JP3255459B2 - 車両のアンチスキッドブレーキ装置 - Google Patents

車両のアンチスキッドブレーキ装置

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JP3255459B2
JP3255459B2 JP23199992A JP23199992A JP3255459B2 JP 3255459 B2 JP3255459 B2 JP 3255459B2 JP 23199992 A JP23199992 A JP 23199992A JP 23199992 A JP23199992 A JP 23199992A JP 3255459 B2 JP3255459 B2 JP 3255459B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、車輪のスリップ率等に
応じてブレーキ圧を制御することより、制動時に車輪が
ロックすることを防止する車両のアンチスキッドブレー
キ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、例えば特公昭62−16857号
公報に示されるように、制動時に車輪速が急激に低下
し、その加速度が予め設定された値よりも小さくなった
ことが確認された時点で、車輪のブレーキ圧を減圧して
アンチスキッド制御を実行するとともに、車輪の加速度
が負の状態から正に転じた時点あるいは負の値に設定さ
れた基準加速度よりも大きくなった時点で、上記ブレー
キ圧の減圧を終了するように構成された車両のアンチス
キッドブレーキ装置が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記アンチスキッドブ
レーキ装置は、ブレーキ圧の減圧を終了するか否かの判
断基準となる基準加速度を車速に応じて変更することに
より、路面状況に適合したアンチスキッド制御を実行す
るように構成されている。しかし、上記のように予め設
定された2種類の基準加速度を車輪速に応じて選択し、
この基準加速度と車輪の加速度とを比較してブレーキ圧
の終了タイミングを判別するようにしたものでは、車両
の走行状態に対応した最適なブレーキ圧制御を実行する
ことができないという問題がある。
【0004】すなわち、上記従来のアンチスキッドブレ
ーキ装置では、車輪速の低下量が少ない場合に走行路が
高μ路であると判断して高μ路走行時の判別制御を実行
するようにしているが、上記車輪速の低下量と走行路の
路面μを正確に対応させることが困難であるため、誤作
動が生じ易いとともに、高μ路の走行時に車輪速の変化
状態に適合した緻密なブレーキ圧制御を実行することが
できないという問題があった。
【0005】本発明は、上記問題を解決するためになさ
れたものであり、誤作動を生じることなく、高μ路の走
行時に緻密なブレーキ圧制御を実行することができる車
両のアンチスキッドブレーキ装置を提供することを目的
としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、制動時にブレ
ーキ圧を調節してアンチスキッド制御を実行するブレー
キ圧調節手段を備えた車両のアンチスキッドブレーキ装
置であって、車両の走行状態に応じて上記ブレーキ圧調
節手段の作動タイミングを設定する制御手段と、走行路
の路面μを推定する路面状態推定手段と、車輪加速度の
変化率を検出する変化率検出手段とを有し、上記制御手
段は、上記ブレーキ圧調節手段によるブレーキ圧の減圧
中に、上記路面状態推定手段において路面が高μ路であ
ると推定された場合には、車輪加速度が閾値より大きい
第1の条件と、車輪加速度の変化 率が閾値よりも大きい
第2の条件との何れかが成立したときに、上記減圧制御
の終了タイミングであると判定し、上記路面状態推定手
段において路面が高μ路でないと推定された場合には、
上記第1の条件のみに基づいて上記減圧制御の終了タイ
ミングを判定するように構成されたものである。
【0007】
【作用】上記構成の本発明によれば、上記ブレーキ圧調
節手段によるブレーキ圧の減圧中に、路面状態推定手段
の出力信号に応じて走行路が高μ路でないことが確認さ
れた場合には、車輪加速度が所定速度より大きい第1の
条件が成立したときに、ブレーキ圧の減圧状態を終了す
る通常の制御が実行されることにより、車輪のロックを
防止しつつ、ブレーキ圧の減圧状態を適正なタイミング
で終了させることができる。
【0008】これに対して走行路が高μ路であることが
確認された場合には、車輪加速度が所定速度より大きい
第1の条件と、車輪加速度の変化率が所定変化率よりも
大きい第2の条件との何れかが成立したときに、ブレー
キ圧の減圧状態を終了する高μ路の制御が実行され、
作動を生じることなく、高μ路の走行時に車輪速の変化
状態に適合した緻密なブレーキ圧制御を実行することが
できる。
【0009】
【実施例】図1は、本発明の実施例に係る車両のアンチ
スキッドブレーキ装置の全体構成図を示している。この
車両は、従動輪となる左右の前輪1,2と、駆動輪とな
る左右の後輪3,4とを備え、エンジン5の駆動力が自
動変速機6からプロペラシャフト7、ディファレンシャ
ル8および左右の車軸9,10を介して後輪3,4に伝
達されるように構成されている。
【0010】上記各車輪1〜4には、これらと一体的に
回転するディスク11a〜14aと、ブレーキ圧の供給
を受けてこのディスク11a〜14aの回転を制御する
キャリパ11b〜14bとからなるブレーキ装置11〜
14が設けられ、これらのブレーキ装置11〜14は、
ブレーキ制御システム15によって制御されるようにな
っている。このブレーキ制御システム15には、ブレー
キペダル16の踏込力を増大する倍力装置17と、この
倍力装置17により増大された踏込力に応じてブレーキ
圧を発生させるマスタシリンダ18とが設けられてい
る。
【0011】そして、上記マスタシリンダ18から導か
れた前輪用のブレーキ圧ライン19が2経路に分岐さ
れ、これらの前輪用分岐路19a,19bが左右の前輪
1,2におけるブレーキ装置11,12のキャリパ11
b,12bにそれぞれ接続されている。上記左前輪1の
ブレーキ装置11に通じる一方の前輪用分岐路19aに
は、電磁式の開閉弁20aと、電磁式のリリーフ弁20
bとからなる第1のバルブユニット20が配置されてい
る。また、右前輪2のブレーキ装置12に通じる他方の
前輪用分岐路ライン19bにも、上記第1バルブユニッ
ト20と同様に電磁式の開閉弁21aと、同じく電磁式
のリリーフ弁21bとからなる第2バルブユニット21
が設置されている。
【0012】一方、上記マスタシリンダ18から導かれ
た後輪用のブレーキ圧ライン22には、電磁式の開閉弁
23aと、電磁式のリリーフ弁23bとからなる第3バ
ルブユニット23が設置されている。また、上記ブレー
キ圧ライン22は、上記第3バルブユニット23の下流
側で2経路に分岐され、これらの後輪用分岐路22a,
22bが左右の後輪3,4におけるブレーキ装置13,
14のキャリパ13b,14bにそれぞれ接続されてい
る。なお、上記電磁リリーフ弁20b,21b,23b
から排出されるブレーキオイルは、図外のドレインライ
ンを介して上記マスタシリンダ18のリザーバタンク1
8aに戻されるようになっている。
【0013】そして、上記第1〜第3バルブユニット2
0,21,23は、コントロールユニットECUによっ
てそれぞれ独立に駆動制御され、第1〜第2バルブユニ
ット20,21の作動により、左前輪1のブレーキ装置
11と右前輪2のブレーキ装置12の制動力がそれぞれ
可変制御され、第3バルブユニット23の作動により、
左右後輪3,4のブレーキ装置13,14に付与される
制動力が可変制御されるようになっている。
【0014】上記コントロールユニットECUは、ブレ
ーキペダル16の踏込みの有無を検出するブレーキスイ
ッチ25の検出信号と、各車輪1〜4の回転速度を検出
する車輪速センサ26〜29の検出信号と、ステアリン
グハンドル操作角を検出する舵角センサ30の検出信号
とに基づいてアンチスキッドブレーキ制御用の制御信号
を生成し、この制御信号を上記第1〜第3バルブユニッ
ト20,21,23にそれぞれ出力して左右の前輪1,
2および後輪3,4のスリップに対する制動制御を第1
〜第3バルブユニット20,21,23毎に並行して行
うように構成されている。
【0015】すなわち、上記コントロールユニットEC
Uには、図2に示すように、上記車輪速センサ26〜2
9の検出信号に応じて車両の走行速度を算出する車体速
算出段31と、舵角センサ30の出力信号に応じて上記
車輪速Vwを補正する補正手段32と、各車輪1〜4の
スリップ率を算出するスリップ率算出手段33と、各車
輪1〜4の加速度を算出する加速度算出手段34と、こ
の加速度算出手段34の出力信号に応じて走行路の路面
μを推定する路面状態推定手段35とが設けられてい
る。
【0016】また、上記コントロールユニットECU
は、上記加速度算出手段34の出力信号に応じて車輪加
速度の変化率、つまり単位時間当たりの加速度の変化量
を検出する変化率検出手段36と、各種のスリップ制御
用の閾値をマップとして記憶する閾値記憶手段37と、
上記マップから車両の走行時に対応した閾値を読出す閾
値読出手段38と、上記ブレーキ制御システム15から
なるブレーキ圧調節手段を制御する制御手段39とが設
けられている。
【0017】上記車体速算出手段31は、上記車輪速セ
ンサ26〜29の検出信号から得られる車輪速Vwに基
づいて従来周知の方法により、疑似的な車速Vrを求め
るように構成されている。また、上記補正手段32は、
旋回外輪側に比べて小さな値となる旋回内輪側の車輪速
を補正するため、車輪速センサ26〜29の検出値に舵
角に対応した補正係数を掛け合わせて求めた補正値を上
記車輪速の検出値に加算することにより、車両の旋回に
起因する車輪速の偏差をなくすものである。
【0018】上記車輪速の補正量は、車速に対応して設
定された最大補正値の範囲内に限定され、上記補正手段
32によって計算された値が上記最大補正値を超えた場
合には、この最大補正値に基づいて各車輪速の補正が行
われるようになっている。この最大補正値Rmaxは、
下式に示すように予め設定された所定値(600)を上
記擬似車速Vrで除算することによって求められるよう
に構成されている。
【0019】 最大補正値(Rmax)=600/Vr 〔km/h〕 また、上記スリップ率算出手段33は、上記車体速算出
手段31において求められた疑似車速Vrと、上記補正
手段32によって補正された車輪速Vwとに基づき、次
式に示すようにスリップ率Sを各車輪1〜4毎に算出す
るものである。
【0020】 スリップ率(S)=(車輪速Vw/擬似車速Vr)×100 〔%〕 また、上記加速度算出手段34は、例えば車輪速Vwの
前回値と今回値との差分をサンプリング周期Δt(例え
ば7ms)で除算した値を重力加速度に換算することに
より、車輪速Vwの加速度を算出するように構成されて
いる。
【0021】上記路面状態推定手段35は、走行路の路
面μを推定するものであり、この推定動作を図3に示す
フローチャートに基づいて説明する。この推定動作がス
タートすると、まずステップS1において、各種のデー
タを読み込んだ後、ステップS2において、現在がアン
チスキッド制御の実行状態であることを示すABS制御
フラグFが1にセットされているか否かを判定する。
【0022】上記ABS制御フラグFは、例えば各車輪
の少なくとも一つがロック傾向にあることが確認された
場合に、1にセットされ、またブレーキスイッチ25が
ON状態からOFF状態に切り替わったときに等に0に
リセットされるようになっている。そして上記ステップ
S2でABS制御フラグFが1にセットされていないこ
とが確認された場合には、ステップS3に進んで走行路
の路面μの値MUとして高μ路を示す3をセットする。
【0023】また、上記ステップS2でABS制御フラ
グFが1にセットされていることが確認された場合に
は、ステップS4に進んで、前サイクル(後述する図4
に示すサイクル)における車輪加速度の最小値DWが−
20Gよりも小さいか否かを判定する。このステップS
4でYESと判定された場合には、ステップS5に進
み、前サイクルにおける車輪加速度の最大値AWが10
Gよりも大きいか否かを判定し、この判定結果がNOで
ある場合には、ステップS6において走行路の路面μの
値MUとして低μ路を示す1をセットする。
【0024】一方、上記ステップS4で上記車輪加速度
の最小値DWが−20G以上であることが確認された場
合には、ステップS7において、上記車輪加速度の最大
値AWが20Gよりも大きいか否かを判定する。この判
定結果がYESである場合には、ステップS3に進で走
行路の路面μの値MUとして高μ路を示す3をセットす
る。また、上記ステップS7で車輪加速度の最大値AW
が20G以下であることが確認された場合には、ステッ
プS8において、走行路の路面μの値MUとして中μ路
を示す2をセットするように構成されている。
【0025】上記閾値読出手段38は、車体速算出手段
31および路面状態推定手段35の出力信号に基づき、
上記閾値記憶手段37に記憶されたマップから現在の走
行状態に対応した車輪1〜4の加速度、スリップ率およ
び加速度変化率を読出し、これら値をアンチスキッド制
御の開始タイミングおよびブレーキ圧の保持、減圧およ
び増圧のタイミングを判別する閾値として上記制御手段
39に出力するものである。
【0026】上記車輪加速度の閾値のマップは、高μ
路、中μ路及び低μ路の各路面状態において車輪1〜4
がロックを生じる値として予め実験等により求められた
ものであり、例えば(高μ路閾値,中μ路閾値,低μ路
閾値)=(−1.5G,−1.0G,−0.5G)に設
定されている。
【0027】また、上記スリップ率の閾値のマップは、
後述するようにブレーキ圧を減圧もしくは増圧するタイ
ミングを設定する値として車速等に応じて予め実験等に
より求められたものであり、例えば(高速域閾値,中速
域閾値,低速域閾値)=(95%,90%,85%)に
設定されている。これに対して上記加速度変化率の閾値
は、上記路面状態推定手段35の出力信号に応じて走行
路が高μ路であることが確認された場合に、ブレーキ圧
の減圧制御を終了するか否かの判断基準となる値として
予め実験等により求められたものである。
【0028】上記制御手段39は、ブレーキペダル6の
踏み操作に応じた制動開始直後の車輪1〜4の加速度A
Wと、上記閾値読出手段38で読出された加速度の閾値
とを比較し、車輪1〜4の加速度AWが閾値以下に低下
すると、ブレーキ圧を保持する制御信号を生成する。ま
た、ブレーキ圧を保持した後の車輪1〜4のスリップ率
Sと、上記閾値読出手段38で読出されたスリップ率の
閾値とを比較し、車輪1〜4のスリップ率Sが上記閾値
以下に低下すると、ブレーキ圧を減圧させる制御信号を
生成する。
【0029】そして上記制御信号は、ブレーキ制御シス
テム15に入力され、このブレーキ制御システム15に
おいて、上記第1〜第3バルブユニット20,21,2
3の電磁開閉弁20a,21a,23aと、電磁リリー
フ弁20b,21b,23bとをそれぞれデューティ制
御により開閉制御し、これによりスリップ状態に応じた
制動力を前輪1,2および後輪3,4に発生させるよう
になっている。
【0030】なお、アンチスキッド制御が行われていな
い場合には、上記第1〜第3バルブユニット20,2
1,23に上記ブレーキ圧の制御信号が出力されず、上
記電磁開閉弁20a,21a,23aが開状態に保持さ
れる一方、上記電磁リリーフ弁20b,21b,23b
は閉状態に保持される。これによりブレーキペダル16
の踏込力に応じてマスタシリンダ18で発生したブレー
キ圧がブレーキ圧ライン19,22を介して左右の前輪
1,2および後輪3,4のブレーキ装置11〜14に供
給され、ブレーキペダル16の踏込力に応じたブレーキ
圧が車輪1〜4に直接付加される。
【0031】次に、図4によって上記アンチスキッドブ
レーキ装置の基本的な制御動作を説明する。なお、ブレ
ーキ圧の増減制御は、第1〜第3バルブユニット20,
21,23の各ユニットについて行われるが、ここでは
左前輪1用の第1バルブユニット20を例に説明する。
【0032】図4の時点Toでブレーキペダル16が踏
み込まれると、マスタシリンダ18で発生したブレーキ
圧が除々に増大し、この制動力により左前輪1の車輪速
Vwは減少する。この車輪速Vwの加速度AWは、上記
加速度算出手段34により算出され、上記閾値読出手段
38で読出された高μ路における加速度の閾値、「−
1.5G」と比較される。そして、時点Taで車輪速V
wの加速度AWが上記閾値「−1.5G」以下に低下す
ると、アンチスキッド制御の非制御状態であるフェーズ
0からフェーズ2の制御状態に移行し、第1サイクル目
のアンチスキッド制御が開始される。
【0033】このようにアンチスキッド制御の第1サイ
クル目では、上記減速度DWの閾値として高μ路の閾値
が路面状態推定手段34で読出されるようになってい
る。これは、第1サイクルにおいて走行路の路面μを推
定することができず、上記閾値として低μ路における閾
値、例えば「−0.5G」を用いると、車輪1の加速度
AWがわずかに低下した場合にも閾値以下となるという
事態が生じ、これによって頻繁にアンチスキッド制御が
開始されることとなるからである。
【0034】そして上記アンチスキッド制御は、ブレー
キ圧を保持するフェーズ2から開始され、Tb時点にお
いて保持後のブレーキ圧を減圧するフェーズ3の制御が
実行されるとともに、時点Tcにおいて減圧後のブレー
キ圧を保持するフェーズ4の制御が実行された後、時点
Tdにおいて第1サイクル目のアンチスキッド制御が終
了する。
【0035】次いで、上記時点Tdから再度ブレーキ圧
を増圧するフェーズ1の制御が実行されて第2サイクル
目のアンチスキッド制御が開始され、以後、上記フェー
ズ2〜フェーズ4を経て第2サイクル目が終了すると、
第3サイクル目以後のアンチスキッド制御が繰り返して
実行されることになる。
【0036】上記フェーズ2の保持制御の実行時には、
車輪速Vwからスリップ率算出手段33によって車輪1
のスリップ率Sが算出され、この値が上記閾値読出手段
38において車速に応じて読出された閾値と比較され
る。例えば上記スリップ率の閾値として高速時における
値95%が読出された場合、上記スリップ率Sが95%
未満に低下した時点Tbでフェーズ2からフェーズ3に
移行し、ブレーキ圧の減圧制御が開始される。つまり、
上記第1バルブユニット20のリリーフ弁20bが所定
のデューティ率に従ってオン・オフされ、これによりブ
レーキ圧が所定の勾配で減少し、制動力が徐々に低下し
て車輪1の回転力は回復する。
【0037】また、時点Tcで車輪1の加速度AWが上
記閾値読出手段において読出された閾値、例えば0にな
ると、フェーズ3からフェーズ4に移行し、ブレーキ圧
は減圧後のレベルに保持され、このフェーズ4の間に車
輪速Vwは再び上昇する。そして上記フェーズ4の保持
制御の実行時には、閾値読出手段38により読出された
閾値と、車輪1のスリップ率Sとが制御手段39におい
て比較され、上記ブレーキ圧の保持状態から増圧状態に
移行すべきか否かが判断され、上記スリップ率Sが閾値
以上に増大した時点Tdでフェーズ4からフェーズ1に
移行し、第2サイクル目のアンチスキッドブレーキ制御
が開始される。
【0038】次に上記フェーズ3におけるブレーキ圧の
減圧状態を終了する終了タイミングの設定動作につい
て、図5に示すフローチャートに基づいて説明する。す
なわち、ステップS11において、現在がフェーズ3の
制御状態であることを示すフラグF3が1にセットされ
ているか否かを判定する。
【0039】上記フラグF3は、フェーズ2の保持制御
の実行状態からフェーズ3の減圧制御の実行状態に移行
した時点でに1セットされるようになっている。上記ス
テップS11の判定結果がYESである場合には、ステ
ップS12に進み、上記路面状態推定手段35において
推定された走行路の路面μが高μ路に相当する値である
か否かを判定する。
【0040】上記ステップS12でNOと判定され、走
行路が中μ路または低μ路であることが確認された場合
には、ステップS13において、車輪1の加速度AWが
加速度の閾値(0)よりも大きいか否かを判定すること
により、減圧状態を終了するか否かを判断する通常の判
定制御を実行する。
【0041】上記判定の結果、減圧状態を終了すべき状
態にあることが確認された場合には、ステップS14に
おいて、ブレーキ圧の減圧状態を終了して保持状態に移
行させる制御信号を上記ブレーキ圧制御手段15に出力
した後、ステップS15において、上記フラグF3を0
にリセットする。一方、上記ステップS13でNOと判
定され、ブレーキ圧の減圧制御を終了すべき状態にない
ことが確認された場合には、そのままリターンする。
【0042】また、上記ステップS12においてYES
と判定され、走行路が高μ路であることが確認された場
合には、ステップS16において、車輪1の加速度AW
が加速度の閾値(0)よりも大きいか否かを判定し、こ
の判定結果がNOである場合には、ステップS17にお
いて、上記車輪加速度の変化率AW´が変化率閾値(2
0)よりも大きいか否かを判定することにより、減圧状
態を終了するか否かを判断する通常の判定制御を実行す
る。
【0043】そして上記ステップS16,17の一方に
おいてYESと判定された場合には、上記ステップS1
4に移行してブレーキ圧の減圧状態を終了し、ステップ
S16,17の両方においてNOと判定された場合に
は、ブレーキ圧の減圧制御を終了すべき状態にないと判
断してそのままリターンする。
【0044】このように中μ路もしくは低μ路の走行時
には、車輪の加速度AWに応じて減圧制御の終了タイミ
ングを判定するとともに、高μ路の走行時には、上記車
輪の加速度AWおよびその変化率AW´の両方に応じて
減圧制御の終了タイミングを判定し、上記路面状態推定
手段35の出力信号に応じて上記減圧制御の終了タイミ
ングを判定する制御状態を変更するように構成したた
め、走行路の路面μに応じた適正なアンチスキッド制御
を実行することができる。
【0045】すなわち、車輪のロックが生じにくい高μ
路の走行時には、上記車輪減速度AW´の変化率に対応
して減圧制御の終了タイミングを判定する判定制御を付
加したため、車輪加速度AWの変化状態を適正に予測し
て車輪加速度AWが増加傾向にあることが確認された場
合に、車輪のロック状態が回復傾向にあると判断して事
前に上記減圧制御を終了することにより、車輪速の変化
状態に適合した緻密なブレーキ制御を実行し、制動力を
十分に発揮しつつ車輪がロックするのを効果的に抑制す
ることができる。これによって車輪のスリップが解消さ
れやすい高μ路の走行時に、ブレーキ圧が必要以上に減
圧されるのを防止して制動性能を向上させることができ
る。
【0046】これに対して車輪のロック傾向が生じ易い
中μ路もしくは低μ路の走行時には、上記車輪の加速度
AWに応じて減圧制御の終了タイミングを判定するの通
常の判定制御を実行するように構成したため、上記車輪
減速度の変化率AW´に応じた予測制御を実行した場合
のようにブレーキ圧の減圧制御が早く終了することがな
いので、上記車輪のロックを確実に防止して適正なタイ
ミングで上記減圧制御を終了させることができる。
【0047】なお、上記実施例では、上記車輪の加速度
AWに応じて減圧制御の終了タイミングを判定するの通
常の判定制御を実行するように構成しているが、車輪の
スリップ率Sに応じて上記判別制御を実行するように構
成してもよく、あるいは上記車輪の加速度AWおよびス
リップ率Sの両方によって上記判別制御を実行するよう
に構成してもよい。
【0048】
【発明の効果】以上説明したように、本発明は、中μ路
もしくは低μ路の走行時に、車輪の加速度等に応じて減
圧制御の終了タイミングを判定する通常の判定制御を実
行するとともに、高μ路の走行時に、上記通常の判定制
御に加えて車輪加速度の変化率に応じて減圧制御の終了
タイミングを判定する高μ路の判定制御を実行するよう
に構成したため、車輪のロックが生じにくい高μ路の走
行時には、上記車輪減速度の変化率に対応して前圧制御
の終了タイミングを判定することにより、車輪加速度の
変化状態を適正に予測して車輪加速度が増加傾向にある
ことが確認された場合に、車輪のロック状態が回復傾向
にあると判断して事前に上記減圧制御を終了し、これに
よって車輪速の変化状態に適合した緻密なブレーキ圧制
御を実行し、制動力を十分に発揮しつつ車輪のロックを
効果的に抑制することができる。
【0049】また、車輪のロック傾向が生じ易い中μ路
もしくは低μ路の走行時には、上記車輪の加速度等に応
じて減圧制御の終了タイミングを判定する通常の判定制
御を実行するように構成したため、上記車輪減速度の変
化率に応じた予測制御を実行した場合のようにブレーキ
圧の減圧制御が早く終了することがないので、上記車輪
のロックを確実に防止して適正なタイミングで上記減圧
制御を終了させることができるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る車両のアンチスキッドブレーキ装
置の全体構成を示す概略図である。
【図2】上記アンチスキッドブレーキ装置の制御ユニッ
トの構成を示すブロック図である。
【図3】走行路の路面μを推定する動作を示すフローチ
ャートである。
【図4】上記アンチスキッドブレーキ装置の制御動作を
示すタイムチャートである。
【図5】ブレーキ圧の減圧制御の終了タイミングを判定
する判定動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1〜4 車輪 15 ブレーキ制御システム(ブレーキ圧調節手段) 35 路面状態推定手段 36 変化率検出手段 39 制御手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 立畑 哲也 広島県安芸郡府中町新地3番1号 マツ ダ株式会社内 (72)発明者 益 啓純 広島県安芸郡府中町新地3番1号 ナル デック株式会社内 (56)参考文献 特開 昭56−116541(JP,A) 特開 平3−143760(JP,A) 特開 昭63−287655(JP,A) 特開 平6−72302(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B60T 8/58 B60T 8/70

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 制動時にブレーキ圧を調節してアンチス
    キッド制御を実行するブレーキ圧調節手段を備えた車両
    のアンチスキッドブレーキ装置であって、車両の走行状
    態に応じて上記ブレーキ圧調節手段の作動タイミングを
    設定する制御手段と、走行路の路面μを推定する路面状
    態推定手段と、車輪加速度の変化率を検出する変化率検
    出手段とを有し、上記制御手段は、上記ブレーキ圧調節
    手段によるブレーキ圧の減圧中に、上記路面状態推定手
    段において路面が高μ路であると推定された場合には、
    車輪加速度が閾値より大きい第1の条件と、車輪加速度
    の変化率が閾値よりも大きい第2の条件との何れかが成
    立したときに、上記減圧制御の終了タイミングであると
    判定し、上記路面状態推定手段において路面が高μ路で
    ないと推定された場合には、上記第1の条件のみに基づ
    いて上記減圧制御の終了タイミングを判定するように構
    成されたことを特徴とする車両のアンチスキッドブレー
    キ装置。
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