JPH0616120A - 車両のスリップ制御装置 - Google Patents

車両のスリップ制御装置

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JPH0616120A
JPH0616120A JP17559092A JP17559092A JPH0616120A JP H0616120 A JPH0616120 A JP H0616120A JP 17559092 A JP17559092 A JP 17559092A JP 17559092 A JP17559092 A JP 17559092A JP H0616120 A JPH0616120 A JP H0616120A
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JP
Japan
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vehicle
braking pressure
spin
braking
control
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JP17559092A
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English (en)
Inventor
Tomomi Izumi
知示 和泉
Kensuke Hayabuchi
賢介 早渕
隆三 ▲つる▼原
Riyuuzou Tsuruhara
Tetsuya Tatehata
哲也 立畑
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Mazda Motor Corp
Original Assignee
Mazda Motor Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 スピン発生時にその終了時期を遅らせること
なく、スピンの終了後の制動距離を短くする。 【構成】 制動時に車輪を適正に減速させるようにその
制動圧を調節する制動圧調節手段(ブレーキ制御システ
ム15)と、この制動圧調節手段に制御信号を出力する
制御手段34とを備えた車両のスリップ制御装置であっ
て、制動時に車両がスピン状態にあるか否かを判定する
スピン判定手段35と、このスピン判定手段35おいて
車両がスピン状態にあることが確認された場合に、上記
制御手段34で設定された前輪の制動圧を増圧側に補正
するとともに、後輪の制動圧を上記前輪の制動圧よりも
低い値に設定する補正手段36とを設けた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、車輪のスリップ率等に
応じて制動圧を制御することより、制動時に車輪がロッ
クすることを防止する車両のスリップ制御装置に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】従来、例えば特開昭61−1061号公
報に示されるように、操舵輪の舵角に応じてスリップ制
御用の制御定数を変化させ、旋回状態における制動時に
操舵輪の制動圧を低めに設定して操縦安定性を確保する
とともに、直進状態における制動時に上記制動圧を高め
に設定することにより、制動距離を短く抑えることがで
きるように構成されたアンチスキッド制御装置が知られ
ている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで車両の操舵状
態で制動力を付与した場合に、車体がその中心部を支点
に旋回してスピン状態となることがあり、このスピン状
態においては各車輪の回転速度が略0になった状態で横
滑りするため、車輪がロック傾向にあると判断して制動
圧の減圧状態が継続される。この結果、スピンが終了し
て車両が直進状態となった場合に、ブレーキペダルを踏
んでいるにも拘らず、所定の制動力が得られなくなると
いう虞が生じることが考えられる。
【0004】特に、上記のように旋回時に制動圧を低め
に設定するように構成した場合には、スピン終了後の制
動距離が長くなる傾向がある。このため、車両がスピン
していることが確認された場合に、通常時に比べて各車
輪の制動圧を増大させる方向に補正することにより、ス
ピン終了後に制動距離が長くなるのを防ぐように構成す
ることも考えられる。しかし、上記のようにスピン発生
時に車輪の制動力を増大させるように構成すると、スピ
ン状態にある車体がその進行方向に向き直った時点で、
上記車輪によって車両を直進状態に移行させる力を十分
に作用させることができず、スピンの終了時期が遅くな
るという問題がある。
【0005】本発明は、上記問題を解決するためになさ
れたものであり、スピン発生時にその終了時期を遅らせ
ることなく、スピン終了後の制動距離を短くすることが
できるスリップ制御装置を提供することを目的としてい
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る発明は、
制動時に車輪を適正に減速させるようにその制動圧を調
節する制動圧調節手段と、この制動圧調節手段に制御信
号を出力する制御手段とを備えた車両のスリップ制御装
置であって、制動時に車両がスピン状態にあるか否かを
判定するスピン判定手段と、このスピン判定手段おいて
車両がスピン状態にあることが確認された場合に、上記
制御手段で設定された前輪の制動圧を増圧側に補正する
とともに、後輪の制動圧を上記前輪の制動圧よりも低い
値に設定する補正手段とを設けたものである。
【0007】請求項2に係る発明は、車速を検出する車
速検出手段の検出値が略0である状態で、車体が旋回状
態にあることが確認された場合に、車両がスピン状態に
あると判定するように構成したものである。
【0008】請求項3に係る発明は、制動圧調節手段に
よって全て車輪の制動圧を減圧もしくは保持する状態が
予め設定された基準時間以上に亘って継続したことが確
認された場合に、車両がスピン状態にあると判定するよ
うに構成したものである。
【0009】
【作用】上記請求項1記載の発明によれば、制動時に車
体がスピン状態となったことが確認された場合に、前輪
の制動圧が増圧されることによって十分な制動力が発揮
され、スピン終了後に車両を迅速に停止させることがで
きる。また、上記前輪の制動圧に比べて後輪の制動圧が
低い値に設定されることにより、後輪に大きな回転力が
付与されるため、上記スピン時に車体がその進行方向に
向き直った時点で大きなグリップ力が発揮されることに
なる。
【0010】上記請求項2記載の発明によれば、車速お
よび車体の旋回状態に応じて車両がスピン状態にあるか
否かが正確に判定され、上記スピン状態における制動圧
の補正が適正に実行されることになる。
【0011】上記請求項3記載の発明によれば、制動圧
調節手段の作動状態に応じて車両がスピン状態にあるか
否かが正確に判定され、上記スピン状態における制動圧
の補正が適正に実行されることになる。
【0012】
【実施例】図1は、本発明の実施例に係る車両のスリッ
プ制御装置の全体構成図を示している。この車両は、従
動輪となる左右の前輪1,2と、駆動輪となる左右の後
輪3,4とを備え、エンジン5の駆動力が自動変速機6
からプロペラシャフト7、ディファレンシャル8及び左
右の車軸9,10を介して後輪3,4に伝達されるよう
に構成されている。
【0013】上記各車輪1〜4には、これらと一体的に
回転するディスク11a〜14aと、制動圧の供給を受
けてこのディスク11a〜14aの回転を制御するキャ
リパ11とからなるブレーキ装置11〜14が設けら
れ、これらのブレーキ装置11〜14は、ブレーキ制御
システム15によって制御されるようになっている。こ
のブレーキ制御システム15には、ブレーキペダル16
の踏込力を増大する倍力装置17と、この倍力装置17
により増大された踏込力に応じて制動圧を発生させるマ
スタシリンダ18とが設けられている。
【0014】そして、上記マスタシリンダ18から導か
れた前輪用の制動圧ライン19が2経路に分岐され、こ
れらの前輪用分岐路19a,19bが左右の前輪1,2
におけるブレーキ装置11,12のキャリパ11a,1
2aにそれぞれ接続されている。上記左前輪1のブレー
キ装置11に通じる一方の前輪用分岐路19aには、電
磁式の開閉弁20aと、電磁式のリリーフ弁20bとか
らなる第1のバルブユニット20が配置されている。ま
た、右前輪2のブレーキ装置12に通じる他方の前輪用
分岐路ライン19bにも、上記第1バルブユニット20
と同様に電磁式の開閉弁21と、同じく電磁式のリリー
フ弁21bとからなる第2バルブユニット21が設置さ
れている。
【0015】一方、上記マスタシリンダ18から導かれ
た後輪用の制動圧ライン22には、電磁式の開閉弁23
aと、電磁式のリリーフ弁23bとからなる第3バルブ
ユニット23が設置されている、また、上記制動圧ライ
ン22は、上記第3バルブユニット23の下流側で2経
路に分岐され、これらの後輪用分岐路22a,22bが
左右の後輪3,4におけるブレーキ装置13,14のキ
ャリパ13b,14bにそれぞれ接続されている。な
お、上記電磁リリーフ弁20b,21b,23bから排
出されるブレーキオイルは、不図示のドレインラインを
介して上記マスタシリンダ18のリザーバタンク18a
に戻されるようになっている。
【0016】そして、上記第1〜第3バルブユニット2
0,21,23は、コントロールユニットUTRによっ
てそれぞれ独立に駆動制御され、第1〜第2バルブユニ
ット20,21の作動により、左前輪1のブレーキ装置
11と右前輪2のブレーキ装置12の制動力がそれぞれ
可変制御され、第3バルブユニット23の作動により、
左右の後輪3,4のブレーキ装置13,14の制動力が
可変制御されるようになっている。
【0017】上記コントロールユニットUTRは、ブレ
ーキペダル16の踏込みの有無を検出するブレーキスイ
ッチ25の検出信号と、各車輪1〜4の回転速度を検出
する車輪速センサ26〜29の検出信号と、車体に作用
する横加速度を検出する横加速度検出手段30の検出信
号とに基づいてアンチスキッドブレーキ制御の制御信号
を生成し、この制御信号を上記第1〜第3バルブユニッ
ト20,21,23にそれぞれ出力して左右の前輪1,
2及び後輪3,4のスリップに対する制動制御を第1〜
第3バルブユニット20,21,23毎に並行して行う
ように構成されている。
【0018】すなわち、上記コントロールユニットUT
Rは、図2に示すように、上記車輪速センサ26〜29
の検出信号に応じて車両の走行速度を算出する車速算出
手段31と、各車輪1〜4のスリップ率を算出するスリ
ップ率算出手段32と、各車輪1〜4の加減速度を検出
する加減速度算出手段33と、上記ブレーキ制御システ
ム15からなる制動圧調節手段を制御する制御手段34
と、上記車速検出手段31および横加速度検出手段30
の検出信号に応じて車両がスピンしているか否かを判定
するスピン判定手段35と、車両がスピン状態にある場
合に上記制御手段34による制動圧の制御状態を変更す
る補正手段36とが設けられている。
【0019】上記車速算出手段31は、上記車輪速セン
サ26〜29の検出信号から得られる車輪速Vwに基づ
いて従来周知の方法により、疑似的な車速Vrを算出す
るように構成されている。また、上記スリップ制御装置
32は、次式に示すように車輪速Vwと、疑似車速Vr
との比からなるスリップ率Sを各車輪1〜4毎に算出す
るものである。
【0020】スリップ率(S)=(車輪速Vw/擬似車
速Vr)×100 〔%〕 また、上記加減速算出手段33は、車輪速Vwの加速度
もしくは減速度を算出するものであり、車輪速Vwの前
回値と今回値との差分をサンプリング周期Δt(例えば
7ms)で除算した値を重力加速度に換算することによ
り、車輪速Vwの加速度もしくは減速度を算出するよう
に構成されている。
【0021】また、上記制御手段34は、ブレーキペダ
ル6の踏み操作に応じた制動開始直後の車輪の減速度D
Wと、図外の閾値読出手段で読出された減速度の閾値と
を比較し、車輪1〜4の減速度DWが閾値以下に低下す
ると、増圧後の制動圧を保持させる制御信号を生成す
る。また、制動圧を増圧・保持した後の車輪1〜4のス
リップ率Sと、図外の閾値読取手段で読出されたスリッ
プ率の閾値とを比較し、車輪1〜4のスリップ率Sが上
記閾値以下に低下すると、制動圧を減圧させる制御信号
を生成する。
【0022】そして上記制御信号は、ブレーキ制御シス
テム15に入力され、このブレーキ制御システム15に
おいて、上記第1〜第3バルブユニット20,21,2
3の電磁開閉弁20a,21a,23aと、電磁リリー
フ弁20b,21b,23bとをそれぞれデューティ制
御により開閉制御し、これによりスリップ状態に応じた
制動力を前輪1,2および後輪3,4に発生させるよう
になっている。
【0023】なお、アンチスキッドブレーキ制御が行わ
れていない場合には、上記第1〜第3バルブユニット2
0,21,23には上記制動圧の制御信号が出力され
ず、上記電磁開閉弁20a,21a,23aが開状態に
保持される一方、上記電磁リリーフ弁20b,21b,
23bは閉状態に保持される。これによりブレーキペダ
ル16の踏込力に応じてマスタシリンダ18で発生した
制動圧が制動圧ライン19,22を介して左右の前輪
1,2および後輪3,4のブレーキ装置11〜14に供
給され、ブレーキペダル16の踏込力に応じた制動圧が
車輪1〜4に直接付加される。
【0024】次に、図3によって本発明に係るスリップ
制御装置の制御動作を説明する。なお、制動圧の増減制
御は、第1〜第3バルブユニット20,21,23の各
ユニットについて行われるが、ここでは左前輪1用の第
1バルブユニット20を例に説明する。
【0025】図3の時点Toでブレーキペダル16が踏
み込まれると、マスタシリンダ18で発生した制動圧が
除々に増大し、この制動力により左前輪1の車輪速Vw
は減少する。この車輪速Vwの減速度DWは上記加減速
度算出手段33により算出され、上記閾値読出手段で読
出された高μ路における減速度の閾値、例えば「−3
G」と比較される。そして、時点Taで車輪速Vwの減
速度DWが閾値上記「−3G」以下に低下すると、アン
チスキッドブレーキ制御の非制御状態であるフェーズ0
からフェーズ2の制御状態に移行し、第1サイクル目の
アンチスキッドブレーキ制御が開始される。
【0026】このようにアンチスキッドブレーキ制御の
第1サイクル目では、上記減速度DWの閾値として高μ
路の閾値が読出されるようになっている。これは、第1
サイクルにおいて路面の摩擦係数を推定することができ
ず、上記閾値として低μ路における閾値、例えば「−
1.5G」を用いると、車輪1の減速度DWがわずかに
低下した場合にも閾値以下となるという事態が生じ、こ
れによって頻繁にアンチスキッド制御が開始されること
となるからである。
【0027】そして上記アンチスキッドブレーキ制御
は、増圧後の制動圧を保持するフェーズ2から開始さ
れ、Tb時点において増圧・保持後の制動圧を減圧する
フェーズ3の制御が実行されるとともに、時点Tcにお
いて減圧後の制動圧を保持するフェーズ4が実行された
後、時点Tdにおいて第1サイクル目のアンチスキッド
ブレーキ制御が終了する。
【0028】次いで、上記時点Tdから再度制動圧を増
圧するフェーズ1の制御が実行されて第2サイクル目の
アンチスキッドブレーキ制御が開始され、以後、上記フ
ェーズ2〜フェーズ4を経て第2サイクル目が終了する
と、第3サイクル目以後のアンチスキッドブレーキ制御
が繰り返して実行されることになる。
【0029】上記フェーズ2の保持制御の実行時には、
車輪速Vwからスリップ率算出手段31によって車輪1
のスリップ率Sが算出されるとともに、図4に示すよう
に車輪速Vwに対応して設定された2種類のスリップ率
閾値のうち、小さな値に設定された第2閾値が閾値読出
手段により読出され、この第2閾値と上記スリップ率S
とが制御手段34において比較される。
【0030】例えば上記スリップ率の第2閾値として高
μ路の高速時における値70%が読出された場合、上記
スリップ率Sが70%以下に低下した時点Tbでフェー
ズ2からフェーズ3に移行し、制動圧の減圧制御が開始
される。つまり、上記第1バルブユニット20のリリー
フ弁20bが所定のデューティ率に従ってオン・オフさ
れ、これにより制動圧が所定の勾配で減少し、制動力が
徐々に低下して車輪1の回転力は回復する。
【0031】また、時点Tcで車輪1の減速度DWもし
くは加速度AWが、0になると、フェーズ3からフェー
ズ4に移行し、ブレーキ圧は減速後のレベルに保持さ
れ、このフェーズ4の間に車輪速Vwは、再び上昇す
る。そして上記フェーズ4の保持制御の実行時には、2
種類のスリップ率閾値のうち、大きな値に設定された第
1閾値が上記閾値読出手段35により読出され、この閾
値と車輪1のスリップ率Sとが制御手段36において比
較される。例えばブレーキ圧を保持状態から増圧状態に
移行させる際の判断基準となる上記第1閾値として高μ
路の高速時における値90%が読出された場合、上記ス
リップ率Sが90%以上に増大した時点Tdでフェーズ
4からフェーズ1に移行し、第2サイクル目のアンチス
キッドブレーキ制御が開始される。
【0032】次に上記スピン判定手段35および補正手
段36における制御動作について、図4に示すフローチ
ャートに基づいて説明する。すなわち、上記制御動作が
スタートすると、ステップS1において、車速Vrが予
め設定された基準車速(例えば3km/h)以下である
か否かを判定することにより、車速Vrが略0の状態に
あるか否かを確認する。上記判定の結果、車速Vrが略
0の状態にあることが確認された場合には、ステップS
2において、上記横加速度検出手段30で検出された車
体の横加速度Gが予め設定された基準加速度Gt以上で
あるか否かを判定することにより、車両が所定の旋回状
態にあるか否かを確認する。
【0033】上記ステップS2でYESと判定され、車
速Vrが略0であるにも拘らず、車体に基準加速度Gt
以上の横加速度Gが作用していることが確認された場合
には、車両がスピン状態にあると判断してステップS3
に移行し、上記補正手段36から制御手段34に前輪
1,2の制動圧を増圧するとともに、後輪3,4側の制
動圧を減圧する制御信号を出力する。すなわち、アンチ
スキッド制御時に上記制御手段34において設定された
前輪1,2に対する制動圧の減圧量を通常時よりも小さ
な値に補正することにより、前輪1,2の制動圧を増大
させるとともに、後輪3,4に対する制動圧の減圧量を
通常時よりも大きな値に補正することにより、後輪3,
4の制動圧を減少させるようにする。
【0034】また、上記ステップS1でNOと判定され
て車両が所定の走行状態にあることが確認され、あるい
はステップS2においてNOと判定され、車体が旋回し
ていないことが確認された場合には、車両がスピン状態
にあるとは考えられないため、ステップS4において通
常のアンチスキッド制御を実行する。
【0035】このようにスピン判定手段35において車
両がスピンしていることが確認された場合に、通常時よ
りも後輪3,4の制動圧を減少させるように構成したた
め、車体がその進行方向に向いた時に後輪3,4に大き
なグリップ力を生じさせてスピンを早期に終了させるこ
とができる。すなわち、後輪3,4の制動力がその理論
値よりも小さく設定されることにより、後輪3,4をそ
の進行方向に回転させる大きな力が作用しているため、
後輪3,4の向きが車両の進行方向と一致した時点で路
面が強固にグリップされ、これによって重心点を中心に
車体を回転させようとする力が打ち消されてスピンが解
消されることになる。
【0036】また、前輪1,2の制動圧を通常時よりも
増大させるように構成したため、スピン終了後に上記前
輪1,2が発揮する大きな制動力によって車両を迅速に
停止させることができ、上記後輪3,4の制動圧を通常
時よりも低減させるように構成したにも拘らず、制動距
離が長くなるのを防止することができる。
【0037】なお、上記実施例では、車体に作用する横
加速度Gに応じて車両がスピンしているか否かを判定す
るように構成しているが、車速Vrが略0であることが
確認された場合に、車両に設けたヨーレートセンサの検
出値に応じて車体の旋回状態を検出し、その検出値に応
じて車両がスピンしているか否かを判定するように構成
してもよい。
【0038】また、各車輪1〜4の制動圧の制御状態を
検出し、全ての車輪1〜4が予め設定された所定時間
(例えば0.5秒)以上に亘って減速もしくは保持状態
が継続したことが確認された場合に、車両がスピン状態
にあると判定するように構成してもよい。すなわち、ア
ンチスキッド制御状態に移行したにも拘らず、全ての車
輪1〜4の制動力が上記所定時間に亘って増圧状態に移
行しないという事態が生じるのは、スピン以外にあり得
ないことが実験によって確認されており、これによって
車両がスピン状態にあるか否かを判定することができ
る。
【0039】上記スピン判定をより確実に行ない得るよ
うにするため、図5に示すように、ステップS11にお
いて、前車輪1〜4の制動圧が減圧もしくは保持状態に
所定時間S以上に亘って維持されたか否かを判定し、こ
の判定においてYESと判定された場合に、ステップS
12において、車速Vrが予め設定された基準車速(例
えば3km/h)以下であるか否かを判定することによ
り、車速Vrが略0であるか否かを確認する。
【0040】上記判定の結果、車速Vrが略0であるこ
とが確認された場合には、ステップS13において、車
体に作用する横加速度Gが予め設定された基準加速度G
t以上であるか否かを判定する。この判定においてYE
Sと判定された場合に、ステップS14において、車体
に作用するヨーレートψが予め設定された基準レートψ
t以上であるか否かを判定し、この判定結果がYESで
ある場合に、ステップS15に移行して前輪1,2の制
動圧を増圧するとともに、後輪3,4の制動圧を減圧す
るスピン時の制御を実行する。
【0041】このように上記ステップS11〜14にお
いて、それぞれ車両がスピン状態にあることを示してい
ることが確認された場合に、上記スピン時の制御を実行
し、それ以外の場合には、ステップS16において通常
時の制御を実行するようにした構成によると、車両がス
ピン状態にあるか否かを確実に判定することができ、非
スピン時に上記ステップS15に示すスピン時の制御が
実行されるという事態の発生を確実に防止することがで
きる。
【0042】なお、上記スピン時の制御状態において、
必ずしも後輪3,4の制動圧をその理論値よりも減圧す
るように構成する必要はなく、前輪1,2の制動圧を増
圧側に補正するとともに、後輪3,4の制動圧を理論値
に設定することにより、この後輪3,4の制動圧を、前
輪1,2の制動圧よりも低い値とするように構成しても
よい。
【0043】
【発明の効果】以上説明したように、本発明は、スピン
判定手段において車両がスピンしていることが確認され
た場合に、前輪の制動圧を増圧側に補正するとともに、
後輪の制動圧を上記前輪の制動圧よりも低い値に設定す
るように構成したため、スピン終了後に上記前輪が発揮
する大きな制動力によって車両を迅速に停止させて制動
距離を短くすることができるとともに、車体がその進行
方向に向いた時に後輪によって大きなグリップ力を発揮
させてスピンを早期に終了させることができるという利
点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る車両のスリップ制御装置の全体構
成を示す概略図である。
【図2】上記スリップ制御装置の制御ユニットの構成を
示すブロック図である。
【図3】上記スリップ制御装置の制御動作を示すタイム
チャートである。
【図4】スピン判定手段および補正手段の制御動作を示
すフローチャートである。
【図5】スピン判定手段および補正手段における制御動
作の別の例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1〜4 車輪 15 ブレーキ制御システム(制動圧調節手段) 30 横加速度検出手段 32 車速検出手段 35 スピン判定手段 36 補正手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 立畑 哲也 広島県安芸郡府中町新地3番1号 マツダ 株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 制動時に車輪を適正に減速させるように
    その制動圧を調節する制動圧調節手段と、この制動圧調
    節手段に制御信号を出力する制御手段とを備えた車両の
    スリップ制御装置であって、制動時に車両がスピン状態
    にあるか否かを判定するスピン判定手段と、このスピン
    判定手段おいて車両がスピン状態にあることが確認され
    た場合に、上記制御手段で設定された前輪の制動圧を増
    圧側に補正するとともに、後輪の制動圧を上記前輪の制
    動圧よりも低い値に設定する補正手段とを設けたことを
    特徴とする車両のスリップ制御装置。
  2. 【請求項2】 車速を検出する車速検出手段の検出値が
    略0である状態で、車体が旋回状態にあることが確認さ
    れた場合に、車両がスピン状態にあると判定するように
    構成したことを特徴とする請求項1記載の車両のスリッ
    プ制御装置。
  3. 【請求項3】 制動圧調節手段によって全て車輪の制動
    圧を減圧もしくは保持する状態が予め設定された基準時
    間以上に亘って継続したことが確認された場合に、車両
    がスピン状態にあると判定するように構成したことを特
    徴とする請求項1記載の車両のスリップ制御装置。
JP17559092A 1992-07-02 1992-07-02 車両のスリップ制御装置 Pending JPH0616120A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101461184B1 (ko) * 2013-03-13 2014-11-18 진양공업주식회사 Cctv 영상을 이용한 기상 상황 정보 추출 시스템

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KR101461184B1 (ko) * 2013-03-13 2014-11-18 진양공업주식회사 Cctv 영상을 이용한 기상 상황 정보 추출 시스템

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