JP4802878B2 - アンチスキッド制御装置 - Google Patents

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本発明は、各車輪のスリップを防止するアンチスキッド制御を実行する装置に関するものである。
従来より、アンチスキッド制御(ABS)に加えて横滑り防止制御(以下、ESC(Electronic Stability Control)という)等の車輪ごとの制動力制御を行えるようにしたアンチスキッド制御装置が種々提案されている。
例えば、特許文献1に示されるアンチスキッド制御装置では、マスタシリンダ(以下、M/Cという)とホイールシリンダ(以下、W/Cという)の間を接続する主管路中に、アンチスキッド制御における増圧制御を行うための差圧制御弁を配置している。また、W/C圧を減圧できるように、主管路のうち差圧制御弁からW/Cに至るまでの間に常閉型の減圧管路およびリザーバを接続し、減圧管路を通じてリザーバにブレーキ液が逃がされるようになっている。そして、主管路のうちM/Cから差圧制御弁に至るまでの間とリザーバが還流管路にて接続され、還流管路中に備えられたポンプにてリザーバ内に蓄えられたブレーキ液が吸入・吐出されることで、差圧制御弁よりも上流側にブレーキ液が返流される構成とされている。
このアンチスキッド制御装置では、1つの車輪の制動力制御を行うために上述した差圧制御弁、減圧制御弁等の各構成を備えた構造とされているが、一般的に、4輪車両では2つの配管系統に分けられ、各配管系統にてそれぞれ2つ車輪の制動力制御が行われる。このため、各配管系統で差圧制御弁やリザーバおよびポンプを1つのみとすることで共用化し、差圧制御弁の下流において主管路を2つに分岐させ、分岐した各主管路それぞれに1つずつ常開型の増圧制御弁を配置している。そして、各主管路のうち増圧制御弁とW/Cの間それぞれに減圧管路を接続し、各減圧管路それぞれに1つずつ減圧制御弁を配置した構成としている。
このようなアンチスキッド制御装置にてABSを実行する場合、まず増圧制御弁を遮断状態にすると共に減圧制御弁を連通状態にすることでブレーキ液をリザーバに逃がし、W/Cを減圧させ、車輪速度が車体速度に近づくように復帰させる。続いて、減圧制御弁も遮断状態にすることにより、車輪速度がある程度復帰するまでW/C圧を保持したのち、再び増圧制御弁を連通状態にすることでW/Cを増圧させる。これにより、車輪のスリップを抑制することが可能となる。
一方、ESC等のように制御対象輪のW/Cを自動的に加圧する制動力制御(以下、自動加圧制御という)を実行する場合、例えば、差圧制御弁にて差圧が発生させられるようにしつつポンプにて差圧制御弁の下流側にブレーキ液を供給することにより、M/C圧よりもW/C圧が高くなるような差圧を発生させる。この状態で増圧制御弁を駆動することによって制御対象輪のW/Cを自動加圧し、W/C圧を増加させることで、その車輪の制動力を制御する。
特開平04−59456号公報
上記のようなアンチスキッド制御装置において、差圧制御弁と同様に増圧制御弁に流す電流値をリニアに調整することで増圧制御弁の上下流間に差圧が発生させられるリニア弁として機能させることが考えられている。増圧制御弁に流す電流値を調整すると増圧制御弁に備えられた弁体と弁座の間隔が制御され、弁体と弁座の間に発生する絞り効果が変化して、絞り効果に応じた差圧を保持させられるため、増圧制御弁をリニア弁として機能させることができる。
このアンチスキッド制御装置において、M/C圧を検出できるM/C圧センサを備えれば、M/C圧センサで検出されたM/C圧が増圧制御弁の上流側の圧力と想定できる。このため、M/C圧を基準として増圧制御弁に発生させる差圧を求めることが可能となる。
このように増圧制御弁をリニア弁として機能させる場合において、上述したABS中に自動加圧制御が同時に実行されるような制御干渉が生じた場合、以下のような問題が発生することが判った。この現象について、図8を参照して説明する。
図8は、セレクトロー制御を行うX配管のアンチスキッド制御装置において、ABS中に自動加圧制御であるESCが干渉した場合のタイミングチャートである。なお、セレクトロー制御とは、車輪速度が低い側の車輪、つまり路面μ値が低い路面(以下、低μ路という)側の車輪のスリップ率がABSの減圧制御開始しきい値を超えたときに、左右各輪同時に減圧制御を開始することを言う。
まず、ABSが実行されると、上述したように、W/C圧の減圧・保持・増圧の各制御が行われる。このとき、増圧制御弁に流す電流の電流値は、ABSの実行前には0とされ、ABSの減圧制御および保持制御中には遮断状態にするために最大値(Imax)とされ、増圧制御中には所望の増圧勾配でW/Cを増圧すべく、徐々に減少させられる。また、保持制御から増圧制御に切り替わった瞬間の電流値は、そのときに増圧制御弁の上下流間に発生させられている差圧と一致するように、前回減圧制御を行った時の時間(以下、減圧時間という)から予測される差圧の変化量を求めると共に、その差圧の変化量分を電流値に換算した値Irelを求めたのち、前回減圧制御を開始したときの電流値Irelstartから電流値Irelを加算することで求められる。
このABS中に例えば右後輪RRに対してESCが開始されたとすると、右後輪RRのW/Cを加圧すべく、右後輪RRのW/C圧の制御を行う配管系統に備えられた差圧制御弁が駆動される。そして、セレクトロー制御が実行されることで、例えば右後輪RRと左後輪RLの双方において、同時にABSが実行される。
このとき、M/C圧センサで求められるM/C圧を基準として、増圧制御弁に流す電流値を決定すると、差圧制御弁によって差圧を発生させていない配管系統であれば問題ないが、差圧制御弁によって差圧を発生させている配管系統に関しては、増圧制御弁の上流側が実際にはM/C圧より高いブレーキ液圧となっているため、その高いブレーキ液圧によってW/Cを増圧することになる。このため、右後輪RRのW/Cの増圧勾配が左後輪RLのW/Cの増圧勾配よりも大きくなってしまう現象が発生する。
したがって、この後、右後輪RRのW/C圧が所定値に達すると、右後輪RRのスリップ率が減圧開始しきい値を超えてしまい、左後輪RLのW/C圧が所定値に達する前にABSの減圧制御が再開されてしまうという問題がある。
またこのとき、増圧制御弁に流す電流の電流値は、ESCの制御対象輪ではない左後輪RLのW/Cの増圧勾配を基準として設定されるため、増圧制御中に徐々に電流値を低下させたときに、期待する値まで減少する以前に減圧制御が再開されることになる。したがって、この減圧制御が再開された瞬間の電流値が新たな電流値Irelstartとされ、このIrelstartから上記と同様にIrelを加算することで次の増圧制御開始の時に増圧制御弁に流す電流値が決められ、前回の増圧制御開始の時の値よりも高い値となる。
このような現象はESCを実行している期間中(差圧制御弁を駆動している期間中)続く。そして、ESCが終了すると同時に再び各配管系統の増圧制御弁の上流側がM/C圧となるため、右後輪RRと左後輪RLのW/Cの増圧勾配が戻されることになるが、ESCが終了したときに差圧制御弁による差圧が解消する。このため、増圧制御開始の時に増圧制御弁に流す電流値が上記のように高い値になっていると、増圧制御弁の上下流間に実際に発生している差圧よりも大きな絞り効果を発生させられる電流値となり、増圧制御弁の電流値が増圧制御弁の上下流間に実際に発生している差圧相当になるまでの期間中、W/Cを増圧できないという問題が発生する。
なお、ここでは一方の配管系統のみで自動加圧制御が実行され、他方の配管系等で自動加圧制御が実行されなかった場合の問題点として説明した。しかし、自動加圧制御が実行された場合に、差圧制御弁による差圧が影響して増圧制御弁のソレノイドに制御電流を流したときに、期待するW/C圧に制御することができなくなるという問題はESCに限るものではなく、ブレーキアシスト制御などのような他の自動加圧制御に関しても同様のことが言える。
本発明は上記点に鑑みて、ABSと自動加圧制御が制御干渉したときに、自動加圧の影響により、期待するW/C圧に制御できなくなることを防止することを第1の目的とする。
また、ABSと自動加圧制御が制御干渉したときに、自動加圧の制御対象輪のW/Cの増圧勾配が自動加圧の非制御対象輪のW/Cの増圧勾配よりも大きくなってしまうことにより、自動加圧の非制御対象輪のW/C圧が所定値に達する前にABSの減圧制御が再開されることを防止することを第2の目的とする。
さらに、自動加圧制御が終了した後、ABSの増圧制御を行うときにW/Cを増圧できなくなることを防止することを第3の目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1または2に記載の発明では、増圧制御弁(17、18、37、38)のソレノイドに流す制御電流の電流値を制御することにより、ホイールシリンダ圧の減圧を行う減圧制御や増圧を行う増圧制御を実行するアンチスキッド制御手段と、差圧制御弁(16、36)のソレノイドに流す制御電流の電流値を制御し、かつ、ポンプを駆動することにより、差圧制御弁(16、36)にて差圧を発生させた状態でポンプにてブレーキ液を供給することで、ホイールシリンダ圧をマスタシリンダ圧よりも高くする自動加圧制御手段と、アンチスキッド制御中に自動加圧制御を実行するとき、第1、第2配管系統(50a、50b)のうち該自動加圧制御が実行される系統の増圧制御弁(17、18、37、38)のソレノイドに流す制御電流の電流値を該系統の差圧制御弁(16、36)が発生させる差圧を加味して設定する増圧制御手段(250)と、を有することを特徴としている。
このように、アンチスキッド制御の増圧制御対象輪が自動加圧制御の自動加圧制御対象輪となる場合、自動加圧制御による加圧量を加味して増圧制御対象輪のホイールシリンダ圧の増圧量を設定すれば、アンチスキッド制御と自動加圧制御が制御干渉したときに、自動加圧の影響により、期待するホイールシリンダ圧に制御できなくなることを防止することができる。すなわち、第1、第2配管系統(50a、50b)のうち該自動加圧制御が実行される系統の増圧制御弁(17、18、37、38)のソレノイドに流す制御電流の電流値を該系統の差圧制御弁(16、36)が発生させる差圧を加味して設定する。このようにすれば、アンチスキッド制御と自動加圧制御が制御干渉したときに、自動加圧の影響により、期待するホイールシリンダ圧に制御できなくなることを防止することができる。
例えば、請求項に示すように、増圧制御手段(250)は、第1、第2配管系統(50a、50b)のうちの一方のみでアンチスキッド制御中に自動加圧制御を実行するとき、アンチスキッド制御の増圧制御時に、第1、第2配管系統(50a、50b)のうち該自動加圧制御が実行されない系統の増圧制御弁(17、18、37、38)のソレノイドに流す制御電流の電流値と比べて、該自動加圧制御が実行される系統の増圧制御弁(17、18、37、38)のソレノイドに流す制御電流の電流値を該系統の差圧制御弁(16、36)が発生させる差圧相当分高く設定することができる。
このようにすることで、アンチスキッド制御と自動加圧制御が制御干渉したときに、自動加圧の制御対象輪のホイールシリンダの増圧勾配が自動加圧の非制御対象輪のホイールシリンダの増圧勾配よりも大きくなってしまうことにより、自動加圧の非制御対象輪のホイールシリンダ圧が所定値に達する前にアンチスキッド制御の減圧制御が再開されることを防止することができる。
このような制御は、例えば、請求項に示すように、アンチスキッド制御手段にて、左右両輪のうち車輪速度が低い側の車輪のスリップ率が減圧制御の開始しきい値を超えたときに、左右両輪同時に減圧制御を開始するセレクトロー制御を行う場合に適用すると好適である。このような制御を実行する場合において、請求項に示すように、自動加圧制御手段が自動加圧制御として横滑り防止制御を実行するときに、該横滑り防止制御において、第1、第2配管系統(50a、50b)のうちの一方のみでホイールシリンダ圧が自動加圧される。このため、このような場合に好適である。
一方、請求項に示すように、増圧制御手段(250)は、第1、第2配管系統(50a、50b)の両方共にアンチスキッド制御中に自動加圧制御を実行するとき、アンチスキッド制御の増圧制御時に、自動加圧制御の実行前に増圧制御弁(17、18、37、38)のソレノイドに流していた制御電流の電流値と比べて、該自動加圧制御の実行後に増圧制御弁(17、18、37、38)のソレノイドに流す制御電流の電流値を該系統の差圧制御弁(16、36)が発生させる差圧相当分高く設定することもできる。
このような制御は、例えば、請求項に示すように、増圧制御手段(250)は、自動加圧制御としてブレーキアシスト制御を実行し、該ブレーキアシスト制御において、第1、第2配管系統(50a、50b)の両方共にホイールシリンダ圧を自動加圧する場合に好適である。
請求項に記載の発明では、増圧制御手段(250)は、アンチスキッド制御中に実行された自動加圧制御が終了すると、第1、第2配管系統(50a、50b)のうち該自動加圧制御が実行された系統の増圧制御弁(17、18、37、38)のソレノイドに流していた制御電流の電流値を、該自動加圧制御が実行されていない場合に増圧制御弁(17、18、37、38)のソレノイドに流していた制御電流の電流値に戻すことを特徴としている。
このようにすれば、自動加圧制御が終了したときに、増圧制御弁(17、18、37、38)のソレノイドに流していた制御電流の電流値を即座に自動加圧制御が行われていない状態に戻すことができる。このため、自動加圧制御が終了した後、アンチスキッド制御の増圧制御を行うときにホイールシリンダを増圧できなくなることを防止することができる。
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
以下、本発明の実施形態について図に基づいて説明する。
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態について説明する。図1は、本発明の第1実施形態が適用されたアンチスキッド制御装置を実現するブレーキ制御装置1の各機能のブロック構成を示したものである。ブレーキ制御装置1は、ABSに加えて自動加圧制御など様々なブレーキ制御を実行するものであり、このブレーキ制御装置1のうちアンチスキッド制御を実現する部分がアンチスキッド制御装置に相当する。
まず、本実施形態のブレーキ制御装置1について説明する。図1に示されるように、ブレーキ制御装置1には、ブレーキペダル11、倍力装置12、M/C13、W/C14、15、34、35およびブレーキ液圧制御用アクチュエータ50が備えられている。また、ブレーキ制御装置1にはブレーキECU70が備えられており、このブレーキECU70が様々な制御手段の一部として機能することで、ブレーキ制御装置1が発生させる制動力を制御するようになっている。具体的には、ブレーキ制御装置1には、各車輪FL、FR、RL、RRの車輪速度に応じたパルス信号を検出信号として出力する車輪速度センサ81〜84が備えられ、各車輪速度センサ81〜84の検出信号や後述する他のセンサの検出信号がブレーキECU70に入力され、ブレーキECU70が入力された検出信号に基づいて各種演算を行うことにより、制動力の制御を行っている。
図2は、ブレーキ制御装置1を構成する各部の詳細構造を示した図である。この図に示されるように、車両に制動力を加える際にドライバによって踏み込まれるブレーキ操作部材としてのブレーキペダル11は、ブレーキ液圧発生源となる倍力装置12およびM/C13に接続されており、ドライバがブレーキペダル11を踏み込むと、倍力装置12にて踏力が倍力され、M/C13に配設されたマスタピストン13a、13bを押圧する。これにより、これらマスタピストン13a、13bによって区画されるプライマリ室13cとセカンダリ室13dとに同圧のM/C圧が発生させられるようになっている。
M/C13には、プライマリ室13cおよびセカンダリ室13dそれぞれと連通する通路を有するマスタリザーバ13eが備えられている。マスタリザーバ13eは、その通路を通じてM/C13内にブレーキ液を供給したり、M/C13内の余剰のブレーキ液を貯留したりする。なお、各通路は、各ピストン13a、13bが押されたときにはプライマリ室13cおよびセカンダリ室13dと遮断される。
M/C13に発生させられるM/C圧は、ブレーキ液圧制御用アクチュエータ50を通じて各W/C14、15、34、35に伝えられるようになっている。
ブレーキ液圧制御用アクチュエータ50は、第1配管系統50aと第2配管系統50bとを有して構成されている。第1配管系統50aは、左前輪FLと右後輪RRに加えられるブレーキ液圧を制御するもので、第2配管系統50bは、左後輪RLと右前輪FRに加えられるブレーキ液圧を制御するものであり、これら第1、第2配管系統50a、50bの2つの系統によりX配管のブレーキ制御装置1が構成されている。
以下、第1、第2配管系統50a、50bについて説明するが、第1配管系統50aと第2配管系統50bとは、略同様の構成であるため、ここでは第1配管系統50aについて説明し、第2配管系統50bについては、第1配管系統50aを参照して説明を省略する。
第1配管系統50aには、上述したM/C圧を左後輪RLに備えられたW/C14及び右後輪RRに備えられたW/C15に伝達する主管路となる管路Aが備えられている。この管路Aを通じて、各W/C14、15それぞれにW/C圧を発生させられるようになっている。
また、管路Aには、第1差圧制御弁16が備えられている。この第1差圧制御弁16は、上下流間に発生させられる差圧をリニアに制御するリニア弁として機能する。第1差圧制御弁16は、基本的には連通・遮断状態を制御できる常開型の電磁弁により構成されているが、これら第1差圧制御弁16に備えられるソレノイドに流す電流値を調整すると第1差圧制御弁16に備えられた弁体と弁座の間隔が制御され、弁体と弁座の間に発生する絞り効果が変化して絞り効果に応じた差圧を保持させられるため、第1差圧制御弁16をリニア弁として機能させることができる。
この第1差圧制御弁16は、通常ブレーキ状態では連通状態となるように弁位置が調整されており、ソレノイドコイルに電流が流されると、その電流値に応じた差圧を発生させる。このとき第1差圧制御弁16で形成される差圧量は、ソレノイドコイルに流す電流の電流値に応じたものとなり、電流値が大きいほど大きな差圧量となる関係となっている。
この第1差圧制御弁16が差圧状態とされていると、弁体と弁座の間隔に応じてブレーキ液の流動が規制されるため、常時W/C14、15側がM/C13側よりも所定圧力以上高くならないように維持され、それぞれの管路の保護が成されている。
そして、管路Aは、この第1差圧制御弁16よりもW/C14、15側の下流において、2つの管路A1、A2に分岐する。2つの管路A1、A2の一方にはW/C14へのブレーキ液圧の増圧を制御する第1増圧制御弁17が備えられ、他方にはW/C15へのブレーキ液圧の増圧を制御する第2増圧制御弁18が備えられている。
第1、第2増圧制御弁17、18は、上下流間に発生させられる差圧をリニアに制御するリニア弁として機能する。第1、第2増圧制御弁17、18も、基本的には連通・遮断状態を制御できる常開型の電磁弁により構成されており、第1差圧制御弁16と同様、ソレノイドに流す電流値を調整することにより、第1、第2増圧制御弁17、18をリニア弁として機能させることができる。
これら第1、第2増圧制御弁17、18が遮断状態のときにはM/C圧が各W/C14、15に伝わらないようにされる。また、第1、第2増圧制御弁17、18が差圧のほとんど発生しないような連通状態のときにはM/C圧あるいは後述するポンプ19からのブレーキ液の吐出によるブレーキ液圧をW/C14、15に加えることができる。そして、第1、第2増圧制御弁17、18により差圧が保持されているときには、その差圧に応じて第1、第2増圧制御弁17、18の上流側から下流側に伝えられるブレーキ液圧の増圧勾配が制御される。
なお、ドライバが行うブレーキペダル11の操作による通常のブレーキ時においては、第1差圧制御弁16及び第1、第2増圧制御弁17、18は、常時連通状態に制御されている。
また、第1差圧制御弁16及び第1、第2増圧制御弁17、18には、それぞれ安全弁16a、17a、18aが並列に設けられている。第1差圧制御弁16の安全弁16aは、第1差圧制御弁16が差圧状態とされている際にドライバによりブレーキペダル11が踏み込まれた場合に、M/C圧をW/C14、15に伝達可能とするために設けられている。また、各増圧制御弁17、18の安全弁17a、18aは、特にABS時において各増圧制御弁17、18が遮断状態に制御されている際に、ドライバによりブレーキペダル11が戻された場合において、この戻し操作に対応して左後輪RLおよび右後輪RRのW/C圧を減圧可能とするために設けられている。
管路Aにおける第1、第2増圧制御弁17、18及び各W/C14、15の間と調圧リザーバ20とを結ぶ減圧管路としての管路Bには、連通・遮断状態を制御できる2位置弁として、電磁弁からなる第1減圧制御弁21と第2減圧制御弁22がそれぞれ配設されている。そして、これら第1、第2減圧制御弁21、22は、通常ブレーキ時には、常時遮断状態とされている。
調圧リザーバ20と主管路である管路Aの間を結ぶように、還流管路となる管路Cが配設されている。この管路Cには調圧リザーバ20からM/C13側あるいはW/C14、15側に向けてブレーキ液を吸入吐出するように、モータ60によって駆動される自吸式のポンプ19が設けられている。
なお、ポンプ19の吐出口側には、ポンプ19に対して高圧なブレーキ液が加えられないように、安全弁19aが備えられている。また、ポンプ19が吐出したブレーキ液の脈動を緩和するために、管路Cのうちポンプ19の吐出側には固定容量ダンパ23が配設されている。
そして、調圧リザーバ20とM/C3とを接続するように、補助管路となる管路Dが設けられている。この管路Dを通じて、ポンプ19にてM/C13からブレーキ液を吸入し、管路Aに吐出することで、TCS制御時やABS時などにおいて、W/C14、15側にブレーキ液を供給し、対象となる車輪のW/C圧を増加できるようになっている。
調圧リザーバ20は、管路Dに接続されてM/C3側からのブレーキ液を受け入れるリザーバ孔20aと、管路B及び管路Cに接続されW/C14、15から逃がされるブレーキ液を受け入れると共にポンプ19の吸入側にブレーキ液を供給するリザーバ孔20bとが備えられ、これらがリザーバ室20cと連通している。リザーバ孔20aより内側には、ボール弁20dが配設されている。このボール弁20dには、ボール弁20dを上下に移動させるための所定ストロークを有するロッド20fがボール弁20dと別体で設けられている。
また、リザーバ室20c内には、ロッド20fと連動するピストン20gと、このピストン20gをボール弁20d側に押圧してリザーバ室20c内のブレーキ液を押し出そうとする力を発生するスプリング20hが備えられている。
このように構成された調圧リザーバ20は、所定量のブレーキ液が貯留されると、ボール弁20dが弁座20eに着座して調圧リザーバ20内にブレーキ液が流入しないようになっている。このため、ポンプ19の吸入能力より多くのブレーキ液がリザーバ室20c内に流動することがなく、ポンプ19の吸入側に高圧が印加されないようになっている。
一方、上述したように、第2配管系統50bは、第1配管系統50aにおける構成と略同様となっている。つまり、第1差圧制御弁16および安全弁16aは、第2差圧制御弁36および安全弁36aに対応する。第1、第2増圧制御弁17、18および安全弁17a、18aは、それぞれ第3、第4増圧制御弁37、38および安全弁37a、38aに対応し、第1、第2減圧制御弁21、22は、それぞれ第3、第4減圧制御弁41、42に対応する。調圧リザーバ20および各構成要素20a〜20hは、調圧リザーバ40および各構成要素40a〜40hに対応する。ポンプ19および安全弁19aは、ポンプ39および安全弁19aに対応する。ダンパ23は、ダンパ43に対応する。また、管路A、管路B、管路C、管路Dは、それぞれ管路E、管路F、管路G、管路Hに対応する。以上のようにブレーキ制御装置1における液圧配管構造が構成されている。
ブレーキECU70は、CPU、ROM、RAM、I/Oなどを備えた周知のマイクロコンピュータによって構成され、ROMなどに記憶されたプログラムに従って各種演算などの処理を実行する。例えば、ブレーキECU70は、図1に示した各車輪速度センサ81〜84の検出信号を受け取って車輪速度を求めると共に、車輪速度から車速を求めたり、車速を時間微分することにより車両の減速度を求めたりしている。このブレーキECU70からの電気信号に基づいて、上記のように構成されたブレーキ液圧制御用アクチュエータ50における各制御弁16〜18、21、22、36〜38、41、42への電流供給制御及びポンプ19、39を駆動するためのモータ60への電圧印加制御が実行されるようになっている。これにより、各W/C14、15、34、35に発生させられるW/C圧が制御され、各車輪FL〜RRの制動力の制御が行われる。
具体的には、ブレーキ液圧制御用アクチュエータ50では、ブレーキECU70からモータ60に対して駆動電圧が印加されると共に各制御弁16〜18、21、22、36〜38、41、42に備えられたソレノイドに対して制御電流が供給されると、その制御電流に応じてブレーキ液圧制御用アクチュエータ50内の各制御弁16〜18、21、22、36〜38、41、42が駆動され、ブレーキ配管の経路が設定される。そして、設定されたブレーキ配管の経路に応じたブレーキ液圧がW/C14、15、34、35に発生させられ、各車輪FL〜RRに発生させられる制動力を制御できるようになっている。
例えば、ABSを実行する場合、減圧制御、保持制御、増圧制御で以下の動作を行う。
減圧制御のときには、第1、第2差圧制御弁16、36は連通状態のままとして、第1〜第4増圧制御弁17、18、37、38を遮断状態とし、第1〜第4減圧制御弁21、22、41、42を連通状態とする。そして、モータ60を駆動することでポンプ19、39を作動させる。これにより、第1〜第4増圧制御弁17、18、37、38とW/C14、15、34、35の間において、管路A、E内のブレーキ液が第1、第2リザーバ20、40に逃がされる。そして、そのブレーキ液がポンプ19、39によって吸入・吐出され、管路A、EのうちのM/C13と第1、第2差圧制御弁16、36の間に戻される。これにより、各W/C14、15、34、35のW/C圧が減圧される。
保持制御のときには、第1、第2差圧制御弁16、36は連通状態のままとして、第1〜第4増圧制御弁17、18、37、38を遮断状態、第1〜第4減圧制御弁21、22、41、42も遮断状態とする。これにより、各W/C14、15、34、35のW/C圧が保持される。
増圧制御のときには、第1、第2差圧制御弁16、36は連通状態のままとして、第1〜第4増圧制御弁17、18、37、38により発生させる差圧を徐々に小さくしていき、第1〜第4減圧制御弁21、22、41、42を遮断状態とする。第1〜第4増圧制御弁17、18、37、38に関しては、まず、増圧制御が実行される直前に第1〜第4増圧制御弁17、18、37、38の上下流間に発生させられていた差圧とされ、それから徐々にその差圧が小さくなるように、ソレノイドへの通電量が制御される。これにより、第1〜第4増圧制御弁17、18、37、38の下流に位置するW/C14、15、34、35に発生するW/C圧と高圧な第1〜第4増圧制御弁17、18、37、38の上流側のブレーキ液圧の差圧が小さくなり、W/C14、15、34、35のW/C圧が増圧される。
また、ESC等のように制御対象輪のW/C14、15、34、35の自動加圧制御を実行する場合、ポンプ19、39の作動によってW/C14、15、34、35におけるW/C圧が増圧できる形態とする。
例えば、右前輪および左後輪FR、RLに対して制動力を発生させるときには、第2差圧制御弁36にて差圧を発生させた状態でモータ60を駆動することによりポンプ39によるブレーキ液の吸入・吐出動作を行わせる。これにより、M/C13内のブレーキ液が管路Hおよび管路Gを通じてポンプ39に吸入され、管路Gおよび管路Eを通じて前輪FL、FRのW/C34、35に供給される。このとき、第2差圧制御弁36によりM/C13側とW/C34、35側で差圧が発生させられる状態とされているため、W/C34、35が加圧され、制動力が発生させられる。
続いて、上記のように構成されたブレーキ制御装置1のABS実行中に自動加圧制御が行われるときの作動について説明する。まず、ブレーキ制御装置1の具体的な作動の説明に先立ち、その作動を行う理由について説明する。
図3は、本実施形態のブレーキ制御装置1にてセレクトロー制御を行う場合おいてABS中に自動加圧制御であるESCが干渉した場合のタイミングチャートであり、M/C圧、W/C圧、第1、第2差圧制御弁16、36の制御電流、第1〜第4増圧制御弁17、18、37、38の制御電流の時間変化が示してある。
まず、ABSが実行されると、上述したように、W/C圧の減圧・保持・増圧の各制御が行われる。このとき、第1〜第4増圧制御弁17、18、37、38のソレノイドに流す制御電流の電流値は、ABSの実行前には0とされ、ABSの減圧制御および保持制御中には遮断状態にするために最大値(Imax)とされ、増圧制御中には所望の増圧勾配でW/Cを増圧すべく、徐々に減少させられる。また、保持制御から増圧制御に切り替わった瞬間の電流値は、そのときに第1〜第4増圧制御弁17、18、37、38の上下流間に発生させられている差圧と一致するように、前回の減圧時間から予測される差圧の変化量を求めると共に、その差圧の変化量分を電流値に換算した値Irelを求めたのち、前回減圧制御を開始したときの電流値Irelstartから電流値Irelを加算することで求められる。
このABS中に例えば右後輪RRに対してESCが開始されたとすると、右後輪RRのW/C15を加圧すべく、右後輪RRのW/C圧の制御を行う第1配管系統50aに備えられた第1差圧制御弁16のソレノイドに制御電流が流され、第1差圧制御弁16の上下流間に差圧が発生させられる。そして、この状態で右後輪RRと左後輪RLのいずれかでスリップ率が減圧制御開始しきい値を超えると、セレクトロー制御が実行され、例えば右後輪RRと左後輪RLの双方において同時にABSの減圧制御が実行される。
このとき、ESCが実行されている第1配管系統50aに関しては、第1差圧制御弁16の上下流間に差圧が発生させられているため、第1差圧制御弁16の下流側のブレーキ液圧がM/C圧よりも第1差圧制御弁16で発生させている差圧だけ高圧になる。このため、第1差圧制御弁16で発生させている差圧を加味し、左後輪RLと対応する第4増圧制御弁38のソレノイドに流す制御電流の電流値と比べて、右後輪RRと対応する第2増圧制御弁18のソレノイドに流す制御電流の電流値を第1差圧制御弁16で発生させている差圧相当分だけ高くする。
すなわち、第2増圧制御弁18のソレノイドに流す制御電流の電流値を高くすれば、それだけ第2増圧制御弁18の上下流間の差圧を高く保持できる。このため、第1差圧制御弁16の下流側のブレーキ液圧がM/C圧よりも高くても、右後輪RRのW/C15のW/C圧を低下させることができる。したがって、右後輪RRのW/C15のW/C圧と第2差圧制御弁36にて差圧が発生させられていない第2配管系統50b側の左後輪RLのW/C35を一致させることができると共に、これらのW/C圧の増圧勾配を一致させることが可能となる。
このようにすることで、ABSと自動加圧制御が制御干渉したときに、自動加圧の制御対象輪のW/Cの増圧勾配が自動加圧の非制御対象輪のW/Cの増圧勾配よりも大きくなってしまうことにより、自動加圧の非制御対象輪のW/C圧が所定値に達する前にABSの減圧制御が再開されることを防止することができる。
一方、その後、ESCが終了すると、第1差圧制御弁16の上下流間の差圧が瞬時に解消される。このため、上記のように右後輪RRと対応する第2増圧制御弁18のソレノイドに流す制御電流の電流値を第1差圧制御弁16で発生させている差圧相当分だけ高くしたままだと、今度は右後輪RRのW/C15の増圧が十分に行われなくなる。したがって、第1差圧制御弁16の制御電流の電流値が0になったと同時に、第2増圧制御弁18のソレノイドに流す制御電流の電流値を左後輪RLと対応する第4増圧制御弁18のソレノイドに流している制御電流の電流値とする。
このようにすることにより、自動加圧制御が終了した後、ABSの増圧制御を行うときにW/Cを増圧できなくなることを防止することができる。
以上のような作動が行われるようにすべく、本実施形態のブレーキ制御装置1のブレーキECU70では減圧時間演算処理および制御電流値演算処理を実行する。以下、図4および図5を参照して減圧時間演算処理および制御電流値演算処理について説明する。
図4は、減圧時間演算処理のフローチャートである。この減圧時間演算処理は、別フローで実行されるABS開始判定処理でのABS開始条件を満たしたときに、所定の演算周期毎に実行される。なお、ABS開始判定処理に関しては、従来より一般的に行われているものであるため、ここでは説明を省略する。
まず、ステップ100では、ABS制御初回であるか否かの判定を行う。例えば、ABS開始条件を満たしてABSの実行が開始された演算周期であるか否かに基づいて判定され、ABS開始時にセットされるABS開始フラグがセットされたときの演算周期であれば肯定判定され、それ以外の演算周期であれば否定判定される。
ここで肯定判定されると、ステップ110に進み、減圧時間Trelを演算する。減圧時間Trelの演算は、制動開始からABSが開始されるまでに掛かった時間(以下、単に制動時間Tという)に基づいて求められる。図6は、制動時間Tと減圧時間Trelとの関係を示したグラフである。この図に示されるように、制動時間Tが長くなるほど減圧時間Trelが短くなる関係とされている。これは、路面摩擦係数μと関係している。
図7は、ABSが実行された場合のM/C圧に対するW/C圧の変化を路面摩擦係数μが高いときと低いときそれぞれについて示した図である。この図に示されるように、路面摩擦係数μが高い場合には、W/C圧がM/C圧に近い値で制御されるため、減圧量は少ない方が好ましい。一方、路面摩擦係数μが低い場合には、路面摩擦係数μが高い場合よりも低い値でW/C圧が制御されるため、減圧量は大きくなる。
そして、制動時間Tが長ければABSが開始され難い状況、つまり路面摩擦係数μが高い状況であり、制動時間Tが短ければABS制御が開始され易い状況、つまり路面摩擦係数μが低い状況であると推測できることから、制動時間Tが長くなるほど減圧時間Trelが短くなるようにしている。
したがって、ステップ110では、図6に示すような制動時間Tと減圧時間Trelの関係を示すMAPもしくはその関係を示した関数式に基づいて、減圧時間Trelを求めることができる。なお、制動時間Tに関しては、例えば図示しないブレーキスイッチがONになってからABSが開始されるまでの時間をブレーキECU70で計測するなど、周知となっている手法により求めることができる。
一方、否定判定されると、ステップ120に進む。そして、既にステップ110で求められている値を減圧時間Trelとして用いる。
図5は、制御電流値演算処理のフローチャートである。この制御電流値演算処理は、別フローで実行されるABS開始判定処理でのABS開始条件を満たしたときに、所定の演算周期毎に実行され、本実施形態の場合にはセレクトロー制御が実行される左右両後輪RL、RRに対応する第2、第4増圧制御弁18、38のソレノイドに対して流す制御電流の電流値を設定するために実行される。
まず、ステップ200では、ABSにおける増圧制御の開始タイミングであるか否かの判定を行う。増圧制御の開始タイミングは、ブレーキECU70が上述した減圧時間演算処理で求めた減圧時間Trelおよび予め決めておいた保持制御の時間等に基づいて求めているため、それに基づいて本ステップでの判定が行われる。ここで肯定判定された場合には、ステップ205に進み、増圧制御の開始と同時にABSの制御対象輪と対応する第1〜第4増圧制御弁17、18、37、38のソレノイドに対して流す制御電流、つまり保持制御から増圧制御に切り替わった瞬間の制御電流の電流値Iを求める。このときの電流値Iは、そのときに第1〜第4増圧制御弁17、18、37、38の上下流間に発生させられている差圧と一致するように、前回の減圧時間から予測される差圧の変化量を求めると共に、その差圧の変化量分を電流値に換算した値Irelを求めたのち、前回減圧制御を開始したときの電流値Irelstartから電流値Irelを加算することで求められる。
ステップ205での電流値Iの演算が完了すると、もしくは、ステップ200で否定判定されると、ステップ210に進み、ABSの増圧制御中であるか否かを判定する。増圧制御中には、所望の増圧勾配でW/Cを増圧すべく、徐々に電流値Iが減少させられる。このため、ステップ210で肯定判定されればステップ215に進み、増圧勾配をId、演算間隔をΔTとして、I=I−Id×ΔTとなるように電流値Iを更新する。なお、ここでいう演算間隔とは、演算周期1周期分の時間間隔のことを意味しており、増圧制御中であれば、図5に示すフローチャートが繰り返される毎に電流値Iが更新され続け、電流値Iが徐々に減少していくことになる。
そして、ステップ215での電流値Iの演算が完了すると、もしくは、ステップ210で否定判定されると、ステップ220に進み、減圧制御の開始タイミングであるか否かを判定する。減圧制御が開始されると、第1〜第4増圧制御弁17、18、37、38のソレノイドに対して流す制御電流を最大値Imaxにすることになる。このため、ステップ225に進み、減圧制御が開始する直前の電流値Iである電流値I**を新たに電流値Irelstartとして記憶させておくと共に、その電流値I**を電流Imaxに変更する。
これにより、減圧制御が開始する直前に第1〜第4増圧制御弁17、18、37、38の上下流間に発生させられていた差圧と対応する電流値Irelstartが記憶されると共に、第1〜第4増圧制御弁17、18、37、38が遮断状態とされ、減圧制御が開始される。
次に、ステップ230に進み、ABSにおいてセレクトロー制御中であるか否かを判定する。セレクトロー制御中であるか否かについては、ブレーキECU70において、車輪速度が低い側の車輪のスリップ率がABSの減圧制御開始しきい値を超えたか否かを判定しているため、例えばその判定結果を示すフラグ(図示せず)を確認することにより判定することができる。
ここで肯定判定されると、例えば左右両後輪RL、RRの制動力をローセレクト輪(つまり車輪速度が低い側の車輪)の制動力に合わせるべく、これら各車輪RL、RRと対応する第2、第4増圧制御弁18、38のソレノイドに対して流す制御電流の電流値が一致させられる。具体的には、ステップ235においてローセレクト輪が右後輪RRであるか否かを判定し、肯定判定されればステップ240に進んで、左後輪RLに対応する第4増圧制御弁38のソレノイドに対して流す制御電流の電流値Iに相当する電流値IRLとして、右後輪RRに対応する第2増圧制御弁18のソレノイドに対して流す制御電流の電流値Iに相当する電流値IRRを設定する。逆に、否定判定されれば、ステップ245に進んで、右後輪RRに対応する第2増圧制御弁18のソレノイドに対して流す制御電流の電流値IRRとして、左後輪RLに対応する第4増圧制御弁38のソレノイドに対して流す制御電流の電流値IRLを設定する。
そして、ステップ250に進み、左右両後輪RL、RRと対応する第2、第4増圧制御弁18、38のソレノイドに対して流す制御電流の電流値IRL、IRRに同じ配管系統50a、50bの差圧制御弁16、36が発生させている差圧相当分の電流値を足す。このとき、差圧制御弁16、36が発生させている差圧に関しては、ブレーキECU70が差圧制御弁16、36に流す制御電流の電流値を把握しており、この電流値と差圧が相関関係にあるため、ブレーキECU70にて上記差圧相当分の電流値を求めることが可能である。
以上のようにして左右後輪RL、RRと対応する第2、第4増圧制御弁18、38のソレノイドに対して流す制御電流の電流値IRL、IRRを求めれば、同じ配管系統50a、50bの差圧制御弁16、36にて差圧が発生させられていたときに、その差圧を考慮した電流値IRL、IRRとすることができる。
例えば、第1配管系統50aに属する右後輪RRにおいてABS中にESCが実行されたとすると、ESCが実行されている第1配管系統50aに関しては、第1差圧制御弁16の上下流間に差圧が発生させられているため、第1差圧制御弁16の下流側のブレーキ液圧がM/C圧よりも第1差圧制御弁16で発生させている差圧だけ高圧になる。このため、左後輪RLと対応する第4増圧制御弁38のソレノイドに流す制御電流の電流値IRLと比べて、右後輪RRと対応する第2増圧制御弁18のソレノイドに流す制御電流の電流値IRRが第1差圧制御弁16で発生させている差圧相当分だけ高くされる。
つまり、第2増圧制御弁18のソレノイドに流す制御電流の電流値IRRが高くされた分、第2増圧制御弁18を通じて伝えられるブレーキ液圧の増加勾配を抑制できる。このため、第1差圧制御弁16の下流側のブレーキ液圧がM/C圧よりも高くても、右後輪RRのW/C15のW/C圧と第2差圧制御弁36にて差圧が発生させられていない第2配管系統50b側の左後輪RLのW/C圧を一致させることができると共に、これらのW/C圧の増圧勾配を一致させることが可能となる。
このようにすることで、ABSと自動加圧制御が制御干渉したときに、自動加圧の制御対象輪のW/Cの増圧勾配が自動加圧の非制御対象輪のW/Cの増圧勾配よりも大きくなってしまうことにより、自動加圧の非制御対象輪のW/C圧が所定値に達する前にABSの減圧制御が再開されることを防止することができる。
また、その後、ESCが終了したときに、第1差圧制御弁16の上下流間の差圧が瞬時に解消されることになるが、第1差圧制御弁16の制御電流の電流値が0になったと同時に、第2増圧制御弁18のソレノイドに流す制御電流の電流値IRRが低下し、左後輪RLと対応する第4増圧制御弁18のソレノイドに流している制御電流の電流値IRLと一致させられる。つまり、ESCを実行した系統の第2増圧制御弁18の電流値IRRが、ESCを実行していない場合に設定される値に戻される。
このため、自動加圧制御が終了した後、ABSの増圧制御を行うときにW/Cを増圧できなくなることを防止することができる。
(他の実施形態)
上記実施形態では、セレクトロー制御が行われる車両に関し、相対する両輪のうちの一方の車輪についてのみESC等の自動加圧制御が行われ、第1、第2差圧制御弁16、36が駆動された場合について説明しているが、セレクトロー制御が実行される車両に限るものではない。つまり、第1、第2差圧制御弁16、36にて共にこれらの上下流間に差圧が発生させられているような状況であったとしても、M/C圧に基づいて第1〜第4増圧制御弁17、18、37、38に流す制御電流の電流値Iを決めたのでは、期待するW/C圧に制御することができなくなる。特に、第1、第2差圧制御弁16、36にて異なる差圧を発生させているような場合であれば、上述したセレクトロー制御が実行される車両と同様の問題が発生し得る。このため、上記実施形態のように、第1〜第4増圧制御弁17、18、37、38に流す制御電流の電流値Iを設定するに際し、第1、第2差圧制御弁16、36で発生させている差圧を加味することで、期待するW/C圧に制御することが可能となる。
例えば、第1、第2配管系統50a、50bの両方共に、ABS中に自動加圧制御が実行されたとすると、自動加圧制御の実行前に第1〜第4増圧制御弁17、18、37、38のソレノイドに流していた制御電流の電流値と比べて、実行後の制御電流の電流値を同じ系統の差圧制御弁16、36が発生させる差圧相当分高く設定すれば良い。
また、上記実施形態では自動加圧制御としてESCを例に挙げて説明したが、ブレーキアシスト制御も自動加圧制御が実行されることになるため、ESCの場合と同様のことが言える。すなわち、ブレーキアシスト制御においては、第1、第2差圧制御弁16、36にて差圧を発生させた状態で、モータ60を駆動してポンプ19、39を動作させ、M/C13側からブレーキ液を吸入しW/C14、15、34、35側にブレーキ液を吐出させる。このときの第1、第2差圧制御弁16、36が発生させている差圧相当分の電流値だけ、第1〜第4増圧制御弁17、18、37、38のソレノイドに流す制御電流の電流値Iを高くすれば良い。
なお、ブレーキアシスト制御において第1、第2差圧制御弁16、36が発生させる差圧が一定値であれば、その差圧相当分の電流値を予め記憶しておき、ABS中にブレーキアシスト制御が干渉したときに、第1〜第4増圧制御弁17、18、37、38に流す制御電流の電流値Iに記憶しておいた電流値を足しておけば済むが、ブレーキアシスト制御に関しては、制動時間Tに応じてアシスト量を変化させる場合もある。具体的には、制動開始からブレーキアシスト制御に移行するまでに掛かった時間が長ければある程度M/C圧が発生した状態からブレーキアシスト制御が行われることになり、短ければほとんどM/C圧が発生していない状態からブレーキアシスト制御が行われることになる。これを考慮して、制動時間Tの長さに応じて第1、第2差圧制御弁16、36で発生させる差圧が変えられることがある。例えば、第1、第2差圧制御弁16、36で発生させる差圧を制動時間Tがしきい値未満の場合には第1の値とし、しきい値以上の場合には第1の値よりも低い第2の値とする。このような場合には、差圧相当分の電流値が制動時間Tに合せて変化するように、第1、第2差圧制御弁16、36に流す制御電流の電流値から差圧相当分の電流値を求めるか、制動時間Tと差圧相当分の電流値を対応付けて記憶させておくのが好ましい。
さらに、上記実施形態では、第1〜第4増圧制御弁17、18、37、38に流す制御電流の電流値Iを変化させる例について説明した。しかしながら、これは単なる一例であり、基本的には、ABSの増圧制御対象輪が自動加圧制御の自動加圧制御対象輪となる場合に、自動加圧制御による加圧量を加味して増圧制御対象輪のホイールシリンダ圧の増圧量を設定するようにすれば、本発明を実現することができる。
また、各図中に示したステップは、各種処理を実行する手段に対応するものである。例えば、ブレーキECU70のうちステップ250を実行する部分が、ABSの増圧制御対象輪が自動加圧制御の自動加圧制御対象輪となる場合、自動加圧制御による加圧量を加味して増圧制御対象輪のホイールシリンダ圧の増圧量を設定する増圧制御手段を構成している。
なお、上記ブレーキ制御装置1では、ブレーキECU70にて、4輪のいずれかに所定のアンチスキッド条件が成立したときに該当車輪にホイールシリンダ圧の減圧を行う減圧制御や増圧を行う増圧制御を実行するアンチスキッド制御手段と、4輪のうち異なる2輪ずつに接続される2つの配管系統50a、50bごとにドライバのブレーキ操作と独立してホイールシリンダ圧をマスタシリンダ圧よりも高くする自動加圧制御手段を構成している。これらのうち、アンチスキッド制御手段および自動加圧制御手段に関しては、従来より知られているものであるため、上記実施形態では詳細な説明を省略してあるが、実際にはブレーキECU70のROM等に記憶させたプログラムにより各手段が構成されている。
また、上記実施形態では、X配管で構成されたブレーキ制御装置1に関して説明したが、前後配管など他の配管構造のものであっても本発明を適用することができる。
本発明の第1実施形態が適用されたアンチスキッド制御装置を実現するブレーキ制御装置1の各機能のブロック構成を示した図である。 図1に示すブレーキ制御装置1を構成する各部の詳細構造を示した図である。 図1に示すブレーキ制御装置1にてセレクトロー制御を行う場合おいてABS中に自動加圧制御であるESCが干渉した場合のタイミングチャートである。 減圧時間演算処理のフローチャートである。 制御電流値演算処理のフローチャートである。 制動時間Tと減圧時間Trelとの関係を示したグラフである。 ABSが実行された場合のM/C圧に対するW/C圧の変化を路面摩擦係数μが高いときと低いときそれぞれについて示した図である。 セレクトロー制御を行うX配管のブレーキ制御装置において、ABS中に自動加圧制御であるESCが干渉した場合のタイミングチャートである。
符号の説明
1…ブレーキ制御装置、11…ブレーキペダル、13…M/C、14、15、34、35…W/C、16、36…第1、第2差圧制御弁、17、18、37、38…第1〜第4増圧制御弁、19、39…ポンプ、20、40…調圧リザーバ、21、22、41、42…第1〜第4減圧制御弁、23、43…ダンパ、50…ブレーキ液圧制御用アクチュエータ、50a、50b…第1、第2配管系統、60…モータ、70…ブレーキECU、81〜84…各車輪速度センサ、A〜H…管路、FL〜RR…各車輪。

Claims (8)

  1. ドライバによるブレーキ操作部材(11)の操作量に応じてマスタシリンダ(13)に発生するマスタシリンダ圧を、前記マスタシリンダ(13)に繋がる第1、第2配管系統(50a、50b)を通じて、4輪(FL、FR、RL、RR)それぞれに対応して設けられた4つのホイールシリンダ(14、15、34、35)に対して伝えることでホイールシリンダ圧を発生させるブレーキ制御装置に適用され、
    前記4つのホイールシリンダ(14、15、34、35)に対応して設けられた増圧制御弁(17、18、37、38)および該増圧制御弁(17、18、37、38)と前記マスタシリンダ(13)の間に配置された差圧制御弁(16、36)のソレノイドに対して流す制御電流の電流値に加えて、前記第1、第2配管系統(50a、50b)それぞれにおける前記差圧制御弁(16、36)と前記増圧制御弁(17、18、37、38)の間にブレーキ液を供給するポンプ(19、39)の駆動を制御することにより、前記ホイールシリンダ圧の制御を行うアンチスキッド制御装置であって、
    前記増圧制御弁(17、18、37、38)のソレノイドに流す前記制御電流の電流値を制御することにより、前記ホイールシリンダ圧の減圧を行う減圧制御や増圧を行う増圧制御を実行するアンチスキッド制御手段と、
    前記差圧制御弁(16、36)のソレノイドに流す前記制御電流の電流値を制御し、かつ、前記ポンプを駆動することにより、前記差圧制御弁(16、36)にて前記差圧を発生させた状態で前記ポンプにてブレーキ液を供給することで、前記ホイールシリンダ圧を前記マスタシリンダ圧よりも高くする自動加圧制御手段と、
    前記アンチスキッド制御中に前記自動加圧制御を実行するとき、前記第1、第2配管系統(50a、50b)のうち該自動加圧制御が実行される系統の前記増圧制御弁(17、18、37、38)のソレノイドに流す前記制御電流の電流値を該系統の前記差圧制御弁(16、36)が発生させる差圧を加味して設定する増圧制御手段(250)と、を有することを特徴とするアンチスキッド制御装置。
  2. ドライバによって操作されるブレーキ操作部材(11)と、
    前記ブレーキ操作部材の操作量に応じたマスタシリンダ圧を発生させるマスタシリンダ(13)と、
    4輪(FL、FR、RL、RR)それぞれに対応して設けられたホイールシリンダ(14、15、34、35)と、
    前記4輪のうちの2輪(FL、RR)と対応する前記ホイールシリンダ(14、15)に発生するホイールシリンダ圧の制御を行うための第1配管系統(50a)と該4輪のうちの残る2輪(FR、RL)のホイールシリンダ(34、35)に発生するホイールシリンダ圧の制御を行うための第2配管系統(50b)と、が備えられ、
    前記第1、第2配管系統(50a、50b)それぞれに、
    前記マスタシリンダ(13)に接続され、分岐して前記ホイールシリンダ(14、15、34、35)のそれぞれに接続される主管路(A、E)と、
    前記ホイールシリンダ(14、15、34、35)それぞれに対応させて前記主管路(A、E)に配置された電磁弁により構成され、該電磁弁のソレノイドに流される制御電流の電流値に応じて上下流間に発生させる差圧を変化させる増圧制御弁(17、18、37、38)と、
    前記主管路(A、E)における分岐点よりも前記マスタシリンダ側に配置された電磁弁により構成され、該電磁弁のソレノイドに流される制御電流の電流値に応じて上流側となる前記マスタシリンダと下流側となる前記ホイールシリンダ(14、15、34、35)の間に発生させる差圧を変化させる差圧制御弁(16、36)と、
    前記差圧制御弁(16、36)と前記増圧制御弁(17、18、37、38)の間において、前記主管路(A、E)に対してブレーキ液を供給するポンプ(19、39)と、が備えられてなるブレーキ制御装置に適用されるアンチスキッド制御装置であって、
    前記増圧制御弁(17、18、37、38)のソレノイドに流す前記制御電流の電流値を制御することにより、前記ホイールシリンダ(14、15、34、35)に発生させるホイールシリンダ圧の減圧を行う減圧制御や増圧を行う増圧制御を実行するアンチスキッド制御手段と、
    前記差圧制御弁(16、36)のソレノイドに流す前記制御電流の電流値を制御し、かつ、前記ポンプ(19、39)を駆動することにより、前記差圧制御弁(16、36)にて前記差圧を発生させた状態で前記ポンプ(19、39)にて前記主管路(A、E)にブレーキ液を供給することで、前記ホイールシリンダ圧を前記マスタシリンダ圧よりも高くする自動加圧制御手段と、
    前記アンチスキッド制御中に前記自動加圧制御を実行するとき、前記第1、第2配管系統(50a、50b)のうち該自動加圧制御が実行される系統の前記増圧制御弁(17、18、37、38)のソレノイドに流す前記制御電流の電流値を該系統の前記差圧制御弁(16、36)が発生させる差圧を加味して設定する増圧制御手段(250)と、を備えていることを特徴とするアンチスキッド制御装置。
  3. 前記増圧制御手段(250)は、前記第1、第2配管系統(50a、50b)のうちの一方のみで前記アンチスキッド制御中に前記自動加圧制御を実行するとき、前記アンチスキッド制御の増圧制御時に、前記第1、第2配管系統(50a、50b)のうち該自動加圧制御が実行されない系統の前記増圧制御弁(17、18、37、38)のソレノイドに流す前記制御電流の電流値と比べて、該自動加圧制御が実行される系統の前記増圧制御弁(17、18、37、38)のソレノイドに流す前記制御電流の電流値を該系統の前記差圧制御弁(16、36)が発生させる差圧相当分高く設定することを特徴とする請求項1または2に記載のアンチスキッド制御装置。
  4. 前記アンチスキッド制御手段は、左右両輪のうち車輪速度が低い側の車輪のスリップ率が前記減圧制御の開始しきい値を超えたときに、左右両輪同時に前記減圧制御を開始するセレクトロー制御を行うものであることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1つに記載のアンチスキッド制御装置。
  5. 前記自動加圧制御手段は、前記自動加圧制御として横滑り防止制御を実行し、該横滑り防止制御において、前記第1、第2配管系統(50a、50b)のうちの一方のみでホイールシリンダ圧を自動加圧することを特徴とする請求項3または4に記載のアンチスキッド制御装置。
  6. 前記増圧制御手段は、前記第1、第2配管系統(50a、50b)の両方共に前記アンチスキッド制御中に前記自動加圧制御を実行するとき、前記アンチスキッド制御の増圧制御時に、前記自動加圧制御の実行前に前記増圧制御弁(17、18、37、38)のソレノイドに流していた前記制御電流の電流値と比べて、該自動加圧制御の実行後に前記増圧制御弁(17、18、37、38)のソレノイドに流す前記制御電流の電流値を該系統の前記差圧制御弁(16、36)が発生させる差圧相当分高く設定することを特徴とする請求項1または2に記載のアンチスキッド制御装置。
  7. 前記自動加圧制御手段は、前記自動加圧制御としてブレーキアシスト制御を実行し、該ブレーキアシスト制御において、前記第1、第2配管系統(50a、50b)の両方共にホイールシリンダ圧を自動加圧することを特徴とする請求項に記載のアンチスキッド制御装置。
  8. 前記増圧制御手段は、前記アンチスキッド制御中に実行された前記自動加圧制御が終了すると、前記第1、第2配管系統(50a、50b)のうち該自動加圧制御が実行された系統の前記増圧制御弁(17、18、37、38)のソレノイドに流していた前記制御電流の電流値を、該自動加圧制御が実行されていない場合に前記増圧制御弁(17、18、37、38)のソレノイドに流す前記制御電流の電流値に戻すことを特徴とする請求項1ないし7のいずれか1つに記載のアンチスキッド制御装置。
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