JP2757803B2 - 車両のブレーキ制御装置 - Google Patents

車両のブレーキ制御装置

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JP2757803B2
JP2757803B2 JP7018138A JP1813895A JP2757803B2 JP 2757803 B2 JP2757803 B2 JP 2757803B2 JP 7018138 A JP7018138 A JP 7018138A JP 1813895 A JP1813895 A JP 1813895A JP 2757803 B2 JP2757803 B2 JP 2757803B2
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政義 武田
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、車両の車輪にかかる車
輪制動力を制御する車両のブレーキ制御装置に関し、特
にこのブレーキ制御装置における弁の弁位置を移動する
ソレノイドコイルの負荷を鑑みた車両のブレーキ制御装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、例えば特公平5−65388
号公報に開示されているように、ブレーキ装置を用いた
トラクション制御を簡単な構成で実現するために、車両
制動時の各車輪のスリップを抑制するためにブレーキ装
置の油圧経路に設けられたアンチスキッド制御用の油圧
ポンプや制御弁を併用するようにしたトラクション制御
装置が知られている。
【0003】すなわち、アンチスキッド制御装置は、マ
スタシリンダから車両の各車輪のホイールシリンダに至
る油圧経路に各々設けられ、各ホイールシリンダのブレ
ーキ油圧を増・減するための制御弁と、ブレーキ油圧の
減圧時に制御弁を介してホイールシリンダから排出され
たブレーキ油を昇圧してマスタシリンダ側に戻す油圧ポ
ンプとを備えている。そして、車両制動時にスリップが
発生した場合には、油圧ポンプを作動し、制御弁の弁位
置を切換制御することにより、各車輪のマスタシリンダ
内のブレーキ油圧、つまり制動力を制御する。
【0004】かかるアンチスキッド制御装置を有する従
来のトラクション制御装置においては、このアンチスキ
ッド制御用の油圧回路を利用してトラクション制御を実
現するために、油圧ポンプとしてブレーキ油をリザーバ
から吸入可能な自吸式のものを採用し、かつ油圧ポンプ
から圧油を受ける位置よりマスタシリンダ側の油圧経路
を連通・遮断する切換弁とを設ける。そして、車両加速
時に駆動輪がスリップすると、切換弁を遮断状態にして
油圧ポンプを作動させ、上記制御弁の弁位置を切換制御
することにより駆動輪の制動力を制御する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ここで、上記のように
構成された従来のトラクション制御装置では、トラクシ
ョン制御が行われている間は、常時、切換弁がオンされ
た状態となる。この切換弁は、通常、ソレノイドコイル
への電流の通電により発生する電磁力によって切換弁内
部の弁体を駆動して、その連通状態を切り換えるもので
ある。一方、切換弁のソレノイドコイルは抵抗を有する
ので、電流が通電されたときには、その抵抗によってソ
レノイドコイルが発熱する。従って、従来のトラクショ
ン制御装置において、駆動輪のスリップがなかなか収束
せず、トラクション制御が長時間継続して行われた場
合、切換弁のソレノイドコイルが過熱状態となり、切換
弁の性能に悪影響を及ぼす恐れがある。
【0006】そこで、本発明は、車両のブレーキ制御装
置において、ホイールシリンダ圧を制御する際に弁位置
を切り換えるためのソレノイドコイルコイルが、の性
能に悪影響を及ぼすほどの加熱状態となることを防止す
ることが可能な車両のブレーキ制御装置を提供すること
を目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明による車両のブレーキ制御装置は、図1に示
す如く、車両に制動力を付与するためのブレーキ液圧を
発生するマスタシリンダと、 このマスタシリンダからの
ブレーキ液圧を受けて車輪に車輪制動力を付与するホイ
ールシリンダと、 前記マスタシリンダと前記ホイールシ
リンダとの間を連通する第1の配管と、 前記第1の配管
において、前記マスタシリンダ側と前記ホイールシリン
ダ側との間のブレーキ液圧差を弁位置の遮断状態におい
て保持するとともに通常時は連通状態とされている第1
の切換弁と、 前記マスタシリンダ側からブレーキ液を吸
引し、前記第1の配管における前記第1の切換弁よりも
前記ホイールシリンダ側に吐出する圧力源と、 前記圧力
源が接続される第2の配管と、 前記第2の配管において
前記圧力源の吸引を弁位置の連通状態で許容するととも
に通常時は遮断状態とされている第2の切換弁と、 前記
第1の配管における前記圧力源の吐出先よりもホイール
シリンダ側に設けられて、前記ホイールシリンダにかか
るブレーキ液圧を制御する制御弁と、 前記第1、第2の
切換弁のうち少なくとも第1の切換弁の弁位置を切り換
えるためのソレノイドコイルへの通電・非通電状態を検
出する通電状態検出手段と、 前記通電状態検出手段によ
って検出された通電・非通電状態に基づいて前記ソレノ
イドコイルの発熱状態を推定する推定手段と、 前記推定
手段によって前記ソレノイドコイルの発熱状態が所定以
上であると判断された場合には、前記第1、第2の切換
弁の弁位置を通常状態とする制御手段と、を備えること
を特徴とする。
【0008】なお、前記推定手段は、前記ソレノイドコ
イルへ電流を通電しているときに前記発熱状態が高温状
態へと変化し、当該電流を通電していないときには前記
発熱状態が低温状態へと変化するものとして、前記発熱
状態を推定するものであることが好ましい。
【0009】
【作用及び発明の効果】上記構成によれば、 第1の切
換弁は、通常状態の弁位置が連通状態であり、ホイール
シリンダにかかるブレーキ液圧の制御時等においてホイ
ールシリンダ側の圧力とマスタシリンダ側の圧力との差
圧を保持する際に遮断状態とされる。また、第2の切換
弁は、圧力源の吸引側へのマスタシリンダ側からのブレ
ーキ液の連通・遮断を調節するもので、通常状態では遮
断状態とされている。通電状態検出手段は第1の切換弁
の弁位置を切り換えるためのソレノイドコイルへの通電
・非通電状態を検出し、推定手段は通電状態検出手段に
よって検出された通電・非通電状態に基づいて前記ソレ
ノイドコイルの発熱状態を推定する。そして、制御手段
は、推定手段によって前記ソレノイドコイルの発熱状態
が所定以上であると判断された場合には、前記第1、第
2の切換弁の弁位置を通常状態とする。
【0010】従って、本発明によれば、ブレーキ制御装
置に構成される各弁のうち、ブレーキ制御によって最も
長時間継続して通電状態とされる可能性が高い位置に配
置された第1の切換弁への通電・非通電状態に基づいて
ソレノイドコイルの発熱状態を推定して、少なくとも第
1の切換弁の弁位置を通常状態とするため、効率的かつ
確実に、この第1の切換弁の性能を維持することができ
ブレーキ制御装置全体の信頼性を向上することができ
る。なお、ソレノイドコイルの発熱状態の推定は、ソレ
ノイドコイルへ電流を通電しているときに発熱状態が高
温状態へと変化し、電流を通電していないときにはその
発熱状態が低温状態へと変化するものとして、ソレノイ
ドコイルの発熱状態を推定することが好ましい。このよ
うに構成すれば、切換弁の発熱状態を検出する特別なセ
ンサを用いる必要がないため、構成を簡素化することが
可能となる。
【0011】
【実施例】以下に本発明の実施例を図面に基づき説明す
る。まず図2は本発明が適用された車両の制御系全体の
構成を表わす概略構成図である。なお、本実施例はフロ
ントエンジン・フロントドライブの四輪車に本発明を適
用した例である。
【0012】図2に示す如く、車両の各車輪(左前輪F
L,右前輪FR,左後輪RL,右後輪RR)には、各車
輪FL〜RRに制動力を与えるためのホイールシリンダ
2FL,2FR,2RL,2RR、及び各車輪の回転速度を検出
する速度センサ4FL,4FR,4RL,4RR4が夫々設けら
れている。また、駆動輪である左右前輪(以下,単に駆
動輪という)FL,FRは、変速機6、ディファレンシ
ャルギヤ8を介して接続された内燃機関10からの駆動
力を受けて回転するようになっており、この動力源とな
る内燃機関10には、その回転速度,吸入空気量,冷却
水温,スロットルバルブの開度(スロットル開度)等の
運転状態を検出するセンサ群12が設けられている。そ
して、これらセンサ群12からの検出信号は、E/G制
御装置20に入力され、E/G制御装置20がその検出
信号に基づき内燃機関10の燃料噴射量や点火時期を制
御するのに使用される。
【0013】また、各車輪FL〜RRに設けられた速度
センサ4FL〜4RRからの検出信号は、制動制御装置30
に入力される。制動制御装置30は、ブレーキペダル3
2の踏込によりブレーキ油を吐出するマスタシリンダ3
4から各車輪FL〜RRのホイールシリンダ2FL〜2RR
に至る油圧経路に設けられた油圧回路40内の各種電磁
弁を制御することにより、車両制動時及び車両加速時に
車輪に生じたスリップを抑制する、アンチスキッド制御
(以下、ABS制御という。)及びトラクション制御
(以下、TRC制御という。)を実行するためのもので
あり、上記各速度センサ4FL〜4RRからの検出信号以外
に、ブレーキペダル32の操作時にON状態となるブレ
ーキスイッチ(以下、ブレーキSWという。)36や、
油圧回路40内に設けられ、駆動輪FL,FRのホイー
ルシリンダ2FL,2FR内の油圧を検出する圧力センサ3
8FL,38FR(図3に示す)等からの検出信号を受けて
動作する。
【0014】なお、E/G制御装置20及び制動制御装
置30は、夫々、CPU,ROM,RAM等を中心に構
成されたマイクロコンピュータからなっており、これら
各制御装置20,30は、センサによる検出データや制
御データ等を送・受信する通信装置を備えている。次
に、油圧回路40は、図3に示す如く、マスタシリンダ
34の2個の油路から圧送されるブレーキ油を、左前輪
FLと右後輪RR、右前輪FRと左後輪RLに各々供給
するための2系統の油圧経路42,44を備えている。
そして、これら各油圧経路44,42の内、従動輪であ
る左右後輪(以下、単に従動輪という。)RL,RRの
ホイールシリンダ2RL,2RRに至る油圧経路44R,4
2Rには、その経路44R,42Rを連通する増圧位置
とその経路を遮断する保持位置とに切換可能な保持弁4
6RL,46RRと、各ホイールシリンダ2RL,2RR内のブ
レーキ油を排出するための減圧弁48RL,48RRとが設
けられている。
【0015】なお、保持弁46RL,46RRは、通常、増
圧位置となっており、制動制御装置30からの通電によ
り保持位置に切り換えられる。また、減圧弁48RL,4
8RRは、通常、遮断状態になっており、制動制御装置3
0からの通電により連通状態となってホイールシリンダ
2RL,2RR内のブレーキ油を排出する。一方、上記各油
圧経路42,44の内、駆動輪である左右前輪FL,F
Rのホイールシリンダ2FL,2FRに至る油圧経路42
F,44Fには、従動輪側の油圧経路44R,42Rと
同様、前述の制御弁としての保持弁46FL,46FR及び
減圧弁48FL,48FRが設けられると共に、各保持弁4
6FL,46FRよりマスタシリンダ34側に、その経路4
2F,44Fを連通・遮断する前述の切換弁としてのマ
スタカットソレノイド(以下、SM弁という。)50F
L,50FRが設けられている。
【0016】そして、これら各SM弁50FL,50FRに
は、保持弁46FL,46FR側の油圧がマスタシリンダ3
4側の油圧に対して所定値だけ大きい上限値以上になっ
たときに連通して、保持弁46FL,46FR側の油圧をそ
の上限値以下に制限する、流体圧抑制手段としてのリリ
ーフ弁52FL,52FRと、マスタシリンダ34側の油圧
が保持弁46FL,46FR側の油圧より大きくなったとき
に連通して、マスタシリンダ34から出力された圧油を
保持弁46FL,46FR側に供給するリリーフ弁54FL,
54FRとが、夫々、並列に接続されている。なお、SM
弁50FL,50FRは、通常、連通状態となっており、制
動制御装置30からの通電により遮断状態に切り換えら
れる。
【0017】また、各油圧経路42,44には、減圧弁
48FL及び48RR,減圧弁48FR及び48RLから排出さ
れたブレーキ油を一時的に蓄えるリザーバ56,58が
備えられ、更にそのブレーキ油を、SM弁50FLと保持
弁46FLとの間の油圧経路42Faと、SM弁50FRと
保持弁46FRとの間の油圧経路44Faとに夫々圧送す
る油圧ポンプ60,62が備えられている。なお、各油
圧ポンプ60,62からのブレーキ油の吐出経路には、
内部の油圧の脈動を抑えるアキュムレータ64,66が
設けられている。
【0018】また更に、各油圧経路42,44には、後
述のブレーキTRC制御実行時に、マスタシリンダ34
を介してマスタシリンダ34の上部に設けられたリザー
バ68から油圧ポンプ60,62に直接ブレーキ油を供
給するための油供給経路42P,44Pが設けられ、こ
れら各油供給経路42P,44Pには、その経路を連通
・遮断するリザーバカットソレノイド(以下、SR弁と
いう。)70FL,70FRが設けられている。
【0019】なお、SR弁70FL,70FRは、通常、遮
断状態となっており、制動制御装置30からの通電によ
り連通状態に切り換えられる。また、各油圧ポンプ6
0,62は、ABS制御や後述のブレーキTRC制御実
行時に、モータ80を介して駆動される。次に、制動制
御装置30は、車両制動時に各車輪FL〜RRにスリッ
プが発生すると、ABS制御を開始して、上記油圧回路
40内の保持弁46FL〜46RRと減圧弁48FL〜48RR
を夫々ON・OFF(通電・非通電)することにより、
各車輪FL〜RRのスリップ状態に応じて各ホイールシ
リンダ2FL〜2RR内のブレーキ油圧を制御する。また、
制動制御装置30は、車両加速時に駆動輪FL,FRに
スリップが発生すると、E/G制御装置20に対して燃
料噴射量の減量或は点火時期の遅角指令を出力すること
により、内燃機関10の出力トルクを抑制するE/G・
TRC制御を開始すると共に、後述のブレーキTRC制
御を開始して、上記油圧回路40内のSM弁50FL,5
0FRとSR弁70FL,70FRとをON(通電)し、保持
弁46FL,46FRと減圧弁48FL,48FRとをON・O
FFすることにより、駆動輪FL,FRに制動力を与
え、スリップを抑制する。
【0020】以下、このように制動制御装置30におい
て実行される、ABS制御,E/G・TRC制御,及び
ブレーキTRC制御の内、本発明にかかわる主要な処理
であるブレーキTRC制御について、図4〜図7に示す
フローチャートに沿って詳しく説明する。まず図4は、
内燃機関10の始動直後に実行されるプレ制御処理を表
わすフローチャートである。なお、この処理は、低温時
には、ブレーキ油の粘性により、油圧ポンプ60,62
の吐出性能が低下し、ブレーキTRC制御の応答性等が
悪化することから、内燃機関10の始動直後にブレーキ
油の温度を上昇させて、始動直後のブレーキTRC制御
を良好に実行できるようにするための処理である。
【0021】図4に示す如く、内燃機関10が始動さ
れ、プレ制御処理が開始されると、まずステップ110
にて、計時用のカウンタt1 をリセットした後、ステッ
プ120にて、内燃機関10の冷却水温TWが予め設定
されたプレ制御判定温度TW0(例えば、0度)以下で
あるか否かを判断する。そして、冷却水温TWがプレ制
御判定温度TW0を越えていれば、ブレーキ油の温度は
比較的高く、ブレーキ油の粘性により、油圧ポンプ6
0,62の吐出性能が低下することはないと判断して、
当該処理をそのまま終了する。
【0022】一方、冷却水温TWがプレ制御判定温度T
W0以下であれば、ステップ130に移行して、ブレー
キSW36がOFF状態か否かを判断し、ブレーキSW
36がON状態(つまり、運転者がブレーキペダル32
を踏み込んでいる状態)であれば、再度ステップ120
に移行する。つまり、内燃機関10の始動時に冷却水温
TWがプレ制御判定温度TW0以下であるとき、ブレー
キペダル32が踏み込まれていれば、ステップ120及
びステップ130の処理を繰返し実行することにより、
ブレーキSW36がOFF状態になるのを待つのであ
る。
【0023】次に、ステップ130にて、ブレーキSW
36がOFF状態であると判断されると、今度はステッ
プ140に移行して、各駆動輪FL,FRに対して設け
られた油圧回路40内のSM弁50FL,50FR、SR弁
70FL,70FR及び保持弁46FL,46FRとモータ80
とを夫々ONすることにより、油圧ポンプ60,62か
らの圧油を受ける油圧経路42Fa,44Faを完全に
遮断し、油圧ポンプ60,62にリザーバ68内のブレ
ーキ油を供給できる状態で油圧ポンプ60,62を作動
させる。
【0024】また続くステップ150では、ブレーキS
W36がON状態になったか否かを判断する。そして、
ブレーキSW36がON状態でなければ、ステップ16
0にて、カウンタt1 の値が所定値T1 以上になったか
否かによって、ステップ140の処理後所定時間経過し
たかどうかを判断し、カウンタt1 の値が所定値T1以
上になっていなければ、ステップ180にてカウンタt
1 の値をインクリメントし、再度ステップ150に移行
する。つまり、ステップ140にて、油圧ポンプ60,
62を作動させた後、ブレーキSW36がOFF状態で
あれば、ステップ150,ステップ160,ステップ1
80の一連の処理を繰返し実行することにより、ステッ
プ140にて油圧ポンプ60,62を作動させた後、所
定時間が経過するのを待つのである。
【0025】そして、ステップ160にて、カウンタt
1 の値が所定値T1 以上になり、ステップ140の処理
後所定時間が経過したと判断されると、ステップ170
に移行し、ステップ140にてONした、各駆動輪F
L,FRに対応したSM弁50FL,50FR、SR弁70
FL,70FR及び保持弁46FL,46FRとモータ80とを
夫々OFFし、当該処理を終了する。
【0026】また、ステップ150にて、ブレーキSW
36がON状態になったと判断された場合にも、マスタ
シリンダ34から駆動輪FL,FRのホイールシリンダ
2FL,2FRに至る油圧経路を確保するために、ステップ
170の処理を実行し、当該処理を終了する。すなわ
ち、当該プレ制御処理においては、内燃機関10の始動
時に冷却水温TWがプレ制御判定温度TW0以下である
とき、一定時間、或はブレーキペダル32が踏み込まれ
るまでの間、油圧ポンプ60,62からの圧油を受ける
油圧経路42Fa,44Faを完全に遮断し、更に油圧
ポンプ60,62にリザーバ68内のブレーキ油を供給
できる状態で、油圧ポンプ60,62を作動させること
により、油圧ポンプ60,62内のブレーキ油の温度を
上昇させるのである。
【0027】なお、このプレ制御処理の実行時には、油
圧ポンプ60,62から吐出されたブレーキ油を受ける
油圧経路42Fa,44Fa内の油圧は上昇するが、こ
の油圧がマスタシリンダ34側の油圧に対して所定値だ
け大きい上限値以上になると、リリーフ弁52FL,52
FRが開くため、油圧経路42Fa,44Fa内の油圧の
上昇によって何等問題が生じることはなく、またリリー
フ弁52FL,52FRからマスタシリンダ34側に排出さ
れたブレーキ油は、SR弁70FL,70FRを介して油圧
ポンプ60,62に戻るため、油圧ポンプ60,62か
ら吐出されたブレーキ油はリリーフ弁52FL,52FRを
介して循環することになり、ブレーキ油の温度上昇がよ
り促進されることになる。
【0028】次に、図5は、上記プレ制御処理の終了
後、制動制御装置30において、ABS制御及びE/G
・TRC制御のための処理と共に、繰返し実行されるブ
レーキTRC制御処理を表わすフローチャートである。
図5に示す如く、このブレーキTRC制御処理では、ま
ずステップ210にて、車両加速時に、駆動輪FL,F
Rが当該ブレーキTRC制御を実行すべきスリップ状態
に達したか否かを判定する制御開始判定を行う。そし
て、ブレーキTRC制御を開始する必要がなければ、こ
のステップ210の処理を繰返し実行することにより、
ブレーキTRC制御の開始条件が成立するのを待ち、ブ
レーキTRC制御の開始条件が成立すると、続くステッ
プ220にて、ブレーキTRC制御の実行を禁止する禁
止フラグがセットされているか否かを判断する。そし
て、禁止フラグがセットされていれば再度ステップ21
0に移行し、ステップ210及びステップ220の処理
を繰り返す。
【0029】なお、この禁止フラグは、後述の過熱防止
制御処理によって、SM弁50FL,50FR又はSR弁7
0FL,70FRの過熱が判定されたときに一定時間セット
されるフラグである。次に、ステップ220にて、禁止
フラグがリセット状態であると判断されると、ステップ
230に移行して、後述の過熱防止制御処理においてS
M弁50FL,50FR及びSR弁70FL,70FRの通電及
び非通電時間を計時するのに使用するカウンタt2 ,t
3 を夫々リセットした後、ステップ240にて、SM弁
50FL,50FR、SR弁70FL,70FR及びモータ80
をONし、油圧回路40を、油圧ポンプ60,62から
吐出されるブレーキ油によって駆動輪FL,FRを制動
できる状態にする。
【0030】そして、続くステップ250では、駆動輪
FL,FRのスリップ状態に応じて、保持弁46FL,4
6FR及び減圧弁48FL,48FRのON・OFF状態を制
御することにより、ホイールシリンダ2FL,2FR内のブ
レーキ油圧、延いては駆動輪FL,FRに加える制動力
を制御する周知のブレーキTRC制御を開始する。つま
り、ステップ250では、保持弁46FL,46FR及び減
圧弁48FL,48FRの制御モードを、駆動輪FL,FR
のスリップ状態に応じて、保持弁46FL,46FR及び減
圧弁48FL,48FRを共にOFFしてホイールシリンダ
2FL,2FR内のブレーキ油圧を増圧する増圧モードと、
保持弁46FL,46FRのみをONしてホイールシリンダ
2FL,2FR内のブレーキ油圧を保持する保持モードと、
保持弁46FL,46FR及び減圧弁48FL,48FRを共に
ONしてホイールシリンダ2FL,2FR内のブレーキ油圧
を減圧する減圧モードとの何れかに切り換えることによ
り、ホイールシリンダ2FL,2FR内のブレーキ油圧、延
いては駆動輪FL,FRに加える制動力を制御するので
ある。
【0031】こうしてブレーキTRC制御を開始する
と、今度はステップ260にて、ブレーキTRC制御の
終了条件が成立したか否かを判断する。この判断は、例
えばE/G制御装置20側にて検出されたスロットル開
度が0となったか否かによっても判断できるが、本実施
例では、終了判定をできるだけ早く行うために、スロッ
トル開度から得られるスロットルバルブの閉速度が所定
値以上になったとき、或はスロットル開度が所定開度以
下になったときに、ブレーキTRC制御の終了条件が成
立したと判断する。
【0032】なお、これは運転者がアクセルペダルから
足を離してブレーキペダルを踏み込むまでの間に、ブレ
ーキTRC制御によって駆動輪FL,FRのホイールシ
リンダ2FL,2FRに供給したブレーキ油をできるだけ早
くリザーバ68に戻すためであり、これによって、例え
ば車両運転者がアクセルペダルからブレーキペダル32
への急速な踏み変えを行ったときに、ホイールシリンダ
2FL,2FR内にブレーキTRC制御によるブレーキ油が
残留した状態でブレーキペダル32が踏み込まれるのを
防止している。
【0033】次に、上記ステップ260にて、ブレーキ
TRC制御の終了条件が成立したと判断されると、ステ
ップ270に移行して、ブレーキTRC制御の開始時に
ステップ240にてONしたSM弁50FL,50FR、S
R弁70FL,70FR及びモータ80を夫々OFFすると
共に、ブレーキ油圧の制御に用いた保持弁46FL,46
FR及び減圧弁48FL,48FRを夫々OFFすることによ
り、ブレーキTRC制御を終了し、再度ステップ210
に移行する。
【0034】なお、このステップ270においては、駆
動輪FL,FRのホイールシリンダ2FL,2FR内のブレ
ーキ油をできるだけ早くリザーバ68に戻すために、ま
ず減圧弁48FL,48FR及びモータ80をONした状態
で、SM弁50FL,50FR、SR弁70FL,70FR、及
び保持弁46FL,46FRをOFFし、その後所定時間
(例えば50msec.)経過した時点で、減圧弁48FL,
48FR及びモータをOFFする。
【0035】つまり、ブレーキTRC制御の終了時に
は、駆動輪FL,FRのホイールシリンダ2FL,2FR内
のブレーキ油をマスタシリンダ34側に戻す経路とし
て、保持弁46FL,46FRからSM弁50FL,50FRに
至る経路と、減圧弁48FL,48FR及びモータ80を介
してSM弁50FL,50FRに至る経路との2経路を一時
的に形成することにより、ホイールシリンダ2FL,2FR
内のブレーキ油をできるだけ早くリザーバ68に戻し、
車両運転者がアクセルペダルからブレーキペダル32へ
の急速な踏み変えを行ったときにでも、ホイールシリン
ダ2FL,2FR内にブレーキ油が残留した状態でブレーキ
ペダル32が踏み込まれるのを防止しているのである。
【0036】一方、上記ステップ260にて、ブレーキ
TRC制御の終了条件が成立していないと判断された場
合には、ステップ280に移行して、車両運転者のブレ
ーキペダル32の踏み込みによってブレーキSW36が
ON状態になったか否かを判断し、ブレーキSW36が
ON状態でなければ、ブレーキTRC制御をそのまま続
行可能であると判断して、ステップ290に移行し、今
度は、上記ステップ250により保持弁46FL,46FR
がOFFされているか否か、つまり現在ブレーキTRC
制御の制御モードがブレーキ油圧を増圧する増圧モード
になっているか否かを判断する。
【0037】そして、現在、保持弁46FL,46FRがO
N状態であり、ブレーキTRC制御の制御モードが増圧
モードになっていなければ、SM弁50FL,50FR、S
R弁70FL,70FR及びモータ80をOFFしても制御
に支障をきたすことがないため、ステップ300に移行
して、これら各部の内の少なくとも一つをOFFするこ
とにより、油圧ポンプ60,62から吐出されたブレー
キ油を受ける油圧経路42Fa,44Fa内の油圧が上
昇するのを防止し、ステップ250に移行する。
【0038】すなわち、油圧経路42Fa,44Fa内
の油圧が上限値以上になったときに開弁して、油圧経路
42Fa,44Fa内のブレーキ油をマスタシリンダ3
4側に排出するリリーフ弁52FL,52FRは、油圧経路
42Fa,44Faからの圧油を受けて開弁するもので
あるため、その開弁時にブレーキ油が弁体を通過する際
に気泡が発生する所謂キャビテーションが起こることが
あり、こうしたキャビテーションが起こると、車両の制
動特性が低下してしまう。
【0039】また、保持弁46FL,46FRがONされる
保持モード又は減圧モードのときにSM弁50FL,50
FR、SR弁70FL,70FR及びモータ80を全てON状
態にしていると、油圧経路42Fa,44Fa内の油圧
が上昇し過ぎて、リリーフ弁52FL,52FRが開弁し、
上記キャビテーションが発生することがある。そこで、
本実施例では、上記ステップ300の処理により、保持
弁46FL,46FRがONされる保持モード又は減圧モー
ドのときに、SM弁50FL,50FR、SR弁70FL,7
0FR及びモータ80の少なくとも一つをOFFすること
によって、保持モード又は減圧モードのときに油圧経路
42Fa,44Fa内の油圧が上昇して、リリーフ弁5
2FL,52FRが開弁し、上記キャビテーションが発生す
るのを防止しているのである。
【0040】一方、ステップ290にて、ブレーキTR
C制御の制御モードが増圧モードになっていると判断さ
れた場合には、SM弁50FL,50FR、SR弁70FL,
70FR及びモータ80の一つでもOFFすると、ホイー
ルシリンダ2FL,2FRのブレーキ油圧を昇圧することが
できなくなってしまうので、上記ステップ300にてO
FFしたSM弁50FL,50FR、SR弁70FL,70FR
及びモータ80をON状態に戻し、ステップ250に移
行する。
【0041】次に、上記ステップ280にてブレーキS
W36がON状態になったと判断されると、続くステッ
プ320に移行して、当該ブレーキTRC制御によって
ホイールシリンダ2FL,2FRのブレーキ油圧が上昇して
いるか否か、換言すればホイールシリンダ2FL,2FR内
にブレーキTRC制御により供給されたブレーキ油が残
っているか否かを判断する。
【0042】そして、ホイールシリンダ2FL,2FRのブ
レーキ油圧が上昇している場合には、ステップ400に
移行して、本発明にかかわる主要な処理である制動時制
御終了処理を実行し、逆にホイールシリンダ2FL,2FR
のブレーキ油圧が上昇していなければ、ステップ260
に移行する。次に、このステップ400にて実行される
制動時制御終了処理について図6を用いて説明する。
【0043】図6に示す如く、制動時制御終了処理にお
いては、まずステップ410にて、SM弁50FL,50
FRをONしたままの状態で、SR弁70FL,70FR、モ
ータ80、保持弁46FL,46FR、及び減圧弁48FL,
48FRを全てOFFする。そして、続くステップ420
では、各車輪FL〜RRのスリップ状態からABS制御
の開始条件が成立したか否かを判断し、ABS制御の開
始条件が成立していないと判断されると、そのままステ
ップ460に移行する。
【0044】一方、ステップ420にて、ABS制御の
開始条件が成立したと判断されると、ステップ430に
移行して、モータ80及び駆動輪FL,FRの保持弁4
6FL,46FRをONし、従動輪RL,RRに対して設け
られた保持弁46RL,46RR及び減圧弁48RL,48RR
を、各車輪RL,RRのスリップ状態に応じてON・O
FFすることにより、ホイールシリンダ2RL,2RRのブ
レーキ油圧を制御する、従動輪RL,RRに対するAB
S制御を実行する。そして、続くステップ440では、
このABS制御の終了条件が成立したか否かを判断し、
終了条件が成立していなければ、再度ステップ430に
移行することにより、従動輪RL,RRに対するABS
制御を継続する。
【0045】またステップ440にて、このABS制御
の終了条件が成立したと判断された場合には、ステップ
450にて、モータ80をOFFし、従動輪RL,RR
に対して設けられた保持弁46RL,46RR及び減圧弁4
8RL,48RRをOFFすることにより、従動輪RL,R
RのABS制御を終了し、続くステップ460に移行す
る。
【0046】次に、ステップ460では、ブレーキSW
36がOFF状態になったか否かを判断する。そして、
ブレーキSW36がOFF状態になっていなければ再度
ステップ420に移行し、逆にブレーキSW36がOF
F状態になったと判断されると、ステップ470にて、
SM弁50FL,50FRをOFFし、当該制動時制御終了
処理を終了する。
【0047】すなわち、この制動時制御終了処理では、
SM弁50FL,50FRをON状態にしたまま、SR弁7
0FL,70FR、モータ80、保持弁46FL,46FR、及
び減圧弁48FL,48FRを全てOFFすることにより、
ブレーキTRC制御実行時にブレーキ操作がなされたと
きに、ホイールシリンダ2FL,2FRに供給したブレーキ
油が残った状態で、駆動輪FL,FRのホイールシリン
ダ2FL,2FRにマスタシリンダ34から吐出されたブレ
ーキ油が供給されないようにし、その後ブレーキSW3
6がOFF状態になった時点で、SM弁50FL,50FR
をOFFして、ブレーキTRC制御を完全に終了するよ
うにしているのである。
【0048】またこのようにSM弁50FL,50FRをO
N状態に保持したときには、マスタシリンダ34から吐
出されたブレーキ油は、通常、従動輪RL,RRのホイ
ールシリンダ2RL,2RRに供給され、マスタシリンダ3
4側のブレーキ油圧がホイールシリンダ2FL,2FRのブ
レーキ油圧を越えると、リリーフ弁54FL,54FRを介
して駆動輪FL,FRのホイールシリンダ2FL,2FRに
も供給されるようになる。そして、マスタシリンダ34
側のブレーキ油圧が大き過ぎる場合には、各車輪FL〜
RRに車両制動時のスリップが発生する。そこで、この
制動時制御終了処理では、各車輪FL〜RRのスリップ
状態を監視し、何れかの車輪FL〜RRにスリップが発
生したときには、駆動輪FL,FRの保持弁46FL,4
6FRをONしてホイールシリンダ2FL,2FR内のブレー
キ油圧を保持した上で、モータ80を駆動して、従動輪
RL,RRに対するABS制御を実行するようにしてい
る。
【0049】次に図7は、SM弁50FL,50FR及びS
R弁70FL,70FRの通電及び非通電時間から、これら
各弁の温度を推定して、その温度が所定温度以上の過熱
状態であるとき、上述の禁止フラグを一定時間セットし
て、ブレーキTRC制御を一定時間禁止する過熱防止制
御処理を表わすフローチャートである。図7に示す如
く、この処理は、制動制御装置30において、上記ブレ
ーキTRC制御処理においてブレーキTRC制御を開始
した後、ステップ270又はステップ470の処理実行
によりブレーキTRC制御を終了するまでの間、所定時
間毎のタイマ割込処理として実行されるものであり、処
理が開始されると、まずステップ510にて、SM弁5
0FL,50FRがON状態であるか否かを判断する。そし
て、SM弁50FL,50FRがON状態であれば、ステッ
プ520にて、ブレーキTRC制御の実行開始時にリセ
ットされる計時用のカウンタt2 に所定値aを加算した
後、ステップ550に移行する。
【0050】一方、ステップ510にて、SM弁50F
L,50FRがON状態でないと判断されると、ステップ
530に移行して、ブレーキTRC制御の実行開始時に
リセットされるカウンタt2 の値が0以下の値になって
いるか否かを判断する。そして、カウンタt2 の値が0
以下の値になっていなければ、ステップ540にて、カ
ウンタt2から所定値bを減じた後、ステップ550に
移行し、カウンタt2 の値が0以下の値になっていれ
ば、ステップ545にてカウンタt2 に値0を設定(つ
まりリセット)した後、ステップ550に移行する。
【0051】次にステップ550では、SR弁70FL,
70FRがON状態であるか否かを判断する。そして、S
R弁70FL,70FRがON状態であれば、ステップ57
0にて、ブレーキTRC制御の実行開始時にリセットさ
れる計時用のカウンタt3 に所定値aを加算した後、ス
テップ590に移行する。一方、ステップ550にて、
SR弁70FL,70FRがON状態でないと判断される
と、ステップ570に移行して、ブレーキTRC制御の
実行開始時にリセットされるカウンタt3 の値が0以下
の値になっているか否かを判断する。そして、カウンタ
t3 の値が0以下の値になっていなければ、ステップ5
80にて、カウンタt3から所定値bを減じた後、ステ
ップ590に移行し、カウンタt3 の値が0以下の値に
なっていれば、ステップ585にてカウンタt3 に値0
を設定(つまりリセット)した後、ステップ590に移
行する。
【0052】そしてステップ590では、上記カウンタ
t2 又はt3 の値が所定値T2 以上になっているか否か
によって、SM弁50FL,50FR及びSR弁70FL,7
0FRの過熱状態を判定し、カウンタt2 又はt3 の値が
所定値T2 以上になっており、SM弁50FL,50FR及
びSR弁70FL,70FRの一方でも過熱しているときに
は、ステップ600に移行して、上述の禁止フラグをセ
ットして図示しないラッチ処理により一定時間保持さ
せ、逆にカウンタt2 及びt3 の値が共に所定値T2 未
満であれば、そのまま当該処理を終了する。
【0053】すなわち、この過熱防止制御処理では、S
M弁50FL,50FR及びSR弁70FL,70FRのON・
OFF状態に応じてカウンタt2 及びt3 を加・減算す
ることにより、カウンタt2 及びt3 の値から各弁の温
度を推定し、その値が所定値T2 に達した時点で、SM
弁50FL,50FR或はSR弁70FL,70FRが過熱によ
る断線等の虞があるとして、禁止フラグを一定時間セッ
トするのである。
【0054】以上説明したように、本実施例の制動制御
装置30においては、まず内燃機関10の始動時に、冷
却水温TWがプレ制御判定温度TW0以下の低温である
場合には、プレ制御処理によって、一定時間或はブレー
キペダル32が踏み込まれるまでの間、油圧ポンプ6
0,62からの圧油を受ける油圧経路42Fa,44F
aを完全に遮断し、更に油圧ポンプ60,62にリザー
バ68内のブレーキ油を供給できる状態で、油圧ポンプ
60,62を作動させるようにしている。このため、本
実施例によれば、図8に示す如く、内燃機関10の低温
時にブレーキTRC制御を実行する場合に、従来装置の
ように、モータ80始動後、油圧ポンプ60,62から
の吐出されるブレーキ油の流量(ポンプ流量)が所定流
量に達するまでの立ち上がり時間が、ブレーキ油の粘性
によって長くなるといったことはなく、ポンプ流量を速
やかに立ち上がらせて、内燃機関低温時にも、ブレーキ
TRC制御を良好に実行することができるようになる。
【0055】また本実施例の制動制御装置30は、こう
したプレ制御処理の終了後、ABS制御及びE/G・T
RC制御のための処理と共にブレーキTRC制御処理を
実行し、例えば、図9に示す如く、時点taにてブレー
キTRC制御の実行条件を判定すると、従来装置と同
様、SM弁50FL,50FR、SR弁70FL,70FR、及
びモータ80をONして、保持弁46FL,46FR及び減
圧弁48FL,48FRをON・OFF制御するブレーキT
RC制御を開始するが、このブレーキTRC制御実行中
に、時点tbにてブレーキSW36がON状態になり、
そのときホイールシリンダ2FL,2FRのブレーキ油圧が
上昇していれば、SM弁50FL,50FRをON状態に保
持したまま、SR弁70FL,70FR、モータ80、保持
弁46FL,46FR、及び減圧弁48FL,48をOFF
し、その後、ブレーキSW36がOFF状態になった時
点tfで、SM弁50FL,50FRをOFFする。
【0056】このため、ブレーキTRC制御実行途中に
ブレーキペダル32が踏み込まれても、ブレーキTRC
制御の実行によってホイールシリンダ2FL,2FRに供給
されたブレーキ油により、マスタシリンダ34内の油圧
が通常より増大して、マスタシリンダ34内のシール部
材が損傷するといったことはなく、マスタシリンダ34
の耐久性を向上できる。
【0057】なお、このようにブレーキTRC制御実行
中にブレーキSW36がON状態になってSM弁50F
L,50FRをON状態に保持した場合には、マスタシリ
ンダ34から吐出されたブレーキ油は、従動輪RL,R
Rのホイールシリンダ2RL,2RRに供給されるようにな
るが、このとき、ブレーキペダル32が大きく踏み込ま
れ、マスタシリンダ34側のブレーキ油圧がホイールシ
リンダ2FL,2FRのブレーキ油圧を越えるようになる
と、リリーフ弁54FL,54FRが開弁して、マスタシリ
ンダ34から吐出されたブレーキ油がホイールシリンダ
2FL,2FRにも供給されるようになるため、車両運転者
の要求に比べて駆動輪FL,FRの制動力が小さくなる
ことはなく、車両の制動特性を充分確保することができ
る。
【0058】また、このようにブレーキTRC制御実行
中にブレーキSW36がON状態になるのは、車両運転
者がアクセルペダルとブレーキペダル32とを両方同時
に踏み込んでいるときであり、この状態では、車両運転
者が更にアクセルペダルを踏み込むことにより、駆動輪
FL,FRにより大きな加速スリップが発生してしまう
ことがある。そして、このような場合に、上記のように
SM弁50FL,50FRをON状態に保持した状態でブレ
ーキTRC制御を終了してしまうと、駆動輪FL,FR
のスリップを充分抑制できなくなる。しかし、本実施例
の制動制御装置30では、E/G制御装置20を介して
内燃機関10の出力トルクを抑制するE/G・TRC制
御も同時に実行するようにされているため、上記のよう
にブレーキSW36がON状態となって、ブレーキTR
C制御を終了しても、その後、E/G・TRC制御の実
行条件が成立している間(図9に示す時点tbから時点
tcまでの間)は、E/G・TRC制御によって内燃機
関10の出力トルクが抑制されるため、駆動輪FL,F
Rに大きなスリップが発生することはない。
【0059】一方、本実施例では、こうしたブレーキT
RC制御実行途中のブレーキペダル32の踏み込みによ
ってSM弁50FL,50FRをONしているときに、AB
S制御の実行条件が成立した場合(図9に示す時点td
からteの区間)には、駆動輪FL,FRの保持弁46
FL,46FRをONしてホイールシリンダ2FL,2FR内の
ブレーキ油圧を保持した上で、モータ80を駆動して、
従動輪RL,RRに対するABS制御を実行するように
している。
【0060】このため、本実施例によれば、ブレーキT
RC制御実行中にブレーキペダル32が踏み込まれるこ
とによって、車輪に制動時のスリップが発生した場合に
も、そのスリップを抑制することができ、車両の走行安
全性を確保することができる。また本実施例では、ステ
ップ260におけるブレーキTRC制御の終了判定を、
スロットル開度から得られるスロットルバルブの閉速度
やスロットル開度等からできるだけ早く行い、しかもそ
の終了判定時には、ステップ270において、減圧弁4
8FL,48FR及びモータ80をONした状態で、SM弁
50FL,50FR、SR弁70FL,70FR、及び保持弁4
6FL,46FRをOFFし、その後所定時間経過した時点
で、減圧弁48FL,48FR及びモータをOFFすること
により、ブレーキTRC制御を終了するようにしてい
る。
【0061】このため本実施例によれば、車両運転者が
アクセルペダルからブレーキペダル32への急速な踏み
変えを行ったときに、ホイールシリンダ2FL,2FR内に
ブレーキ油が残留した状態でブレーキペダル32が踏み
込まれるのを防止することができ、これによってもマス
タシリンダ34の耐久性を向上することができる。また
次に、本実施例では、ブレーキTRC制御中にリリーフ
弁52FL,52FRが開弁することによって生じるキャビ
テーション防止のために、ステップ290〜ステップ3
10の処理により、図10に示す如く、ブレーキTRC
制御の制御モードが保持又は減圧モードであるときに
は、SM弁50FL,50FR、SR弁70FL,70FR及び
モータ80の内の少なくとも一つをOFFして、ブレー
キTRC制御実行中に油圧経路42Fa,44Fa内の
油圧が著しく上昇するのを防止している。
【0062】この結果、本実施例によれば、リリーフ弁
52FL,52FRの開弁に伴い生じるキャビテーションを
抑制することができ、このキャビテーションによってマ
スタシリンダ34内に気泡が発生して、次にブレーキペ
ダル32を踏み込んだときの車両の制動特性が低下する
のを防止することもできる。また更に、本実施例では、
ブレーキTRC制御実行中に過熱防止制御処理を実行す
ることにより、図11に示す如く、SM弁50FL,50
FR及びSR弁70FL,70FRの通電・非通電時間をカウ
ントすることにより各弁の温度を推定し、そのカウント
値が所定値に達すると、SM弁50FL,50FR或はSR
弁70FL,70FRが過熱による断線等の虞があるとし
て、禁止フラグを一定時間セットして、ブレーキTRC
制御の実行を禁止するようにしている。
【0063】このため本実施例によれば、SM弁50F
L,50FR及びSR弁70FL,70FRに、保持弁46FL
〜46RRや減圧弁48FL〜48RRと同じものを使用する
ことができるようになり、油圧回路40の生産性を向上
することができる。つまり、SM弁50FL,50FR及び
SR弁70FL,70FR(特にSM弁)は、上記キャビテ
ーション防止のためのON・OFF制御を実行しない限
り、保持弁46FL〜46RR及び減圧弁48FL〜48RRに
比べて通電時間が長くなるため、その発熱量が大きく、
保持弁46FL〜46RRや減圧弁48FL〜48RRと同じも
のを使用すると、断線等による故障が生じ易くなる。そ
こで、本実施例では、上記のように、SM弁50FL,5
0FR及びSR弁70FL,70FRの通電及び非通電時間か
らその温度を推定して、過熱による断線等が生じる前に
ブレーキTRC制御の実行を禁止することにより、SM
弁50FL,50FR及びSR弁70FL,70FRを過熱によ
る断線等から保護するようにしているのである。
【0064】なお、上記実施例では、SM弁50FL,5
0FR及びSR弁70FL,70FRの通電及び非通電時間を
夫々カウントするように構成したが、通電時間が長くな
ると考えられるSM弁50FL,50FRの通電及び非通電
時間のみをカウントし、そのカウント値が所定値に達し
た時点で禁止フラグをセットするようにしてもよい。ま
た、こうした禁止フラグのセットに伴い、ブレーキTR
C制御は実行されなくなるが、本実施例では、車両加速
時のスリップを、ブレーキTRC制御とE/G・TRC
制御とによって抑制するようにされているため、ブレー
キTRC制御が一時的に禁止されても、車両加速時のス
リップはE/G・TRC制御によって抑制することがで
き、これによって車両加速時の安全性を確保することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の構成を例示するブロック図である。
【図2】実施例の車両制御系全体の構成を表わす概略構
成図である。
【図3】油圧回路の構成を表わす説明図である。
【図4】制動制御装置において内燃機関の始動直後に実
行されるプレ制御処理を表わすフローチャートである。
【図5】制動制御装置においてプレ制御処理の終了後に
実行されるブレーキTRC制御処理を表わすフローチャ
ートである。
【図6】図5のステップ400にて実行される制動時制
御終了処理を表わすフローチャートである。
【図7】制動制御装置においてブレーキTRC制御実行
時に所定時間毎に実行される過熱防止制御処理を表わす
フローチャートである。
【図8】プレ制御処理の実行/非実行によるモータ始動
後のポンプ流量の立ち上がり特性を表わす説明図であ
る。
【図9】実施例のブレーキTRC制御処理の全体動作を
表わすタイムチャートである。
【図10】キャビテーション防止のために実行されるス
テップ290〜ステップ310の動作を表わすタイムチ
ャートである。
【図11】過熱防止制御処理の動作を表わすタイムチャ
ートである。
【図12】マスタシリンダの概略構成を例示する断面図
である。
【符号の説明】
FL,FR 駆動輪(左右前輪) RL,RR 従動輪(左右後輪) 2 ホイールシリンダ 10 内燃機関 20 E/G制御装置 30 制動制御装置 32 ブレーキペダル 34 マスタシリンダ 36 ブレーキSW 38 圧力センサ 40 油圧回路 42,44 油圧経路 42P,44P 油供給経路 46 保持弁 48 減圧弁 50 SM弁 52,54 リリーフ弁 68 リザーバ 60,62 油圧ポンプ 70 SR弁 80 モータ
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−281439(JP,A) 特開 平5−229414(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B60T 8/58

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両に制動力を付与するためのブレーキ
    液圧を発生するマスタシリンダと、 このマスタシリンダからのブレーキ液圧を受けて車輪に
    車輪制動力を付与するホイールシリンダと、 前記マスタシリンダと前記ホイールシリンダとの間を連
    通する第1の配管と、 前記第1の配管において、前記マスタシリンダ側と前記
    ホイールシリンダ側との間のブレーキ液圧差を弁位置の
    遮断状態において保持するとともに通常時は連通状態と
    されている第1の切換弁と、 前記マスタシリンダ側からブレーキ液を吸引し、前記第
    1の配管における前記第1の切換弁よりも前記ホイール
    シリンダ側に吐出する圧力源と、 前記圧力源が接続される第2の配管と、 前記第2の配管において前記圧力源の吸引を弁位置の連
    通状態で許容するとともに通常時は遮断状態とされてい
    る第2の切換弁と、 前記第1の配管における前記圧力源の吐出先よりもホイ
    ールシリンダ側に設けられて、前記ホイールシリンダに
    かかるブレーキ液圧を制御する制御弁と、 前記第1、第2の切換弁のうち少なくとも第1の切換弁
    の弁位置を切り換えるためのソレノイドコイルへの通電
    ・非通電状態を検出する通電状態検出手段と、 前記通電状態検出手段によって検出された通電・非通電
    状態に基づいて前記ソレノイドコイルの発熱状態を推定
    する推定手段と、 前記推定手段によって前記ソレノイドコイルの発熱状態
    が所定以上であると判断された場合には、前記第1、第
    2の切換弁の弁位置を通常状態とする制御手段と、 を備えることを特徴とする車両のブレーキ制御装置。
  2. 【請求項2】 前記推定手段は、前記ソレノイドコイル
    電流を通電しているときに前記発熱状態が高温状態へ
    と変化し、当該電流を通電していないときには前記発熱
    状態が低温状態へと変化するものとして、前記発熱状態
    を推定することを特徴とする請求項1記載の車両のブレ
    ーキ制御装置。
  3. 【請求項3】 前記通電状態検出手段は、前記第1およ
    び第2の切換弁の双 方のソレノイドコイルへの通電・非
    通電状態を検出し、前記制御手段は、前記推定手段によ
    って推定される前記第1あるいは第2の切換弁のどちら
    か一方のソレノイドコイルの発熱状態が所定高温以上と
    なった際に、前記第1および第2の切換弁の弁位置を通
    常状態とすることを特徴とする請求項1記載の車両のブ
    レーキ制御装置。
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