輪の内の路面μの大き
    い方の車輪を除いた残りの車輪の車輪速に基いて上記車
    体速を演算するようにしたことを特徴とする請求項1記
    載の車両の制動力制御装置。
  8. 【請求項8】 左右各車輪の制動力を共通に制御する制
    動力制御システムを採用し、車体速と車輪速との差が所
    定値以上の時に制動力の規制を行うようにしてなる車両
    の制動力制御装置において、上記共通に制御される左右
    各車輪の内の路面μが小さい方の車輪の車輪速に基いて
    制動力を制御するようにするとともに上記左右各車輪の
    路面μの差が所定値以上に大きい時には、上記制動力規
    制動作に入る基準値を高くするようにしたことを特徴と
    する車両の制動力制御装置。
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