JPH106956A - 車両のアンチロックブレーキ制御装置 - Google Patents

車両のアンチロックブレーキ制御装置

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JPH106956A
JPH106956A JP15853896A JP15853896A JPH106956A JP H106956 A JPH106956 A JP H106956A JP 15853896 A JP15853896 A JP 15853896A JP 15853896 A JP15853896 A JP 15853896A JP H106956 A JPH106956 A JP H106956A
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JP
Japan
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control mode
pid
vehicle speed
wheel speed
speed
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Application number
JP15853896A
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English (en)
Inventor
Teruyasu Ishikawa
照泰 石川
Yasuo Inagaki
康夫 稲垣
Isao Matsuno
功 松野
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NEC Home Electronics Ltd
Nissin Kogyo Co Ltd
NEC Corp
Original Assignee
NEC Home Electronics Ltd
Nissin Kogyo Co Ltd
Nippon Electric Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】推定車体速度に基づいて定められた目標スリッ
プ率と、スリップ率との偏差に基づくPID演算を実行
するPID演算手段を備え、該PID演算手段の演算結
果に基づいてブレーキ液圧調整手段の作動を制御する車
両のアンチロックブレーキ制御装置において、乗心地の
悪化を回避した上で、安価なオン・オフ作動ソレノイド
弁を用いることを可能とした簡単な構成でブレーキ圧制
御を行なう。 【解決手段】PID演算手段で得られたPID演算値
と、車体速度推定手段で得られた推定車体速度とに基づ
いて予め定められたマップにより制御モードが定めら
れ、該制御モードに応じてブレーキ液圧調整手段の作動
が制御される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車輪速度を検出す
る車輪速度検出手段と、該車輪速度検出手段で得られた
車輪速度に基づいて車体速度を推定する車体速度推定手
段と、前記車輪速度検出手段で得られた車輪速度ならび
に前記車体速度推定手段で得られた推定車体速度に基づ
いてスリップ率を演算するスリップ率演算手段と、前記
車体速度推定手段で得られた推定車体速度に基づいて目
標スリップ率を定める目標スリップ率設定手段と、目標
スリップ率設定手段で設定される目標スリップ率ならび
にスリップ率演算手段で得られるスリップ率の偏差を算
出する偏差算出手段と、該偏差算出手段で得られる偏差
に基づくPID演算を実行するPID演算手段とを備
え、該PID演算手段の演算結果に基づいてブレーキ液
圧調整手段の作動を制御する車両のアンチロックブレー
キ制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、かかる制御装置は、たとえば特開
平6−144195号公報および特開平7−11765
3号公報等により既に知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記従来の
ものは、PID演算手段による演算結果に基づいてブレ
ーキ圧をリニアに制御するように構成されており、ブレ
ーキ圧制御用アクチュエータとして高価なリニアソレノ
イド等が必要であり、ブレーキ圧制御用のアクチュエー
タとして一般に用いられる安価なオン・オフ作動ソレノ
イド弁を用いることができず、コスト低減を図るために
は、安価なオン・オフ作動ソレノイド弁を用いた簡単な
構成でアンチロックブレーキ制御を行い得るようにする
ことが望まれる。しかも、安価なオン・オフ作動ソレノ
イド弁を用いた簡単な構成でアンチロックブレーキ制御
を行なうにしても、乗心地の悪化を回避する必要があ
る。
【0004】本発明は、かかる事情に鑑みてなされたも
のであり、乗心地の悪化を回避した上で、安価なオン・
オフ作動ソレノイド弁を用いることを可能とした簡単な
構成でブレーキ圧制御を行なうようにした車両のアンチ
ロックブレーキ制御装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1記載の発明は、車輪速度を検出する車輪速
度検出手段と、該車輪速度検出手段で得られた車輪速度
に基づいて車体速度を推定する車体速度推定手段と、前
記車輪速度検出手段で得られた車輪速度ならびに前記車
体速度推定手段で得られた推定車体速度に基づいてスリ
ップ率を演算するスリップ率演算手段と、前記車体速度
推定手段で得られた推定車体速度に基づいて目標スリッ
プ率を定める目標スリップ率設定手段と、目標スリップ
率設定手段で設定される目標スリップ率ならびにスリッ
プ率演算手段で得られるスリップ率の偏差を算出する偏
差算出手段と、該偏差算出手段で得られる偏差に基づく
PID演算を実行するPID演算手段とを備え、該PI
D演算手段の演算結果に基づいてブレーキ液圧調整手段
の作動を制御する車両のアンチロックブレーキ制御装置
において、PID演算手段で得られたPID演算値と、
車体速度推定手段で得られた推定車体速度とに基づいて
予め定められたマップにより制御モードを定めるととも
に該制御モードに応じてブレーキ液圧調整手段の作動を
制御する制御モード決定手段を含むことを特徴とする。
【0006】また請求項2記載の発明は、上記請求項1
記載の発明の構成に加えて、路面の摩擦係数を判定する
摩擦係数判定手段を備え、前記制御モード決定手段が、
該摩擦係数判定手段の判定結果に応じて前記マップを変
更すべく構成されることを特徴とする。
【0007】さらに請求項3記載の発明は、上記請求項
1記載の発明の構成に加えて、前記制御モード決定手段
が、車輪速度の減速中であるか加速中であるかに応じて
前記マップを変更すべく構成されることを特徴とする。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、添
付図面に示した本発明の一実施例に基づいて説明する。
【0009】図1ないし図13は本発明を自動二輪車に
適用したときの実施例を示すものであり、図1は自動二
輪車のブレーキ装置の全体構成図、図2は制御ユニット
の構成を示すブロック図、図3は車体速度推定手順を示
すフローチャート、図4は車輪速度に基づく推定車体速
度の演算処理を説明するための図、図5は前輪制御部の
構成を示すブロック図、図6は制御モードを定めるマッ
プを示す図、図7は制御モード選択を説明するためのタ
イミングチャート、図8は制御モードの変更を説明する
ためのタイミングチャート、図9はPID演算値を制限
値で制限したときのタイミングチャートを制限しない場
合と対比して示す図、図10は比例演算値を制限値で制
限したときのタイミングチャートを制限しない場合と対
比して示す図、図11は積分演算値を制限値で制限した
ときのタイミングチャートを制限しない場合と対比して
示す図、図12は微分演算値を制限値で制限したときの
タイミングチャートを制限しない場合と対比して示す
図、図13はPID演算値をローパスフィルタで濾波し
たときのタイミングチャートを濾波しない場合と対比し
て示す図である。
【0010】先ず図1において、ブレーキレバー1の操
作に応じた液圧を出力するマスタシリンダ2と、自動二
輪車の前輪に装着された左右一対の前輪ブレーキBF1
F2との間には、両前輪ブレーキBF1,BF2のブレーキ
液圧を調整可能なブレーキ液圧調整手段3F が設けられ
る。またブレーキペダル4の操作に応じた液圧を出力す
るマスタシリンダ5と、自動二輪車の後輪に装着された
後輪ブレーキBR との間には、該後輪ブレーキBR の液
圧を調整可能なブレーキ液圧調整手段3R が設けられ
る。
【0011】ブレーキ液圧調整手段3F は、リザーバ6
F と、両前輪ブレーキBF1,BF2およびマスタシリンダ
2間に設けられる常開型電磁弁7F と、リザーバ6F
よび両前輪ブレーキBF1,BF2間に設けられる常閉型電
磁弁8F と、両前輪ブレーキBF1,BF2側からマスタシ
リンダ2側にブレーキ液が流通することを許容して常開
型電磁弁7F に並列に接続されるチェック弁9F と、吸
入口が吸入弁10F を介してリザーバ6F に接続される
とともに吐出口が吐出弁12F を介してマスタシリンダ
2に接続される戻しポンプ11F とを備える。
【0012】またブレーキ液圧調整手段3R は、リザー
バ6R 、常開型電磁弁7R 、常閉型電磁弁8R 、チェッ
ク弁9R 、吸入弁10R 、戻しポンプ11R および吐出
弁12R を備えて、前記ブレーキ液圧調整手段3F と同
様に構成される。
【0013】しかもブレーキ液圧調整手段3F の戻しポ
ンプ11F と、ブレーキ液圧調整手段3R の戻しポンプ
11R とは、共通のモータ13により駆動される。
【0014】ブレーキ液圧調整手段3F における常開型
電磁弁7F および常閉型電磁弁8Fと、ブレーキ液圧調
整手段3R における常開型電磁弁7R および常閉型電磁
弁8 R と、モータ13とは、制御ユニット14により制
御される。この制御ユニット14には、前輪に固着され
たパルサーギア15F の側面に対向して固定配置される
前輪用車輪速度センサ16F 、後輪に固着されたパルサ
ーギア15R の側面に対向して固定配置される後輪用車
輪速度センサ16R 、前輪ブレーキ用ブレーキスイッチ
17F および後輪用ブレーキスイッチ17R の出力信号
がそれぞれ入力されており、制御ユニット14は、それ
らのセンサ16F ,16R およびスイッチ17F ,17
R の出力に応じて前記常開型電磁弁7F ,7R 、常閉型
電磁弁8 F ,8R およびモータ13の作動を制御する。
【0015】制御ユニット14において、アンチロック
ブレーキ制御に関連する部分の構成について図2を参照
しながら説明すると、制御ユニット14は、前輪用のブ
レーキ液圧調整手段3F に対応して前輪用車輪速度演算
手段20F 、前輪用車輪加・減速度演算手段21F 、前
輪用車体速度演算手段22F および前輪側制御部23 F
を備えるとともに、後輪用のブレーキ液圧調整手段3R
に対応して後輪用車輪速度演算手段20R 、後輪用車輪
加・減速度演算手段21R 、後輪用車体速度演算手段2
R および後輪側制御部23R を備え、さらに両ブレー
キ液圧調整手段3F ,3R に共通にして車体速度推定手
段としての基準車体速度設定手段24を備える。
【0016】而して前輪側制御部23F で定められた制
御量は前輪用ソレノイド駆動手段25F に入力され、こ
の前輪用ソレノイド駆動手段25F により前輪用のブレ
ーキ液圧調整手段3F における常開型電磁弁7F および
常閉型電磁弁8F が開閉駆動され、また後輪側制御部2
R で定められた制御量は後輪用ソレノイド駆動手段2
R に入力され、この後輪用ソレノイド駆動手段25R
により後輪用のブレーキ液圧調整手段3R における常開
型電磁弁7R および常閉型電磁弁8R が開閉駆動され、
さらに両ブレーキ液圧調整手段3F ,3R に共通なモー
タ13は、アンチロックブレーキ制御を実行するための
制御量が前輪側および後輪側制御部23 F ,23R から
モータ駆動手段26に与えられるのに応じて、該モータ
駆動手段26により作動せしめられる。
【0017】前輪用車輪速度演算手段20F は、前輪用
車輪速度センサ16F の出力信号を受けて前輪速度を演
算するものであり、該前輪用車輪速度センサ16F とと
もに前輪用車輪速度検出手段19F を構成する。また後
輪用車輪速度演算手段20Rは、後輪用車輪速度センサ
16R の出力信号を受けて後輪速度を演算するものであ
り、該後輪用車輪速度センサ16R とともに後輪用車輪
速度検出手段19R を構成する。
【0018】ところで、両車輪加・減速度演算手段21
F ,21R 、両車体速度演算手段22F ,22R 、なら
びに前輪側および後輪側制御部23F ,23R は、それ
ぞれ同一の機能を有するものであり、以下、前輪用車輪
加・減速度演算手段21F 、前輪用車体速度演算手段2
F 、前輪側制御部23F についてのみ説明し、後輪用
車輪加・減速度演算手段21R 、後輪用車体速度演算手
段22R および後輪側制御部23R についての説明を省
略する。
【0019】前輪用車輪加・減速度演算手段21F は、
前輪用車輪速度検出手段19F における前輪用車輪速度
演算手段20F で得られた前輪速度を微分して前輪の加
・減速度を得るものである。
【0020】前輪用車体速度演算手段22F は、前輪用
車輪速度検出手段19F で検出された前輪速度、ならび
に前輪用車輪加・減速度演算手段21F で算出された前
輪加・減速度に基づいて前輪用の推定車体速度を演算す
るものであり、図3で示す処理手順に従って推定車体速
度を演算する。
【0021】図3のステップS1では、前輪用車輪速度
検出手段19F で検出された前輪速度VW、ならびに前
輪用車輪加・減速度演算手段21F で算出された前輪加
・減速度dVWを読込み、ステップS2では、フラグF
が「0」であるか否かを判断し、F=0であったときに
はステップS3で前輪速度VWを推定車体速度VRとし
た後、ステップS4でフラグFを「1」に設定する。こ
のステップS1〜S4は、推定車体速度の演算開始時の
処理ステップであり、次の演算処理サイクルでは、F=
1であるのでステップS2からステップS5に進むこと
になる。
【0022】ステップS5では、今回の車輪速度VW
(n) が前回の推定車体速度VR(n-1)以下であるか否
か、すなわち前輪速度が等速あるいは減速過程にあるか
どうかを判断し、等速あるいは減速過程にあると判断し
たときにはステップS6に進んで、dVW≦α1である
か否か、すなわち前輪速度の減速度が設定減速度α1
(たとえば−1G)以上であるか否かを判断する。而し
てVW(n)≦VR(n−1)であるとき、すなわち前
輪速度が等速あるいは減速過程にあると判断し得るとき
には、ステップS6に進んで、フラグFα2を「0」と
し、次のステップS7でFα1=1であるか否かを判断
する。このフラグFα1は、減速過程で加・減速度を設
定減速度α1に設定したときに「1」となるものであ
り、最初の処理サイクルではFα1=0であるのでステ
ップS7からステップS8に進む。
【0023】ステップS8ではdVW≦α1であるか否
か、すなわち前輪速度の減速度が設定減速度α1以上の
減速度であるか否かを判断する。而してdVW≦α1で
あったときには、ステップS9で加・減速度αを設定減
速度α1に設定し、ステップS10でフラグFα1を
「1」に設定した後、ステップS11に進む。
【0024】ステップS11では、推定車体速度VRの
演算を行なうものであり、前回の推定車体速度をVR(n
-1) とし、演算処理サイクルの時間をΔT(たとえば3
m秒)としたときに、今回の推定車体速度VR(n) を、 VR(n) =VR(n-1) +α・ΔT として演算する。
【0025】またステップS8でdVW>α1であると
判定したときには、ステップS12で加・減速度αを前
輪加・減速度dVWに定めた後、ステップS11に進む
ことになり、さらにステップS7でFα1=1であると
判定したときにもステップS7からステップS11に進
むことになる。すなわち、前輪速度の減速過程では、前
輪加・減速度dVWが設定減速度α1以上の減速度とな
ったときには、それ以降の減速過程では設定減速度α1
で車体速度が減速しているものとして推定車体速度VR
の演算を行なうことになる。
【0026】ステップS5でVW(n) >VR(n-1) であ
ると判断したとき、すなわち前輪速度が増速過程にある
と判断したときには、ステップS5からステップS13
に進み、このステップS13でフラグFα1=0と設定
した後、ステップS14において、フラグFα2=1で
あるか否かを判定する。このフラグFα2は、増速過程
で加・減速度を設定加速度α2に設定したときに「1」
となるものであり、増速過程の最初の処理サイクルでは
Fα2=0であるのでステップS14からステップS1
5に進むことになり、ステップS15でdVW≧α2で
あるか否か、すなわち前輪速度の加速度が設定加速度α
2以上であるか否かを判断する。而してdVW≧α2で
あったときには、ステップS16で加・減速度αを設定
加速度α2に設定した後、ステップS17においてフラ
グFα2=1と設定した後にステップS11に進む。ま
たdVW<α2であったときには、ステップS18で加
・減速度αを前輪加・減速度dVWに定めた後、ステッ
プS11に進み、ステップS15でFα2=1と判定し
たときにはそのままステップS11に進むことになる。
すなわち、前輪速度の増速過程では、前輪加・減速度d
VWが設定加速度α2以上の加速度となったときには、
それ以降の増速過程では設定加速度α2で車体速度が増
速しているものとして推定車体速度VRの演算を行なう
ことになる。
【0027】このような前輪用車体速度演算手段22F
の演算によれば、推定車体速度は図4で示すようにな
り、前輪速度の減速過程では、設定減速度α1以上の減
速度とならないようにして前輪速度の減速度を用いた推
定車体速度VRの演算を行ない、また前輪速度の増速過
程では、設定加速度α2以上の加速度とならないように
して前輪速度の加速度を用いた推定車体速度VRの演算
を行なうことになる。
【0028】而して設定加速度α2は、たとえば+1G
であるが、アンチロックブレーキ制御時にはより大きな
値に設定するようにしてもよく、また車体減速度に応じ
て変化せしめるようにしてもよい。
【0029】基準車体速度設定手段24は、前輪用車体
速度演算手段22F で演算した前輪用推定車体速度、な
らびに後輪用車体速度演算手段22R で演算した後輪用
推定車体速度に基づいて、前輪および後輪のスリップ率
を判断する基準となる推定車体速度を設定するものであ
り、たとえば前輪用車体速度演算手段22F で演算した
前輪用推定車体速度、ならびに後輪用車体速度演算手段
22R で演算した後輪用推定車体速度のハイセレクト値
を基準の推定車体速度として設定する。
【0030】前輪側制御部23F は、前輪用車輪速度検
出手段19F で検出された前輪速度、前輪用車輪加・減
速度演算手段21F で得られた前輪加・減速度、ならび
に基準車体速度設定手段24で得られた推定車体速度に
基づいて、前輪ブレーキBF1,BF2のブレーキ液圧制御
量を定めるものであり、図5で示すように構成される。
【0031】図5において、前輪制御部23F は、スリ
ップ率演算手段28と、目標スリップ率演算手段29
と、偏差算出手段30と、PID演算手段31と、ゲイ
ン定数設定手段32と、制御モード決定手段33と、懸
架装置振動判定手段34と、摩擦係数判定手段35と、
制限値設定手段36と、通過域設定手段37とを備え
る。
【0032】スリップ率演算手段28は、前輪用車輪速
度検出手段19F で検出された車輪速度、ならびに基準
車体速度設定手段24で得られた推定車体速度に基づい
て、前輪のスリップ率を演算するものである。すなわち
スリップ率をSR、推定車体速度をVR、前輪速度をV
Wとしたときに、スリップ率SRは、 SR=(VR−VW)/VR としてスリップ率演算手段28により演算される。
【0033】目標スリップ率設定手段29では、基準車
体速度設定手段24で得られた推定車体速度に基づい
て、該推定車体速度での走行時に目標となるスリップ率
が目標スリップ率SRobj として設定される。また偏差
算出手段30では、目標スリップ率設定手段29で設定
された目標スリップ率SRobj と、スリップ率演算手段
28で演算されたスリップ率SRとの偏差ΔS(=SR
obj −SR)が算出される。
【0034】懸架装置振動判定手段34には、基準車体
速度設定手段24で得られた推定車体速度、ならびに前
輪用車輪速度検出手段19F で得られた前輪速度が入力
されており、該懸架装置振動判定手段34は、推定車体
速度および前輪速度に基づいて懸架装置の振動状態を判
定する。
【0035】摩擦係数判定手段35には、基準車体速度
設定手段24で得られた推定車体速度、ならびに前輪用
車輪速度検出手段19F で得られた前輪速度が入力され
ており、該摩擦係数判定手段34は、推定車体速度およ
び前輪速度に基づいて演算した車体減速度と、予め設定
した値との比較により路面の摩擦係数を判定する。
【0036】ゲイン定数設定手段32には、基準車体速
度設定手段24で得られた推定車体速度、前輪用車輪加
・減速度演算手段21F で得られた前輪加・減速度、な
らびに摩擦係数判定手段35での摩擦係数判定結果が入
力されており、該ゲイン定数設定手段32は、PID演
算手段31でのPID演算にあたっての比例演算のゲイ
ン定数Kp と、積分演算のゲイン定数Ki と、微分演算
のゲイン定数Kd とをそれぞれ設定するものであり、そ
れらのゲイン定数Kp ,Ki ,Kd は、基準車体速度設
定手段24で得られた推定車体速度の関数としてそれぞ
れ次のように設定される。
【0037】Kp =fp(VR) Ki =fi(VR) Kd =fd(VR) しかもゲイン定数設定手段32は、前輪用車輪加・減速
度演算手段21F で得られた前輪加・減速度、ならびに
摩擦係数判定手段35での摩擦係数判定結果に応じて、
前記各ゲイン定数Kp ,Ki ,Kd を定める関数fp(V
R) ,fi(VR) ,fd(VR) を変更するように構成され
る。
【0038】PID演算手段31は、偏差算出手段30
で得られた偏差ΔSと、ゲイン定数設定手段32で設定
されたゲイン定数Kp ,Ki ,Kd とに基づき、次のよ
うなPID演算を行なってPID演算値Kpid を得る。
【0039】Kpid =Kp ×ΔS+Ki ×ΣΔS+Kd
×{ΔS(n-3) −ΔS(n) } すなわちPID演算手段31では、偏差ΔSにゲイン定
数Kp を乗じる比例演算と、偏差ΔSの積和ΣΔSにゲ
イン定数Ki を乗じる積分演算と、所定時間前(たとえ
ば3回前)の偏差ΔS(n-3) ならびに現在の偏差ΔS
(n) の差にゲイン定数Kd を乗じる微分演算と、それら
の演算値の加算演算とが行なわれることになる。
【0040】またPID演算手段31は、そのPID演
算値Kpid を所定の制限値内に制限するか、PID演算
を構成する比例演算、積分演算および微分演算の演算値
を相互に独立した所定の制限値にそれぞれ制限するか、
あるいは前回のPID演算値Kpid と今回のPID演算
値Kpid との差を所定の制限値に制限するように構成さ
れる。
【0041】すなわちPID演算値Kpid を所定の制限
値内に制限するときには、PID演算値Kpid を制限値
と比較し、Kpid >制限値であればPID演算手段31
から出力されるPID演算値Kpid =制限値となり、K
pid ≦制限値であればPID演算手段31から出力され
るPID演算値はKpid となる。
【0042】しかもPID演算手段31で用いられる制
限値は、制限値設定手段36により定まるものであり、
この制限値設定手段36は、基準速度設定手段24で得
られた推定車体速度、懸架装置振動判定手段34による
振動判定結果、ならびに摩擦係数判定手段35による路
面の摩擦係数判定結果に基づいて、前記制限値を設定す
るように構成されている。
【0043】さらにPID演算手段31は、そのPID
演算値Kpid のうちの低周波成分を通過させるか、ある
いはPID演算を構成する比例演算、積分演算および微
分演算の演算値のうちの低周波成分をそれぞれ通過させ
るローパスフィルタの機能を備える。たとえば、PID
演算値Kpid のうちの低周波成分を通過させるフィルタ
処理を行なうときには、フィルタ次数をNとしたとき
に、PID演算手段31では、次の演算式 Kpid(n)=Kpid(n-1)+{Kpid(n-1)−Kpid(n)}/N によるフィルタ処理が実行される。しかもこのローパス
フィルタでの通過域、すなわちフィルタ次数Nは通過域
設定手段37で設定されるものであり、該通過域設定手
段37では、基準車体速度設定手段24で得られた推定
車体速度の関数として、フィルタ次数Nが、 N=fN (VR) として設定される。
【0044】PID演算手段31の出力は制御モード決
定手段33に入力され、この制御モード決定手段33
は、PID演算手段31から入力されるPID演算値K
pid を予め設定されたマップ上のしきい値K1 ,K2
比較して制御モードを定めるとともに、定められた制御
モードでブレーキ液圧調整手段3F の作動を制御するた
めの制御値を前輪用ソレノイド駆動手段25F に与える
ことになる。
【0045】前記マップは、図6で示すように設定され
るものであり、基準車体速度設定手段24で得られた推
定車体速度によって変化するしきい値K1 ,K2 によっ
て定まる減圧モード、保持モードおよび増圧モードの領
域が、摩擦係数判定手段35による路面の摩擦係数判定
結果に応じて複数準備される。しかもしきい値K1 ,K
2 は、車輪速度が減速中であるか、加速中であるかによ
って変化せしめられるものであり、車輪速度が減速中で
あるときには図6の破線で示すようにK1 ,K 2 が設定
されるのに対し、車輪が加速中であるときには図6の実
線で示すようにK1 ,K2 が設定される。すなわち車輪
速度が減速中であるときの方が加速中であるときよりも
しきい値K1 ,K2 がわずかに大きく設定される。
【0046】このマップに基づけば、Kpid ≦K1 のと
きには減圧モードが選択され、K1<Kpid ≦K2 のと
きには保持モードが選択され、さらにK2 <Kpid のと
きには増圧モードが選択されることになる。而して減圧
モードでは、ブレーキ液圧調整手段3F において、常開
型電磁弁7F を閉じた状態で常閉型電磁弁8F が所定の
デューティで開弁制御され、保持モードでは常開型電磁
弁7F および常閉型電磁弁8F がともに閉じられ、さら
に増圧モードでは常閉型電磁弁8F を閉じた状態で常開
型電磁弁7F が所定のデューティで開弁制御される。
【0047】さらに制御モード決定手段33は、PID
演算値Kpid の所定時間内の変化量が所定値を超えたと
きには、今回のPID演算値Kpid で定まる制御モード
とは異なる制御モードを選択するものである。PID演
算値Kpid の所定時間内の変化量は、たとえば今回のP
ID演算値Kpid(n)と所定時間前(たとえば前回)のP
ID演算値Kpid(n-1)との差ΔKを演算するか、PID
演算値Kpid を微分すればよく、たとえば前記差ΔKが
正の所定値を超えたときには、 減圧モード→保持モード→増圧モード と制御モードを変更し、前記差ΔKが負の所定値を負側
に超えたときには、 増圧モード→保持モード→減圧モード と制御モードを変更する。
【0048】次にこの実施例の作用について、図7ない
し図13を参照しながら説明すると、車輪速度、実車体
速度および目標車輪速度が図7(a)で示すように変化
するのに応じて、目標スリップ率設定手段29で設定さ
れた目標スリップ率SRobjと、スリップ率演算手段2
8で演算されたスリップ率SRとの偏差ΔS(=SRob
j −SR)が図7(b)で示すように変化する。さらに
PID演算手段31でのPID演算値Kpid が図7
(c)で示すように変化するのに応じて、制御モード決
定手段33では図7(d)で示すよう制御モードを選択
し、それに応じてブレーキ圧が図7(e)で示すように
変化する。すなわち、制御モード決定手段33は、PI
D演算手段31で得られたPID演算値Kpid を予め設
定されたマップ上のしきい値K1 ,K2 と比較して制御
モードを定めるとともに、その定められた制御モードで
ブレーキ液圧調整手段3F の作動を制御するのであり、
ブレーキ液圧調整手段3F ,3R の一部を構成する電磁
弁として、安価なオン・オフ作動電磁弁である常開型電
磁弁7F ,7R および常閉型電磁弁8F ,8R を用いた
簡単な構成でブレーキ圧を制御して車輪がロック状態に
陥ることを防止することができる。
【0049】しかも制御モード決定手段33では、前記
しきい値K1 ,K2 を基準車体速度設定手段24で得ら
れた推定車体速度に応じて変化させて各制御モードの領
域を定めたマップが、摩擦係数判定手段35による路面
の摩擦係数判定結果に応じて複数準備されているもので
あり、車体走行速度および路面の摩擦係数変化に適切に
対応した制御モードを選択して、効果的なアンチロック
ブレーキ制御を行なうことが可能となる。
【0050】また車輪が減速中であるときのしきい値K
1 ,K2 が図7(c)の破線で示すように設定されてい
るのに対し、車輪が加速中であるときのしきい値K1
2は、図7(c)の実線で示すように減速中よりもわ
ずかに小さく設定されるものであり、このように車輪が
減速中であるか、加速中であるかによってしきい値
1 ,K2 が変更されることにより、車輪減速時には早
めに減圧モードが選択され、車輪加速時には早めに増圧
モードが選択されることになり、車輪速度の挙動に適切
に対応した制御モードの選択が可能となる。
【0051】さらに制御モード決定手段33にあって
は、PID演算値Kpid が所定量を超えて正の方向に変
化したとき、たとえば今回のPID演算値Kpid(n)と所
定時間前(たとえば前回)のPID演算値Kpid(n-1)と
の差ΔKが正の所定値を超えたときには、 減圧モード→保持モード→増圧モード と制御モードを変更し、PID演算値Kpid が所定量を
超えて負の方向に変化したとき、たとえば前記差ΔKが
負の所定値を負側に超えたときには、 増圧モード→保持モード→減圧モード と制御モードを変更するものであり、過剰制御や制御の
遅れが生じることはない。すなわち車輪速度、実車体速
度および目標車輪速度が図8(a)で示すように変化す
るのに応じて、PID演算値Kpid が図8(b)で示す
ように変化したときに、PID演算値Kpid の差ΔKが
図8(c)で示すように得られ、その差ΔKが正の所定
値を超えたとき、ならびに負の所定値を負側に超えたと
きに、図8(d)の実線で示すように制御モードが変更
されることになる。すなわち、PID演算手段31によ
るPID演算値Kpid で定まる制御モードが同一であっ
ても、PID演算値Kpid の所定時間内での変化量が大
きいときには、制御モードを変更することになるので、
過剰制御や制御遅れのない適切なアンチロックブレーキ
制御を行なうことができることになる。これに対し、P
ID演算値Kpid のみで制御モードを定めるようにした
場合には、図8(d)の破線で示すように制御モードが
変化するものであり、制御をスムーズに行なうために連
続性を重視した制御モードの設定を行なうと路面状況の
変化等への対応が遅れ易く、応答性を重視した制御モー
ドの設定を行なうと過剰制御となり易いのであり、連続
性および応答性を両立させるべくデータを設定するため
には制御モードを定めるための詳細なデータが必要とな
って多大な労力が必要となる。
【0052】PID演算手段31でのPID演算にあた
って、その比例、積分および微分の各演算でのゲイン定
数Kp ,Ki ,Kd が、基準車体速度設定手段24で得
られた推定車体速度の関数fp(VR) ,fi(VR) ,fd(V
R) としてゲイン定数設定手段32で設定されるので、
車体走行速度に応じた適切なゲイン定数Kp ,Ki ,K
d をPID演算に反映させることができ、しかも前記関
数fp(VR) ,fi(VR) ,fd(VR) が、摩擦係数判定手段
35での摩擦係数判定結果および車輪加・減速度演算手
段21F ,21R での車輪加・減速度演算結果に基づい
て変更されるので、走行路面の摩擦係数および車輪加・
減速度にも適切に対応したPID演算値を得てブレーキ
圧制御を実行することにより、安定したアンチロックブ
レーキ制御が可能となる。
【0053】PID演算手段31では、そのPID演算
値が所定の制限値内に制限されるか、PID演算を構成
する比例演算、積分演算および微分演算の演算値が相互
に独立した所定の制限値にそれぞれ制限されるか、ある
いは前回のPID演算値と今回のPID演算値との差が
所定の制限値に制限されるものであり、PID演算値K
pid が所定の制限値内に制限される場合には、図9
(a)で示すように、制限値によりPID演算値Kpid
の反転が早くなり、減圧モードの時間TOUT が比較的短
くなるとともに増圧モードの時間TINも短くなり、増圧
モードの開始も早くなる。それに対し、PID演算値K
pid が所定の制限値内に制限されない場合には、図9
(b)で示すように、減圧モードの時間TOUT ′が比較
的長くなるのに応じて増圧モードの時間TIN′も比較的
長くなり、増圧モードの開始も遅れることになる。した
がって、演算装置周辺でのノイズの発生等に起因してP
ID演算値Kpid が過大となったとしても、演算装置で
推定される車輪スリップ状態と、実際の車輪スリップ状
態との間の差を比較的小さくし、路面の摩擦係数等の変
化等により車輪スリップ状態に急激な変化が生じてもブ
レーキ圧制御に遅れが生じることを回避して、制御の追
従性を向上することができる。
【0054】またPID演算を構成する比例演算、積分
演算および微分演算の演算値が相互に独立した所定の制
限値にそれぞれ制限される場合には、図10、図11お
よび図12でそれぞれ示すように比例演算、積分演算お
よび微分演算の各演算値が制限される。而して図10
(a)で示すように、比例演算値(Kp ×ΔS)が制限
値で制限されると、図10(b)で示す非制限状態の場
合にPID演算値Kpidが肥大するのに比べてPID演
算値Kpid の肥大がなく、それにより過剰制御のおそれ
が解消される。また図11(a)で示すように、積分演
算値(Ki ×ΣΔS)が制限値で制限されると、PID
演算値Kpid の反転が早くなり、制御の追従性向上に寄
与することができる。すなわち、図11(b)で示す非
制限状態の場合には、本来制御の連続性をあらわす積分
演算項が大きくなり過ぎてPID演算値Kpid に占める
割合が大きくなり、路面の摩擦係数の変化等による車輪
の急減速や急加速が生じたときには、PID演算値Kpi
d が実際の車輪速度の状態から遅れてしまい、制御の追
従性の悪化を招くことになるのである。さらに図12
(a)で示すように、微分演算値{Kd ×(ΔS(n-3)
−ΔS(n) )}が制限値で制限されると、車輪速度のチ
ャタリングが生じてもそのチャタリングの影響を回避し
て充分な増圧を行なって、制御を安定化することができ
る。すなわち、車両が悪路を走行した場合や、路面の突
部を乗り越えた場合には、車輪または車体の振動を原因
とした波形を有する車輪速度が実際の車輪速度とは異な
って演算装置に入力されることがあり、図12(b)で
示すように、微分演算値を制限しなかった場合には、本
来は追従性を良くするための微分項がPID演算値Kpi
d に過大に反映されてしまい、過剰制御となって乗り心
地の悪化をもたらすことになるのである。さらに、前回
のPID演算値Kpid(n-1)と今回のPID演算値Kpid
(n)との差が所定の制限値に制限される場合には、PI
D演算値Kpid に大きな変化が生じることを回避して、
制御の追従性向上および制御の安定化を図ることができ
る。
【0055】PID演算手段31では、上記制限処理に
加えて、PID演算値Kpid のうち低周波成分を通過さ
せるフィルタ処理か、あるいはPID演算を構成する比
例演算、積分演算および微分演算の演算値のうち低周波
成分をそれぞれ通過させるフィルタ処理が行なわれるも
のである。
【0056】ここで、PID演算値Kpid のうち低周波
成分を通過させるフィルタ処理を行なった場合の特性が
図13の実線で示され、フィルタ処理を行わなかった場
合の特性が図13の破線で示される。而して車輪速度、
実車体速度および目標車輪速度が図13(a)で示すよ
うに変化するのに応じて、偏差ΔS、PID演算値Kpi
d 、制御モードおよびブレーキ圧が図13(b)〜
(e)で示すように変化するのであるが、この図13で
明らかなように、フィルタ処理を行わなかった場合に
は、車輪速度のチャタリングが生じたときにはそのチャ
タリングがPID演算値Kpid にそのまま反映され、制
御が不安定となるのに対し、フィルタ処理を行なうこと
により制御を安定化させて乗り心地の向上を図ることが
可能となる。
【0057】以上、本発明の実施例を詳述したが、本発
明は上記実施例に限定されるものではなく、特許請求の
範囲に記載された本発明を逸脱することなく種々の設計
変更を行なうことが可能である。
【0058】たとえば、上記実施例では、制御モードを
減圧、保持および増圧の3種類に設定したが、たとえば
急減圧、緩減圧、保持、緩増圧および急増圧のように、
より細分化した制御モードを設定することも可能であ
る。また本発明は、自動二輪車だけでなく四輪の乗用車
両にも適用可能である。
【0059】
【発明の効果】以上のように請求項1記載の発明によれ
ば、PID演算手段で得られたPID演算値と、車体速
度推定手段で得られた推定車体速度とに基づいて予め定
められたマップにより制御モードが定められ、該制御モ
ードに応じてブレーキ液圧調整手段の作動が制御される
ので、車体速度に適切に対応したブレーキ制御により乗
心地の悪化を回避した上で、安価なオン・オフ作動ソレ
ノイド弁を用いることを可能とした簡単な構成でブレー
キ圧制御を行なうことができる。
【0060】また請求項2記載の発明によれば、路面の
摩擦係数を判定する摩擦係数判定手段の判定結果に応じ
て前記マップが変更されるので、路面の摩擦係数変化に
適切に対応した制御モードを選択して効果的なアンチロ
ックブレーキ制御を行なうことが可能となる。
【0061】さらに請求項3記載の発明によれば、車輪
速度の減速中であるか加速中であるかに応じて前記マッ
プが変更されるので、車輪速度の挙動に適切に対応した
制御モードの選択が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した自動二輪車のブレーキ装置の
全体構成図である。
【図2】制御ユニットの構成を示すブロック図である。
【図3】車体速度推定手順を示すフローチャートであ
る。
【図4】車輪速度に基づく推定車体速度の演算処理を説
明するための図である。
【図5】前輪制御部の構成を示すブロック図である。
【図6】制御モードを定めるマップを示す図である。
【図7】制御モード選択を説明するためのタイミングチ
ャートである。
【図8】制御モードの変更を説明するためのタイミング
チャートである。
【図9】PID演算値を制限値で制限したときのタイミ
ングチャートを制限しない場合と対比して示す図であ
る。
【図10】比例演算値を制限値で制限したときのタイミ
ングチャートを制限しない場合と対比して示す図であ
る。
【図11】積分演算値を制限値で制限したときのタイミ
ングチャートを制限しない場合と対比して示す図であ
る。
【図12】微分演算値を制限値で制限したときのタイミ
ングチャートを制限しない場合と対比して示す図であ
る。
【図13】PID演算値をローパスフィルタで濾波した
ときのタイミングチャートを濾波しない場合と対比して
示す図である。
【符号の説明】
F ,3R ・・・ブレーキ液圧調整手段 19F ,19R ・・・車輪速度検出手段 24・・・車体速度推定手段としての基準車体速度設定
手段 28・・・スリップ率演算手段 29・・・目標スリップ率設定手段 30・・・偏差算出手段 31・・・PID演算手段 33・・・制御モード決定手段 35・・・摩擦係数判定手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 稲垣 康夫 大阪府大阪市中央区城見一丁目4番24号 日本電気ホームエレクトロニクス株式会社 内 (72)発明者 松野 功 長野県上田市大字国分840番地 日信工業 株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車輪速度を検出する車輪速度検出手段
    (19F ,19R )と、該車輪速度検出手段(19F
    19R )で得られた車輪速度に基づいて車体速度を推定
    する車体速度推定手段(24)と、前記車輪速度検出手
    段(19F ,19R )で得られた車輪速度ならびに前記
    車体速度推定手段(24)で得られた推定車体速度に基
    づいてスリップ率を演算するスリップ率演算手段(2
    8)と、前記車体速度推定手段(24)で得られた推定
    車体速度に基づいて目標スリップ率を定める目標スリッ
    プ率設定手段(29)と、目標スリップ率設定手段(2
    9)で設定される目標スリップ率ならびにスリップ率演
    算手段(28)で得られるスリップ率の偏差を算出する
    偏差算出手段(30)と、該偏差算出手段(30)で得
    られる偏差に基づくPID演算を実行するPID演算手
    段(31)とを備え、該PID演算手段(31)の演算
    結果に基づいてブレーキ液圧調整手段(3F ,3R )の
    作動を制御する車両のアンチロックブレーキ制御装置に
    おいて、PID演算手段(31)で得られたPID演算
    値と、車体速度推定手段(24)で得られた推定車体速
    度とに基づいて予め定められたマップにより制御モード
    を定めるとともに該制御モードに応じてブレーキ液圧調
    整手段(3F ,3R )の作動を制御する制御モード決定
    手段(33)を含むことを特徴とする車両のアンチロッ
    クブレーキ制御装置。
  2. 【請求項2】 路面の摩擦係数を判定する摩擦係数判定
    手段(35)を備え、前記制御モード決定手段(33)
    が、該摩擦係数判定手段(35)の判定結果に応じて前
    記マップを変更すべく構成されることを特徴とする請求
    項1記載の車両のアンチロックブレーキ制御装置。
  3. 【請求項3】 前記制御モード決定手段(33)が、車
    輪速度の減速中であるか加速中であるかに応じて前記マ
    ップを変更すべく構成されることを特徴とする請求項1
    記載の車両のアンチロックブレーキ制御装置。
JP15853896A 1996-06-19 1996-06-19 車両のアンチロックブレーキ制御装置 Pending JPH106956A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007099001A (ja) * 2005-09-30 2007-04-19 Honda Motor Co Ltd 車両用ブレーキ装置
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CN111267805A (zh) * 2020-03-31 2020-06-12 东风柳州汽车有限公司 一种重型商用车防抱死制动系统
CN112026771A (zh) * 2020-08-04 2020-12-04 南京航空航天大学 一种基于轮毂电机/电子机械制动器的复合防抱死控制方法

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