JP2715474B2 - アンチスキッド制御装置 - Google Patents

アンチスキッド制御装置

Info

Publication number
JP2715474B2
JP2715474B2 JP63234296A JP23429688A JP2715474B2 JP 2715474 B2 JP2715474 B2 JP 2715474B2 JP 63234296 A JP63234296 A JP 63234296A JP 23429688 A JP23429688 A JP 23429688A JP 2715474 B2 JP2715474 B2 JP 2715474B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
wheel
pressure
brake
acceleration
cylinder
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP63234296A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH0281759A (ja
Inventor
多佳志 渡辺
雅樹 大岡
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Denso Corp
Original Assignee
Denso Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Denso Corp filed Critical Denso Corp
Priority to JP63234296A priority Critical patent/JP2715474B2/ja
Publication of JPH0281759A publication Critical patent/JPH0281759A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2715474B2 publication Critical patent/JP2715474B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Regulating Braking Force (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は車両制動時に発生する車輪のスリップを防止
可能な、しかも簡素な構成からなるブレーキ圧力制御装
置に関する。
〔従来の技術〕
従来、車両制動時の車輪のスリップを防止し、走行安
定性を確保するために、車輪のスリップ状態を最適値に
制御するアンチスキッド制御装置が知られている。この
アンチスキッド制御装置は、4輪各輪に車輪速度センサ
を備え、これらのセンサの出力から各車輪速度を演算
し、この演算された各車輪速度の最大値を用いて車体速
度を模擬した推定車体速度を演算している。このため、
例えば制動時に車両重心が前方に移動し、後輪がスリッ
プ状態になっても、前輪速度からの真の車体速度にほぼ
近似した推定車体速度を得ることができる。
一方、例えば特開昭62−125942号公報には、アンチス
キッド制御装置の小型、軽量、低コスト化を図ったブレ
ーキ圧力制御装置が提案されている。このブレーキ圧力
制御装置においては、上記目的を達成するために、車輪
速度センサは後輪にのみ設置する、あるいはポンプを省
略するなどの手段を採用している。
〔発明が解決しようとする課題〕
ポンプを省略したアンチスキッド制御装置では、アン
チスキッド制御によるホイールシリンダ圧の減圧時にホ
イールシリンダからリザーバへ流入するブレーキ液量が
所定以上になりリザーバが満杯になれば、以後のホイー
ルシリンダ圧の減圧が実行できなくなる。すなわち、車
輪ロック傾向が強まり、アンチスキッド制御が開始され
てからのアンチスキッド制御の実行可能な時間がリザー
バが満杯になるまでに制限されてしまう。よって、極力
ホイールシリンダ圧の減圧量を抑制して、リザーバに流
入するブレーキ液量を低減して、極力、アンチスキッド
制御可能な時間を長くしたいという要求がある。
そこで本発明では、リザーバに貯留されたブレーキ液
をアンチスキッド制御中にマスタシリンダに戻すポンプ
が省略されたアンチスキッド制御装置において、アンチ
スキッド制御中のリザーバへのブレーキ液の流入量を極
力低減して、アンチスキッド制御可能時間を長く保てる
ようにすることを目的とする。
〔課題を解決するための手段〕
上記目的を達成するために、本発明では、スリップ量
の大きさにより車輪のロック傾向を判定するロック傾向
判定手段と、 マスタシリンダと車輪のホイールシリンダとの間に設
けられ、前記ホイールシリンダにかかるブレーキ圧力を
増圧、保持、減圧する圧力制御手段と、 前記車輪のロック傾向に基づいて、前記圧力制御手段
に対して前記車輪のスリップ状態を最適化するように前
記ホイールシリンダにかかるブレーキ圧力の増圧、保
持、減圧の制御指令信号を出力してアンチスキッド制御
を実行するアンチスキッド制御手段と、 を備えるアンチスキッド制御装置において、 前記アンチスキッド制御手段は、増圧の制御指令信号
の出力によるブレーキ圧力の増圧が行われた後、減圧あ
るいは保持の制御指令信号のみを出力して、前記増圧の
制御指令信号の出力を行わないようにする指令制限手段
を備えており、 前記圧力制御手段は、前記ホイールシリンダにかかる
ブレーキ圧力の減圧時に、前記ホイールシリンダから流
出するブレーキ液を貯留するリザーバを備え、且つこの
リザーバに貯留されたブレーキ液を前記マスタシリンダ
に返流するためのポンプを有していないことを特徴とす
る。
〔作用〕
ポンプを有しないアンチスキッド制御装置では、アン
チスキッド制御中にリザーバに貯留されるブレーキ液を
アンチスキッド制御が終了するまでマスタシリンダ側に
返流できないため、アンチスキッド制御中では、ホイー
ルシリンダ圧の減圧量に応じて、リザーバ内のブレーキ
液貯留量が徐々に増加する一方である。そして、リザー
バ内のブレーキ液貯留量が所定以上(満杯)になれば、
ホイールシリンダ圧の減圧が不可能となるため、アンチ
スキッド制御途中でアンチスキッド制御機能を果たせな
くなる。また、アンチスキッド制御中ではペダル操作に
よるマスタシリンダ内からホイールシリンダ側へのブレ
ーキ液供給以外にマスタシリンダからホイールシリンダ
に至る管路中へブレーキ液を追加することができないた
め、アンチスキッド制御前にはほぼ空の状態であったリ
ザーバにアンチスキッド制御中に所定以上のブレーキ液
量が貯留されると、マスタシリンダからホイールシリン
ダに至る管路中が液薄となる。よって、リザーバ容量を
所定以上大きくすると、前述の液薄状態を助長する可能
性があり、ブレーキ性能上好ましくない。
しかしながら本願発明の構成の如く、増圧の制御指令
信号の出力によるブレーキ圧力の増圧が行われた後、減
圧あるいは保持の制御指令信号のみを出力して、前記増
圧の制御指令信号の出力を行わないようにすれば、アン
チスキッド開始からアンチスキッド制御終了までの間に
おける増圧制御の回数を抑制でき、したがって、ホイー
ルシリンダ圧を減圧しなければならに状況に陥ることを
極力回避できる。よって、ホイールシリンダ圧の減圧量
が減少されるため、アンチスキッド制御期間中にリザー
バに貯留されるブレーキ液量を極力抑制することができ
る。なお、ここでアンチスキッド制御開始とは、ブレー
キペダル操作により発生されているマスタシリンダ圧に
て車輪に制動力を与えている通常ブレーキ状態時に、車
輪のロック傾向が増して、各配管系統中に設けられた弁
等のブレーキペダル以外の構成によりホイールシリンダ
圧が調整され始めた時点をいう。また、アンチスキッド
制御終了とは、弁等のブレーキペダル以外の構成により
ホイールシリンダ圧が調整されている状態から、車輪の
ロック傾向が収まり、前述の通常ブレーキ状態となる時
点をいう。
〔実施例〕
以下、本発明の第1実施例を図面に基づいて説明す
る。
第1図においては、1はタンデムマスタシリンダ、2,
3は前輪のホイールシリンダ、4,5は後輪のホイールシリ
ンダであり、前後分離型の2系統配管となっている。
11は車輪速度センサで、後輪のディファレンシャルに
装着されドライブシャフトの回転数を検出している。12
はプロポーショニングバルブで、マスタシリンダ1の圧
力が所定の値となると、その後のホイールシリンダ4,5
の圧力上昇の比率を小さくするものである。13はブレー
キペダル踏込みスイッチで、運転者がブレーキペダルを
踏んでいるか否かを検出する。14は3ポート3位置の電
磁弁(3位置弁)で、A位置ではマスタシリンダ1とホ
イールシリンダ4,5とを連通して通常のブレーキ動作を
行い、B位置ではホイールシリンダ4,5のブレーキ圧力
を保持し、C位置ではホイールシリンダ4,5とリザーバ
6とを連通してホイールシリンダ4,5のブレーキ圧力の
減圧を行う。7,8はチェック弁で、チェック弁7はマス
タシリンダ1のブレーキ圧力が低下したときにリザーバ
6に蓄えられたブレーキ液をマスタシリンダ1側に戻
し、チェック弁8はホイールシリンダ4,5のブレーキ圧
力がマスタシリンダ1のブレーキ圧力よりも上昇するこ
とを防止するものである。
20は電子制御装置(ECU)で車輪速度センサ11、ブレ
ーキペダル踏込みスイッチ13からの信号に応じて、3位
置弁14を制御し、ホイールシリンダ4,5のブレーキ圧力
を調整する。
第2図(a),(b)、第3図、第4図、第5図はEC
U20が行う処理の一例を示すフローチャートであり、以
下このフローチャートに基づいて作動を説明する。
第2図(a),(b)は本実施例のメインルーチンで
あり、所定間隔Tms(例えば5ms)ごとに繰り返される。
ステップ10では各部の動作のチェック及びフラグの初期
化等の初期化動作が行われる。
ステップ20では、メインルーチンを演算周期である所
定間隔Tmsごとに実行するために、前回ステップ20を実
行してからTms経過したかどうかが判断され、Tms経過す
るとステップ30に進む。
ステップ30では、車輪速度センサ11が出力する信号か
ら車輪速度Vωの読み込みが行われ、車輪速度Vωに基
づいて車輪加速度ωが演算される。
ステップ40では、以下の式によって推定車体速度Vso
が演算される。
Vso(n)=MED[Vω(n),Vso(n−1)+αup ・T,Vso(n−1)+αdw・T] ただし、αupは加速度上限、αdwは減速度上限であ
る。上記の式は、前回と今回の推定車体速度Vsoの速度
差を、加速度には加速度αupによる速度以下に、減速時
には減速度αdwによる速度以下に制限するものである。
つまり、車輪速度Vωと、前回求めた推定車体速度Vso
(n−1)から加速度αupで加速をした場合の速度(V
so(n−1)+αup・T)と、前回求めた推定車体速度
Vso(n−1)から減速度αdwで減速をした場合の速度
(Vso(n−1)+αdw・T)とを比較し、このうちの
中間の速度を推定車体速度とする。
ステツプ50では、アンチスキッド制御が行われている
ことを示す制御中フラグがオンしているか否かが判断さ
れ、オンしているならばステップ120に進み、オフであ
るならばステップ60に進む。
ステップ60では車輪速度Vωが推定車体速度Vsoから
設定される第1基準速度V1よりも小さく、かつ車輪加速
度ωが第1基準減速度G1よりも小さいか否かが判断さ
れる。この第1基準速度V1及び第1基準減速度G1は、十
分に低い値に設定されているため、判断結果が肯定
(Y)であるときには、車輪にスリップが発生したと判
断するとができ、ステップ100に進む。
ステップ100ではアンチスキッド制御を開始するため
の準備として、制御中フラグ、減圧モードフラグがそれ
ぞれオンされる。
ステップ110では、第3図に示す減圧モードルーチン
が実行され、ホイールシリンダ4,5のブレーキ圧力が減
圧される。
一方、ステップ60での判断結果が否定(N)であると
きには、ステップ70に進む。
ステップ70では車輪速度Vωが第2基準速度V2(>
V1)より小さく、かつ車輪加速度ωが第2基準減速度
G2(>G1)より小さいか否かが判断される。すなわち、
このステップでは、制動時の最適なスリップ率よりも少
しスリップ率が上昇した状態、あるいは路面のノイズ等
によって車輪速度Vω及び車輪加速度ωが落ち込んだ
状態であるか否かが判断される。そして、ステップ70で
の判断結果が肯定(Y)であるときにはステップ80に進
み、否定(N)であるときにはステップ90に進む。
ステップ80では、ホイールシリンダ4,5のブレーキ圧
力の保持が指令されて、3位置弁14がBの位置に切り換
えられ、ステップ20に戻る。
ステップ90では、ホイールシリンダ4,5のブレーキ圧
力の増圧が指令されて、3位置弁14がAの位置に切り換
えられ、ステップ20に戻る。
次に、第3図に示す減圧モードルーチンについて説明
する。
減圧モードルーチンでは、ステップ1000においてホイ
ールシリンダ4,5のブレーキ圧力の減圧が指令されて3
位置弁14がCの位置に切り換えられる。これにより、ホ
イールシリンダ4,5とリザーバ6とが連通し、ホイール
シリンダ4,5のブレーキ圧力が減圧される。
ステップ110が実行された後、ステップ310に進み、ブ
レーキ踏込みスイッチ13がオフとなったか否か、すなわ
ち、運転者がブレーキペダルを離して、車両の制動動作
が終了したか否かが判定される。この判定結果が肯定
(Y)であるとき、ステップ320に進む。
ステップ320では、制御中フラグ、減圧モードフラ
グ、保持モードフラグ、増圧完了フラグ、G3UPフラグが
それぞれオフされる。
ステップ330では、3位置弁14をAの位置に切り換え
てマスタシリンダ1とホイールシリンダ4,5とを連通し
て、アンチスキッド制御を終了する。
一方、ステップ310において、ブレーキ踏込みスイッ
チ13がオンしていると判定されたとき、ステップ20に戻
る。
そして、ステップ20→ステップ30→ステップ40と処理
を実行し、ステップ50に進む。ステップ50では、前回ス
テップ100において制御中フラグがオンされているた
め、今回判断結果は肯定(Y)となり、ステップ120に
進む。
ステップ120では減圧モードフラグがオンされている
か否かの判断が行われる。このとき、前回ステップ100
において減圧モードフラグはオンされているため、今回
判断結果は肯定(Y)となり、ステップ130に進む。
ステップ130では今回ステップ30に演算された車輪加
速度ω(n)が前回演算された車輪加速度ω(n−
1)以上であるか否かが判断される。つまり、車輪加速
度ω(n)が負の方向に増加して、車輪が減速してい
る状態であるか、それとも車輪が加速し始めた状態であ
るかが判断される。車輪が減速中であるとステップ110
に進み、さらにホイールシリンダ4,5のブレーキ圧力の
減圧が行われる。一方、車輪が加速し始めると、ステッ
プ140に進み、減圧モードフラグをオフさせるととも
に、ホイールシリンダ4,5のブレーキ圧力を保持するこ
とを示す保持モードフラグをオンさせる。
ステップ150では、第4図に示す保持モードルーチン
が実行される。
保持モードルーチンでは、ステップ2000においてホイ
ールシリンダ4,5のブレーキ圧力を保持するよう指令さ
れ、3位置弁14がBの位置に切り換えられる。
ステップ150が実行された後、ステップ310に進む。こ
のとき、ブレーキ踏込みスイッチ13がオフされている
と、ステップ320,330と進み、アンチスキッド制御は終
了され、ブレーキ踏込みスイッチ13がオフしていなけれ
ば、再びステップ20に戻る。
そして、ステップ20→ステップ30→ステップ40→ステ
ップ50→ステップ120と実行される。ステップ120では前
回ステップ140において減圧モードフラグはオフされて
いるため、今回判断結果は否定(N)となり、ステップ
160に進む。
ステップ160では保持モードフラグがオンされている
か否かが判断される。このとき、前回ステップ140にお
いて保持モードフラグはオンされているため、今回判断
結果は肯定(Y)となり、ステップ170に進む。ステッ
プ170では、車輪速度Vωが第4基準速度V4よりも小さ
くなり、かつ車輪加速度ωが第4基準加速度G4よりも
小さいか否かが判断される。ここで、第4基準速度V4
第2基準速度V2と第4基準加速度G4は第2基準加速度G2
とそれぞれ等しい値に設定されている。すなわち、この
ステップ170ではホイールシリンダ4,5のブレーキ圧力を
保持しているときに、車輪速度Vω及び車輪加速度ω
が落ち込み始めたことが検出される。このステップ170
の判断結果が肯定(Y)であるときは、ステップ180に
進み、増圧完了フラグ、保持モードフラグ、G3UPフラグ
をそれぞれオフさせるとともに、減圧モードフラグをオ
ンさせてステップ110にてホイールシリンダ4,5のブレー
キ圧力の減圧を行う。また、ステップ170での判断結果
が否定(N)であるときにはステップ190に進む。
ステップ190では、車輪加速度ωが第3基準加速度G
3以上かが判断される。ここで、第3基準加速度G3は正
の値(例えば+2.0G)に設定されている。すなわち、こ
のステップ190では、後輪速度がローピークからハイピ
ークに至る間の後輪加速度ωと所定加速度である第3
基準加速度G3との比較が行われる。このステップで判断
結果が肯定(Y)であるとき、つまり後輪速度回復時の
後輪加速度ωが第3基準加速度G3よりも大きいとき、
ステップ200に進み、後輪速度の回復が早いことを示すG
3UPフラグをオンする。一方、判断結果が否定(N)で
あるときには、ステップ200に進み、G3UPフラグをオフ
する。
ステップ220では、車輪速度Vωが第3基準速度V3
上か判断され、この判断結果が肯定(Y)であるときに
はステップ230に進む。ここで、第3基準速度V3は第2
基準速度V2よりも大きく設定されているために、ステッ
プ220での判断結果が肯定(Y)であるときには、車輪
速度Vωは十分回復していると判断することができる。
また、逆にステップ220での判断結果が否定(N)であ
るときには、まだ十分に車輪速度が回復していないの
で、ステップ150に進み、引き続きホイールシリンダ4,5
のブレーキ圧力を保持する。
ステップ230では、G3UPフラグがオンされているか否
かが判定される。ここで、G3UPフラグがオンしていると
きには、後輪速度の回復が早いため、推定車体速度Vso
がほぼ真の車体速度に近似した値であると考えられる。
そこで本実施例においては、車輪速度Vωがこの推定車
体速度Vsoから設定した第3基準速度V3以上となった時
点で、後輪のブレーキ圧力を増圧し、その後スリップ傾
向に応じて減圧してから保持することにより、後輪のブ
レーキ圧力をより路面の摩擦係数に適した値としてい
る。一方、G3UPフラグがオンしていないときには、後輪
の回復が遅いため、推定車体速度Vsoは真の車体速度よ
りも低い速度になっていると考えられる。従って、車輪
速度Vωが第3基準速度V3以上となっても、車輪速度V
ωが十分回復していると判断することはできない。そこ
で、この場合は、後輪のスリップ発生に伴って実行され
たブレーキ圧力の減圧後、そのブレーキ圧力を保持し続
けるようにする。これにより、車輪速度Vωが回復した
と誤判定し、ブレーキ圧力を増圧することにより発生す
る早期ロックを防止することができる。
ステップ230での判断結果が肯定(Y)であるとき、
ステップ250に進み、否定(N)であるときステップ240
に進む。
ステップ250では、車輪速度Vωの回復に伴うブレー
キ圧力の増圧が終了したことを示す増圧完了フラグがオ
ンされているか否か判断される。
ステップ240では、ブレーキ圧力の増圧制御を禁止す
るために、増圧がなされていないにもかかわらず、すで
に増圧制御が終了したものとみなして、増圧完了フラグ
をオンする。そして、ステップ150に進んで、ブレーキ
圧力を保持し続ける。
ステップ250での判断結果が肯定(Y)であるときに
は、ステップ260に進み、G3UPフラグをオフした後、ス
テップ150に進む。また、判断結果が否定(N)である
ときには、ステップ270に進み、保持モードフラグをオ
フする。
ステップ280では、第5図に示す増圧モードルーチン
が実行され、ホイールシリンダ4,5のブレーキ圧力が増
圧される。
ここで、第6図に示す波形図を用いて増圧モードルー
チンについて説明する。
ステップ3000では、変数CTが第1基準値KTC以上であ
るか否かが判断される。この判断結果が否定(N)であ
れば、ステップ3010に進んで変数CTは1つづつインクリ
メントされ、肯定(Y)であればステップ3020に進んで
変数CTは0にされる。
ステップ3030では、変数CTが第2基準値KTUよりも小
さいか否かが判断される。この判断結果が肯定(Y)で
あるときには、3位置弁14がAの位置に切り換えられ、
否定(N)であるときにはBの位置に切り換えられる。
つまり、増圧モードルーチンでは、0から第1基準KT
Cまでインクリメントされる変数CTが第2基準値KTUより
も小さいときにはホイールシリンダ4,5のブレーキ圧力
が増圧され、第2基準値KTC以上、かつ第1基準値KTCよ
り小さいときには、ホイールシリンダ4,5のブレーキ圧
力が保持される。これにより、一定の割合でホイールシ
リンダ4,5のブレーキ圧力は増圧される。
ステップ280が実行された後、ステップ310が実行さ
れ、ステップ310での判断結果が肯定(Y)であるとき
には、ステップ320→ステップ330と進んでアンチスキッ
ド制御を終了し、否定(N)であるときには再びステッ
プ20に戻る。そして、ステップ20→ステップ30→ステッ
プ40→ステップ50→ステップ120→ステップ160と実行さ
れ、ステップ160では前回すでにステップ270にて保持モ
ードフラグはオフされているため、今回判断結果は否定
(N)となり、ステップ290に進む。ステップ290では、
車輪速度Vωが第4基準速度V4よりも小さく、かつ車輪
加速度ωが第4基準加速度G4よりも小さいか否かが判
断される。つまり、ホイールシリンダ4,5のビレーキ圧
力を増圧させていくと、ブレーキ力は徐々に増大してい
くため、再び車輪速度Vωと車輪加速度ωとが降下す
る。このステップ290では上記の状態が検出される。従
って、ステップ290での判断結果が否定(N)であると
きには、ステップ250→ステップ270→ステップ280と進
んでホイールシリンダ4,5のブレーキ圧力はさらに増圧
され、判断結果が肯定(Y)であるときには、ステップ
300に進む。
ステップ300では、増圧完了フラグをオンさせるとと
もに、減圧モードフラグもオンさせる。ここで、ホイー
ルシリンダ4,5のブレーキ圧力を減圧するのは、ホイー
ルシリンダ4,5のブレーキ圧力が押圧されてブレーキ力
が少し過大となっているためである。
後輪速度がローピークからハイピークに至る間の後輪
加速度が第3基準加速度G3以上の場合の基本的な制御パ
ターンを第7図(a),(b),(c),(d),
(e)のタイムチャートに示す。
運転者が車両の制動を開始し、時刻T1において車輪速
度Vωが第2基準速度V2よりも小さくなり、かつ車輪加
速度ωが第2基準加速度G2よりも小さくなると、3位
置弁14かBの位置に切り換えられ、ホイールシリンダ4,
5の圧力が保持される。
次に、時刻T2において、車輪速度Vωが第1基準速度
V1よりも小さくなり、かつ車輪加速度ωが第1基準加
速度G1よりも小さくなると、3位置弁14がBの位置から
Cの位置に切り換えられ、ホイールシリンダ4,5のブレ
ーキ圧力が減圧される。
時刻T3において、ω(n)≧ω(n−1)という
条件が満足されると、3位置弁14がCの位置からBの位
置き切り換えられて、ホイールシリンダ4,5のブレーキ
圧力は再び保持される。
時刻T4において、車輪加速度ωが第3基準加速度G3
よりも大きくなると、3位置弁14がAの位置とBの位置
とに一定時間ごとに切り換えられる。
時刻T5において、車輪速度Vωが第4基準速度V4より
も小さくなり、かつ車輪加速度ωが第4基準加速度G4
よりも小さくなると、3位置弁14がCの位置に切り換わ
ってホイールシリンダ4,5のブレーキ圧力が減圧され
る。
時刻T6において、ω(n)≧ω(n−1)という
条件が満足されると、3位置弁14はBの位置に切り換わ
って、ホイールシリンダ4,5のブレーキ圧力を保持す
る。
時刻T7において、ブレーキ踏込みスイッチ13がオフと
なり、制動動作が終了すると、3位置弁14がAの位置に
切り換えられて、アンチスキッド制御を終了する。
以上述べたように、本実施例のブレーキ圧力制御装置
によるアンチスキッド制御は、基本的に減圧→保持→増
圧→減圧→保持という制御パターンによってなされる。
次に、後輪速度がローピークからハイピークに至る間
の後輪加速度が第3基準加速度G3より小さい場合の基本
的な制御パターンを、第8図(a),(b),(c),
(d),(e)のタイムチャートに示す。
車両の制動が開始され、ホイールシリンダ4,5のブレ
ーキ圧力の増加に伴い、車輪にスリップが発生し、ホイ
ールシリンダ4,5のブレーキ圧力が保持、減圧、そして
再び保持されるまでは、第7図に示した制御パターンと
同様である。しかし、その後の車輪速度の回復時に、車
輪速度がローピークからハイピークに至る間(時刻T11
〜時刻T12)の車輪加速度ωが第3基準加速度G3以上
とならないために、ホイールシリンダ4,5のブレーキ圧
力は増圧されず、3位置弁14はBの位置に保たれる。そ
して、時刻T13においてブレーキ踏込みスイッチ13がオ
フとなり、運転者による制動動作が終了した時点で、3
位置弁14がB位置からA位置に切り換えられて制御を終
了する。
なお、推定車体速度Vsoに応じて設定される第1、第
2、第3、第4機運速度のV1,V2,V3,V4のレベルは、V2,
V3,V4>V1という関係を満たすものであればよい。ま
た、本実施例において、第2図(a)のステップ40が車
体速度推定手段に、ステップ60〜ステップ280までがス
リップ制御手段に、ステップ190が比較手段に、ステッ
プ230が指令手段に相当する。そして、3位置弁14が圧
力制御手段に相当する。
〔発明の効果〕
以上説明したように、本発明によれば、リザーバに貯
留されたブレーキ液をアンチスキッド制御中にマスタシ
リンダに戻すポンプが省略されたアンチスキッド制御装
置において、アンチスキッド制御中のリザーバへのブレ
ーキ液の流入量を極力低減して、アンチスキッド制御可
能時間を長く保てるようにすることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明による第1実施例の構成図、第2図
(a),(b)、第3図、第4図及び第5図はそれぞれ
第1図に示す実施例の電子制御装置が行う処理手順の一
例を示すフローチャート、第6図は第5図に示す増圧モ
ードルーチンの処理を説明する説明図、第7図(a),
(b),(c),(d),(e)及び第8図(a),
(b),(c),(d),(e)は第1図に示す実施例
の制御の基本パターンを示す波形図、 1……マスタシリンダ,2〜5……ホイールシリンダ,6…
…リザーバ,11……車輪速度センサ,14……3位置弁,20
……電子制御装置。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】スリップ量の大きさにより車輪のロック傾
    向を判定するロック傾向判定手段と、 マスタシリンダと車輪のホイールシリンダとの間に設け
    られ、前記ホイールシリンダにかかるブレーキ圧力を増
    圧、保持、減圧する圧力制御手段と、 前記車輪のロック傾向に基づいて、前記圧力制御手段に
    対して前記車輪のスリップ状態を最適化するように前記
    ホイールシリンダにかかるブレーキ圧力の増圧、保持、
    減圧の制御指令信号を出力してアンチスキッド制御を実
    行するアンチスキッド制御手段と、 を備えるアンチスキッド制御装置において、 前記アンチスキッド制御手段は、増圧の制御指令信号の
    出力によるブレーキ圧力の増圧が行われた後、減圧ある
    いは保持の制御指令信号のみを出力して、前記増圧の制
    御指令信号の出力を行わないようにする指令制限手段を
    備えており、 前記圧力制御手段は、前記ホイールシリンダにかかるブ
    レーキ圧力の減圧時に、前記ホイールシリンダから流出
    するブレーキ液を貯留するリザーバを備え、且つこのリ
    ザーバに貯留されたブレーキ液を前記マスタシリンダに
    返流するためのポンプを有していないことを特徴とする
    アンチスキッド制御装置。
  2. 【請求項2】前記指令制限手段は、前記車輪の車輪加速
    度を検知する車輪加速度検知手段を備え、ホイールシリ
    ンダにかかるブレーキ液圧の減圧後の車輪加速度の復帰
    状態が正の所定加速度値以上とならない場合には前記増
    圧の制御指令信号の出力を行わないようにする指令制限
    を行うことを特徴とする請求項1記載のアンチスキッド
    制御装置。
JP63234296A 1988-09-19 1988-09-19 アンチスキッド制御装置 Expired - Fee Related JP2715474B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP63234296A JP2715474B2 (ja) 1988-09-19 1988-09-19 アンチスキッド制御装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP63234296A JP2715474B2 (ja) 1988-09-19 1988-09-19 アンチスキッド制御装置

Related Child Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP9141581A Division JP3019801B2 (ja) 1997-05-30 1997-05-30 ブレーキ液圧制御装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0281759A JPH0281759A (ja) 1990-03-22
JP2715474B2 true JP2715474B2 (ja) 1998-02-18

Family

ID=16968769

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP63234296A Expired - Fee Related JP2715474B2 (ja) 1988-09-19 1988-09-19 アンチスキッド制御装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2715474B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6089681A (en) * 1997-01-21 2000-07-18 Denso Corporation Antiskid control apparatus

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH064411B2 (ja) * 1985-01-25 1994-01-19 本田技研工業株式会社 アンチロック制動装置
US4673226A (en) * 1985-02-19 1987-06-16 Kelsey-Hayes Company Vehicle skid control system
JPS62227842A (ja) * 1986-03-28 1987-10-06 Honda Motor Co Ltd 車両速度推定方法

Also Published As

Publication number Publication date
JPH0281759A (ja) 1990-03-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6023649A (en) Antiskid controller
JP2820741B2 (ja) アンチロック制御装置
JP2715474B2 (ja) アンチスキッド制御装置
JP2844777B2 (ja) アンチスキッド制御装置
US5443583A (en) Method for judging friction coefficient of road surface and method for anti-skid brake control using said method
JP3204727B2 (ja) アンチスキッド制御装置
JP2639040B2 (ja) ブレーキ圧力制御装置
JP3019801B2 (ja) ブレーキ液圧制御装置
JP2794734B2 (ja) ブレーキ圧力制御装置
JP3342893B2 (ja) 車両のアンチスキッドブレーキ装置
JP3157191B2 (ja) 車両のスリップ制御装置
JPH04293654A (ja) 車両のアンチスキッドブレーキ装置
JPH054574A (ja) アンチスキツド制御装置
JP3289444B2 (ja) アンチロック制御装置
JPH0542943Y2 (ja)
JP3157192B2 (ja) 車両のスリップ制御装置
JP3508211B2 (ja) アンチスキッド制御装置
JPH023564A (ja) 簡易型アンチスキッド制御装置
JP3255459B2 (ja) 車両のアンチスキッドブレーキ装置
JP2778281B2 (ja) 車両用アンチスキッド制御装置
JP3275759B2 (ja) ブレーキ装置
JP3607318B2 (ja) 車両用アンチスキッド制御装置
JP3029865B2 (ja) 車両のアンチスキッドブレーキ装置
JP3153545B2 (ja) 車両のアンチスキッドブレーキ装置
JP3031999B2 (ja) 車両のアンチスキッドブレーキ装置

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees