JP3019801B2 - ブレーキ液圧制御装置 - Google Patents

ブレーキ液圧制御装置

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JP3019801B2
JP3019801B2 JP9141581A JP14158197A JP3019801B2 JP 3019801 B2 JP3019801 B2 JP 3019801B2 JP 9141581 A JP9141581 A JP 9141581A JP 14158197 A JP14158197 A JP 14158197A JP 3019801 B2 JP3019801 B2 JP 3019801B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本願発明は、車両において車
輪制動力を発揮し、車体に制動力を付与するブレーキ装
置に関し、特に、アンチスキッド制御手段を備えるブレ
ーキ液圧制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、車両制動時の車輪のスリップを防
止し、走行安定性を確保するために、車輪のスリップ状
態を最適値に制御するアンチスキッド制御装置が知られ
ている。たとえば特開昭62−125942号公報に
は、車輪速度センサを後輪のみに配置したり、ポンプを
省略するなどして、装置の小型化、計量、低コスト化を
図ったブレーキ圧力制御装置が開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】通常ポンプは、アンチ
スキッド制御によるホイールシリンダ圧の減圧に伴って
ホイールシリンダから流出するブレーキ液を一時貯留す
るリザーバからブレーキ液を吸引して、マスタシリンダ
からホイールシリンダに至る管路中に返流するものであ
る。しかしながら、このポンプが構成されていないと、
アンチスキッド制御中、ホイールシリンダ圧の減圧制御
によりリザーバへ流入するブレーキ液量は増える一方で
あり、満杯になる可能性もある。そして、リザーバ満杯
になった時点で、ホイールシリンダ圧の減圧ができなく
なり、アンチスキッド制御機能が果たせなくなる。ま
た、リザーバを大きく形成して、リザーバ満杯を防止す
れば、マスタシリンダ内からホイールシリンダに至る配
管中が液薄となり、マスタシリンダ圧以外に別途ブレー
キ液を供給しないかぎり、十分なホイールシリンダ圧を
発生できなくなる。
【0004】よって、ポンプを備えないアンチスキッド
制御では、リザーバ容量は配管中が液薄とならない程度
の大きさでなくてはならず、且つリザーバを極力満杯に
しないようにしなくてはならない。すなわち、ホイール
シリンダ圧の減圧を極力抑制しなくてはならないという
要望がある。そこで本発明は、アンチスキッド制御中に
リザーバ内に貯留されたブレーキ液を吸引吐出するポン
プを備えない装置において、リザーバに流入するブレー
キ液量を極力抑えることができるブレーキ液圧制御装置
を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本願発明が適用されるブ
レーキ液圧装置では、ホイールシリンダにかかるブレー
キ液圧の減圧調整に伴ってホイールシリンダから流出す
るブレーキ液を貯留するリザーバを備え、且つこのリザ
ーバに貯留されたブレーキ液をアンチスキッド制御中に
マスタシリンダ側の管路に戻すためのポンプを備えてお
らず、アンチスキッド制御中に貯留されたリザーバ内の
ブレーキ液は乗員によるブレーキペダル操作が止められ
てマスタシリンダ圧がほぼ発生されなくなった状態で初
めてマスタシリンダ側に流出するようにし、且つ、アン
チスキッド制御手段の実行時には、ホイールシリンダに
対するブレーキ液量の供給は乗員のブレーキペダル操作
によるマスタシリンダからの供給のみであるという特殊
な構成が用いられている。そして、このようにポンプが
無い装置において、さらに、このアンチスキッド制御手
段は、速度回復時の車輪加速度に基づいて、前記ホイー
ルシリンダにかかるブレーキ液圧の減圧調整後、ブレー
キ液圧の保持調整を維持するという制御を実行する。
なわち、ホイールシリンダ圧の増圧を抑制して次回のホ
イールシリンダ圧の減圧調整の実行を抑制することによ
り、極力リザーバが満杯になることを回避できる。たと
えば、アンチスキッド制御が開始された後ホイールシリ
ンダ圧の増圧が不用意に行われると、ホイールシリンダ
圧の減圧量あるいは回数も多くなってしまい、ー定の収
容能力しかないリザーバは満杯になる可能性がある。な
お、リザーバが満杯になってしまうと、未だ車両が停止
していないのに、車輪がロックしたままとなりこの状態
が継続する可能性も存在するが、本願発明では、このよ
うな状態は極力避けることができる。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明の第1実施例を寸に
基づいて説明する。図1において、1はタンデムマスタ
シリンダ、2,3は前輪のホイールシリンダ、4,5は
後輪のホイールシリンダであり、前後分離型の2系統配
管となっている。
【0007】11は車輪速度センサで、後輪のディファ
レンシャルに装着されドライブシャフトの回転数を検出
している。12はプロポーショニングバルブで、マスタ
シリンダ1の圧力が所定の値となると、その後のホイー
ルシリンダ4,5の圧力上昇の比率を小さくするもので
ある。13はブレーキペダル踏込みスイッチで、運転者
がブレーキペダルを踏んでいるか否かを検出する。14
は3ポート3位置の電磁弁(3位置弁)で、A位置では
マシタシリンダ1とホイールシリンダ4,5とを連通し
て通常のブレーキ動作を行い、B位置ではホイールシリ
ンダ4,5のブレーキ圧力を保持し、C位置ではホイー
ルシリンダ4,5とリザーバ6とを連通してホイールシ
リンダ4,5のブレーキ圧力の減圧を行う。7,8はチ
ェック弁で、チェック弁7はマスタシリンダ1のブレー
キ圧力が低下したときにリザーバ6に蓄えられたブレー
キ液をマスタシリンダ1側に戻し、チェック弁8はホイ
ールシリンダ4,5のブレーキ圧力がマスタシリンダ1
のブレーキ圧力よりも上昇することを防止するものであ
る。
【0008】20は電子制御装置(ECU)で車輪速度
センサ11、ブレーキペダル踏込みスイッチ13からの
信号に応じて、3位置弁14を制御し、ホイールシリン
ダ4,5のブレーキ圧力を調整する。図2、図3、図
4、図5および図6はECU20が行う処理の一例を示
すフローチャートであり、以下このフローチャートに基
づいて作動を説明する。
【0009】図2は本実施例のメイルーチンであり、所
定間隔Tms(例えば5ms)ごとに繰り返される。ステッ
プ10では各部の動作のチェック及びフラグの初期化等
の初期化作動が行われる。ステップ20では、メインル
ーチンを演算周期である所定間隔Tmsごとに実行するた
めに、前回ステップ20を実行してからTms経過したか
どうかが判断され、Tms経過するとステップ30に進
む。
【0010】ステップ30では、車輪速度センサ11が
出力する信号から車輪速度Vωの読み込みが行われ、車
輪速度Vωに基づいて車輪加速度
【0011】
【外1】
【0012】が演算される。ステップ40では、以下の
式によって推定車体速度Vsoが演算される。 Vso(n)=MED[Vω(n),Vso(n−1)+α
up・T,Vso(n−1)+αdw・T] ただし、αupは加速度上限、αdwは減速度上限である。
上記の式は、前回と今回の推定車体速度Vsoの速度差
を、加速時には加速度αupによる速度以下に、減速時に
は減速度αdwによる速度以下に制限するものである。つ
まり、車輪速度Vωと、前回求めた推定車体速度V
so(n−1)から加速度αupで加速をした場合の速度
(Vso(n−1)+αup・T)と、前回求めた推定車体
速度Vso(n−1)から減速度αdwで減速をした場合の
速度(Vso(n−1)+αdw・T)とを比較し、このう
ちの中間の速度を推定車体速度する。
【0013】ステップ50では、アンチスキッド制御が
行われていることを示す制御中フラグがオンしているか
否かが判断され、オンしているならばステップ120に
進み、オフであるならばステップ60に進む。ステップ
60では車体速度Vωが推定車体速度Vsoから設定され
る第1基準速度V1 よりも小さく、かつ車輪加速度
【0014】
【外2】
【0015】が第1基準減速度G1 よりも小さいか否か
が判断される。この第1基準速度V1及び第1基準減速
度G1 は、十分低い値に設定されているため、判断結果
が肯定(Y)であるときには、車輪にスリップが発生し
たと判断することができ、ステップ100に進む。ステ
ップ100ではアンチスキッド制御を開始するための準
備として、制御中フラグ、減圧モードフラグがそれぞれ
オンされる。
【0016】ステップ110では、図4に示す減圧モー
ドルーチンが実行され、ホイールシリンダ4,5のブレ
ーキ圧力が減圧される。一方、ステップ60での判断結
果が否定(N)であるときには、ステップ70に進む。
ステップ70では車輪速度Vωが第2基準速度V2 (>
1 )より小さく、かつ車輪速度
【0017】
【外3】
【0018】が第2基準減速度G2 (>G1 )より小さ
いか否かが判断される。すなわち、このステップでは、
制動時の最適なスリップ率よりも少しスリップ率が上昇
した状態、あるいは路面のノイズ等によって車輪速度V
ω及び車輪速度
【0019】
【外4】
【0020】が落ち込んだ状態であるか否かが判断され
る。そして、ステップ70での判断結果が肯定(Y)で
あるとにはステップ80に進み、否定(N)であるとき
にはステップ90に進む。ステップ80では、ホイール
シリンダ4,5のブレーキ圧力の保持が指令されて、3
位置弁14がBの位置に切り換えられ、ステップ20に
戻る。
【0021】ステップ90では、ホイールシリンダ4,
5のブレーキ圧力が指令されて、3位置弁14がAの位
置に切り換えられ、ステップ20に戻る。次に、図4に
示す減圧モードルーチンについて説明する。減圧モード
リーチンでは、ステップ1000においてホイールシリ
ンダ4,5のブレーキ圧力の減圧が指令されて3位置弁
14がCの位置に切り換えられる。これにより、ホイー
ルシリンダ4,5とリザーバ6とが連通しホイールシリ
ンダ4,5のブレーキ圧力が減圧される。
【0022】ステップ110が実行された後、ステップ
310に進み、ブレーキ踏込みスイッチ13がオフとな
ったか否か、すなわち、運転者がブレーキペダルを離し
て、車両の制動動作が終了したか否かが判定される。こ
の判定結果が肯定(Y)であるとき、ステップ320に
進む。ステップ320では、制御中フラグ、減圧モード
フラグ、保持モードフラグ、増圧完了フラグ、G3UP
フラグがそれぞれオフされる。
【0023】ステップ330では、3位置弁14をAの
位置に切り換えてマスタシリンダ1とホイールシリンダ
4,5とを連通して、アンチステッド制御を終了する。
一方、ステップ310において、ブレーキ踏込みスイッ
チ13がオンしていると判定されたとき、ステップ20
に戻る。そして、ステップ20→ステップ30→ステッ
プ40と処理を実行し、ステップ50に進む。ステップ
50では、前回ステップ100において制御中フラグが
オンされているため、今回判断結果は肯定(Y)とな
り、ステップ120に進む。
【0024】ステップ120では減圧モードフラグがオ
ンされているか否かの判断が行われる。このとき、前回
ステップ100において減圧モードフラグはオンされて
いるため、今回判断結果は肯定(Y)となり、ステップ
130に進む。ステップ130では今回ステップ30に
て演算された車輪加速度
【0025】
【外5】
【0026】が前回演算された車輪加速度
【0027】
【外6】
【0028】以上であるか否かが判断される。つまり、
車輪加速度
【0029】
【外7】
【0030】が負の方向に増加して、車輪が減速してい
る状態であるか、それとも車輪が加速し始めた状態であ
るかが判断される。車輪が減速中であるとステップ11
0に進み、さらにホイールシリンダ4,5のブレーキ圧
力の減圧が行われる。一方、車輪が加速し始めると、ス
テップ140に進み、減圧モードフラグをオフさせると
ともに、ホイールシリンダ4,5のブレーキ圧力を保持
することを示す保持モードフラグをオンさせる。
【0031】ステップ150では、図5に示す保持モー
ドルーチンが実行される。保持モードルーチンでは、ス
テップ2000においてホイールシリンダ4,5のブレ
ーキ圧力を保持するよう指令され、3位置弁14がBの
位置に切り換えられる。ステップ150が実行された
後、ステップ310に進む。このとき、ブレーキ踏込み
スイッチ13がオフされていると、ステップ320,3
30と進み、アンチスキッド制御を終了され、ブレーキ
踏込みスイッチ13がオフしていなければ、再びステッ
プ20に戻る。
【0032】そして、ステップ20→ステップ30→ス
テップ40→ステップ50→ステップ120と実行され
る。ステップ120では前回ステップ140において減
圧モードフラグはオフされているため、今回判断結果は
否定(N)となり、ステップ160に進む。ステップ1
60では保持モードフラグがオンされているか否かが判
断される。このとき、前回ステップ140において保持
モードフラグはオンされているため、今回判断結果は肯
定(Y)となり、ステップ170に進む。ステップ17
では、車輪速度Vωが第4基準速度V4 よりも小さくな
り、かつ車輪加速度
【0033】
【外8】
【0034】が第4基準加速度G4 よりも小さいか否か
が判断される。ここで、第4基準速度V4 は第2基準速
度V2 と第4基準加速度G4 は第2基準加速度G2 とそ
れぞれ等しい値に設定されている。すなわち、このステ
ップ170ではホイールシリンダ4,5のブレーキ圧力
を保持しているときに、車輪速度Vω及び車輪加速度
【0035】
【外9】
【0036】が落ち込み始めたことが検出される。この
ステップ170の判断結果が肯定(Y)であるときは、
ステップ180に進み、増圧完了フラグ、保持モードフ
ラグ、G3UPフラグをそれぞれオフさせるとともに、
増圧モードフラグをオンさせてステップ110にてホイ
ールシリンダ4,5のブレーキ圧力の減圧を行う。ま
た、ステップ170での判断結果が否定(N)であると
きにはステップ190に進む。
【0037】ステップ190では、車輪加速度
【0038】
【外10】
【0039】が第3基準加速度G3 以上かが判断され
る。ここで、第3基準加速度G3 は正の値(例えば+
2.0G)に設定されている。すなわち、このステップ
190では、後輪速度がローピークからハイピークに至
る間の後輪加速度
【0040】
【外11】
【0041】と所定加速度である第3基準加速度G3
の比較が行われる。このステップでの判断結果が肯定
(Y)であるとき、つまり後輪速度回復時の後輪加速度
【0042】
【外12】
【0043】が第3基準加速度G3 よりも大きいとき、
ステップ200に進み、後輪速度の回復が早いことを示
すG3UPフラグをオンする。一方、判断結果が否定
(N)であるときには、ステップ200に進み、G3U
Pフラグをオフする。ステップ220では、車輪速度V
ωが第3基準速度V3 以上か判断され、この判断結果が
肯定(Y)であるときにはステップ230に進む。ここ
で、第3基準速度V3 は第2基準速度フV2 よりも大き
く設定されているために、ステップ230での判断結果
が肯定(Y)であるときには、車輪速度Vωは十分回復
していると判断することができる。また、逆にステップ
220での判断結果が否定(N)であるときには、まだ
十分に車輪速度が回復していないので、ステップ150
に進み、引き続きホイールシリンダ4,5のブレーキ圧
力を保持する。
【0044】ステップ230では、G3UPフラグがオ
ンされているか否かが判定される。ここで、G3UPフ
ラグがオンしているときには、車輪速度の回復が早いた
め、推定車体速度Vsoがほぼ真の車体速度に近似した値
であると考えられる。そこで本実施例においては、車体
速度Vωがこの推定車体速度Vsoから設定した第3基準
速度V3 以上となった時点で、後輪のブレーキ圧力を増
圧し、その後スリップ傾向に応じて減圧してから保持す
ることにより、後輪のブレーキ圧力をより路面の摩擦係
数に適した値としている。一方、G3UPフラグがオン
していないときには、後輪の回復が遅いため、推定車体
速度Vsoは真の車体速度よりも低い速度になっていると
考えられる。従って車輪速度Vωが第3基準速度V3
上となっても、車輪速度Vωが十分回復していると判断
することはできない。そこで、この場合は、後輪のスリ
ップ発生に伴って実行されたブレーキ圧力の減圧後、そ
のブレーキ圧力を保持し続けるようにする。これによ
り、車輪速度Vωが回復したと誤判定し、ブレーキ圧力
を増圧することにより発生する早期ロックを防止するこ
とができる。
【0045】ステップ230での判断結果が肯定(Y)
であるとき、ステップ250に進み、否定(N)である
ときステップ240に進む。ステップ250では、車輪
速度Vωの回復に伴うブレーキ圧力の増圧が終了したこ
とを示す増圧完了フラグがオンされているか否か判断さ
れる。ステップ240では、ブレーキ圧力の増圧制御を
禁止するために、増圧がなされていないにもかかわら
ず、すでに増圧制御が終了したものとみなして、増圧完
了フラグをオンする。そして、ステップ150に進ん
で、ブレーキ圧力を保持し続ける。
【0046】ステップ250での判断結果が肯定(Y)
であるときには、ステップ260に進み、G3UPフラ
グをオフした後、ステップ150に進む。また、判断結
果が否定(N)であるときには、ステップ270に進
み、保持モードフラグをオフする。ステップ280で
は、図6に示す増圧モードルーチンが実行され、ホイー
ルシリンダ4,5のブレーキ圧力が増圧される。
【0047】ここで、図7に示す波形図を用いて増圧モ
ードルーチンについて説明する。ステップ3000で
は、変数CTが第1基準値KTC以上であるか否かが判
断される。この判断結果が否定(N)であれば、ステッ
プ3010に進んで変数CTは1つづつインクリメント
され、肯定(Y)であればステップ3020に進んで変
数CTは0にされる。
【0048】ステップ3030では、変数CTが第2基
準値KTUよりも小さいか否かが判断される。この判断
結果が肯定(Y)であるときは、3位置弁14がAの位
置に切り換えられ、否定(N)であるときにはBの位置
に切り換えられる。つまり、増圧モードルーチンでは、
0から第1基準値KTCまでインクリメントされる変数
CTが第2基準値KTUよりも小さいときにはホイール
シリンダ4,5のブレーキ圧力が増圧され、第2基準値
KTC以上、かつ第1基準値KTCより小さいときに
は、ホイールシリンダ4,5のブレーキ圧力が保持され
る。これにより、一定の割合でホイールシリンダ4,5
のブレーキ圧力は増圧される。
【0049】ステップ280が実行された後、ステップ
310が実行され、ステップ310での判断結果が肯定
(Y)であるときには、ステップ320→ステップ33
0と進んでアンチスキッド制御を終了し、否定(N)で
あるときには再びステップ20に戻る。そして、ステッ
プ20→ステップ30→ステップ40→ステップ50→
ステッフ120→ステップ160と実行され、ステップ
160では前回すでにステップ270にて保持モードフ
ラグはオフされているため、今回判断結果は否定(N)
となり、ステップ290に進む。ステップ290では、
車輪速度Vωが第4基準速度V4 よりも小さく、かつ車
輪加速度
【0050】
【外13】
【0051】が第4基準加速G4 よりも小さいか否かが
判断される。つまり、ホイールシリンダ4,5のブレー
キ圧力を増圧させていくと、ブレーキ力は徐々に増大し
ていくため、再び速度Vωと車輪加速度
【0052】
【外14】
【0053】とが落下する。このステップ290では上
記の状態が検出される。従って、ステップ290での判
断結果が否定(N)であるときには、ステップ250→
ステップ270→ステップ280と進んでホイールシリ
ンダ4,5のブレーキ圧力はさらに増圧され、判断結果
が肯定(Y)であるときには、ステップ300に進む。
ステップ300では、増圧完了フラグをオンさせるとと
もに、減圧モードフラグもオンさせる。ここで、ホイー
ルシリンダ4,5のブレーキ圧力が増圧されてブレーキ
力が少し過大となっているためである。
【0054】後輪速度がローピークからハイピークに至
る間の後輪加速度が第3基準加速度G3 以上の場合の基
本的な制御パターンを図8(a),(b),(c),
(d),(e)のタイムチャートに示す。運転者が車両
の制動を開始し、時刻T1 において車輪速度Vωが第2
基準速度V2 よりも小さくなり、かつ車輪加速度
【0055】
【外15】
【0056】が第2基準加速度G2 よりも小さくなる
と、3位置弁14かBの位置に切り換えられ、ホイール
シリンダ4,5の圧力が保持される。次に、時刻T2
おいて、車輪速度Vωが第1基準速度V1 より小さくな
り、かつ車輪加速度
【0057】
【外16】
【0058】が第1基準加速度G1 よりも小さくなる
と、3位置弁14がBの位置からCの位置に切り換えら
れ、ホイールシリンダ4,5のブレーキ圧力が減圧され
る。時刻T3 において、
【0059】
【外17】
【0060】という条件が満足されると、3位置弁14
がCの位置からBの位置に切り換えられて、ホイールシ
リンダ4,5のブレーキ圧力は再び保持される。時刻T
4 において、車輪加速度
【0061】
【外18】
【0062】が第3基準加速度G3 よりも大きくなる
と、3位置弁14がAの位置とBの位置とに一定時間ご
とに切り換えられる。時刻T5 において、車輪速度Vω
が第4基準速度V4 よりも小さくなり、かつ車輪加速度
【0063】
【外19】
【0064】が第4基準加速度G4 よりも小さくなる
と、3位置弁14がCの位置に切り換わってホイールシ
リンダ4,5のブレーキ圧力が減圧される。時刻T6
おいて、
【0065】
【外20】
【0066】条件が満足されると、3位置弁14はBの
位置に切り換わって、ホイールシリンダ4,5のブレー
キ圧力を保持する。時刻T7 において、ブレーキ踏込み
スイッチ13がオフとなり、制動動作が終了すると、3
位置弁14がAの位置に切り換えられて、アンチスキッ
ド制御を終了する。
【0067】以上述べたように、本実施例のブレーキ圧
力制御装置によるアンチスキッド制御は、基本的に減圧
→保持→増圧→保持という制御パターンによってなされ
る。次に、後輪速度がローピークからハイピークに至る
間の後輪加速度が第3基準加速度G3 より小さい場合の
基本的な制御パターンを図9(a),(b),(c),
(d),(e)のタイムチャートに示す。
【0068】車両の制動が開始され、ホイールシリンダ
4,5のブレーキ圧力の増加に伴い、車輪にスリップが
発生し、ホイールシリンダ4,5のブレーキ圧力が保
持、減圧、そして再び保持されるまでは、図8に示した
制御パターンと同様である。しかし、その後の車輪速度
の回復時に、車輪速度がローピークからハイピークに至
る間(時刻T11〜時刻T12)の車輪加速度
【0069】
【外21】
【0070】が第3基準加速度G3 以上とならないため
に、ホイールシリンダ4,5のブレーキ圧力は増圧され
ず、3位置弁14はB位置に保たれる。そして、時刻T
13においてブレーキ踏込みスイッチ13がオフとなり、
運転者による制動動作が終了した時点で、3位置弁14
がB位置からA位置に切り換えられて制御を終了する。
なお、推定車体速度Vsoに応じて設定される第1、第
2、第3、第4基準速度のV1 ,V2 ,V3 ,V4 のレ
ベルは、V2 ,V3 ,V4 >V1 という関係を満たすも
のであればよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明が適用されるブレーキ液圧制御装置の
構成図である。
【図2】ブレーキ液圧制御装置に構成される電子制御装
置が行う処理のー例を示すフローチャートである。
【図3】図2のフローの続きである。
【図4】減圧モードを示すフローチャートである。
【図5】保持モードを示すフローチャートである。
【図6】増圧モードを示すフローチャートである。
【図7】増圧モードルーチンの処理を示す説明図であ
る。
【図8】制御基本パターンの一例を示すタイミングチャ
ートである。
【図9】制御基本パターンの一例を示すタイミングチャ
ートである。
【符号の説明】
1 マスタシリンダ 2〜5 ホイールシリンダ 6 リザーバ 11 車輪速度センサ 14 3位置弁 20 電子制御装置

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 乗員のブレーキペダル操作に伴いマスタ
    シリンダにて発生するマスタシリンダ圧を用いて車輪の
    ホイールシリンダにブレーキ液圧を加圧し、車輪制動力
    を付与する通常ブレーキ手段と、 車輪のスリップ状態を検出する車輪スリップ状態検出手
    段を備え、前記通常ブレーキ手段が実行されているうち
    に車輪のスリップ状態が所定以上になった際に、車輪の
    ホイールシリンダにかかるブレーキ液圧を増圧、保持、
    減圧調整するアンチスキッド制御手段と、 を備えるブレーキ液圧制御装置において、 前記アンチスキッド制御手段は、 前記ホイールシリンダにかかるブレーキ液圧の減圧調整
    に伴って前記ホイールシリンダから流出するブレーキ液
    を貯留するリザーバを備え、 且つこのリザーバに貯留されたブレーキ液をアンチスキ
    ッド制御中に前記マスタシリンダ側の管路に戻すための
    ポンプが備えておらず、アンチスキッド制御中に貯留さ
    れたリザーバ内のブレーキ液は前記乗員によるブレーキ
    ペダル操作が止められてマスタシリンダ圧がほぼ発生さ
    れなくなった状態で始めてマスタシリンダ側に流出する
    ようにし、 且つ、前記アンチスキッド制御手段の実行時には、前記
    ホイールシリンダに対するブレーキ液量の供給は前記乗
    員のブレーキペダル操作によるマスタシリンダからの供
    給のみであり、 さらに、前記アンチスキッド制御手段は、速度回復時の
    車輪加速度に基づいて、前記ホイールシリンダにかかる
    ブレーキ液圧の減圧調整後、ブレーキ液圧の保持調整を
    維持することを特徴とするブレーキ液圧制御装置。
  2. 【請求項2】 前記アンチスキッド制御手段は、前記通
    常ブレーキ手段の実行状態からアンチスキッド制御手段
    の実行が開始される際に、前記スリップ状態に応じて、
    前記ホイールシリンダ圧を保持する調整から行うことを
    特徴とする請求項1に記載のブレーキ液圧制御装置。
  3. 【請求項3】 前記アンチスキッド制御手段は、前記制
    御サイクルの回数の 制限を前記ホイールシリンダにかか
    るブレーキ液圧の減圧後の増圧を禁止することで実現す
    ることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のブ
    レーキ液圧制御装置。
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