JP2639040B2 - ブレーキ圧力制御装置 - Google Patents

ブレーキ圧力制御装置

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JP2639040B2
JP2639040B2 JP224289A JP224289A JP2639040B2 JP 2639040 B2 JP2639040 B2 JP 2639040B2 JP 224289 A JP224289 A JP 224289A JP 224289 A JP224289 A JP 224289A JP 2639040 B2 JP2639040 B2 JP 2639040B2
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Description

【発明の詳細な説明】 【産業上の利用分野】
本発明は車両の制動時における車輪のロックを防止す
るブレーキ圧力制御装置に関する。
【従来技術】
従来、この種の装置として、構造の簡略化の要請か
ら、後輪のみ油圧制御し、減圧時にリザーバに溜められ
たブレーキ油をマスタシリンダに還流するためのポンプ
を省略し、ブレーキの解除に伴うマスタシリンダの減圧
によりリザーバに溜められたブレーキ油をマスタシリン
ダに還流させるようにした装置が知られている(特開昭
61−222850号公報)。
【発明が解決しようとする課題】
このリザーバに戻されたブレーキ油をマスタシリンダ
に還流するためのポンプを用いない装置では、リザーバ
の容量以上にブレーキ油をホイールシリンダから戻すこ
とができない。したがって、リザーバが満杯になるとブ
レーキ圧力をそれ以上減圧することができないので、車
輪がロックするという問題がある。そこで、特開昭61−
222850号公報によると、制動当初に、車輪のスリップが
検出された時には、減圧しその後その油圧を保持すると
いう制御が行われている。しかし、かかる方法は、油圧
保持による制御のため、やや制動力が犠牲になってい
る。特に、低摩擦係数路面から高摩擦係数路面にかけて
制動が行われるとき、最大制動力より低いところで制動
が実行されることになる。又、このように、制動力がや
や犠牲になるため、かかる制御方法は後輪にのみ適用さ
れる。 しかしながら、特に制動初期時の操舵力を確保するた
めには、前輪も油圧制御する必要がある。 本発明は、上記のように、リザーバのブレーキ油をマ
スタシリンダに還流させるポンプを有しないブレーキ圧
力制御装置において、前輪及び後輪のブレーキ圧力を制
御し、制動時の操舵性、走行安定性、制動性を共に向上
されることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するための発明の構成は、第1図に示
すように、それぞれ、前輪及び後輪のブレーキ油圧経路
に配設され、前輪及び後輪のホイールシリンダのブレー
キ圧力を増圧、保持及び減圧する前輪用圧力弁手段及び
後輪用圧力弁手段と、それぞれ、減圧時にホイールシリ
ンダから前輪用圧力弁手段及び後輪用圧力弁手段を介し
て戻されたブレーキ油を一時貯蔵し、ブレーキペダルの
戻りによるマスタシリンダの減圧によりそのブレーキ油
がマスタシリンダに還流されるように配設された前輪用
リザーバ及び後輪用リザーバとを有するブレーキ圧力制
御装置において、 制動時、後輪にスリップが検出された時は、後輪のブ
レーキ圧力を減圧後保持するように前記後輪用圧力弁手
段を制御する第1制御手段と、 制動時、前輪にスリップが検出された時に、前輪のブ
レーキ圧力を減圧後保持する減圧制御と、その後、前輪
の車輪速度が回復した場合には、増圧、保持を1周期と
して繰り返すステップ増圧制御とを前輪のスリップ状態
に応じて交互に行うように前記前輪用圧力弁手段を制御
する第2制御手段とを設けたことを特徴とする。 また、前記後輪用圧力弁手段は、前記第2制御手段に
よる前記前輪のスリップ制御実行時には、前記後輪に対
して増圧、保持を1周期として繰り返すステップ増圧制
御を実行するようにしてもよい。 また、前記第1制御手段による前記後輪にかかるブレ
ーキ圧力の減圧開始は、前輪のスリップが検出されて前
記第2制御手段が実行され、且つ前記前記後輪用圧力弁
手段によって該後輪が前記ステップ増圧制御を実行さ
れ、これによって該後輪がスリップし始めた時であるこ
とを特徴とするようにしてもよい。
【作用】
後輪では、第1制御手段により、スリップが検出され
ると、ブレーキ圧力の減圧後その圧力を保持するという
減圧制御が行われる。又、前輪では、第2制御手段によ
り、前輪のスリップが検出された時にはブレーキ圧力の
減圧後その圧力を保持する減圧制御と、その後、前輪の
車輪速度が回復した場合にはブレーキ圧力の増圧と保持
を1周期として繰り返すステップ増圧制御とが、車輪の
スリップ状態に応じて繰り返し実行される。 この結果、制動に重点が置かれる前輪では、ブレーキ
圧力の増圧と減圧との繰り返しにより、スリップ率がよ
り最適値に保持されるので制動力がより高くなる。又、
上記のようなステップ増圧制御によりリザーバが満杯と
なると減圧できず前輪がロックされてしまう可能性があ
るが、かかる状態に達するまでは、効率の高い高摩擦で
の制動が行われ、且つ、操舵性が確保される。一般に、
操舵性を要求されるのは、制動当社であるので、制動終
期での前輪ロックはあまり問題とはならない。又、常
時、リザーバが満杯になるまで、ブレーキペダルが踏み
込まれている場合は少なく、上記の制御でも前輪がロッ
クされる場合は頻繁には起こらない。又、後輪では、ブ
レーキ圧力を減圧後保持するという制御のため、後輪が
ロックされることがないので、走行安定が確保される。 また、前輪にスリップが検出されており、第2の制御
手段によってスリップ制御が実行されている場合には、
後輪もスリップする可能性が高く、この際後輪にまだス
リップが検出されていない場合においてもステップ増圧
制御を実行することによって、スリップの発生を遅らせ
ることができる。よって、制動力を稼ぐことができる。
また、ステップ増圧を実行することによって、保持を実
行する時間が存在するため、後輪にかかるブレーキ圧の
急激な立ち上がりを防止することができる。よって第1
制動手段による減圧実行時にリザーバに戻されるブレー
キ油量を抑制することができる。 さらに、第1制御手段によるブレーキ圧の減圧制御を
以上のようにすると、減圧によるブレーキ油のリザーバ
への戻り量を一層抑制できる。
【実施例】
以下、本発明を具体的な実施例に基づいて説明する。 第2図において、ブレーキペダル6の作動により加圧
されるマスタシリンダ1には前輪及び後輪の2系統の油
圧経路30,40が接続されている。その油圧経路30には3
ポート3位置構造の電磁弁(3位置弁)7が配設されて
いる。この電磁弁7の作動位置がA位置の時には、マス
タシリンダ1で加圧された圧油が油圧経路31を介して左
右前輪のホイールシリンダ2,3に供給され、ブレーキ圧
力は加圧状態のなる。この状態は通常のブレーキ動作状
態である。又、電磁弁7の作動位置がB位置の時には、
油圧経路31は他の油圧経路30、32に対して遮断され、ホ
イールシリンダ2,3内の油圧は保持され、ブレーキ圧力
は保持状態となる。更に、電磁弁7の作動位置がC位置
の時には、油圧経路31は油圧経路30と遮断されるが油圧
経路32とを連通し、ホイールシリンダ2,3内の圧油は油
圧経路31、32を介して、リザーバ13に戻され、ブレーキ
圧力は減圧状態となる。 又、油圧経路31はチェック弁9を介して油圧経路30と
接続されており、ブレーキペダル6の復元に伴いマスタ
シリンダ1内の油圧が減圧されると、ホイールシリンダ
2、3内のブレーキ油は一部マスタシリンダ1に還元さ
れ、ホイールシリンダ2、3は無圧状態となり、ブレー
キは解放される。 又、油圧経路33はチェック弁10を介して油圧経路30と
接続されており、同様に、ブレーキペダル6の復元に伴
うマスタシリンダ1の減圧により、リザーバ13に溜めら
れたブレーキ油は完全にマスタシリンダ1に還流され
る。 後輪のブレーキ系統も上述の前輪のブレーキ系統と同
様に構成されている。即ち、マスシタリンダ1に接続さ
れる油圧経路40に電磁弁8が配設され、その電磁弁8は
油圧経路41を介して後輪のホイールシリンダ4、5と接
続され、電磁弁8は他方において油圧経路42を介してリ
ザーバ14に接続され、リザーバ14は油圧経路43及びチェ
ック弁12を介して油圧経路40に、油圧経路41はチェック
弁11を介して油圧経路40にそれぞれ接続されている。
又、マスタシリンダ1の油圧が所定値を越えると、その
後の後輪のホイールシリンダ4、5のブレーキ圧力の上
昇比率を前輪のホイールシリンダ2、3のそれに比べて
小さくするプロポーショニングバルブ12が油圧経路40に
配設されている点で前輪の油圧系統と異なる。 その他、左右前輪の回転速度を検出する速度センサ1
5、16と後輪の回転速度を検出する速度センサ17が配設
されている。前輪の速度センサ15、16は各左右輪のナッ
クルに取付けられ、ハブの先端に溝の切られたセンサロ
ータの回転数を検出し、後輪の速度センサ17はトランス
ミッションのスピードメータケーブル接続部に取付けら
れ、その回転数、即ち、左右輪の平均速度を検出するよ
うにしている。これらの速度センサ15、16、17及びブレ
ーキペダル6が作動状態か否かを検出するブレーキスイ
ッチ19の出力信号は、これらの信号に応じて電磁弁7、
8の弁位置を制御する電子制御装置20に入力している。 次に、電子制御装置20の作用について説明する。 第3図に示すタイミングチャートに沿って、制御手順
を説明する。 通常、電磁弁7、8の作動位置はA位置となってお
り、ブレーキペダル6が、時刻t1において作動すると、
前輪及び後輪のホイールシリンダ2、3、4、5のブレ
ーキ圧力は向上し、ブレーキがきき始める。すると、前
輪及び後輪の車輪速度が急激に減少し、予測される車体
速度Vとの間で遅度差を生じ、車輪はスリップし始めそ
のスリップ率は急激に大きくなる。 この車輪のスリップ開始が検出されると、前輪と後輪
のブレーキ圧力は別々の制御方法にて制御される。 次に、前輪のブレーキ圧力の制御手順について説明す
る。 時刻t2で前輪のスリップ率が閾値Th1以上となりスリ
ップが検出されると、電磁弁7の作動位置はB位置に切
換られ、その後、更ににスリップ率が閾値Th2により大
きくなるか、車輪加速度が閾値−KG(KG>0)より小さ
く(即ち、車輪減速度が閾値KGより大きく)なる時刻t3
で電磁弁7の作動位置はC位置に切換られ、ホイールシ
リンダ2、3の圧油がリザーバ13に還元され、ブレーキ
圧力は減圧される。ブレーキ圧力が減圧されると、車輪
は加速され始める。そして、スリップ率が閾値Th2以下
で車輪加速度が閾値−KG以上(即ち、車輪速度に所定条
件の回復が見られる)となる時刻t4において、電磁弁7
の作動位置は再びB位置に切換られ、ブレーキ圧力はそ
の減圧状態に保持される。すると、車輪速度は更に加速
され、スリップ率は更に減少する。すると、スリップ率
が閾値Th3より小さくなる(即ち、車輪速度が所定条件
を満たすまで回復する)時刻t5から、スリップ率が閾値
TH2より大きくなるか車輪加速度が閾値−KG(KG>0)
より小さくなる時刻t6の間、電磁弁7の作動位置がA位
置の増圧位置とB位置の保持位置とで所定の周期で切り
換えられる。この切換周期は切換回数と共に変化する予
め決められた周期パターン特性で決定される。このステ
ップ増圧制御の結果、ホイールシリンダ2、3のブレー
キ圧は時刻t5から段階状に緩やかに上昇する。すると、
ブレーキがきき始め前輪は又減速され、スリップを生じ
るようになる。そして、そのスリップ率か車輪加速度が
上記閾値より大きくなる時刻t6において、電磁弁7の作
動位置はC位置に切換られ、ブレーキ圧力は減圧され
る。その後、スリップ率が閾値Th2以下で車輪加速度が
閾値−KG以上となる時刻t7で再び電磁弁7の作動位置は
B位置に切換られ、ブレーキ圧力はその減圧状態に保持
される。 以上のような、減圧制御とステップ増圧制御が車輪の
スリップ状態に応じて繰り返し実行され、車体速度は低
下していく。ところが、減圧制御時に、リザーバ13にブ
レーキ油が戻されるが、リザーバ13が満杯になると、こ
れ以上ブレーキ圧力を減圧することは不可能となる。こ
のような状態になる時刻t8では、ブレーキ圧力は増圧状
態で保持されるため、前輪は減速されそのスリップ率は
増加し、最後に完全にロックされる。そのロック状態が
一定時間KT以上継続される時刻t9において、上記のステ
ップ増圧制御が行われ、ブレーキ圧力は緩やかに上昇さ
れる。ブレーキ圧力の増圧が完了する時刻t1 におい
て、電磁弁7の作動位置はA位置に保持され、マスタシ
リンダ1とホイールシリンダ2、3とが直結される。
又、制御途中で、ブレーキペダル6が戻されると、電磁
弁7の作動位置はA位置に保持され、マスタシリンダ1
と前輪のホイールシリンダ2、3とが直結される。 次に、後輪の制御手順について説明する。 時刻t20で後輪のスリップ率が閾値Th1以上となりスッ
リプが検出されると、電磁弁8の作動位置はB位置に切
換られ、その後、更にスリップ率が閾値Th2より大きく
なるか、車輪加速度が閾値−KGより小さくなる時刻t21
で電磁弁8の作動位置はC位置に切換られ、ホイールシ
リンダ4、5の圧油がリザーバ14に還元され、ブレーキ
圧力に減圧される。ブレーキ圧力が減圧されると、車輪
は加速され始める。そして、スリップ率が閾値Th2以下
で車輪加速度が閾値−KG以上となる時刻t22において、
電磁弁8の作動位置は再びB位置に切換られ、ブレーキ
圧力はその減圧状態に保持される。すると、車輪速度は
更に加速され、スリップ率は更に減少する。その後、後
輪ではこの時のブレーキ圧力が保持され、後輪は一定の
スリップ率で車体速度に追随して減速される。 そして、前輪のロック状態が一定時間継続された後の
時刻tにおいて、後輪は前輪と同様にステップ増圧制
御される。すると、後輪はスリップし始め、スリップ率
が閾値Th2より大きくなるか、車輪加速度が閾値−KGよ
り小さくなる時刻t23で電磁弁8の作動位置はC位置に
切換られ、ホイールシリンダ4、5の圧油がリザーバ14
に還元され、ブレーキ圧力は減圧される。ブレーキ圧力
が減圧されると、車輪は加速され始める。そして、スリ
ップ率が閾値Th2以上で車輪加速度が閾値−KG以上(即
ち、車輪速度に所定条件の回復が見られる)となる時刻
t24において、電磁弁8の作動位置は再びB位置に切換
られ、ブレーキ圧力はその減圧状態に保持される。する
と、車輪速度は更に加速され、スリップ率は更に減少す
る。そして、スリップ率が閾値Th3より小さくなると、
再度ステップ増圧制御が実行される。このように、上記
のステップ増圧制御と減圧制御とが後輪のスリップ状態
に応じて繰り返し実行される。その後、ブレーキペダル
6が戻されると、電磁弁8の作動位置はA位置に保持さ
れ、マスタシリンダ1と後輪のホイールシリンダ4、5
とが直結される。 次に、上記の油圧制御の指令する電子制御装置20の処
理手順について第4図を参照して説明する。 ステップ100では各種のフラグが初期設定され、次の
ステップ102では演算輪が設定される。この演算輪は前
輪と後輪とで交互に設定される。ステップ104では、ス
テップ102で設定された演算輪の車輪速度が速度センサ
2、3又は速度センサ17から入力され、前回測定時から
の経過時間により車輪速度が演算される。尚、前輪の場
合には、左右輪のうち、車輪速度は大きい方が、車輪加
速度は小さい方が選択される。次に、ステップ106でス
リップ率が演算される。このスリップ率は制動後の予測
される車体速度に対する車体速度と車輪速度との差の割
合で定義される。そして、ステップ108に移行して、現
在、演算輪は油圧制御中か否かがその演算輪の制御中フ
ラグがセットされているか否かで判定される。最初の実
行サイクルではフラグはリセットされているので、演算
輪は制御中でないことになり、ステップ110で、スリッ
プ率が閾値Th1以上か否かで、その演算輪にスリップが
発生したか否かで判定される。スリップが発生していな
場合には、ステップ112へ移行して、演算輪に対応した
電磁弁7又は電磁弁8の作動位置がA位置となるような
増圧指令信号が出力される。尚、通常は、電磁弁7又は
電磁弁8の作動位置はA位置であるので、A位置にある
場合には、電磁弁の作動位置の変化は見られない。そし
て、ステップ102へ戻り、他の演算輪の制御が実行され
る。こうして、通常は、ステップ102〜112を繰り返す処
理が実行されることになる。 そして、ブレーキペダル6が作動し、車輪に制御がか
かるとスリップ率は大きくなり、ステップ110の判定がY
ESとなる。このタイミングは第3図の時刻t2又は時刻t
20である。すると、ステップ114へ移行して、その演算
輪が制御中であることを記録するため、制御中フラグが
セットされ、次のステップ116でその演算輪は前輪か否
かが判定される。制御輪が前輪の場合には、ステップ11
8へ移行して、右前輪のロック時間TLRと左前輪のロック
時間TLLとが共に所定値KTより大きいか否かが判定され
る。この判定結果がYESとなるタイミングは、第3図に
おいて、時刻tに対応する。尚、このロック時間の計
数のために、ステップ106でスリップ率が100%になった
時に、各タイマをスタートさせ、スリップ率が100%で
なくなった時に、タイマを停止させている。 ロック時間が所定値より大きくない場合(制動当初
は、この条件が満たされる)には、ステップ120へ移行
して、ステップ106で演算されたスリップ率が閾値Th3よ
り小さいか否かが判定される。この判定は車輪速度が回
復してステップ増圧制御に移行するタイミングを決定す
る判定であり、Th3<Th1に設定されているので、制動に
よりスリップ率が閾値Th1より大きくなりかけた時に
は、当然にスリップ率は閾値Th3以上となり、ステップ1
20の判定はNOとなり、ステップ122へ移行する。そし
て、ステップ122では、スリップ率が閾値Th2(Th2>Th
1)より大きいか否かが判定される。この判定は、ブレ
ーキ圧力を減圧するタイミングを決定するための判定で
ある。又、制動によりスリップが増大過程にある場合に
は、未だ、この条件を満たすに至らず、ステップ124に
移行して、演算輪の加速度が閾値−KG(KG>0)より小
さいか否か、即ち、減速の程度が大きいか否かが判定さ
れる。この判定は、時刻t3,t21における保持状態から減
圧状態へ変化させるタイミングを決定するための判定で
ある。制御当初はスリップ率の増大傾向も小さく、従っ
て、車輪加速度<−KGを満たすことがないので、ステッ
プ126へ移行して、演算軸に対応する電磁弁7又は8の
作動位置をB位置の保持状態に切換える指令信号が出力
される。このタイミングは第3図の時刻t2又はt20に対
応する。そして、ステップ102に戻り、同様な処理が繰
り返される。 演算輪の制御中フラグがセット状態にあると、ステッ
プ108の判定がYESとなり、上記と同様にステップ114以
下のステップが実行される。そして、油圧の保持が継続
されると、スリップ率が閾値Th2より大きくなるか、演
算輪の車軸加速度が閾値−KGより小さくなる。すると、
ステップ122又はステップ124の判定がYESとなり、ステ
ップ128へ移行して、演算輪に対応した電磁弁7又は8
の作動位置をC位置に切り換える指令信号が出力され、
ブレーキ圧力は減圧状態となる。このタイミングは第3
図の時刻t3,t21となる。 この減圧状態が継続すると、車軸は加速されてスリッ
プ率は減少し、車輪加速度は増加する。すると、スリッ
プ率が再度閾値Th2以下となり且つ車輪加速度が閾値−K
G以上となると、ステップ122及び124の判定が共にNOと
なり、ステップ126へ移行して、電磁弁7又は8の作動
位置をB位置とする指令信号が出力され、ブレーキ圧力
は保持状態とされる。このタイミンングが第3図の時刻
t4又は時刻t22に対応する。 保持状態が継続されると、更に、車輪速度は車体速度
に対してその保持圧に対応した一定のスリップ率だけ低
い速度まで回復するようになる。 この過程において、後輪の制御では、ステップ116の
判定がNOとなり、前輪が所定時間以上ロックするまで
は、ステップ142の判定はNOである。又、スリップ率は
閾値Th2より大きくなることはなく、加速度も閾値−KG
より小さくなることはないので、ステップ122、124の判
定は共にNOとなり、減圧状態が保持される。 一方、前輪制御では、ブレーキ圧力の保持状態で、ス
テップ120が実行され、スリップ率が閾値Th3より小さい
か否かが判定される。スリップ率が閾値Th3以上の間は
保持状態が継続されるが、スリップ率が閾値Th3より小
さくなるまで車輪速度が回復すると、ステップ130に移
行して、ステップ増圧制御が完了したか否かが判定され
る。このステップの最初の実行時には、ステップ増圧制
御は完了していないので、ステップ132へ移行して、ブ
レーキスイッチ19の出力信号からブレーキペダル6が解
放されたか否かが判定され、ブレーキ作動状態である場
合には、ステップ134でステップ増圧制御が実行され
る。即ち、増圧、保持を1周期とする制御が実行され
る。この制御は、各周期でと増圧期間と保持期間を制御
周期分だけ決定した増圧パターン特性で記憶されてお
り、ステップ134を実行する時刻の属する期間が増圧期
間が保持期間が判定され、その期間に対応した圧力状態
を実現する指令信号が出力されることにより実行され
る。最初にステップ増圧制御が実行されるタイミングが
時刻t5に対応する。又、このような増圧、保持を1周期
とするステップ増圧制御が実行されると、ホイールシリ
ンダ2、3の油圧は徐々に向上するので、再度、前輪は
減速され、スリップすることになる。すると、前輪のス
リップ率は閾値Th3以上となるとステップ120の判定がNO
となり、スリップ率が閾値Th2以下で且つ加速度が閾値
−KG以上の場合には、ステップ122、124の判定が共にNO
となり、ステップ126で保持状態指令信号が出力され
る。次に、更にスリップ率が大きくなり、スリップ率が
閾値Th2より大きくなるか、加速度が閾値−KGより小さ
くなると、ステップ128で減圧指令信号が出力される。
以下、前述したような減圧制御と、ステップ増圧制御と
が前輪のスリップ状態に応じて繰り返される。尚、上記
の増圧制御中において、ブレーキペダル6が解放された
場合には、ステップ132の判定がYESとなり、ステップ13
8で全輪制御中フラグがリセットされ、ステップ112へ移
行して電磁弁7及び8の作動位置はA位置の増圧位置に
切換られる。 又、上記の前輪の制御過程で、前輪のロック時間が所
定時間KT以上継続されると、ステップ130以下へ移行し
て、ステップ増圧制御が実行される。 又、上記の後輪の制御過程で、前輪のロック時間が所
定時間KT以上継続されると、ステップ142の判定がYESと
なり、ステップ120以下、即ち、前輪制御と同様に減圧
制御及びステップ増圧制御の繰り返しが実行される。
又、制御の終了タイミングも前輪の終了タイミングと同
様となる。 次に、他の実施例について説明する。 装置と構成は第2図と同様である。プロポーショニン
グバルブ12の作用により、後輪のブレーキ圧力の上昇は
前輪のそれに比べてやや遅れる。そこで、第5図に示す
ように、制動開始後の後輪のブレーキ圧力の減圧のタイ
ミングを前輪のスリップ率が閾値Th1以上となりスリッ
プし始めた時に設定し、かつ、その時刻からステップ増
圧制御を行い、後輪がスリップし始めた時に保持、減圧
制御するようにしている。このようにすることで、後輪
のブレーキ圧力の上昇を押さえられるので、減圧制御時
に戻される圧油の量を少なくすることができる。 この処理を実行するプログラムを示したのが第6図で
ある。 第4図のフローチャートに対し同一ステップには同一
番号が付されている。そして、第4図のフローチャート
に対して異なる点は、ステップ200がステップ110とステ
ップ12の間に挿入され、そのステップ200の判定がYESの
時に実行されるステップ202が挿入されたことである。 後輪の制御時において、後輪のスリップが発生してい
な場合には、ステップ110の判定はNOであり、ステップ2
00で演算輪が後輪か否かが判定され、後輪の場合には、
ステップ202へ移行して、前輪制御中か否かが判定さ
れ、前輪制御中の場合には、ステップ134でステップ増
圧指令が実行される。又、ステップ202で前輪の制御中
でないと判定された場合には、ステップ112で増圧指令
が実行される。又、後輪にスリップが発生すると、ステ
ップ110の判定がYESとなるので、上記した後輪の制御が
実行される。このようにして、後輪のブレーキ圧の急激
な立ち上がりを防止して、減圧時に戻される油の量を少
なくすることができる。 本発明は第2図の構成の装置の為、第7図〜第11図の
構成の装置にも適用できる。 即ち、第7図の装置は、ブレーキ圧力の増圧と保持と
を2位置の電磁弁71、81で行い、保持と減圧とを2位置
の電磁弁72、82で行っている。 又、第8図の装置は、左前輪と右前輪とをそれぞれの
車輪速度に応じて独立に制御するもので、そのために、
電磁弁7R、7Lが用いられている。 又、第9図の装置は、前輪駆動車両に使用される装置
を示しており、後輪の左右輪が車速センサ21、22で独立
に測定され、独立に制御される。 又、第10図の装置は、第9図の装置で使用された3位
置電磁弁の代わりに、第7図の装置と同様に、2位置の
電磁弁71、72、81、82を使用したものである。 又、第11図の装置は、前輪駆動車両に使用される装置
で、X字配管でブレーキ系統を構成した装置である。
【発明の効果】
本発明は、リザーバのブレーキ油をマスタシリンダに
還流させるポンプを有しないブレーキ圧力制御装置にお
いて、制動時、後輪にスリップが検出された時は、後輪
のブレーキ圧力を減圧後保持するように後輪用圧力弁手
段を制御する第1制御手段と、制動時、前輪にスリップ
が検出された時に、前輪のブレーキ圧力を減圧後保持す
る減圧制御と、その後、前輪の車輪速度が回復した場合
には、増圧、保持を1周期として繰り返すステップ増圧
制御とを前輪のスリップ状態に応じて交互に行うように
前輪用圧力弁手段を制御する第2制御手段とを設けてい
るので、前輪は増圧と減圧の制御が行われるため、前輪
の制動力が向上すると共に後輪のロックが防止される、
又、制動前半での前輪のロックも防止される。従って、
制動力、走行安定性、制動初期の操舵性が向上する。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の全体構成を示したブロックダイヤグラ
ム、第2図は本発明の具体的な実施例に係るブレーキ圧
力制御装置を示した構成図、第3図はその装置の作用を
示したタイミングチャート、第4図はその装置で使用さ
れた電子制御装置の処理手順を示したフローチャート、
第5図は他の変形例に係るブレーキ圧力制御装置の作用
を示したタイミングチャート、第6図はその装置で使用
された電子制御装置の処理手順を示したフローチャー
ト、第7図、第8図、第9図、第10図、第11図はそれぞ
れ他の変形例に係るブレーキ圧力制御装置を示した構成
図である。 1……マスタシリンダ 2、3、4、5……ホイールシリンダ 7、8……電磁弁、13、14……リザーバ

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】それぞれ、前輪および後輪のブレーキ油圧
    経路に配設され、前輪及び後輪のホイールシリンダのブ
    レーキ圧力を増圧、保持および減圧する前輪用圧力弁手
    段および後輪用圧力弁手段と、それぞれ、減圧時にホイ
    ールシリンダから前輪用圧力弁油断を介して戻されたブ
    レーキ油を一時貯蔵し、ブレーキペダルの戻りによるマ
    スタシリンダの減圧によりそのブレーキ油がマスタシリ
    ンダに還流されるように配設された前輪用リザーバ及び
    後輪用リザーバとを有するブリーキ圧力制御装置におい
    て、 制動時、後輪にスリップが検出された時は、後輪のブレ
    ーキ圧力を減圧後保持するように前記後輪用圧力弁手段
    を制御する第1制御手段と、 制動時後、前輪にスリップが検出され時に、前輪のブレ
    ーキ圧力を減圧後保持する減圧制御と、その後前輪の車
    輪速度が回復した場合には増圧、保持を1周期として繰
    り返すステップ増圧制御とを前輪のスリップ状態に応じ
    て交互に行うように前記前輪用圧力弁手段を制御する第
    2制御手段と、 を有することを特徴とするブレーキ圧力制御装置。
  2. 【請求項2】前記後輪用圧力弁手段は、前記第2制御手
    段による前記前輪のスリップ制御実行時には、前記後輪
    に対して増圧、保持を1周期として繰り返すステップ増
    圧制御を実行することを特徴とする請求項1に記載のブ
    レーキ圧力制御装置。
  3. 【請求項3】前記第1制御手段による前記後輪にかかる
    ブレーキ圧力の減圧開始は、前輪のスリップが検出され
    て前記第2制御手段が実行され、且つ前記前記後輪用圧
    力弁手段によって該後輪が前記ステップ増圧制御を実行
    され、これによって該後輪がスリップし始めた時である
    ことを特徴とする請求項2に記載のブレーキ圧力制御装
    置。
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