JPH06329009A - 車両のスリップ制御装置 - Google Patents
車両のスリップ制御装置Info
- Publication number
- JPH06329009A JPH06329009A JP11838093A JP11838093A JPH06329009A JP H06329009 A JPH06329009 A JP H06329009A JP 11838093 A JP11838093 A JP 11838093A JP 11838093 A JP11838093 A JP 11838093A JP H06329009 A JPH06329009 A JP H06329009A
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- Japan
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- wheel
- speed
- pseudo vehicle
- vehicle body
- slip
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 左車輪側の疑似車体速と右車輪側の疑似車体
速とを別々に算出するに当たり、4車輪の車輪速を有効
に利用して疑似車体速の設定ひいてはスリップ制御を適
切に行う。 【構成】 4車輪の車輪速を各々検出する四つの車輪速
検出手段と、前後二つの左車輪の車輪速のうち、大きい
方を基に第1の疑似車体速VR1を算出する算出手段42
と、前後二つの右車輪の車輪速のうち、大きい方を基に
第2の疑似車体速VR2を算出する算出手段43と、4車
輪の車輪速のうち、最高の車輪速を基に第3の疑似車体
速VR3を算出する算出手段44と、第1〜第3の疑似車
体速を用いて各車輪のスリップ状態を判定する判定手段
とを設ける。判定手段は、第3の疑似車体速から旋回走
行時で発生する内外輪差に対応する補正値kを減算した
値と、第1の疑似車体速のうち大きい方を左車輪側の疑
似車体速とし、また補正値kを第3の疑似車体速から減
算した値と第2の疑似車体速のうち大きい方を右車輪側
の疑似車体速とする。
速とを別々に算出するに当たり、4車輪の車輪速を有効
に利用して疑似車体速の設定ひいてはスリップ制御を適
切に行う。 【構成】 4車輪の車輪速を各々検出する四つの車輪速
検出手段と、前後二つの左車輪の車輪速のうち、大きい
方を基に第1の疑似車体速VR1を算出する算出手段42
と、前後二つの右車輪の車輪速のうち、大きい方を基に
第2の疑似車体速VR2を算出する算出手段43と、4車
輪の車輪速のうち、最高の車輪速を基に第3の疑似車体
速VR3を算出する算出手段44と、第1〜第3の疑似車
体速を用いて各車輪のスリップ状態を判定する判定手段
とを設ける。判定手段は、第3の疑似車体速から旋回走
行時で発生する内外輪差に対応する補正値kを減算した
値と、第1の疑似車体速のうち大きい方を左車輪側の疑
似車体速とし、また補正値kを第3の疑似車体速から減
算した値と第2の疑似車体速のうち大きい方を右車輪側
の疑似車体速とする。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、車両の車輪が路面に対
しスリップした時そのスリップを減ずる動作を行うスリ
ップ制御装置に関し、特に、スリップの判定に用いる疑
似車体速の設定に係わるものである。
しスリップした時そのスリップを減ずる動作を行うスリ
ップ制御装置に関し、特に、スリップの判定に用いる疑
似車体速の設定に係わるものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、車両のスリップ制御装置とし
ては、例えば特開昭62−146757号公報に開示さ
れるように、各車輪の車輪速(回転速度)を検出する複
数の車輪速検出手段と、該検出手段で検出された車輪速
に基づいて車体速(単に「車速」ともいう)を模して疑
似車体速を算出する疑似車体速設定手段と、該設定手段
で設定された疑似車体速に対し車輪速が所定のスリップ
関係(車輪ロックの状態)になったとき、その車輪のブ
レーキ圧を減ずるブレーキ圧制御部とを備え、車両の制
動時に車輪のロックないしスキッド状態の発生を防止し
て制動距離を可及的に短くするようにしたアンチスキッ
ドブレーキ装置(ABS)が一般によく知られている。
ては、例えば特開昭62−146757号公報に開示さ
れるように、各車輪の車輪速(回転速度)を検出する複
数の車輪速検出手段と、該検出手段で検出された車輪速
に基づいて車体速(単に「車速」ともいう)を模して疑
似車体速を算出する疑似車体速設定手段と、該設定手段
で設定された疑似車体速に対し車輪速が所定のスリップ
関係(車輪ロックの状態)になったとき、その車輪のブ
レーキ圧を減ずるブレーキ圧制御部とを備え、車両の制
動時に車輪のロックないしスキッド状態の発生を防止し
て制動距離を可及的に短くするようにしたアンチスキッ
ドブレーキ装置(ABS)が一般によく知られている。
【0003】そして、上記疑似車体速設定手段における
疑似車体速の設定は、通常、4輪の車輪速の中から、最
も高い車輪速を基に疑似車体速を算出している。また、
車両の旋回走行時には旋回外輪側と旋回内輪側とで車輪
速が異なることなどから、前後二つの左車輪の車輪速の
うち、大きい方を左車輪側の疑似車体速とするととも
に、前後二つの右車輪の車輪速のうち、大きい方を右車
輪側の疑似車体速とし、この二つの疑似車体速を用いて
車輪のスリップ状態を判定するものも従来より知られて
いる。
疑似車体速の設定は、通常、4輪の車輪速の中から、最
も高い車輪速を基に疑似車体速を算出している。また、
車両の旋回走行時には旋回外輪側と旋回内輪側とで車輪
速が異なることなどから、前後二つの左車輪の車輪速の
うち、大きい方を左車輪側の疑似車体速とするととも
に、前後二つの右車輪の車輪速のうち、大きい方を右車
輪側の疑似車体速とし、この二つの疑似車体速を用いて
車輪のスリップ状態を判定するものも従来より知られて
いる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、道路の片側
のみが凍結したいわゆるスプリット路上を走行中に制動
するときなどにはその凍結した側の前後二つの車輪が共
にロックを起こし、路面に対しスリップを生じることが
ある。この場合、上述の如く左右の車輪で別々に疑似車
体速を算出するものでは、ロックを生じた車輪側の疑似
車体速は零となるので、車輪のスリップ状態の判定がで
きなくなるという問題がある。
のみが凍結したいわゆるスプリット路上を走行中に制動
するときなどにはその凍結した側の前後二つの車輪が共
にロックを起こし、路面に対しスリップを生じることが
ある。この場合、上述の如く左右の車輪で別々に疑似車
体速を算出するものでは、ロックを生じた車輪側の疑似
車体速は零となるので、車輪のスリップ状態の判定がで
きなくなるという問題がある。
【0005】そこで、このような問題を解決するため
に、ロックを生じる前の疑似車体速の変化状態からロッ
クを生じた後の疑似車体速を推定することが考えられ
る。しかし、この推定による疑似車体速は、実際の車体
速との間に誤差を生じ易くなる。
に、ロックを生じる前の疑似車体速の変化状態からロッ
クを生じた後の疑似車体速を推定することが考えられ
る。しかし、この推定による疑似車体速は、実際の車体
速との間に誤差を生じ易くなる。
【0006】本発明はかかる諸点に鑑みてなされたもの
であり、その目的とするところは、左車輪側の疑似車体
速と右車輪側の疑似車体速とを別々に算出するに当た
り、4車輪の車輪速を有効に利用することにより、疑似
車体速の設定ひいてはスリップ制御を適切に行い得る車
両のスリップ制御装置を提供せんとするものである。
であり、その目的とするところは、左車輪側の疑似車体
速と右車輪側の疑似車体速とを別々に算出するに当た
り、4車輪の車輪速を有効に利用することにより、疑似
車体速の設定ひいてはスリップ制御を適切に行い得る車
両のスリップ制御装置を提供せんとするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1記載の発明は、車輪速を基に車体速を模し
て算出した疑似車体速に対し車輪速が所定のスリップ状
態になったとき、該車輪のスリップを減ずる動作を行う
車両のスリップ制御装置において、4車輪の車輪速をそ
れぞれ検出する四つの車輪速検出手段と、前後二つの左
車輪の車輪速のうち、大きい方の車輪速を基に第1の疑
似車体速を算出する第1疑似車体速算出手段と、前後二
つの右車輪の車輪速のうち、大きい方の車輪速を基に第
2の疑似車体速を算出する第2疑似車体速算出手段と、
4車輪の車輪速のうち、最高の車輪速を基に第3の疑似
車体速を算出する第3疑似車体速算出手段と、上記第1
〜第3の疑似車体速を用いて各車輪のスリップ状態を判
定するスリップ判定手段とを備える構成とする。
め、請求項1記載の発明は、車輪速を基に車体速を模し
て算出した疑似車体速に対し車輪速が所定のスリップ状
態になったとき、該車輪のスリップを減ずる動作を行う
車両のスリップ制御装置において、4車輪の車輪速をそ
れぞれ検出する四つの車輪速検出手段と、前後二つの左
車輪の車輪速のうち、大きい方の車輪速を基に第1の疑
似車体速を算出する第1疑似車体速算出手段と、前後二
つの右車輪の車輪速のうち、大きい方の車輪速を基に第
2の疑似車体速を算出する第2疑似車体速算出手段と、
4車輪の車輪速のうち、最高の車輪速を基に第3の疑似
車体速を算出する第3疑似車体速算出手段と、上記第1
〜第3の疑似車体速を用いて各車輪のスリップ状態を判
定するスリップ判定手段とを備える構成とする。
【0008】請求項2記載の発明は、請求項1記載の発
明に従属し、その一つの構成要素であるスリップ判定手
段によるスリップ判定の一つの具体例を示すものであ
る。すなわち、上記スリップ判定手段は、第3の疑似車
体速から旋回走行時で発生する内外輪差に対応する補正
値を減算した値と、第1の疑似車体速のうち大きい方を
左車輪側の疑似車体速とし、該疑似車体速を基に左車輪
のスリップ状態を判定し、また上記補正値を第3の疑似
車体速から減算した値と第2の疑似車体速のうち大きい
方を右車輪側の疑似車体速とし、該疑似車体速を基に右
車輪のスリップ状態を判定するものである。
明に従属し、その一つの構成要素であるスリップ判定手
段によるスリップ判定の一つの具体例を示すものであ
る。すなわち、上記スリップ判定手段は、第3の疑似車
体速から旋回走行時で発生する内外輪差に対応する補正
値を減算した値と、第1の疑似車体速のうち大きい方を
左車輪側の疑似車体速とし、該疑似車体速を基に左車輪
のスリップ状態を判定し、また上記補正値を第3の疑似
車体速から減算した値と第2の疑似車体速のうち大きい
方を右車輪側の疑似車体速とし、該疑似車体速を基に右
車輪のスリップ状態を判定するものである。
【0009】請求項3記載の発明では、上記補正値は、
ステアリングハンドルを左右いずれか一方に最大限に操
舵しつつ横加速度が1重力加速度発生するよう旋回走行
するとき実際に発生する内外輪差を基に算出される値と
する。
ステアリングハンドルを左右いずれか一方に最大限に操
舵しつつ横加速度が1重力加速度発生するよう旋回走行
するとき実際に発生する内外輪差を基に算出される値と
する。
【0010】また、請求項4記載の発明は、請求項1記
載の発明に従属し、その一つの構成要素であるスリップ
判定手段によるスリップ判定の別の具体例を示すもので
ある。すなわち、上記スリップ判定手段は、第1の疑似
車体速と第2の疑似車体速とが所定値以上異なり、かつ
その状態が所定時間継続したときは車両の旋回走行時と
判定し、この判定結果をも考慮して車両の各車輪のスリ
ップ状態を判定するものである。
載の発明に従属し、その一つの構成要素であるスリップ
判定手段によるスリップ判定の別の具体例を示すもので
ある。すなわち、上記スリップ判定手段は、第1の疑似
車体速と第2の疑似車体速とが所定値以上異なり、かつ
その状態が所定時間継続したときは車両の旋回走行時と
判定し、この判定結果をも考慮して車両の各車輪のスリ
ップ状態を判定するものである。
【0011】
【作用】上記の構成により、請求項1記載の発明では、
通常の走行時には、第1疑似車体速算出手段において、
前後二つの左車輪の車輪速のうち、大きい方の車輪速を
基に第1の疑似車体速を算出するとともに、第2疑似車
体速算出手段において、前後二つの右車輪の車輪速のう
ち、大きい方の車輪速を基に第2の疑似車体速を算出す
る。そして、スリップ判定手段において、上記第1の疑
似車体速を左車輪側の疑似車体速とし、この疑似車体速
を基に前後二つの左車輪のスリップ状態をそれぞれ判定
するとともに、上記第2の疑似車体速を右車輪側の疑似
車体速とし、この疑似車体速を基に前後二つの右車輪の
スリップ状態をそれぞれ判定する。一方、制動時に前後
二つの左車輪または右車輪が共にロックを起こし路面に
対しスリップを生じたとき、スリップ判定手段において
は、その車輪ロック側の疑似車体速として、第3疑似車
体速算出手段で4車輪の車輪速のうち、最高の車輪速
(この時は非車輪ロック側の車輪速)を基に算出される
第3の疑似車体速を車輪ロック側の疑似車体速とし、こ
の疑似車体速を基に車輪ロック側の前後二つの車輪のス
リップ状態をそれぞれ判定する。
通常の走行時には、第1疑似車体速算出手段において、
前後二つの左車輪の車輪速のうち、大きい方の車輪速を
基に第1の疑似車体速を算出するとともに、第2疑似車
体速算出手段において、前後二つの右車輪の車輪速のう
ち、大きい方の車輪速を基に第2の疑似車体速を算出す
る。そして、スリップ判定手段において、上記第1の疑
似車体速を左車輪側の疑似車体速とし、この疑似車体速
を基に前後二つの左車輪のスリップ状態をそれぞれ判定
するとともに、上記第2の疑似車体速を右車輪側の疑似
車体速とし、この疑似車体速を基に前後二つの右車輪の
スリップ状態をそれぞれ判定する。一方、制動時に前後
二つの左車輪または右車輪が共にロックを起こし路面に
対しスリップを生じたとき、スリップ判定手段において
は、その車輪ロック側の疑似車体速として、第3疑似車
体速算出手段で4車輪の車輪速のうち、最高の車輪速
(この時は非車輪ロック側の車輪速)を基に算出される
第3の疑似車体速を車輪ロック側の疑似車体速とし、こ
の疑似車体速を基に車輪ロック側の前後二つの車輪のス
リップ状態をそれぞれ判定する。
【0012】ここで、請求項2記載の発明の如く、上記
スリップ判定手段において、第3の疑似車体速から旋回
走行時で発生する内外輪差に対応する補正値を減算した
値と、第1又は第2の疑似車体速のうち大きい方を左車
輪側又は右車輪側の疑似車体速とする場合、通常の走行
時に実際の左車輪側又は右車輪側の車輪速を基にその車
輪側の疑似車体速を算出しつつ、前後二つの左車輪又は
右車輪が共にロックしたとき、最大の車輪速を基に算出
した第3の疑似車体速から旋回走行時で発生する内外輪
差に対応する補正値を減算することにより、ロック側の
車輪が旋回内輪であってもその車輪側の疑似車体速が実
際よりも大きく設定されることはなく、ブレーキ装置の
制動性が良好に維持される。
スリップ判定手段において、第3の疑似車体速から旋回
走行時で発生する内外輪差に対応する補正値を減算した
値と、第1又は第2の疑似車体速のうち大きい方を左車
輪側又は右車輪側の疑似車体速とする場合、通常の走行
時に実際の左車輪側又は右車輪側の車輪速を基にその車
輪側の疑似車体速を算出しつつ、前後二つの左車輪又は
右車輪が共にロックしたとき、最大の車輪速を基に算出
した第3の疑似車体速から旋回走行時で発生する内外輪
差に対応する補正値を減算することにより、ロック側の
車輪が旋回内輪であってもその車輪側の疑似車体速が実
際よりも大きく設定されることはなく、ブレーキ装置の
制動性が良好に維持される。
【0013】また、請求項4記載の発明では、上記スリ
ップ判定手段は、左車輪側の疑似車体速である第1の疑
似車体速と右車輪側の疑似車体速である第2の疑似車体
速との比較から車両の旋回走行時を判定する機能を有し
ており、舵角センサを要することなくスリップ制御を適
切に行うことができる。
ップ判定手段は、左車輪側の疑似車体速である第1の疑
似車体速と右車輪側の疑似車体速である第2の疑似車体
速との比較から車両の旋回走行時を判定する機能を有し
ており、舵角センサを要することなくスリップ制御を適
切に行うことができる。
【0014】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。
する。
【0015】図1は本発明の一実施例に係わるスリップ
制御装置を備える車両の制動系の全体構成を示す。この
車両は、左右の前輪1,2が従動輪、左右の後輪3,4
が駆動輪とされ、エンジン5の出力トルクが自動変速機
6からプロペラシャフト7、差動装置8及び左右の駆動
軸9,10を介して左右の後輪3,4に伝達されるよう
になっている。
制御装置を備える車両の制動系の全体構成を示す。この
車両は、左右の前輪1,2が従動輪、左右の後輪3,4
が駆動輪とされ、エンジン5の出力トルクが自動変速機
6からプロペラシャフト7、差動装置8及び左右の駆動
軸9,10を介して左右の後輪3,4に伝達されるよう
になっている。
【0016】上記各車輪1〜4には、これらの車輪1〜
4と一体的に回転するディスク11a〜14aと、制動
圧の供給を受けて、これらのディスク11a〜14aの
回転を制動するキャリパ11b〜14bなどで構成され
るブレーキ装置11〜14がそれぞれ設けられていると
ともに、これらのブレーキ装置11〜14を作動制御す
るブレーキ制御装置15が車両に装備されている。
4と一体的に回転するディスク11a〜14aと、制動
圧の供給を受けて、これらのディスク11a〜14aの
回転を制動するキャリパ11b〜14bなどで構成され
るブレーキ装置11〜14がそれぞれ設けられていると
ともに、これらのブレーキ装置11〜14を作動制御す
るブレーキ制御装置15が車両に装備されている。
【0017】上記ブレーキ制御装置15は、運転者によ
るブレーキペダル16の踏込力を増大させる倍力装置1
7と、該倍力装置17によって増大された踏込力に応じ
た制動圧を発生させるマスターシリンダ18とを備えて
いる。該マスターシリンダ18の圧力室18aから導か
れた前輪用制動圧供給ライン19は、左前輪用制動圧供
給ライン19aと右前輪用制動圧供給ライン19bとに
分岐され、左前輪用制動圧供給ライン19aは左前輪1
におけるブレーキ装置11のキャリパ11bに、右前輪
用制動圧供給ライン19bは右前輪2におけるブレーキ
装置12のキャリパ12bにそれぞれ接続されている。
上記左前輪用制動圧供給ライン19aには、電磁式の開
閉弁20aと電磁式のリリーフ弁20bとからなる第1
のバルブユニット20が設けられ、右前輪用制動圧供給
ライン19bにも、上記第1のバルブユニット20と同
様に、電磁式の開閉弁21aと電磁式のリリーフ弁21
bとからなる第2のバルブユニット21が設けられてい
る。
るブレーキペダル16の踏込力を増大させる倍力装置1
7と、該倍力装置17によって増大された踏込力に応じ
た制動圧を発生させるマスターシリンダ18とを備えて
いる。該マスターシリンダ18の圧力室18aから導か
れた前輪用制動圧供給ライン19は、左前輪用制動圧供
給ライン19aと右前輪用制動圧供給ライン19bとに
分岐され、左前輪用制動圧供給ライン19aは左前輪1
におけるブレーキ装置11のキャリパ11bに、右前輪
用制動圧供給ライン19bは右前輪2におけるブレーキ
装置12のキャリパ12bにそれぞれ接続されている。
上記左前輪用制動圧供給ライン19aには、電磁式の開
閉弁20aと電磁式のリリーフ弁20bとからなる第1
のバルブユニット20が設けられ、右前輪用制動圧供給
ライン19bにも、上記第1のバルブユニット20と同
様に、電磁式の開閉弁21aと電磁式のリリーフ弁21
bとからなる第2のバルブユニット21が設けられてい
る。
【0018】また、上記マスターシリンダ18の圧力室
18aから導かれた後輪用制動圧供給ライン22には、
上記第1及び第2のバルブユニット20,21と同様
に、電磁式の開閉弁23aと電磁式のリリーフ弁23b
とからなる第3のバルブユニット23が設けられてい
る。そして、この後輪用制動圧供給ライン22は、上記
第3のバルブユニット23の下流側で左後輪用制動圧供
給ライン22aと右後輪用制動圧供給ライン22bとに
分岐され、左後輪用制動圧供給ライン22aは左後輪3
におけるブレーキ装置13のキャリパ13bに、右後輪
用制動圧供給ライン22bは右後輪4におけるブレーキ
装置14のキャリパ14bにそれぞれ接続されている。
すなわち、本実施例におけるブレーキ制御装置15は、
上記第1のバルブユニット20の作動によって左前輪1
におけるブレーキ装置11の制動圧を可変制御する第1
チャンネルと、第2のバルブユニット21の作動によっ
て右前輪2におけるブレーキ装置12の制動圧を可変制
御する第2チャンネルと、第3のバルブユニット23の
作動によって左右の後輪3,4における両ブレーキ装置
13,14の制動圧を可変制御する第3チャンネルとが
設けられ、これら第1〜第3チャンネルが互いに独立し
て制御されるようになっている。
18aから導かれた後輪用制動圧供給ライン22には、
上記第1及び第2のバルブユニット20,21と同様
に、電磁式の開閉弁23aと電磁式のリリーフ弁23b
とからなる第3のバルブユニット23が設けられてい
る。そして、この後輪用制動圧供給ライン22は、上記
第3のバルブユニット23の下流側で左後輪用制動圧供
給ライン22aと右後輪用制動圧供給ライン22bとに
分岐され、左後輪用制動圧供給ライン22aは左後輪3
におけるブレーキ装置13のキャリパ13bに、右後輪
用制動圧供給ライン22bは右後輪4におけるブレーキ
装置14のキャリパ14bにそれぞれ接続されている。
すなわち、本実施例におけるブレーキ制御装置15は、
上記第1のバルブユニット20の作動によって左前輪1
におけるブレーキ装置11の制動圧を可変制御する第1
チャンネルと、第2のバルブユニット21の作動によっ
て右前輪2におけるブレーキ装置12の制動圧を可変制
御する第2チャンネルと、第3のバルブユニット23の
作動によって左右の後輪3,4における両ブレーキ装置
13,14の制動圧を可変制御する第3チャンネルとが
設けられ、これら第1〜第3チャンネルが互いに独立し
て制御されるようになっている。
【0019】さらに、30はブレーキペダル16のON
/OFFを検出するブレーキスイッチ、32,33,3
4及び35は各車輪1〜4の回転速度つまり車輪速をそ
れぞれ検出する四つの車輪速検出手段としての車輪速セ
ンサであり、これらセンサ・スイッチ類の検出信号は、
いずれも上記第1〜第3チャンネルを制御するコントロ
ールユニット41に入力される。
/OFFを検出するブレーキスイッチ、32,33,3
4及び35は各車輪1〜4の回転速度つまり車輪速をそ
れぞれ検出する四つの車輪速検出手段としての車輪速セ
ンサであり、これらセンサ・スイッチ類の検出信号は、
いずれも上記第1〜第3チャンネルを制御するコントロ
ールユニット41に入力される。
【0020】上記コントロールユニット41は、上記検
出信号に応じた制動圧制御信号を第1〜第3のバルブユ
ニット20,21,23にそれぞれ出力することによ
り、左右の前輪1,2及び後輪3,4のスリップに対す
る制動制御、すなわちABS制御を第1〜第3チャンネ
ルごとに並行して行うようになっている。すなわち、コ
ントロールユニット41は、上記各車輪速センサ32〜
35からの車輪速信号が示す車輪速に基づいて上記第1
〜第3バルブユニット20,21,23における開閉弁
20a,21a,23aとリリーフ弁20b,21b,
23bとをそれぞれデューティ制御によって開閉制御す
ることにより、スリップの状態に応じた制動圧で前輪
1,2及び後輪3,4に制動力を付与するようになって
いる。尚、第1〜第3のバルブユニット20,21,2
3における各リリーフ弁20b,21b,23bから排
出されたブレーキオイルは、図示しないドレンラインを
介して上記マスターシリンダ18のリザーバタンク18
bに戻される。
出信号に応じた制動圧制御信号を第1〜第3のバルブユ
ニット20,21,23にそれぞれ出力することによ
り、左右の前輪1,2及び後輪3,4のスリップに対す
る制動制御、すなわちABS制御を第1〜第3チャンネ
ルごとに並行して行うようになっている。すなわち、コ
ントロールユニット41は、上記各車輪速センサ32〜
35からの車輪速信号が示す車輪速に基づいて上記第1
〜第3バルブユニット20,21,23における開閉弁
20a,21a,23aとリリーフ弁20b,21b,
23bとをそれぞれデューティ制御によって開閉制御す
ることにより、スリップの状態に応じた制動圧で前輪
1,2及び後輪3,4に制動力を付与するようになって
いる。尚、第1〜第3のバルブユニット20,21,2
3における各リリーフ弁20b,21b,23bから排
出されたブレーキオイルは、図示しないドレンラインを
介して上記マスターシリンダ18のリザーバタンク18
bに戻される。
【0021】そして、ABS非制御状態においては、上
記コントロールユニット41からは制動圧制御信号が出
力されず、したがって図示のように第1〜第3のバルブ
ユニット20,21,23におけるリリーフ弁20b,
21b,23bがそれぞれ閉保持されるとともに、各バ
ルブユニット20,21,23の開閉弁20a,21
a,23aがそれぞれ開保持される。これにより、ブレ
ーキペダル16の踏込力に応じてマスターシリンダ18
で発生した制動圧が、前輪用制動圧供給ライン19及び
後輪用制動圧供給ライン22を介して左右の前輪1,2
及び後輪3,4におけるブレーキ装置11〜14に対し
て供給され、これらの制動圧に応じた制動力が前輪1,
2及び後輪3,4に対してダイレクトに付与されること
になる。
記コントロールユニット41からは制動圧制御信号が出
力されず、したがって図示のように第1〜第3のバルブ
ユニット20,21,23におけるリリーフ弁20b,
21b,23bがそれぞれ閉保持されるとともに、各バ
ルブユニット20,21,23の開閉弁20a,21
a,23aがそれぞれ開保持される。これにより、ブレ
ーキペダル16の踏込力に応じてマスターシリンダ18
で発生した制動圧が、前輪用制動圧供給ライン19及び
後輪用制動圧供給ライン22を介して左右の前輪1,2
及び後輪3,4におけるブレーキ装置11〜14に対し
て供給され、これらの制動圧に応じた制動力が前輪1,
2及び後輪3,4に対してダイレクトに付与されること
になる。
【0022】次に、上記コントロールユニット41が行
うABS制御の概略を説明する。
うABS制御の概略を説明する。
【0023】すなわち、コントロールユニット41は、
車輪速センサ32〜35からの信号が示す車輪速に基づ
いて各車輪ごとの加速度及び減速度をそれぞれ算出す
る。ここで、加速度ないし減速度の算出方法を説明する
と、コントロールユニット41は、車輪速の前回値に対
する今回値の差分をサンプリング周期Δt(例えば7m
s)で除算した上で、その結果を重力加速度に換算した
値を今回の加速度ないし減速度として更新する。
車輪速センサ32〜35からの信号が示す車輪速に基づ
いて各車輪ごとの加速度及び減速度をそれぞれ算出す
る。ここで、加速度ないし減速度の算出方法を説明する
と、コントロールユニット41は、車輪速の前回値に対
する今回値の差分をサンプリング周期Δt(例えば7m
s)で除算した上で、その結果を重力加速度に換算した
値を今回の加速度ないし減速度として更新する。
【0024】また、コントロールユニット41は所定の
悪路判定処理を実行して、走行路面が悪路か否かを判定
する。この悪路判定処理は、例えば次のように実行され
る。つまり、コントロールユニット41は、例えば後輪
3,4の減速度ないし加速度が一定時間内に所定の上限
値若しくは下限値を超えた回数が設定値以内ならば悪路
フラグFAKURO を0に維持すると共に、加速度及び減速
度を示す値が、一定時間内に上記上限値及び下限値を超
えた回数が設定値以上ならば走行路面が悪路であると判
定して悪路フラグFAKURO を1にセットする。
悪路判定処理を実行して、走行路面が悪路か否かを判定
する。この悪路判定処理は、例えば次のように実行され
る。つまり、コントロールユニット41は、例えば後輪
3,4の減速度ないし加速度が一定時間内に所定の上限
値若しくは下限値を超えた回数が設定値以内ならば悪路
フラグFAKURO を0に維持すると共に、加速度及び減速
度を示す値が、一定時間内に上記上限値及び下限値を超
えた回数が設定値以上ならば走行路面が悪路であると判
定して悪路フラグFAKURO を1にセットする。
【0025】そして、コントロールユニット41は、上
記第3チャンネル用の車輪速及び加減速度を代表させる
後輪3,4を選択する。本実施例では、後輪3,4の車
輪速センサ34,35で検出された両車輪速のうちの大
きい方の車輪速が後輪車輪速として選択され、また該車
輪速から求めた加速度及び減速度が後輪加速度及び後輪
減速度として選択される。
記第3チャンネル用の車輪速及び加減速度を代表させる
後輪3,4を選択する。本実施例では、後輪3,4の車
輪速センサ34,35で検出された両車輪速のうちの大
きい方の車輪速が後輪車輪速として選択され、また該車
輪速から求めた加速度及び減速度が後輪加速度及び後輪
減速度として選択される。
【0026】さらに、コントロールユニット41は、上
記各チャンネルごとの路面摩擦係数μを推定するととも
に、それと平行して車両の疑似車体速を左車輪側と右車
輪側とで別々に算出する。
記各チャンネルごとの路面摩擦係数μを推定するととも
に、それと平行して車両の疑似車体速を左車輪側と右車
輪側とで別々に算出する。
【0027】コントロールユニット41は、上記車輪速
センサ32の信号が示す左前輪1の車輪速WLFと左車輪
側の疑似車体速VRLとから第1チャンネルについてのス
リップ率を、上記車輪速センサ33の信号が示す右前輪
2の車輪速WRFと右車輪側の疑似車体速VRRとから第2
チャンネルについてのスリップ率を、上記車輪速センサ
34,35の信号から求めた後輪車輪速と左車輪側の疑
似車体速WLF及び右車輪側の疑似車体速WRRのいずれか
大きい方とから第3チャンネルについてのスリップ率を
それぞれ算出する。よって、コントロールユニット41
は、各車輪1〜4のスリップ状態を判定するスリップ判
定手段としての機能を有する。
センサ32の信号が示す左前輪1の車輪速WLFと左車輪
側の疑似車体速VRLとから第1チャンネルについてのス
リップ率を、上記車輪速センサ33の信号が示す右前輪
2の車輪速WRFと右車輪側の疑似車体速VRRとから第2
チャンネルについてのスリップ率を、上記車輪速センサ
34,35の信号から求めた後輪車輪速と左車輪側の疑
似車体速WLF及び右車輪側の疑似車体速WRRのいずれか
大きい方とから第3チャンネルについてのスリップ率を
それぞれ算出する。よって、コントロールユニット41
は、各車輪1〜4のスリップ状態を判定するスリップ判
定手段としての機能を有する。
【0028】上記スリップ率は、下記の関係式、 スリップ率=車輪速/疑似車体速×100 (%) により算出される。つまり、疑似車体速に対する車輪速
の偏差が大きくなる程スリップ率が小さくなり、車輪の
スリップ傾向が大きくなる。
の偏差が大きくなる程スリップ率が小さくなり、車輪の
スリップ傾向が大きくなる。
【0029】続いて、コントロールユニット41は上記
第1〜第3チャンネルの制御に用いる各種の制御しきい
値をそれぞれ設定するとともに、これらの制御しきい値
を用いて各チャンネルごとのロック判定処理と、上記第
1〜第3バルブユニット20,21,23に対する制御
量を規定するためのフェーズ決定処理と、カスケード判
定処理とを行うようになっている。
第1〜第3チャンネルの制御に用いる各種の制御しきい
値をそれぞれ設定するとともに、これらの制御しきい値
を用いて各チャンネルごとのロック判定処理と、上記第
1〜第3バルブユニット20,21,23に対する制御
量を規定するためのフェーズ決定処理と、カスケード判
定処理とを行うようになっている。
【0030】ここで、上記ロック判定処理について説明
すると、概略次のようなものとなる。例えば左前輪用の
第1チャンネルに対するロック判定処理においては、コ
ントロールユニット41は、先ず第1チャンネル用の継
続フラグFCON1の今回値を前回値としてセットした上
で、次に疑似車体速VRLと車輪速WLFとが所定の条件
(例えば、VRL<5Km/h,WLF<7.5Km/h)を満足す
るか否かを判定し、これらの条件を満足するときに継続
フラグFCON1及びロックフラグFLOCK1 をそれぞれ0に
リセットする一方、満足していなければロックフラグF
LOCK1 が1にセットされているか否かを判定する。ロッ
クフラグFLOCK1 が1にセットされていなければ、所定
の条件のとき(例えば疑似車体速VRLが車輪速WLFより
大きいとき)にロックフラグFLOCK1 に1をセットす
る。
すると、概略次のようなものとなる。例えば左前輪用の
第1チャンネルに対するロック判定処理においては、コ
ントロールユニット41は、先ず第1チャンネル用の継
続フラグFCON1の今回値を前回値としてセットした上
で、次に疑似車体速VRLと車輪速WLFとが所定の条件
(例えば、VRL<5Km/h,WLF<7.5Km/h)を満足す
るか否かを判定し、これらの条件を満足するときに継続
フラグFCON1及びロックフラグFLOCK1 をそれぞれ0に
リセットする一方、満足していなければロックフラグF
LOCK1 が1にセットされているか否かを判定する。ロッ
クフラグFLOCK1 が1にセットされていなければ、所定
の条件のとき(例えば疑似車体速VRLが車輪速WLFより
大きいとき)にロックフラグFLOCK1 に1をセットす
る。
【0031】一方、コントロールユニット41は、ロッ
クフラグFLOCK1 が1にセットされていると判定したと
きには、例えば第1チャンネルのフェーズ値P1 がフェ
ーズVを示す5にセットされ、かつスリップ率S1 が9
0%より大きいときに継続フラグFCON1に1をセットす
る。
クフラグFLOCK1 が1にセットされていると判定したと
きには、例えば第1チャンネルのフェーズ値P1 がフェ
ーズVを示す5にセットされ、かつスリップ率S1 が9
0%より大きいときに継続フラグFCON1に1をセットす
る。
【0032】尚、第2及び第3チャンネルに対しても、
上記第1チャンネルに対する場合と同様にロック判定処
理が行われる。
上記第1チャンネルに対する場合と同様にロック判定処
理が行われる。
【0033】また、上記フェーズ決定処理の概略を説明
すると、コントロールユニット41は、車両の運転状態
に応じて設定した各々の制御しきい値と、車輪加減速度
及びスリップ率との比較によって、ABS非制御状態を
示すフェーズ0、ABS制御時における増圧状態を示す
フェーズI、増圧後の保持状態を示すフェーズII、減圧
状態を示すフェーズIII 、急減圧状態を示すフェーズIV
及び減圧後の保持状態を示すフェーズVを選択するよう
になっている。
すると、コントロールユニット41は、車両の運転状態
に応じて設定した各々の制御しきい値と、車輪加減速度
及びスリップ率との比較によって、ABS非制御状態を
示すフェーズ0、ABS制御時における増圧状態を示す
フェーズI、増圧後の保持状態を示すフェーズII、減圧
状態を示すフェーズIII 、急減圧状態を示すフェーズIV
及び減圧後の保持状態を示すフェーズVを選択するよう
になっている。
【0034】さらに、上記カスケード判定処理は、特に
アイスバーンのような路面摩擦係数μの低い低μ路にお
いては、小さな制動圧でも車輪がロックし易いことか
ら、車輪のロック状態が短時間に連続して発生するカス
ケードロック状態を判定するものであり、カスケードロ
ックの生じ易い所定の条件を満たしたときにカスケード
フラグFCAS を1にセットするようになっている。
アイスバーンのような路面摩擦係数μの低い低μ路にお
いては、小さな制動圧でも車輪がロックし易いことか
ら、車輪のロック状態が短時間に連続して発生するカス
ケードロック状態を判定するものであり、カスケードロ
ックの生じ易い所定の条件を満たしたときにカスケード
フラグFCAS を1にセットするようになっている。
【0035】そして、コントロールユニット41は、各
チャンネルごとに設定されたフェーズ値に応じた制御量
を設定した上で、その制御量に従った制動圧制御信号を
第1〜第3のバルブユニット20,21,23に対して
それぞれ出力する。これにより、第1〜第3のバルブユ
ニット20,21,23の下流側における前輪用制動圧
供給ライン19a,19b及び後輪用制動圧供給ライン
22a,22bの制動圧が、増圧あるいは減圧したり、
その増圧若しくは減圧後の圧力レベルに保持されたりす
る。
チャンネルごとに設定されたフェーズ値に応じた制御量
を設定した上で、その制御量に従った制動圧制御信号を
第1〜第3のバルブユニット20,21,23に対して
それぞれ出力する。これにより、第1〜第3のバルブユ
ニット20,21,23の下流側における前輪用制動圧
供給ライン19a,19b及び後輪用制動圧供給ライン
22a,22bの制動圧が、増圧あるいは減圧したり、
その増圧若しくは減圧後の圧力レベルに保持されたりす
る。
【0036】上記路面摩擦係数μの推定処理は、例えば
第1チャンネルについては図2のフローチャートに従っ
て次のように行われる。
第1チャンネルについては図2のフローチャートに従っ
て次のように行われる。
【0037】すなわち、ステップS1 で各種データを読
み込んだ後、ステップS2 でABSフラグFABS が1に
セットされているか否かを判定する。つまり、ABS制
御中かどうかを判定するのである。このABSフラグF
ABS は、例えば上記第1〜第3チャンネルのロックフラ
グFLOCK1 ,FLOCK2 ,FLOCK3 のいずれかが1にセッ
トされたときに1にセットされ、またブレーキスイッチ
25がONからOFF状態に切換わったときなどに0に
リセットされる。そして、ABSフラグFABSが1にセ
ットされていないと判定したときには、ステップS8 に
進んで摩擦係数値MU1 として路面摩擦係数の高い高μ
路を示す3をセットする。
み込んだ後、ステップS2 でABSフラグFABS が1に
セットされているか否かを判定する。つまり、ABS制
御中かどうかを判定するのである。このABSフラグF
ABS は、例えば上記第1〜第3チャンネルのロックフラ
グFLOCK1 ,FLOCK2 ,FLOCK3 のいずれかが1にセッ
トされたときに1にセットされ、またブレーキスイッチ
25がONからOFF状態に切換わったときなどに0に
リセットされる。そして、ABSフラグFABSが1にセ
ットされていないと判定したときには、ステップS8 に
進んで摩擦係数値MU1 として路面摩擦係数の高い高μ
路を示す3をセットする。
【0038】また、上記ステップS2 においてABSフ
ラグFABS が1にセットされていると判定したとき、す
なわちABS制御中と判定したときには、ステップS3
に進んで前サイクル中の車輪減速度DW1 が−20Gよ
り小さいか否かを判定し、その判定がYESのときには
ステップS4 に進んで同じく前サイクル中の車輪加速度
AW1 が10Gより大きいか否かを判定する。この判定
がNOのときにはステップS6 で摩擦係数値MU1 とし
て低μ路を示す1をセットする。
ラグFABS が1にセットされていると判定したとき、す
なわちABS制御中と判定したときには、ステップS3
に進んで前サイクル中の車輪減速度DW1 が−20Gよ
り小さいか否かを判定し、その判定がYESのときには
ステップS4 に進んで同じく前サイクル中の車輪加速度
AW1 が10Gより大きいか否かを判定する。この判定
がNOのときにはステップS6 で摩擦係数値MU1 とし
て低μ路を示す1をセットする。
【0039】一方、上記ステップS3 において車輪減速
度DW1 が−20Gより小さくないと判定したときに
は、ステップS4 をスキップしてステップS5 に移り、
車輪加速度AW1 が20Gより大きいか否かを判定し、
その判定がYESのときにはステップS8 で摩擦係数値
MU1 として3をセットする一方、判定がNOのときに
はステップS7 で摩擦係数値MU1 として路面摩擦係数
の中程度の中μ路を示す2をセットする。
度DW1 が−20Gより小さくないと判定したときに
は、ステップS4 をスキップしてステップS5 に移り、
車輪加速度AW1 が20Gより大きいか否かを判定し、
その判定がYESのときにはステップS8 で摩擦係数値
MU1 として3をセットする一方、判定がNOのときに
はステップS7 で摩擦係数値MU1 として路面摩擦係数
の中程度の中μ路を示す2をセットする。
【0040】尚、第2及び第3チャンネルについても、
同様にして路面摩擦係数が推定されるようになってい
る。
同様にして路面摩擦係数が推定されるようになってい
る。
【0041】そして、本発明の特徴部分である疑似車体
速の算出処理は、具体的には図3のフローチャートに従
って次のように行われる。
速の算出処理は、具体的には図3のフローチャートに従
って次のように行われる。
【0042】すなわち、ステップS11で各種データを読
み込んだ後、ステップS12で車輪速センサ32,34か
らの信号が示す前後二つの左車輪1,3の車輪速WLF,
WLRのうち、大きい方の車輪速を選択し、その車輪速を
基に第1の疑似車体速VR1を算出する。ここで、車輪速
Wを基に疑似車体速VR を算出する算出式は、車輪の直
径をDとすると、 VR =πD・W である。
み込んだ後、ステップS12で車輪速センサ32,34か
らの信号が示す前後二つの左車輪1,3の車輪速WLF,
WLRのうち、大きい方の車輪速を選択し、その車輪速を
基に第1の疑似車体速VR1を算出する。ここで、車輪速
Wを基に疑似車体速VR を算出する算出式は、車輪の直
径をDとすると、 VR =πD・W である。
【0043】続いて、ステップS13で車輪速センサ3
3,35からの信号が示す前後二つの右車輪2,4の車
輪速WRF,WRRのうち、大きい方の車輪速を選択し、そ
の車輪速を基に第2の疑似車体速VR2を算出する。ま
た、ステップS14で全車輪1〜4の車輪速WLF,WRF,
WLR,WRRのうち、最高の車輪速を選択し、その車輪速
を基に第3の疑似車体速VR3を算出する。
3,35からの信号が示す前後二つの右車輪2,4の車
輪速WRF,WRRのうち、大きい方の車輪速を選択し、そ
の車輪速を基に第2の疑似車体速VR2を算出する。ま
た、ステップS14で全車輪1〜4の車輪速WLF,WRF,
WLR,WRRのうち、最高の車輪速を選択し、その車輪速
を基に第3の疑似車体速VR3を算出する。
【0044】上記ステップS12により第1の疑似車体速
VR1を算出する第1疑似車体速算出手段42が、上記ス
テップS13により第2の疑似車体速VR2を算出する第2
疑似車体速算出手段43が、上記ステップS14により第
3の疑似車体速VR2を算出する第2疑似車体速算出手段
44がそれぞれ構成されており、これらの算出手段42
〜44は、いずれもコントロールユニット41に内蔵さ
れている。
VR1を算出する第1疑似車体速算出手段42が、上記ス
テップS13により第2の疑似車体速VR2を算出する第2
疑似車体速算出手段43が、上記ステップS14により第
3の疑似車体速VR2を算出する第2疑似車体速算出手段
44がそれぞれ構成されており、これらの算出手段42
〜44は、いずれもコントロールユニット41に内蔵さ
れている。
【0045】続いて、ステップS15で上記第3の疑似車
体速VR3から補正値k(>0)を減算した値を、新たな
第3の疑似車体速VR3と設定する。この補正値kは、ス
テアリングハンドルを左右いずれか一方に最大限に操舵
しつつ横加速度が1重力加速度発生するよう旋回走行す
るとき実際に発生する車両の内外輪の回転速度差(以
下、単に内外輪差という)に対応する値であって、図4
に示すマップから車体速Vの関数値として求められる。
このマップにおいて、所定の車体速Va 以下の定常旋回
領域では、車体速Vが増大するに従って内外輪差である
補正値kが一次関数的に大きな値となり、所定の車体速
Va 以上の非定常旋回領域では、上記補正値kは車体速
Vの増大に伴って次第に零に近付く漸近線のように減少
するようになっている。
体速VR3から補正値k(>0)を減算した値を、新たな
第3の疑似車体速VR3と設定する。この補正値kは、ス
テアリングハンドルを左右いずれか一方に最大限に操舵
しつつ横加速度が1重力加速度発生するよう旋回走行す
るとき実際に発生する車両の内外輪の回転速度差(以
下、単に内外輪差という)に対応する値であって、図4
に示すマップから車体速Vの関数値として求められる。
このマップにおいて、所定の車体速Va 以下の定常旋回
領域では、車体速Vが増大するに従って内外輪差である
補正値kが一次関数的に大きな値となり、所定の車体速
Va 以上の非定常旋回領域では、上記補正値kは車体速
Vの増大に伴って次第に零に近付く漸近線のように減少
するようになっている。
【0046】上記第3の疑似車体速VR3に対する補正を
行った後、ステップS16で上記第1の疑似車体速VR1と
補正後の第3の疑似車体速VR3のうち、大きい方を左車
輪側の疑似車体速VRLに設定するとともに、ステップS
17で上記第2の疑似車体速VR2と補正後の第3の疑似車
体速VR3のうち、大きい方を右車輪側の疑似車体速VRR
に設定する。この左車輪側の疑似車体速VRLと右車輪側
の疑似車体速VRRとは、上述したコントロールユニット
41(スリップ判定手段)による各チャンネルごとのス
リップ率の算出に利用される。
行った後、ステップS16で上記第1の疑似車体速VR1と
補正後の第3の疑似車体速VR3のうち、大きい方を左車
輪側の疑似車体速VRLに設定するとともに、ステップS
17で上記第2の疑似車体速VR2と補正後の第3の疑似車
体速VR3のうち、大きい方を右車輪側の疑似車体速VRR
に設定する。この左車輪側の疑似車体速VRLと右車輪側
の疑似車体速VRRとは、上述したコントロールユニット
41(スリップ判定手段)による各チャンネルごとのス
リップ率の算出に利用される。
【0047】上記コントロールユニット41は、上記第
1の疑似車体速VR1と上記第2の疑似車体速VR2とから
車両の旋回走行時を判定する機能をも有しており、図5
はその判定のフローチャートを示す。
1の疑似車体速VR1と上記第2の疑似車体速VR2とから
車両の旋回走行時を判定する機能をも有しており、図5
はその判定のフローチャートを示す。
【0048】このフローチャートにおいては、先ず、ス
テップS21で第1の疑似車体速VR1と第2の疑似車体速
VR2との差の絶対値が所定値T以上であるか否かを判定
する。その判定がYESのときには、更にステップS22
でこの状態が所定時間継続しているか否かを判定する。
この判定がYESのときには、ステップS23で旋回走行
フラグFθに車両の旋回走行時であることを示す1をセ
ットし、リターンする。一方、ステップS21又はS22の
判定がNOのときには、ステップS24で旋回走行フラグ
Fθに0をセットし、リターンする。
テップS21で第1の疑似車体速VR1と第2の疑似車体速
VR2との差の絶対値が所定値T以上であるか否かを判定
する。その判定がYESのときには、更にステップS22
でこの状態が所定時間継続しているか否かを判定する。
この判定がYESのときには、ステップS23で旋回走行
フラグFθに車両の旋回走行時であることを示す1をセ
ットし、リターンする。一方、ステップS21又はS22の
判定がNOのときには、ステップS24で旋回走行フラグ
Fθに0をセットし、リターンする。
【0049】一方、制御しきい値の設定処理は、第6図
のフローチャートに従って次のように行われる。尚、こ
の制御しきい値の設定処理は、各チャンネルごとに独立
して行われることになるが、ここでは左前輪用の第1チ
ャンネルに対する設定処理について説明する。
のフローチャートに従って次のように行われる。尚、こ
の制御しきい値の設定処理は、各チャンネルごとに独立
して行われることになるが、ここでは左前輪用の第1チ
ャンネルに対する設定処理について説明する。
【0050】すなわち、先ず、ステップS31で各種デー
タを読み込んだ後、ステップS32において、下記の表1
に示すような車速域と路面摩擦係数とをパラメータとし
て予め設定したパラメータ選択テーブルから、車輪速W
LF,WRF,WLR,WRRから求めた代表摩擦係数値MUと
疑似車体速VR とに応じたパラメータを選択する。
タを読み込んだ後、ステップS32において、下記の表1
に示すような車速域と路面摩擦係数とをパラメータとし
て予め設定したパラメータ選択テーブルから、車輪速W
LF,WRF,WLR,WRRから求めた代表摩擦係数値MUと
疑似車体速VR とに応じたパラメータを選択する。
【0051】
【表1】 ここで、代表摩擦係数値MUとしては、上記した第1〜
第3チャンネルの各摩擦係数値MU1 〜MU3 の最小値
が使用される。従って、代表摩擦係数値MUが低μ路を
示す1のときに、疑似車体速VR が中速域に属するとき
には、上記パラメータとして中速低μ路用のLM2が選
択されることになる。また、悪路フラグFAKURO が悪路
状態を示す1にセットされているときには、表1に示す
ように、疑似車体速VR に応じたパラメータを選択す
る。この場合、例えば疑似車体速VR が中速域に属する
ときには、上記パラメータとして中速高μ路用のHM2
が強制的に選択されることになる。これは、悪路走行時
においては車輪速の変動が大きいために、路面摩擦係数
が小さく推定される傾向があるからである。尚、この場
合、疑似車体速VR としては、制御の簡素化を図る見地
から、上記第3疑似車体速算出手段44で算出される第
3の疑似車体速VR3(つまり全車輪1〜4の車輪速WL
F,WRF,WLR,WRRのうち、最高の車輪速を基に算出
される車体速)が用いられる。
第3チャンネルの各摩擦係数値MU1 〜MU3 の最小値
が使用される。従って、代表摩擦係数値MUが低μ路を
示す1のときに、疑似車体速VR が中速域に属するとき
には、上記パラメータとして中速低μ路用のLM2が選
択されることになる。また、悪路フラグFAKURO が悪路
状態を示す1にセットされているときには、表1に示す
ように、疑似車体速VR に応じたパラメータを選択す
る。この場合、例えば疑似車体速VR が中速域に属する
ときには、上記パラメータとして中速高μ路用のHM2
が強制的に選択されることになる。これは、悪路走行時
においては車輪速の変動が大きいために、路面摩擦係数
が小さく推定される傾向があるからである。尚、この場
合、疑似車体速VR としては、制御の簡素化を図る見地
から、上記第3疑似車体速算出手段44で算出される第
3の疑似車体速VR3(つまり全車輪1〜4の車輪速WL
F,WRF,WLR,WRRのうち、最高の車輪速を基に算出
される車体速)が用いられる。
【0052】上記パラメータの選択が終了すると、ステ
ップS33に進んで下記の表2に示す制御しきい値設定テ
ーブルをルックアップすることにより、疑似車体速VR
及び代表摩擦係数値MUに対応する制御しきい値をそれ
ぞれ読み出す。
ップS33に進んで下記の表2に示す制御しきい値設定テ
ーブルをルックアップすることにより、疑似車体速VR
及び代表摩擦係数値MUに対応する制御しきい値をそれ
ぞれ読み出す。
【0053】
【表2】 ここで、上記制御しきい値としては、表2に示すよう
に、フェーズIとフェーズIIとの切替判定用の1−2中
間減速度しきい値B12´、フェーズIIとフェーズIII と
の切替判定用の2−3中間スリップ率しきい値BSG´、
フェーズIII とフェーズVとの切替判定用の3−5中間
減速度しきい値B35´、フェーズVとフェーズIとの切
替判定用の5−1スリップ率しきい値BSZ´などが、上
記パラメータ選択テーブルにおけるラベルごとにそれぞ
れ設定されている。この場合、制動力に大きく影響する
減速度しきい値は、路面摩擦係数が高いときのブレーキ
性能と、路面摩擦係数が低いときの制御の応答性とを高
水準で両立するために、代表摩擦係数値MUのレベルが
小さくなるほど、つまり路面摩擦係数が低くなるほど0
Gに近づくように設定されている。そして、上記パラメ
ータとして中速低μ路用のLM2を選択しているときに
は、表2の制御しきい値設定テーブルにおけるLM2の
欄に示すように、1−2中間減速度しきい値B12´、2
−3中間スリップ率しきい値BSG´、3−5中間減速度
しきい値B35´及び5−1スリップ率しきい値BSZ´と
して、−0.5G,90%,0G,90%の各値をそれ
ぞれ読み出すことになる。
に、フェーズIとフェーズIIとの切替判定用の1−2中
間減速度しきい値B12´、フェーズIIとフェーズIII と
の切替判定用の2−3中間スリップ率しきい値BSG´、
フェーズIII とフェーズVとの切替判定用の3−5中間
減速度しきい値B35´、フェーズVとフェーズIとの切
替判定用の5−1スリップ率しきい値BSZ´などが、上
記パラメータ選択テーブルにおけるラベルごとにそれぞ
れ設定されている。この場合、制動力に大きく影響する
減速度しきい値は、路面摩擦係数が高いときのブレーキ
性能と、路面摩擦係数が低いときの制御の応答性とを高
水準で両立するために、代表摩擦係数値MUのレベルが
小さくなるほど、つまり路面摩擦係数が低くなるほど0
Gに近づくように設定されている。そして、上記パラメ
ータとして中速低μ路用のLM2を選択しているときに
は、表2の制御しきい値設定テーブルにおけるLM2の
欄に示すように、1−2中間減速度しきい値B12´、2
−3中間スリップ率しきい値BSG´、3−5中間減速度
しきい値B35´及び5−1スリップ率しきい値BSZ´と
して、−0.5G,90%,0G,90%の各値をそれ
ぞれ読み出すことになる。
【0054】続いて、ステップS34で代表摩擦係数値M
Uが高μ路を示す3にセットされているか否かを判定
し、その判定がYESのときにはステップS35で悪路フ
ラグFAKURO が1にセットされているか否かを判定す
る。そして、悪路フラグFAKUROが1にセットされてい
なければ、ステップS36で旋回走行フラグFθが旋回走
行中でないことを示す0であるか否かを判定する。その
判定がNOのとき、つまり車両の旋回走行中のときに
は、ステップS37で操舵による制御しきい値の補正処理
を行う。この制御しきい値の補正処理は、例えば下記の
表3に示す制御しきい値補正テーブルをルックアップす
ることにより行われる。
Uが高μ路を示す3にセットされているか否かを判定
し、その判定がYESのときにはステップS35で悪路フ
ラグFAKURO が1にセットされているか否かを判定す
る。そして、悪路フラグFAKUROが1にセットされてい
なければ、ステップS36で旋回走行フラグFθが旋回走
行中でないことを示す0であるか否かを判定する。その
判定がNOのとき、つまり車両の旋回走行中のときに
は、ステップS37で操舵による制御しきい値の補正処理
を行う。この制御しきい値の補正処理は、例えば下記の
表3に示す制御しきい値補正テーブルをルックアップす
ることにより行われる。
【0055】
【表3】 上記制御しきい値補正テーブルにおいては、ハンドル操
作量の大きいときの操舵性を確保するために、2−3中
間スリップ率しきい値BSG´及び5−1中間スリップ率
しきい値BSZ´にそれぞれ5%を加算した値を最終1−
2スリップ率しきい値BSG及び最終5−1スリップ率し
きい値BSZとしてセットするとともに、その他の中間し
きい値をそのまま最終しきい値としてセットする。尚、
ステップS36の判定がYESのときには、上記各中間し
きい値がそのまま最終しきい値としてそれぞれセットさ
れることになる。
作量の大きいときの操舵性を確保するために、2−3中
間スリップ率しきい値BSG´及び5−1中間スリップ率
しきい値BSZ´にそれぞれ5%を加算した値を最終1−
2スリップ率しきい値BSG及び最終5−1スリップ率し
きい値BSZとしてセットするとともに、その他の中間し
きい値をそのまま最終しきい値としてセットする。尚、
ステップS36の判定がYESのときには、上記各中間し
きい値がそのまま最終しきい値としてそれぞれセットさ
れることになる。
【0056】一方、上記ステップS35において悪路フラ
グFAKURO が1にセットされていると判定したときに
は、ステップS38に移って上記ステップS36と同様に旋
回走行フラグFθが0であるか否かを判定し、その判定
がYESのときには、ステップS39で2−3中間スリッ
プ率しきい値BSG´及び5−1中間スリップ率しきい値
BSZ´からそれぞれ5%を減算した値を最終1−2スリ
ップ率しきい値BSG及び最終5−1スリップ率しきい値
BSZとしてセットし、さらにステップS40で悪路に対応
するように、上記1−2中間減速度しきい値B12´から
1.0Gを減算した値を最終1−2減速度しきい値B12
としてセットする補正処理を行う。これは、悪路判定時
においては、車輪速センサ32〜35が誤検出を生じや
すいため、制御の応答性を遅らせて良好な制動力を確保
するためである。尚、その他の中間しきい値はそのまま
最終しきい値としてセットされる。
グFAKURO が1にセットされていると判定したときに
は、ステップS38に移って上記ステップS36と同様に旋
回走行フラグFθが0であるか否かを判定し、その判定
がYESのときには、ステップS39で2−3中間スリッ
プ率しきい値BSG´及び5−1中間スリップ率しきい値
BSZ´からそれぞれ5%を減算した値を最終1−2スリ
ップ率しきい値BSG及び最終5−1スリップ率しきい値
BSZとしてセットし、さらにステップS40で悪路に対応
するように、上記1−2中間減速度しきい値B12´から
1.0Gを減算した値を最終1−2減速度しきい値B12
としてセットする補正処理を行う。これは、悪路判定時
においては、車輪速センサ32〜35が誤検出を生じや
すいため、制御の応答性を遅らせて良好な制動力を確保
するためである。尚、その他の中間しきい値はそのまま
最終しきい値としてセットされる。
【0057】上記ステップS38において旋回走行フラグ
Fθが0でないと判定したとき、つまり旋回走行中のと
きには、ステップS39をスキップしてステップS40に移
り悪路のみに応じた制御しきい値の補正処理を行う。
Fθが0でないと判定したとき、つまり旋回走行中のと
きには、ステップS39をスキップしてステップS40に移
り悪路のみに応じた制御しきい値の補正処理を行う。
【0058】さらに、上記ステップS34において代表摩
擦係数値MUが3ではないと判定したときには、ステッ
プS35をスキップしてステップS36に移って舵角の判定
処理を行うとともに、この判定結果に応じて各中間しき
い値を最終しきい値としてセットするようになってい
る。
擦係数値MUが3ではないと判定したときには、ステッ
プS35をスキップしてステップS36に移って舵角の判定
処理を行うとともに、この判定結果に応じて各中間しき
い値を最終しきい値としてセットするようになってい
る。
【0059】尚、第2及び第3チャンネルについても、
第1チャンネルの場合と同様に制御しきい値が設定され
るようになっている。
第1チャンネルの場合と同様に制御しきい値が設定され
るようになっている。
【0060】次に、上記実施例の作動、特にコンロール
ユニット41によるABS制御について、第1チャンネ
ルに対するABS制御を例に、図7を参照しつつ説明す
る。
ユニット41によるABS制御について、第1チャンネ
ルに対するABS制御を例に、図7を参照しつつ説明す
る。
【0061】すなわち、減速時のABS非制御状態にお
いて、ブレーキペダル16の踏込操作によってマスター
シリンダ18で発生した制動圧が徐々に増圧し、図7
(c)に示すように、左前輪1の車輪速WLFの変化量、
すなわち車輪減速度DWLFが−3Gに達したときには、
同図(a)に示すように、第1チャンネルにおけるロッ
クフラグFLOCK1 が1にセットされ、その時刻ta から
ABS制御に移行することになる。この制御開始直後の
第1サイクルにおいては、上記したように摩擦係数値M
U1 は高μ路を示す3にセットされていることから(図
2、ステップS2,S8 参照)、コントロールユニット
41は、悪路フラグFAKURO が1にセットされておら
ず、かつ疑似車体速VR が例えば中速域に属するときに
は、制御パラメータとして表1に示すパラメータ選択テ
ーブルから中速高μ路用のHM2を選択するとともに、
このパラメータに従って各種の制御しきい値をセットす
ることになる。つまり、表2に示した制御しきい値設定
テーブルにおけるHM2の欄に予め設定された各種の制
御しきい値が読み出されることになる。
いて、ブレーキペダル16の踏込操作によってマスター
シリンダ18で発生した制動圧が徐々に増圧し、図7
(c)に示すように、左前輪1の車輪速WLFの変化量、
すなわち車輪減速度DWLFが−3Gに達したときには、
同図(a)に示すように、第1チャンネルにおけるロッ
クフラグFLOCK1 が1にセットされ、その時刻ta から
ABS制御に移行することになる。この制御開始直後の
第1サイクルにおいては、上記したように摩擦係数値M
U1 は高μ路を示す3にセットされていることから(図
2、ステップS2,S8 参照)、コントロールユニット
41は、悪路フラグFAKURO が1にセットされておら
ず、かつ疑似車体速VR が例えば中速域に属するときに
は、制御パラメータとして表1に示すパラメータ選択テ
ーブルから中速高μ路用のHM2を選択するとともに、
このパラメータに従って各種の制御しきい値をセットす
ることになる。つまり、表2に示した制御しきい値設定
テーブルにおけるHM2の欄に予め設定された各種の制
御しきい値が読み出されることになる。
【0062】そして、コントロールユニット41は、上
記車輪速WLFから算出したスリップ率SLF、車輪減速度
DWLF、車輪加速度AWLFと上記各種の制御しきい値と
を比較する。この場合、スリップ率SLFが例えば96%
を示すときには、コントロールユニット41は、同図
(d)に示すように、フェーズ値P1 を0から2に変更
する。これにより、制動圧(ブレーキ油圧)は、同図
(e)に示すように、増圧直後のレベルで維持されるこ
とになる。そして、例えば上記スリップ率SLFが2−3
スリップ率しきい値BSG(例えば、90%)より低下し
たときには、コントロールユニット41はフェーズ値P
1 を2から3に変更する。これにより、第1バルブユニ
ット20のリリーフ弁20bが所定のデューティ率に従
ってON/OFFし、同図(e)に示すように、その時
刻tb から制動圧が所定の勾配で従って減少して制動力
が徐々に低下するとともに、それに伴って前輪1の回転
力が回復し始める。
記車輪速WLFから算出したスリップ率SLF、車輪減速度
DWLF、車輪加速度AWLFと上記各種の制御しきい値と
を比較する。この場合、スリップ率SLFが例えば96%
を示すときには、コントロールユニット41は、同図
(d)に示すように、フェーズ値P1 を0から2に変更
する。これにより、制動圧(ブレーキ油圧)は、同図
(e)に示すように、増圧直後のレベルで維持されるこ
とになる。そして、例えば上記スリップ率SLFが2−3
スリップ率しきい値BSG(例えば、90%)より低下し
たときには、コントロールユニット41はフェーズ値P
1 を2から3に変更する。これにより、第1バルブユニ
ット20のリリーフ弁20bが所定のデューティ率に従
ってON/OFFし、同図(e)に示すように、その時
刻tb から制動圧が所定の勾配で従って減少して制動力
が徐々に低下するとともに、それに伴って前輪1の回転
力が回復し始める。
【0063】さらに制動圧の減圧が続いて車輪減速度D
WLFが3−5減速度しきい値B35(0G)まで低下した
ときには、コントロールユニット41はフェーズ値P1
を3から5に変更する。これにより、同図(e)に示す
ように、その時刻tc から制動圧が減圧後のレベルで維
持されることになる。
WLFが3−5減速度しきい値B35(0G)まで低下した
ときには、コントロールユニット41はフェーズ値P1
を3から5に変更する。これにより、同図(e)に示す
ように、その時刻tc から制動圧が減圧後のレベルで維
持されることになる。
【0064】そして、フェーズVの状態が続いてスリッ
プ率SLFが5−1スリップ率しきい値B51(例えば、9
0%)を超えたときには、コントロールユニット41
は、同図(b)に示すように、継続フラグFcon1を1に
セットする。これにより、第1チャンネルにおけるAB
S制御は、その時刻td から第2サイクルに移行するこ
とになる。この場合、コントロールユニット41は、フ
ェーズ値P1 を強制的に1に変更する。そして、このフ
ェーズIへの移行直後には、第1バルブユニット20の
開閉弁20aが、第1サイクルにおけるフェーズVの持
続時間に基づいて設定された初期急増圧時間TPZに応じ
て100%のデューティ率で開閉され、同図(e)に示
すように、制動圧が急勾配で増圧されることになる。ま
た、初期急増圧時間TPZが終了した後は、上記開閉弁2
0aが所定のデューティ率に従ってON/OFFされ、
制動圧が上記勾配よりも緩かな勾配に従って徐々に上昇
することになる。
プ率SLFが5−1スリップ率しきい値B51(例えば、9
0%)を超えたときには、コントロールユニット41
は、同図(b)に示すように、継続フラグFcon1を1に
セットする。これにより、第1チャンネルにおけるAB
S制御は、その時刻td から第2サイクルに移行するこ
とになる。この場合、コントロールユニット41は、フ
ェーズ値P1 を強制的に1に変更する。そして、このフ
ェーズIへの移行直後には、第1バルブユニット20の
開閉弁20aが、第1サイクルにおけるフェーズVの持
続時間に基づいて設定された初期急増圧時間TPZに応じ
て100%のデューティ率で開閉され、同図(e)に示
すように、制動圧が急勾配で増圧されることになる。ま
た、初期急増圧時間TPZが終了した後は、上記開閉弁2
0aが所定のデューティ率に従ってON/OFFされ、
制動圧が上記勾配よりも緩かな勾配に従って徐々に上昇
することになる。
【0065】そして、コントロールユニット41は、第
2サイクルにおけるフェーズVの状態において、例えば
スリップ率SLFが5−1スリップ率しきい値BSZより大
きいと判定したときには、フェーズ値P1 を1にセット
して第3サイクルに移行する。
2サイクルにおけるフェーズVの状態において、例えば
スリップ率SLFが5−1スリップ率しきい値BSZより大
きいと判定したときには、フェーズ値P1 を1にセット
して第3サイクルに移行する。
【0066】このようなABS制御の場合、疑似車体速
VR は、各車輪のスリップ率を求める上で重要な要素で
ある。本実施例においては、この疑似車体速VR を車輪
速から求めるに当たり、基本的には、前後二つの左車輪
1,3の車輪速WLF,WLRのうち、大きい方の車輪速を
第1の疑似車体速VR1ひいては左車輪側の疑似車体速V
RLに、前後二つの右車輪2,4の車輪速WRF,WRRのう
ち、大きい方の車輪速を第2の疑似車体速VR2ひいては
右車輪側の疑似車体速VRRにそれぞれ設定するととも
に、左前輪1の車輪速WLFと上記左車輪側の疑似車体速
VRLとから左前輪1のスリップ率を、右前輪2の車輪速
WRFと上記右車輪側の疑似車体速VRRとから右前輪2の
スリップ率を、後輪車輪速と左車輪側の疑似車体速WLF
及び右車輪側の疑似車体速WRRのいずれか大きい方とか
ら後輪3,4のスリップ率をそれぞれ算出することによ
り、車両の旋回走行中に右車輪側と左車輪側とで実際の
車体速が微妙に異なるときにも車両の疑似車体速を右車
輪側と左車輪側とで別々にかつ正確に推定することがで
き、スリップ率の算出ひいてはスリップ制御を適切に行
うことができる。
VR は、各車輪のスリップ率を求める上で重要な要素で
ある。本実施例においては、この疑似車体速VR を車輪
速から求めるに当たり、基本的には、前後二つの左車輪
1,3の車輪速WLF,WLRのうち、大きい方の車輪速を
第1の疑似車体速VR1ひいては左車輪側の疑似車体速V
RLに、前後二つの右車輪2,4の車輪速WRF,WRRのう
ち、大きい方の車輪速を第2の疑似車体速VR2ひいては
右車輪側の疑似車体速VRRにそれぞれ設定するととも
に、左前輪1の車輪速WLFと上記左車輪側の疑似車体速
VRLとから左前輪1のスリップ率を、右前輪2の車輪速
WRFと上記右車輪側の疑似車体速VRRとから右前輪2の
スリップ率を、後輪車輪速と左車輪側の疑似車体速WLF
及び右車輪側の疑似車体速WRRのいずれか大きい方とか
ら後輪3,4のスリップ率をそれぞれ算出することによ
り、車両の旋回走行中に右車輪側と左車輪側とで実際の
車体速が微妙に異なるときにも車両の疑似車体速を右車
輪側と左車輪側とで別々にかつ正確に推定することがで
き、スリップ率の算出ひいてはスリップ制御を適切に行
うことができる。
【0067】その上、左車輪側の疑似車体速VRL又は右
車輪側の疑似車体速VRRを算出するに当たり、単に前後
二つの左車輪又は右車輪の車輪速のうちの大きい方を、
左車輪側の疑似車体速VRL又は右車輪側の疑似車体速V
RRとして設定するのではなく、4車輪の車輪速のうちの
最大の車輪速を基に第3の疑似車体速VR3を算出し、こ
の疑似車体速VR3から旋回走行時に発生する内外輪差に
対応する補正値kを減算した値と、上記前後二つの左車
輪又は右車輪の車輪速のうちの大きい方とを大小比較
し、その大きい方を左車輪側の疑似車体速VRL又は右車
輪側の疑似車体速VRRとして設定している。そのため、
制動時に前後二つの左車輪1,3または右車輪2,4が
共にロックを起こし路面に対しスリップを生じたときで
も、その車輪ロック側の疑似車体速が誤って零に設定さ
れることはなく、非車輪ロック側の車輪速を基に算出さ
れる第3の疑似車体速VR3から補正値kを減算した値が
車輪ロック側の疑似車体速として設定されるので、スリ
ップ率の算出ひいてはスリップ制御をより適切に行うこ
とができる。
車輪側の疑似車体速VRRを算出するに当たり、単に前後
二つの左車輪又は右車輪の車輪速のうちの大きい方を、
左車輪側の疑似車体速VRL又は右車輪側の疑似車体速V
RRとして設定するのではなく、4車輪の車輪速のうちの
最大の車輪速を基に第3の疑似車体速VR3を算出し、こ
の疑似車体速VR3から旋回走行時に発生する内外輪差に
対応する補正値kを減算した値と、上記前後二つの左車
輪又は右車輪の車輪速のうちの大きい方とを大小比較
し、その大きい方を左車輪側の疑似車体速VRL又は右車
輪側の疑似車体速VRRとして設定している。そのため、
制動時に前後二つの左車輪1,3または右車輪2,4が
共にロックを起こし路面に対しスリップを生じたときで
も、その車輪ロック側の疑似車体速が誤って零に設定さ
れることはなく、非車輪ロック側の車輪速を基に算出さ
れる第3の疑似車体速VR3から補正値kを減算した値が
車輪ロック側の疑似車体速として設定されるので、スリ
ップ率の算出ひいてはスリップ制御をより適切に行うこ
とができる。
【0068】ここで、上記第3の疑似車体速VR3から旋
回走行時に発生する内外輪差に対応する補正値kを減算
する理由は、ロック側の車輪が旋回内輪でもその車輪側
の疑似車体速が実際よりも大きく設定されるのを防止す
るためであり、このことから、ABS制御の過剰な作動
を防いでブレーキブレーキ装置の制動性を良好に確保す
ることができる。
回走行時に発生する内外輪差に対応する補正値kを減算
する理由は、ロック側の車輪が旋回内輪でもその車輪側
の疑似車体速が実際よりも大きく設定されるのを防止す
るためであり、このことから、ABS制御の過剰な作動
を防いでブレーキブレーキ装置の制動性を良好に確保す
ることができる。
【0069】さらに、本実施例では、上記第1の疑似車
体速VR1と第2の疑似車体速VR2との比較から車両の旋
回走行時を判定し(旋回走行フラグFθの設定)、その
判結果を用いて制御しきい値を設定するようにしている
ので、舵角センサを要することなくスリップ制御を適切
に行うことができるという効果をも有する。
体速VR1と第2の疑似車体速VR2との比較から車両の旋
回走行時を判定し(旋回走行フラグFθの設定)、その
判結果を用いて制御しきい値を設定するようにしている
ので、舵角センサを要することなくスリップ制御を適切
に行うことができるという効果をも有する。
【0070】
【発明の効果】以上の如く、本発明における車両のスリ
ップ制御装置によれば、制動時に前後二つの左車輪また
は右車輪が共にロックを起こし路面に対しスリップを生
じたときには、その車輪ロック側の疑似車体速として、
4車輪の車輪速のうち、最高の車輪速を基に算出される
第3の疑似車体速を車輪ロック側の疑似車体速とし、こ
の疑似車体速を基に車輪ロック側の前後二つの車輪のス
リップ状態をそれぞれ判定しているので、疑似車体速を
実際の車体速に即して算出することができ、スリップ判
定ひいてはスリップ制御を適切に行うことができる。
ップ制御装置によれば、制動時に前後二つの左車輪また
は右車輪が共にロックを起こし路面に対しスリップを生
じたときには、その車輪ロック側の疑似車体速として、
4車輪の車輪速のうち、最高の車輪速を基に算出される
第3の疑似車体速を車輪ロック側の疑似車体速とし、こ
の疑似車体速を基に車輪ロック側の前後二つの車輪のス
リップ状態をそれぞれ判定しているので、疑似車体速を
実際の車体速に即して算出することができ、スリップ判
定ひいてはスリップ制御を適切に行うことができる。
【0071】特に、請求項2記載の発明によれば、ロッ
ク側の車輪が旋回内輪であってもその車輪側の疑似車体
速が実際の車体速よりも大きく設定されることはなく、
ブレーキ装置の制動性を良好に維持することができる。
ク側の車輪が旋回内輪であってもその車輪側の疑似車体
速が実際の車体速よりも大きく設定されることはなく、
ブレーキ装置の制動性を良好に維持することができる。
【0072】また、請求項4記載の発明によれば、左車
輪側の疑似車体速と右車輪側の疑似車体速との比較から
車両の旋回走行時を判定することにより、舵角センサを
要することなくスリップ制御を適切に行うことができ、
実施化を図る上で有利なものである。
輪側の疑似車体速と右車輪側の疑似車体速との比較から
車両の旋回走行時を判定することにより、舵角センサを
要することなくスリップ制御を適切に行うことができ、
実施化を図る上で有利なものである。
【図1】本発明の実施例に係わるスリップ制御装置を備
える車両の制動系の全体構成図である。
える車両の制動系の全体構成図である。
【図2】路面摩擦係数の推定処理を示すフローチャート
図である。
図である。
【図3】疑似車体速の算出処理を示すフローチャート図
である。
である。
【図4】補正値と車体速との関係を示す図である。
【図5】旋回走行時の判定処理を示すフローチャート図
である。
である。
【図6】制御しきい値の設定処理を示すフローチャート
図である。
図である。
【図7】ABS制御の作動を説明するためのタイムチャ
ート図である。
ート図である。
32〜35 車輪速センサ(車輪速検出手段) 41 コントロールユニット(スリップ判定手段) 42 第1疑似車体速算出手段 43 第2疑似車体速算出手段 44 第3疑似車体速算出手段
Claims (4)
- 【請求項1】 車輪速を基に車体速を模して算出した疑
似車体速に対し車輪速が所定のスリップ状態になったと
き、該車輪のスリップを減ずる動作を行う車両のスリッ
プ制御装置であって、 4車輪の車輪速をそれぞれ検出する四つの車輪速検出手
段と、 前後二つの左車輪の車輪速のうち、大きい方の車輪速を
基に第1の疑似車体速を算出する第1疑似車体速算出手
段と、 前後二つの右車輪の車輪速のうち、大きい方の車輪速を
基に第2の疑似車体速を算出する第2疑似車体速算出手
段と、 4車輪の車輪速のうち、最高の車輪速を基に第3の疑似
車体速を算出する第3疑似車体速算出手段と、 上記第1〜第3の疑似車体速を用いて各車輪のスリップ
状態を判定するスリップ判定手段とを備えたことを特徴
とする車両のスリップ制御装置。 - 【請求項2】 上記スリップ判定手段は、第3の疑似車
体速から旋回走行時で発生する内外輪差に対応する補正
値を減算した値と、第1の疑似車体速のうち大きい方を
左車輪側の疑似車体速とし、該疑似車体速を基に左車輪
のスリップ状態を判定し、また上記補正値を第3の疑似
車体速から減算した値と第2の疑似車体速のうち大きい
方を右車輪側の疑似車体速とし、該疑似車体速を基に右
車輪のスリップ状態を判定するものである請求項1記載
の車両のスリップ制御装置。 - 【請求項3】 上記補正値は、ステアリングハンドルを
左右いずれか一方に最大限に操舵しつつ横加速度が1重
力加速度発生するよう旋回走行するとき実際に発生する
内外輪差を基に算出される値である請求項2記載の車両
のスリップ制御装置。 - 【請求項4】 上記スリップ判定手段は、第1の疑似車
体速と第2の疑似車体速とが所定値以上異なり、かつそ
の状態が所定時間継続したときは車両の旋回走行時と判
定し、この判定結果をも考慮して車両の各車輪のスリッ
プ状態を判定するものである請求項1記載の車両のスリ
ップ制御装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11838093A JPH06329009A (ja) | 1993-05-20 | 1993-05-20 | 車両のスリップ制御装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11838093A JPH06329009A (ja) | 1993-05-20 | 1993-05-20 | 車両のスリップ制御装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06329009A true JPH06329009A (ja) | 1994-11-29 |
Family
ID=14735271
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP11838093A Pending JPH06329009A (ja) | 1993-05-20 | 1993-05-20 | 車両のスリップ制御装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH06329009A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US5992951A (en) * | 1996-07-22 | 1999-11-30 | Mitsubishi Denki Kabushiki Kasiha | Anti-lock brake control system for motor vehicle |
JP2003534977A (ja) * | 2000-05-30 | 2003-11-25 | クノール−ブレムセ・ジステメ・フュール・シーネンファールツォイゲ・ゲゼルシャフト・ミット・ベシュレンクテル・ハフツング | Abs装置もしくはアンチスキッド装置を搭載した車両用のブレーキ・システム |
CN102069786A (zh) * | 2009-10-30 | 2011-05-25 | 本田技研工业株式会社 | 车辆的打滑检测装置 |
-
1993
- 1993-05-20 JP JP11838093A patent/JPH06329009A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US5992951A (en) * | 1996-07-22 | 1999-11-30 | Mitsubishi Denki Kabushiki Kasiha | Anti-lock brake control system for motor vehicle |
DE19700502C2 (de) * | 1996-07-22 | 2002-07-11 | Mitsubishi Electric Corp | Antiblockier-Regelsystem für Kraftfahrzeuge |
JP2003534977A (ja) * | 2000-05-30 | 2003-11-25 | クノール−ブレムセ・ジステメ・フュール・シーネンファールツォイゲ・ゲゼルシャフト・ミット・ベシュレンクテル・ハフツング | Abs装置もしくはアンチスキッド装置を搭載した車両用のブレーキ・システム |
CN102069786A (zh) * | 2009-10-30 | 2011-05-25 | 本田技研工业株式会社 | 车辆的打滑检测装置 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A02 | Decision of refusal |
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