JP3456013B2 - アンチスキッド制御装置 - Google Patents

アンチスキッド制御装置

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JP3456013B2
JP3456013B2 JP12525594A JP12525594A JP3456013B2 JP 3456013 B2 JP3456013 B2 JP 3456013B2 JP 12525594 A JP12525594 A JP 12525594A JP 12525594 A JP12525594 A JP 12525594A JP 3456013 B2 JP3456013 B2 JP 3456013B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、アンチスキッド制御装
置に関し、特に氷上路を適切に判断して好適なアンチス
キッド制御を実行することが可能なアンチスキッド制御
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車等の車両の制動時に、ブレーキ圧
力を好適に調節して、制動距離を短く制御するアンチス
キッド制御装置が知られている。このブレーキ圧力の調
節は、例えば、次のように行われている。即ち、車両の
すべての車輪の車輪速度の内の最大速度(以下、「最大
車輪速度」ともいう)と路面摩擦係数に対応する限界減
速度により演算される車速とのいずれか高い方の速度を
推定車体速度として設定し、この推定車体速度に応じて
設定された所定範囲から各車輪速度が低下した場合には
該当車輪のブレーキ圧力を減圧制御し、上昇した場合に
は該当車輪のブレーキ圧力を増圧制御している。
【0003】路面摩擦係数は、アンチスキッド制御に入
る直前に、最大車輪速度(実際には後輪)と他の車輪速
度(実際には前輪)とに所定の速度差が生じて更にその
速度差が拡大する傾向にある場合に、その最大車輪速度
を示している車輪の減速度から推定して、アンチスキッ
ド制御中において推定車体速度を設定するのに用いられ
る。例えば特開平4−345562号には前後輪の速度
差に基づいて、カウンタをインクリメントしたり、デク
リメントしたりして、そのカウンタ値に基づいて路面が
高路面摩擦係数か低路面摩擦係数かを判定し、アンチス
キッド制御に反映させている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、きわめて路面
摩擦係数μの小さい路面、いわゆる氷上路においては、
制動が開始したばかりの状態では、前輪も後輪も直ちに
同様な減速を開始し、後輪と前輪との間に速度差がほと
んど生じなかった。このため、正確に氷上路であること
を検出できず、好適な推定路面摩擦係数に基づいてアン
チスキッド制御を開始することができなかった。
【0005】本発明は、このような氷上路における走行
であることを正確に検出して、氷上路走行のアンチスキ
ッド制御を好適に実行させることを目的とするものであ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
図1に示すごとく、車両の制動時に、当該車両の各車輪
の車輪速度に基づいて路面摩擦係数に対応する限界減速
度による車体速度の変化の範囲内で推定車体速度を算出
するとともに、この推定車体速度に応じて設定される基
準速度と各車輪速度との比較、および基準加速度と各車
輪加速度との比較により、当該車輪のブレーキ圧力を少
なくとも減圧,増圧して調節し、各車輪に過度のスリッ
プが発生することを防止するアンチスキッド制御を実行
する車両用アンチスキッド制御装置において、アンチス
キッド制御前に、上記推定車体速度の減速度が増減を伴
って漸次増加して行く状態か否かを検出する漸次増加検
出手段と、上記漸次増加検出手段により、上記推定車体
速度の減速度が増減を伴って漸次増加して行く状態であ
ると検出された場合にアンチスキッド制御を氷上路の路
面摩擦係数に対応する制御に設定する氷上路制御設定手
段と、を備えたことを特徴とするアンチスキッド制御装
置である。
【0007】請求項2記載の発明は、上記漸次増加検出
手段が、上記減速度の極大値あるいは極小値が次第に高
くなる場合に、上記推定車体速度の減速度が増減を伴っ
て漸次増加して行く状態であると検出する請求項1記載
のアンチスキッド制御装置である。
【0008】請求項3記載の発明は、図2に示すごと
く、更に、アンチスキッド制御前に、後輪車輪速度より
も前輪車輪速度が低い状態が継続しているときに、後輪
車輪速度から前輪車輪速度を減算した値を積算する前後
輪速度差積算手段を備え、上記氷上路制御設定手段が、
上記漸次増加検出手段により上記推定車体速度の減速度
が増減を伴って漸次増加して行く状態であると検出され
た条件と、上記前後輪速度差積算手段にて積算値が所定
積算値以上となった条件とが満足された場合にアンチス
キッド制御を氷上路の路面摩擦係数に対応する制御に設
定する請求項1または2記載のアンチスキッド制御装置
である。
【0009】請求項4記載の発明は、図3に示すごと
く、更に、アンチスキッド制御前に、後輪車輪速度より
も前輪車輪速度が低い状態が継続しているときに、後輪
車輪速度から前輪車輪速度を減算した値の積算値の時間
変化を検出する前後輪速度差変化検出手段を備え、上記
氷上路制御設定手段が、上記漸次増加検出手段により上
記推定車体速度の減速度が増減を伴って漸次増加して行
く状態であると検出された条件と、上記前後輪速度差変
化検出手段にて検出された後輪車輪速度から前輪車輪速
度を減算した値の積算値の時間変化が初期の時間変化よ
りも所定変化以上大きくなった条件とが満足された場合
にアンチスキッド制御を氷上路の路面摩擦係数に対応す
る制御に設定する請求項1または2記載のアンチスキッ
ド制御装置である。
【0010】請求項5記載の発明は、図4に示すごと
く、車両の制動時に、当該車両の各車輪の車輪速度に基
づいて路面摩擦係数に対応する限界減速度による車体速
度の変化の範囲内で推定車体速度を算出するとともに、
この推定車体速度に応じて設定される基準速度と各車輪
速度との比較、および基準加速度と各車輪加速度との比
較により、当該車輪のブレーキ圧力を少なくとも減圧,
増圧して調節し、各車輪に過度のスリップが発生するこ
とを防止するアンチスキッド制御を実行する車両用アン
チスキッド制御装置において、アンチスキッド制御前
に、後輪車輪速度よりも前輪車輪速度が低い状態が継続
しているときに、後輪車輪速度から前輪車輪速度を減算
した値を積算する前後輪速度差積算手段と、アンチスキ
ッド制御前に、車輪速度が低減速度で推移する状態を検
出する低減速状態検出手段と、上記前後輪速度差積算手
段にて積算値が所定積算値以上となった条件と、上記低
減速状態検出手段にて車輪速度が低減速度で推移する状
態が所定時間継続した条件とが満足された場合に、アン
チスキッド制御を氷上路の路面摩擦係数に対応する制御
に設定する氷上路制御設定手段と、を備えたことを特徴
とするアンチスキッド制御装置である。
【0011】請求項6記載の発明は、図5に示すごと
く、車両の制動時に、当該車両の各車輪の車輪速度に基
づいて路面摩擦係数に対応する限界減速度による車体速
度の変化の範囲内で推定車体速度を算出するとともに、
この推定車体速度に応じて設定される基準速度と各車輪
速度との比較、および基準加速度と各車輪加速度との比
較により、当該車輪のブレーキ圧力を少なくとも減圧,
増圧して調節し、各車輪に過度のスリップが発生するこ
とを防止するアンチスキッド制御を実行する車両用アン
チスキッド制御装置において、アンチスキッド制御前
に、後輪車輪速度よりも前輪車輪速度が低い状態が継続
しているときに、後輪車輪速度から前輪車輪速度を減算
した値の積算値の時間変化を検出する前後輪速度差変化
検出手段と、アンチスキッド制御前に、車輪速度が低減
速度で推移する状態を検出する低減速状態検出手段と、
上記前後輪速度差変化検出手段にて検出された後輪車輪
速度から前輪車輪速度を減算した値の積算値の時間変化
が初期の時間変化よりも所定変化以上大きくなった条件
と、上記低減速状態検出手段にて車輪速度が低減速度で
推移する状態が所定時間継続した条件とが満足された場
合に、アンチスキッド制御を氷上路の路面摩擦係数に対
応する制御に設定する氷上路制御設定手段と、を備えた
ことを特徴とするアンチスキッド制御装置である。
【0012】請求項7記載の発明は、図6に示すごと
く、車両の制動時に、当該車両の各車輪の車輪速度に基
づいて路面摩擦係数に対応する限界減速度による車体速
度の変化の範囲内で推定車体速度を算出するとともに、
この推定車体速度に応じて設定される基準速度と各車輪
速度との比較、および基準加速度と各車輪加速度との比
較により、当該車輪のブレーキ圧力を少なくとも減圧,
増圧して調節し、各車輪に過度のスリップが発生するこ
とを防止するアンチスキッド制御を実行する車両用アン
チスキッド制御装置において、アンチスキッド制御前
に、上記推定車体速度の減速度が増減を伴って漸次増加
して行く状態か否かを検出する漸次増加検出手段と、上
記漸次増加検出手段により、上記推定車体速度の減速度
が増減を伴って漸次増加して行く状態であると検出され
た場合に、ブレーキ圧力増圧停止または減圧する確認
用圧力調整手段と、上記確認用圧力調整手段によりブレ
ーキ圧力を増圧停止または減圧した後の所定期間内の車
輪速度の変化を検出し、その変化が小さい場合にアンチ
スキッド制御を氷上路の路面摩擦係数に対応する制御に
設定する氷上路制御設定手段と、を備えたことを特徴と
するアンチスキッド制御装置である。
【0013】請求項8記載の発明は、上記漸次増加検出
手段が、上記減速度の極大値あるいは極小値が次第に高
くなる場合に、上記推定車体速度の減速度が増減を伴っ
て漸次増加して行く状態であると検出する請求項7記載
のアンチスキッド制御装置である。
【0014】請求項9記載の発明は、図7に示すごと
く、更に、アンチスキッド制御前に、後輪車輪速度より
も前輪車輪速度が低い状態が継続しているときに、後輪
車輪速度から前輪車輪速度を減算した値を積算する前後
輪速度差積算手段を備え、上記確認用圧力調整手段が、
上記漸次増加検出手段により上記推定車体速度の減速度
が増減を伴って漸次増加して行く状態であると検出され
た条件と、上記前後輪速度差積算手段にて積算値が所定
積算値以上となった条件とが満足された場合に、ブレー
キ圧力増圧停止または減圧する請求項7または8記載
のアンチスキッド制御装置である。
【0015】請求項10記載の発明は、図8に示すごと
く、更に、アンチスキッド制御前に、後輪車輪速度より
も前輪車輪速度が低い状態が継続しているときに、後輪
車輪速度から前輪車輪速度を減算した値の積算値の時間
変化を検出する前後輪速度差変化検出手段を備え、上記
確認用圧力調整手段が、上記漸次増加検出手段により上
記推定車体速度の減速度が増減を伴って漸次増加して行
く状態であると検出された条件と、上記前後輪速度差変
化検出手段にて検出された後輪車輪速度から前輪車輪速
度を減算した値の積算値の時間変化が初期の時間変化よ
りも所定変化以上大きくなった条件とが満足された場合
に、ブレーキ圧力増圧停止または減圧する請求項7ま
たは8記載のアンチスキッド制御装置である。
【0016】請求項11記載の発明は、図9に示すごと
く、車両の制動時に、当該車両の各車輪の車輪速度に基
づいて路面摩擦係数に対応する限界減速度による車体速
度の変化の範囲内で推定車体速度を算出するとともに、
この推定車体速度に応じて設定される基準速度と各車輪
速度との比較、および基準加速度と各車輪加速度との比
較により、当該車輪のブレーキ圧力を少なくとも減圧,
増圧して調節し、各車輪に過度のスリップが発生するこ
とを防止するアンチスキッド制御を実行する車両用アン
チスキッド制御装置において、アンチスキッド制御前
に、後輪車輪速度よりも前輪車輪速度が低い状態が継続
しているときに、後輪車輪速度から前輪車輪速度を減算
した値を積算する前後輪速度差積算手段と、アンチスキ
ッド制御前に、車輪速度が低減速度で推移する状態を検
出する低減速状態検出手段と、上記前後輪速度差積算手
段にて積算値が所定積算値以上となった条件と、上記低
減速状態検出手段にて車輪速度が低減速度で推移する状
態が所定時間継続した条件とが満足された場合に、ブレ
ーキ圧力増圧停止または減圧する確認用圧力調整手段
と、上記確認用圧力調整手段によりブレーキ圧力を増圧
停止または減圧した後の所定期間内の車輪速度の変化を
検出し、その変化が小さい場合にアンチスキッド制御を
氷上路の路面摩擦係数に対応する制御に設定する氷上路
制御設定手段と、を備えたことを特徴とするアンチスキ
ッド制御装置である。
【0017】請求項12記載の発明は、図10に示すご
とく、車両の制動時に、当該車両の各車輪の車輪速度に
基づいて路面摩擦係数に対応する限界減速度による車体
速度の変化の範囲内で推定車体速度を算出するととも
に、この推定車体速度に応じて設定される基準速度と各
車輪速度との比較、および基準加速度と各車輪加速度と
の比較により、当該車輪のブレーキ圧力を少なくとも減
圧,増圧して調節し、各車輪に過度のスリップが発生す
ることを防止するアンチスキッド制御を実行する車両用
アンチスキッド制御装置において、アンチスキッド制御
前に、後輪車輪速度よりも前輪車輪速度が低い状態が継
続しているときに、後輪車輪速度から前輪車輪速度を減
算した値の積算値の時間変化を検出する前後輪速度差変
化検出手段と、アンチスキッド制御前に、車輪速度が低
減速度で推移する状態を検出する低減速状態検出手段
と、上記前後輪速度差変化検出手段にて検出された後輪
車輪速度から前輪車輪速度を減算した値の積算値の時間
変化が初期の時間変化よりも所定変化以上大きくなった
条件と、上記低減速状態検出手段にて車輪速度が低減速
度で推移する状態が所定時間継続した条件とが満足され
た場合に、ブレーキ圧力増圧停止または減圧する確認
用圧力調整手段と、上記確認用圧力調整手段によりブレ
ーキ圧力を増圧停止または減圧した後の所定期間内の車
輪速度の変化を検出し、その変化が小さい場合にアンチ
スキッド制御を氷上路の路面摩擦係数に対応する制御に
設定する氷上路制御設定手段と、を備えたことを特徴と
するアンチスキッド制御装置である。
【0018】請求項13記載の発明は、氷上路制御設定
手段が、条件が満足された場合に、更に、推定車体速度
として、車両の制動開始時から経過時間に基づいて算出
される氷上路用目標車体速度を設定する請求項1〜12
のいずれか記載のアンチスキッド制御装置である。
【0019】
【作用及び発明の効果】請求項1記載の発明は、漸次増
加検出手段が、アンチスキッド制御前に、上記推定車体
速度の減速度が増減を伴って漸次増加して行く状態か否
かを検出し、氷上路制御設定手段が、上記漸次増加検出
手段により、上記推定車体速度の減速度が増減を伴って
漸次増加して行く状態であると検出された場合にアンチ
スキッド制御を氷上路の路面摩擦係数に対応する制御に
設定する。
【0020】氷上路にてドライバーが制動操作する場合
に、推定車体速度の減速度に独特のパターンが生じる。
即ち、ドライバーが微妙なブレーキの調整を行うため、
車輪速度がふらつきを生じ、最大車輪速度に基づいて求
められる推定車体速度にも影響する。その結果、推定車
体速度の減速度に、増減を伴って漸次増加して行く状態
として現れる。尚、これを推定車体速度の加速度で捉え
れば、増減を伴って漸次減少して行く状態として現れ
る。
【0021】したがって、この推定車体速度の減速度の
パターンを、漸次増加検出手段が検出した場合には、氷
上路制御設定手段がアンチスキッド制御を氷上路の路面
摩擦係数に対応する制御に設定する。このことにより、
氷上路における走行であることを正確に検出して、氷上
路用路面摩擦係数に基づいて好適なアンチスキッド制御
を開始することができる。
【0022】この推定車体速度の減速度のパターンの検
出として、例えば、推定車体速度の減速度の極大値ある
いは極小値が次第に高くなる場合に、上記推定車体速度
の減速度が増減を伴って漸次増加して行く状態であると
検出してもよい。上記減速度の増減が有れば、減速度の
極大値あるいは極小値が繰り返し現れる。したがって、
この減速度の極大値あるいは極小値が次第に高くなる状
態が検出されれば、増減しつつ徐々に増加していること
が判明する。
【0023】請求項3記載の発明は、請求項1,2の構
成に加えて、更に、前後輪速度差積算手段を備え、アン
チスキッド制御前に、後輪車輪速度よりも前輪車輪速度
が低い状態が継続しているときに、後輪車輪速度から前
輪車輪速度を減算した値を積算する。そして、氷上路制
御設定手段が、上記漸次増加検出手段により上記推定車
体速度の減速度が増減を伴って漸次増加して行く状態で
あると検出された条件と、上記前後輪速度差積算手段に
て積算値が所定積算値以上となった条件とが満足された
場合にアンチスキッド制御を氷上路の路面摩擦係数に対
応する制御に設定する。
【0024】最大車輪速度(後輪)と他の車輪速度(前
輪)との速度差は氷上路ではほとんど生じないが、その
積算値には比較的明確に現れる。したがって、氷上路制
御設定手段が、漸次増加検出手段により上記推定車体速
度の減速度が増減を伴って漸次増加して行く状態である
と検出された条件に加えて、前後輪速度差積算手段にて
積算値が所定積算値以上となった条件とが満足された場
合にアンチスキッド制御を氷上路の路面摩擦係数に対応
する制御に設定することにより、より正確な氷上路判定
が可能となり、氷上路用路面摩擦係数に基づいて好適な
アンチスキッド制御を開始することができる。
【0025】請求項4記載の発明は、請求項1,2の構
成に加えて、更に、前後輪速度差変化検出手段を備え、
アンチスキッド制御前に、後輪車輪速度よりも前輪車輪
速度が低い状態が継続しているときに、後輪車輪速度か
ら前輪車輪速度を減算した値の積算値の時間変化を検出
する。そして、氷上路制御設定手段が、上記漸次増加検
出手段により上記推定車体速度の減速度が増減を伴って
漸次増加して行く状態であると検出された条件と、上記
前後輪速度差変化検出手段にて検出された後輪車輪速度
から前輪車輪速度を減算した値の積算値の時間変化が初
期の時間変化よりも所定変化以上大きくなった条件とが
満足された場合にアンチスキッド制御を氷上路の路面摩
擦係数に対応する制御に設定する。
【0026】上述したごとく、最大車輪速度(後輪)と
他の車輪速度(前輪)との速度差は氷上路ではほとんど
生じないが、その積算値には比較的明確に現れる。しか
も、氷上路では次のような独特なパターンを生ずる。即
ち、最大車輪速度(後輪)と他の車輪速度(前輪)との
速度差は、初期はわずかの差しか存在しないが、しばら
く経つと、それまでの差に比較して急に差が拡大する。
したがって、氷上路制御設定手段が、上記漸次増加検出
手段により上記推定車体速度の減速度が増減を伴って漸
次増加して行く状態であると検出された条件に加えて、
前後輪速度差変化検出手段にて検出された後輪車輪速度
から前輪車輪速度を減算した値の積算値の時間変化が初
期の時間変化よりも所定変化以上大きくなった条件とが
満足された場合にアンチスキッド制御を氷上路の路面摩
擦係数に対応する制御に設定することにより、より正確
な氷上路判定が可能となり、氷上路用路面摩擦係数に基
づいて好適なアンチスキッド制御を開始することができ
る。
【0027】請求項5記載の発明は、前後輪速度差積算
手段が、アンチスキッド制御前に、後輪車輪速度よりも
前輪車輪速度が低い状態が継続しているときに、後輪車
輪速度から前輪車輪速度を減算した値を積算する。更に
低減速状態検出手段が、アンチスキッド制御前に、車輪
速度が低減速度で推移する状態を検出する。そして、氷
上路制御設定手段が、上記前後輪速度差積算手段にて積
算値が所定積算値以上となった条件と、上記低減速状態
検出手段にて車輪速度が低減速度で推移する状態が所定
時間継続した条件とが満足された場合に、アンチスキッ
ド制御を氷上路の路面摩擦係数に対応する制御に設定す
る。
【0028】氷上路での制動の特徴として、上述したご
とくドライバーが微妙なブレーキの調整を行うため、車
輪速度も低減速度となる。したがって、前後輪速度差積
算手段の積算値が所定積算値以上となる判定とともに、
低減速状態検出手段により車輪速度の低減速度状態を検
出することにより、氷上路であると判断する。このこと
により、より正確な氷上路判定が可能となり、氷上路用
路面摩擦係数に基づいて好適なアンチスキッド制御を開
始することができる。
【0029】請求項6記載の発明は、請求項5の構成の
内、前後輪速度差積算手段の代わりに、前後輪速度差変
化検出手段を用いている。したがって、上述した各構成
の作用により、より正確な氷上路判定が可能となり、氷
上路用路面摩擦係数に基づいて好適なアンチスキッド制
御を開始することができる。
【0030】請求項7記載の発明は、漸次増加検出手段
が、アンチスキッド制御前に、上記推定車体速度の減速
度が増減を伴って漸次増加して行く状態か否かを検出
し、確認用圧力調整手段が、上記漸次増加検出手段によ
り、上記推定車体速度の減速度が増減を伴って漸次増加
して行く状態であると検出された場合に、ブレーキ圧力
増圧停止または減圧する。
【0031】通常の路面でのブレーキ圧力の増圧停止ま
たは減圧がなされると、車輪速度は急速に上昇する。し
かし、路面摩擦係数が極めて小さい氷上路では、ブレー
キ圧力の増圧停止または減圧を実施しても、しばらくは
過大なスリップが継続し直ちに車輪速度は上昇しない。
このことから、確認用圧力調整手段によるブレーキ圧力
の増圧停止または減圧以後の車輪速度の挙動を観察すれ
ば、氷上路か否かを判定することができる。したがっ
て、氷上路制御設定手段は、上記確認用圧力調整手段に
よりブレーキ圧力を増圧停止または減圧した後の所定期
間内の車輪速度の変化を検出し、その変化が小さい場合
にアンチスキッド制御を氷上路の路面摩擦係数に対応す
る制御に設定する。
【0032】このように、漸次増加検出手段による検出
により、氷上路走行の可能性がある場合に、確認用圧力
調整手段はブレーキ圧力増圧停止または減圧すること
により、氷上路走行であることを確認して、氷上路走行
であればアンチスキッド制御を氷上路の路面摩擦係数に
対応する制御に設定する。したがって、より確実な氷上
路判定が可能となり、氷上路用路面摩擦係数に基づいて
好適なアンチスキッド制御を開始することができる。
【0033】この推定車体速度の減速度のパターンの検
出として、例えば、推定車体速度の減速度の極大値ある
いは極小値が次第に高くなる場合に、上記推定車体速度
の減速度が増減を伴って漸次増加して行く状態であると
検出してもよい。上記減速度の増減が有れば、減速度の
極大値あるいは極小値が繰り返し現れる。したがって、
この減速度の極大値あるいは極小値が次第に高くなる状
態が検出されれば、増減しつつ徐々に増加していること
が判明する。
【0034】請求項9記載の発明は、請求項7,8の構
成に加えて、更に、前後輪速度差積算手段を備え、アン
チスキッド制御前に、後輪車輪速度よりも前輪車輪速度
が低い状態が継続しているときに、後輪車輪速度から前
輪車輪速度を減算した値を積算する。そして、確認用圧
力調整手段が、上記漸次増加検出手段により上記推定車
体速度の減速度が増減を伴って漸次増加して行く状態で
あると検出された条件と、上記前後輪速度差積算手段に
て積算値が所定積算値以上となった条件とが満足された
場合に、ブレーキ圧力増圧停止または減圧する。
【0035】最大車輪速度(後輪)と他の車輪速度(前
輪)との速度差は氷上路ではほとんど生じないが、その
積算値には比較的明確に現れる。したがって、氷上路制
御設定手段が、漸次増加検出手段により上記推定車体速
度の減速度が増減を伴って漸次増加して行く状態である
と検出された条件に加えて、前後輪速度差積算手段にて
積算値が所定積算値以上となった条件とが満足された場
合に、ブレーキ圧力増圧停止または減圧することによ
り、より確実な氷上路判定が可能となり、氷上路用路面
摩擦係数に基づいて好適なアンチスキッド制御を開始す
ることができる。
【0036】請求項10記載の発明は、請求項7,8の
構成に加えて、更に、前後輪速度差変化検出手段を備
え、アンチスキッド制御前に、後輪車輪速度よりも前輪
車輪速度が低い状態が継続しているときに、後輪車輪速
度から前輪車輪速度を減算した値の積算値の時間変化を
検出する。そして、確認用圧力調整手段が、上記漸次増
加検出手段により上記推定車体速度の減速度が増減を伴
って漸次増加して行く状態であると検出された条件と、
上記前後輪速度差変化検出手段にて検出された後輪車輪
速度から前輪車輪速度を減算した値の積算値の時間変化
が初期の時間変化よりも所定変化以上大きくなった条件
とが満足された場合に、ブレーキ圧力増圧停止または
減圧をする。
【0037】上述したごとく、最大車輪速度(後輪)と
他の車輪速度(前輪)との速度差は氷上路ではほとんど
生じないが、その積算値には比較的明確に現れる。しか
も、氷上路では次のような独特なパターンを生ずる。即
ち、最大車輪速度(後輪)と他の車輪速度(前輪)との
速度差は、初期はわずかの差しか存在しないが、しばら
く経つと、それまでの差に比較して急に差が拡大する。
したがって、氷上路制御設定手段が、上記漸次増加検出
手段により上記推定車体速度の減速度が増減を伴って漸
次増加して行く状態であると検出された条件に加えて、
前後輪速度差変化検出手段にて検出された後輪車輪速度
から前輪車輪速度を減算した値の積算値の時間変化が初
期の時間変化よりも所定変化以上大きくなった条件とが
満足された場合に、ブレーキ圧力増圧停止または減圧
することにより、より確実な氷上路判定が可能となり、
氷上路用路面摩擦係数に基づいて好適なアンチスキッド
制御を開始することができる。
【0038】請求項11記載の発明は、前後輪速度差積
算手段が、アンチスキッド制御前に、後輪車輪速度より
も前輪車輪速度が低い状態が継続しているときに、後輪
車輪速度から前輪車輪速度を減算した値を積算する。更
に低減速状態検出手段が、アンチスキッド制御前に、車
輪速度が低減速度で推移する状態を検出する。そして、
確認用圧力調整手段が、上記前後輪速度差積算手段にて
積算値が所定積算値以上となった条件と、上記低減速状
態検出手段にて車輪速度が低減速度で推移する状態が所
定時間継続した条件とが満足された場合に、ブレーキ圧
増圧停止または減圧する。
【0039】氷上路での制動の特徴として、上述したご
とくドライバーが微妙なブレーキの調整を行うため、車
輪速度も低減速度となる。したがって、前後輪速度差積
算手段の積算値が所定積算値以上となる判定とともに、
低減速状態検出手段により車輪速度の低減速度状態を検
出した場合に、ブレーキ圧力増圧停止または減圧す
る。このことにより、より正確な氷上路判定が可能とな
り、氷上路用路面摩擦係数に基づいて好適なアンチスキ
ッド制御を開始することができる。
【0040】請求項12記載の発明は、請求項11の構
成の内、前後輪速度差積算手段の代わりに、前後輪速度
差変化検出手段を用いている。したがって、上述した各
構成の作用により、より確実な氷上路判定が可能とな
り、氷上路用路面摩擦係数に基づいて好適なアンチスキ
ッド制御を開始することができる。
【0041】尚、上記各請求項の氷上路制御設定手段
は、条件が満足された場合に、更に、推定車体速度とし
て、車両の制動開始時から経過時間に基づいて算出され
る氷上路用目標車体速度を設定するものであってもよ
い。このことにより、既にずれている推定車体速度が好
適な値に修正されるので、以後、更に好ましいアンチス
キッド制御が実施される。
【0042】
【実施例】本発明の一実施例を図11以下に示す。図1
1は、本発明の一実施例としてのアンチスキッド制御装
置の構成を示す構成図である。図11において、ブレー
キペダル20は、真空ブースタ21を介してマスタシリ
ンダ28に連結されている。したがって、ブレーキペダ
ル20を踏むことによりマスタシリンダ28に油圧が発
生し、この油圧は、各車輪(左前輪FL、右前輪FR、
左後輪RL、右後輪RR)に設けられたホイールシリン
ダ31,32,33,34に供給され、ブレーキ圧力が
発生する。
【0043】マスタシリンダ28は互いに同じ圧力のブ
レーキ油圧を発生する2つの圧力室(図示せず)を有
し、各圧力室にはそれぞれ供給管40,50が接続され
ている。供給管40は連通管41,42に分岐してい
る。連通管41は、電磁弁60aを介して、ホイールシ
リンダ31に連通するブレーキ管43と接続されてい
る。同様に、連通管42は、電磁弁60cを介して、ホ
イールシリンダ34に連通するブレーキ管44と接続さ
れている。
【0044】供給管50も供給管40と同様な接続関係
にあり、連通管51,52に分岐している。連通管51
は、電磁弁60bを介して、ホイールシリンダ32に連
通するブレーキ管53と接続されている。同様に、連通
管52は、電磁弁60dを介してホイールシリンダ33
に連通するブレーキ管54と接続されている。
【0045】また、ホイールシリンダ33,34に接続
されるブレーキ管54,44中には公知のプロポーショ
ニングバルブ59,49が設置されている。このプロポ
ーショニングバルブ59,49は、後輪RL、RRに供
給されるブレーキ油圧を制御して前後輪FL〜RRの制
動力の分配を理想に近づけるものである。
【0046】各車輪FL〜RRには、車輪の回転速度を
捉えるための電磁ピックアップ式の車輪速度センサ7
1,72,73,74が設置され、電子制御回路(EC
U)80にその信号が入力される。ECU80は、入力
された各車輪FL〜RRの車輪速度に基づいて各ホイー
ルシリンダ31〜34のブレーキ油圧を制御すべく、電
磁弁60a〜60dに対して駆動信号を出力する。
【0047】電磁弁60a,60b,60c,60d
は、3ポート3位置型の電磁弁で図11のA位置におい
ては、連通管41,42,51,52とブレーキ管4
3,44,53,54とをそれぞれ連通し、B位置にお
いては、連通管41,42,51,52、ブレーキ管4
3,44,53,54、枝管47,48,57,58間
を全て遮断する。また、C位置においては、ブレーキ管
43,44,53,54と、枝管47,48,57,5
8とをそれぞれ連通する。
【0048】枝管47,48はともに排出管81に接続
され、枝管57,58はともに排出管91に接続され
る。これら排出管81,91は、それぞれリザーバ93
a,93bに接続されている。リザーバ93a,93b
は、各電磁弁60a〜60dがC位置のとき、各ホイー
ルシリンダ31〜34から排出されるブレーキ液を一時
的に蓄えるものである。このため電磁弁60a〜60d
では、A位置においてはホイールシリンダ31〜34の
ブレーキ油圧を増圧し、B位置においてはそのブレーキ
油圧を保持し、C位置においてはそのブレーキ油圧を減
圧することができる。
【0049】ポンプ99a,99bは、リザーバ93
a,93bに蓄積されたブレーキ液を汲み上げてマスタ
シリンダ28側に還流させる。また、チェック弁97
a,98a,97b,98bは、リザーバ93a,93
bから汲み上げられたブレーキ液が、再びリザーバ93
a,93b側に逆流するのを防ぐためのものである。
【0050】なお、ストップスイッチ10は、運転者が
ブレーキペダル20を踏んでいるか否かを検出するもの
である。次に、このように構成された本実施例において
ECU80が実行されるアンチスキッド制御について図
12以下のフローチャートに基づき説明する。ECU8
0は、マイクロコンピュータとして構成され、公知のC
PU,ROM,RAM,I/Oを備えている。ROMに
はアンチスキッド制御を実行するためのプログラムが格
納されている。
【0051】このプログラムによる処理は図示しないイ
グニッションスイッチがオンされたときに実行される。
まず、所定の初期設定処理として、演算に用いられるメ
モリ上の変数の初期値化、後述する各種タイマカウンタ
のゼロクリア、あるいはアンチスキッド制御に用いられ
る各装置の初期位置設定等の処理がなされる(ステップ
100)。この後、アンチスキッド制御の条件が成立し
ているか否かが判定される(ステップ110)。この成
立条件は、例えば最大車輪速度と他の車輪速度とに所定
の速度差が生じて更にその速度差が拡大する傾向にある
場合、あるいは後述するステップ300にて氷上路フラ
グFICEが立っている場合に、アンチスキッド制御条
件が成立したものとされる。
【0052】成立していれば次に氷上路フラグFICE
が立っているか否かが判定される(ステップ115)。
氷上路フラグFICEが立っていなければ通常路用ブレ
ーキ圧力制御が実施され(ステップ120)、氷上路フ
ラグFICEが立っていれば氷上路用ブレーキ圧力制御
が実施される(ステップ130)。
【0053】通常路用ブレーキ圧力制御(ステップ12
0)では、アンチスキッド制御直前に最大車輪速度の減
速度から得られた推定路面摩擦係数μに基づき、スリッ
プ率を考慮して後述する推定車体速度VBに対して所定
幅に設定されている範囲から車輪速度VWが低下した場
合にブレーキ圧力を減圧制御し、上昇した場合にはブレ
ーキ圧力を増圧制御することにより、路面に対して車輪
のスリップ率を好ましい範囲に収めて、最短距離で停止
できる制動制御が各車輪ごとに並行して行われる。
【0054】なお、車輪のスリップ率を望ましい範囲に
制御するには、実際には、車輪速度VWと車輪加速度GW
を用いることが好ましい。この場合、車輪速度VWが推
定車体速度VBに基づいて設定される減圧基準速度以下
に低下し、かつ車輪加速度GWが所定の基準減速度以下
に低下した場合に、車輪のブレーキ圧力を低下する。そ
して、ブレーキ圧力の減圧により車輪加速度GWが0G
付近の所定範囲(路面や車両に応じて異なる)まで復帰
すると、ブレーキ圧力が保持される。その後、車輪速度
VWが推定車体速度VBに基づいて設定される増圧基準速
度まで回復すると、ブレーキ圧力の増圧が行われる。
【0055】氷上路用ブレーキ圧力制御(ステップ13
0)では、最大車輪速度の減速度からは路面摩擦係数の
推定が困難であるため、予め設定してある氷上路用路面
摩擦係数に基づいて、ブレーキ圧力制御が実施される。
次に、このアンチスキッド制御のブレーキ圧制御にて使
用される推定路面摩擦係数、限界加減速度勾配等を設定
する処理について図13,14に基づいて説明する。
【0056】まず処理が開始されると、状態の初期設定
が行われる(ステップ200)。次に車輪速度センサ7
1〜74の出力値が読み込まれる(ステップ210)。
この値に基づいて、車輪速度VWおよび車輪加速度GWが
演算される(ステップ220)。
【0057】次に後輪車輪速度VWRが前輪車輪速度VWF
より大きいか否かが判定される(ステップ230)。大
きくなければ積算値ΣΔVがゼロクリアされる(ステッ
プ240)。大きければ後輪車輪速度VWRから前輪車輪
速度VWFを減算した値ΔVが算出される(ステップ25
0)。次にこのΔVの値が次の式1のごとく積算値ΣΔ
Vに積算される。
【0058】
【数1】
【0059】尚、ここで(n)は今回の値を、(n−
1)は前回の値を表す。このステップ230〜260の
処理によりVWR>VWFが継続する場合のΔVの値がΣΔ
Vに積算される。次に推定車体速度VBと推定車両加速
度GBとが求められる(ステップ270)。この推定車
体速度VBは、ステップ220で求められた4輪の車輪
速度VWの内の最大車輪速度VWMAXが設定される。車両
加速度GBは、同様に、その最大車輪速度VWMAXの車輪
の車輪加速度が設定される。なお、4輪駆動車では、ア
ンチスキッド制御外での駆動スリップの発生を考慮し、
推定車体速度VBが2番目に大きな車輪速度に基づいて
作成される。
【0060】次に氷上路用目標車体速度VSICEが設定さ
れる(ステップ280)。この氷上路用目標車体速度V
SICEは、現路面が氷上路であると仮定して算出されるも
のであり、図15に一点鎖線で示すごとく、制動開始か
らの経過時間と氷上路用限界減速度勾配VDOWN(ICE)と
に基づいて車体速度が低下したものとして演算される。
尚、図15では説明上推定車体速度VBに重ねて表示さ
れている。また、図15では推定車体速度VBと車輪速
度VWとは上下にずれて表示されているが、時刻t0以前
では車輪速度VWと推定車体速度VBは等しい。
【0061】次にアンチスキッド制御中か否かが判定さ
れる(ステップ290)。この判定は図12のステップ
110で肯定判定されてステップ120またはステップ
130が繰り返し実行中であればアンチスキッド制御中
であると判定され、ステップ210の処理に戻るが、ス
テップ120またはステップ130が繰り返し実行中で
無ければアンチスキッド制御中でないと判定される。
【0062】アンチスキッド制御中で無ければ、次に氷
上路フラグFICEの設定処理がなされる(ステップ3
00)。この処理の詳細を図14のフローチャートに示
す。まず、タイマカウンタCがマイナスか否かが判定さ
れる。初期設定ではマイナスの値が設定されているの
で、次に推定車両加速度GBが、増減を伴う漸次低下を
しているか否かが判定される(ステップ420)。言い
替えれば、推定車体減速度(−GB)が、増減を伴う漸
次上昇をしているか否かが判定される。
【0063】この判定は、図示しない他の推定車体減速
度(−GB)変化判定ルーチンで推定車体減速度(−G
B)の変化状態が観測されることにより判定される。推
定車体減速度(−GB)変化判定ルーチンの内容として
は、例えば、所定時間内に、極大値が所定個数出現し、
その極大値が上昇傾向にあることを検出すればよい。図
15では所定時間(t0〜t7)内の、時刻t1,t3,t
5に合計3回、極大値M1,M2,M3が出現し、その極大
値M1,M2,M3は次第に増加している。極大値でな
く、極小値が所定個数出現し、その極小値が上昇傾向に
あることを検出してもよい。図15では所定時間(t0
〜t7)内の、時刻t2,t4,t6に合計3回、極小値N
1,N2,N3が出現し、その極小値N1,N2,N3は次第
に増加している。この他、所定時間(t0〜t7)内の周
波数分析やフィルタリング処理により、極大極小を示す
周波数成分と次第に増加する周波数成分とが検出された
場合に、推定車体減速度(−GB)が、増減を伴う漸次
増加をしていると判定してもよい。
【0064】このステップ420で肯定判定されれば、
氷上路で制動が開始されはじめていることを示してい
る。推定車体減速度(−GB)が、増減を伴う漸次上昇
をしていない場合は、ステップ420で否定判定され
て、次に後輪車輪速度VWRから前輪車輪速度VWFを減算
した値ΔVの積算値ΣΔVが、所定積算値V1以上とな
ったか否かが判定される(ステップ430)。この判定
も制動が開始されているか否かを判定している。ただ
し、この判定のみでは氷上路とは限らない。
【0065】また、ステップ430にて肯定判定される
と、車輪加速度GWが、低減速状態で推移しているか否
かが判定される(ステップ440)。低減速状態を数式
に表すと次の式2のごとくとなる。
【0066】
【数2】
【0067】ここでG1はマイナスの所定値である。こ
の状態が所定時間T1の間、継続しているか否かが判定
されることにより、車輪加速度GWが、低減速状態で推
移しているか否かが判定される。これは氷上路での制動
を実施している可能性の高いことを示している。
【0068】したがって、ステップ420で否定判定さ
れた後、ステップ430,440のいずれかで否定判定
されれば、氷上路での制動ではないことが判明するの
で、氷上路フラグFICEがゼロクリアさせ(ステップ
450)て、タイマカウンタCに−1が設定されて(ス
テップ460)、ステップ300の処理を抜ける。
【0069】したがって、図13のステップ310で、
氷上路フラグFICEは立っているか否かが判定される
が、ここでは否定判定されて、次に推定路面摩擦係数μ
が算出される(ステップ320)。即ち、最大車輪速度
VWMAXが低下しはじめる初期に、最大車輪速度VWMAXと
他の車輪速度VWとの間に所定の車速差が存在し、更に
その速度差が拡大傾向にある状態での最大車輪速度VWM
AXの加速度(負の値、即ち減速度)から所定の関数に従
って推定路面摩擦係数μが求められる。
【0070】なお、上記の推定路面摩擦係数μの算出に
おいては、左右輪ごとに求めることが望ましい。なぜな
らば、車両の走行路面の中には、左右輪で摩擦係数が異
なる路面も存在するためである。従って、左右輪ごと
に、前輪もしくは後輪の一方の車輪速度が落ち込み始め
た時に、残りの車輪の車輪速度の減速度から所定の関数
に従って推定路面摩擦係数を求めるのである。
【0071】次にアンチスキッド制御が開始されたか否
かが判定される(ステップ330)。即ち図12のステ
ップ110にて最初に肯定判定された直後であるか否か
が判定される。開始で無ければこのまま処理を終了し
て、再度ステップ210の処理から繰り返す。
【0072】ステップ110で最初に肯定判定された直
後で有れば、ステップ320で算出した推定路面摩擦係
数μに基づいて、関数f1(μ)から限界減速度勾配VD
OWNを求め、関数f2(μ)から限界加速度勾配VUPを求
める(ステップ340)。即ち、限界減速度勾配VDOWN
とは、路面が実際に推定路面摩擦係数μと同じ摩擦係数
であった場合に得られる車両の最大の減速度(車速の下
降勾配)を示すものであり、その値はf1(μ)の関数
で求められる。限界加速度勾配VUPとは、路面が実際に
推定路面摩擦係数μと同じ摩擦係数であった場合に得ら
れる車両の最大の加速度(車速の上昇勾配)を示すもの
であり、その値はf2(μ)の関数で求められる。それ
ぞれ推定路面摩擦係数μの大きさに対応して設定され、
これ以上の減速度あるいは加速度で、車両は減速あるい
は加速できないことを意味する。
【0073】図14のステップ420で肯定判定された
場合、あるいはステップ420では否定判定されたがス
テップ430,440にて共に肯定判定された場合は、
積算値ΣΔVがゼロクリアされた(ステップ465)
後、T2時間減圧出力設定処理(ステップ470)が実
行される。このT2時間減圧出力設定処理が実施される
と、図15の時刻t7〜t8に示すごとく、T2時間減圧
が自動的に行われる。これは、氷上路であることを確認
するために、T2時間(t7〜t8)、ブレーキ圧力の減
圧を実施するものであり、通常路ではこのような減圧処
理があると、所定待ち時間内に車輪速度が上昇に変わる
が、氷上路ではほとんど車輪速度の挙動に変化は現れな
い。なお、図15は特にステップ420で肯定判定され
た場合のタイミングチャートである。
【0074】したがって、所定待ち時間に該当する値A
をタイマカウンタCに設定し(ステップ480)、ステ
ップ210の処理に戻る。タイマカウンタCは所定周期
でデクリメントされるが、C>0である限り、ステップ
300の処理ではステップ410からステップ210へ
移行するのみである。この間、車輪加速度GWの最大値
が、図示しない処理で記憶されている。
【0075】タイマカウンタCがデクリメントの結果、
0となると(時刻t8a)、ステップ410からステップ
490の処理に移る。ステップ490では、車輪速度の
上昇変化が生じていないことを判定するために車輪加速
度GWの所定待ち時間内の最大値が所定加速度G2より小
さいか否かが判定される(ステップ490)。車輪加速
度GWの最大値が所定加速度G2以上となってステップ4
90で否定判定されれば、ステップ450,460を経
て、結果として氷上路フラグFICEは立たない。
【0076】しかし、車輪加速度GWの最大値が所定加
速度G2より大きくならず、ステップ490で肯定判定
されれば、図15の時刻t8aに示すように、推定車体速
度VBにステップ280で演算されている氷上路用目標
車体速度VSICEが設定される(ステップ500)。更に
氷上路フラグFICEが立てられる(ステップ51
0)。更にステップ460でタイマカウンタCに−1が
設定されて、ステップ300を抜ける。
【0077】次に氷上路フラグFICEが立っているか
否かが判定される(ステップ310)。ここでは氷上路
フラグFICEは立っているので、肯定判定されてステ
ップ210に戻る。このことにより、以後、図12に示
すステップ115では肯定判定されて、氷上用ブレーキ
圧力制御(ステップ130)が実施される。即ち、推定
車体速度VBが高い値に設定し直されたため、直ちに車
輪速度VWが推定車体速度VBに応じて設定された所定範
囲(ここでは減圧基準)から低下し、図15の時刻t9
よりブレーキ圧力(ブレーキ油圧)が減圧制御される。
このことにより、車輪速度VWが時刻t11から、好まし
いスリップ率になるまで上昇してゆく。また推定車体速
度VBも、ステップ220で得られた各車輪速度の内の
最大車輪速度VWMAXと、上記限界減速度勾配VDOWN(IC
E)で低下させることにより得られる速度とのいずれか大
きい方を、氷上路用の限界加速度勾配VUP(ICE)で得ら
れる車速を上限として設定される。これを式で表すと、
次の式3のようになる。
【0078】
【数3】
【0079】尚、ここで(n)は今回の値を、(n−
1)は前回の値を表す。尚、ステップ110にてアンチ
スキッド制御条件が不成立になった場合には、図示しな
いが氷上路フラグFICEはゼロクリアされるので、再
度、ステップ300の氷上路フラグFICE判定処理に
より、通常路であるとされれば、通常路用のアンチスキ
ッド制御(通常路用ブレーキ圧力制御:ステップ12
0)がなされ、氷上路であるとされれば、氷上路用のア
ンチスキッド制御(氷上路用ブレーキ圧力制御:ステッ
プ130)がなされる。
【0080】本実施例はこのように構成されているた
め、氷上路であることを的確に検出して、アンチスキッ
ド制御を氷上路用の制御に対応させることができるの
で、制動距離も最短となる。もし、従来のように氷上路
であることが判定できない場合には、アンチスキッド制
御が早期に開始しないので、図15に点線で示すごと
く、ドライバーによるブレーキ圧力の増加により、完全
に車輪がロックされてしまう。そのため過大なスリップ
を招き、制動距離が伸びてしまう。
【0081】図16にステップ430,440にて肯定
判定された場合のタイミングチャートを示す。即ち、時
刻t20にて氷上路の制動に入り、時刻t21にて、後輪車
輪速度VWRから前輪車輪速度VWFを減算した値ΔVの積
算値ΣΔVが所定積算値V1以上となり、時刻t22にお
いて所定時間T1の間、上記式2の関係(0>GW≧G
1)を維持していたことが判明する。その結果、T2時間
(時刻t22〜t23)の間、減圧出力がなされる(ステッ
プ470)。
【0082】以後、値Aに該当する時間、車輪加速度G
Wは、所定加速度G2以上とはならず、ステップ490に
て肯定判定され、図16の時刻t23aに示すように、推
定車体速度VBにステップ280で演算されている氷上
路用目標車体速度VSICEが設定される(ステップ50
0)。更に氷上路フラグFICEが立てられる(ステッ
プ510)。
【0083】このようにして、以後、図15の場合と同
様に、氷上用ブレーキ圧力制御(ステップ130)が実
施される。即ち、推定車体速度VBが高い値に設定し直
されたため、直ちに車輪速度VWが推定車体速度VBに応
じて設定された所定範囲(ここでは減圧基準)よりも低
下するので、図16の時刻t24よりブレーキ圧力(ブレ
ーキ油圧)が減圧制御され、このことにより、車輪速度
VWが時刻t25から、好ましいスリップ率になるまで上
昇してゆく。また推定車体速度VBも上記式3にて設定
される。もし、従来のように氷上路であることが判定で
きない場合には、アンチスキッド制御が早期に開始しな
いので、図16に点線で示すごとく、ドライバーによる
ブレーキ圧力の増加により、完全に車輪がロックされて
しまう。そのため過大なスリップを招き、制動距離が伸
びてしまう。
【0084】上記実施例において、推定車両加速度GB
が増減を伴う漸次低下をしているか否かの判定(ステッ
プ420)と、後輪車輪速度VWRから前輪車輪速度VWF
を減算した値ΔVの積算値ΣΔVが所定積算値V1以上
となったか否かの判定(ステップ430)および車輪加
速度GWが低減速状態で推移しているか否かの判定(ス
テップ440)の組み合わせとのいずれかにより氷上路
走行の可能性を判断し、更に確認用の減圧制御(ステッ
プ470)およびその後の車輪加速度GWの挙動判定
(ステップ490)により、最終的に氷上路であると判
定して、氷上路用ブレーキ圧力制御(アンチスキッド制
御)を実行していた。しかし、氷上路の判定としては、
次のものが上記実施例と同様な作用・効果を生じる。即
ち、ステップ470,490を設けずにステップ420
のみでもよいし、同じくステップ430,440の組み
合わせのみでもよい。更に、ステップ420にステップ
470,490をAND条件で組み合わせたもののみで
もよいし、ステップ430,440にステップ470,
490をAND条件で組み合わせたもののみでもよい。
またステップ420とステップ430とをAND条件で
組み合わせたもののみでもよい。
【0085】また、この他の氷上路の判定としては、後
輪車輪速度VWRから前輪車輪速度VWFを減算した値ΔV
の積算値ΣΔVの時間変化が、氷上路では初期では低い
がその後、比較的急速に大きくなることから、上記積算
値ΣΔVの時間変化が、初期の時間変化よりも所定変化
以上大きくなった条件(前後輪速度差変化検出手段とし
ての条件)と、ステップ420の条件とのAND条件で
組み合わせたもののみで氷上路の可能性が高いと判定し
てもよい。
【0086】また、上記積算値ΣΔVの時間変化が、初
期の時間変化よりも所定変化以上大きくなった条件と、
ステップ440の条件とのAND条件で組み合わせたも
ののみで氷上路の可能性が高いと判定してもよい。更
に、上述した各条件の組み合わせの内で、ステップ47
0,490と組み合わされていない条件に、ステップ4
70,490の条件を、AND条件で組み合わせたもの
であってもよい。
【0087】上記実施例において、ECU80が漸次増
加検出手段、氷上路制御設定手段、前後輪速度差積算手
段、低減速状態検出手段および確認用圧力調整手段に該
当する。ステップ420が漸次増加検出手段としての処
理に該当し、ステップ430が前後輪速度差積算手段と
しての処理に該当し、ステップ440が低減速状態検出
手段としての処理に該当し、ステップ470が確認用圧
力調整手段としての処理に該当し、ステップ410,4
80,490,500,510が氷上路制御設定手段と
しての処理に該当する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 請求項1の発明の基本的構成の例示図であ
る。
【図2】 請求項3の発明の基本的構成の例示図であ
る。
【図3】 請求項4の発明の基本的構成の例示図であ
る。
【図4】 請求項5の発明の基本的構成の例示図であ
る。
【図5】 請求項6の発明の基本的構成の例示図であ
る。
【図6】 請求項7の発明の基本的構成の例示図であ
る。
【図7】 請求項9の発明の基本的構成の例示図であ
る。
【図8】 請求項10の発明の基本的構成の例示図であ
る。
【図9】 請求項11の発明の基本的構成の例示図であ
る。
【図10】 請求項12の発明の基本的構成の例示図で
ある。
【図11】 アンチスキッド制御装置の一実施例の構成
図である。
【図12】 実施例で行われるアンチスキッド制御処理
のフローチャートである。
【図13】 実施例で行われる推定路面摩擦係数、限界
加減速度勾配等の設定処理のフローチャートである。
【図14】 氷上路フラグFICE設定処理のフローチ
ャートである。
【図15】 氷上路を判定する際の処理を説明するタイ
ミングチャートである。
【図16】 氷上路を判定する際の処理を説明するタイ
ミングチャートである。
【符号の説明】
20…ブレーキペダル 28…マスタシリンダ 31,32,33,34…ホイールシリンダ 60a,60b,60c,60d…電磁弁 71,72,73,74…車輪速度センサ 80…ECU
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−131912(JP,A) 特開 平6−1228(JP,A) 特開 平5−39017(JP,A) 特開 平4−345562(JP,A) 特開 平4−230454(JP,A) 特開 平7−159308(JP,A) 特開 平6−72303(JP,A) 特開 平1−301451(JP,A) 特開 平2−92761(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B60T 8/32 - 8/96

Claims (13)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両の制動時に、当該車両の各車輪の車
    輪速度に基づいて路面摩擦係数に対応する限界減速度に
    よる車体速度の変化の範囲内で推定車体速度を算出する
    とともに、この推定車体速度に応じて設定される基準速
    度と各車輪速度との比較、および基準加速度と各車輪加
    速度との比較により、当該車輪のブレーキ圧力を少なく
    とも減圧,増圧して調節し、各車輪に過度のスリップが
    発生することを防止するアンチスキッド制御を実行する
    車両用アンチスキッド制御装置において、 アンチスキッド制御前に、上記推定車体速度の減速度が
    増減を伴って漸次増加して行く状態か否かを検出する漸
    次増加検出手段と、 上記漸次増加検出手段により、上記推定車体速度の減速
    度が増減を伴って漸次増加して行く状態であると検出さ
    れた場合にアンチスキッド制御を氷上路の路面摩擦係数
    に対応する制御に設定する氷上路制御設定手段と、 を備えたことを特徴とするアンチスキッド制御装置。
  2. 【請求項2】 上記漸次増加検出手段が、上記減速度の
    極大値あるいは極小値が次第に高くなる場合に、上記推
    定車体速度の減速度が増減を伴って漸次増加して行く状
    態であると検出する請求項1記載のアンチスキッド制御
    装置。
  3. 【請求項3】 更に、 アンチスキッド制御前に、後輪車輪速度よりも前輪車輪
    速度が低い状態が継続しているときに、後輪車輪速度か
    ら前輪車輪速度を減算した値を積算する前後輪速度差積
    算手段を備え、 上記氷上路制御設定手段が、上記漸次増加検出手段によ
    り上記推定車体速度の減速度が増減を伴って漸次増加し
    て行く状態であると検出された条件と、上記前後輪速度
    差積算手段にて積算値が所定積算値以上となった条件と
    が満足された場合にアンチスキッド制御を氷上路の路面
    摩擦係数に対応する制御に設定する請求項1または2記
    載のアンチスキッド制御装置。
  4. 【請求項4】 更に、 アンチスキッド制御前に、後輪車輪速度よりも前輪車輪
    速度が低い状態が継続しているときに、後輪車輪速度か
    ら前輪車輪速度を減算した値の積算値の時間変化を検出
    する前後輪速度差変化検出手段を備え、 上記氷上路制御設定手段が、上記漸次増加検出手段によ
    り上記推定車体速度の減速度が増減を伴って漸次増加し
    て行く状態であると検出された条件と、上記前後輪速度
    差変化検出手段にて検出された後輪車輪速度から前輪車
    輪速度を減算した値の積算値の時間変化が初期の時間変
    化よりも所定変化以上大きくなった条件とが満足された
    場合にアンチスキッド制御を氷上路の路面摩擦係数に対
    応する制御に設定する請求項1または2記載のアンチス
    キッド制御装置。
  5. 【請求項5】 車両の制動時に、当該車両の各車輪の車
    輪速度に基づいて路面摩擦係数に対応する限界減速度に
    よる車体速度の変化の範囲内で推定車体速度を算出する
    とともに、この推定車体速度に応じて設定される基準速
    度と各車輪速度との比較、および基準加速度と各車輪加
    速度との比較により、当該車輪のブレーキ圧力を少なく
    とも減圧,増圧して調節し、各車輪に過度のスリップが
    発生することを防止するアンチスキッド制御を実行する
    車両用アンチスキッド制御装置において、 アンチスキッド制御前に、後輪車輪速度よりも前輪車輪
    速度が低い状態が継続しているときに、後輪車輪速度か
    ら前輪車輪速度を減算した値を積算する前後輪速度差積
    算手段と、 アンチスキッド制御前に、車輪速度が低減速度で推移す
    る状態を検出する低減速状態検出手段と、 上記前後輪速度差積算手段にて積算値が所定積算値以上
    となった条件と、上記低減速状態検出手段にて車輪速度
    が低減速度で推移する状態が所定時間継続した条件とが
    満足された場合に、アンチスキッド制御を氷上路の路面
    摩擦係数に対応する制御に設定する氷上路制御設定手段
    と、 を備えたことを特徴とするアンチスキッド制御装置。
  6. 【請求項6】 車両の制動時に、当該車両の各車輪の車
    輪速度に基づいて路面摩擦係数に対応する限界減速度に
    よる車体速度の変化の範囲内で推定車体速度を算出する
    とともに、この推定車体速度に応じて設定される基準速
    度と各車輪速度との比較、および基準加速度と各車輪加
    速度との比較により、当該車輪のブレーキ圧力を少なく
    とも減圧,増圧して調節し、各車輪に過度のスリップが
    発生することを防止するアンチスキッド制御を実行する
    車両用アンチスキッド制御装置において、 アンチスキッド制御前に、後輪車輪速度よりも前輪車輪
    速度が低い状態が継続しているときに、後輪車輪速度か
    ら前輪車輪速度を減算した値の積算値の時間変化を検出
    する前後輪速度差変化検出手段と、 アンチスキッド制御前に、車輪速度が低減速度で推移す
    る状態を検出する低減速状態検出手段と、 上記前後輪速度差変化検出手段にて検出された後輪車輪
    速度から前輪車輪速度を減算した値の積算値の時間変化
    が初期の時間変化よりも所定変化以上大きくなった条件
    と、上記低減速状態検出手段にて車輪速度が低減速度で
    推移する状態が所定時間継続した条件とが満足された場
    合に、アンチスキッド制御を氷上路の路面摩擦係数に対
    応する制御に設定する氷上路制御設定手段と、 を備えたことを特徴とするアンチスキッド制御装置。
  7. 【請求項7】 車両の制動時に、当該車両の各車輪の車
    輪速度に基づいて路面摩擦係数に対応する限界減速度に
    よる車体速度の変化の範囲内で推定車体速度を算出する
    とともに、この推定車体速度に応じて設定される基準速
    度と各車輪速度との比較、および基準加速度と各車輪加
    速度との比較により、当該車輪のブレーキ圧力を少なく
    とも減圧,増圧して調節し、各車輪に過度のスリップが
    発生することを防止するアンチスキッド制御を実行する
    車両用アンチスキッド制御装置において、 アンチスキッド制御前に、上記推定車体速度の減速度が
    増減を伴って漸次増加して行く状態か否かを検出する漸
    次増加検出手段と、 上記漸次増加検出手段により、上記推定車体速度の減速
    度が増減を伴って漸次増加して行く状態であると検出さ
    れた場合に、ブレーキ圧力増圧停止または減圧する確
    認用圧力調整手段と、 上記確認用圧力調整手段によりブレーキ圧力を増圧停止
    または減圧した後の所定期間内の車輪速度の変化を検出
    し、その変化が小さい場合にアンチスキッド制御を氷上
    路の路面摩擦係数に対応する制御に設定する氷上路制御
    設定手段と、 を備えたことを特徴とするアンチスキッド制御装置。
  8. 【請求項8】 上記漸次増加検出手段が、上記減速度の
    極大値あるいは極小値が次第に高くなる場合に、上記推
    定車体速度の減速度が増減を伴って漸次増加して行く状
    態であると検出する請求項7記載のアンチスキッド制御
    装置。
  9. 【請求項9】 更に、 アンチスキッド制御前に、後輪車輪速度よりも前輪車輪
    速度が低い状態が継続しているときに、後輪車輪速度か
    ら前輪車輪速度を減算した値を積算する前後輪速度差積
    算手段を備え、 上記確認用圧力調整手段が、上記漸次増加検出手段によ
    り上記推定車体速度の減速度が増減を伴って漸次増加し
    て行く状態であると検出された条件と、上記前後輪速度
    差積算手段にて積算値が所定積算値以上となった条件と
    が満足された場合に、ブレーキ圧力増圧停止または減
    圧する請求項7または8記載のアンチスキッド制御装
    置。
  10. 【請求項10】 更に、 アンチスキッド制御前に、後輪車輪速度よりも前輪車輪
    速度が低い状態が継続しているときに、後輪車輪速度か
    ら前輪車輪速度を減算した値の積算値の時間変化を検出
    する前後輪速度差変化検出手段を備え、 上記確認用圧力調整手段が、上記漸次増加検出手段によ
    り上記推定車体速度の減速度が増減を伴って漸次増加し
    て行く状態であると検出された条件と、上記前後輪速度
    差変化検出手段にて検出された後輪車輪速度から前輪車
    輪速度を減算した値の積算値の時間変化が初期の時間変
    化よりも所定変化以上大きくなった条件とが満足された
    場合に、ブレーキ圧力増圧停止または減圧する請求項
    7または8記載のアンチスキッド制御装置。
  11. 【請求項11】 車両の制動時に、当該車両の各車輪の
    車輪速度に基づいて路面摩擦係数に対応する限界減速度
    による車体速度の変化の範囲内で推定車体速度を算出す
    るとともに、この推定車体速度に応じて設定される基準
    速度と各車輪速度との比較、および基準加速度と各車輪
    加速度との比較により、当該車輪のブレーキ圧力を少な
    くとも減圧,増圧して調節し、各車輪に過度のスリップ
    が発生することを防止するアンチスキッド制御を実行す
    る車両用アンチスキッド制御装置において、 アンチスキッド制御前に、後輪車輪速度よりも前輪車輪
    速度が低い状態が継続しているときに、後輪車輪速度か
    ら前輪車輪速度を減算した値を積算する前後輪速度差積
    算手段と、 アンチスキッド制御前に、車輪速度が低減速度で推移す
    る状態を検出する低減速状態検出手段と、 上記前後輪速度差積算手段にて積算値が所定積算値以上
    となった条件と、上記低減速状態検出手段にて車輪速度
    が低減速度で推移する状態が所定時間継続した条件とが
    満足された場合に、ブレーキ圧力増圧停止または減圧
    する確認用圧力調整手段と、 上記確認用圧力調整手段によりブレーキ圧力を増圧停止
    または減圧した後の所定期間内の車輪速度の変化を検出
    し、その変化が小さい場合にアンチスキッド制御を氷上
    路の路面摩擦係数に対応する制御に設定する氷上路制御
    設定手段と、 を備えたことを特徴とするアンチスキッド制御装置。
  12. 【請求項12】 車両の制動時に、当該車両の各車輪の
    車輪速度に基づいて路面摩擦係数に対応する限界減速度
    による車体速度の変化の範囲内で推定車体速度を算出す
    るとともに、この推定車体速度に応じて設定される基準
    速度と各車輪速度との比較、および基準加速度と各車輪
    加速度との比較により、当該車輪のブレーキ圧力を少な
    くとも減圧,増圧して調節し、各車輪に過度のスリップ
    が発生することを防止するアンチスキッド制御を実行す
    る車両用アンチスキッド制御装置において、 アンチスキッド制御前に、後輪車輪速度よりも前輪車輪
    速度が低い状態が継続しているときに、後輪車輪速度か
    ら前輪車輪速度を減算した値の積算値の時間変化を検出
    する前後輪速度差変化検出手段と、 アンチスキッド制御前に、車輪速度が低減速度で推移す
    る状態を検出する低減速状態検出手段と、 上記前後輪速度差変化検出手段にて検出された後輪車輪
    速度から前輪車輪速度を減算した値の積算値の時間変化
    が初期の時間変化よりも所定変化以上大きくなった条件
    と、上記低減速状態検出手段にて車輪速度が低減速度で
    推移する状態が所定時間継続した条件とが満足された場
    合に、ブレーキ圧力増圧停止または減圧する確認用圧
    力調整手段と、 上記確認用圧力調整手段によりブレーキ圧力を増圧停止
    または減圧した後の所定期間内の車輪速度の変化を検出
    し、その変化が小さい場合にアンチスキッド制御を氷上
    路の路面摩擦係数に対応する制御に設定する氷上路制御
    設定手段と、 を備えたことを特徴とするアンチスキッド制御装置。
  13. 【請求項13】 氷上路制御設定手段が、条件が満足さ
    れた場合に、更に、推定車体速度として、車両の制動開
    始時から経過時間に基づいて算出される氷上路用目標車
    体速度を設定する請求項1〜12のいずれか記載のアン
    チスキッド制御装置。
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