JP3666134B2 - 路面摩擦判別装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、路面と車輪の摩擦係数μを判別する装置に関し、摩擦係数μに基づいて車両のブレーキを制御するアンチスキッドブレーキ装置(以下、ABSという)に用いて好適である。
【0002】
【従来の技術】
従来、ABS制御等は特開平4−345562号公報のように路面における摩擦係数μに基づいてなされ、この摩擦係数μの判別は車輪速度Vwに基づいて行っている。つまり、摩擦係数μが高い路面では走行中にブレーキをかけると、前後輪共に車輪速度Vwは減速する。しかし、摩擦係数μが高いためブレーキ時には荷重が前方に移動し、前輪速度は後輪速度よりも大きく落ち込む。また、摩擦係数μが低い路面でも前後輪共に車輪速度Vwは減速するが、摩擦係数μが低いため前輪速度と後輪速度の差が小さい。これらに基づき車両の前輪速度と後輪速度の差に基づいて摩擦係数μを判別している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、摩擦係数μが低い路面の中でも極めて摩擦係数μが低い路面、例えば路面が凍結しているようないわゆる氷上路と、そうでない程度に摩擦係数μが低い路面を前輪速度と後輪速度の差に基づいて判別しようとしても、差が小さいために正確に判別することができなかった。また、このため判別した摩擦係数μに基づいての好適なABS制御を開始することができなかった。
【0004】
そこで、本発明は上記点に鑑みて、極めて摩擦係数μが低い路面においても正確に摩擦係数μを判別することができるようにすることを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、以下の技術的手段を採用する。請求項1に記載の発明によると、駆動輪に車輪制動力が加えられていると共に、ABS制御手段によるABS制御前に、制御手段にて駆動輪に対して所定量の駆動力増大を行い、制御手段による駆動力増大が実行された後の駆動輪の車輪挙動に基づいて、駆動輪下の路面摩擦係数の大きさを判別することを特徴とする。
【0006】
路面の摩擦係数μによって車輪の路面に対するグリップは異なる。つまり、路面の摩擦係数μが高いときグリップが大きく、逆に摩擦係数μが低いときにはグリップが小さい。このように、エンジンの回転数を上昇させて、駆動輪に駆動力を与えると、グリップの大きさによって車輪速度Vwの挙動が異なる。このように、駆動輪に駆動力を与えて駆動力アップさせることによる車輪速度Vwの変化により路面の摩擦係数μを判別するため、前後輪の車輪速度Vwの差に依存せず、ABS制御前において極めて摩擦係数μが低いときにでも正確に摩擦係数μを判別をすることができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図に示す実施形態について説明する。
図1は本発明の一実施形態として路面摩擦判別装置を備えるABS制御装置の構成を示す構成図である。図1において、ブレーキペダル20は、真空ブースタ21を介してマスタシリンダ28に連結されている。従って、ブレーキペダル20を踏むことによりマスタシリンダ28に油圧が発生し、この油圧は各車輪(左前輪FL、右前輪FR、左後輪RL、右後輪RR)に設けられたホイールシリンダ31、32、33、34に供給され、ブレーキが発生する。なお、本例では、車輪RR、RLを駆動輪とする後輪駆動車両を適用している。
【0013】
マスタシリンダ28は互いに同じ圧力のブレーキ油圧を発生する2つの圧力室(図示せず)を有し、各圧力室にはそれぞれ供給管40、50が接続されている。供給管40は連通管41、42に分岐している。連通管41は、電磁弁60aを介して、ホイールシリンダ31に連通するブレーキ管43と接続されている。同様に、連通管42は、電磁弁60cを介して、ホイールシリンダ34に連通するブレーキ管44と接続されている。
【0014】
供給管50も供給管40と同様な接続関係にあり、連通管51、52に分岐している。連通管51は、電磁弁60bを介して、ホイールシリンダ32に連通するブレーキ管33に接続されている。同様に、連通管52は、電磁弁60dを介して、ホイールシリンダ33に連通するブレーキ管54と接続されている。また、ホイールシリンダ33、34に接続されているブレーキ管54、44内には公知のプロポーションバルブ59、49が設置されている。このプロポーションバルブ59、49は後輪RL、RRに供給されているブレーキ油圧を制御して前後輪FL〜RRの制動力の分配を理想に近づけるものである。
【0015】
各車輪FL〜RRには電磁ピックアップ式の車輪速度センサ71、72、73、74が設置され、電子制御回路(以下、ECUという)81にその信号が入力される。ECU81は、入力された各車輪FL〜RRの車輪速度Vwに基づいて各ホイールシリンダ31〜34のブレーキ油圧を制御すべく、電磁弁60a〜60dに対して駆動信号を出力する。
【0016】
また、ECU81は車輪速度センサ71、72、73、74からの信号に基づいてアイドル回転数制御装置(以下、ISCという)82を駆動してアイドル回転数を制御する。
電磁弁60a〜60dは3ポート3位置型の電磁弁で図1のA位置においては、連通管41、42、51、52とブレーキ管43、44、53、54とをそれぞれ連通し、B位置においては、連通管41、42、51、52、ブレーキ管43、44、53、54、枝管47、48、57、58との間を全て遮断する。また、C位置においてはブレーキ管43、44、53、54と、枝管47、48、57、58とをそれぞれ連通する。
【0017】
枝管47、48は共に排出管91aに接続され、枝管57、58は共に排出管91bに接続される。これら排出管91a、91bは、それぞれリザーバ93a、93bに接続されている。リザーバ93a、93bは、各電磁弁60a〜60dがC位置のとき、各ホイールシリンダ31〜34から排出されるブレーキ液を一時的に蓄えるものである。
【0018】
このため電磁弁60a〜60dでは、A位置においてはホイールシリンダ31〜34のブレーキ油圧を増圧し、B位置においてはそのブレーキ油圧を保持し、C位置においてはブレーキ油圧を減圧することができる。すなわち、電磁弁60a〜60dはブレーキ液圧調整手段に相当する。
ポンプ99a、99bは、リザーバ93a、93bに蓄積されたブレーキ液を汲み上げてマスタシリンダ28側に還流させる。また、チェック弁97a、98a、97b、98bは、リザーバ93a、93bから汲み上げられたブレーキ液が再びリザーバ93a、93b側に逆流するのを防ぐためのものである。なお、ストップスイッチ10は運転者がブレーキペダル20を踏んでいるか否かを検出するものである。
【0019】
次に、本例における路面の摩擦係数μの判別について説明する。
例えば、極めて摩擦係数μが低い路面(以下、低μ路という)と、この低μ路より摩擦係数μが高い路面(以下、高μ路という)とでは、低μ路の方がグリップ(路面反力)が小さい。これに基づき、本例では車体の加速度が車両進行方向に対し負になった場合(車輪に駆動力が与えられていない場合)において、ISC82を駆動し、エンジンの回転数のアイドルアップ(エンジンの回転数の上昇)による駆動力アップを実行し、駆動輪において車輪速度Vwの復帰が生じるか否かによって摩擦係数μの判別を行う。
【0020】
つまり、図2(a)に示すように、摩擦係数μが高いときにはアイドルアップにより車輪速度Vwが復帰せず、車輪加速度ΔVwは負のままである。逆に図2(b)に示すように摩擦係数μが低いときには実際の車体速度Vに近づくように車輪速度Vwが復帰し、車輪加速度ΔVwは負から正に変化する。このときの車輪の復帰状態を検出すれば摩擦係数μを判別することができる。
【0021】
ところで、低μ路である場合には、高μ路のときに比べて実際の車体速度Vの落ち込みは小さく、逆に車輪速度Vwの落ち込みは大きい。そのため、高μ路のときにはブレーキ油圧を減圧させれば車輪速度Vwは十分に復帰するが、低μ路のときにはブレーキ油圧を減圧させるだけでは車輪速度Vwの復帰に時間がかかる。
【0022】
これに基づき低μ路と判別した場合は、その後アイドルアップ量を増やして車輪速度Vwの落ち込みを早期復帰させ車両安定性の向上を図かり、高μ路と判別した場合はそれ以後アイドルアップを停止する。これにより、判別した摩擦係数μに基づいて車輪速度Vwを復帰して、車輪のロック傾向を抑制することができる。
【0023】
以下、本例において実行される制御について図3〜図9に基づいて説明する。図3は路面判別時及び路面判別後の制御、すなわちここでは低μ路と反別された際のアイドリング制御が示されたタイムチャート、図4はECU81の処理におけるメインルーチンを示すフローチャート、図5は図4のステップ106に対応するフローチャートである。なお、この処理は図示しないイグニッションスイッチがオンされたとき、ステップ100より開始される。
【0024】
まず、ステップ100にて各種フラグや各種カウンタの初期値設定を行う。続くステップ101ではECU81は車輪速度センサ71〜74の車輪速度信号を取り込む。ステップ102では、車輪速度センサ71〜74から入力された信号に基づき、制御対象の各車輪(FL〜RR)の車輪速度Vwおよび加速度Gwを演算する。
【0025】
次に、ステップ103ではステップ102で求めた各車輪速度Vwに基づき、推定車体速度Vbを演算する。各車輪FL、FR、RL、RRの速度をそれぞれVwFL、VwFR、VwRL、VwRRとすると、例えばVwFL〜VwRRの中の最大速度Vwmaxが推定車体速度Vbに推定車体速度Vbの傾きの最大値として固定された限界減速度Vdown分を減じた速度から限界加速度Vup分を加えた速度までの範囲内にあるかどうかを判断する。
【0026】
そして、最大速度Vwmaxがこの範囲にあれば最大速度Vwmaxをそのまま推定車体速度Vbとして設定し、最大速度Vwmaxが限界加速度Vup分を加えた速度を越えていればこの限界加速度Vup分を加えた速度を推定車体速度Vbとして設定し、最大速度Vwmaxが限界減速度Vdown分を減じた速度を下回っていれば、この限界減速度Vdown分を減じた速度を推定車体速度Vbとして設定する。
【0027】
また、最大速度Vwmaxを基準としてVbを求めているが、これに限らず、各車輪速度Vwに重み付けを行った中間値等を利用してもよい。また、ステップ103では推定車体速度Vbの演算と併せて推定車体減速度Gbの演算も行う。推定車体減速度Gbの演算方法としては単位時間当たりの推定車体速度Vbの変化勾配を演算する方法がある。
【0028】
ステップ104では、低μ路車体速度Vl及び、アイドルアップ許可速度Viを演算する。低μ路車体速度Vlは前述の最大速度Vwmaxから低μ路用の固定値である限界減速度Vdown(Vdl)(以下、低μ路用Vdlという)を減じて演算される仮想の車体速度である。
図3(a)は制動開始時に低μ路車体速度Vlを求めた図を示しており、低μ路であるならば制動により変化していくであろう車速を予め仮想している。このように低μ路車体速度Vlを仮想するのは、低μ路である場合においても後述するように低μ路判別がなされるまで通常のVdownが設定されているため、実際の車体速度Vと異なった速度となり、第1のアイドルアップが適切に開始できなくなるからである。
【0029】
アイドルアップ許可速度Viは低μ路車体速度Vlに対して一定の割合又は差分を持って演算される速度である。このアイドルアップ許可速度Viは次の基準で決められる。アイドルアップ許可速度Viの上限は、第1のアイドルアップによって低μ路のときには車輪速度Vwが復帰し、高μ路のときには車輪速度Vwが復帰しない程度に低μ路車体速度Vlと差がある速度となり、下限は、車両が不安定(車輪ロック状態等)にならない程度に低μ路車体速度Vlと差がある速度となる。例えば、低μ路車体速度Vlを10%減速した速度となる。
【0030】
ステップ105では路面判別リセットチェックを行う。なお、このステップ105における処理は後述する図9に対応する。
そして、ステップ106では路面判別を行い、この処理は図5に示すフローチャートに従って行われる。この後、ステップ107ではステップ106で行われる処理に基づいて路面判別後の制御を行う。
【0031】
次に、図5における路面判別処理について説明する。図5は図4のステップ106における処理に対応している。まず、ステップ206ではABS制御をしている状態か否かを判断する。ABS制御開始前の状態では、ステップ207以降の処理によってABS制御前の路面判別処理が実行される。一方、ABS制御中の場合は、ステップ221で選択された制御モードに応じてソレノイド駆動を実行し、再度ステップ101に戻る。なお、ステップ221における処理は前述の図4のステップ106に対応する。
【0032】
図示しない処理によりABS制御がされているか否かを判別し、ABS制御前であれば、先ずステップ207で既に高μ路と判別済みかどうかを判断する。ここで、高μ路と判別されていれば、処理を終了する。一方、ステップ207で高μ路と判別されていなければ、ステップ208で今度は既に低μ路と判別済みかどうかを判断する。ここで、低μ路と判別されていれば処理を終了する。また、低μ路と判別されていなければステップ212以降の処理を実行する。
【0033】
ステップ212では、現在第1のアイドルアップが出力中か否かを判断する。出力中であれば、ステップ213以降の処理を実行する。また、出力前であればステップ218に進み、第1のアイドルアップを出力するタイミングの判断処理を実行する。
まずステップ218で車輪速度Vwがステップ104で演算したアイドルアップ許可速度Viより落ち込んでいるか否かを判断する。請求項に示すスリップとは低μ路車体速度Vlと車輪速度Vwの差であり、本例においてはステップ218にて、低μ路車体速度Vlからこの差を減じた速度であるアイドルアップ許可速度Viと車輪速度Vwを比較し、車輪速度Vwの方が小さいときにはスリップが所定値よりも大きいと判断している。
【0034】
ここで、車輪速度Vwは第1のアイドルアップの影響を受ける車輪(駆動輪)についての速度であることが必要である。4WD車では、4輪全て駆動輪としての条件を満足しているが車体速度に比べて車輪速度Vwが落ち込んだ車輪に対して第1のアイドルアップを実行するために、4輪の内最も低い速度又は2番目に低い速度の車輪速度Vwとすることが望ましい。また、2WD車では駆動輪、本例においては後輪についての車輪速度Vwとすることが必要である。
【0035】
ステップ218〜220では路面判別の為に駆動輪に負荷を与えるためのアイドルアップを行う際の許可判定を行う。
ステップ218でVw<Viでない場合には、まだ第1のアイドルアップ出力タイミングではないと判断され、処理を終了する。一方、ステップ218でVw<Viとなり、車輪速度Vwがアイドルアップ許可速度Viよりも落ち込みが大きくなっていると判断された場合にはステップ219に進む。ステップ219では推定車体減速度Gbがアイドルアップ許可減速度Giよりも大きくなっているか否かを判断する。
【0036】
ここで、高μ路において、制動力があまり大きくないときにアイドルアップを行うと駆動力が制動力に勝ってしまい制動時であるにもかかわらず車両がさらに加速しているような違和感を与えてしまうため、アイドルアップ許可減速度Giはアイドルアップして駆動力が上がっても制動力の方が勝る程度に制動力と駆動力に差があると判断できる減速度として求めている。
【0037】
なお、アイドルアップ許可減速度Giは高μ路で第1のアイドルアップが出力されても制動力及び運転者への影響を全く与えない減速度とすることが望ましい。このアイドルアップ許可減速度Giとして設定する値は、第1のアイドルアップによって増加する駆動力によって変わってくるが、高μ路で車体の減速度が0.5G程に達していれば第1のアイドルアップを出力しても何ら影響を及ぼさない。
【0038】
さらに、低μ路で0.5Gの減速度となっている場合は、4輪同時に車輪が落ち込んでいる状態を表しているので、第1のアイドルアップ出力条件としてふさわしい条件である。
ステップ219でGb>Giでないと判断された場合は、まだ第1のアイドルアップを出力するタイミングではないと判断され、処理を終了する。一方、ステップ219でGb>Giとなり、低μ路では4輪同時に落ち込みが発生している状態であると判断された場合には、ステップ220に進み、路面判別のための第1のアイドルアップの出力をセットして、処理を終了する。なお、この第1のアイドルアップの出力がセットされることにより、ステップ212において第1のアイドルアップ出力中とされる。図3においては、t2の時点を示す(図3の場合はGb>Gi条件成立後のVw<Vi条件成立による第1のアイドルアップ出力)。
【0039】
ステップ213〜217は路面判別のフローチャートである。ステップ220で第1のアイドルアップの出力が開始されてからは、ステップ213に進み、ステップ213において第1のアイドルアップ出力カウンタCTiのカウントアップを実行して、ステップ214でCTi=T1であるか否かを判別する。
ステップ214でCTi=T1でないと判断された場合には、第1のアイドルアップ出力継続中として、処理を終了する。一方、ステップ214でCTi=T1と判断されて路面判別タイミングとなったら、ステップ215に進み、路面判別を実行する。
【0040】
ステップ215では、ステップ102で演算した車輪加速度Gw≧0G、つまり、落ち込んだ車輪速度Vwが第1のアイドルアップによって加速方向に復帰したら、ステップ216に進み、低μ路と判別する。図3におけるt3の時点を示す。一方、ステップ215でGw≧0Gでなければ、車輪速度Vwが復帰していないと判断され、ステップ217に進み、高μ路と判断する。
【0041】
ここで、所定期間T1の第1のアイドルアップを出力することによって落ち込んだ車輪速度Vwが復帰したら低μ路と判別する一例として、図3では落ち込んだ車輪の復帰加速度Gwを基準に用いたが、図11(d)に示すように車輪スリップ(Vb−Vw)を基準に用い、例えば車輪スリップが第1のアイドルアップ開始時よりも減少したら低μ路と判別してもよい。
【0042】
また、アイドルアップ許可速度Viは車輪速度Vwに応じて変化するが、この時のアイドルアップ許可速度Viに対し一定の差分を持つ低μ路判別基準速度Vjを演算する。図11(e)に示すように、車輪速度Vwと低μ路判別基準速度Vjとを比較して、例えば車輪速度Vwが低μ路判別基準速度Vjよりも落ち込まなければ低μ路と判別してもよい。
【0043】
ステップ216では低μ路判別をセットし、路面判別用の第1のアイドルアップを止め、処理を終了する。また、ステップ216で低μ路判別をセットすることにより、ステップ208で低μ路判別済みと判別される。
一方、ステップ217では高μ路判別をセットし、路面判別用の第1のアイドルアップを停止し、処理を終了する。なお、この処理に基づいてABS制御時にはステップ413でソレノイド駆動を行うが、このソレノイド駆動による油圧制御は車輪速度Vwの復帰状態に応じて変化するため、変化する油圧制御に合った位置に各電磁弁60a〜60dの弁体を移動させるようにソレノイド駆動をする。なお、ステップ217で高μ路判別をセットすることにより、ステップ207で高μ路判別済みと判別される。また、ステップ216で低μ路と判別されてからは処理を終了する。
【0044】
このように、アイドルアップに基づく摩擦係数μの判別は、駆動力アップという駆動輪への負荷を負わせて行っているため、前後輪の車輪速度Vwの差に依存せず、極めて路面の摩擦係数μが低いときであっても正確に路面摩擦判別をすることができる。
次に、図4のステップ107に対応する路面判別後の処理について説明する。まず、限界減速度Vdownの設定について図6に基づき説明する。
【0045】
まずステップ300では、低μ路判別済みか否かを判別して推定車体速度Vbの勾配を切り換えるための判断をしている。図5のステップ216で低μ路判別がセットされていれば低μ路判別済みと判別される。低μ路判別前には、ステップ304で通常の限界減速度Vdown(Vd)(以下、通常用Vdという)がセットされており、低μ路判別がされると、ステップ302で低μ路用Vdlをセットする。
【0046】
なお、この限界減速度Vdownは前回求めた推定車体速度Vb(n−1)から推定路面摩擦係数μの関数f1(μ)で求められる減速度である。また、摩擦係数μは図示しない処理により確認される。
ところで、高μ路の場合には通常用Vdにより図4のステップ103で推定車体速度Vbを演算し、図10(a)に示すように推定車体速度Vbはほぼ実際の車体速度Vと同じ速度となるため、正確にその後の処理が可能である。
【0047】
しかし、低μ路の場合において同様に通常のVdownにより推定車体速度Vbを演算すると、図10(b)に示すように推定車体速度Vbは実際の車体速度Vとかなり差が生じ、正確にその後の処理ができない。このとき、実際の車体速度Vと車輪速度Vwの差は増加していくので車両は不安定となる。
従って、通常用Vdよりも小さい低μ路用Vdlを限界減速度Vdownとしてセットして低μ路に適応した値にすることで、図10(b)に示すように推定車体速度Vbと車輪速度Vwとの差が大きくなり、結果速やかにその後の処理を開始することができる。なお、図10(a)、(b)に示す角度は低μ路用Vdl及び通常用Vdの大きさを示す。つまり、低μ路用Vdl及び通常用Vdは減速度であるため、減速度0(車速が一定)からの角度が減速度の大きさと対応する。
【0048】
次に、第2のアイドルアップ処理について図7に基づき説明する。なお、この第2のアイドルアップ処理はさきに示した限界減速度Vdownの設定における処理に基づきViを演算したのちに行われる。
まずステップ351でVw<Viであるか否かを判断する。ここで、Vw<Viであればステップ352に進み、第2のアイドルアップを出力して処理を終了する。一方、ステップ351でVw≧Vi、つまり、車輪が十分復帰していればステップ353に進み、第2のアイドルアップを終了させる。図3におけるt4の時点を示す。
【0049】
ここで、第2のアイドルアップを実行するのは、車輪速度Vwを早期に復帰させて車輪のロック傾向を抑制し、車両安定性を向上させるためである。なお、低μ路と判別された後の第2のアイドルアップは、車輪速度Vwの復帰を早期に促せるように、第1のアイドルアップよりもエンジンへの駆動力増加分を増やすのが望ましい。
【0050】
次に、油圧制御の例を図8に基づき説明する。図8は図5のステップ221に対応し、制御基準や増減圧の切り替えを実行している部分のみについて表記したフローチャートである。
ステップ400では、図4のステップ102、103で求めたVbとVwとの差に基づき油圧を減圧させるか否かを判断する。減圧させる場合にはステップ402に進み、低μ路判別されているか否かを判断する。低μ路判別されていれば、ステップ406に進み低μ路用の油圧に減圧してセットする。
【0051】
また、ステップ400で油圧を減圧させないと判断されればステップ404に進み、油圧保持か否かを判断する。ステップ404で油圧保持と判断された場合には、ステップ410で油圧保持をセットする。一方、油圧保持と判断されなかった場合には、ステップ412で油圧増圧をセットして共に処理を終了する。
また、この油圧制御による油圧設定の後、ステップ413に進みソレノイド駆動を実行する。このソレノイド駆動は先にされた油圧の設定に対応しており、減圧と設定されているときには各電磁弁60a〜60dの弁体がC位置に、保持と設定されているときには前記弁体をB位置に、増圧と設定されているときには前記弁体をA位置にそれぞれ移動させるようにソレノイド駆動をする。
【0052】
なお、本例では低μ路用の減圧と通常減圧の異なる2種の減圧設定があるため、これら減圧のときの油圧制御はデューティー制御により行う。
次に、路面判別の解除について図9に基づき説明する。図9は図4に示すメインルーチン内のステップ105について表記したフローチャートである。
ステップ500では高μ路判別されているか否かを判別する。高μ路判別されていればステップ501に進む。ステップ501ではGb<Ghであるか否かを判別する。ここでGhとは高μ路判別リセット減速度であり、高μ路における制動であれば必要であると考えられる減速度であり、任意に選択できる。
【0053】
ステップ501でGb<Ghであればステップ502に進み、ステップ502で高μ路判別を解除し、処理を終了する。Gb<Ghでなければ処理を終了する。
ステップ500で高μ路判別されていなければステップ503に進み低μ路判別されているか否かを判別する。低μ路判別されていればステップ504に進み、Gb>Glであるか否かを判別する。ここで、Glとは低μ路判別リセット減速度であり、低μ路における制動であれば必要であると考えられる減速度であり、任意に選択できる。
【0054】
ステップ503で低μ路判別されていなければ処理を終了する。また、ステップ504でGb>Glでなければ処理を終了する。
なお、エアコン使用時やオルタネータ作動時等によってアイドリングは変化するが、ABSからのアイドルアップ要求時には、エアコン使用時を含むその時のアイドリングに上乗せして駆動力を増大させることで、エアコン使用時等でも確実な路面判別ができる。
【0055】
また、制動時とはいわゆるフットブレーキによる制動だけでなく車両を減速させる要因となるもの、例えばエンジンブレーキも含む。
また、本例においては後輪駆動車における例を挙げて説明したがこの他の駆動形態であっても良いことは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態におけるABS制御装置の全体構成図である。
【図2】 アイドルアップの実行時において、高μ路及び低μ路のときの車輪速度Vwの復帰状態を示すタイムチャートである。
【図3】低μ路制御時のタイムチャートである。
【図4】本発明の一実施形態における路面摩擦判別の全体のフローチャートである。
【図5】路面判別の設定におけるフローチャートである。
【図6】限界減速度Vdownの設定におけるフローチャートである。
【図7】第2アイドルアップ処理におけるフローチャートである。
【図8】ブレーキ油圧制御のフローチャートである。
【図9】路面判別リセットチェックのフローチャートである。
【図10】(a)は高μ路におけるABS制御のタイムチャート、(b)は低μ路におけるABS制御のタイムチャートである。
【図11】路面摩擦判別を行う基準パラメータについての低μ路制御時におけるタイムチャートである。
【符号の説明】
71〜74…車輪速度センサ、81…電子制御装置ECU。

Claims (1)

  1. 駆動輪及び従動輪の車輪速度を検出する車輪速度検出手段(71〜74、101、102)と、
    前記駆動輪及び従動輪に対して、ブレーキ液圧発生源からのブレーキ液圧に応じて車輪制動力を発生可能な車輪制動力発生手段と、
    前記車輪制動力発生手段にかかるブレーキ液圧を前記駆動輪及び従動輪のスリップ状態を回復させるように調整するABS制御手段(60a〜60d)と、
    前記駆動輪に車輪制動力が加えられていると共に、前記ABS制御手段によるABS制御前に、前記駆動輪に対して所定量の駆動力増大を行う制御手段(82)と、
    前記制御手段による駆動力増大が実行された後の前記駆動輪の車輪挙動に基づいて、前記駆動輪下の路面摩擦係数の大きさを判別する判別手段(103〜106、206〜220)とを備えることを特徴とする路面摩擦判別装置。
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