JP3473070B2 - アンチスキッド制御装置 - Google Patents

アンチスキッド制御装置

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JP3473070B2
JP3473070B2 JP31510693A JP31510693A JP3473070B2 JP 3473070 B2 JP3473070 B2 JP 3473070B2 JP 31510693 A JP31510693 A JP 31510693A JP 31510693 A JP31510693 A JP 31510693A JP 3473070 B2 JP3473070 B2 JP 3473070B2
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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】本発明は、制動時の車輪のロック
を防止するアンチスキッド制御装置に関し、詳しくは、
車輪速度、基準速度等に基づいて判定した路面の摩擦係
数に応じてブレーキ圧力の増圧量を制御するものに関す
る。 【0002】 【従来の技術】従来より、アンチスキッド制御装置で
は、路面の摩擦係数に応じてブレーキ圧力の増圧量を制
御しており、路面の摩擦係数は車輪速度、基準速度等に
基づいて判定している。この路面の摩擦係数を判定する
ものとして、例えば、特開昭61−9365号公報に記
載されているものが提案されている。 【0003】この装置では、減圧開始点から、基準速度
と車輪速度との差を一定のサンプリングタイム毎に抽出
して積算し、ある特定時間内での積算値と予め定めた標
準値と比較し、その比較結果に応じて路面の摩擦係数を
判定していた。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、低摩擦
係数の路面を走行中の制動時に、ブレーキ圧力の増減に
より車両の駆動輪は内燃機関からの駆動力等ともあいま
って車輪速度が振動する場合がある。こうした従来のも
のでは、このような車両の駆動輪の車輪速度に基づいて
積算した場合に、低摩擦係数の路面にて発生する駆動輪
の車輪振動状態と高摩擦係数の路面における車輪状態で
の積算値がほぼ同等となる場合がある。このような場
合、路面の摩擦係数が正しく判定されないときがあると
いう問題があった。 【0005】そこで本発明は上記の課題を解決すること
を目的とし、車両の駆動輪の車輪速度に基づいた場合で
も路面の摩擦係数を正しく判定して車輪のロックを防止
することができるアンチスキッド制御装置を提供するこ
とにある。 【0006】 【課題を解決するための手段】かかる目的を達成すべ
く、本発明は課題を解決するための手段として次の構成
を取った。即ち、図1に例示する如く、車輪速度を検出
する車輪速度センサM1と、該車輪速度に基づいて車輪
加速度を演算する加速度演算手段M2と、前記車輪速度
と前記車輪加速度とに基づいてブレーキ圧力を増減する
と共に、路面の摩擦係数に応じて前記ブレーキ圧力を制
御するブレーキ圧力制御手段M3とを備えたアンチスキ
ッド制御装置において、前記車輪速度が基準速度より小
さいときの前記車輪速度と前記基準速度との差を積算し
た積算スリップ量を演算するスリップ量演算手段M4
と、前記車輪加速度の振動周期を演算する周期演算手段
M5と、前記積算スリップ量と前記振動周期とに基づい
て前記摩擦係数を判定する摩擦係数判定手段M6と、を
備えたことを特徴とするアンチスキッド制御装置の構成
がそれである。 【0007】 【作用】前記構成を有するアンチスキッド制御装置は、
車輪速度センサM1が車輪速度を検出し、加速度演算手
段M2が車輪速度に基づいて車輪加速度を演算する。そ
して、スリップ量演算手段M4が車輪速度が基準速度よ
り小さいときの車輪速度と基準速度との差を積算した積
算スリップ量を演算し、周期演算手段M5が車輪加速度
の振動周期を演算する。摩擦係数判定手段M6が積算ス
リップ量と振動周期とに基づいて摩擦係数を判定し、ブ
レーキ圧力制御手段M3が車輪速度と車輪加速度とに基
づいてブレーキ圧力を増減すると共に、路面の摩擦係数
に応じてブレーキ圧力を制御する。 【0008】 【実施例】以下本発明の実施例を図面に基づいて詳細に
説明する。図2は本発明の一実施例であるアンチスキッ
ド制御装置の概略構成図である。1〜4は車両の各車輪
であり、1は右前輪、2は左前輪、3は右後輪、4は左
後輪である。本実施例では、内燃機関6の駆動力がトラ
ンスミッション8、ドライブシャフト10を介して左右
前輪1,2に伝達されると共に、トランスミッション
8、ドライブシャフト12を介して左右後輪3,4に伝
達される構成の4輪駆動車に適用されたものである。
尚、4輪駆動車に限るものではなく、前2輪駆動車、後
2輪駆動車の場合でも適用可能である。 【0009】各車輪1〜4には、それぞれの回転速度を
検出する電磁ピックアップ式あるいは光電変換式の車輪
速度センサ14〜17が取り付けられている。また、各
車輪1〜4に対応して、車輪1〜4の回転を制動する油
圧ブレーキ18〜21がそれぞれ配置されている。 【0010】油圧ブレーキ18〜21には、ブレーキペ
ダル22の踏込操作に応じてブレーキ油圧を発生するマ
スタシリンダ24が、各制御弁26〜29を介して接続
されて、マスタシリンダ24からの圧油は右前輪1と左
後輪4との油圧ブレーキ18,21に、そして、左前輪
2と右後輪3との油圧ブレーキ19,20に供給する2
系統で構成されている。 【0011】各制御弁26〜29は同じ構成の3位置弁
であり、各制御弁26〜29は、マスタシリンダ24と
油圧ブレーキ18〜21とを接続する増圧位置と、マス
タシリンダ24及び油圧ブレーキ18〜21をブロック
する保持位置と、油圧ブレーキ18〜21とリザーバ3
0,32とを接続する減圧位置とに制御信号に応じて切
り替えることができる構成のものである。リザーバ3
0,32に蓄えられたブレーキ油は、ポンプ34,36
を駆動してマスタシリンダ24側に戻すことができるよ
うに構成されている。 【0012】また、左右後輪3,4に対応した両制御弁
28,29と油圧ブレーキ20,21とは、マスタシリ
ンダ24の油圧が所定の値となると、その後の油圧ブレ
ーキ20,21の圧力上昇の比率を小さくして、左右後
輪3,4のロックを防止する周知の構成のプロポーショ
ニングバルブ38,40を介してそれぞれ接続されてい
る。 【0013】更に、ブレーキペダル22が踏み込まれた
ことを検出するブレーキスイッチ42が設けられてお
り、このブレーキスイッチ42、前記車輪速度センサ1
4〜17、制御弁26〜29は電子制御回路50に接続
されている。電子制御回路50は、周知のCPU52、
ROM54、RAM56等を中心に論理演算回路として
構成され、外部と入出力を行う入出力回路、ここでは入
力回路58及び出力回路60がコモンバス62を介して
相互に接続されている。 【0014】CPU52は、車輪速度センサ14〜1
7、ブレーキスイッチ42からの入力信号を入力回路5
8を介して入力し、これらの信号及びROM54、RA
M56内のデータや予め記憶された制御プログラムに基
づいてCPU52は、出力回路60を介して制御弁26
〜29に信号を出力する。 【0015】次に、前述した電子制御回路50において
行われるアンチスキッド制御処理について、図3のフロ
ーチャートと共に説明する。まず、アンチスキッド制御
開始タイミングであるか否かが判断される(ステップ1
00)。アンチスキッド制御開始の条件は、例えば、ブ
レーキスイッチ42がオンで、車輪速度VWが後述する
基準速度VBよりも所定速度小さくなり、かつ車輪加速
度DVWが予め設定された基準減速度よりも小さくなっ
たとき等である。 【0016】開始タイミングでないときには待機し、開
始タイミングであると判断されると、後述する路面摩擦
係数μを推定する処理を実行する(ステップ110)。
そして、基準速度VBから車輪速度VWを減算した車輪
スリップ量(=VB−VW)を演算し、その車輪スリッ
プ量の大小を判断する(ステップ120)。 【0017】車輪スリップ量が大きいときには、スリッ
プが発生していると判断して、車輪加速度DVWの正負
を判断し(ステップ130)、車輪加速度DVWが負で
あるときは車輪1〜4がロックするおそれがあると判断
して、制御弁26〜29を減圧位置に切り替え、油圧ブ
レーキ18〜21とリザーバ30,32とを接続してブ
レーキ油圧を減圧する減圧モード処理を実行する(ステ
ップ140)。 【0018】一方、車輪加速度DVWの落込みが止ま
り、車輪1〜4のスリップが回復傾向にある等ときに
は、制御弁26〜29を保持位置に切り替え、油圧ブレ
ーキ18〜21及びマスタシリンダ24をブロックし
て、ブレーキ油圧を保持する保持モード処理を実行する
(ステップ150)。 【0019】また、前記ステップ120の処理により、
車輪スリップ量(=VB−VW)が小さいと判断された
ときには、スリップの発生が小さいので、制御弁26〜
29を増圧位置に切り替える増圧モード処理を実行する
(ステップ160)。そして、ステップ140〜160
の処理を実行すると、アンチスキッド制御終了タイミン
グであるか否かを判断し(ステップ170)、終了タイ
ミングでないときは、ステップ110以下の処理を繰り
返し実行し、ブレーキスイッチ42がオフになると終了
タイミングであると判断して、前記ステップ100以下
の処理を繰り返す。 【0020】前記増圧モード処理は、図4に示すよう
に、減圧モード処理の実行による減圧後の初期増圧出力
タイミングであるか否かを判断し(ステップ162)、
初期増圧出力タイミングであるときには、車輪加速度D
VWと路面の摩擦係数μとにより、増圧量Pn を下式に
より演算して、この増圧量Pn に応じて制御弁26〜2
9を増圧位置に切り替えている時間を可変し、ブレーキ
圧力の増加度合を変更する(ステップ164)。 【0021】Pn =K*DVW ここで、Kは推定した路面の摩擦係数μによる増圧量設
定係数であり、路面の摩擦係数μが高いと判定している
ときには、大きな値として、増圧量が多くなるように
し、摩擦係数μが低いと判定しているときには、小さな
値として増圧量が少なくなるようにしている。 【0022】一方、初期増圧出力タイミングでないとき
には、制御弁26〜29が増圧位置と保持位置とに周期
的に切り替えて、油圧ブレーキ18〜21のブレーキ圧
力を徐々に増大させる(ステップ166)。そして、ス
テップ164,166の処理を終了すると、元の処理に
戻る。 【0023】次に、前述した車輪速度VW、車輪加速度
DVW、基準速度VBを演算する割込処理について、図
5に示すフローチャートによって説明する。この割込処
理では、まず、車輪速度センサ14〜17からのパルス
信号を計数等して、車輪速度VWを演算し(ステップ2
00)、次に、この車輪速度VWを微分して車輪加速度
DVWを演算する(ステップ210)。次に、本実施例
では、各車輪1〜4の車輪速度VWの内の最大値を利用
して車体速度を推定する様な基準速度VBとする(ステ
ップ220)。そして、ステップ220の処理を終了後
元の処理に戻る。尚、基準速度VBは、最大値に限ら
ず、各車輪1〜4の車輪速度VWに重み付けを行った中
間値等を利用して車体速度を推定する様なものでもよ
い。 【0024】次に、前述した路面摩擦係数μ推定処理
(ステップ110)の詳細について、図6のフローチャ
ートによって説明する。まず、アンチスキッド制御中で
あるか否かを判断し(ステップ300)、アンチスキッ
ド制御中でないときには、後述するタイムカウンタ、サ
イクルカウンタn、振動周期Tn 、積算スリップ量△
n、増圧量Pn をそれぞれクリアすると共に、タイムオ
ーバーフラグ、路面摩擦係数μ推定完了フラグをリセッ
トし、振動周期・積算スリップ量演算要求フラグをセッ
トする(ステップ305)。 【0025】そして、1回目の本処理の実行により、ア
ンチスキッド制御が開始されたと判断すると(図11に
示すA点)、振動周期計測用のタイムカウンタをインク
リメントし(ステップ310)、路面摩擦係数μ推定完
了フラグがセットされているか否かにより推定が完了し
たか否かを判断する(ステップ315)。路面摩擦係数
μ推定完了フラグがセットされているときには、元の処
理に戻り、セットされていないときには、振動周期・積
算スリップ量演算要求中か否かをフラグがセットされて
いるか否かにより判断する(ステップ320)。 【0026】初回はステップ305の処理により、フラ
グがセットされていることから、要求中と判断されて、
ステップ310の処理を繰り返し実行することにより積
算されるタイムカウンタが予め設定された設定時間をオ
ーバーしたか否かを判断する(ステップ325)。 【0027】オーバーしていないときには、車輪速度V
Wが基準速度VB以上か否かを判断し(ステップ33
0)、アンチスキッド制御開始直後は、車輪速度VWの
方が小さいことから、積算スリップ量△nに基準速度V
Bと車輪速度VWとの差を加算して、再び積算スリップ
量△nに代入する(ステップ335)。 【0028】ステップ300,310〜335の処理を
繰り返し実行することにより、図11にハッチングで示
すように、車輪速度VWが基準速度VBより小さいとき
の車輪速度VWと基準速度VBとの差(VB−VW)を
積算した積算スリップ量△nを演算する。以下、本処理
の1回目の実行により、車輪速度VWが基準速度VBよ
り小さくなっているときの演算された積算スリップ量を
△1で示す。 【0029】そして、ステップ330の処理の実行によ
り、車輪速度VWが基準速度VB以上となると、前回の
処理により演算した車輪加速度DVWが零G以上か否か
を判断し(ステップ337)、次に、今回の処理により
演算した車輪加速度DVWが零Gより小さいか否かを判
断する(ステップ340)。 【0030】即ち、図11に示すように、ステップ33
7,340の処理により、車輪加速度DVWが正から負
に変わるまでステップ325,330,337,340
の処理を繰り返し、正から負に変わると、振動周期Tn
にステップ310の処理によりカウントしているタイム
カウント値を代入する。これにより、図11に示すA点
−C点間の振動周期T1 が演算される(ステップ35
0)。 【0031】一方、予め設定された設定タイムが経過す
るまでに(ステップ325)、車輪速度VWが基準速度
VB以上にならない場合(ステップ330)や車輪加速
度DVWが正から負に変化しない場合(337,34
0)には、ステップ325の処理の実行により、設定タ
イムオーバーと判断されて、タイムオーバーフラグをセ
ットする(ステップ345)。この場合も、振動周期T
n にステップ310の処理によりカウントしているタイ
ムカウント値を代入する(ステップ350)。 【0032】次に、振動サイクル計測用のサイクルカウ
ンタnをインクリメントする(ステップ355)。この
サイクルカウンタnは、回数カウンタで、積算スリップ
量△n、振動周期Tn の添字n,n に対応している。続
いて、タイムカウンタをクリアし(ステップ360)、
初回(n=1)の積算スリップ量△1、振動周期T1の
演算を終了したことから、振動周期・積算スリップ量演
算要求フラグをリセットする(ステップ365)。 【0033】要求フラグをリセットしたことから、本制
御処理を繰り返し実行して、ステップ320の処理によ
り、振動周期・積算スリップ量演算要求中でないと判断
されて、次に、図7に示すように、積算スリップ量△1
が予め設定されたしきい値以上か否かにより積算スリッ
プ量△1が大きいか否かを判断する(ステップ40
0)。積算スリップ量△1が大きいと判断すると、振動
周期T1 がしきい値以上か否かにより振動周期T1 が
大きいか否かを判断する(ステップ405)。 【0034】積算スリップ量△1が大きく、かつ振動周
期T1 も大きいときには、スリップが発生しやすく車輪
速度VWの落込みが大きい路面であることから、図12
に示すように、路面の摩擦係数μは低いと推定する(ス
テップ410)。そして、路面摩擦係数μの推定を完了
したので、路面摩擦係数μ推定完了フラグをセットする
(ステップ415)。尚、前述した処理は、各車輪1〜
4毎に実行され、各車輪1〜4毎に摩擦係数μが推定さ
れる。 【0035】また、ステップ405の処理の実行によ
り、振動周期T1 が小さいと判断されると、サイクルカ
ウンタnが1か否かを判断し(ステップ420)、初回
は1であることから、記憶処理(ステップ425)を実
行する。この記憶処理では、図8に示すように、まず、
車輪速度VWが基準速度VBより小さいか否かを判断し
(ステップ426)、車輪速度VWが基準速度VBより
も小さいときは、今回のサイクルの実行で出力した増圧
量Pn を記憶する(ステップ427)。 【0036】次に、振動周期・積算スリップ量演算要求
フラグをセットすると共に(ステップ428)、タイム
オーバーフラグをリセットし、また、振動周期Tn 、積
算スリップ量△nをクリアする(ステップ429)。そ
して、前述したステップ325〜365の処理を繰り返
し、サイクルカウンタnが2のときの振動周期T2 、積
算スリップ量△2を演算する。 【0037】即ち、図12に示すように、1回目の積算
スリップ量△1が大きく車輪速度VWの落込みが大きい
にもかかわらず、振動周期T1 が小さいことから、内燃
機関6の駆動力の影響等から車輪1〜4が振動状態にあ
り、適正な路面の摩擦係数μの推定はできないと判断
し、再度ステップ325〜365の処理を実行し、振動
周期T2 、積算スリップ量△2を演算する。 【0038】また、ステップ426の処理により、車輪
速度VWが基準速度VB以上であると判断すると、その
まま元の処理に戻り、前述した処理を繰り返す。一方、
ステップ400の処理の実行により、1回目の積算スリ
ップ量△1が、小さいと判断されると、振動周期T1 が
大きいか否かを判断する(ステップ430)。振動周期
T1 が大きいときには、サイクルカウンタnが1か否か
を判断し(ステップ435)、1回目であることから、
図12に示すように、路面の摩擦係数μは低いと推定す
る(ステップ440)。 【0039】即ち、1回目の積算スリップ量△1が小さ
く、積算スリップ量△1からはスリップがおきにくい路
面であると思われるが、車輪速度VWの回復の程度が遅
く、振動周期T1 が大きいことから、路面と車輪1〜4
の間でスリップが生じ内燃機関6の駆動力等の影響を受
けていると判断して、路面の摩擦係数μは低いと推定す
る。 【0040】また、ステップ430の処理により、振動
周期T1 が小さいと判断されると、路面の摩擦係数μは
高いと推定する(ステップ445)。即ち、積算スリッ
プ量△1が小さく、スリップがおきにくい路面と思わ
れ、かつ振動周期T1 が小さく車輪速度VWの回復も速
いことから、路面の摩擦係数μは高いと推定する。こう
して、ステップ440,445の処理の実行により、路
面の摩擦係数μの推定を終了すると、路面摩擦係数μ推
定完了フラグをセットする(ステップ415)。 【0041】一方、前記ステップ400,405,42
0,425の処理により1回目の積算スリップ量△1と
振動周期T1 とでは、適性に路面の摩擦係数μが推定で
きないと判断され、2回目のステップ325〜365の
処理の実行により、再び、積算スリップ量△2と振動周
期T2 とが演算されると、ステップ400以下の処理を
繰り返し実行する。 【0042】そして、積算スリップ量△2が大きく、か
つ振動周期T2 も大きいと(ステップ400,40
5)、図13に示すように、路面の摩擦係数μは低いと
推定する(ステップ410)。また、積算スリップ量△
2は大きいが、振動周期T2 が小さいと(ステップ40
0,405)、サイクルカウンタnが2であることから
(ステップ420)、前回のステップ427の処理によ
り記憶した増圧量Pn-1 が大きいか否かを判断する(ス
テップ447)。 【0043】増圧量Pn-1 が大きいときには、車輪1〜
4は振動状態にあると判断して、サイクルカウンタnが
3か否かを判断し(ステップ450)、前述したステッ
プ425の処理を実行して、再びステップ325〜36
5の処理を実行して、3回目の積算スリップ量△3と振
動周期T3 とを演算する。増圧量Pn-1 が小さいときに
は、制御油圧に関係なく車輪1〜4が振動していること
から、路面の摩擦係数μは低いと推定する(ステップ4
55)。 【0044】一方、積算スリップ量△2が小さく、振動
周期T2 は大きいと(ステップ400,430)、サイ
クルカウンタnは2であることから(ステップ43
5)、タイムオーバーフラグがセットされているか否か
を判断する(ステップ460)。ステップ345の処理
によりタイムオーバーフラグがセットされていないとき
には、図13に示すように、前記ステップ440の処理
の実行の際と同じ様な路面であり、路面の摩擦係数μは
低いと推定する(ステップ465)。 【0045】また、タイムオーバーフラグがセットされ
ていると判断すると(ステップ460)、図13に示す
ように、車輪速度VWは急速に低下している状態にあ
り、路面の摩擦係数μは高いと推定する(ステップ47
0)。更に、積算スリップ量△2が小さく、かつ振動周
期T2 も小さいと(ステップ400,430)、前述し
たと同様に路面摩擦係数μは高いと推定する(ステップ
445)。 【0046】一方、2回目の積算スリップ量△2と振動
周期T2 とにより路面の摩擦係数μの推定ができなかっ
た場合には、再びステップ325〜365の処理を実行
して、3回目の積算スリップ量△3と振動周期T3 とを
演算する。この3回目の積算スリップ量△3と振動周期
T3 とにより、前記ステップ410,445,455,
465,470の処理の実行により、図13に示すよう
に、路面の摩擦係数μを推定する。 【0047】この3回目のときにも、積算スリップ量△
3が大きく、振動周期T3 が小さく、前回の増圧量Pn-
1 が大きいと、ステップ450の処理により、サイクル
カウンタnが3以上であると判断されて、推定処理を実
行する(ステップ480)。推定処理では、図9に示す
ように、他の車輪1〜4の推定結果に基づいて摩擦係数
μを推定する。 【0048】まず、車体の同じ側の他輪の前述した処理
の実行により路面の摩擦係数μが既に推定されているか
否かを判断し(ステップ481)、既に推定が完了して
いる場合には、同側他輪のサイクルカウンタnが3未満
であるか否かを判断する(ステップ482)。 【0049】3未満である場合には、車輪振動の大きな
影響を受けることなく摩擦係数μの推定が行われている
ので、その同側他輪の推定結果が路面摩擦係数μが低い
との推定であったか否かを判断し(ステップ483)、
路面摩擦係数μが低いとの推定であった場合には、路面
摩擦係数μが低いと推定する(ステップ484)。 【0050】また、同側他輪の路面の摩擦係数μの推定
が完了していない場合や(ステップ481)、同側他輪
のサイクルカウンタnが3以上である場合や(ステップ
482)、同側他輪が路面摩擦係数μが低くないと推定
している場合(ステップ483)には、他の駆動輪1〜
4全て(他の3輪)の路面摩擦係数μの推定が完了して
いるか否かを判断する(ステップ485)。 【0051】他の駆動輪1〜4全ての路面摩擦係数μの
推定が完了していない場合には、路面の摩擦係数μは高
いと推定し(ステップ486)、全ての推定が完了して
いる場合には、他の駆動輪1〜4の全てがサイクルカウ
ンタnが3以上であるか否かを判断する(ステップ48
7)。 【0052】3以上である場合には、車輪振動が起こり
やすい摩擦係数μが低い路面であるので、駆動輪1〜4
全ての路面の摩擦係数μが低いと推定し(ステップ48
8)、全てが3以上でない場合には、路面の摩擦係数μ
が高いと推定する(ステップ486)。そして、ステッ
プ484,486,488の処理を実行すると、路面の
摩擦係数μの推定を完了したとしてフラグをセットし
(ステップ489)、元の処理に戻る。 【0053】一方、前記処理の実行により、各車輪1〜
4毎に路面の摩擦係数μを推定するが、この各車輪1〜
4毎の推定から求めた路面の摩擦係数μに基づいてブレ
ーキ油圧の制御に使用する路面の摩擦係数μを判定する
処理の一例を図10のフローチャートによって説明す
る。 【0054】まず、アンチスキッド制御中か否かを判断
し(ステップ500)、制御中でない場合には、路面の
摩擦係数μは高いと判定して、摩擦係数μ判定完了フラ
グをリセットする(ステップ510)。一方、制御中で
あると判断すると、全ての車輪1〜4が路面摩擦係数μ
の推定を完了しているか否かを判断し(ステップ52
0)、全ての車輪1〜4で推定を完了していないときは
一旦元の処理に戻り、推定を完了しているときは、摩擦
係数μの判定が完了したか否かを判断する(ステップ5
30)。後述するステップ550,570の処理による
フラグがセットされているときには、完了していると判
断し、元の処理に戻り、その判定結果に従ってブレーキ
油圧の制御を行う。 【0055】完了していないときには、前2輪1,2の
判定が共に路面の摩擦係数μが低いとの判定であるか否
かを判断し(ステップ540)、図14に示すように、
後2輪3,4の判定にかかわらず、路面の摩擦係数μは
低いと判定して、路面の摩擦係数μ完了フラグをセット
する(ステップ550)。 【0056】前2輪1,2の判定が、少なくとも一方が
路面の摩擦係数μが高いとの判定である場合には、前2
輪1,2の判定が共に路面摩擦係数μが高いとの判定で
あるか否かを判断し(ステップ560)、共に高いとき
には、後2輪3,4の判定にかかわらず、路面の摩擦係
数μは高いと判定し、路面摩擦係数μ完了フラグをセッ
トする(ステップ570)。 【0057】一方、前2輪1,2の判定が異なるときに
は(ステップ540,560)、図14に示すように、
後2輪3,4の判定が共に路面の摩擦係数μが低いとの
判定であるか否かを判断する(ステップ580)。後2
輪3,4が共に低いとの判定である場合には、路面の摩
擦係数μは低いと判定して、摩擦係数μ判定完了フラグ
をセットする(ステップ550)。 【0058】また、後2輪3,4の判定が異なるときに
は、例えば、左右輪1〜4の路面の摩擦係数μが異なる
またぎ路を走行中であると判断して、路面の摩擦係数μ
は高いと判定し、路面摩擦係数μ完了フラグをセットす
る(ステップ570)。このように、本実施例のアンチ
スキッド制御装置によると、積算スリップ量△nだけに
よるのではなく、積算スリップ量△nと振動周期Tn と
に基づいて路面の摩擦係数μを判定するので、車輪振動
が生ずるおそれがある駆動輪1〜4の車輪速度VWであ
っても、路面の摩擦係数μを適性に判定できる。従っ
て、各車輪1〜4に車輪振動が生ずるおそれのある4輪
駆動車の場合であっても、路面の摩擦係数μを判定でき
る。また、前2輪又は後2輪の駆動車の場合であって
も、駆動輪に基づいて路面の摩擦係数μを判定できるの
で、判定精度が向上する。 【0059】ステップ210の処理の実行が加速度演算
手段M2として働き、ステップ120〜160の処理の
実行がブレーキ圧力制御手段M3として働き、ステップ
330,335の処理の実行がスリップ量演算手段M4
として働く。また、ステップ310〜330,337,
340,350の処理の実行が周期演算手段M5として
働き、ステップ400〜570の処理の実行が摩擦係数
判定手段M6として働く。 【0060】以上本発明はこの様な実施例に何等限定さ
れるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲にお
いて種々なる態様で実施し得る。 【0061】 【発明の効果】以上詳述したように本発明のアンチスキ
ッド制御装置は、積算スリップ量と振動周期とに基づい
て路面の摩擦係数を判定するので、車輪振動が生ずるお
それがある駆動輪の車輪速度からでも、路面の摩擦係数
を適性に判定できるという効果を奏する。よって、4輪
駆動車の場合であっても、路面の摩擦係数μを判定で
き、2輪駆動車の場合にはその判定精度が向上するとい
う効果を奏する。
【図面の簡単な説明】 【図1】本発明のアンチスキッド制御装置の基本的構成
を例示するブロック図である。 【図2】本実施例のアンチスキッド制御装置の概略構成
図である。 【図3】本実施例の電子制御回路において行われるアン
チスキッド制御処理の一例を示すフローチャートであ
る。 【図4】本実施例の増圧モード処理の一例を示すフロー
チャートである。 【図5】本実施例の車輪速度、車輪加速度、基準速度を
演算する割込処理の一例を示すフローチャートである。 【図6】本実施例の路面摩擦係数推定処理の一例を示す
フローチャートである。 【図7】本実施例の路面摩擦係数推定処理の一例の一部
を示すフローチャートである。 【図8】本実施例の記憶処理の一例を示すフローチャー
トである。 【図9】本実施例の推定処理の一例を示すフローチャー
トである。 【図10】本実施例の判定処理の一例を示すフローチャ
ートである。 【図11】本実施例のアンチスキッド制御中の制御弁の
制御信号、車輪加速度、車輪速度のタイムチャートであ
る。 【図12】本実施例の1回目の積算スリップ量と振動周
期とに基づく路面の摩擦係数の推定を説明する説明図で
ある。 【図13】本実施例の2,3回目の積算スリップ量と振
動周期とに基づく路面の摩擦係数の推定を説明する説明
図である。 【図14】本実施例の路面の摩擦係数の判定を説明する
説明図である。 【符号の説明】 M1,14〜17…車輪速度センサ M2…
加速度演算手段 M3…ブレーキ圧力制御手段 M4…
スリップ量演算手段 M5…周期演算手段 M6…
摩擦係数判定手段 1〜4…車輪 6…内燃機関 18〜
21…油圧ブレーキ 24…マスタシリンダ 26〜29…制御弁 50…
電子制御回路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松浦 正裕 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 日本 電装株式会社内 (56)参考文献 特開 昭62−146755(JP,A) 特開 昭61−9365(JP,A) 特開 平1−309865(JP,A) 特開 平3−235751(JP,A) 特開 昭62−160951(JP,A) 実開 平2−7169(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B60T 8/58

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 車輪速度を検出する車輪速度センサと、 該車輪速度に基づいて車輪加速度を演算する加速度演算
    手段と、 前記車輪速度と前記車輪加速度とに基づいてブレーキ圧
    力を増減すると共に、路面の摩擦係数に応じて前記ブレ
    ーキ圧力を制御するブレーキ圧力制御手段とを備えたア
    ンチスキッド制御装置において、 前記車輪速度が基準速度より小さいときの前記車輪速度
    と前記基準速度との差を積算した積算スリップ量を演算
    するスリップ量演算手段と、 前記車輪加速度の振動周期を演算する周期演算手段と、 前記積算スリップ量と前記振動周期とに基づいて前記摩
    擦係数を判定する摩擦係数判定手段と、 を備えたことを特徴とするアンチスキッド制御装置。
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