JP3730797B2 - 四輪駆動車のブレーキ力制御装置 - Google Patents

四輪駆動車のブレーキ力制御装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、推定車体速度に基づいて算出した車体減速度が設定車体減速度以上であって後輪減速度が設定後輪減速度以上であるときに、後輪側のブレーキ力を前輪側のブレーキ力よりも弱めるようにして、前後のブレーキ力配分制御を行なうようにした四輪駆動車のブレーキ力制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、四輪車両における前後のブレーキ力配分制御を行なうようにしたものが、たとえば特開平6−144176号公報等で既に知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、四輪駆動車にあっては、四輪全てがホイルスピンを生じる場合があり、そのような四輪のホイルスピン状態でドライバがアクセルを戻す操作をしたり、シフトダウン操作をしたりすると、四輪全ての車輪速度が低下してしまう。したがって、推定車体速度から算出した車体減速度が設定車体減速度以上であって後輪減速度が設定後輪減速度以上であることを制御開始条件の少なくとも1つとして、前後のブレーキ力配分制御を行なうようにした四輪駆動車では、四輪のホイルスピン状態でのドライバによるアクセル戻し操作やシフトダウン操作によって、前記制御開始条件が満たされたと誤って判断し、非ブレーキ操作状態であっても、左、右後輪用の車輪ブレーキのブレーキ液圧を制御する後輪用液圧制御弁手段を、前後のブレーキ力配分制御を行なう状態に誤って制御してしまうことがある。
【0004】
しかるに、前後のブレーキ力配分制御を行なう状態で後輪用液圧制御弁手段は、ブレーキ液圧発生手段および左、右後輪の車輪ブレーキ間を遮断するので、アクセル戻し操作やシフトダウン操作後にドライバがブレーキ操作を行なったときには、後輪側のブレーキ力の低下を招く可能性がある。
【0005】
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、四輪全てがホイルスピン状態となったことに起因して、左、右後輪用の車輪ブレーキのブレーキ液圧を制御する後輪用液圧制御弁手段が誤って前後ブレーキ力配分制御状態となることを防止するようにした四輪駆動車のブレーキ力制御装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1記載の発明は、直結状態にある左、右前輪および左、右後輪にそれぞれ装着される車輪ブレーキと、ブレーキ操作に応じてブレーキ液圧を発生するブレーキ液圧発生手段と、前記各車輪ブレーキのうち左、右後輪用の車輪ブレーキおよび前記ブレーキ液圧発生手段間を遮断することを可能として左、右後輪用の車輪ブレーキのブレーキ液圧を制御する後輪用液圧制御弁手段と、四輪の車輪速度をそれぞれ個別に検出する車輪速度検出手段と、車輪速度の変化率が所定限界内では該車輪速度に推定車体速度を追随させるが前記変化率が所定限界を超えると前記追随の感度を鈍らせるようにして前記各車輪速度検出手段で得られた車輪速度に基づいて推定車体速度を算出する車体速度算出手段と、該車体速度算出手段で算出された推定車体速度から車体減速度を算出する車体減速度算出手段と、左、右後輪の車輪速度検出手段の少なくとも一方の検出値に基づいて後輪減速度を算出する後輪減速度算出手段と、前記車体減速度算出手段で得られた車体減速度が設定車体減速度以上であるとともに前記後輪減速度算出手段で算出された後輪減速度が設定後輪減速度以上であることを少なくとも1つの制御開始条件として該制御開始条件が満たされるかどうかを判断するとともに該制御開始条件が満たされていると判断したときに制御開始信号を出力する制御開始判断手段と、該制御開始判断手段から制御開始信号が出力されるのに応じて左、右後輪用の車輪ブレーキのブレーキ液圧を左、右後輪用の車輪ブレーキおよびブレーキ液圧発生手段間を遮断した状態で減圧または保持するように前記後輪用液圧制御弁手段を制御するブレーキ力配分制御手段とを備える四輪駆動車のブレーキ力制御装置において、4つの前記車輪速度検出手段のいずれか1つで検出された車輪速度が前記車体速度算出手段で算出された推定車体速度を一定値以上上回っていることを制御禁止条件として該制御禁止条件が満たされるかどうかを判断するとともに該制御禁止条件が満たされていると判断したときに前記制御開始判断手段での判断にかかわらず前記ブレーキ力配分制御手段による前記後輪用液圧制御弁手段の制御を禁止する禁止信号を出力する制御禁止判断手段を含み、前記制御禁止判断手段が、前記制御禁止条件が不成立となってからも一定時間持続して前記禁止信号を出力し続けることを特徴とする。
【0007】
このような構成によれば、四輪がホイルスピンを生じている状態で、ドライバがアクセルを戻す操作をしたり、シフトダウン操作をしたりして四輪全ての車輪速度が低下しても、左、右後輪用の車輪ブレーキのブレーキ液圧を制御する後輪用液圧制御弁手段が、前後のブレーキ力配分制御を行なう状態に誤って制御されてしまうことがない。すなわち、四輪が直結駆動されている状態では、1輪がホイルスピンを生じると四輪全てがホイルスピンを生じてしまうので、四輪のうちのいずれか1輪でホイルスピンを生じているかどうかを検出すれば、四輪全てがホイルスピンを生じていると判断することができるのであり、いずれか1輪の車輪速度が推定車体速度を一定値以上上回っている状態は、四輪全てがホイルスピンを生じている状態と判断することができる。したがって四輪がホイルスピンを生じている状態では、ブレーキ力配分制御手段による後輪用液圧制御弁手段の制御を禁止することにより、四輪のホイルスピン状態でのドライバによるアクセル戻し操作やシフトダウン操作によって、前後のブレーキ力配分制御の制御開始条件が満たされたと誤って判断したとしても、後輪用液圧制御弁手段が誤って左、右後輪用の車輪ブレーキおよびブレーキ液圧発生手段間を遮断することはなく、アクセル戻し操作やシフトダウン操作後にドライバがブレーキ操作を行なったときに後輪側のブレーキ力の低下を招くことはない。
【0008】
また特に前記制御禁止判断手段は、前記制御禁止条件が不成立となってから一定時間持続して前記禁止信号を出力し続けるため、制御禁止条件が不成立となることによって直ちに、後輪用液圧制御弁手段が前後のブレーキ力配分制御を行なう状態に誤って制御されてしまうことを回避し、四輪のホイルスピン状態が確実に解消されるまで、左、右後輪用の車輪ブレーキおよびブレーキ液圧発生手段間を遮断することを回避し、ブレーキ操作時の後輪ブレーキ力低下を防止することができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、添付の図面に示した本発明の実施の形態の一実施例に基づいて説明する。
【0010】
図1〜図5は本発明の一実施例を示すものであり、図1は四輪車両の駆動系を示す図、図2は四輪車両のブレーキ液圧系を示す図、図3は四輪駆動状態でのブレーキ力配分制御系の構成を示すブロック図、図4は制御開始判断手段での判断手順を示すフローチャート、図5は制御禁止判断手段による判断処理のタイミングチャートである。
【0011】
先ず図1において、左、右一対の前輪WFL,WFRおよび左、右一対の後輪WRL,WRRが図示しない車体の前部および後部にそれぞれ懸架されており、左、右前輪WFL,WFRおよび左、右後輪WRL,WRRは、駆動系Aを介してパワーユニットPに連結される。この駆動系Aは、両前輪WFL,WFRおよびパワーユニットP間を連結する前部差動装置DF と、両後輪WRL,WRRを連結する後部差動装置DR と、パワーユニットPおよび後部差動装置DR 間を連結する推進軸1とを備え、この推進軸1の途中には、左、右前輪WFL,WFRおよび左、右後輪WRL,WRR間を遮断して両前輪WFL,WFRのみを駆動輪とする二輪駆動状態と、左、右前輪WFL,WFRおよび左、右後輪WRL,WRRを直結駆動状態とする四輪駆動状態とを切換可能な差動制限装置2が介設されており、この差動制限装置2を作動せしめるためのアクチュエータ3は駆動状態切換制御ユニット4により制御される。
【0012】
図2において、各四輪には車輪ブレーキBFL,BFR,BRL,BRRがそれぞれ装着されており、それらの車輪ブレーキBFL〜BRRと、ドライバがブレーキペダルBPに加える踏力に応じたブレーキ液圧を発生するブレーキ液圧発生手段としてのタンデム型のマスタシリンダMとの間に、ブレーキ液圧制御装置5が設けられる。
【0013】
マスタシリンダMは、第1および第2出力ポート61 ,62 を備えており、第1出力ポート61 には、左前輪用の車輪ブレーキBFLおよび右後輪用の車輪ブレーキBRRに対応した第1出力液圧路71 が接続され、第2出力ポート62 には、右前輪用の車輪ブレーキBFRおよび左後輪用の車輪ブレーキBRLに対応した第2出力液圧路72 が接続される。
【0014】
ブレーキ液圧制御装置5は、各車輪ブレーキBFL〜BRRに個別に対応した常開型電磁弁8FL,8FR,8RL,8RRと、各常開型電磁弁8FL〜8RRにそれぞれ並列に接続されるチェック弁9FL,9FR,9RL,9RRと、前記各車輪ブレーキBFL〜BRRに個別に対応した常閉型電磁弁10FL,10FR,10RL,10RRと、第1および第2出力液圧路71 ,72 にそれぞれ個別に対応した第1および第2リザーバ111 ,112 と、第1および第2リザーバ111 ,112 に吸入弁121 ,122 をそれぞれ介して接続される第1および第2ポンプ131 ,132 と、両ポンプ131 ,132 を駆動する共通1個の電動モータ14と、第1および第2ポンプ131 ,132 に吐出弁151 ,152 をそれぞれ介して接続される第1および第2ダンパ161 ,162 と、前記第1および第2出力液圧路71 ,72 と第1および第2ダンパ161 ,162 との間にそれぞれ介裝される第1および第2オリフィス171 ,172 と、各常開型電磁弁8FL〜8RR、各常閉型電磁弁10FL〜10RRおよび電動モータ14の作動を制御する電子制御ユニット18とを備える。
【0015】
常開型電磁弁8FLは、第1出力液圧路71 および左前輪用の車輪ブレーキBFL間に設けられ、常開型電磁弁8RRは、第1出力液圧路71 および右後輪用の車輪ブレーキBRR間に設けられ、常開型電磁弁8FRは、第2出力液圧路72 および右前輪用の車輪ブレーキBFR間に設けられ、常開型電磁弁8RLは、第2出力液圧路72 および左後輪用の車輪ブレーキBRL間に設けられる。
【0016】
また各チェック弁9FL〜9RRは、対応する車輪ブレーキB1 〜B4 からマスタシリンダMへのブレーキ液の流れを許容するようにして、各常開型電磁弁8FL〜8RRに並列に接続される。
【0017】
常閉型電磁弁10FLは、左前輪用の車輪ブレーキBFLおよび第1リザーバ111 間に設けられ、常閉型電磁弁10RRは、右後輪用の車輪ブレーキBRRおよび第1リザーバ111 間に設けられ、常閉型電磁弁10FRは、右前輪用の車輪ブレーキBFRおよび第2リザーバ112 間に設けられ、常閉型電磁弁6RLは、左後輪用の車輪ブレーキBRLおよび第2リザーバ112 間に設けられる。
【0018】
ところで、左前輪用の車輪ブレーキBFLに対応した常開型電磁弁8FLおよび常閉型電磁弁10FLは共働して左前輪用液圧制御弁手段VFLを構成し、右後輪用の車輪ブレーキBRRに対応した常開型電磁弁8RRおよび常閉型電磁弁10RRは共働して右後輪用液圧制御弁手段VRRを構成し、右前輪用の車輪ブレーキBFRに対応した常開型電磁弁8FRおよび常閉型電磁弁10FRは共働して右前輪用液圧制御弁手段VFRを構成し、左後輪用の車輪ブレーキBRLに対応した常開型電磁弁8RLおよび常閉型電磁弁10RLは共働して左後輪用液圧制御弁手段VRLを構成する。
【0019】
このようなブレーキ液圧制御装置5によれば、各車輪ブレーキBFL〜BRRをマスタシリンダMに通じさせる増圧状態と、各車輪ブレーキBFL〜BRRをマスタシリンダMから遮断するとともにリザーバ111 ,112 に通じさせる減圧状態と、各車輪ブレーキBFL〜BRRをマスタシリンダMおよびリザーバ111 ,112 から遮断する液圧保持状態とを切換えてアンチロックブレーキ制御を実行することができるとともに、マスタシリンダMからブレーキ液圧が出力されている状態で、左、右前輪用液圧制御弁手段VFL,VFRを増圧状態としつつ、左、右後輪用液圧制御弁手段VRL,VRRを減圧状態もしくは液圧保持状態とすることにより、左、右後輪用の車輪ブレーキBRL,BRRのブレーキ力を左、右前輪用の車輪ブレーキBFL,BFRのブレーキ力よりも弱めるようにした前後のブレーキ力配分制御を実行することができる。
【0020】
電子制御ユニット18は、四輪駆動状態でのブレーキ力配分制御を行なうために、図3で示すような機能を有するように構成されるものであり、推定車体速度を算出する車体速度算出手段21と、推定車体速度から車体減速度を算出する車体減速度算出手段22と、後輪減速度を算出する後輪減速度算出手段23と、前後のブレーキ力配分制御の開始を判断する制御開始判断手段24と、該制御開始判断手段24から制御開始信号が出力されるのに応じて左、右後輪用液圧制御弁手段VRL,VRRを制御するブレーキ力配分制御手段25と、制御開始判断手段24での判断にかかわらずブレーキ力配分制御手段25による左、右後輪用液圧制御弁手段VRL,VRRの制御を禁止する禁止信号を出力する制御禁止判断手段26とを備える。
【0021】
車体速度算出手段21は、四輪の車輪速度をそれぞれ個別に検出する車輪速度検出手段20FL,20FR,20RL,20RRの検出値に基づいて推定車体速度を算出するものであり、車輪速度の変化率が所定限界内では該車輪速度に推定車体速度を追随させるが前記変化率が所定限界を超えると前記追随の感度を鈍らせるようにして推定車体速度を算出する。而して車輪速度の変化率が所定限界を超える状態では、車体速度算出手段21は、想定される最大減速度および最大加速度で車体速度が変化するものとして、推定車体速度を定める。
【0022】
車体減速度算出手段22は、前記車体速度算出手段21で算出された推定車体速度を微分することにり車体減速度を算出し、後輪減速度算出手段23は、左、右後輪用の車輪速度検出手段20RL,20RRの少なくとも一方の検出値に基づいて後輪減速度を算出するものであり、この実施例において後輪減速度算出手段23は、両車輪速度検出手段20RL,20RRの検出値のハイセレクト値を微分することにより後輪減速度を算出する。
【0023】
制御開始判断手段24は、各車輪速度検出手段20FL〜20RRでそれぞれ得られた車輪速度、車体減速度算出手段22で得られた車体減速度、ならびに後輪減速度算出手段23で得られた後輪減速度に基づき、図4で示す手順に従って前後のブレーキ力配分制御を開始するか否かを判断するものであり、ステップS1では、車体減速度算出手段22で得られた車体減速度が設定車体減速度以上であるか否かを判断し、車体減速度が設定車体減速度以上であることを確認したときには、ステップS2において、前輪速度が後輪速度よりも設定値以上大きいかどうかを判断し、前輪速度−後輪速度≧設定値であることを確認したときには、ステップS3に進んで制御開始信号を出力する。
【0024】
またステップS2において、前輪速度−後輪速度<設定値であったときには、ステップS4に進み、後輪減速度算出手段23で得られた後輪減速度が設定後輪減速度以上であるか否かを確認し、後輪減速度≧設定後輪減速度であったときには、ステップS4からステップS3に進んで制御開始信号を出力する。
【0025】
すなわち制御開始判断手段24は、車体減速度算出手段21で得られた車体減速度が設定車体減速度以上であるとともに前輪速度が後輪速度よりも設定値以上大きいこと、ならびに車体減速度算出手段21で得られた車体減速度が設定車体減速度以上であるとともに後輪減速度算出手段23で算出された後輪減速度が設定後輪減速度以上であることのいずれかが成立したときに、前後のブレーキ力配分制御を開始すべきであるとして、制御開始信号を出力するものである。
【0026】
この制御開始判断手段24からの制御開始信号はブレーキ力配分制御手段25に入力されるものであり、ブレーキ力配分制御手段25は、制御禁止判断手段26から禁止信号が入力されていない限り、制御開始信号の入力に応じて、左、右後輪用の車輪ブレーキBRL,BRRのブレーキ液圧を左、右後輪用の車輪ブレーキBRL,BRRおよびブレーキ液圧発生手段M間を遮断した状態で減圧または保持するように後輪用液圧制御弁手段VRL,VRRを制御する。
【0027】
制御禁止判断手段26は、各車輪速度検出手段20FL〜20RRのうちのいずれか1つ(この実施例では20RR)で得られた車輪速度が、車体速度算出手段21で得られた推定車体速度を、一定値以上上回っていることを前後のブレーキ力配分制御を禁止する制御禁止条件として、その制御禁止条件が満たされるかどうかを判断するものであり、図5(a)で示すように、車輪速度検出手段20RRで得られた後輪速度が変化しているときに、車体速度算出手段21で算出された推定車体速度を、前記後輪速度が一定値以上上回った時刻t1 から、図5(c)で示すように禁止信号の出力が開始される。また制御禁止判断手段26は、推定車体速度を後輪速度が一定値以上上回る制御禁止条件が解消されたときには、その制御禁止条件が解消された時刻t2 から図5(b)で示すようにタイマによる計時を開始し、タイマによる一定時間の計時が完了した時刻t3 で、図5(c)で示すように禁止信号の出力を停止する。
【0028】
この制御禁止判断手段26からの禁止信号はブレーキ力配分制御手段25に入力され、ブレーキ力配分制御手段25は、制御禁止判断手段26からの禁止信号入力時には、制御開始判断手段24の判断にかかわらず後輪用液圧制御弁手段VRL,VRRの制御を実行することない。
【0029】
次にこの実施例の作用について説明すると、制御開始判断手段24は、車体減速度が設定車体減速度以上であって後輪減速度が設定後輪減速度以上であることを制御開始条件の1つとして、前後のブレーキ力配分制御の開始を判断している。このため四輪駆動状態で四輪全てがホイルスピンを生じたときに、ドライバがアクセルを戻す操作をしたり、シフトダウン操作をしたりすることにより、四輪全ての車輪速度が低下してしまったときに、制御開始判断手段24は、非ブレーキ操作状態であるにもかかわらず、制御開始条件が満たされたと誤って判断する可能性があり、そのような誤った制御開始判断に応じて、左、右後輪用液圧制御弁手段VRL,FRRを前後のブレーキ力配分制御を行なう状態に誤って制御してしまうと、マスタシリンダMおよび左、右後輪用の車輪ブレーキBRL,BRR間が遮断されるので、アクセル戻し操作やシフトダウン操作後にドライバがブレーキ操作を行なったときには、後輪側のブレーキ力の低下を招く可能性がある。
【0030】
しかるに、制御禁止判断手段26は、4つの車輪速度検出手段20FL〜20RRのいずれか1つで検出された車輪速度が車体速度算出手段21で算出された推定車体速度を一定値以上上回っていることを制御禁止条件として該制御禁止条件が満たされるかどうかを判断し、該制御禁止条件が満たされていると判断したときに制御開始判断手段24での判断にかかわらずブレーキ力配分制御手段25による左、右後輪用液圧制御弁手段VRL,VRRの制御を禁止する禁止信号を出力する。したがって、四輪がホイルスピンを生じている状態で、ドライバがアクセルを戻す操作をしたり、シフトダウン操作をしたりして四輪全ての車輪速度が低下しても、左、右後輪用の車輪ブレーキBRL,BRRのブレーキ液圧を制御する後輪用液圧制御弁手段VRL,VRRが、前後のブレーキ力配分制御を行なう状態に誤って制御されてしまうことがない。
【0031】
すなわち、四輪が直結駆動されている状態では、1輪がホイルスピンを生じると四輪全てがホイルスピンを生じてしまうので、四輪のうちのいずれか1輪でホイルスピンを生じているかどうかを検出すれば、四輪全てがホイルスピンを生じていると判断することができるのであり、いずれか1輪の車輪速度が推定車体速度を一定値以上上回っている状態は、四輪全てがホイルスピンを生じている状態と判断することができる。したがって四輪がホイルスピンを生じている状態では、ブレーキ力配分制御手段25による左、右後輪用液圧制御弁手段VRL,VRRの制御を禁止することにより、四輪のホイルスピン状態でのドライバによるアクセル戻し操作やシフトダウン操作によって、前後のブレーキ力配分制御の制御開始条件が満たされたと誤って判断したとしても、後輪用液圧制御弁手段VRL,VRRが誤って左、右後輪用の車輪ブレーキBRL,BRRおよびマスタシリンダM間を遮断することはなく、アクセル戻し操作やシフトダウン操作後にドライバがブレーキ操作を行なったときに後輪側のブレーキ力の低下を招くことはない。
【0032】
しかも制御禁止判断手段26は、制御禁止条件が不成立となってから一定時間持続して前記禁止信号を出力し続けるので、制御禁止条件が不成立となることによって直ちに、後輪用液圧制御弁手段VRL,VRRが前後のブレーキ力配分制御を行なう状態に誤って制御されてしまうことを回避し、四輪のホイルスピン状態が確実に解消されるまで、左、右後輪用の車輪ブレーキBRL,BRRおよびマスタシリンダM間を遮断することを回避し、ブレーキ操作時の後輪ブレーキ力低下を防止することができる。
【0033】
以上、本発明の実施例を詳述したが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明を逸脱することなく種々の設計変更を行なうことが可能である。
【0034】
たとえば上記実施例では、ブレーキ液圧発生手段としてマスタシリンダを用いた場合について説明したが、ブレーキ操作量に応じて作動する電動モータ等のアクチュエータを用いて液圧を出力するように構成したものを、ブレーキ液圧発生手段として用いるようにしてもよい。また上記実施例では、二輪駆動状態と、四輪駆動状態を切換可能とした車両に適用した場合について説明したが、常時四輪駆動の車両にも本発明を適用することができる。
【0035】
【発明の効果】
以上のように請求項1記載の発明によれば、四輪がホイルスピンを生じている状態で、ドライバがアクセルを戻す操作をしたり、シフトダウン操作をしたりして四輪全ての車輪速度が低下しても、左、右後輪用の車輪ブレーキのブレーキ液圧を制御する後輪用液圧制御弁手段が、前後のブレーキ力配分制御を行なう状態に誤って制御されてしまうことがなく、アクセル戻し操作やシフトダウン操作後にドライバがブレーキ操作を行なったときに後輪側のブレーキ力の低下を招くことはない。
【0036】
また輪のホイルスピン状態が確実に解消されるまで、左、右後輪用の車輪ブレーキおよびブレーキ液圧発生手段間を遮断することを回避し、ブレーキ操作時の後輪ブレーキ力低下を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】四輪車両の駆動系を示す図である。
【図2】四輪車両のブレーキ液圧系を示す図である。
【図3】四輪駆動状態でのブレーキ力配分制御系の構成を示すブロック図である。
【図4】制御開始判断手段での判断手順を示すフローチャートである。
【図5】制御禁止判断手段による判断処理のタイミングチャートである。
【符号の説明】
20FL,20FR,20RL,20RR・・・車輪速度検出手段
21・・・車体速度算出手段
22・・・車体減速度算出手段
23・・・後輪減速度算出手段
24・・・制御開始判断手段
25・・・ブレーキ力配分制御手段
26・・・制御禁止判断手段
FL・・・左前輪用の車輪ブレーキ
FR・・・右前輪用の車輪ブレーキ
RL・・・左後輪用の車輪ブレーキ
RR・・・右後輪用の車輪ブレーキ
M・・・ブレーキ液圧発生手段としてのマスタシリンダ
RL,VRR・・・後輪用液圧制御弁手段
FL・・・左前輪
FR・・・右前輪
RL・・・左後輪
RR・・・右後輪

Claims (1)

  1. 直結状態にある左、右前輪(WFL,WFR)および左、右後輪(WRL,WRR)にそれぞれ装着される車輪ブレーキ(BFL,BFR,BRL,BRR)と、ブレーキ操作に応じてブレーキ液圧を発生するブレーキ液圧発生手段(M)と、前記各車輪ブレーキ(BFL〜BRR)のうち左、右後輪用の車輪ブレーキ(BRL,BRR)および前記ブレーキ液圧発生手段(M)間を遮断することを可能として左、右後輪用の車輪ブレーキ(BRL,BRR)のブレーキ液圧を制御する後輪用液圧制御弁手段(VRL,VRR)と、四輪の車輪速度をそれぞれ個別に検出する車輪速度検出手段(20FL,20FR,20RL,20RR)と、車輪速度の変化率が所定限界内では該車輪速度に推定車体速度を追随させるが前記変化率が所定限界を超えると前記追随の感度を鈍らせるようにして前記各車輪速度検出手段(20FL〜20RR)で得られた車輪速度に基づいて推定車体速度を算出する車体速度算出手段(21)と、該車体速度算出手段(21)で算出された推定車体速度から車体減速度を算出する車体減速度算出手段(22)と、左、右後輪用の車輪速度検出手段(20RL,20RR)の少なくとも一方の検出値に基づいて後輪減速度を算出する後輪減速度算出手段(23)と、前記車体減速度算出手段(21)で得られた車体減速度が設定車体減速度以上であるとともに前記後輪減速度算出手段(23)で算出された後輪減速度が設定後輪減速度以上であることを少なくとも1つの制御開始条件として該制御開始条件が満たされるかどうかを判断するとともに該制御開始条件が満たされていると判断したときに制御開始信号を出力する制御開始判断手段(24)と、該制御開始判断手段(24)から制御開始信号が出力されるのに応じて左、右後輪用の車輪ブレーキ(BRL,BRR)のブレーキ液圧を左、右後輪用の車輪ブレーキ(BRL,BRR)およびブレーキ液圧発生手段(M)間を遮断した状態で減圧または保持するように前記後輪用液圧制御弁手段(VRL,VRR)を制御するブレーキ力配分制御手段(25)とを備える四輪駆動車のブレーキ力制御装置において、
    4つの前記車輪速度検出手段(20FL〜20RR)のいずれか1つで検出された車輪速度が前記車体速度算出手段(21)で算出された推定車体速度を一定値以上上回っていることを制御禁止条件として該制御禁止条件が満たされるかどうかを判断するとともに該制御禁止条件が満たされていると判断したときに前記制御開始判断手段(24)での判断にかかわらず前記ブレーキ力配分制御手段(25)による前記後輪用液圧制御弁手段(VRL,VRR)の制御を禁止する禁止信号を出力する制御禁止判断手段(26)を含み、
    前記制御禁止判断手段(26)は、前記制御禁止条件が不成立となってからも一定時間持続して前記禁止信号を出力し続けることを特徴とする四輪駆動車のブレーキ力制御装置
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