JP3486078B2 - 車両のアンチロックブレーキ制御装置 - Google Patents

車両のアンチロックブレーキ制御装置

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JP3486078B2
JP3486078B2 JP25055497A JP25055497A JP3486078B2 JP 3486078 B2 JP3486078 B2 JP 3486078B2 JP 25055497 A JP25055497 A JP 25055497A JP 25055497 A JP25055497 A JP 25055497A JP 3486078 B2 JP3486078 B2 JP 3486078B2
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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、車輪速度を検出す
る車輪速度検出手段と、該車輪速度検出手段で検出され
る車輪速度に基づいて車体速度を推定する車体速度推定
手段と、前記車輪速度検出手段で検出される車輪速度な
らびに前記車体速度推定手段で得られる推定車体速度に
基づいてスリップ率を演算するスリップ率演算手段と、
前記車体速度推定手段で得られる推定車体速度に基づい
て目標スリップ率を定める目標スリップ率設定手段と、
目標スリップ率設定手段で設定される目標スリップ率な
らびにスリップ率演算手段で得られるスリップ率の偏差
を算出する偏差算出手段とを備え、該偏差算出手段で得
られる偏差に基づいてブレーキ液圧調整手段の作動を制
御する車両のアンチロックブレーキ制御装置に関する。 【0002】 【従来の技術】従来、かかるアンチロックブレーキ制御
装置は、たとえば特開平4−138958号公報等によ
り既に知られている。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】ところで、このような
アンチロックブレーキ制御装置では、車輪速度で検出さ
れた車輪速度に基づいて車体速度が推定され、車輪速度
および推定車体速度に基づいて算出されるスリップ率
が、推定車体速度に基づく目標スリップ率を上回ったと
きに車輪ブレーキのブレーキ圧が減圧されるように構成
される。しかるに走行路面が悪路であった場合には、車
輪速度検出手段で検出される車輪速度が細かく振動する
ので、算出スリップ率が車輪速度の振動に応じて変化し
てしまい、ブレーキ圧を不必要に減圧してしまったり、
制御の乱れが生じたりすることがある。 【0004】そこで、悪路走行状態を検出して、悪路走
行時の不必要な減圧や制御乱れを回避することが考えら
れ、上記特開平4−138958号公報で開示されたも
のでは、車輪速度の振動を検出するために各車輪毎の加
速度センサ等の加速度計測手段を用いて車輪速度の振動
を検出するようにしているが、各車輪毎に加速度計測手
段が必要となるので、コスト増大を招くことになる。 【0005】本発明は、かかる事情に鑑みてなされたも
のであり、車輪速度の加・減速度を直接検出する手段を
不要として悪路を判定し、車輪速度の振動に伴なって不
必要な減圧制御が生じたり、制御の乱れが生じたりする
ことを防止した車両のアンチロックブレーキ制御装置を
提供することを目的とする。 【0006】 【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、発明は、車輪速度を検出する車輪速度検出手段
と、該車輪速度検出手段で検出される車輪速度に基づい
て車体速度を推定する車体速度推定手段と、前記車輪速
度検出手段で検出される車輪速度ならびに前記車体速度
推定手段で得られる推定車体速度に基づいてスリップ率
を演算するスリップ率演算手段と、前記車体速度推定手
段で得られる推定車体速度に基づいて目標スリップ率を
定める目標スリップ率設定手段と、目標スリップ率設定
手段で設定される目標スリップ率ならびにスリップ率演
算手段で得られるスリップ率の偏差を算出する偏差算出
手段とを備え、該偏差算出手段で得られる偏差に基づい
てブレーキ液圧調整手段の作動を制御する車両のアンチ
ロックブレーキ制御装置において、車輪速度検出手段で
検出される車輪速度に基づいて車輪加・減速度を演算す
る車輪加・減速度演算手段と、該車輪加・減速度演算手
段で演算される車輪加・減速度が設定加速度以上の値な
らびに設定減速度以下の値を繰返す回数が設定時間内に
設定回数以上となることをもって悪路を走行中であると
判定する悪路判定手段と、悪路を走行中であると前記悪
路判定手段が判定するのに応じて前記スリップ率演算手
段でのスリップ率演算に用いる車輪速度を増加側に補正
するとともにその補正開始からの時間経過に応じて車輪
速度の補正量を徐々に減少させる補正手段とを含むこと
を特徴とする。 【0007】このような構成によれば、悪路判定手段に
より悪路走行中であることが判定されたときには、スリ
ップ率演算のための車輪速度が増加側に補正されるの
で、スリップ率が低く算出されるようになり、不必要な
減圧制御が生じたり、制御の乱れが生じることを防止す
ることができる。しかも悪路判定手段での悪路判定にあ
たって用いられる車輪加・減速度は、アンチロックブレ
ーキ制御装置において車輪毎に通常装備されている車輪
速度検出手段の検出値に基づいて車輪加・減速度演算手
段で演算されるものであり、車輪速度検出手段の検出値
から論理的に悪路判定を行なうことができ、車輪毎に加
・減速度を直接検出する加・減速度検出手段を設けるこ
とが不要であってコスト増大を招くこともない。また補
正手段が、その補正開始からの時間経過に応じて車輪速
度の補正量を徐々に減少させることにより、懸架装置の
振動判定に伴なう車輪速度の補正状態から車輪速度検出
手段で実際に検出される車輪速度への復帰時に、スリッ
プ率演算用の車輪速度が急激に低下することに伴ってス
リップ率が突然深くなることを防止し、より円滑なアン
チロックブレーキ制御を実行することができる。 【0008】 【0009】 【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、添
付図面に示した本発明の一実施例に基づいて説明する。 【0010】図1ないし図6は本発明を自動二輪車に適
用したときの実施例を示すものであり、図1は自動二輪
車のブレーキ装置の全体構成図、図2は制御ユニットの
構成を示すブロック図、図3は車輪速度に基づく車体速
度演算手順を示すフローチャート、図4は車輪速度に基
づく演算車体速度の演算処理を説明するための図、図5
は前輪制御部の構成を示すブロック図、図6は悪路判定
手順および補正手順を示すフローチャートである。 【0011】先ず図1において、ブレーキレバー1の操
作に応じた液圧を出力するマスタシリンダ2と、自動二
輪車の前輪に装着された左右一対の前輪ブレーキBF1
F2との間には、両前輪ブレーキBF1,BF2のブレーキ
液圧を調整可能なブレーキ液圧調整手段3F が設けられ
る。またブレーキペダル4の操作に応じた液圧を出力す
るマスタシリンダ5と、自動二輪車の後輪に装着された
後輪ブレーキBR との間には、該後輪ブレーキBR の液
圧を調整可能なブレーキ液圧調整手段3R が設けられ
る。 【0012】ブレーキ液圧調整手段3F は、リザーバ6
F と、両前輪ブレーキBF1,BF2およびマスタシリンダ
2間に設けられる常開型電磁弁7F と、リザーバ6F
よび両前輪ブレーキBF1,BF2間に設けられる常閉型電
磁弁8F と、両前輪ブレーキBF1,BF2側からマスタシ
リンダ2側にブレーキ液が流通することを許容して常開
型電磁弁7F に並列に接続されるチェック弁9F と、吸
入口が吸入弁10F を介してリザーバ6F に接続される
とともに吐出口が吐出弁12F を介してマスタシリンダ
2に接続される戻しポンプ11F とを備える。 【0013】またブレーキ液圧調整手段3R は、リザー
バ6R 、常開型電磁弁7R 、常閉型電磁弁8R 、チェッ
ク弁9R 、吸入弁10R 、戻しポンプ11R および吐出
弁12R を備えて、前記ブレーキ液圧調整手段3F と同
様に構成される。 【0014】しかもブレーキ液圧調整手段3F の戻しポ
ンプ11F と、ブレーキ液圧調整手段3R の戻しポンプ
11R とは、共通のモータ13により駆動される。 【0015】ブレーキ液圧調整手段3F における常開型
電磁弁7F および常閉型電磁弁8Fと、ブレーキ液圧調
整手段3R における常開型電磁弁7R および常閉型電磁
弁8 R と、モータ13とは、制御ユニット14により制
御される。この制御ユニット14には、前輪に固着され
たパルサーギア15F の側面に対向して固定配置される
前輪用車輪速度センサ16F 、後輪に固着されたパルサ
ーギア15R の側面に対向して固定配置される後輪用車
輪速度センサ16R 、前輪ブレーキ用ブレーキスイッチ
17F および後輪ブレーキ用ブレーキスイッチ17R
出力信号がそれぞれ入力されており、制御ユニット14
は、それらのセンサ16F ,16R およびスイッチ17
F ,17R の出力に応じて前記常開型電磁弁7F
R 、常閉型電磁弁8F ,8R およびモータ13の作動
を制御する。 【0016】制御ユニット14において、アンチロック
ブレーキ制御に関連する部分の構成について図2を参照
しながら説明すると、制御ユニット14は、前輪用のブ
レーキ液圧調整手段3F に対応して前輪用車輪速度演算
手段20F 、前輪用車輪加・減速度演算手段21F 、前
輪用車体速度演算手段22F および前輪側制御部23 F
を備えるとともに、後輪用のブレーキ液圧調整手段3R
に対応して後輪用車輪速度演算手段20R 、後輪用車輪
加・減速度演算手段21R 、後輪用車体速度演算手段2
R および後輪側制御部23R を備え、さらに両ブレー
キ液圧調整手段3F ,3R に共通にして車体速度推定手
段24を備える。 【0017】而して前輪側制御部23F で定められた制
御量は前輪用ソレノイド駆動手段25F に入力され、こ
の前輪用ソレノイド駆動手段25F により前輪用のブレ
ーキ液圧調整手段3F における常開型電磁弁7F および
常閉型電磁弁8F が開閉駆動され、また後輪側制御部2
R で定められた制御量は後輪用ソレノイド駆動手段2
R に入力され、この後輪用ソレノイド駆動手段25R
により後輪用のブレーキ液圧調整手段3R における常開
型電磁弁7R および常閉型電磁弁8R が開閉駆動され、
さらに両ブレーキ液圧調整手段3F ,3R に共通なモー
タ13は、アンチロックブレーキ制御を実行するための
制御量が前輪側および後輪側制御部23 F ,23R から
モータ駆動手段26に与えられるのに応じて、該モータ
駆動手段26により作動せしめられる。 【0018】前輪用車輪速度演算手段20F は、前輪用
車輪速度センサ16F の出力信号を受けて前輪速度を演
算するものであり、該前輪用車輪速度センサ16F とと
もに前輪用車輪速度検出手段19F を構成する。また後
輪用車輪速度演算手段20Rは、後輪用車輪速度センサ
16R の出力信号を受けて後輪速度を演算するものであ
り、該後輪用車輪速度センサ16R とともに後輪用車輪
速度検出手段19R を構成する。 【0019】ところで、両車輪加・減速度演算手段21
F ,21R 、両車体速度演算手段22F ,22R 、なら
びに前輪側および後輪側制御部23F ,23R は、それ
ぞれ同一の機能を有するものであり、以下、前輪用車輪
加・減速度演算手段21F 、前輪用車体速度演算手段2
F 、前輪側制御部23F についてのみ説明し、後輪用
車輪加・減速度演算手段21R 、後輪用車体速度演算手
段22R および後輪側制御部23R についての説明を省
略する。 【0020】前輪用車輪加・減速度演算手段21F は、
前輪用車輪速度検出手段19F における前輪用車輪速度
演算手段20F で得られた前輪速度を微分して前輪の加
・減速度を得るものである。 【0021】前輪用車体速度演算手段22F は、前輪用
車輪速度検出手段19F で検出された前輪速度、ならび
に前輪用車輪加・減速度演算手段21F で算出された前
輪加・減速度に基づいて前輪用車体速度を演算するもの
であり、図3で示す処理手順に従って車体速度を演算す
る。 【0022】図3のステップS1では、前輪用車輪速度
検出手段19F で検出された前輪速度VW、ならびに前
輪用車輪加・減速度演算手段21F で算出された前輪加
・減速度dVWを読込み、ステップS2では、フラグF
が「0」であるか否かを判断し、F=0であったときに
はステップS3で前輪速度VWを演算車体速度VRとし
た後、ステップS4でフラグFを「1」に設定する。こ
のステップS1〜S4は、車体速度の演算開始時の処理
ステップであり、次の演算処理サイクルでは、F=1で
あるのでステップS2からステップS5に進むことにな
る。 【0023】ステップS5では、今回の車輪速度VW
(n) が前回の演算車体速度VR(n-1)以下であるか否
か、すなわち前輪速度が等速あるいは減速過程にあるか
どうかを判断し、等速あるいは減速過程にあると判断し
たときにはステップS6に進む。ステップS6ではdV
W≦α1であるか否か、すなわち前輪速度の減速度が設
定減速度α1以上の減速度であるか否かを判断する。而
してdVW≦α1であったときには、ステップS7で加
・減速度αを設定減速度α1に設定し、ステップS8に
進む。 【0024】ステップS8では、演算車体速度VRの演
算を行なうものであり、前回の演算車体速度をVR(n-
1) とし、演算処理サイクルの時間をΔT(たとえば3
m秒)としたときに、今回の演算車体速度VR(n) を、 VR(n) =VR(n-1) +α・ΔT として演算する。 【0025】またステップS6でdVW>α1であると
判定したときには、ステップS9で加・減速度αを前輪
加・減速度dVWに定めた後、ステップS8に進むこと
になる。すなわち、前輪速度の減速過程では、前輪加・
減速度dVWが設定減速度α1以上の減速度となったと
きには、設定減速度α1で車体速度が減速しているもの
として演算車体速度VRの演算を行なうことになる。 【0026】ステップS5でVW(n) >VR(n-1) であ
ると判断したとき、すなわち前輪速度が増速過程にある
と判断したときには、ステップS5からステップS10
に進むことになり、ステップS10でdVW≧α2であ
るか否か、すなわち前輪速度の加速度が設定加速度α2
以上であるか否かを判断する。而してdVW≧α2であ
ったときには、ステップS11で加・減速度αを設定加
速度α2に設定した後、ステップS8に進む。またdV
W<α2であったときには、ステップS12で加・減速
度αを前輪加・減速度dVWに定めた後、ステップS8
に進むことになる。すなわち、前輪速度の増速過程で
は、前輪加・減速度dVWが設定加速度α2以上の加速
度となったときには、設定加速度α2で車体速度が増速
しているものとして演算車体速度VRの演算を行なうこ
とになる。 【0027】このような前輪用車体速度演算手段22F
の演算によれば、演算車体速度は図4で示すようにな
り、前輪速度の減速過程では、設定減速度α1以上の減
速度とならないようにして前輪速度の減速度を用いた演
算車体速度VRの演算を行ない、また前輪速度の増速過
程では、設定加速度α2以上の加速度とならないように
して前輪速度の加速度を用いた演算車体速度VRの演算
を行なうことになる。 【0028】而して設定加速度α2は、たとえば+1G
であるが、アンチロックブレーキ制御時にはより大きな
値に設定するようにしてもよく、また車体減速度に応じ
て変化せしめるようにしてもよい。 【0029】車体速度推定手段24は、前輪用車体速度
演算手段22F で演算した前輪用演算車体速度、ならび
に後輪用車体速度演算手段22R で演算した後輪用演算
車体速度に基づいて、前輪および後輪のスリップ率を判
断する基準となる推定車体速度を推定するものであり、
たとえば前輪用車体速度演算手段22F で演算した前輪
用演算車体速度、ならびに後輪用車体速度演算手段22
R で演算した後輪用演算車体速度のハイセレクト値を推
定車体速度として設定する。 【0030】前輪側制御部23F は、前輪用車輪速度検
出手段19F で検出された前輪速度、前輪用車輪加・減
速度演算手段21F で得られた前輪加・減速度、ならび
に車体速度推定手段24で得られた推定車体速度に基づ
いて、前輪ブレーキBF1,B F2のブレーキ液圧制御量を
定めるものであり、図5で示すように構成される。 【0031】図5において、前輪制御部23F は、スリ
ップ率演算手段28と、目標スリップ率設定手段29
と、偏差算出手段30と、制御量演算手段31と、悪路
判定手段32と、補正手段33とを備える。 【0032】悪路判定手段32は、前輪用車輪速度検出
手段19F で検出された車輪速度VW、車輪加・減速度
演算手段21F で得られる車輪加・減速度dVW、なら
びに車体速度推定手段24で得られる推定車体速度SV
Rに基づいて悪路を判定するものであり、この悪路判定
手段32で悪路走行中であるとと判定されたときに、補
正手段33は、前輪用車輪速度検出手段19F で検出さ
れた前輪の車輪速度VWを補正し、該補正手段33で補
正された後の車輪速度VW′がスリップ率演算手段28
に入力される。 【0033】而して悪路判定手段32による悪路判定手
順ならびに補正手段33による補正手順は、図6で示す
ように設定されるものであり、ステップS21では、車
輪加・減速度dVWが設定加速度α3以上となる状態
を、第1設定時間T1内にn1回以上検出したか否かを
判定する。ここで、前記設定加速度α3は、たとえば+
1.4G〜+3.0Gであり、推定車体速度SVRによ
って変化せしめられる。また第1設定時間T1は、たと
えば6m秒であり、回数n1はたとえば2回である。而
して図6の演算処理ループがたとえば3m秒毎に実行さ
れるものであり、ステップS21では、2回の演算処理
ループで連続してdVW≧α3となったかどうかを判定
することになる。 【0034】ステップS21でdVW≧α3である状態
を第1設定時間T1内にn1回以上検出したと判定した
ときには、ステップS22でフラグFα3を「1」に設
定した後にステップS23に進み、またステップS21
でdVW≧α3である状態を第1設定時間T1内にn1
回以上検出していないと判定したときには、ステップS
21からステップS23に進む。 【0035】ステップS23では、車輪加・減速度dV
Wが設定減速度α4以下となる状態を、第2設定時間T
2内にn2回以上検出したか否かを判定する。前記設定
減速度α4は、たとえば−0.7G〜−2.0Gであ
り、推定車体速度SVRによって変化せしめられる。ま
た第2設定時間T2はたとえば3m秒であり、回数n2
はたとえば1回である。したがって、ステップS23で
は、1回の演算ループでdVW≦α4となったかどうか
を判定することになる。 【0036】ステップS23において、dVW≦α4と
なる状態を第2設定時間T2内にn2回以上検出したと
判定したときには、ステップS24でフラグFα3を
「0」に設定した後、ステップS25に進む。またdV
W≦α4となる状態を第2設定時間T2内にn2回以上
検出していないとステップS23で判定したときには、
ステップS25でフラグFα3のセット後に第3設定時
間T3(たとえば60m秒)が経過しているか否かを判
定する。而して第3設定時間T3が経過しているとステ
ップS25で判定したときには、ステップS25からス
テップS24に進み、また第3設定時間T3が経過して
いないと判定したときには、ステップS25からステッ
プS26に進むことになる。 【0037】ステップS26では、フラグFAが「1」
であるか否かを判断する。このフラグFAは、後述のス
テップS29でセットされるものであり、悪路を走行中
であると判断したときにFA=1となる。 【0038】ステップS26でFA=0と判定したとき
には、ステップS27において、フラグFα3をセット
した回数が第4設定時間T4内でn3(たとえば1)回
以上であるか否かを判定する。ここで、第4設定時間T
4は、たとえば30m秒に設定されるものであるが、第
3設定時間T3の時間制限によりリセットされたフラグ
Fα3をフラグのセット回数として数えないようにする
ためにT4≦T3Dあり、また前記n3回はたとえば1
回である。 【0039】ステップS27において、フラグFα3を
セットした回数が第4設定時間T4内でn3(たとえば
1)回未満であると判断したときには、悪路ではないと
してステップS28に進み、このステップS28でフラ
グFAをリセットし、FA=0に定める。 【0040】またステップS27で、フラグFα3をセ
ットした回数が第4設定時間T4内でn3(たとえば
1)回以上であると判断したときには、ステップS29
に進むことになり、このステップS29では悪路を走行
中であるとしてフラグFAをセットする。 【0041】ステップS30では、フラグFAをセット
後2回目の演算ループ以降であるか否かを判断し、最初
の演算ループであったときには、ステップS31で補正
速度V1の初期値を設定する。而して該初期値は推定車
体速度SVRによって変化せしめられるものであり、た
とえば1.6〜4.0km/hに設定されている。ステ
ップS30でのV1初期値の設定後には、ステップS3
2において、スリップ率演算手段28に入力する車輪速
度VW′を前輪要車輪速度検出手段19F で検出した車
輪速度VWに補正速度V1を加算した値に定めることに
なる。すなわち車輪速度VWを補正速度V1分だけ増加
側に補正することになる。 【0042】またステップS30において、フラグFA
をセット後2回目の演算ループ以降であると判定したと
きには、ステップS33で補正速度V1を前回の補正速
度V1から減少量V2(たとえば0.16km/h)だ
け減算した値に設定し、その後のステップS34でV1
≦0かどうかを判定し、V1≦0であったときにはステ
ップS34からステップS28に進み、またV1>0で
あったときにはステップS34からステップS32に進
むことになる。 【0043】さらにステップS26において、フラグF
Aが「1」であると判定したときには、ステップS26
からステップS35に進み、このステップS35では、
フラグFAの立上がり後にフラグFα3をn3回以上セ
ットしたかどうかを確認し、セットしていなかったとき
には、ステップS30に進むが、セットしていたときに
は、ステップS30に進んでフラグFAを更新する。 【0044】このような図6で示した処理手順に従え
ば、悪路判定手段32は、前輪用車輪加・減速度演算手
段21F で演算される車輪加・減速度dVWが、推定車
体速度SVRで変化する設定加速度α3以上の値である
状態をたとえば6m秒以上継続したときにフラグFα3
をセットすることになり、該フラグFα3は、車輪加・
減速度dVWがたとえば3m秒以上持続して推定車体速
度SVRで変化する設定減速度α4以下の値となったと
きにクリアされる。また悪路判定手段32では、フラグ
Fα3のセット回数が第4設定時間T4内でn3回以上
となったときに悪路を走行中であると判定してフラグF
Aをセットすることになる。しかもフラグFAのセット
中であっても、フラグFα3のセット回数が第4設定時
間T4内でn3回以上となったときには悪路が継続中で
あるとしてフラグFAが更新される。 【0045】一方、補正手段33では、悪路判定手段3
2で悪路を走行中であると判定された初期にはたとえば
1.6〜4.0km/hだけ車輪速度VWが増加側に補
正されることになり、その後、演算処理ループ毎にたと
えば0.16km/hずつ前記補正値が減少せしめられ
ることになる。 【0046】再び図5において、スリップ率演算手段2
8は、補正手段33による補正後の前輪速度VW′と、
車体速度推定手段24で得られた推定車体速度SVRと
に基づいて、前輪のスリップ率を演算するものである。
すなわちスリップ率をSR、推定車体速度をSVR、前
輪速度をVW′としたときに、スリップ率SRは、 SR=(SVR−VW′)/SVR としてスリップ率演算手段28により演算される。 【0047】目標スリップ率設定手段29では、車体速
度推定手段24で得られた推定車体速度SVRに基づい
て、該推定車体速度SVRでの走行時に目標となるスリ
ップ率が目標スリップ率SRobj として設定される。ま
た偏差算出手段30では、目標スリップ率設定手段29
で設定された目標スリップ率SRobj と、スリップ率演
算手段28で演算されたスリップ率SRとの偏差ΔS
(=SRobj −SR)が算出される。 【0048】さらに制御量演算手段31では、前記偏差
ΔSを極力「0」に近付けるための前輪ブレーキBF1
F2のブレーキ圧制御量が演算され、その演算制御量に
基づいて前輪用ソレノイド駆動手段25F が制御され
る。 【0049】次にこの実施例の作用について説明する
と、車輪加・減速度演算手段21F ,21R で演算され
る車輪加・減速度dVWが設定加速度α3以上の値なら
びに設定減速度α4以下の値を繰返すことをもって悪路
を走行中であると悪路判定手段32で判定されるもので
あり、悪路判定手段32により悪路走行中であることが
判定されたときには、スリップ率演算のための車輪速度
VW′が増加側に補正される。したがってスリップ率演
算手段28で演算されるスリップ率SRが、車輪速度検
出手段19F ,19R で検出される車輪速度VWをその
まま用いたときよりも低く算出されるようになり、不必
要な減圧制御が生じたり、制御の乱れが生じることを防
止することができる。しかも悪路判定手段32での悪路
判定にあたって用いられる車輪加・減速度dVWは、ア
ンチロックブレーキ制御装置において車輪毎に通常装備
されている車輪速度検出手段19F ,19R の検出値に
基づいて車輪加・減速度演算手段21F ,21R で演算
されるものであり、車輪速度検出手段19F ,19R
検出値から論理的に悪路判定を行なうことができ、車輪
毎に加・減速度を直接検出する加・減速度検出手段を設
けることが不要であってコスト増大を招くこともない。 【0050】しかも前記補正手段33ディスクブレーキ
の補正速度は、その補正開始からの時間経過に応じて車
輪速度の補正量を徐々に減少させるものであるので、悪
路判定に伴なう車輪速度の補正状態から車輪速度検出手
段19F ,19R で実際に検出される車輪速度への復帰
時に、スリップ率演算用の車輪速度が急激に低下するこ
とに伴ってスリップ率が突然深くなることを防止し、よ
り円滑なアンチロックブレーキ制御を実行することがで
きる。 【0051】以上、本発明の実施例を詳述したが、本発
明は上記実施例に限定されるものではなく、特許請求の
範囲に記載された本発明を逸脱することなく種々の設計
変更を行なうことが可能である。 【0052】たとえば上記実施例では、自動二輪車につ
いて説明したが、本発明は四輪乗用車にも適用可能であ
る。 【0053】 【発明の効果】以上のように発明によれば、車輪速度
検出手段の検出値から論理的に悪路判定を行なうように
し、車輪毎に加・減速度を直接検出することを不要とし
てコストの低減を図りつつ悪路判定を可能とし、悪路走
行に伴って不必要な減圧制御が生じたり、制御の乱れが
生じることを防止することができる。しかも懸架装置の
振動判定に伴なう車輪速度の補正状態から車輪速度検出
手段で実際に検出される車輪速度への復帰時に、スリッ
プ率が突然深くなることを防止し、より円滑なアンチロ
ックブレーキ制御を実行することができる。 【0054】
【図面の簡単な説明】 【図1】自動二輪車のブレーキ装置の全体構成図であ
る。 【図2】制御ユニットの構成を示すブロック図である。 【図3】車輪速度に基づく車体速度演算手順を示すフロ
ーチャートである。 【図4】車輪速度に基づく演算車体速度の演算処理を説
明するための図である。 【図5】前輪制御部の構成を示すブロック図である。 【図6】悪路判定手順および補正手順を示すフローチャ
ートである。 【符号の説明】 3F ,3R ・・・ブレーキ液圧調整手段 19F ,19R ・・・車輪速度検出手段 21F ,21R ・・・車輪加・減速度演算手段 24・・・車体速度推定手段 28・・・スリップ率演算手段 29・・・目標スリップ率設定手段 30・・・偏差算出手段 32・・・悪路判定手段 33・・・補正手段
フロントページの続き (72)発明者 石川 照泰 大阪府大阪市中央区城見一丁目4番24号 日本電気ホームエレクトロニクス株式 会社内 (56)参考文献 特開 平2−70566(JP,A) 特開 平3−273967(JP,A) 特開 平4−138958(JP,A) 特開 平5−8714(JP,A) 特開 平5−105065(JP,A) 特開 平5−124500(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B60T 8/58

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 車輪速度を検出する車輪速度検出手段
    (19F ,19R )と、該車輪速度検出手段(19F
    19R )で検出される車輪速度に基づいて車体速度を推
    定する車体速度推定手段(24)と、前記車輪速度検出
    手段(19F ,19R )で検出される車輪速度ならびに
    前記車体速度推定手段(24)で得られる推定車体速度
    に基づいてスリップ率を演算するスリップ率演算手段
    (28)と、前記車体速度推定手段(24)で得られる
    推定車体速度に基づいて目標スリップ率を定める目標ス
    リップ率設定手段(29)と、目標スリップ率設定手段
    (29)で設定される目標スリップ率ならびにスリップ
    率演算手段(28)で得られるスリップ率の偏差を算出
    する偏差算出手段(30)とを備え、該偏差算出手段
    (30)で得られる偏差に基づいてブレーキ液圧調整手
    段(3F ,3R )の作動を制御する車両のアンチロック
    ブレーキ制御装置において、車輪速度検出手段(1
    F ,19R )で検出される車輪速度に基づいて車輪加
    ・減速度を演算する車輪加・減速度演算手段(21F
    21R )と、該車輪加・減速度演算手段(21F ,21
    R )で演算される車輪加・減速度が設定加速度以上の値
    ならびに設定減速度以下の値を繰返す回数が設定時間内
    に設定回数以上となることをもって悪路を走行中である
    と判定する悪路判定手段(32)と、悪路を走行中であ
    ると前記悪路判定手段(32)が判定するのに応じて前
    記スリップ率演算手段(28)でのスリップ率演算に用
    いる車輪速度を増加側に補正するとともにその補正開始
    からの時間経過に応じて車輪速度の補正量を徐々に減少
    させる補正手段(33)とを含むことを特徴とする車両
    のアンチロックブレーキ制御装置。
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