JP4051715B2 - アンチスキッド制御装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両制動時に車輪のスリップ状態に応じて、適切なスリップ率が得られるように当該車輪に車輪制動力を与えるブレーキ液圧を調整することを特徴とするアンチスキッド制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、車両制動時に各車輪のスリップ率を検出し、その検出したスリップ率に応じて各車輪のブレーキ液圧を減圧・増圧・保持する制御を行うことによって、車両を安全かつ速やかに制動可能なスリップ率(一般に、10%〜20%程度)に制御するアンチスキッド制御装置が知られている。
【0003】
このような制御では、制動時にスリップ率が目標スリップ率(例えば15%)を越えた場合に、車輪加速度がマイナスであれば、その車輪のブレーキ液圧を減少させる処理を行い、車輪加速度がマイナス以外であれば、その車輪のブレーキ液圧を保持させる処理を行い、また目標スリップ率を下回った場合には、その車輪のブレーキ液圧を増加させる処理を行っていた。なお、このように直接、実スリップ率と目標スリップ率とを比較するのではなく、スリップ率に対応する物理量、例えば車輪速度(回転速度)にて比較しても良い。すなわち、目標スリップ率に対応する目標車輪速度を求めて、この目標車輪速度と実車輪速度とを比較しても良い。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
このように、目標スリップ率や目標車輪速度と言った値と実際の車輪のスリップ率あるいは車輪速度とを比較することにより、ブレーキ液圧の増減・保持を制御していたため、制動時における路面等の微小な摩擦係数(以下、μと称する)の変化により、車輪速度が乱れると、直ちに目標スリップ率や目標車輪速度との比較判定に影響が生じ、アンチスキッド制御が不安定になるという問題が存在した。
【0005】
また、このことは路面が悪路である場合にも路面の凹凸にて車輪速度が乱れることにより、あるいは車両旋回時やタイヤ径の誤差に伴う車輪速度の乱れにおいても同じくアンチスキッド制御が不安定になるという問題が存在した。
本発明は、路面μのわずかな変動や路面の凹凸あるいは車両旋回時やタイヤ径の誤差により生ずるアンチスキッド制御の不安定性を防止して、安定したアンチスキッド制御を可能とするアンチスキッド制御装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段および発明の効果】
本発明のアンチスキッド制御装置は、乗員による制動操作状態に応じたブレーキ液圧を発生するブレーキ液圧発生手段と、
前記ブレーキ液圧発生手段からのブレーキ液圧を受けて車輪に制動力を発生させる車輪制動力発生手段と、
前記車輪における車輪速度を検出する車輪速度検出手段と、
前記車輪の制動状態を調整すべく、前記車輪速度検出手段にて検出された車輪速度に基づいて得られる車輪のスリップ率が、予め設定された第1目標スリップ率KSOを超えていなければ、前記車輪車輪制動力発生手段にかかるブレーキ液圧を増加させ、第1目標スリップ率KSOを超えていれば、アンチスキッド制御中となり、該アンチスキッド制御中に、前記スリップ率が予め設定された第2目標スリップ率KS1を超えていれば、前記ブレーキ液圧を保持もしくは減少させ、前記第2目標スリップ率KS1を超えていなく、且つ、
前記車輪の目標スリップ率KTSWと実スリップ率との偏差を積算したスリップ率偏差積算値が所定値以上となった場合に、前記ブレーキ液圧を増加させる調整をパルス的に行うとともに、前記スリップ率偏差積算値をクリアして新たに積算するパルス増加処理を繰り返すブレーキ液圧調整手段と、を設けたことを特徴とする。
【0010】
ここで、ブレーキ液圧調整手段、前記車輪の制動状態を調整すべく、前記車輪速度検出手段にて検出された車輪速度に基づいて得られる車輪のスリップ率が前記第1目標スリップ率KS0を越えていれば、アンチスキッド制御中となる。そして、アンチスキッド制御中に、前記スリップ率が前記第2目標スリップ率KS1を越え、且つ、スリップ状態積算値が所定値以上となった場合に、ブレーキ液圧を増加させる調整をパルス的に行うとともに、スリップ状態積算値をクリアして新たに積算するパルス増加処理(実施の形態に図8の処理として例示)を繰り返す。つまり、路面μのわずかな変動や路面の凹凸あるいは車両旋回時やタイヤ径の誤差により、一時的にスリップ状態がブレーキ液圧を増加調整すべき状態となったとしても直ちにブレーキ液圧は増加されないので、アンチスキッド制御の不安定性を防止して、安定したアンチスキッド制御が可能となる。
しかも、ブレーキ液圧の増加はパルス的に行われるとともに、スリップ状態積算値が急速に増加すればその増加勾配に応じて、スリップ状態積算値が所定値を越える周期が短くなるので、ブレーキ液圧の増加速度も変化する。したがって、スリップ率の変化の緩急に適切に対処することができる。
【0014】
なお、前記パルス増加処理の繰り返し回数を所定回数に制限することにより、一層適切な量のブレーキ液圧増圧をすることができる。
また、スリップ状態積算値(実施の形態にスリップ率偏差積算値ΣSX**として例示)に更に悪路に伴う変動(実施の形態に悪路指数B**(n)として例示)を加味することにより、より悪路による不安定性を防止できる。この悪路に伴う変動としては、例えば、所定期間の平均車輪加速度(実施の形態にフィルタ後の車輪加速度dVW**として例示)と実車輪加速度(実施の形態にフィルタ前の車輪加速度dVX**として例示)との偏差に基づいて設定することができる。なお、スリップ状態積算値に悪路に伴う変動を加味した値は、実施の形態に補正積算値ΣS**として例示している。
【0017】
車両に複数の車輪が設けられている場合には、例えば、各車輪毎に前述したアンチスキッド制御装置が備えられ、車輪の各スリップ率が、推定車体速度と各車輪速度とに基づいて算出されるように構成される。
ここで、推定車体速度は、各車輪に共通のものでも良いが、全車輪の挙動から推定された車体速度(実施の形態に4輪共通の車体速度VBとして例示)と各車輪速度とに基づいて得られる各車輪毎に設けられた推定車体速度(実施の形態に4輪の各車輪毎の車体速度VBW**として例示)であっても良い。この各車輪毎に設けた推定車体速度を用いると、上述したアンチスキッド制御において、車輪毎に一層精密な制御が可能となる。
【0018】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明が適用された一実施の形態のアンチスキッド制御装置全体の構成を表わす概略構成図である。なお、本実施の形態はフロントエンジン・フロントドライブ方式の四輪車に本発明を適用した例である。
【0019】
図示するごとく、車両の右前輪(FR)1,左後輪(RL)2,右後輪(RR)3および左前輪(FL)4の各々には、各車輪1〜4の回転に応じたパルス信号(回転速度信号)を発生する、電磁式、磁気抵抗式等の回転速度センサ5,6,7,8が配設されている。また各車輪1〜4には、それぞれ、マスタシリンダ16からのブレーキ液圧を受けて各車輪1〜4に制動をかけるブレーキ装置11,12,13,14が配設され、これら各ブレーキ装置11〜14内のホイールシリンダには、マスタシリンダ16からのブレーキ液圧が、アクチュエータ21,22,23,24およびブレーキ液圧管路を介して送られる。
【0020】
また更に、マスタシリンダ16からブレーキ液圧を発生させるブレーキペダル25には、その踏込状態を検出して、制動時にはオン信号を、非制動時にはオフ信号を出力するストップスイッチ26が設けられている。なお、本実施の形態では、マスタシリンダ16からのブレーキ液圧を各車輪1〜4のアクチュエータ21〜24に導くブレーキ液圧管路が、右前輪1および左後輪2用のブレーキ液圧管路と、右後輪3および左前輪4用のブレーキ液圧管路との2系統に分離した、いわゆるX配管とされている。
【0021】
次に、各アクチュエータ21〜24は、電磁式の三位置弁から構成されている。そして、非通電時には、各アクチュエータ21〜24は、A位置となって、マスタシリンダ16から各車輪1〜4のブレーキ装置11〜14に至るブレーキ液圧管路を連通して、ブレーキ装置11〜14のブレーキ液圧(いわゆるホイールシリンダ圧であり、以下単にW/C圧ともいう)をマスタシリンダ16からのブレーキ液圧によって増圧する。
【0022】
また、通電時には、その電流レベルに応じて、B位置またはC位置に切り換えられる。そして、通電によりB位置となったときには、ブレーキ液圧管路を遮断してブレーキ装置11〜14のW/C圧を現在の状態に保持し、通電によりC位置となったときには、ブレーキ装置11〜14のホイールシリンダ内のブレーキ液を上記2系統のブレーキ液圧管路毎に設けられたリザーバ28a,28bへ逃して、各ブレーキ装置11〜14のW/C圧を減圧する。
【0023】
なお、上記各アクチュエータ21〜24は、電子制御装置40の動作により、アンチスキッド制御中には一旦C位置(減圧位置)に切り換えられて、ブレーキ装置11〜14のホイールシリンダ内のブレーキ液をリザーバ28a,28bに逃すが、リザーバ28a,28bが満杯となると、減圧不可となるため、リザーバ28a,28b側のブレーキ液圧管路とマスタシリンダ16側のブレーキ液圧管路との間には、電動モータの駆動によってリザーバ28a,28b側のブレーキ液をマスタシリンダ16側に汲上げるモータポンプ27a,27bが設けられている。
【0024】
次に各アクチュエータ21〜24を、増圧位置、減圧位置、保持位置の何れかに制御する電子制御装置40は、CPU、ROM、RAM、入出力インターフェース等からなるマイクロコンピュータから構成されており、図示しないイグニッションスイッチのオン時に電源供給を受けて動作する。すなわち、電子制御装置40は、上記各車輪の回転速度センサ5〜8およびストップスイッチ26からの信号を受け、これら各信号に基づきアンチスキッド制御のための演算処理を行い、上記各アクチュエータ21〜24の弁位置を切り換える。
【0025】
以下、この電子制御装置40にてアンチスキッド制御のために実行される演算処理について、図2〜図9に示すフローチャートに沿って説明する。
図2に示すごとく、電子制御装置40が起動されると、まずS1000(S:ステップを表わす)にて、メモリクリア、フラグリセット等の初期化処理を行い、続くS1100にて、以降の演算処理を所定時間Ta(例えば5ms)毎に実行するために、所定時間Taが経過したか否かを判定することにより、所定時間Taが経過するのを待つ。
【0026】
そして、所定時間Taが経過したと判定すると(S1100で「YES」)、S1200に移行して、上記各回転速度センサ5〜8からの回転速度信号に基づき、各車輪1〜4の各回転速度(以下、車輪速度という)VW**(VWFR,VWRL,VWRR,VWFLの総称である。「**」は各車輪を示す記号FR,RL,RR,FLの総称である。添え字FR,RL,RR,FLは、それぞれ、右前輪1,左後輪2,右後輪3,左前輪4に対する値であることを表わす。)を算出し、続くS1300では、図3に示すごとく、まず、S1310にて、その算出した車輪速度VW**に基づいて各車輪1〜4の回転加速度(以下、車輪加速度という)dVX**を次式1のごとく演算する。
【0027】
【数1】
Figure 0004051715
【0028】
次に、S1320にて、次式2の如く、所定期間(ここではn〜n−3までの期間)の車輪加速度dVX**を平均するフィルタリング処理を行って、フィルタ後の車輪加速度dVW**を求める。
【0029】
【数2】
Figure 0004051715
【0030】
式1,2において、nは今回の処理タイミングを表し、n−1は前回の処理タイミング、n−2は前々回の処理タイミング、n−3は前々々回の処理タイミングを表している。他の式においても同じである。
次にS1400では、図4に示すごとく、4輪共通の車体速度VBが演算される。まず、S1410にて、次式3に示すごとく4輪の内の最大車輪速度VSWが求められる。
【0031】
【数3】
Figure 0004051715
【0032】
ここでMAX()は、()内の値の内で最大値を求める演算子を表す。
続いて、S1420にて、アンチスキッド制御中か否かが判定される。アンチスキッド制御中であれば(S1420で「YES」)、S1430にて上限加速度KUとしてK2(例えば2.0G)を設定する。アンチスキッド制御中でなければ(S1420で「NO」)、S1440にて上限加速度KUとしてK1(例えば0.5G)を設定する。
【0033】
次に、S1450にて、次式4のごとく、4輪共通の車体速度VBが演算される。
【0034】
【数4】
Figure 0004051715
【0035】
ここで、MED()は、()内の値の内で中間値を求める演算子を表す。なお下限加速度KDは例えば1.2Gに設定されている。
次に、S1500にて4輪の各車輪毎の車体速度VBW**が、図5に示すごとく演算される。まず、S1510にて、4輪共通の車体加速度dVBが次式5のごとく演算される。
【0036】
【数5】
Figure 0004051715
【0037】
次に、S1520にて車体加速度dVBがマイナスか否かが判定される。車体加速度dVBがマイナスならば(S1520で「YES」)、S1530にて車体加速度dVBの値がクリアされ、S1540に移る。車体加速度dVBがマイナスでないならば(S1520で「NO」)、そのまま、S1540に移る。
【0038】
S1540にては、次式6のごとく、車体減速側ガード値KDWが設定される。
【0039】
【数6】
Figure 0004051715
【0040】
ここで、補正値KG1は例えば0.1Gが設定される。
次にS1550にて、アンチスキッド制御中か否かが判定される。アンチスキッド制御中であれば(S1550で「YES」)、S1560にて車体加速側ガード値KUWに所定値K4(例えば2.0G)を設定し、アンチスキッド制御中でなければ(S1550で「NO」)、S1570にて車体加速側ガード値KUWに所定値K3(例えば0.5G)を設定する。
【0041】
次にS1580にて、次式7に示すごとく、各車輪毎の車体速度VBW**が演算される。
【0042】
【数7】
Figure 0004051715
【0043】
次にS1600にて、図6に示すごとく各車輪毎のスリップ率SW**が演算される。すなわち、S1610にて、次式8のごとくスリップ率SW**が演算される。
【0044】
【数8】
Figure 0004051715
【0045】
次にS1700にて、アンチスキッド制御のための制御モード演算が、各車輪毎に、図7に示すごとくなされる。まず、S1702にて、対象となる車輪1,2,3または4に対して制御中モードが設定されており、既にアンチスキッド制御(ブレーキ液圧制御)を実行しているか否かを判定する。そして、制御中モードが設定されていなければ(S1702で「NO」)、S1704にて、S1600にて求めた当該車輪のスリップ率SW**が予め設定された第1目標スリップ率KS0(例えば、20%)を越えたか否かを判定し、スリップ率SW**が第1目標スリップ率KS0を越えていなければ(S1704で「NO」)、当該車輪に対するブレーキ液圧制御を実行する必要はないので、S1706にて制御中モードをリセット状態とし、S1708にて、アクチュエータを図1に示したA位置(増圧位置)に保持する増圧モードにセットして、当該処理を終了する。
【0046】
一方、S1704にて、スリップ率SW**が第1目標スリップ率KS0を越えたと判定されると(S1704で「YES」)、車輪が過大なスリップをし始めており、ブレーキ液圧制御を実行する必要があるとして、S1710に移行し、制御中モードをセットする。そして、このS1710にて制御中モードをセットした後、あるいはS1702にて現在制御中モードであると判定された場合には、S1712に移行し、当該車輪のスリップ率SW**が第2目標スリップ率KS1(例えば、15%)を越えているか否かを判定する。
【0047】
S1712にて、スリップ率SW**が第2目標スリップ率KS1を越えていると判定されると(S1712で「YES」)、S1714に移行し、S1300にて算出した当該車輪の車輪加速度dVW**は、ブレーキ液圧制御によって車輪の減速が抑制されてその車輪速度VW**の変化方向が減速方向から加速方向に反転していないか否か、つまり加速度零(0G)よりも小さいか否かを判定する。
【0048】
そして、S1714にて、車輪加速度dVW**が0Gよりも小さく、車輪速度VW**は減速方向であると判定されると(S1714で「YES」)、S1716に移行して、アクチュエータを図1に示したC位置(減圧位置)に制御してブレーキ装置のW/C圧を減圧させる減圧モードをセットし、当該処理を終了する。
【0049】
一方、S1714にて、車輪加速度dVW**は0G以上となって、車輪速度VW**の変化方向が減速方向から加速方向になっていると判定されると(S1714で「NO」)、S1718に移行して、アクチュエータを図1に示したB位置(保持位置)に制御してブレーキ装置のW/C圧を保持させる保持モードをセットし、当該処理を終了する。
【0050】
また次に、S1712にて、スリップ率SW**が第2目標スリップ率KS1以下になっていると判定された場合には(S1712で「NO」)、S1720に移行して、アクチュエータを図1に示したB位置(保持位置)からA位置(増圧位置)へパルス的に変化させて、ブレーキ装置のW/C圧をその変化に応じた増圧パターンで徐々に増圧させるパルス増モードの制御を、所定回数(所定パターン)分実行したか否かを判定する。
【0051】
そして、このS1720にて、パルス増モードの制御を所定パターン分実行したと判定すると(S1720で「YES」)、当該車輪のスリップは完全に抑制され、ブレーキ液圧制御を終了しても、もはや車輪がほとんどスリップをすることはないものとして、S1706に移行して制御中モードをリセットし、S1708にて増圧モードをセットした後、当該処理を終了する。
【0052】
一方、S1720にて、パルス増モードの制御を所定パターン分実行していないと判定されると(S1720で「NO」)、S1722にて、当該車輪に対する制御モードとして、パルス増モードをセットし、次に、S1800にて、増圧パルス出力要求タイミングを決定するためのパルス増モード演算が各車輪毎に行われ、その後、当該処理を一旦終了する。
【0053】
このS1800の処理を図8に示す。まず、S1802にて、目標スリップ率KTSW(例えば12%)とS1610で得られた対象輪のスリップ率SW**とのスリップ率偏差ΔSW**を次式9のごとく求める。
【0054】
【数9】
Figure 0004051715
【0055】
次に、S1804にて、スリップ率偏差ΔSW**の積算処理が次式10のごとく行われる。
【0056】
【数10】
Figure 0004051715
【0057】
ここで、ΣSX**はスリップ率偏差ΔSW**の積算値を表す。
次にS1806にて、道路の凸凹の状態を示す悪路指数B**(n)の演算が次式11に示すごとく行われる。
【0058】
【数11】
Figure 0004051715
【0059】
次にS1808にて演算された悪路指数B**(n)に基づいて、次式12のごとく、前記スリップ率偏差積算値ΣSX**を補正して、補正積算値ΣS**を求める。
【0060】
【数12】
Figure 0004051715
【0061】
ここでKは補正係数であり、例えば1に設定されている。
次にS1810にて、増圧パルス出力の間隔を所定範囲に設定するためのカウント上限値KTMAX(例えば1000ms)よりも計時用カウンタCT**の値が大きいか否かが判定される。大きくない場合には(S1810で「NO」)、S1812にて、増圧パルス出力を決定する判定値KSI(例えば100)よりも補正積算値ΣS**が大きいか否かが判定される。
【0062】
補正積算値ΣS**が判定値KSI以下の場合には(S1812で「NO」)、未だ車輪の実スリップ率がパルス増圧するほど十分に小さくなっていないとして、S1814にて保持出力要求セットがなされる。そしてS1816にて、計時用カウンタCT**をインクリメントして一旦終了する。
【0063】
計時用カウンタCT**がカウント上限値KTMAXを越えない内に、補正積算値ΣS**が判定値KSIを越えた場合には(S1812で「YES」)、S1818にて、増圧パルス出力の間隔を所定範囲に設定するためのカウント下限値KTMIN(例えば50ms)よりも計時用カウンタCT**の値が大きいか否かが判定される。大きければ(S1818で「YES」)、S1820にて増圧パルス出力要求がセットされ、続いてS1822にて、スリップ率偏差積算値ΣSX**および計時用カウンタCT**をクリアして一旦終了する。
【0064】
なお、S1812で「YES」と判定される前に、S1810で「YES」と判定された場合にはS1818でも「YES」であるので、直ちにS1820にて増圧パルス出力要求がセットされる。したがって、何等かのノイズ的な原因により、あまりに増圧パルス出力の間隔が長くなることにより、必要な増圧がなされない状態を防止することができる。
【0065】
またS1812で「YES」と判定されても、S1818で「NO」と判定された場合には、S1814に移行して保持出力状態が維持される。したがって、何等かのノイズ的な原因により、あまりに短い間隔で増圧パルス出力がなされることによる機構的にブレーキ液圧の増圧が追随できなくなる等の異常を防止することができる。
【0066】
S1700の処理が終われば、次に、S1900にて、左右後輪2,3のブレーキ装置12,13をスリップ傾向の大きい後輪のスリップ状態に応じて同時に制御するローセレクト制御を行って再度S1100に戻る。
次に、図9は、前記S1700での一連の処理により設定された各車輪1〜4の制御モードに従い、各車輪1〜4のアクチュエータ21〜24をそれぞれ駆動し、各車輪1〜4のブレーキ装置11〜14のW/C圧を各々制御するために、所定時間(例えば1ms)Tb毎のタイマ割込みによって実行される割込み処理を表わす。
【0067】
この割込み処理では、まずS2010にて、右前輪(FR)1の制御モードを読み込み、この制御モードに従い、アクチュエータ21のソレノイドを図10に示す駆動出力にて駆動し、アクチュエータ21をその制御モードに対応した弁位置に制御する。また続くS2020以降では、このS2010と同様にして、左前輪(FL)4のアクチュエータ24に対する駆動出力(S2020)、右後輪(RR)3のアクチュエータ23に対する駆動出力(S2030)、左後輪(RL)2のアクチュエータ22に対する駆動出力(S2040)を順次実行して、この割込み処理を終了する。
【0068】
図10は、本実施の形態における増圧モード,減圧モード,保持モード及びパルス増モードの際のアクチュエータのソレノイドに対する駆動出力を表わす。すなわち、制御モードとして増圧モードが設定されている場合には、増圧出力、すなわちソレノイドへの通電を禁止してアクチュエータを増圧位置Aに固定する。
【0069】
減圧モードが設定されている場合には、減圧出力と保持出力とを交互に繰り返し出力する。すなわち、ソレノイドに所定時間TD(例えば15ms)だけ減圧用の所定電流を流し、その後所定時間TH(例えば15ms)だけソレノイドへ保持用の電流を流すというように、アクチュエータを減圧位置Cと保持位置Bとに交互に切り換える。なお、減圧モードでは、減圧出力を連続して出力しても良い。すなわち、アクチュエータを減圧位置Cに維持しても良い。
【0070】
保持モードが設定されている場合には、保持出力、すなわちソレノイドに保持用の所定電流を連続通電して、アクチュエータを保持位置Bに固定する。
パルス増モードが設定されている場合には、S1820にて増圧パルス出力要求セットがなされたタイミングで、ソレノイドに所定時間KU(例えば3ms)だけ増圧用の所定電流を流してアクチュエータを増圧位置Aとし、その後再度S1820にて次の増圧パルス出力要求セットがなされるまで、ソレノイドに保持用の所定電流を流して、アクチュエータを保持位置Bとする。
【0071】
また、この増圧パルス出力は、パルス増モードパターンとしてパルス出力回数は、所定回数(例えば10回)に制限されている。したがって、所定回数の増圧パルス出力がなされると(S1720で「YES」)、S1706にて制御中モードはリセットされ、S1708の増圧モードのセットに戻る。
【0072】
上述した制御の作動例を図11に示す。なお、この例は、悪路指数B**(n)=0である場合に、アンチスキッド制御中にパルス増モードから減圧モードとなる際のタイミングチャートを表している。
すなわち、時刻t1まではS1804の積算処理によりスリップ率偏差積算値ΣSX**が波状に次第に増加し、更にS1808の補正処理により補正積算値ΣS**が波状に次第に増加している。計時用カウンタCT**がカウント下限値KTMINより大きい状態の時刻t1で補正積算値ΣS**が判定値KSIを越えることにより(S1812で「YES」、S1818で「YES」)、S1820が実行されて、ソレノイドsolに増圧パルス出力がなされる。このことにより、該当する車輪のブレーキ装置11〜14のW/C圧PW/C**が少し上昇する。
【0073】
次にS1822にて、スリップ率偏差積算値ΣSX**および計時用カウンタCT**がクリアされた後に、S1702で「YES」、S1712で「NO」およびS1720で「NO」の条件が継続していれば、再度、S1804の積算処理によりスリップ率偏差積算値ΣSX**が波状に次第に増加し、更にS1808の補正処理により補正積算値ΣS**が波状に次第に増加する。そして計時用カウンタCT**がカウント下限値KTMINより大きい状態の時刻t2で補正積算値ΣS**が判定値KSIを越えることにより、S1820が実行されて、ソレノイドに増圧パルス出力がなされる。このことにより、該当する車輪のブレーキ装置のW/C圧PW/C**が、更に少し上昇する。
【0074】
そして再度、S1804の積算処理によりスリップ率偏差積算値ΣSX**が波状に次第に増加し、S1808の補正処理により補正積算値ΣS**が波状に次第に増加している際に、S1712にてスリップ率SW**が第2目標スリップ率KS1を越えていると判定されると(S1712で「YES」)、S1714に移行し、S1300にて算出した当該車輪の車輪加速度dVW**は、ブレーキ液圧制御によって車輪の減速が抑制されてその車輪速度VW**の変化方向が減速方向から加速方向に反転していないか否か、つまり加速度零(0G)よりも小さいか否かを判定し、ここで、車輪加速度dVW**が0Gよりも小さく、車輪速度VW**は減速方向に変化していると判定されると(S1714で「YES」)、S1716に移行して、アクチュエータを図1に示したC位置(減圧位置)に制御して、ブレーキ装置のW/C圧を減圧させる減圧モードがセットされる。したがって、以後減圧モードである限り減圧出力と保持出力とが交互に出力され、次第に、W/C圧PW/C**が減少する。
【0075】
上述したごとく、本実施の形態は、アンチスキッド制御におけるブレーキ液圧の調整に際して、ブレーキ液圧を増加させる必要が有ると判定した場合には(S1712で「NO」)、車輪のスリップ状態を積算したスリップ状態積算値を含む補正積算値ΣS**に応じてブレーキ液圧を増加させている。したがって、路面μのわずかな変動や路面の凹凸あるいは車両旋回時やタイヤ径の誤差により一時的にスリップ状態がブレーキ液圧を増加調整すべき状態となったとしても直ちにブレーキ液圧は増加されないので、アンチスキッド制御の不安定性を防止して、安定したアンチスキッド制御が可能となる。
【0076】
しかも、ブレーキ液圧の増加はパルス的に行われるとともに、補正積算値ΣS**が急速に増加すればその増加勾配に応じて、補正積算値ΣS**が判定値KSIを越える周期が短くなるので、増圧パルス出力頻度、すなわちブレーキ液圧の調整速度も変化する。したがって、スリップ率の変化の緩急に適切に対処することができる。
【0077】
また、S1808にて、補正積算値ΣS**には悪路指数B**(n)が加味されているので、悪路に起因する車輪速度の急速な低下があっても、その悪路起因の車輪加速度分は補正積算値ΣS**に加算されることになり、必要以上に増圧が遅れることがなく、一層悪路に影響されない安定したアンチスキッド制御が可能となる。
【0078】
また、車体速度VBW**は、S1580にて車輪毎に個々に設定されているので、上述したアンチスキッド制御において、車輪毎に一層精密な制御が可能となる。
本実施の形態において、マスタシリンダ16がブレーキ液圧発生手段に該当し、ブレーキ装置11〜14が車輪制動力発生手段に該当し、回転速度センサ5〜8が車輪速度検出手段に該当し、電子制御装置40がブレーキ液圧調整手段に該当する。
【0079】
[その他]
前記実施の形態は、パルス増モードがセットされた際のブレーキ液圧の増加において、スリップ率偏差積算値ΣSX**の値(実際には悪路指数B**(n)を加味した補正積算値ΣS**)を判定して増圧パルス出力を調整していたが、減圧においてもスリップ率の増加に対応させたスリップ率偏差積算値ΣSX**の値(または悪路指数B**(n)を加味した補正積算値ΣS**)を判定して減圧出力を調整しても良い。すなわち、S1714にて「YES」と判定された場合に、S1722およびS1800と同じ様に補正積算値ΣS**に応じた頻度のパルスによる減圧を実行しても良い。
【0080】
また、前記実施の形態において、悪路指数B**(n)を加味しない状態のスリップ率偏差積算値ΣSX**の値のままで、S1812の判定を行っても良い。
また、車体速度VBW**は、S1580にて車輪毎に個々に設定されているが、その代りに4車輪共通の車体速度VBを用いても良い。
【0081】
前記実施の形態においては、スリップ状態としては、目標スリップ率と実スリップ率との偏差(スリップ率偏差ΔSW**)を用いていたが、この他に目標スリップ率に対応する物理量である目標車輪速度と、実スリップ率に対応する物理量である実車輪速度との偏差であっても良い。
【0082】
また、更に、スリップ状態としては、実スリップ率の逆数でも良く、あるいは車体速度と実車輪速度との差の逆数であっても良い。このようにすると目標スリップに関係なく設定できるという利点がある。すなわち、スリップが大きくなるほど、この場合のスリップ状態は小さくなり、その積分値も小さくなるから、増圧を遅らせることとなり、定性的に目的を達成できる。
【0083】
前記実施の形態はフロントエンジン・フロントドライブ方式の四輪車の例を示したものであるが、二輪車でも三輪車でも、5輪以上の車両でも適用できる。また、フロントエンジン・リヤドライブ方式でも、全輪駆動でも適用可能である。またブレーキの配管系統は、X配管以外に、2系統ブレーキシステム(例えば、前後2系統システム等)でも良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明が適用された一実施の形態のアンチスキッド制御装置の概略構成図である。
【図2】 電子制御装置にて行われるアンチスキッド制御処理のフローチャートである。
【図3】 4輪毎の車輪加速度演算処理のフローチャートである。
【図4】 4輪共通車体速度演算処理のフローチャートである。
【図5】 4輪毎の車体速度演算処理のフローチャートである。
【図6】 4輪毎のスリップ率演算処理のフローチャートである。
【図7】 4輪毎の制御モード演算処理のフローチャートである。
【図8】 パルス増モード演算処理のフローチャートである。
【図9】 4輪のソレノイド駆動出力のためのタイマ割込処理のフローチャートである。
【図10】 ソレノイド駆動出力パターン説明図である。
【図11】 アンチスキッド制御の作動例を示すタイミングチャートである。
【符号の説明】
1…右前輪 2…左後輪 3…右後輪 4…左前輪
5,6,7,8…回転速度センサ
11,12,13,14…ブレーキ装置 16…マスタシリンダ
21,22,23,24…アクチュエータ 25…ブレーキペダル
26…ストップスイッチ 27a,27b…モータポンプ
28a,28b…リザーバ 40…電子制御装置

Claims (11)

  1. 乗員による制動操作状態に応じたブレーキ液圧を発生するブレーキ液圧発生手段と、
    前記ブレーキ液圧発生手段からのブレーキ液圧を受けて車輪に制動力を発生させる車輪制動力発生手段と、
    前記車輪における車輪速度を検出する車輪速度検出手段と、
    前記車輪の制動状態を調整すべく、前記車輪速度検出手段にて検出された車輪速度に基づいて得られる車輪のスリップ率が、予め設定された第1目標スリップ率KSOを超えていなければ、前記車輪車輪制動力発生手段にかかるブレーキ液圧を増加させ、第1目標スリップ率KSOを超えていれば、アンチスキッド制御中となり、該アンチスキッド制御中に、前記スリップ率が、予め設定された第2目標スリップ率KS1を超えていれば、前記ブレーキ液圧を保持もしくは減少させ、前記第2目標スリップ率KS1を超えていなく、且つ、
    前記車輪の目標スリップ率KTSWと実スリップ率との偏差を積算したスリップ率偏差積算値が所定値以上となった場合に、前記ブレーキ液圧を増加させる調整をパルス的に行うとともに、前記スリップ率偏差積算値をクリアして新たに積算するパルス増加処理を繰り返すブレーキ液圧調整手段と、を設けたことを特徴とするアンチスキッド制御装置。
  2. 乗員による制動操作状態に応じたブレーキ液圧を発生するブレーキ液圧発生手段と、
    前記ブレーキ液圧発生手段からのブレーキ液圧を受けて車輪に制動力を発生させる車輪制動力発生手段と、
    前記車輪における車輪速度を検出する車輪速度検出手段と、
    前記車輪の制動状態を調整すべく、前記車輪速度検出手段にて検出された車輪速度に基づいて得られる車輪のスリップ率が、予め設定された第1目標スリップ率KSOを超えていなければ、前記車輪車輪制動力発生手段にかかるブレーキ液圧を増加させ、第1目標スリップ率KSOを超えていれば、アンチスキッド制御中となり、該アンチスキッド制御中に、前記スリップ率が予め設定された第2目標スリップ率KS1を超えていれば、前記ブレーキ液圧を保持もしくは減少させ、前記第2目標スリップ率KS1を超えていなく、且つ、
    前記目標スリップ率KTSWに対応する物理量である目標車輪速度と、前記実スリップ率に対応する物理量である実車輪速度との偏差を積算した車輪速度偏差積算値が所定値以上となった場合に、前記ブレーキ液圧を増加させる調整をパルス的に行うとともに、前記車輪速度偏差積算値をクリアして新たに積算するパルス増加処理を繰り返すブレーキ液圧調整手段と、を設けたことを特徴とするアンチスキッド制御装置。
  3. 乗員による制動操作状態に応じたブレーキ液圧を発生するブレーキ液圧発生手段と、
    前記ブレーキ液圧発生手段からのブレーキ液圧を受けて車輪に制動力を発生させる車輪制動力発生手段と、
    前記車輪における車輪速度を検出する車輪速度検出手段と、
    前記車輪の制動状態を調整すべく、前記車輪速度検出手段にて検出された車輪速度に基づいて得られる車輪のスリップ率が、予め設定された第1目標スリップ率KSOを超えていなければ、前記車輪車輪制動力発生手段にかかるブレーキ液圧を増加させ、第1目標スリップ率KSOを超えていれば、アンチスキッド制御中となり、該アンチスキッド制御中に、前記スリップ率が予め設定された第2目標スリップ率KS1を超えていれば、前記ブレーキ液圧を保持もしくは減少させ、前記第2目標スリップ率KS1を超えていなく、且つ、
    前記実スリップ率の逆数を積算したスリップ率逆数積算値が所定値以上となった場合に、前記ブレーキ液圧を増加させる調整をパルス的に行うとともに、前記スリップ率逆数積算値をクリアして新たに積算するパルス増加処理を繰り返すブレーキ液圧調整手段と、を設けたことを特徴とするアンチスキッド制御装置。
  4. 乗員による制動操作状態に応じたブレーキ液圧を発生するブレーキ液圧発生手段と、
    前記ブレーキ液圧発生手段からのブレーキ液圧を受けて車輪に制動力を発生させる車輪制動力発生手段と、
    前記車輪における車輪速度を検出する車輪速度検出手段と、
    前記車輪の制動状態を調整すべく、前記車輪速度検出手段にて検出された車輪速度に基づいて得られる車輪のスリップ率が、予め設定された第1目標スリップ率KSOを超えていなければ、前記車輪車輪制動力発生手段にかかるブレーキ液圧を増加させ、第1目標スリップ率KSOを超えていれば、アンチスキッド制御中となり、該アンチスキッド制御中に、前記スリップ率が予め設定された第2目標スリップ率KS1を超えていれば、前記ブレーキ液圧を保持もしくは減少させ、前記第2目標スリップ率KS1を超えていなく、且つ、
    車体速度と前記実車輪速度との差の逆数を積算した車輪速度差逆数積算値が所定値以上となった場合に、前記ブレーキ液圧を増加させる調整をパルス的に行うとともに、前記車輪速度差逆数積算値をクリアして新たに積算するパルス増加処理を繰り返すブレーキ液圧調整手段と、を設けたことを特徴とするアンチスキッド制御装置。
  5. 前記スリップ率偏差積算値に更に悪路に伴う変動を加味したことを特徴とする請求項1記載のアンチスキッド制御装置。
  6. 前記車輪速度偏差積算値に更に悪路に伴う変動を加味したことを特徴とする請求項2記載のアンチスキッド制御装置。
  7. 前記スリップ率逆数積算値に更に悪路に伴う変動を加味したことを特徴とする請求項3記載のアンチスキッド制御装置。
  8. 前記車輪速度差逆数積算値に更に悪路に伴う変動を加味したことを特徴とする請求項4記載のアンチスキッド制御装置。
  9. 前記パルス増加処理の繰り返し回数が所定回数に制限されていることを特徴とする請求項1〜4記載のアンチスキッド制御装置。
  10. 車両には複数の車輪が設けられ、各車輪毎に請求項1〜4記載のアンチスキッド制御装置が備えられていると共に、
    前記車輪の各スリップ率が、推定車体速度と各車輪速度とに基づいて算出されることを特徴とするアンチスキッド制御装置。
  11. 前記推定車体速度が、全車輪の挙動から推定された車体速度と各車輪速度とに基づいて各車輪毎に得られる推定車体速度であることを特徴とする請求項10記載のアンチスキッド制御装置。
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