JPH07132815A - 車両のトラクション制御装置 - Google Patents

車両のトラクション制御装置

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Publication number
JPH07132815A
JPH07132815A JP27698793A JP27698793A JPH07132815A JP H07132815 A JPH07132815 A JP H07132815A JP 27698793 A JP27698793 A JP 27698793A JP 27698793 A JP27698793 A JP 27698793A JP H07132815 A JPH07132815 A JP H07132815A
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JP
Japan
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control
brake
pressure
fluid
valves
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Application number
JP27698793A
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English (en)
Inventor
Masayoshi Takeda
政義 武田
Koji Okazaki
孝治 岡崎
Tomohiro Katou
智啓 加藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Denso Corp
Original Assignee
NipponDenso Co Ltd
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Publication date
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Publication of JPH07132815A publication Critical patent/JPH07132815A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ブレーキ装置を用いたトラクション制御(T
RC制御)装置においてTRC制御中のブレーキ操作に
よってマスタシリンダが劣化するのを防止する。 【構成】 マスタシリンダ34から駆動輪FL,FRへ
の油圧経路42F,44Fに設けられた保持弁46,減
圧弁48及びSM弁50と、SM弁50と保持弁46と
の間の経路42Fa,44Faにブレーキ油を圧送する
ポンプ60,62と、ポンプ60,62にブレーキ油を
供給するSR弁70とを備え、加速スリップ発生時に
は、SM弁50,SR弁70をONし、保持弁46,減
圧弁48をON・OFF制御して、ポンプ60,62か
らの圧油によって駆動輪に制動力を与えるTRC制御装
置において、TRC制御中にブレーキ操作がなされると
SM弁50をONした状態でTRC制御を終了し、ブレ
ーキ操作が終了した時点でSM弁50をOFFする。こ
の結果、ブレーキ操作終了時にマスタシリンダ34内の
油圧が通常より大きくなって内部のシール部材が損傷す
るのを防止できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、車両加速時に生じた駆
動輪のスリップを、ブレーキ装置を用いた駆動輪の制動
制御によって抑制する、車両のトラクション制御装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、例えば特公平5−65388
号公報に開示されているように、ブレーキ装置を用いた
トラクション制御を簡単な構成で実現するために、車両
制動時の各車輪のスリップを防止するためにブレーキ装
置の油圧経路に設けられたアンチスキッド制御用の油圧
ポンプや制御弁を併用するようにしたトラクション制御
装置が知られている。
【0003】すなわち、アンチスキッド制御装置は、マ
スタシリンダから車両各車輪のホイールシリンダに至る
油圧経路に夫々設けられ、各ホイールシリンダのブレー
キ油圧を増・減するための制御弁と、ブレーキ油圧の減
圧時に制御弁を介してホイールシリンダから排出された
ブレーキ油を昇圧してマスタシリンダ側に戻す油圧ポン
プとを備え、車両制動時にスリップが発生した場合に
は、油圧ポンプを作動し、制御弁の弁位置を切換制御す
ることにより、各車輪のマスタシリンダ内のブレーキ油
圧,延いては制動力を制御するようにされている。そこ
で上記従来のトラクション制御装置においては、このア
ンチスキッド制御用の油圧回路を利用してトラクション
制御を実現するために、油圧ポンプを、ブレーキ油をリ
ザーバから吸入可能な自吸式にして、この油圧ポンプか
ら駆動輪のホイールシリンダに設けられた制御弁のマス
タシリンダ側に直接ブレーキ油を供給できるようにする
と共に、更にこの油圧回路に、この油圧ポンプから圧油
を受ける位置よりマスタシリンダ側の油圧経路を連通・
遮断する切換弁と、油圧ポンプからの圧油を受ける油圧
経路内の油圧が所定圧力に達したときに、その油圧経路
内のブレーキ油を外部に排出して、駆動輪のホイールシ
リンダに過大な油圧が加わるのを防止するリリーフ弁と
を設け、車両加速時に駆動輪がスリップすると、切換弁
を遮断状態にして油圧ポンプを作動させ、上記制御弁の
弁位置を切換制御することにより駆動輪の制動力を制御
するようにされている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、こうした従
来のトラクション制御装置においては、トラクション制
御実行時に、ブレーキペダルが踏み込まれ、マスタシリ
ンダから制動用の圧油が出力されると、その圧油を駆動
輪のホイールシリンダにそのまま供給できるように、制
御弁を増圧位置、切換弁を連通状態に夫々切り換え、油
圧ポンプの作動を停止するようにされていた。
【0005】このため、このようなトラクション制御実
行中の車両制動時には、駆動輪のホイールシリンダに、
トラクション制御に使ったブレーキ油が残留した状態
で、マスタシリンダからの圧油が供給されることとな
り、その後、ブレーキペダルが戻された際(制動終了
時)には、トラクション制御に使ったブレーキ油がマス
タシリンダに戻り、マスタシリンダ内が高圧になって、
内部のシール部材が損傷することがあった。
【0006】すなわち、例えば図12に示す如く、マス
タシリンダ90は、その上部にブレーキ油を蓄えるリザ
ーバ92を備え、ブレーキペダルが踏み込まれていなけ
れば、マスタシリンダ90とリザーバ92との間及びマ
スタシリンダ90と図示しない油圧回路との間の油路9
4,96を夫々連通しており、ブレーキペダルが踏み込
まれると、内部ピストン98の矢印A方向への移動によ
って、リザーバ92とマスタシリンダ90との間の油路
94を遮断し、油圧回路にブレーキ油を圧送する。この
ため、ブレーキペダルの踏み込みによる車両の制動開始
時に、駆動輪のホイールシリンダにトラクション制御に
使ったブレーキ油が残留していると、制動終了時にブレ
ーキペダルが戻され、内部ピストン98の矢印B方向へ
の移動によって油路94が開かれる際に、トラクション
制御に使ったブレーキ油がこの油路94を通ってリザー
バ92に戻されることとなり、その時のブレーキ油の急
速な流れによって、内部ピストン98に設けられたシー
ル部材99が損傷するといった問題が生じるのである。
【0007】本発明は、こうした問題に鑑みなされたも
ので、ブレーキ装置を用いた制動力制御によって車両加
速時の駆動輪のスリップを抑制するトラクション制御装
置において、トラクション制御実行時のブレーキ操作に
よって、マスタシリンダ内のシール部材が損傷するのを
防止することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
めになされた請求項1に記載の発明は、図1に例示する
如く、マスタシリンダから駆動輪のホイールシリンダに
至る制動用の流体経路を連通・遮断する切換弁と、該切
換弁よりホイールシリンダ側の流体経路に設けられ、少
なくとも、該流体経路を連通してホイールシリンダに流
体を供給する増圧位置と、該流体経路を遮断してホイー
ルシリンダ内の流体を排出する減圧位置とに切り換え可
能な制御弁と、上記切換弁と上記制御弁との間の流体経
路に圧力流体を供給するポンプと、該ポンプから圧力流
体が供給される上記流体経路内の流体圧が所定圧力に達
すると、該流体経路内の流体を外部に排出して当該流体
圧を所定圧力以下に制限する流体圧抑制手段と、車両加
速時の駆動輪のスリップ状態からトラクション制御の実
行条件が成立したか否かを判定する実行条件判定手段
と、該実行条件判定手段の判定結果に基づき、上記トラ
クション制御の実行条件が成立していなければ、上記切
換弁を連通状態、上記ポンプを停止状態、上記制御弁を
増圧位置に夫々保持し、上記トラクション制御の実行条
件が成立していれば、上記切換弁を遮断状態、上記ポン
プを作動状態に夫々保持し、更に上記制御弁の弁位置を
制御して駆動輪にスリップ状態に応じた制動力を与える
トラクション制御を実行する制御手段と、を備えた車両
のトラクション制御装置において、上記マスタシリンダ
から圧力流体を発生させるブレーキ操作がなされたこと
を検出する制動検出手段と、上記制御手段によるトラク
ション制御実行時に、上記制動検出手段にてブレーキ操
作が検出されると、上記切換弁を遮断状態に保持したま
ま、上記ポンプを停止状態、上記制御弁を増圧位置に夫
々切り換え、その後上記制動検出手段にてブレーキ操作
が検出されなくなった時点で、上記切換弁を連通状態に
切り換え、トラクション制御を終了する制動時制御終了
手段と、を設けたことを特徴としている。
【0009】また、請求項2に記載の発明は、上記請求
項1に記載のトラクション制御装置において、更に、上
記切換弁をバイパスするバイパス通路と、該切換弁のマ
スタシリンダ側流体圧がホイールシリンダ側流体圧より
も大きくなったとき、上記バイパス通路を連通するリリ
ーフ弁と、を備えたことを特徴としている。
【0010】また更に、請求項3に記載の発明は、上記
請求項1又は請求項2に記載のトラクション制御装置に
おいて、更に、上記制御手段によるトラクション制御実
行時に上記制動検出手段にてブレーキ操作が検出される
と、上記ホイールシリンダ内の流体圧が所定値以上か否
かを判定する圧力判定手段と、該圧力判定手段にて上記
ホイールシリンダ内の流体圧が所定値以上でないと判断
されると、上記制動時制御手段が上記切換弁を遮断状態
に保持するのを禁止し、該切換弁をそのまま連通状態に
切り換えさせる制動時制御禁止手段と、を備えたことを
特徴としている。
【0011】
【作用及び発明の効果】上記のように構成された請求項
1に記載のトラクション制御装置においては、まず実行
条件判定手段が、車両加速時の駆動輪のスリップ状態か
らトラクション制御の実行条件が成立したか否かを判定
する。そして、この実行条件判定手段にて、トラクショ
ン制御の実行条件が成立していないと判定されている場
合には、制御手段が、切換弁を連通状態、ポンプを停止
状態、制御弁を増圧位置に夫々保持し、マスタシリンダ
からの圧力流体を、切換弁及び制御弁を介して駆動輪の
ホイールシリンダにそのまま供給できるようにする。つ
まり、トラクション制御の実行条件が成立してないなけ
れば、ブレーキ操作によってマスタシリンダから出力さ
れた圧力流体がそのまま駆動輪のホイールシリンダに供
給され、駆動輪に制動力が与えられることになる。
【0012】一方、実行条件判定手段にて、トラクショ
ン制御の実行条件が成立したと判定されると、制御手段
が、切換弁を遮断状態、ポンプを作動状態に夫々保持す
ることにより、マスタシリンダに代えて、ポンプから圧
送された圧力流体を駆動輪のホイールシリンダに供給で
きるようにし、更に制御弁の弁位置を制御することによ
り、そのホイールシリンダ内の流体圧、延いては駆動輪
の制動力を制御する、従来より周知のトラクション制御
を実行する。
【0013】また、こうしたトラクション制御の実行中
に、ポンプから圧力流体が供給される流体経路内の流体
圧が所定圧力に達すると、流体圧抑制手段が、この流体
経路内の流体を外部に排出して、内部の流体圧を所定圧
力以下に制限し、トラクション制御実行中に駆動輪のホ
イールシリンダに過大な圧力が加わるのを防止する。
【0014】また更に、本発明のトラクション制御装置
には、マスタシリンダから圧力流体を発生させるブレー
キ操作がなされたことを検出する制動検出手段が設けら
れ、制御手段によるトラクション制御実行時に、制動検
出手段がブレーキ操作を検出すると、制動時制御終了手
段が、切換弁を遮断状態に保持したまま、ポンプを停止
状態、制御弁を増圧位置に夫々切り換え、その後、制動
検出手段がブレーキ操作を検出しなくなった時点で、切
換弁を連通状態に切り換え、トラクション制御を終了す
る。
【0015】つまり、トラクション制御中にブレーキ操
作がなされた場合には、その後ブレーキ操作が終了する
までの間、マスタシリンダからの圧力流体を駆動輪のホ
イールシリンダには供給せず、ホイールシリンダ内の圧
力をそのまま保持させるのである。
【0016】この結果、ブレーキ操作の終了時に、トラ
クション制御により駆動輪のホイールシリンダに供給さ
れた流体によってマスタシリンダ内圧力が上昇するとい
ったことはなく、マスタシリンダ内のシール部材が損傷
するのを防止できる。なお、ブレーキ操作の終了後は、
切換弁が連通状態に切り換えられるため、駆動輪のホイ
ールシリンダに残留していたトラクション制御による流
体が、マスタシリンダ側に戻されるが、このときはマス
タシリンダとリザーバとの間の通路が全開になっている
ため、マスタシリンダ内の圧力が上昇することはなく、
シール部材の損傷等の問題も起こらない。
【0017】また、このような制御によって、トラクシ
ョン制御中にブレーキ操作がなされた場合には、駆動輪
のホイールシリンダにマスタシリンダからの圧力流体が
供給されなくなるため、車両の制動特性は若干低下する
ものの、駆動輪には、トラクション制御によってホイー
ルシリンダに残留した流体によって制動力が与えられ、
しかも、駆動輪以外の車輪(つまり従動輪)のホイール
シリンダには、マスタシリンダからの圧力流体が供給さ
れるため、車両の制動特性が大きく低下することはな
い。
【0018】次に請求項2に記載のトラクション制御装
置においては、切換弁をバイパスするバイパス通路が設
けられ、切換弁のマスタシリンダ側流体圧がホイールシ
リンダ側流体圧よりも大きくなると、リリーフ弁がバイ
パス通路を連通する。従って、トラクション制御中に、
例えば運転者が車両を急制動させるためにブレーキペダ
ルを大きく踏み込み、マスタシリンダから出力される圧
力流体が駆動輪のホイールシリンダ内圧力よりも高圧に
なった場合には、リリーフ弁が開いて、駆動輪のホイー
ルシリンダにもマスタシリンダからの圧力流体が供給さ
れることになり、車両の制動特性を向上することができ
るようになる。
【0019】また次に、請求項3に記載のトラクション
制御装置においては、トラクション制御中にブレーキ操
作がなされると、圧力判定手段が、ホイールシリンダ内
の流体圧が所定値以上か否かを判定し、この圧力判定手
段にてホイールシリンダ内の流体圧が所定値以上でない
と判断されると、制動時制御禁止手段が、制動時制御手
段が切換弁を遮断状態に保持するのを禁止して、切換弁
をそのまま連通状態に切り換えさせる。
【0020】つまり、トラクション制御中にブレーキ操
作がなされ、ブレーキ操作終了時にマスタシリンダ内の
圧力上昇によってシール部材が破損するのは、駆動輪の
ホイールシリンダ内にトラクション制御に伴う流体が残
留しているときであり、流体が残留していないか、或は
残留した流体の量が少なければ、こうした問題は発生し
ない。
【0021】そこで、本発明では、トラクション制御中
にブレーキ操作がなされたときには、駆動輪のホイール
シリンダ内の流体の残留量をその内部圧力から判定し、
その内部圧力が所定値以上で、ホイールシリンダ内の流
体の残留量が多い場合にだけ、切換弁を遮断状態に保持
する制動時制御を行い、内部圧力が所定値に達していな
ければ、こうした制動時制御を禁止して、切換弁をその
まま連通状態にすることにより、ブレーキ操作に伴いマ
スタシリンダから出力される圧力流体を、できる限り駆
動輪のホイールシリンダに供給できるようにしているの
である。この結果、本発明によれば、制動時制御による
駆動輪の制動力の低下を最小限に抑えることができる。
【0022】
【実施例】以下に本発明の実施例を図面に基づき説明す
る。まず図2は本発明が適用された車両の制御系全体の
構成を表わす概略構成図である。なお、本実施例はフロ
ントエンジン・フロントドライブの四輪車に本発明を適
用した例である。
【0023】図2に示す如く、車両の各車輪(左前輪F
L,右前輪FR,左後輪RL,右後輪RR)には、各車
輪FL〜RRに制動力を与えるためのホイールシリンダ
2FL,2FR,2RL,2RR、及び各車輪の回転速度を検出
する速度センサ4FL,4FR,4RL,4RR4が夫々設けら
れている。また、駆動輪である左右前輪(以下,単に駆
動輪という)FL,FRは、変速機6、ディファレンシ
ャルギヤ8を介して接続された内燃機関10からの駆動
力を受けて回転するようになっており、この動力源とな
る内燃機関10には、その回転速度,吸入空気量,冷却
水温,スロットルバルブの開度(スロットル開度)等の
運転状態を検出するセンサ群12が設けられている。そ
して、これらセンサ群12からの検出信号は、E/G制
御装置20に入力され、E/G制御装置20がその検出
信号に基づき内燃機関10の燃料噴射量や点火時期を制
御するのに使用される。
【0024】また、各車輪FL〜RRに設けられた速度
センサ4FL〜4RRからの検出信号は、制動制御装置30
に入力される。制動制御装置30は、ブレーキペダル3
2の踏込によりブレーキ油を吐出するマスタシリンダ3
4から各車輪FL〜RRのホイールシリンダ2FL〜2RR
に至る油圧経路に設けられた油圧回路40内の各種電磁
弁を制御することにより、車両制動時及び車両加速時に
車輪に生じたスリップを抑制する、アンチスキッド制御
(以下、ABS制御という。)及びトラクション制御
(以下、TRC制御という。)を実行するためのもので
あり、上記各速度センサ4FL〜4RRからの検出信号以外
に、ブレーキペダル32の操作時にON状態となるブレ
ーキスイッチ(以下、ブレーキSWという。)36や、
油圧回路40内に設けられ、駆動輪FL,FRのホイー
ルシリンダ2FL,2FR内の油圧を検出する圧力センサ3
8FL,38FR(図3に示す)等からの検出信号を受けて
動作する。
【0025】なお、E/G制御装置20及び制動制御装
置30は、夫々、CPU,ROM,RAM等を中心に構
成されたマイクロコンピュータからなっており、これら
各制御装置20,30は、センサによる検出データや制
御データ等を送・受信する通信装置を備えている。
【0026】次に、油圧回路40は、図3に示す如く、
マスタシリンダ34の2個の油路から圧送されるブレー
キ油を、左前輪FLと右後輪RR、右前輪FRと左後輪
RLに各々供給するための2系統の油圧経路42,44
を備えている。そして、これら各油圧経路44,42の
内、従動輪である左右後輪(以下、単に従動輪とい
う。)RL,RRのホイールシリンダ2RL,2RRに至る
油圧経路44R,42Rには、その経路44R,42R
を連通する増圧位置とその経路を遮断する保持位置とに
切換可能な保持弁46RL,46RRと、各ホイールシリン
ダ2RL,2RR内のブレーキ油を排出するための減圧弁4
8RL,48RRとが設けられている。
【0027】なお、保持弁46RL,46RRは、通常、増
圧位置となっており、制動制御装置30からの通電によ
り保持位置に切り換えられる。また、減圧弁48RL,4
8RRは、通常、遮断状態になっており、制動制御装置3
0からの通電により連通状態となってホイールシリンダ
2RL,2RR内のブレーキ油を排出する。
【0028】一方、上記各油圧経路42,44の内、駆
動輪である左右前輪FL,FRのホイールシリンダ2F
L,2FRに至る油圧経路42F,44Fには、従動輪側
の油圧経路44R,42Rと同様、前述の制御弁として
の保持弁46FL,46FR及び減圧弁48FL,48FRが設
けられると共に、各保持弁46FL,46FRよりマスタシ
リンダ34側に、その経路42F,44Fを連通・遮断
する前述の切換弁としてのマスタカットソレノイド(以
下、SM弁という。)50FL,50FRが設けられてい
る。
【0029】そして、これら各SM弁50FL,50FRに
は、保持弁46FL,46FR側の油圧がマスタシリンダ3
4側の油圧に対して所定値だけ大きい上限値以上になっ
たときに連通して、保持弁46FL,46FR側の油圧をそ
の上限値以下に制限する、流体圧抑制手段としてのリリ
ーフ弁52FL,52FRと、マスタシリンダ34側の油圧
が保持弁46FL,46FR側の油圧より大きくなったとき
に連通して、マスタシリンダ34から出力された圧油を
保持弁46FL,46FR側に供給するリリーフ弁54FL,
54FRとが、夫々、並列に接続されている。なお、SM
弁50FL,50FRは、通常、連通状態となっており、制
動制御装置30からの通電により遮断状態に切り換えら
れる。
【0030】また、各油圧経路42,44には、減圧弁
48FL及び48RR,減圧弁48FR及び48RLから排出さ
れたブレーキ油を一時的に蓄えるリザーバ56,58が
備えられ、更にそのブレーキ油を、SM弁50FLと保持
弁46FLとの間の油圧経路42Faと、SM弁50FRと
保持弁46FRとの間の油圧経路44Faとに夫々圧送す
る油圧ポンプ60,62が備えられている。なお、各油
圧ポンプ60,62からのブレーキ油の吐出経路には、
内部の油圧の脈動を抑えるアキュムレータ64,66が
設けられている。
【0031】また更に、各油圧経路42,44には、後
述のブレーキTRC制御実行時に、マスタシリンダ34
を介してマスタシリンダ34の上部に設けられたリザー
バ68から油圧ポンプ60,62に直接ブレーキ油を供
給するための油供給経路42P,44Pが設けられ、こ
れら各油供給経路42P,44Pには、その経路を連通
・遮断するリザーバカットソレノイド(以下、SR弁と
いう。)70FL,70FRが設けられている。
【0032】なお、SR弁70FL,70FRは、通常、遮
断状態となっており、制動制御装置30からの通電によ
り連通状態に切り換えられる。また、各油圧ポンプ6
0,62は、ABS制御や後述のブレーキTRC制御実
行時に、モータ80を介して駆動される。
【0033】次に、制動制御装置30は、車両制動時に
各車輪FL〜RRにスリップが発生すると、ABS制御
を開始して、上記油圧回路40内の保持弁46FL〜46
RRと減圧弁48FL〜48RRを夫々ON・OFF(通電・
非通電)することにより、各車輪FL〜RRのスリップ
状態に応じて各ホイールシリンダ2FL〜2RR内のブレー
キ油圧を制御する。また、制動制御装置30は、車両加
速時に駆動輪FL,FRにスリップが発生すると、E/
G制御装置20に対して燃料噴射量の減量或は点火時期
の遅角指令を出力することにより、内燃機関10の出力
トルクを抑制するE/G・TRC制御を開始すると共
に、後述のブレーキTRC制御を開始して、上記油圧回
路40内のSM弁50FL,50FRとSR弁70FL,70
FRとをON(通電)し、保持弁46FL,46FRと減圧弁
48FL,48FRとをON・OFFすることにより、駆動
輪FL,FRに制動力を与え、スリップを抑制する。
【0034】以下、このように制動制御装置30におい
て実行される、ABS制御,E/G・TRC制御,及び
ブレーキTRC制御の内、本発明にかかわる主要な処理
であるブレーキTRC制御について、図4〜図7に示す
フローチャートに沿って詳しく説明する。
【0035】まず図4は、内燃機関10の始動直後に実
行されるプレ制御処理を表わすフローチャートである。
なお、この処理は、低温時には、ブレーキ油の粘性によ
り、油圧ポンプ60,62の吐出性能が低下し、ブレー
キTRC制御の応答性等が悪化することから、内燃機関
10の始動直後にブレーキ油の温度を上昇させて、始動
直後のブレーキTRC制御を良好に実行できるようにす
るための処理である。
【0036】図4に示す如く、内燃機関10が始動さ
れ、プレ制御処理が開始されると、まずステップ110
にて、計時用のカウンタt1 をリセットした後、ステッ
プ120にて、内燃機関10の冷却水温TWが予め設定
されたプレ制御判定温度TW0(例えば、0度)以下で
あるか否かを判断する。そして、冷却水温TWがプレ制
御判定温度TW0を越えていれば、ブレーキ油の温度は
比較的高く、ブレーキ油の粘性により、油圧ポンプ6
0,62の吐出性能が低下することはないと判断して、
当該処理をそのまま終了する。
【0037】一方、冷却水温TWがプレ制御判定温度T
W0以下であれば、ステップ130に移行して、ブレー
キSW36がOFF状態か否かを判断し、ブレーキSW
36がON状態(つまり、運転者がブレーキペダル32
を踏み込んでいる状態)であれば、再度ステップ120
に移行する。つまり、内燃機関10の始動時に冷却水温
TWがプレ制御判定温度TW0以下であるとき、ブレー
キペダル32が踏み込まれていれば、ステップ120及
びステップ130の処理を繰返し実行することにより、
ブレーキSW36がOFF状態になるのを待つのであ
る。
【0038】次に、ステップ130にて、ブレーキSW
36がOFF状態であると判断されると、今度はステッ
プ140に移行して、各駆動輪FL,FRに対して設け
られた油圧回路40内のSM弁50FL,50FR、SR弁
70FL,70FR及び保持弁46FL,46FRとモータ80
とを夫々ONすることにより、油圧ポンプ60,62か
らの圧油を受ける油圧経路42Fa,44Faを完全に
遮断し、油圧ポンプ60,62にリザーバ68内のブレ
ーキ油を供給できる状態で油圧ポンプ60,62を作動
させる。
【0039】また続くステップ150では、ブレーキS
W36がON状態になったか否かを判断する。そして、
ブレーキSW36がON状態でなければ、ステップ16
0にて、カウンタt1 の値が所定値T1 以上になったか
否かによって、ステップ140の処理後所定時間経過し
たかどうかを判断し、カウンタt1 の値が所定値T1以
上になっていなければ、ステップ180にてカウンタt
1 の値をインクリメントし、再度ステップ150に移行
する。つまり、ステップ140にて、油圧ポンプ60,
62を作動させた後、ブレーキSW36がOFF状態で
あれば、ステップ150,ステップ160,ステップ1
80の一連の処理を繰返し実行することにより、ステッ
プ140にて油圧ポンプ60,62を作動させた後、所
定時間が経過するのを待つのである。
【0040】そして、ステップ160にて、カウンタt
1 の値が所定値T1 以上になり、ステップ140の処理
後所定時間が経過したと判断されると、ステップ170
に移行し、ステップ140にてONした、各駆動輪F
L,FRに対応したSM弁50FL,50FR、SR弁70
FL,70FR及び保持弁46FL,46FRとモータ80とを
夫々OFFし、当該処理を終了する。
【0041】また、ステップ150にて、ブレーキSW
36がON状態になったと判断された場合にも、マスタ
シリンダ34から駆動輪FL,FRのホイールシリンダ
2FL,2FRに至る油圧経路を確保するために、ステップ
170の処理を実行し、当該処理を終了する。
【0042】すなわち、当該プレ制御処理においては、
内燃機関10の始動時に冷却水温TWがプレ制御判定温
度TW0以下であるとき、一定時間、或はブレーキペダ
ル32が踏み込まれるまでの間、油圧ポンプ60,62
からの圧油を受ける油圧経路42Fa,44Faを完全
に遮断し、更に油圧ポンプ60,62にリザーバ68内
のブレーキ油を供給できる状態で、油圧ポンプ60,6
2を作動させることにより、油圧ポンプ60,62内の
ブレーキ油の温度を上昇させるのである。
【0043】なお、このプレ制御処理の実行時には、油
圧ポンプ60,62から吐出されたブレーキ油を受ける
油圧経路42Fa,44Fa内の油圧は上昇するが、こ
の油圧がマスタシリンダ34側の油圧に対して所定値だ
け大きい上限値以上になると、リリーフ弁52FL,52
FRが開くため、油圧経路42Fa,44Fa内の油圧の
上昇によって何等問題が生じることはなく、またリリー
フ弁52FL,52FRからマスタシリンダ34側に排出さ
れたブレーキ油は、SR弁70FL,70FRを介して油圧
ポンプ60,62に戻るため、油圧ポンプ60,62か
ら吐出されたブレーキ油はリリーフ弁52FL,52FRを
介して循環することになり、ブレーキ油の温度上昇がよ
り促進されることになる。
【0044】次に、図5は、上記プレ制御処理の終了
後、制動制御装置30において、ABS制御及びE/G
・TRC制御のための処理と共に、繰返し実行されるブ
レーキTRC制御処理を表わすフローチャートである。
図5に示す如く、このブレーキTRC制御処理では、ま
ずステップ210にて、車両加速時に、駆動輪FL,F
Rが当該ブレーキTRC制御を実行すべきスリップ状態
に達したか否かを判定する制御開始判定を行う。そし
て、ブレーキTRC制御を開始する必要がなければ、こ
のステップ210の処理を繰返し実行することにより、
ブレーキTRC制御の開始条件が成立するのを待ち、ブ
レーキTRC制御の開始条件が成立すると、続くステッ
プ220にて、ブレーキTRC制御の実行を禁止する禁
止フラグがセットされているか否かを判断する。そし
て、禁止フラグがセットされていれば再度ステップ21
0に移行し、ステップ210及びステップ220の処理
を繰り返す。
【0045】なお、この禁止フラグは、後述の過熱防止
制御処理によって、SM弁50FL,50FR又はSR弁7
0FL,70FRの過熱が判定されたときに一定時間セット
されるフラグである。次に、ステップ220にて、禁止
フラグがリセット状態であると判断されると、ステップ
230に移行して、後述の過熱防止制御処理においてS
M弁50FL,50FR及びSR弁70FL,70FRの通電及
び非通電時間を計時するのに使用するカウンタt2 ,t
3 を夫々リセットした後、ステップ240にて、SM弁
50FL,50FR、SR弁70FL,70FR及びモータ80
をONし、油圧回路40を、油圧ポンプ60,62から
吐出されるブレーキ油によって駆動輪FL,FRを制動
できる状態にする。
【0046】そして、続くステップ250では、駆動輪
FL,FRのスリップ状態に応じて、保持弁46FL,4
6FR及び減圧弁48FL,48FRのON・OFF状態を制
御することにより、ホイールシリンダ2FL,2FR内のブ
レーキ油圧、延いては駆動輪FL,FRに加える制動力
を制御する周知のブレーキTRC制御を開始する。
【0047】つまり、ステップ250では、保持弁46
FL,46FR及び減圧弁48FL,48FRの制御モードを、
駆動輪FL,FRのスリップ状態に応じて、保持弁46
FL,46FR及び減圧弁48FL,48FRを共にOFFして
ホイールシリンダ2FL,2FR内のブレーキ油圧を増圧す
る増圧モードと、保持弁46FL,46FRのみをONして
ホイールシリンダ2FL,2FR内のブレーキ油圧を保持す
る保持モードと、保持弁46FL,46FR及び減圧弁48
FL,48FRを共にONしてホイールシリンダ2FL,2FR
内のブレーキ油圧を減圧する減圧モードとの何れかに切
り換えることにより、ホイールシリンダ2FL,2FR内の
ブレーキ油圧、延いては駆動輪FL,FRに加える制動
力を制御するのである。
【0048】こうしてブレーキTRC制御を開始する
と、今度はステップ260にて、ブレーキTRC制御の
終了条件が成立したか否かを判断する。この判断は、例
えばE/G制御装置20側にて検出されたスロットル開
度が0となったか否かによっても判断できるが、本実施
例では、終了判定をできるだけ早く行うために、スロッ
トル開度から得られるスロットルバルブの閉速度が所定
値以上になったとき、或はスロットル開度が所定開度以
下になったときに、ブレーキTRC制御の終了条件が成
立したと判断する。
【0049】なお、これは運転者がアクセルペダルから
足を離してブレーキペダルを踏み込むまでの間に、ブレ
ーキTRC制御によって駆動輪FL,FRのホイールシ
リンダ2FL,2FRに供給したブレーキ油をできるだけ早
くリザーバ68に戻すためであり、これによって、例え
ば車両運転者がアクセルペダルからブレーキペダル32
への急速な踏み変えを行ったときに、ホイールシリンダ
2FL,2FR内にブレーキTRC制御によるブレーキ油が
残留した状態でブレーキペダル32が踏み込まれるのを
防止している。
【0050】次に、上記ステップ260にて、ブレーキ
TRC制御の終了条件が成立したと判断されると、ステ
ップ270に移行して、ブレーキTRC制御の開始時に
ステップ240にてONしたSM弁50FL,50FR、S
R弁70FL,70FR及びモータ80を夫々OFFすると
共に、ブレーキ油圧の制御に用いた保持弁46FL,46
FR及び減圧弁48FL,48FRを夫々OFFすることによ
り、ブレーキTRC制御を終了し、再度ステップ210
に移行する。
【0051】なお、このステップ270においては、駆
動輪FL,FRのホイールシリンダ2FL,2FR内のブレ
ーキ油をできるだけ早くリザーバ68に戻すために、ま
ず減圧弁48FL,48FR及びモータ80をONした状態
で、SM弁50FL,50FR、SR弁70FL,70FR、及
び保持弁46FL,46FRをOFFし、その後所定時間
(例えば50msec.)経過した時点で、減圧弁48FL,
48FR及びモータをOFFする。
【0052】つまり、ブレーキTRC制御の終了時に
は、駆動輪FL,FRのホイールシリンダ2FL,2FR内
のブレーキ油をマスタシリンダ34側に戻す経路とし
て、保持弁46FL,46FRからSM弁50FL,50FRに
至る経路と、減圧弁48FL,48FR及びモータ80を介
してSM弁50FL,50FRに至る経路との2経路を一時
的に形成することにより、ホイールシリンダ2FL,2FR
内のブレーキ油をできるだけ早くリザーバ68に戻し、
車両運転者がアクセルペダルからブレーキペダル32へ
の急速な踏み変えを行ったときにでも、ホイールシリン
ダ2FL,2FR内にブレーキ油が残留した状態でブレーキ
ペダル32が踏み込まれるのを防止しているのである。
【0053】一方、上記ステップ260にて、ブレーキ
TRC制御の終了条件が成立していないと判断された場
合には、ステップ280に移行して、車両運転者のブレ
ーキペダル32の踏み込みによってブレーキSW36が
ON状態になったか否かを判断し、ブレーキSW36が
ON状態でなければ、ブレーキTRC制御をそのまま続
行可能であると判断して、ステップ290に移行し、今
度は、上記ステップ250により保持弁46FL,46FR
がOFFされているか否か、つまり現在ブレーキTRC
制御の制御モードがブレーキ油圧を増圧する増圧モード
になっているか否かを判断する。
【0054】そして、現在、保持弁46FL,46FRがO
N状態であり、ブレーキTRC制御の制御モードが増圧
モードになっていなければ、SM弁50FL,50FR、S
R弁70FL,70FR及びモータ80をOFFしても制御
に支障をきたすことがないため、ステップ300に移行
して、これら各部の内の少なくとも一つをOFFするこ
とにより、油圧ポンプ60,62から吐出されたブレー
キ油を受ける油圧経路42Fa,44Fa内の油圧が上
昇するのを防止し、ステップ250に移行する。
【0055】すなわち、油圧経路42Fa,44Fa内
の油圧が上限値以上になったときに開弁して、油圧経路
42Fa,44Fa内のブレーキ油をマスタシリンダ3
4側に排出するリリーフ弁52FL,52FRは、油圧経路
42Fa,44Faからの圧油を受けて開弁するもので
あるため、その開弁時にブレーキ油が弁体を通過する際
に気泡が発生する所謂キャビテーションが起こることが
あり、こうしたキャビテーションが起こると、車両の制
動特性が低下してしまう。
【0056】また、保持弁46FL,46FRがONされる
保持モード又は減圧モードのときにSM弁50FL,50
FR、SR弁70FL,70FR及びモータ80を全てON状
態にしていると、油圧経路42Fa,44Fa内の油圧
が上昇し過ぎて、リリーフ弁52FL,52FRが開弁し、
上記キャビテーションが発生することがある。
【0057】そこで、本実施例では、上記ステップ30
0の処理により、保持弁46FL,46FRがONされる保
持モード又は減圧モードのときに、SM弁50FL,50
FR、SR弁70FL,70FR及びモータ80の少なくとも
一つをOFFすることによって、保持モード又は減圧モ
ードのときに油圧経路42Fa,44Fa内の油圧が上
昇して、リリーフ弁52FL,52FRが開弁し、上記キャ
ビテーションが発生するのを防止しているのである。
【0058】一方、ステップ290にて、ブレーキTR
C制御の制御モードが増圧モードになっていると判断さ
れた場合には、SM弁50FL,50FR、SR弁70FL,
70FR及びモータ80の一つでもOFFすると、ホイー
ルシリンダ2FL,2FRのブレーキ油圧を昇圧することが
できなくなってしまうので、上記ステップ300にてO
FFしたSM弁50FL,50FR、SR弁70FL,70FR
及びモータ80をON状態に戻し、ステップ250に移
行する。
【0059】次に、上記ステップ280にてブレーキS
W36がON状態になったと判断されると、続くステッ
プ320に移行して、当該ブレーキTRC制御によって
ホイールシリンダ2FL,2FRのブレーキ油圧が上昇して
いるか否か、換言すればホイールシリンダ2FL,2FR内
にブレーキTRC制御により供給されたブレーキ油が残
っているか否かを判断する。
【0060】そして、ホイールシリンダ2FL,2FRのブ
レーキ油圧が上昇している場合には、ステップ400に
移行して、本発明にかかわる主要な処理である制動時制
御終了処理を実行し、逆にホイールシリンダ2FL,2FR
のブレーキ油圧が上昇していなければ、ステップ260
に移行する。
【0061】次に、このステップ400にて実行される
制動時制御終了処理について図6を用いて説明する。図
6に示す如く、制動時制御終了処理においては、まずス
テップ410にて、SM弁50FL,50FRをONしたま
まの状態で、SR弁70FL,70FR、モータ80、保持
弁46FL,46FR、及び減圧弁48FL,48FRを全てO
FFする。そして、続くステップ420では、各車輪F
L〜RRのスリップ状態からABS制御の開始条件が成
立したか否かを判断し、ABS制御の開始条件が成立し
ていないと判断されると、そのままステップ460に移
行する。
【0062】一方、ステップ420にて、ABS制御の
開始条件が成立したと判断されると、ステップ430に
移行して、モータ80及び駆動輪FL,FRの保持弁4
6FL,46FRをONし、従動輪RL,RRに対して設け
られた保持弁46RL,46RR及び減圧弁48RL,48RR
を、各車輪RL,RRのスリップ状態に応じてON・O
FFすることにより、ホイールシリンダ2RL,2RRのブ
レーキ油圧を制御する、従動輪RL,RRに対するAB
S制御を実行する。そして、続くステップ440では、
このABS制御の終了条件が成立したか否かを判断し、
終了条件が成立していなければ、再度ステップ430に
移行することにより、従動輪RL,RRに対するABS
制御を継続する。
【0063】またステップ440にて、このABS制御
の終了条件が成立したと判断された場合には、ステップ
450にて、モータ80をOFFし、従動輪RL,RR
に対して設けられた保持弁46RL,46RR及び減圧弁4
8RL,48RRをOFFすることにより、従動輪RL,R
RのABS制御を終了し、続くステップ460に移行す
る。
【0064】次に、ステップ460では、ブレーキSW
36がOFF状態になったか否かを判断する。そして、
ブレーキSW36がOFF状態になっていなければ再度
ステップ420に移行し、逆にブレーキSW36がOF
F状態になったと判断されると、ステップ470にて、
SM弁50FL,50FRをOFFし、当該制動時制御終了
処理を終了する。
【0065】すなわち、この制動時制御終了処理では、
SM弁50FL,50FRをON状態にしたまま、SR弁7
0FL,70FR、モータ80、保持弁46FL,46FR、及
び減圧弁48FL,48FRを全てOFFすることにより、
ブレーキTRC制御実行時にブレーキ操作がなされたと
きに、ホイールシリンダ2FL,2FRに供給したブレーキ
油が残った状態で、駆動輪FL,FRのホイールシリン
ダ2FL,2FRにマスタシリンダ34から吐出されたブレ
ーキ油が供給されないようにし、その後ブレーキSW3
6がOFF状態になった時点で、SM弁50FL,50FR
をOFFして、ブレーキTRC制御を完全に終了するよ
うにしているのである。
【0066】またこのようにSM弁50FL,50FRをO
N状態に保持したときには、マスタシリンダ34から吐
出されたブレーキ油は、通常、従動輪RL,RRのホイ
ールシリンダ2RL,2RRに供給され、マスタシリンダ3
4側のブレーキ油圧がホイールシリンダ2FL,2FRのブ
レーキ油圧を越えると、リリーフ弁54FL,54FRを介
して駆動輪FL,FRのホイールシリンダ2FL,2FRに
も供給されるようになる。そして、マスタシリンダ34
側のブレーキ油圧が大き過ぎる場合には、各車輪FL〜
RRに車両制動時のスリップが発生する。そこで、この
制動時制御終了処理では、各車輪FL〜RRのスリップ
状態を監視し、何れかの車輪FL〜RRにスリップが発
生したときには、駆動輪FL,FRの保持弁46FL,4
6FRをONしてホイールシリンダ2FL,2FR内のブレー
キ油圧を保持した上で、モータ80を駆動して、従動輪
RL,RRに対するABS制御を実行するようにしてい
る。
【0067】次に図7は、SM弁50FL,50FR及びS
R弁70FL,70FRの通電及び非通電時間から、これら
各弁の温度を推定して、その温度が所定温度以上の過熱
状態であるとき、上述の禁止フラグを一定時間セットし
て、ブレーキTRC制御を一定時間禁止する過熱防止制
御処理を表わすフローチャートである。
【0068】図7に示す如く、この処理は、制動制御装
置30において、上記ブレーキTRC制御処理において
ブレーキTRC制御を開始した後、ステップ270又は
ステップ470の処理実行によりブレーキTRC制御を
終了するまでの間、所定時間毎のタイマ割込処理として
実行されるものであり、処理が開始されると、まずステ
ップ510にて、SM弁50FL,50FRがON状態であ
るか否かを判断する。そして、SM弁50FL,50FRが
ON状態であれば、ステップ520にて、ブレーキTR
C制御の実行開始時にリセットされる計時用のカウンタ
t2 に所定値aを加算した後、ステップ550に移行す
る。
【0069】一方、ステップ510にて、SM弁50F
L,50FRがON状態でないと判断されると、ステップ
530に移行して、ブレーキTRC制御の実行開始時に
リセットされるカウンタt2 の値が0以下の値になって
いるか否かを判断する。そして、カウンタt2 の値が0
以下の値になっていなければ、ステップ540にて、カ
ウンタt2から所定値bを減じた後、ステップ550に
移行し、カウンタt2 の値が0以下の値になっていれ
ば、ステップ545にてカウンタt2 に値0を設定(つ
まりリセット)した後、ステップ550に移行する。
【0070】次にステップ550では、SR弁70FL,
70FRがON状態であるか否かを判断する。そして、S
R弁70FL,70FRがON状態であれば、ステップ57
0にて、ブレーキTRC制御の実行開始時にリセットさ
れる計時用のカウンタt3 に所定値aを加算した後、ス
テップ590に移行する。
【0071】一方、ステップ550にて、SR弁70F
L,70FRがON状態でないと判断されると、ステップ
570に移行して、ブレーキTRC制御の実行開始時に
リセットされるカウンタt3 の値が0以下の値になって
いるか否かを判断する。そして、カウンタt3 の値が0
以下の値になっていなければ、ステップ580にて、カ
ウンタt3から所定値bを減じた後、ステップ590に
移行し、カウンタt3 の値が0以下の値になっていれ
ば、ステップ585にてカウンタt3 に値0を設定(つ
まりリセット)した後、ステップ590に移行する。
【0072】そしてステップ590では、上記カウンタ
t2 又はt3 の値が所定値T2 以上になっているか否か
によって、SM弁50FL,50FR及びSR弁70FL,7
0FRの過熱状態を判定し、カウンタt2 又はt3 の値が
所定値T2 以上になっており、SM弁50FL,50FR及
びSR弁70FL,70FRの一方でも過熱しているときに
は、ステップ600に移行して、上述の禁止フラグをセ
ットして図示しないラッチ処理により一定時間保持さ
せ、逆にカウンタt2 及びt3 の値が共に所定値T2 未
満であれば、そのまま当該処理を終了する。
【0073】すなわち、この過熱防止制御処理では、S
M弁50FL,50FR及びSR弁70FL,70FRのON・
OFF状態に応じてカウンタt2 及びt3 を加・減算す
ることにより、カウンタt2 及びt3 の値から各弁の温
度を推定し、その値が所定値T2 に達した時点で、SM
弁50FL,50FR或はSR弁70FL,70FRが過熱によ
る断線等の虞があるとして、禁止フラグを一定時間セッ
トするのである。
【0074】以上説明したように、本実施例の制動制御
装置30においては、まず内燃機関10の始動時に、冷
却水温TWがプレ制御判定温度TW0以下の低温である
場合には、プレ制御処理によって、一定時間或はブレー
キペダル32が踏み込まれるまでの間、油圧ポンプ6
0,62からの圧油を受ける油圧経路42Fa,44F
aを完全に遮断し、更に油圧ポンプ60,62にリザー
バ68内のブレーキ油を供給できる状態で、油圧ポンプ
60,62を作動させるようにしている。
【0075】このため、本実施例によれば、図8に示す
如く、内燃機関10の低温時にブレーキTRC制御を実
行する場合に、従来装置のように、モータ80始動後、
油圧ポンプ60,62からの吐出されるブレーキ油の流
量(ポンプ流量)が所定流量に達するまでの立ち上がり
時間が、ブレーキ油の粘性によって長くなるといったこ
とはなく、ポンプ流量を速やかに立ち上がらせて、内燃
機関低温時にも、ブレーキTRC制御を良好に実行する
ことができるようになる。
【0076】また本実施例の制動制御装置30は、こう
したプレ制御処理の終了後、ABS制御及びE/G・T
RC制御のための処理と共にブレーキTRC制御処理を
実行し、例えば、図9に示す如く、時点taにてブレー
キTRC制御の実行条件を判定すると、従来装置と同
様、SM弁50FL,50FR、SR弁70FL,70FR、及
びモータ80をONして、保持弁46FL,46FR及び減
圧弁48FL,48FRをON・OFF制御するブレーキT
RC制御を開始するが、このブレーキTRC制御実行中
に、時点tbにてブレーキSW36がON状態になり、
そのときホイールシリンダ2FL,2FRのブレーキ油圧が
上昇していれば、SM弁50FL,50FRをON状態に保
持したまま、SR弁70FL,70FR、モータ80、保持
弁46FL,46FR、及び減圧弁48FL,48をOFF
し、その後、ブレーキSW36がOFF状態になった時
点tfで、SM弁50FL,50FRをOFFする。
【0077】このため、ブレーキTRC制御実行途中に
ブレーキペダル32が踏み込まれても、ブレーキTRC
制御の実行によってホイールシリンダ2FL,2FRに供給
されたブレーキ油により、マスタシリンダ34内の油圧
が通常より増大して、マスタシリンダ34内のシール部
材が損傷するといったことはなく、マスタシリンダ34
の耐久性を向上できる。
【0078】なお、このようにブレーキTRC制御実行
中にブレーキSW36がON状態になってSM弁50F
L,50FRをON状態に保持した場合には、マスタシリ
ンダ34から吐出されたブレーキ油は、従動輪RL,R
Rのホイールシリンダ2RL,2RRに供給されるようにな
るが、このとき、ブレーキペダル32が大きく踏み込ま
れ、マスタシリンダ34側のブレーキ油圧がホイールシ
リンダ2FL,2FRのブレーキ油圧を越えるようになる
と、リリーフ弁54FL,54FRが開弁して、マスタシリ
ンダ34から吐出されたブレーキ油がホイールシリンダ
2FL,2FRにも供給されるようになるため、車両運転者
の要求に比べて駆動輪FL,FRの制動力が小さくなる
ことはなく、車両の制動特性を充分確保することができ
る。
【0079】また、このようにブレーキTRC制御実行
中にブレーキSW36がON状態になるのは、車両運転
者がアクセルペダルとブレーキペダル32とを両方同時
に踏み込んでいるときであり、この状態では、車両運転
者が更にアクセルペダルを踏み込むことにより、駆動輪
FL,FRにより大きな加速スリップが発生してしまう
ことがある。そして、このような場合に、上記のように
SM弁50FL,50FRをON状態に保持した状態でブレ
ーキTRC制御を終了してしまうと、駆動輪FL,FR
のスリップを充分抑制できなくなる。しかし、本実施例
の制動制御装置30では、E/G制御装置20を介して
内燃機関10の出力トルクを抑制するE/G・TRC制
御も同時に実行するようにされているため、上記のよう
にブレーキSW36がON状態となって、ブレーキTR
C制御を終了しても、その後、E/G・TRC制御の実
行条件が成立している間(図9に示す時点tbから時点
tcまでの間)は、E/G・TRC制御によって内燃機
関10の出力トルクが抑制されるため、駆動輪FL,F
Rに大きなスリップが発生することはない。
【0080】一方、本実施例では、こうしたブレーキT
RC制御実行途中のブレーキペダル32の踏み込みによ
ってSM弁50FL,50FRをONしているときに、AB
S制御の実行条件が成立した場合(図9に示す時点td
からteの区間)には、駆動輪FL,FRの保持弁46
FL,46FRをONしてホイールシリンダ2FL,2FR内の
ブレーキ油圧を保持した上で、モータ80を駆動して、
従動輪RL,RRに対するABS制御を実行するように
している。
【0081】このため、本実施例によれば、ブレーキT
RC制御実行中にブレーキペダル32が踏み込まれるこ
とによって、車輪に制動時のスリップが発生した場合に
も、そのスリップを抑制することができ、車両の走行安
全性を確保することができる。
【0082】また本実施例では、ステップ260におけ
るブレーキTRC制御の終了判定を、スロットル開度か
ら得られるスロットルバルブの閉速度やスロットル開度
等からできるだけ早く行い、しかもその終了判定時に
は、ステップ270において、減圧弁48FL,48FR及
びモータ80をONした状態で、SM弁50FL,50F
R、SR弁70FL,70FR、及び保持弁46FL,46FR
をOFFし、その後所定時間経過した時点で、減圧弁4
8FL,48FR及びモータをOFFすることにより、ブレ
ーキTRC制御を終了するようにしている。
【0083】このため本実施例によれば、車両運転者が
アクセルペダルからブレーキペダル32への急速な踏み
変えを行ったときに、ホイールシリンダ2FL,2FR内に
ブレーキ油が残留した状態でブレーキペダル32が踏み
込まれるのを防止することができ、これによってもマス
タシリンダ34の耐久性を向上することができる。
【0084】また次に、本実施例では、ブレーキTRC
制御中にリリーフ弁52FL,52FRが開弁することによ
って生じるキャビテーション防止のために、ステップ2
90〜ステップ310の処理により、図10に示す如
く、ブレーキTRC制御の制御モードが保持又は減圧モ
ードであるときには、SM弁50FL,50FR、SR弁7
0FL,70FR及びモータ80の内の少なくとも一つをO
FFして、ブレーキTRC制御実行中に油圧経路42F
a,44Fa内の油圧が著しく上昇するのを防止してい
る。
【0085】この結果、本実施例によれば、リリーフ弁
52FL,52FRの開弁に伴い生じるキャビテーションを
抑制することができ、このキャビテーションによってマ
スタシリンダ34内に気泡が発生して、次にブレーキペ
ダル32を踏み込んだときの車両の制動特性が低下する
のを防止することもできる。
【0086】また更に、本実施例では、ブレーキTRC
制御実行中に過熱防止制御処理を実行することにより、
図11に示す如く、SM弁50FL,50FR及びSR弁7
0FL,70FRの通電・非通電時間をカウントすることに
より各弁の温度を推定し、そのカウント値が所定値に達
すると、SM弁50FL,50FR或はSR弁70FL,70
FRが過熱による断線等の虞があるとして、禁止フラグを
一定時間セットして、ブレーキTRC制御の実行を禁止
するようにしている。
【0087】このため本実施例によれば、SM弁50F
L,50FR及びSR弁70FL,70FRに、保持弁46FL
〜46RRや減圧弁48FL〜48RRと同じものを使用する
ことができるようになり、油圧回路40の生産性を向上
することができる。つまり、SM弁50FL,50FR及び
SR弁70FL,70FR(特にSM弁)は、上記キャビテ
ーション防止のためのON・OFF制御を実行しない限
り、保持弁46FL〜46RR及び減圧弁48FL〜48RRに
比べて通電時間が長くなるため、その発熱量が大きく、
保持弁46FL〜46RRや減圧弁48FL〜48RRと同じも
のを使用すると、断線等による故障が生じ易くなる。そ
こで、本実施例では、上記のように、SM弁50FL,5
0FR及びSR弁70FL,70FRの通電及び非通電時間か
らその温度を推定して、過熱による断線等が生じる前に
ブレーキTRC制御の実行を禁止することにより、SM
弁50FL,50FR及びSR弁70FL,70FRを過熱によ
る断線等から保護するようにしているのである。
【0088】なお、上記実施例では、SM弁50FL,5
0FR及びSR弁70FL,70FRの通電及び非通電時間を
夫々カウントするように構成したが、通電時間が長くな
ると考えられるSM弁50FL,50FRの通電及び非通電
時間のみをカウントし、そのカウント値が所定値に達し
た時点で禁止フラグをセットするようにしてもよい。
【0089】また、こうした禁止フラグのセットに伴
い、ブレーキTRC制御は実行されなくなるが、本実施
例では、車両加速時のスリップを、ブレーキTRC制御
とE/G・TRC制御とによって抑制するようにされて
いるため、ブレーキTRC制御が一時的に禁止されて
も、車両加速時のスリップはE/G・TRC制御によっ
て抑制することができ、これによって車両加速時の安全
性を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の構成を例示するブロック図である。
【図2】実施例の車両制御系全体の構成を表わす概略構
成図である。
【図3】油圧回路の構成を表わす説明図である。
【図4】制動制御装置において内燃機関の始動直後に実
行されるプレ制御処理を表わすフローチャートである。
【図5】制動制御装置においてプレ制御処理の終了後に
実行されるブレーキTRC制御処理を表わすフローチャ
ートである。
【図6】図5のステップ400にて実行される制動時制
御終了処理を表わすフローチャートである。
【図7】制動制御装置においてブレーキTRC制御実行
時に所定時間毎に実行される過熱防止制御処理を表わす
フローチャートである。
【図8】プレ制御処理の実行/非実行によるモータ始動
後のポンプ流量の立ち上がり特性を表わす説明図であ
る。
【図9】実施例のブレーキTRC制御処理の全体動作を
表わすタイムチャートである。
【図10】キャビテーション防止のために実行されるス
テップ290〜ステップ310の動作を表わすタイムチ
ャートである。
【図11】過熱防止制御処理の動作を表わすタイムチャ
ートである。
【図12】マスタシリンダの概略構成を例示する断面図
である。
【符号の説明】
FL,FR…駆動輪(左右前輪) RL,RR…従動
輪(左右後輪) 2…ホイールシリンダ 10…内燃機関 20…E
/G制御装置 30…制動制御装置 32…ブレーキペダル 34
…マスタシリンダ 36…ブレーキSW 38…圧力センサ 40…油
圧回路 42,44…油圧経路 42P,44P…油供給経路 46…保持弁 48…減圧弁 50…SM弁 5
2,54…リリーフ弁 68…リザーバ 60,62…油圧ポンプ 70…
SR弁 80…モータ

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 マスタシリンダから駆動輪のホイールシ
    リンダに至る制動用の流体経路を連通・遮断する切換弁
    と、 該切換弁よりホイールシリンダ側の流体経路に設けら
    れ、少なくとも、該流体経路を連通してホイールシリン
    ダに流体を供給する増圧位置と、該流体経路を遮断して
    ホイールシリンダ内の流体を排出する減圧位置とに切り
    換え可能な制御弁と、 上記切換弁と上記制御弁との間の流体経路に圧力流体を
    供給するポンプと、 該ポンプから圧力流体が供給される上記流体経路内の流
    体圧が所定圧力に達すると、該流体経路内の流体を外部
    に排出して当該流体圧を所定圧力以下に制限する流体圧
    抑制手段と、 車両加速時の駆動輪のスリップ状態からトラクション制
    御の実行条件が成立したか否かを判定する実行条件判定
    手段と、 該実行条件判定手段の判定結果に基づき、上記トラクシ
    ョン制御の実行条件が成立していなければ、上記切換弁
    を連通状態、上記ポンプを停止状態、上記制御弁を増圧
    位置に夫々保持し、上記トラクション制御の実行条件が
    成立していれば、上記切換弁を遮断状態、上記ポンプを
    作動状態に夫々保持し、更に上記制御弁の弁位置を制御
    して駆動輪にスリップ状態に応じた制動力を与えるトラ
    クション制御を実行する制御手段と、 を備えた車両のトラクション制御装置において、 上記マスタシリンダから圧力流体を発生させるブレーキ
    操作がなされたことを検出する制動検出手段と、 上記制御手段によるトラクション制御実行時に、上記制
    動検出手段にてブレーキ操作が検出されると、上記切換
    弁を遮断状態に保持したまま、上記ポンプを停止状態、
    上記制御弁を増圧位置に夫々切り換え、その後上記制動
    検出手段にてブレーキ操作が検出されなくなった時点
    で、上記切換弁を連通状態に切り換え、トラクション制
    御を終了する制動時制御終了手段と、 を設けたことを特徴とする車両のトラクション制御装
    置。
  2. 【請求項2】 上記切換弁をバイパスするバイパス通路
    と、 該切換弁のマスタシリンダ側流体圧がホイールシリンダ
    側流体圧よりも大きくなったとき、上記バイパス通路を
    連通するリリーフ弁と、 を備えたことを特徴とする請求項1に記載の車両のトラ
    クション制御装置。
  3. 【請求項3】 上記制御手段によるトラクション制御実
    行時に上記制動検出手段にてブレーキ操作が検出される
    と、上記ホイールシリンダ内の流体圧が所定値以上か否
    かを判定する圧力判定手段と、 該圧力判定手段にて上記ホイールシリンダ内の流体圧が
    所定値以上でないと判断されると、上記制動時制御手段
    が上記切換弁を遮断状態に保持するのを禁止し、該切換
    弁をそのまま連通状態に切り換えさせる制動時制御禁止
    手段と、 を備えたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載
    の車両のトラクション制御装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100357761B1 (ko) * 1998-06-25 2003-01-15 주식회사 만도 안티록 브레이크 시스템의 모타 제어방법
JP2004231119A (ja) * 2003-01-31 2004-08-19 Hitachi Unisia Automotive Ltd ブレーキ制御装置
JP2013001278A (ja) * 2011-06-17 2013-01-07 Toyota Motor Corp 車両の制御装置

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