JP4529756B2 - 車両用ブレーキ制御装置 - Google Patents

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本発明は、ブレーキ液圧を制御することにより、車輪がロック状態になることを回避するABS制御が実行できるように構成された車両用ブレーキ制御装置に関するものである。
従来、ABS制御が実行される車両用ブレーキ制御装置においては、マスタシリンダ(以下、M/Cという)と各車輪に対応して設けられた各ホイールシリンダ(以下、W/Cという)との間を結ぶ各配管に、各W/Cへのブレーキ液の流動を制御するための増圧制御弁が備えられた構造とされる。この増圧制御弁は、連通状態と遮断状態との二位置に制御されるノーマリオン型の電磁弁で構成される。
このような車両用ブレーキ制御装置において、ABS制御で増圧モードが設定されると、所定時間増圧制御弁を連通状態とすることで、M/C圧がW/Cに加えられるようになっている。しかしながら、このときの増圧制御弁で連通状態と遮断状態との切り替えを急に行うと、すなわち従来一般的に行われているパルス増圧を行うと、その切り替えの際に脈圧音(作動音)が発生してしまう。このため、増圧制御弁への制御電流(通電量)を調整することで増圧制御弁をリニア弁のように制御(以下、リニア駆動という)することで、増圧モードの際の脈圧音を低減することが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
すなわち、増圧制御弁は、内部に備えられた弁体と弁座との間の隙間の大きさに応じて増圧制御弁の上下流間の差圧を変化させられるようになっている。このため、制御電流の大きさを変化させて隙間の大きさ、つまり増圧制御弁の上下流間の差圧量を調整し、増圧制御弁をリニア駆動すれば、連通状態と遮断状態との急な切り替えを無くすことができ、脈圧音を低減できるのである。
このように増圧制御弁をリニア駆動する場合、まずは増圧制御弁に対して、増圧制御弁を遮断状態にする通電量に相当する最大通電量を供給したあと、徐々に所望の差圧に相当する通電量まで減らすように制御電流を制御することが考えられる。このようにした場合、所望の差圧に至るまではW/Cを増圧できないが、所望の差圧に至ると、増圧制御弁に発生させられる電磁力がM/CとW/Cとの間の差圧と釣り合って弁体が弁座から離れるため、その後はW/Cを増圧できることになる。
しかしながら、このような場合には、制御電流が所望の差圧に相当する通電量まで減るまでの間、W/Cを増圧できないことになるため、増圧遅れが発生することになる。このため、差圧推定を行うことで、初めからその差圧に相当する通電量を流せるようにし、そこから制御電流を徐々に減らすようにすることで、所望の差圧に相当する通電量にするまでの時間を短縮できるようにしている。
具体的には、差圧推定は、M/C圧とW/C圧をそれぞれ推定し、それらから差圧推定値が求められる。
M/C圧は、ABS制御の開始の時の車体減速度から推定される。ABS制御が開始する直前まではM/CとW/Cとが連通状態となっており、車体減速度とW/C圧との関係が車ごとに決まっていることから、それをマップ化しておいて、車速を時間微分することで求められた車体減速度と対応するW/C圧をマップから読み取ることで、そのW/C圧と同等のM/C圧が発生しているものと想定される。そして、車輪スリップが始まってABS制御が開始したときに、ドライバがブレーキペダル踏み込みを止めるのが一般的であるため、その時のM/C圧がそのままABS制御中のM/C圧推定値とされる。
W/C圧は、ABS制御が始まってから増圧モード中に出される増圧信号や減圧モード中に出される減圧信号がどの程度の時間出力されていたかに基づいて推定される。具体的には、増圧信号と減圧信号の出力時間をメモリに記憶しておき、増圧制御弁の弁体と弁座によって連通遮断が制御されるポートの径などから決まる所定の係数を増圧信号や減圧信号の出力時間に掛け合わせることで求められる増圧量および減圧量を上記M/C圧推定値に対して加減算することで、W/C圧推定値が求められる。
そして、M/C圧推定値とW/C圧推定値との差が演算され、その演算結果が差圧推定値とされる。
特開2003−19952号公報
しかしながら、上記のような差圧推定による場合、M/C圧推定値がドライバによるブレーキペダル踏み込みが止められることを前提として行われているため、ABS制御が開始されてからブレーキペダル踏み込み量が変化した場合には、M/C圧推定値が不正確なものとなる。このため、差圧推定値が実際の差圧と異なったものとなり、実際の差圧が差圧推定値よりも大きい場合と小さい場合とで、それぞれ以下の問題が発生する。
〔実際の差圧が差圧推定値よりも大きい場合〕
ABS制御後にもブレーキペダル踏み込みが行われた場合、実際の差圧が差圧推定値よりも大きくなる。この場合、増圧制御弁に流す制御電流が実際の差圧に相当する通電量よりも小さな通電量とされ、そこから徐々に制御電流が減らされるという制御が行われることになる。そして、制御電流が実際の差圧に相当する通電量よりも小さな通電量とされると、増圧制御弁に発生させられる電磁力による弁体の磁気吸引力が小さく、その磁気吸引力による弁の閉じ力よりも実際の差圧の方が打ち勝ってしまうので、増圧制御弁が完全な連通状態にされてしまう。このため、W/C圧が増加され過ぎてしまう。
図6は、この様子を示したタイミングチャートであり、急にW/C圧が増加され過ぎてしまうために車体速度Vrefに対する車輪速度V**(ただし、添え字**は各車輪を意味し、FL、FR、RL、RRとして記される)の落ち込みが急激なものとなる。これにより、短期間で増圧モードから減圧モードに切り替えられるということが繰り返されることになり、的確なABS制御が実行できなくなる。
〔実際の差圧が圧力推定値よりも小さい場合〕
ABS制御後にブレーキペダル踏み込みが緩められた場合、もしくは、路面摩擦係数が制御開始時よりも高くなる場合、実際の差圧が差圧推定値よりも小さくなる。この場合、増圧制御弁に流す制御電流が実際の差圧に相当する通電量よりも大きな通電量から減らされるという制御が行われることになるため、結局、実際の差圧に相当する通電量になるまでに時間がかかる。このため、W/C圧を長期間増圧できなくなる。
図7は、この様子を示したタイミングチャートであり、W/C圧を長期間増加できないために早期に所望の制動力を得ることができなくなる。これにより、制動距離が長くなるなど、的確なABS制御が実行できなくなる。
本発明は上記点に鑑みて、実際の差圧が差圧推定値よりも大きくなる場合に、的確なABS制御が実行されなくなることを防止することを第1の目的とする。
また、実際の差圧が差圧推定値よりも小さくなる場合に、的確なABS制御が実行されなくなることを防止することを第2の目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、制御部(70)にて、車体速度(Vref)と車輪速度(V**)との偏差として表されるスリップ率が所定のABS制御開始基準となるしきい値を超えたときにABS制御を実行すると共に、該ABS制御中の増圧モードの際に、マスタシリンダ(13)で発生させられているブレーキ液圧と該ABS制御の制御対象輪と対応するホイールシリンダに発生させられているブレーキ液圧との差圧に相当する推定差圧値を求め、該ABS制御の制御対象輪と対応する増圧制御弁に流す制御電流を推定差圧値に対応する通電量に設定することで、該増圧制御弁のリニア駆動を行う。
そして、増圧モードが開始されたときに、車体速度(Vref)と車輪速度(V**)との差(Vref−V**)によって示されるスリップ量を求め、そのスリップ量もしくは該スリップ量の所定値(N)回数分の積算値となるスリップ量積算値(N)が上限しきい値を超えるか否かを判定し、スリップ量積算値(N)が上限しきい値を超えるとの判定に基づいて、制御対象輪に対応する増圧制御弁のリニア駆動を止め、該増圧制御弁を連通状態と遮断状態とがパルス的に切り替えられるパルス増圧に切り替えることを特徴としている。
このように、スリップ量もしくは該スリップ量の所定値(N)回数分の積算値となるスリップ量積算値(N)が上限しきい値を超える場合には、実際の差圧が圧力推定値よりも大きくなっていることで、制御対象輪に対応するホイールシリンダを的確に増圧できなくなっているものと判定し、制御対象輪に対応する増圧制御弁のリニア駆動を止め、増圧制御弁の連通状態と遮断状態をパルス的に切り替えるパルス増圧を行うようにしている。
これにより、急にW/C圧が増加され過ぎてしまうことで車体速度に対する車輪速度の落ち込みが急激なものとなり、短期間で増圧モードから減圧モードに切り替えられるということが繰り返されてしまうことを防止でき、的確な増圧が行われるようにすることができる。これにより、的確なABS制御を実行できるようにすることが可能となる。
請求項2または3に記載の発明では、制御部(70)にて、増圧モードが開始されたときに、スリップ量もしくは該スリップ量の所定値(N)回数分の積算値となるスリップ量積算値(N)が下限しきい値未満であるか否かを判定し、前記スリップ量積算値(N)が前記下限しきい値未満であるとの判定に基づいて、制御対象輪に対応する増圧制御弁のリニア駆動を止め、該増圧制御弁を連通状態と遮断状態とがパルス的に切り替えられるパルス増圧に切り替えるようになっていることを特徴としている。
このように、スリップ量もしくは該スリップ量の所定値(N)回数分の積算値となるスリップ量積算値(N)が下限しきい値未満である場合には、実際の差圧が圧力推定値よりも小さくなっていることで、制御対象輪に対応するホイールシリンダを的確に増圧できなくなっているものと判定し、制御対象輪に対応する増圧制御弁のリニア駆動を止め、増圧制御弁の連通状態と遮断状態をパルス的に切り替えるパルス増圧を行うようにしている。
これにより、制御対象輪に対応する増圧制御弁に流す制御電流が実際の差圧に相当する通電量よりも大きな通電量となるために、実際の差圧に相当する通電量になるまでに時間がかかり、W/C圧を長期間増圧できなくなってしまうことを防止することができる。これにより、的確なABS制御を実行できるようにすることが可能となる。
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
以下、本発明の実施形態について図に基づいて説明する。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、図中、同一符号を付してある。
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態について説明する。図1は、本発明の第1実施形態が適用された車両用ブレーキ制御装置1の全体構成を示したものである。
図1に示されるように、車両用ブレーキ制御装置1には、ブレーキペダル11と、倍力装置12と、M/C13と、W/C14、15、34、35と、ブレーキ液圧制御用アクチュエータ50と、ブレーキECU70とが備えられている。
車両に制動力を加える際にドライバによって踏み込まれるブレーキ操作部材としてのブレーキペダル11は、ブレーキ液圧発生源となる倍力装置12およびM/C13に接続されており、ドライバがブレーキペダル11を踏み込むと、倍力装置12にて踏力が倍力され、M/C13に配設されたマスタピストン13a、13bを押圧する。これにより、これらマスタピストン13a、13bによって区画されるプライマリ室13cとセカンダリ室13dとに同圧のM/C圧が発生させられるようになっている。
M/C13には、プライマリ室13cおよびセカンダリ室13dそれぞれと連通する通路を有するマスタリザーバ13eが備えられている。マスタリザーバ13eは、その通路を通じてM/C13内にブレーキ液を供給したり、M/C13内の余剰のブレーキ液を貯留したりする。なお、各通路は、プライマリ室13cおよびセカンダリ室13dから延びる各主管路の管路直径よりも非常に小さい直径に形成されるため、M/C13のプライマリ室13cおよびセカンダリ室13d側からマスタリザーバ13eへのブレーキ液の流入の際にはオリフィス効果を発揮するようになっている。
M/C13に発生させられるM/C圧は、ブレーキ液圧制御用アクチュエータ50を通じて各W/C14、15、34、35に伝えられるようになっている。
ブレーキ液圧制御用アクチュエータ50は、第1配管系統50aと第2配管系統50bとを有して構成されている。第1配管系統50aは、左前輪FLと右後輪RRに加えられるブレーキ液圧を制御するもので、第2配管系統50bは、右前輪FRと左後輪RLに加えられるブレーキ液圧を制御するものであり、これら第1、第2配管系統50a、50bの2配管系によりX配管が構成されている。
以下、第1、第2配管系統50a、50bについて説明するが、第1配管系統50aと第2配管系統50bとは、略同様の構成であるため、ここでは第1配管系統50aについて説明し、第2配管系統50bについては、第1配管系統50aを参照して説明を省略する。
第1配管系統50aには、上述したM/C圧を左前輪FLに備えられたW/C14及び右後輪RRに備えられたW/C15に伝達する主管路となる管路Aが備えられている。この管路Aを通じて、各W/C14、15それぞれにW/C圧を発生させられるようになっている。
また、管路Aには、連通・差圧状態の2位置を制御できる電磁弁で構成された第1差圧制御弁16が備えられている。この第1差圧制御弁16は、通常ブレーキ状態では弁位置は連通状態とされており、ソレノイドコイルに電力供給が成されると弁位置が差圧状態になる。第1差圧制御弁16における差圧状態の弁位置では、W/C14、15側のブレーキ液圧がM/C圧よりも所定以上高くなった際にのみ、W/C14、15側からM/C13側へのみブレーキ液の流動が許可される。このため、常時W/C14、15側がM/C13側よりも所定圧力以上高くならないように維持され、それぞれの管路の保護が成されている。
そして、管路Aは、この第1差圧制御弁16よりもW/C14、15側の下流において、2つの管路A1、A2に分岐する。2つの管路A1、A2の一方にはW/C14へのブレーキ液圧の増圧を制御する第1増圧制御弁17が備えられ、他方にはW/C15へのブレーキ液圧の増圧を制御する第2増圧制御弁18が備えられている。
第1、第2増圧制御弁17、18は、連通・遮断状態を制御できる2位置弁として電磁弁により構成されている。これら第1、第2増圧制御弁17、18が連通状態に制御されているときには、M/C圧あるいは後述するポンプ19からのブレーキ液の吐出によるブレーキ液圧をW/C14、15に加えることができるようになっている。
第1、第2増圧制御弁17、18は、基本的には、ドライバが行うブレーキペダル11の操作による通常のブレーキ時、つまり第1、第2制御弁17、18に備えられるソレノイドへの制御電流がゼロとされる時(非通電時)に常時連通状態となり、ABS制御でソレノイドに制御電流が流される時(通電時)に連通状態に制御されるノーマリオープン型となっているが、通電時の制御電流の大きさ(通電量)を調整することで、上下流間に所定の差圧を発生させるリニア弁としても機能するようになっている。
また、第1差圧制御弁16及び第1、第2増圧制御弁17、18には、それぞれ安全弁16a、17a、18aが並列に設けられている。第1差圧制御弁16の安全弁16aは、第1差圧制御弁16の弁位置が差圧状態である際にドライバによりブレーキペダル11が踏み込まれた場合に、M/C圧をW/C14、15に伝達可能とするために設けられている。また、各増圧制御弁17、18の安全弁17a、18aは、特にABS制御時において各増圧制御弁17、18が遮断状態に制御されている際に、ドライバによりブレーキペダル11が戻された場合において、この戻し操作に対応して左前輪FLおよび右後輪RRのW/C圧を減圧可能とするために設けられている。
管路Aにおける第1、第2増圧制御弁17、18及び各W/C14、15の間と調圧リザーバ20とを結ぶ減圧管路としての管路Bには、連通・遮断状態を制御できる2位置弁として、電磁弁からなる第1減圧制御弁21と第2減圧制御弁22とがそれぞれ配設されている。そして、これら第1、第2減圧制御弁21、22は、通常ブレーキ時には、常時遮断状態とされている。
調圧リザーバ20と主管路である管路Aとの間を結ぶように還流管路となる管路Cが配設されている。この管路Cには調圧リザーバ20からM/C13側あるいはW/C14、15側に向けてブレーキ液を吸入吐出するように、モータ60によって駆動される自吸式のポンプ19が設けられている。
なお、ポンプ19の吐出口側には、ポンプ19に対して高圧なブレーキ液が加えられないように、安全弁19aが備えられている。また、ポンプ19が吐出したブレーキ液の脈動を緩和するために管路Cのうちポンプ19の吐出側には固定容量ダンパ23が配設されている。
そして、調圧リザーバ20とM/C3とを接続するように補助管路となる管路Dが設けられている。この管路Dを通じ、ポンプ19にてM/C13からブレーキ液を吸入し、管路Aに吐出することで、トラクション(TCS)制御や横滑り防止制御(Electronic Stability Control:ESC)などのブレーキ液圧制御時において、W/C14、15側にブレーキ液を供給し、対象となる車輪のW/C圧を増加できるようになっている。
調圧リザーバ20は、管路Dに接続されてM/C3側からのブレーキ液を受け入れるリザーバ孔20aと、管路B及び管路Cに接続されW/C14、15から逃がされるブレーキ液を受け入れると共にポンプ19の吸入側にブレーキ液を供給するリザーバ孔20bとが備えられ、これらがリザーバ室20cと連通している。リザーバ孔20aより内側には、ボール弁20dが配設されている。このボール弁20dには、ボール弁20dを上下に移動させるための所定ストロークを有するロッド20fがボール弁20dと別体で設けられている。
また、リザーバ室20c内には、ロッド20fと連動するピストン20gと、このピストン20gをボール弁20d側に押圧してリザーバ室20c内のブレーキ液を押し出そうとする力を発生するスプリング20hが備えられている。
このように構成された調圧リザーバ20は、所定量のブレーキ液が貯留されると、ボール弁20dが弁座20eに着座して調圧リザーバ20内にブレーキ液が流入しないようになっている。このため、ポンプ19の吸入能力より多くのブレーキ液がリザーバ室20c内に流動することがなく、ポンプ19の吸入側に高圧が印加されないようになっている。
一方、上述したように、第2配管系統50bは、第1配管系統50aにおける構成と略同様となっている。つまり、第1差圧制御弁16は、第2差圧制御弁36に対応する。第1、第2増圧制御弁17、18は、それぞれ第3、第4増圧制御弁37、38に対応し、第1、第2減圧制御弁21、22は、それぞれ第3、第4減圧制御弁41、42に対応する。調圧リザーバ20は、調圧リザーバ40に対応する。ポンプ19は、ポンプ39に対応する。ダンパ23は、ダンパ43に対応する。また、管路A、管路B、管路C、管路Dは、それぞれ管路E、管路F、管路G、管路Hに対応する。以上のように車両用ブレーキ制御装置1における液圧配管構造が構成されている。
また、ブレーキECU70は、電子制御装置に相当するもので、CPU、ROM、RAM、I/Oなどを備えた周知のマイクロコンピュータによって構成され、ROMなどに記憶されたプログラムに従って各種演算などの処理を実行する。
このブレーキECU70からの電気信号に基づいて、上記のように構成されたブレーキ液圧制御用アクチュエータ50における各制御弁16〜18、21、22、36〜38、41、42及びポンプ19、39を駆動するためのモータ60への電圧印加制御が実行されるようになっている。これにより、各W/C14、15、34、35に発生させられるW/C圧の制御が行われるようになっている。
例えば、ブレーキ液圧制御用アクチュエータ50は、ブレーキECU70からモータ60および電磁弁駆動用のソレノイドに対して制御電圧が印加されると、その印加電圧に応じてブレーキ液圧制御用アクチュエータ50内のブレーキ配管の経路が設定される。そして、設定されたブレーキ配管の経路に応じたブレーキ液圧がW/C14、15、34、35に発生させられ、各車輪に発生させられる制動力を制御できるようになっている。
なお、車両用ブレーキ制御装置1には、図示しないが、各車輪FL、FR、RL、RRそれぞれに対して車輪速度センサが備えられており、この車輪速度センサの検出信号がブレーキECU70に入力されるようになっている。この車輪速度センサの検出信号に基づいて、ブレーキECU70で各車輪の車輪速度や車体速度が求められ、車体速度と車輪速度との偏差として表されるスリップ率が所定値に至った時に、ABS制御等のブレーキ液圧制御が実行されるようになっている。
以上のようにして、本実施形態の車両用ブレーキ制御装置1が構成されている。次に、この車両用ブレーキ制御装置1による作動について説明する。なお、車両用ブレーキ制御装置1における基本的な作動に関しては、従来と同様であるため、ここでは本発明の特徴に関わるABS制御における作動について説明する。
ブレーキECU70において、車体速度と車輪速度とが求められ、これらに基づいて各車輪のスリップ率が求められる。そして、スリップ率が所定のしきい値を超えた車輪があると、その車輪を制御対象輪としてABS制御が開始される。そして、ABS制御では、ブレーキECU70からモータ60を駆動するための印加電圧が出力されると共に、制御対象輪の状況に合せて減圧モード、保持モード、増圧モードの制御モードが適宜設定され、各制御モードに応じて各種制御弁の制御が実行される。以下、左前輪FLが制御対象輪となった場合を例に挙げてABS制御中の作動について説明する。
まず、減圧モードが設定されると、減圧処理が実行される。この減圧処理においては、ブレーキECU70から、左前輪FLの第1増圧制御弁17を遮断状態、第1減圧制御弁21を連通状態にさせる電気信号が出力される。これにより、M/C13とW/C14との間が遮断状態、W/C14と調圧リザーバ20とが連通状態となり、左前輪FLに対応するW/C14を加圧するためのブレーキ液が調圧リザーバ20のリザーバ室20cに逃がされる。これにより、左前輪FLのW/C14が減圧される。
続いて、減圧モードが所望時間行われると保持モードが設定される。この保持モードが設定されると、保持処理が実行される。この保持処理においては、ブレーキECU70から、左前輪FLの第1増圧制御弁17を遮断状態、第1減圧制御弁21を遮断状態にさせる電気信号が出力される。これにより、M/C13とW/C14との間が遮断状態、W/C14と調圧リザーバ20との間も遮断状態となり、左前輪FLに対応するW/C14で発生させられたW/C圧が保持される。
そして、左前輪FLの車輪速度が回復し、スリップ率が増圧開始のしきい値を超えると、増圧モードが設定される。この増圧モードが設定されると、増圧処理が実行される。この増圧処理においては、左前輪FLの第1増圧制御弁17をリニア駆動し、第1減圧制御弁21を遮断状態にさせる電気信号が出力される。このとき、第1増圧制御弁17のリニア駆動は、第1増圧制御弁17の上下流間、つまりM/C13とW/C14との間で発生させたい差圧となるように、制御電流が差圧推定値に応じた通電量に設定され、その制御電流が第1増圧制御弁17のソレノイドに流される。そして、第1増圧制御弁17への制御電流が小さくされ、M/C13とW/C14との間に発生している実際の差圧となった位置で第1増圧制御弁17の弁体の磁気吸引力と釣り合う。この後、徐々に制御電流が小さくされることで左前輪FLに対応するW/C14が徐々に(無段階に)増圧されることになる。
このとき、第1増圧制御弁17で所望の差圧を発生させるために、差圧推定値が求められ、この差圧推定値に応じた第1増圧制御弁17の通電量が求められる。この差圧推定値の求め方に関しては、従来と同様の手法であり、M/C圧推定値とW/C圧推定値との差が差圧推定値とされる。
このようなABS制御の動作を行うに際し、本実施形態ではさらに、増圧モードにおいて、差圧推定値が正確に求められていて、制御対象輪におけるW/C14を的確に増圧できているか否かを判定するようにしている。そして、的確な増圧がなされていないと判定された場合には、第1増圧制御弁17をリニア駆動するよりも、むしろ脈圧音(作動音)が発生してでも第1増圧制御弁17の連通状態と遮断状態とが急に切り替えられるような制御(パルス増圧)を行った方が少なくとも的確なABS制御が実行されるという観点からは好ましいため、第1増圧制御弁17を連通状態と遮断状態とをパルス的に切り替え、左前輪FLに対応するW/C14が増圧されるようにする。
以上のような制御は、ブレーキECU70で実行される増圧制御弁駆動切替処理に基づいて行われる。図2は、この増圧制御弁駆動切替処理のフローチャートを示したものである。この図に示される増圧制御弁駆動切替処理は、ABS制御の開始と同時に実行されるようになっており、所定の演算周期ごとに実行される。なお、ABS制御の開始に関しては、別ルーチンで演算されるスリップ率が所定のしきい値を超えた際に、例えばABS制御開始フラグがセットされるようになっているため、そのフラグがセットされたときをトリガとしてABS制御が開始されたことを判定できるようになっている。
ステップ100では、モード選択が行われる。すなわち、上述したように、ABS制御が開始されると減圧モード、保持モード、増圧モードの制御モードが設定されるようになっているため、これらのうちのどの制御モードが設定されているかが判定される。
このとき、減圧モードもしくは保持モードが設定されている場合には、増圧モードではないものとして、ステップ110もしくはステップ120に進み、減圧モードが設定された場合に実行される減圧処理もしくは保持モードが設定された場合に実行される保持処理が実行される。そして、減圧処理や保持処理により、上述したように、制御対象輪となる左前輪FLのW/C14が減圧もしくは保持される。
そして、増圧モードが設定されている場合には、ステップ130に進み、カウンタ処理が行われる。このカウンタ処理は、後述するスリップ量積算値の積算回数を数えるためのものであり、ブレーキECU70に備えられたカウンタのカウント値が1つインクリメントされる。なお、カウンタ処理でカウントされたカウント値は、ABS制御が終了したタイミング、もしくは、増圧モードから減圧モードに切り替えられたタイミングでリセットされるようになっている。
続いて、ステップ140に進み、増圧処理が実行されると共に、スリップ量演算が為される。増圧処理は、上述したように、制御対象輪となる左前輪FLのW/C14を徐々に増圧する処理を行うものである。すなわち、M/C圧推定値とW/C圧推定値との差から求められた差圧推定値に基づいて、それに応じた第1増圧制御弁17の通電量が求められ、その通電量分の制御電流が第1増圧制御弁17のソレノイドに流される。そして、この制御電流を徐々に小さくするという処理が行われる。
一方、スリップ量演算とは、車体速度と車輪速度との偏差で表されるスリップ量を求めるものである。このスリップ量演算で用いられる車体速度および車輪速度は、ABS制御等のブレーキ液圧制御のために、別ルーチンにおいてブレーキECU70で演算されているため、そこでの演算結果が用いられる。
この後、ステップ150に進み、スリップ量積算値(n)が求められる。この処理は、ステップ140で求められたスリップ量を積算していくものであり、前回までのスリップ量の積算値を表すスリップ量積算値(n−1)に対して今回求めたスリップ量を加算することで求められる。なお、ここでいうnは、今回までの積算回数であり、ステップ130におけるカウンタ処理でのカウンタのカウント値と対応している。
そして、ステップ160に進み、ステップ130におけるカウンタ処理でのカウンタのカウント値が所定値Nに達したか否かが判定される。ここでは、増圧モードが設定されてからの時間経過として、制御対象輪となる左前輪FLと対応するW/C14が的確に増圧されているか否かを判定するのに十分な回数だけスリップ量が積算されたか否かの判定が行われる。例えば、的確な増圧が行われている時と行われていない時とでスリップ量積算値にあまり差が無い場合には、それらの判別が難しい場合も想定されるため、その判別が行える程度の値として所定値Nが設定される。
このステップで否定判定された場合には、まだ的確な増圧が行われているか否かを判定するのに十分ではないものとして、そのまま処理が完了となり、再び上記各処理が繰り返される。そして、このステップで肯定判定された場合には、的確な増圧が行われているか否かを判定できるものとして、ステップ170に進む。
ステップ170では、所定値N分のスリップ量の積算値に相当するスリップ量積算値(N)が上限しきい値を超えているか否かが判定される。
ここでいう上限しきい値は、実際の差圧が圧力推定値よりも大きくなる場合を想定して設定される。図3に示す車体速度Vref、車輪速度V**(ただし、添え字**は各車輪を意味し、FL、FR、RL、RRとして記される)およびW/C圧のタイミングチャートに表されるように、実際の差圧が圧力推定値よりも大きくなる場合、急にW/C圧が増加され過ぎてしまうために、車体速度に対する車輪速度の落ち込みが急激なものとなる。このため、的確な増圧が行われている場合と比べて、スリップ量積算値(N)が大きくなる。
これを判別できるように、上限しきい値は、実際の差圧が圧力推定値よりも大きくなる場合に想定されるスリップ量積算値(N)と、的確な増加が行われる場合(実際の差圧と圧力推定値とが一致する場合)に想定されるスリップ量積算値(N)との間の値に設定される。
ただし、スリップ量積算値(N)は、路面μに応じて変化することから、上限しきい値も、的確な増圧が行われた場合に想定される車輪速度の増加勾配と関連付けて決められる第1スレッシュスリップ量という定数と、走行中の路面μに応じて決まる係数k1とを掛け合わせた値(第1スレッシュスリップ量×k1)から求められる。
なお、定数k1は、例えば図4に表される関係、路面μが小さいほどスリップが大きくなり易い傾向があるため、路面μが大きくなるほど小さく、また、路面μが小さくなるほど大きくなる関係とされている。
そして、このステップで否定判定された場合には、少なくとも実際の差圧が圧力推定値よりも大きくなっていることは無いものとして、ステップ180に進む。
ステップ180では、所定値N分のスリップ量の積算値に相当するスリップ量積算値(N)が上記した上限しきい値よりも小さな値として設定される下限しきい値未満であるか否かが判定される。
ここでいう下限しきい値は、実際の差圧が圧力推定値よりも小さくなる場合を想定して設定される。図5に示す車体速度Vref、車輪速度V**およびW/C圧のタイミングチャートに示されるように、実際の差圧が圧力推定値よりも小さくなる場合、W/C圧が長期間増加されなくなるために、車体速度に対する車輪速度の落ち込みが緩やかなものとなる。このため、的確な増圧が行われている場合と比べて、スリップ量積算値(N)が小さくなる。
これを判別できるように、下限しきい値は、実際の差圧が圧力推定値よりも小さくなる場合に想定されるスリップ量積算値(N)と、的確な増加が行われる場合(実際の差圧と圧力推定値とが一致する場合)に想定されるスリップ量積算値(N)との間の値に設定される。
ただし、スリップ量積算値(N)は、路面μに応じて変化することから、下限しきい値も、的確な増圧が行われた場合に想定される車輪速度の増加勾配と関連付けて決められる第2スレッシュスリップ量という定数と、走行中の路面μに応じて決まる係数k2とを掛け合わせた値(第2スレッシュスリップ量×k2)から求められる。
なお、定数k2は、例えば図4に表される関係、路面μが小さいほどスリップが大きくなり易い傾向があるため、路面μが大きくなるほど小さく、路面μが小さくなるほど大きくなる関係とされている。
そして、このステップで否定判定された場合には、実際の差圧が圧力推定値よりも小さくなっていない、つまり的確な増圧が行われているものとして、そのまま処理が完了となる。この場合、制御対象輪となる左前輪FLに対向する第1増圧制御弁17のリニア駆動を継続されることになる。
一方、ステップ170もしくはステップ180で肯定判定された場合には、実際の差圧が圧力推定値よりも大きくなっているか、もしくは、小さくなっているものとして、ステップ190に進む。そして、ステップ190において、増圧制御弁切替が行われる。これにより、制御対象輪となる左前輪FLに対向する第1増圧制御弁17のリニア駆動が止められ、第1増圧制御弁17の連通状態と遮断状態をパルス的に切り替えるパルス増圧が行われることになる。
以上説明したように、本実施形態の車両用ブレーキ制御装置1によれば、実際の差圧が圧力推定値よりも大きくなっているか、もしくは、小さくなっていることで、制御対象輪に対応するW/C14、15、34、35を的確に増圧できなくなっている場合には、第1〜第4増圧制御弁17、18、37、38のリニア駆動を止め、第1〜第4増圧制御弁17、18、37、38の連通状態と遮断状態をパルス的に切り替えるパルス増圧を行うようにしている。
このため、実際の差圧が圧力推定値よりも大きい場合に、急にW/C圧が増加され過ぎてしまうことで車体速度に対する車輪速度の落ち込みが急激なものとなり、短期間で増圧モードから減圧モードに切り替えられるということが繰り返されてしまうことを防止でき、的確な増圧が行われるようにすることができる。これにより、的確なABS制御を実行できるようにすることが可能となる。
また、実際の差圧が圧力推定値よりも大きい場合に、第1〜第4増圧制御弁17、18、37、38に流す制御電流が実際の差圧に相当する通電量よりも大きな通電量となるために、実際の差圧に相当する通電量になるまでに時間がかかり、W/C圧を長期間増圧できなくなってしまうことを防止することができる。これにより、的確なABS制御を実行できるようにすることが可能となる。
(他の実施形態)
上記実施形態では、実際の差圧が圧力推定値よりも大きい場合と小さい場合、双方共に、制御対象輪に対応するW/Cを的確に増圧できるような形態を例に挙げて説明したが、いずれか一方のみに対して行えるような形態も考えられる。
また、上記実施形態では、所定値N分のスリップ量積算値を求めるようにしたが、1回分のスリップ量で十分に制御対象輪に対応するW/Cが的確に増圧されているか否かを判定できるのであれば、スリップ量積算値でなくても構わない。
なお、上記実施形態において図中に示したステップは、各種処理を実行する手段に対応するものである。
本発明の第1実施形態における車両用ブレーキ制御装置の全体構成を示す図である。 ブレーキECUで実行される増圧制御弁駆動切替処理のフローチャートである。 実際の差圧が圧力推定値よりも大きくなる場合の車体速度Vref、車輪速度V**およびW/C圧のタイミングチャートである。 路面μと係数k1、k2との関係を示した相関図である。 実際の差圧が圧力推定値よりも小さくなる場合の車体速度Vref、車輪速度V**およびW/C圧のタイミングチャートである。 実際の差圧が圧力推定値よりも大きくなる場合の車体速度Vref、車輪速度V**およびW/C圧のタイミングチャートである。 実際の差圧が圧力推定値よりも小さくなる場合の車体速度Vref、車輪速度V**およびW/C圧のタイミングチャートである。
符号の説明
11…ブレーキペダル、13…M/C、16、36…差圧制御弁、17、18、37、38…増圧制御弁、21、22、41、42…減圧制御弁、50…ブレーキ液圧制御用アクチュエータ、50a、50b…第1、第2配管系統、70…ブレーキECU。

Claims (3)

  1. ドライバのブレーキ操作部材(11)の操作に基づいたブレーキ液圧を発生させるマスタシリンダ(13)と、
    前記マスタシリンダ(13)で発生させられたブレーキ液圧に基づいて、制動力を発生させる複数のホイールシリンダ(14、15、34、35)と、
    前記マスタシリンダ(13)と前記複数のホイールシリンダ(14、15、34、35)との間を接続する主管路(A、E)と、
    前記主管路(A、E)における前記複数のホイールシリンダ(14、15、34、35)それぞれに対応して設けられ、前記複数のホイールシリンダ(14、15、34、35)に加えられるブレーキ液圧を制御するための複数の増圧制御弁(17、18、37、38)と、
    前記複数の増圧制御弁(17、18、37、38)を駆動するために、該複数の増圧制御弁(17、18、37、38)それぞれに備えられるソレノイドコイルに流す電流を制御する制御部(70)とを備え、
    前記制御部(70)にて、車体速度(Vref)と車輪速度(V**)との偏差として表されるスリップ率が所定のABS制御開始基準となるしきい値を超えたときにABS制御を実行すると共に、該ABS制御中の増圧モードの際に、前記マスタシリンダ(13)で発生させられているブレーキ液圧と該ABS制御の制御対象輪と対応する前記ホイールシリンダに発生させられているブレーキ液圧との差圧に相当する推定差圧値を求め、該ABS制御の制御対象輪と対応する前記増圧制御弁に流す制御電流を前記推定差圧値に対応する通電量に設定することで、該増圧制御弁のリニア駆動を行うように構成された車両用ブレーキ制御装置において、
    前記制御部(70)にて、前記増圧モードが開始されたときに、前記車体速度(Vref)と前記車輪速度(V**)との差(Vref−V**)によって示されるスリップ量を求め、そのスリップ量もしくは該スリップ量の所定値(N)回数分の積算値となるスリップ量積算値(N)が上限しきい値を超えるか否かを判定し、前記スリップ量積算値(N)が前記上限しきい値を超えるとの判定に基づいて、前記制御対象輪に対応する前記増圧制御弁のリニア駆動を止め、該増圧制御弁を連通状態と遮断状態とがパルス的に切り替えられるパルス増圧に切り替えるようになっていることを特徴とする車両用ブレーキ制御装置。
  2. 前記制御部(70)にて、前記増圧モードが開始されたときに、前記スリップ量もしくは該スリップ量の所定値(N)回数分の積算値となるスリップ量積算値(N)が下限しきい値未満であるか否かを判定し、前記スリップ量積算値(N)が前記下限しきい値未満であるとの判定に基づいて、前記制御対象輪に対応する前記増圧制御弁のリニア駆動を止め、該増圧制御弁を連通状態と遮断状態とがパルス的に切り替えられるパルス増圧に切り替えるようになっていることを特徴とする請求項1に記載の車両用ブレーキ制御装置。
  3. ドライバのブレーキ操作部材(11)の操作に基づいたブレーキ液圧を発生させるマスタシリンダ(13)と、
    前記マスタシリンダ(13)で発生させられたブレーキ液圧に基づいて、制動力を発生させる複数のホイールシリンダ(14、15、34、35)と、
    前記マスタシリンダ(13)と前記複数のホイールシリンダ(14、15、34、35)との間を接続する主管路(A、E)と、
    前記主管路(A、E)における前記複数のホイールシリンダ(14、15、34、35)それぞれに対応して設けられ、前記複数のホイールシリンダ(14、15、34、35)に加えられるブレーキ液圧を制御するための複数の増圧制御弁(17、18、37、38)と、
    前記複数の増圧制御弁(17、18、37、38)を駆動するために、該複数の増圧制御弁(17、18、37、38)それぞれに備えられるソレノイドコイルに流す電流を制御する制御部(70)とを備え、
    前記制御部(70)にて、車体速度(Vref)と車輪速度(V**)との偏差として表されるスリップ率が所定のABS制御開始基準となるしきい値を超えたときにABS制御を実行すると共に、該ABS制御中の増圧モードの際に、前記マスタシリンダ(13)で発生させられているブレーキ液圧と該ABS制御の制御対象輪と対応する前記ホイールシリンダに発生させられているブレーキ液圧との差圧に相当する推定差圧値を求め、該ABS制御の制御対象輪と対応する前記増圧制御弁に流す制御電流を前記推定差圧値に対応する通電量に設定することで、該増圧制御弁のリニア駆動を行うように構成された車両用ブレーキ制御装置において、
    前記制御部(70)にて、前記増圧モードが開始されたときに、前記車体速度(Vref)と前記車輪速度(V**)との差(Vref−V**)によって示されるスリップ量を求め、そのスリップ量もしくは該スリップ量の所定値(N)回数分の積算値となるスリップ量積算値(N)が下限しきい値未満であるか否かを判定し、前記スリップ量積算値(N)が前記下限しきい値未満であるとの判定に基づいて、前記制御対象輪に対応する前記増圧制御弁のリニア駆動を止め、該増圧制御弁を連通状態と遮断状態とがパルス的に切り替えられるパルス増圧に切り替えるようになっていることを特徴とする車両用ブレーキ制御装置。
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