JP3607318B2 - 車両用アンチスキッド制御装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明はアンチスキッド制御装置に関し、特にスピン状態におけるアンチスキッド制御に関する。
【0002】
【従来の技術】
アンチスキッド制御装置は、車輪の回転特性に関連した検出値に基づき、車輪の過度のスリップ状態を抑制するようにブレーキ圧力を調整している。例えば、車輪の速度(車輪速度)と基準速度との比較(更に車輪の減速度と基準減速度との比較も加えることがある)により、車輪に過度のスリップが生じると判断したときに車輪のブレーキ圧力を調整している。
【0003】
ところで、車両は、ハンドルを切りながらブレーキをかけた場合等において、後輪側が滑りすぎてスピン状態になることがある。その際、車輪は地面による摩擦の影響で車輪速度が比較的大きな減速度でもって低下する。この場合、アンチスキッド制御装置においては、車輪のロック傾向が大きいという判断になり、その結果、ブレーキペダルを踏み込んでもブレーキ圧力を減圧させるような制御が実行される。その後、車両がスピン終了後に直進走行を始めた段階においても、その時点の車輪速度は基準速度よりも低いので、上記減圧制御が継続され、制動力の低下が続く。このため、車両は、ブレーキがかけられ、かつ低車速であるにもかかわらず、停車するまでにしばらく走行状態を継続してしまう。
【0004】
これを解決するものとして、特開平5−69812号公報記載の技術がある。この技術は、各車輪にブレーキ圧力を減少せしめていく制御もしくは所定の減圧状態で保持する制御がなされて、全車輪につきブレーキ圧力が増大しない状態が所定時間以上継続したときに、車両にスピンを生じていると判定し、そのときに上記車輪のブレーキ圧力を増大させるものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来技術にて、車両がスピンであるか否かは、ブレーキ圧力の減少あるいはその保持状態にある時間が所定時間以上継続したか否かにより、判定している。しかし、氷上路のような低路面摩擦係数の路面の走行においても、同様な継続時間、ブレーキ圧力減少・保持が続くことがある。氷上路等において、スピンと判断されて増圧側に制御がなされれば、車輪のロック傾向を助長することがある。
【0006】
本発明は、車両のスピンに対して速やかに効果的な対応をするべく車両のスピンを正確に検出することができるようにすることにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、図9に例示するごとく、
車輪の回転特性に関連した検出値に基づき、車輪の過度のスリップ状態を抑制するようにブレーキ圧力を調整する車両用アンチスキッド制御装置において、
重心が前方にある車両の有する4輪の車輪速度を検出する車輪速度検出手段と、
前記車輪の過度のスリップ状態を抑制するようにブレーキ圧力を制御しても当該過度のスリップ状態が解消されない状態が所定期間継続する条件、および前記車輪速度検出手段によって検出される4輪の車輪速度の内、前後輪の各1輪の車輪速度が実質的に零となる条件が満足された場合に車両がスピン状態であると判定するスピン状態判定手段と、
前記スピン状態判定手段によって車両がスピン状態にあると判定されたときに、車輪のブレーキ圧力を増圧する増圧制御手段と、
を備えることを特徴とする車両用アンチスキッド制御装置である。
【0008】
請求項2記載の発明は、
上記スピン状態判定手段が、更に、前輪の車輪速度が実質的に零となるタイミングと後輪の車輪速度が実質的に零となるタイミングとの時間差が所定時間以内である条件が満足された場合に車両がスピン状態であると判定する請求項1記載の車両用アンチスキッド制御装置である。
【0009】
請求項3記載の発明は、
車輪の回転特性に関連した検出値に基づき、車輪の過度のスリップ状態を抑制するようにブレーキ圧力を調整する車両用アンチスキッド制御装置において、
重心が前方にある車両の有する4輪の車輪速度を検出する車輪速度検出手段と、
前記車輪の過度のスリップ状態を抑制するようにブレーキ圧力を制御しても当該過度のスリップ状態が解消されない状態が所定期間継続する条件、および前記車輪速度検出手段によって検出される4輪の車輪速度の内、前輪の1輪と後輪の2輪の車輪速度が実質的に零となる条件が満足された場合に車両がスピン状態であると判定するスピン状態判定手段と、
前記スピン状態判定手段によって車両がスピン状態にあると判定されたときに、車輪のブレーキ圧力を増圧する増圧制御手段と、
を備えることを特徴とする車両用アンチスキッド制御装置である。
【0013】
請求項記載の発明は、
ブレーキ圧力の調節が、車輪の回転特性に関連した検出値と基準値との比較により、車輪の過度のスリップを抑制するようなされている場合に、増圧制御手段が、前記スピン状態判定手段によって車両がスピン状態にあると判定されたときに、上記基準値をより低い別の基準値に切り替える請求項1〜のいずれか記載の車両用アンチスキッド制御装置である。
【0014】
請求項記載の発明は、
上記増圧制御手段の代わりに、
前記スピン状態判定手段によって車両がスピン状態にあると判定されたときに、アンチスキッド制御を停止するアンチスキッド制御停止手段を備えた請求項1〜のいずれか記載の車両用アンチスキッド制御装置である。
【0015】
【作用及び発明の効果】
車両がスピンする場合は、低路面摩擦係数の路面にて車輪がロック傾向、即ち過度のスリップ状態となるのと同様に車輪速度が急速に低下するが、この他に、低路面摩擦係数の路面にては発生しない現象が生じる。即ち、少なくとも1輪の車輪速度が一旦は零となる現象が生じることである。
【0016】
通常、アンチスキッド制御している際には、車輪が過度のスリップ状態となることはあっても、いずれかの車輪が速度零となることはない。
スピン時に、例えば車両が後向きになる場合、図8に示すごとく(a)〜(d)の状態を順次、経て行く。このため、車両Mに対して必ず前後のいずれかの車輪T1,T2が、直角方向となる状態が生じる。後輪T2なら例えば(c)の状態である。このように直角となった場合には、車両Mがスピンしながら前進しているにもかかわらず、車輪速度は零となる。このため、アンチスキッド制御中にいずれかの車輪T1,T2の速度が、一時的にでも零となることがあれば、車両がスピンしていると正確に判定できる。
【0017】
したがって、請求項1記載の発明は、スピン状態判定手段が、車輪の過度のスリップ状態を抑制するようにブレーキ圧力を制御しても当該過度のスリップ状態が解消されない状態が所定期間継続する条件、および前記車輪速度検出手段によって検出される4輪の車輪速度の内、前後輪の各1輪の車輪速度が実質的に零となる条件が満足された場合に車両がスピン状態であると判定する。このことにより、車両のスピンを正確に検出できる。そして、前記スピン状態判定手段によって車両がスピン状態にあると判定されたときに、増圧制御手段は車輪のブレーキ圧力を増圧する。このことにより、速やかに効果的な制動を実施できる。またスピン状態に無いと判定された場合は、氷上路等の低路面摩擦係数の路面走行であることから、通常のアンチスキッド制御を実施でき、制動距離を短くすることができる。スピン状態では、車輪がしっかり路面に接触していれば、全ての車輪が1回は速度零となるはずである。したがって、全輪が所定時間内に一度は車速零となったことを検出すれば、スピンが生じたと判定することが、最も好ましい判定方法である。しかし、実際には、車輪が路面から離れる場合がある。特に通常の自動車のごとく重心が前方に有る場合は、スピン時に前輪のいずれかが路面から離れやすい。したがって、請求項1のごとく、前後輪の各1輪の車輪速度が実質的に零となった場合に、スピンと判定する。前後の各1輪の車輪速度が零となる場合はスピン状態であることがほぼ確実と言える。したがって、ノイズ的に一瞬、車輪速度が零と検出されてもその状態を排除することができ、より正確な車両スピンの検出が可能となる。
【0021】
上記スピン状態判定手段に対して、更に、前輪の車輪速度が実質的に零となるタイミングと後輪の車輪速度が実質的に零となるタイミングとの時間差が所定時間以内である条件を付加して、その条件も加えた全条件が満足された場合に車両がスピン状態にあると判定してもよい。
【0022】
一つのスピンにより生じた前輪の該当車輪の車輪速度が実質的に零となるタイミングと後輪の該当車輪の車輪速度が実質的に零となるタイミングとは、ある所定時間内で生じるのが普通であり、あまり時間的に離れていると、両者は異なる原因にて車速零になったものと考えられ、スピンではない可能性が高まる。したがって、両タイミングが所定時間内で生じた場合に車両がスピンしたと判定した方が一層精度の高いスピン検出となる。
【0023】
請求項3に係る車両用アンチスキッド制御装置の場合には、スピン状態判定手段が、車輪の過度のスリップ状態を抑制するようにブレーキ圧力を制御しても当該過度のスリップ状態が解消されない状態が所定期間継続する条件、および前記車輪速度検出手段によって検出される4輪の車輪速度の内、前輪の1輪と後輪の2輪の車輪速度が実質的に零となる条件が満足された場合に車両がスピン状態であると判定する
スピン状態では、車輪がしっかり路面に接触していれば、全ての車輪が1回は速度零となるはずである。したがって、全輪が所定時間内に一度は車速零となったことを検出すれば、スピンが生じたと判定することが、最も好ましい判定方法である。しかし、実際には、車輪が路面から離れる場合がある。特に、スピン状態では、左右一方の車輪が路面から離れる場合がある。また、特に通常の自動車のごとく重心が前方に有る場合は、スピン時に前輪のいずれかが路面から離れやすい。このような場合を考慮して、前輪の1輪と後輪の2輪が零となった場合に、車両がスピン状態にあると判定することが、実際上、より正確にスピンを検出することができる上で好ましい。また、3輪を構成する前輪の車輪速度が零となるタイミングと後輪の車輪速度が共に零となるタイミングとの時間差が所定時間以内である場合に、車両がスピン状態にあると判定すれば、更に、正確にスピンを検出することができる。
【0024】
上記ブレーキ圧力の調節が、車輪の回転特性に関連した検出値と基準値との比較により、車輪の過度のスリップを抑制するようなされている場合に、増圧制御手段として、前記スピン状態判定手段によって車両がスピン状態にあると判定されたときに、上記基準値をより低い別の基準値に切り替えるようにしてもよい。
【0025】
増圧制御手段は、車両がスピン状態にあると判定された場合に、上記基準値をこれよりも小さい値を持つ別の基準値に切り換えれば、この基準値に対して車輪の回転特性に関連した検出値(例えば車輪速度)が大きくなるのが早期となる。したがってアンチスキッド制御により急速にブレーキ圧力を上昇させることとなり、早めにスピンによる車両の不安定状態から抜け出して車両を安定化させることができる。
【0026】
また、上記増圧制御手段の代わりに、前記スピン状態判定手段によって車両がスピン状態にあると判定されたときに、アンチスキッド制御を停止するアンチスキッド制御停止手段を備えてもよい。即ち、アンチスキッド制御時には、ドライバーによりブレーキがかけられているので、そのブレーキ圧力を、アンチスキッド制御が調整せずに、ドライバーの踏み込み力そのものに任せることにより、スピン時の車両の不安定性を早期に解消させることができる。
【0027】
【実施例】
本発明の一実施例を図1以下に示す。
図1は、本発明の一実施例としてのアンチスキッド制御装置の構成を示す説明図である。図1において、ブレーキペダル20は、真空ブースタ21を介してマスタシリンダ28に連結されている。したがって、ブレーキペダル20を踏むことによりマスタシリンダ28に油圧が発生し、この油圧は、各車輪(左前輪FL、右前輪FR、左後輪RL、右後輪RR)に設けられたホイールシリンダ31,32,33,34に供給され、ブレーキ圧力が発生する。
【0028】
マスタシリンダ28は互いに同じ圧力のブレーキ油圧を発生する2つの圧力室(図示せず)を有し、各圧力室にはそれぞれ供給管40,50が接続されている。
供給管40は連通管41,42に分岐している。連通管41は、電磁弁60aを介して、ホイールシリンダ31に連通するブレーキ管43と接続されている。同様に、連通管42は、電磁弁60cを介して、ホイールシリンダ34に連通するブレーキ管44と接続されている。
【0029】
供給管50も供給管40と同様な接続関係にあり、連通管51,52に分岐している。連通管51は、電磁弁60bを介して、ホイールシリンダ32に連通するブレーキ管53と接続されている。同様に、連通管52は、電磁弁60dを介してホイールシリンダ33に連通するブレーキ管54と接続されている。
【0030】
また、ホイールシリンダ33,34に接続されるブレーキ管54,44中には公知のプロポーショニングバルブ59,49が設置されている。このプロポーショニングバルブ59,49は、後輪RL、RRに供給されるブレーキ油圧を制御して前後輪FL〜RRの制動力の分配を理想に近づけるものである。
【0031】
各車輪FL〜RRには、車輪の回転速度を捉えるための電磁ピックアップ式の車輪速度センサ71,72,73,74が設置され、電子制御回路(ECU)80にその信号が入力される。ECU80は、入力された各車輪FL〜RRの車輪速度に基づいて各ホイールシリンダ31〜34のブレーキ油圧を制御すべく、電磁弁60a〜60dに対して駆動信号を出力する。
【0032】
電磁弁60a,60b,60c,60dは、3ポート3位置型の電磁弁で図1のA位置においては、連通管41,42,51,52とブレーキ管43,44,53,54とをそれぞれ連通し、B位置においては、連通管41,42,51,52、ブレーキ管43,44,53,54、枝管47,48,57,58間を全て遮断する。また、C位置においては、ブレーキ管43,44,53,54と、枝管47,48,57,58とをそれぞれ連通する。
【0033】
枝管47,48はともに排出管81に接続され、枝管57,58はともに排出管91に接続される。これら排出管81,91は、それぞれリザーバ93a,93bに接続されている。リザーバ93a,93bは、各電磁弁60a〜60dがC位置のとき、各ホイールシリンダ31〜34から排出されるブレーキ液を一時的に蓄えるものである。このため電磁弁60a〜60dでは、A位置においてはホイールシリンダ31〜34のブレーキ油圧を増圧し、B位置においてはそのブレーキ油圧を保持し、C位置においてはそのブレーキ油圧を減圧することができる。
【0034】
ポンプ99a,99bは、リザーバ93a,93bに蓄積されたブレーキ液を汲み上げてマスタシリンダ28側に還流させる。また、チェック弁97a,98a,97b,98bは、リザーバ93a,93bから汲み上げられたブレーキ液が、再びリザーバ93a,93b側に逆流するのを防ぐためのものである。
【0035】
なお、ストップスイッチ10は、運転者がブレーキペダル20を踏んでいるか否かを検出するものである。
次に、このように構成された本実施例においてECU80が実行するアンチスキッド制御について図2以下に基づき説明する。ECU80は、マイクロコンピュータとして構成され、公知のCPU,ROM,RAM,I/Oを備えている。ROMにはアンチスキッド制御を実行するためのプログラムが格納されている。
【0036】
図2はアンチスキッド制御の全体を示すフローチャートである。イグニッションスイッチがオンされると、先ずステップ100にて各種フラグのリセットなどCPU内部の初期化を行う。続くステップ200では、各センサ・スイッチからの検出信号を読み込む。例えば、車輪速度センサ71〜74からの回転速度信号を検出し、パルス入力時刻の記憶を行う。ステップ300ではステップ200での時刻を基に、各車輪FL〜RRの回転速度(車輪速度)VWおよび車輪加速度GWを個々に求める。次にステップ400にて、推定車両速度(車速)VBが求められる。また、図示しないがアンチスキッド制御の開始直前に得られた車輪加速度GWにより、別途、推定路面摩擦係数μが求められている。
【0037】
推定車両速度VBは、ステップ300で得られた各車輪速度VWの内の最大車輪速度VWMAXと、限界減速度勾配VDOWNで低下させることにより得られる速度とのいずれか大きい方を、限界加速度勾配VUPで得られる車速を上限として設定される。これを式で表すと、次の式1のようになる。
【0038】
【数1】
Figure 0003607318
【0039】
尚、ここで(n)は今回の値を、(n−1)は前回の制御周期で得られている値を表す。
限界減速度勾配VDOWNとは、路面が実際に上記推定路面摩擦係数μと同じ摩擦係数であった場合に得られる車両の最大の減速度(車速の下降勾配)を示すものであり、限界加速度勾配VUPとは、路面が実際に推定路面摩擦係数μと同じ摩擦係数であった場合に得られる車両の最大の加速度(車速の上昇勾配)を示すものであり、それぞれ推定路面摩擦係数μの大きさに対応して設定され、これ以上の減速度あるいは加速度で、車両は減速あるいは加速できないことを意味する。
【0040】
次にステップ500にて、車輪がスリップの程度を判定しブレーキ圧力を調整するためのスリップ基準速度V0(基準値)の設定がなされる。このスリップ基準速度V0はステップ400にて求められた推定車両速度VBに基づいて定められる。なお、スリップ基準速度V0 の設定方法は周知の事項(例えば、特開平3−54058号公報)であるので、ここでは詳述しない。
【0041】
次にステップ600にて、動作モード設定処理が行われる。ステップ300,500で求めた車輪速度VWとスリップ基準速度V0との比較、および車輪加速度GWと減圧基準加速度G1,増圧基準加速度G2との比較により各車輪FL〜RRのスリップ状態を判定し、電磁弁60a〜60dの動作モードを増圧モード,保持モード,減圧モードに切り換える。
【0042】
ここで、車輪速度VWがスリップ基準速度V0以下に低下し、車輪加速度GWが減圧基準加速度G1以下に低下したとき、車輪のスリップ状態が過度になったとみなし、即ち、アンチスキッド制御開始条件が満足されたとして、動作モードを減圧モードに切り換えてアンチスキッド制御を開始する。
【0043】
なお、図2のフローチャートに示すアンチスキッド制御処理が実行されているのみでは、ブレーキ圧力を好適に調節して制動距離を短くする制御、いわゆるアンチスキッド制御が実行されているとは限らない。上述したアンチスキッド制御開始条件が満足されることによりステップ600でブレーキ圧力を好適に調節する処理が開始されてアンチスキッド制御が始まる。したがって、以下の説明で、アンチスキッド制御中というのは、このステップ600にて、アンチスキッド制御開始条件が満足されてアンチスキッド制御が開始された後から、後述するような停止条件あるいは一般的なアンチスキッド制御停止条件が成立して制動距離を短くするためのブレーキ圧力の調節をしなくなるまでの期間に存在する状態をいう。
【0044】
続くステップ700では、ステップ600で設定された動作モードに従って電磁弁切換制御信号を出力して、電磁弁60a〜60dを駆動する。その後、所定時間経過毎に繰り返しステップ200から処理を行う。
次に、ステップ600で実行される動作モード設定処理を、図3〜図6のフローチャートに基づいて説明する。尚、本フローチャートはスピン時の動作モードについて詳述し、他の動作モードの設定については周知のごとくであるので詳述しない。
【0045】
まずスピン状態を判定するために条件A成立判定処理(図3)、条件B,C成立判定処理(図4)およびスピン判定処理(図5)が実行され、その結果に基づいて、動作モード決定処理(図6)にて、スピン時の制御モードあるいは通常のブレーキ圧力制御モードが設定される。なお、これらの各処理は、所定時間経過毎に繰り返し実行されるもので、特に条件B,C成立判定処理は、車両の前後輪を対象に個別に実行される。
【0046】
まず、条件A成立判定処理(図3)のステップ602にて、スピンの可能性が高いことを表す条件Aの成立が判定される。成立していなければ、今回の処理にて成立したかを判断すべく、車輪FL〜RRが4輪とも減圧または減圧保持状態にあるトータルの継続時間が所定時間KT1を越えているか判定される(ステップ604)。この判定により、スピンの可能性が有るか否かを確認するのである。 減圧または減圧保持状態にあるトータルの継続時間が所定時間KT1を越えていなければ、このまま処理を抜けるが、4輪とも所定時間KT1を越えれば、条件Aが成立したとしてフラグFAがセットされる(ステップ606)。次回の条件A成立判定処理の実行時には、ステップ602では肯定判定されて、ステップ608にてアンチスキッド制御中か判定される。アンチスキッド制御中であれば、次に1輪以上の車輪FL〜RRが増圧または増圧保持状態にあるトータルの継続時間が所定時間KT2を越えているかが判定される(ステップ610)。越えていなければスピンの可能性が高い状態が継続しているとして、このまま条件A成立判定処理を抜け、フラグFAのセットを維持する。
【0047】
もし、ステップ610にて、1輪以上の車輪FL〜RRが増圧または増圧保持状態にあるトータルの継続時間が所定時間KT2を越えていると判定された場合には、氷上路の走行であると判断できるので、スピン状態ではないとしてフラグFAがリセットされる(ステップ612)。またアンチスキッド制御が終わっている状態にても、スピンを判定する必要がないのでステップ608にて否定判定され、フラグFAがリセットされる(ステップ612)。
【0048】
次に、条件B,C成立判定処理(図4)のステップ622にてアンチスキッド制御中か否かが判定される。アンチスキッド制御中であれば次にフラグFAがセットされているか判定される(ステップ624)。フラグFAがセットされていなければ、フラグFB,FCをリセットして(ステップ626)、一旦、条件B,C成立判定処理(図4)を抜ける。
【0049】
ステップ624にてフラグFAがセットされていると判定された場合、即ち、条件A成立判定処理(図3)のステップ606の実行によりフラグFAがセットされた状態が継続している場合には、今回の処理対象が前輪FL,FRであるか否かが判定される(ステップ628)。前輪FL,FRであれば、一輪以上の車輪速度VWが零である時間が所定時間KT3より長く継続しているか否かが判定される(ステップ630)。即ち、前輪FL,FRの内、いずれか1輪の車輪速度VWが零となっている時間が所定時間KT3を越えて継続しているか否かが判定される。継続していなければこのまま条件B,C成立判定処理を一旦抜けるが、継続していればフラグFBがセットされる(ステップ632)。
【0050】
次に後輪が処理対象になった場合、ステップ628にて否定判定されて次に後輪の両輪(左右輪)とも車輪速度VWが零の時間が所定時間KT4を越えて継続しているか否かが判定される(ステップ634)。継続していなければこのまま条件B,C成立判定処理を一旦抜けるが、継続していればフラグFCがセットされる(ステップ636)。
【0051】
尚、ステップ632にてフラグFBがセットされた場合、あるいはステップ636にてフラグFCがセットされた場合の、いずれか早い処理にてECU80内のタイマーがセットされ、ステップ632,636のいずれか遅い処理にてタイマーが記録される。即ち、フラグFB,FCが両者ともリセットされている状態からフラグFB,FCのいずれか一方がセットされた状態に移行した時から、フラグFB,FCの残りの他方がセットされた時までの時間を計測して記憶している。ステップ626により、フラグFB,FCがリセットされた場合にはタイマーはリセットされ、タイマーカウントは停止される。
【0052】
次にスピン判定処理(図5)について説明する。この処理は条件Aの成立を前提として判定される条件B,Cの成立状態からスピン状態かそれ以外の状態かを判定するものである。
まず、ステップ642にてアンチスキッド制御中か否かが判定され、アンチスキッド制御中でなければ、スピン状態はリセットされる(ステップ644)。アンチスキッド制御中であれば、次に条件Bの成立の判定(ステップ646)、条件Cの成立の判定(ステップ648)、および前述した条件B成立と条件C成立の時間差が所定時間KT5未満か否かが判定される(ステップ650)。これらの内、1つでも満足されないと、このまま一旦、スピン判定処理(図5)を抜ける。
【0053】
もし、ステップ646,648,650の全てが満足された場合に、スピン状態のセットがなされる。即ち、ここで初めてスピンであると判定する(ステップ652)。
次に動作モード決定処理(図6)が実行される。まずアンチスキッド制御中か否かが判定され(ステップ662)、更にスピン状態か否かが判定される(ステップ664)。いずれかの条件が満足されないと、ステップ666で通常のブレーキ圧力制御モード設定処理が実行される。即ち、ステップ662でアンチスキッド制御中でないとしてステップ666が実行された場合には、ステップ700にては、ドライバーがブレーキペダル20を踏むことによりマスタシリンダ28に発生した油圧は、各車輪(左前輪FL、右前輪FR、左後輪RL、右後輪RR)に設けられたホイールシリンダ31,32,33,34にそのまま供給される。即ち、電磁弁60a〜60dを、A位置に維持して、ドライバーの踏み込みにより生じた油圧をそのままホイールシリンダ31〜34に伝達させる。
【0054】
またステップ664にてスピン状態でないとしてステップ666が実行された場合には、通常のアンチスキッド制御により行われるスリップ制御がステップ700で行われる。即ち、例えば、スリップ基準速度V0に比較して車輪速度VWが低く、かつ車輪加速度GWが減圧基準加速度G1より低くなれば、電磁弁60a〜60dをC位置としてブレーキ圧力を低下させて車輪速度VWの低下を抑制する。そして、車輪加速度GWが増圧基準加速度G2(>G1)まで復帰すると、電磁弁60a〜60dをB位置としてブレーキ圧力を低下させたまま維持し、車輪速度VWを上昇させる。更に、スリップ基準速度V0に車輪速度VWが達すると、電磁弁60a〜60dをA位置として急速にブレーキ圧力を上昇し、このことにより加速度GWが低下して零となると、電磁弁60a〜60dをA位置とB位置との間を短い間隔で切り替えて、ブレーキ圧力を緩い増圧状態とし、更に、スリップ基準速度V0および減圧基準加速度G1まで、車輪速度VWおよび車輪加速度GWが低下すると、最初と同様に電磁弁60a〜60dをC位置としてブレーキ圧力を低下させて車輪速度VWの低下を抑制する処理が繰り返して行われ、制動時のスリップ率を好適な状態として、制動距離を最短となるように制御する。
【0055】
ステップ662,664の両方の条件が満足されると、ステップ668にてスピン時制御モード処理がなされる。即ち、スピン時には、通常のアンチスキッド制御を行ってしまうと、前述したごとく、ブレーキ圧力が低下して、車両の不安定性を増すこととなる。このため、ステップ668のスピン時制御モード処理では、ブレーキ圧力の低下を防止したり、あるいは増圧する処理がなされる。
【0056】
スピン時制御モード処理を例示すると、推定車両速度VBを別の基準値に切り替える処理が挙げられる。この例を図7のタイミングチャートに示す。時刻t0から制動が始まると、限界減速度勾配VDOWNにて設定される推定車両速度VBに基づいて設定されるスリップ基準速度V0よりも前輪FL,FRの車輪速度VWが時刻t1で低くなり前輪FL,FRのブレーキ圧力が減圧され、更に時刻t2でスリップ基準速度V0よりも後輪RL,RRの車輪速度VWが低くなりブレーキ圧力が減圧され、アンチスキッド制御が開始される。時刻t3にて4輪の減圧あるいは減圧保持の継続時間が所定時間KT1を経過したことから、フラグFAがセットされる(ステップ606)。その後、時刻t4にて前輪FL,FRの車輪速度VWが零となり、この前輪車輪速度VW=0の継続時間が時刻t5にて所定時間KT3を経過するので、フラグFBがセットされる(ステップ632)。更に、時刻t6にて後輪RL,RRの車輪速度VWが零となり、この後輪車輪速度VW=0の継続時間が時刻t7にて所定時間KT4を経過するので、フラグFCがセットされる(ステップ636)。
【0057】
そして、時刻t5と時刻t7との時間差ΔTが所定時間KT5よりも小さいことから、スピン状態がセットされる(ステップ652)。このことにより、時刻t7以後は、上記式1によって設定された推定車両速度VBを用いず、上記式1の限界加速度勾配VUP=0として設定した推定車両速度VB′を用いる。これによりスリップ基準速度V0も上昇しなくなる。
【0058】
スピンした車両は時刻t5前後で横向きとなり、更に時刻t7前後で後向きとなって、慣性で走行し始めた場合、車輪速度VWが上昇し、推定車両速度VBに到達する。通常のアンチスキッド制御ならば、上記式1に基づいて算出されるため、前輪FL,FRの車輪速度VWと推定車両速度VBとはほぼ同一となって、共に上昇するため、車輪速度VWがスリップ基準速度V0よりも十分に高くなるということはない。しかし、ここでは、ステップ668にてスピン時の制御モードが設定されているため、推定車両速度VB′およびスリップ基準速度V0は時刻t7の速度から上昇することはない。
【0059】
このため車輪速度VWはスリップ基準速度V0を横切った(時刻t8,t9)後、スリップ基準速度V0よりも十分に高い速度となる。したがって、時刻t8,t9以後、アンチスキッド制御により急速にブレーキ圧力が上昇し、車輪FL,FR,RL,RRの回転を十分に抑制することができ、車両の不安定な状態を早期に解消できる。
【0060】
もし、推定車両速度VBを用いると、図7では時刻t8付近で推定車両速度VBが前輪車輪速度VWと交差し、その後は、上述したごとく推定車両速度VBはほぼ前輪車輪速度VWと同じとなって、前輪車輪速度VWはスリップ基準速度V0とほとんど差がない状態が継続する。したがって、前輪も後輪も共にほとんどブレーキ圧力が上がらない状態で推移し、車両が安定化しない。即ち、後向きとなった車両が後向きに走行をはじめてしまう恐れがある。本実施例では十分にブレーキ力が働くので後向きとなっても直ちに停止され、車両の不安定状態が早期に解消する。
【0061】
スピン時制御モード処理の他の例としては、スピンが判明した時点で更に急速にブレーキ圧力を上昇させるために、推定車両速度VB′を上記方法で設定するのではなく、より下方修正して設定してもよい。この様にすれば、図7の例ではスピンが判定された時刻t7後、直ちに、前輪車輪速度VWと、推定車両速度VBおよびスリップ基準速度V0との差を、十分に大きくすることができる。したがって、スピン判定がなされた直後に、アンチスキッド制御により急速にブレーキ圧力が上昇し、車輪FL,FR,RL,RRの回転を十分に抑制することができ、車両の不安定な状態を一層早期に解消できる。
【0062】
スピン時制御モード処理の更に他の例としては、アンチスキッド制御を停止することにより、ブレーキ圧力を急速に上昇させるようにしてもよい。即ち、ブレーキ圧力を調整しているのはアンチスキッド制御によるのであるから、このアンチスキッド制御をスピンの判定があった場合には、直ちに停止することにより、電磁弁60a〜60dをA位置に維持して、ドライバーの踏み込みにより生じた油圧をそのままホイールシリンダ31〜34に伝達させることができる。したがって、スピン判定がなされた直後に、急速にブレーキ圧力が上昇し、車輪FL,FR,RL,RRの回転を十分に抑制することができ、車両の不安定な状態を一層早期に解消できる。
上記実施例のステップ634において、後輪の両輪(左右輪)とも車輪速度VWが零の状態が所定時間KT4を越えて継続しているか否かが判定されているが、ステップ630の場合と同様に、後輪RL,RRの内、いずれか1輪の車輪速度VWが零となっている状態が所定時間KT4を越えて継続しているか否かを判定するものとしてもよい。ただし、両輪RL,RRを判定する方が、スピンを一層正確に判定できるので好ましい。勿論、前輪FL,FRも後輪RL,RRも共に両輪を判定してもよいが、実際の自動車車両のごとく重心が前方に有る場合は、スピン時に前輪FL,FRのいずれかが路面から離れやすい。このような場合を考慮して、前輪FL,FRの少なくとも1車輪の車輪速度VWが零となり後輪RL,RRの両輪が共に零となった場合に、車両がスピン状態にあると判定することが、実際上、最も正確にスピンを検出することができる。
【0063】
またステップ650にては、条件B成立と条件C成立の時間差が所定時間KT5未満か否かを判定していたが、一連のアンチスキッド制御の中で、条件Bと条件Cとが生じれば、ほぼスピンであると判断できるので、ステップ650は設けなくてもよい。ただし、条件Bと条件Cとはスピンであれば十分に短い時間間隔で生じることから、ステップ650の判断を加えることは、正確なスピン検出上、望ましい。
【0064】
また、ステップ630,634にて車輪速度VW=0が所定時間KT3,KT4継続することが条件として含まれているが、継続時間を限らず、前後輪の車輪速度VW=0が満足された場合にステップ630,634にて肯定判定し、条件Bセット(ステップ632)または条件Cセット(ステップ636)を行ってもよい。ただし、ノイズ等を考慮すると所定時間KT3,KT4の継続を条件とすることが望ましい。
【0065】
また、上述した車輪速度が零であるという条件として、全輪の内で1輪のみが車輪速度VW=0となった場合であってもよいし、全輪の内で2輪のみが車輪速度VW=0となった場合であってもよい。更に前者の場合、1輪のみが車輪速度VW=0となっている時間が所定時間継続することを条件に加えてもよいし、後者の場合、2輪の各々が車輪速度VW=0となっている時間がそれぞれ所定時間継続することを条件に加えてもよい。また後者の場合に前輪のいずれかの1輪と後輪のいずれかの1輪とが、車輪速度VW=0となった場合であってもよい。
【0066】
上述した車輪速度は、車輪速度センサ71,72,73,74のパルス信号の間隔に基づいて算出されるが、きわめて低い速度、例えば、1km/h以下では、パルス信号の間隔から算出している性質上、安定した速度を得ることができないため、このような状態を速度0km/hとしている。したがって、実施例の各所で、車輪速度VW=0と記載しているのは、このような状態を意味している。実際に、このような車輪速度零の検出で十分に目的とする効果を発揮することが可能だからである。勿論、他のセンサにて完全に車輪の回転が零となった場合を捉えても構わない。このように、完全に車輪速度が零の場合も含めて、車輪速度センサ71,72,73,74等の各種センサにて零と判断される範囲を、「実質的に零」と表現している。
【0067】
上記実施例において、車輪速度センサ71,72,73,74が車輪速度検出手段の一部の機能を果たし、ECU80が実行するステップ200,300の処理が車輪速度検出手段としての処理に該当し、ステップ602〜652の処理がスピン状態判定手段としての処理に該当し、ステップ662,664,668の処理が増圧制御手段(あるいはアンチスキッド制御停止手段)としての処理に該当する。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例のアンチスキッド制御装置の構成説明図である。
【図2】アンチスキッド制御の全体を示すフローチャートである。
【図3】その動作モード設定処理の内、条件A成立判定処理のフローチャートである。
【図4】動作モード設定処理の内、条件B,C成立判定処理のフローチャートである。
【図5】動作モード設定処理の内、スピン判定処理のフローチャートである。
【図6】動作モード設定処理の内、動作モード決定処理のフローチャートである。
【図7】実施例の処理を表すタイミングチャートである。
【図8】車両のスピン状態の説明図である。
【図9】発明の構成を例示する説明図である。
【符号の説明】
10…ストップスイッチ
20…ブレーキペダル
21…真空ブースタ
28…マスタシリンダ
31,32,33,34…ホイールシリンダ
40,50…供給管
41,42,51,52…連通管
43,44,53,54…ブレーキ管
47,48,57,58…枝管
59,49…プロポーショニングバルブ
60a,60b,60c,60d…電磁弁
71,72,73,74…車輪速度センサ
80…ECU
81,91…排出管
93a,93b…リザーバ
97a,98a,97b,98b…チェック弁
99a,99b…ポンプ
FL…左前輪 FR…右前輪
RL…左後輪 RR…右後輪

Claims (5)

  1. 車輪の回転特性に関連した検出値に基づき、車輪の過度のスリップ状態を抑制するようにブレーキ圧力を調整する車両用アンチスキッド制御装置において、
    重心が前方にある車両の有する4輪の車輪速度を検出する車輪速度検出手段と、
    前記車輪の過度のスリップ状態を抑制するようにブレーキ圧力を制御しても当該過度のスリップ状態が解消されない状態が所定期間継続する条件、および前記車輪速度検出手段によって検出される4輪の車輪速度の内、前後輪の各1輪の車輪速度が実質的に零となる条件が満足された場合に車両がスピン状態であると判定するスピン状態判定手段と、
    前記スピン状態判定手段によって車両がスピン状態にあると判定されたときに、車輪のブレーキ圧力を増圧する増圧制御手段と、
    を備えることを特徴とする車両用アンチスキッド制御装置。
  2. 上記スピン状態判定手段が、更に、前輪の車輪速度が実質的に零となるタイミングと後輪の車輪速度が実質的に零となるタイミングとの時間差が所定時間以内である条件が満足された場合に車両がスピン状態であると判定する請求項1記載の車両用アンチスキッド制御装置。
  3. 車輪の回転特性に関連した検出値に基づき、車輪の過度のスリップ状態を抑制するようにブレーキ圧力を調整する車両用アンチスキッド制御装置において、
    重心が前方にある車両の有する4輪の車輪速度を検出する車輪速度検出手段と、
    前記車輪の過度のスリップ状態を抑制するようにブレーキ圧力を制御しても当該過度のスリップ状態が解消されない状態が所定期間継続する条件、および前記車輪速度検出手段によって検出される4輪の車輪速度の内、前輪の1輪と後輪の2輪の車輪速度が実質的に零となる条件が満足された場合に車両がスピン状態であると判定するスピン状態判定手段と、
    前記スピン状態判定手段によって車両がスピン状態にあると判定されたときに、車輪のブレーキ圧力を増圧する増圧制御手段と、
    を備えることを特徴とする車両用アンチスキッド制御装置。
  4. ブレーキ圧力の調節が、車輪の回転特性に関連した検出値と基準値との比較により、車輪の過度のスリップを抑制するようなされている場合に、増圧制御手段が、前記スピン状態判定手段によって車両がスピン状態にあると判定されたときに、上記基準値をより低い別の基準値に切り替える請求項1〜のいずれか記載の車両用アンチスキッド制御装置。
  5. 上記増圧制御手段の代わりに、
    前記スピン状態判定手段によって車両がスピン状態にあると判定されたときに、アンチスキッド制御を停止するアンチスキッド制御停止手段を備えた請求項1〜のいずれか記載の車両用アンチスキッド制御装置。
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