JPH09184066A - ウエハヒータ組立体 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ウエハヒータ組立体全体を取り外すことなく
とも、ウエハ支持体部分及び更に所望により加熱要素
を、比較的に容易にチャンバから取り外すことが可能。 【解決手段】 ウエハヒータ組立体は、ベースと、ウエ
ハ支持体又はチャックと、これら２つを分離する外周バ
リア支持体を具備する。ウエハ支持体にはウエハチャッ
ク面が設けてある。ヒータ小組立体はウエハ支持体に熱
的につながり、ウエハチャック面に所望の加熱を与える
ようにぴったりとウエハ支持体に装着している。外周バ
リア支持体は、ウエハ支持体と一体となった延長部分で
あることが好ましく、また、組立体のベースと係合する
下部端ないしベース端を有している。Ｏリング等の流動
シールは、バリア支持体のベース端と組立体のベースの
間に配置される。ボルト等ユーザー側で使用可能な固定
具を用いて、間にバリア支持体を嵌挿してウエハ支持体
をベースに固定し、流動シールを間に嵌着してバリア支
持体のベース端をベースに押圧する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、堆積やエッチング
ングなどに広く用いられるウエハヒータ組立体に関す
る。

【０００２】

【従来の技術】物理気相堆積（ＰＶＤ）チャンバ、化学
気相堆積法（ＣＶＤ）チャンバ及びエッチングチャンバ
では、通常、ウエハやその他の基板が載置される、ウエ
ハ（又は他の基板）の加熱の支持体ないしペデスタルを
使用して、処理中に基板の温度を制御できるようにす
る。ウエハと支持体間の熱移動を確実に予測できるよう
にするため、ウエハは支持体に、ぴったりとしかも着脱
可能に、取付けなければならない。熱は、一般的に、ウ
エハ支持体の底面と接触させた電気抵抗線ヒータの設置
によって供給される。

【０００３】ウエハを基板支持体に取付ける従来の方法
の１つは、ウエハの外縁と係合してウエハ支持体のチャ
ック面に対してウエハを堅く固定するクランプリングを
使用するものである。別のタイプのウエハ支持体は、静
電チャックとも呼ばれる静電ウエハ支持体であって、静
電力を用いてウエハをウエハ支持体に固定することによ
り、クランプリングの必要をなくするものである。静電
チャックの使用は、半導体デバイスの形成用にウエハの
全面を利用できるようにするが、これは、ウエハを適所
に固定するためのクランプリングの必要がないからであ
る。

【０００４】静電チャックは通常、３層以上のウエハチ
ャック面で作られている。チャックの最上層と最底層
は、銅その他の導電層を層間にサンドイッチ状に有する
ポリイミド樹脂が代表的である。特に温度が約３００℃
を超える用途には、別の誘電体材料を使用することもで
きる。例えば、窒化アルミニウムは温度が約５００〜６
００℃までの誘電体材料として使用することができる。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】静電チャックの使用
は、粒子の生成を減じ、ウエハの反りを制限し、デバイ
ス組立てに利用可能なウエハ表層を増加する他、いくつ
かの利点をもたらす一方、デバイスの製造者に対して余
計なメンテナンスの問題を生じさせる。従来のチャッ
ク、即ちウエハを支持体に取付けるためクランプを利用
するチャックは、ステンレス鋼又はアルミニウムで作ら
れているものが一般的であり、保守はほとんど要しな
い。静電チャックのウエハチャック面は、金属面チャッ
クのウエハチャック面とは異なり、処理の環境からのダ
メージを非常に受け易く、その結果、寿命も短い。静電
チャックの絶縁面上に僅かなスクラッチがあれば、これ
が十分に絶縁面に損傷を及ぼすため、チャックやウエ
ハ、又はチャックに取付けた他の基板を破壊できるアー
ク放電を発生する。また、ポリマー材料、曝露プラズマ
ガス、とくに、アルゴン及び窒素ベースのクリーニング
プラズマは、結果としてウエハチャック面の寿命を短く
する。

【０００６】従来の静電チャックは、非静電チャックと
同じ製法で作ることができる。すなわち、ウエハヒータ
組立体全体、つまり、基板支持体と加熱組立体の双方
が、単一の溶接ユニットを成すように作ることができ
る。静電チャックのウエハチャック面が損傷したとき、
唯一の手段は、ウエハヒータ組立体を全部取り外してそ
れを取り替えることであり、費用がかさむ困難な作業で
ある。更に、従来のウエハヒータ組立体のウエハ支持体
つまりチャックの修繕や取り替えには、ウエハヒータ組
立体全体を取り外さなければならない。この作業は、不
便で困難であり、通常、数時間もかかるため、費やした
努力や失った操業時間の大きな犠牲を強いる作業であ
る。

【０００７】これらの欠点に応えるべく、ウエハ支持体
の最上層をウエハ支持体本体の残りの部分に着脱可能に
装着した誘電チャックが製造された。これによって、ウ
エハヒータ組立体とヒータ組立体支持体の全体を取り替
える必要がなくなる一方で、加熱源とウエハチャック面
の間に特別の界面が付加される。この界面が付加される
ことにより、加熱源とウエハチャック面との間の熱抵抗
が顕著に増大し、ウエハチャック面に同じ温度を生じさ
せるために熱源を高く加熱する必要がある。これによっ
て温度の到達範囲まで必要なエネルギー量を増加させる
だけでなく、他の構成部分の温度も上昇させ、冷却シス
テム上に増加負荷を載荷させる。加えて、ウエハ支持体
本体が多層で作られている場合は、ウエハチャック面の
所望の状態、典型的には平面状態を維持するために要す
るウエハ支持体本体の剛性がかなり失われる結果とな
る。

【０００８】

【課題を解決するための手段】本発明は、ウエハヒータ
組立体全体を取り外さなくとも、ウエハ支持体部分及び
更に所望により加熱要素を、比較的に容易にチャンバか
ら取り外すことができる、堆積／エッチングのチャンバ
のためのウエハヒータ組立体に関するものである。これ
を実現するには：１)ウエハヒータ組立体を少なくとも
２個の分離可能な部分、具体的には、流動シールにより
接合された、加熱要素を有する支持体とベースとの２つ
の部分、となるように設計し：２)流動シールが曝露さ
れることになる最高温度に適した流動シールを選択する
（弾性Ｏリング、金属Ｖシールなど）。これによって、
技術者は、ベースをチャンバの適所に置いたまま支持体
を取り外すことによって、故障したウエハ支持体を効率
的な方法で修理又は取り替えできるようになる。従っ
て、損傷ウエハチャック面に起因してウエハヒータ組立
体全体を廃棄する必要はなくなる。

【０００９】本発明の好ましい具体例では、ウエハヒー
タ組立体は、ベースと、ウエハ支持体又はチャックと、
これら２つを分離する外周バリア支持体を具備する。ウ
エハ支持体にはウエハチャック面が設けてある。ヒータ
小組立体はウエハ支持体に熱的につながり、ウエハチャ
ック面に所望の加熱を与えるようにぴったりとウエハ支
持体に装着していることが好ましい。外周バリア支持体
は、ウエハ支持体と一体となった延長部分であることが
好ましく、また、組立体のベースと係合する下部端ない
しベース端を有している。ＯリングやＶシールなどの流
動シールは、バリア支持体のベース端と組立体のベース
の間に配置される。ボルトなどユーザー側で使用可能な
固定具ないし止め具を用いて、間にバリア支持体を嵌挿
してウエハ支持体をベースに固定し、流動シールを間に
嵌着してバリア支持体のベース端をベースに押圧する。
この構成は２つの特徴を提供する。すなわち、加熱要素
を内蔵するウエハヒータ組立体内の流動緊密なヒータ室
と；流動シールが過熱しないように維持するためウエハ
支持体から流動シールに向けた熱の伝導による移動に対
してバリア支持体の形をなす熱バリアである。

【００１０】好ましい具体例の１つにおいては、ウエハ
支持体面の温度が約２００〜３００℃の場合は、流動シ
ールの温度はウエハ支持体面の温度より約５０〜７０℃
低い。ビトン(Viton)製等の従来型の弾性Ｏリングは、
最高約１７５℃までの温度に使用できる。パーカーシー
ル社(Paker Seal)によって製造されたもの等のニッケル
合金製の金属Ｖシールは、最高約９８０℃までの温度で
使用できる。ポリイミド静電チャックは約３００℃の限
界温度を有し、窒化アルミニウム静電チャックは、約５
００〜６００℃の限界温度を有する。従って、使用する
誘電体材料の温度及び選ばれた特定の流動シールは、そ
のときに生じた操作温度によって決まる。

【００１１】この好ましい具体例では、ウエハ支持体か
ら隔たった側部であるヒータ小組立体の下部は、従来技
術と同様に、ベースと加熱要素の間に冷却水を循環する
ことにより冷却される。ヒータ小組立体内に冷却水を循
環させることにより、加熱要素によるウエハ支持体の加
熱を可能にする一方、ベース及び流動シールに対する輻
射及び対流による熱移動を制限するようにする。これ
が、流動シールを許容温度程度に維持するのに役立つ。
状況によっては、流動シールを更に冷却することが必要
な場合又は望ましい場合もある。この場合は、流動シー
ルに隣接する冷却導管の中に冷却液を流すことによって
実現できる。

【００１２】本発明の別の特徴は、冷却水の供給ライン
や回収ライン、ヒータガスライン、熱電対ライン、電源
ラインなど、種々のラインに急速ディスコネクト継手を
用いることである。この急速ディスコネクト継手のコネ
クタは、ウエハ支持体の底部に取付けたヒータ小組立体
に隣接して配置され、更に好ましくはチャンバから出て
くるラインの真下に配置される。好ましい具体例では、
ウエハ支持体は、まずチャンバの下の位置で複数のライ
ンごとにいくつかの急速ディスコネクト継手を取り外
し、ウエハ支持体と外周バリア支持体との結合体をウエ
ハヒータ組立体のベースに取付けている数個のボルトを
取り外し、次いでウエハ支持体／周囲隔壁支持体を、ヒ
ータ小組立体及びそれに取付けた関連するラインと共
に、ウエハヒータ組立体のベースから持ち上げるだけ
で、容易に取り外すことができる。ウエハヒータ組立体
のベースは、チャンバの内部に残り、チャンバ底部上に
可動支持管により支持される、この支持管は通常、ステ
ンレス鋼ベローズによって取り囲まれている。

【００１３】外周バリア支持体は、有限要素法による解
析を用いて設計されることが好ましい。弾性材料で作ら
れた流動シールは、操作温度が十分低い場合、一般に金
属及び他の高温シールよりも好適であるが、その理由
は、より良質のシールを提供することと、組立工程中に
粒子を生成する傾向がないことがあげられる。この２つ
の点は双方とも、物理堆積（ＰＶＤ）チャンバ内での高
い真空環境において極めて重要な考慮すべき点である。
従って、流動シールの温度はかなり低音、少なくともウ
エハ支持体の温度よりも約５０℃低いことが好ましく、
それによって、支持体面の温度が弾性Ｏリングの許容操
作温度よりも約５０〜７０℃まで高くとも、従来の弾性
流動シールが使用できるようになる。

【００１４】好ましい具体例では、バリア支持体はウエ
ハ支持体と一体の延長部分であって、ヒータ組立体の内
部とＰＶＤチャンバ、ＣＶＤチャンバ又はエッチングチ
ャンバの内部との間の漏洩の経路を排除する。この方法
では、チャンバとウエハヒータ組立体の内部との間に唯
一漏洩の可能性のある接合箇所は、バリア支持体のベー
ス端とヒータ組立体のベース間に嵌着された流動シール
にある。

【００１５】本発明の重要な利点は、ウエハ支持体又は
チャックをウエハヒータ組立体のベースから分離するこ
とにより、単に支持体面がスクラッチなどで損傷された
だけの理由で、従来の溶接静電ウエハヒータ組立体なら
必要であった、ウエハヒータ組立体全体の廃棄を、必要
としなくしたことにある。また、加熱要素がウエハ支持
体に直接装着されており即ちウエハ支持体と共に取り外
される場合、これらは容易に欠陥が生じたウエハ支持体
から取り外されて再び利用される。本発明の更なる利点
は、ウエハ支持体を取り外す必要がある場合、ステンレ
ス鋼ベローズの移動やベローズの妨害を排除することで
あり、このベローズは、ヒータ組立体のベースとチャン
バハウジングの底部の間で流動シールとして作動するも
のである。これは重要なことであり、何故なら、このベ
ローズは非常に高価で、且つ適切に取扱わないと容易に
破損するからである。

【００１６】本発明の他の特徴と利点は、好ましい具体
例が添付の図面と関連して詳細に説明した以下に述べら
れている。

【００１７】

【発明の実施の形態】図１は、ＰＶＤチャンバの内部６
を画するＰＶＤチャンバハウジング４を有する、従来技
術のＰＶＤチャンバ２を例示する。ウエハヒータ組立体
８は、ヒータ組立体支持体１２によりハウジング４の底
部１０の上方に支持される。ヒータリフト組立体１４
が、ハウジング４の底部１０の下に配置され、ヒータ組
立体支持体１２を介してヒータ組立体８を上下動させ
る。ウエハリフト組立体１６は、ハウジング４の底部１
０によって支持され、ウエハヒータ組立体８と整列して
内部６に配設された１対のウエハリフト腕部１８を有し
ている。各腕部１８には、スリットバルブ２２を介して
内部６に導入し、ウエハ（図１には示していない）を支
持できるように大きさと位置を定めた１対の切り欠き支
持体２０が設けてある。切り欠き支持体２０はウエハ支
持体、すなわちチャック２３内に形成されたノッチ２１
と整列している。ウエハが切り欠き支持体２０の上端部
に配設された後、ウエハを支持していたロボットブレー
ド（図示していない）がスリットバルブ２２を介して引
き込められ、それにより腕部１８を降下させて、ヒータ
組立体８のウエハ支持体２３のウエハチャック面２４と
も呼ぶウエハ支持面２４上にウエハを配置させる。ウエ
ハは、クランプリング（図示していない）により、又
は、ウエハ支持面２４が誘電チャックの支持面である場
合は静電力により、ウエハ支持面２４に固定される。

【００１８】図２及び図３は、本発明に従って作製した
ウエハヒータ組立体３０を例示する。ウエハヒータ組立
体３０の多くの構成部品は、図１を参照して検討した従
来の構成部品と実質的に同じである。類似の部品は類似
の参照番号により参照でき、詳細な説明は省略する。

【００１９】ウエハヒータ組立体３０は、支持管３４に
よって底面１０上に装着されたベース３２を備えてお
り、支持管３４は、ヒータリフト組立体１４（図１にの
み示す）によって上下動される。ウエハヒータ組立体３
０も外周バリア支持体３８によってベース３２から分離
されたウエハ支持体又はチャック３８を備えている（図
４参照）。バリア支持体３８は、ウエハ支持体３６の本
体３９の一体型でおおむね円筒形をした延長部分であ
る。バリア支持体３８には，本体３９に隣接したウエハ
端４０とベース３２に隣接したベース端４２とが設けて
ある。ベース３２、本体３９、及び、バリア支持体３８
はすべて、ステンレス鋼製であることが好ましい。

【００２０】ウエハリフト組立体１６Ａは図１の組立体
１６と異なるように構成されている。組立体１６Ａは、
３本のセラミックウエハリフトピン２０Ａを有し、この
ピンは、ベース３２及び支持体３６，３８をそれぞれ通
して形成された正孔２６，２８を貫通する。リフトピン
２０Ａは非導電性のセラミック材料製で、ウエハ８２と
ウエハヒータ組立体３０との間の導通路の形成を防止す
る。

【００２１】ベース３２には、その中に流動シール４６
を収容する円形の溝４４が設けてある（図６参照）。こ
の流動シールは通常、Ｏリングであり、１００℃〜１７
５℃のように比較的高温で１０〜９トールのように高い
真空状態のチャンバ内部に耐え得るような、ビトン(Vit
on：商品名)やその他の弾性シール材料から作られるこ
とが好ましい。このような弾性Ｏリングを用いると、ウ
エハ支持体に適用される最高温度は、ベース端４２に対
する約５０〜７０℃の温度降下に基づいて、およそ２２
５〜２４５℃である。シール４６によって高温が生じた
ときは、パーカーシール社(Parker Seal)から入手可能
なニッケル合金Ｖシール等のＶシールを使用できる。周
みぞ４４をベース端４２の真下に位置するように配置す
ることにより、ウエハ支持体３６をボルト４８でベース
３２に固定して、高品質の流動シールが、ウエハ支持体
３６とバリア支持体３８とベース３２とによって画され
たＰＶＤチャンバ２と、ヒータ室５０の内部６との間に
形成される。

【００２２】ステンレス鋼ベローズ５２はガイド管６４
の周りで使用され、ベローズの端末にてベース３２と底
部１０に固定してある。ベローズ５２は、ウエハヒータ
組立体３０が、ヒータリフト組立体１４によって上下に
転移されるとき、流動緊密シールが組立体３０のベース
３２とＰＶＤチャンバ２の底部１０の間で確実に維持さ
れるようにする。

【００２３】ウエハヒータ組立体３０は、ねじ５８，５
９を用いてウエハ支持体３６の下部ヒータ面５６に取付
けたヒータ小組立体５４を含有する。ねじ５８は、銅の
熱分散板６２をヒータ面５６に固定するために用いる。
ねじ５９は、通常、ステンレス鋼製の中間支持板６１を
ウエハ支持体３６の本体３９に取付けるため用いる。ヒ
ータ小組立体５４も支持板６１と熱分散板６２の間に嵌
挿された一対の同心電気抵抗加熱要素６０を内蔵する。
ヒータ小組立体５４は、８本のねじ６７で支持板６１に
固定した底部材６５をさらに含有する。

【００２４】ガイド管６４は、小組立体５４の底部材６
５から伸長している。ガイド管６４は支持管３４内に嵌
合され、ウエハヒータ組立体３０から伸長する複数本の
ラインを誘導する。すなわち、ガイド管６４は、ヒータ
小組立体５４の下部部分を冷却するため使用する給水ラ
インと回収ライン６６，６８（図３参照）、ウエハ支持
体３６の温度をモニターするため使用する熱電対ライン
７０、電気エネルギーを加熱要素６０に供給するため使
用する加熱用電力ライン７２、後で説明する静電荷をウ
エハ支持体３６の静電ウエハチャック面７６に供給する
ため使用する静電力ライン７４、及び、ヒータガスライ
ン７８などを誘導する。ガスライン７８は、ウエハ支持
体３６の本体３９内に形成した３本の傾斜導管８１に結
合して、ウエハチャック面７６上に形成した浅い溝８０
（図３参照）をアルゴンなど少量の熱伝導ガスで設け、
ウエハチャック面７６からウエハ８２に対して十分な熱
を確実に移動できるようにする。

【００２５】給水ライン６６，６８は、支持板６１に取
付けた冷却水導管８３に接続されている。給水ライン６
６を経て、導管８３を通り抜け、回収ライン６８から出
る水の通過は、支持板６１の冷却に役立ち、それによっ
て流動シール４６への熱の転移を減少させる。

【００２６】ウエハ支持体３６の本体３９は、その中心
を通りガラスピン８５を収容する垂直な孔を備えてい
る。これにより従来行われている光学方法を用いてウエ
ハ８２の温度を監視することができる。

【００２７】この好ましい具体例では、ウエハチャック
面７６は導電層をサンドイッチ状に嵌入した２個の誘電
層で作製してある。この３層構造を図４の参照番号９０
によって示す。導電部分に電気的絶縁部分が２箇所あっ
て、２極性の静電チャックが設けられる。誘電層８４
は、米国デラウェア州ウィルミントン(Wilmington，Del
aware)のデュポン社(DuPont)からカプトンＫＪ(Kapton
KJ)の名前で入手可能であるポリイミドフィルムで作製
することが好ましい。導電層８６は、米国カリフォルニ
ア州ランチョドミンギィーズのアベレスティックラボラ
トリ社(Ａbelestik Laboratories，Rancho Dominguez，
California)から入手可能の、表面銅仕上げのクラッド
プライポリイミドフィルム、アルミニウムクラッドプラ
イポリイミドフィルム、及びアルミニウム充填ポリイミ
ドフィルムなどの種々な材料から作ることができる。パ
ララックスＡＰ(Paralux AP)としてより好ましい導電層
８６がデュポン社から入手できるようになったが、これ
は、銅箔に接着したポリイミドフィルムの非粘着性合成
物である。

【００２８】静電力ライン７４は、支持板６１を通して
形成した正孔８９と、板６２を通して形成した正孔９１
とを通過して本体３９内に形成した一対の凹所９４内に
実装された一対の電気接点９２（図面では１個だけ示
す）に接続してある。電気接点９２は凹所９４内で溶着
され、内部６とヒータ室５０の間に有効なガスシールを
設ける。

【００２９】図４は、ウエハ支持体３６本体３９、外周
バリア支持体３８、及びベース３２部分の拡大断面図で
ある。外周バリア支持体３８の大きさと構成によってバ
リア支持体３８の本体３９からベース端４２にかけて有
効な温度降下をもたらす。好ましい具体例では、外周バ
リア支持体３８は、ベース端４２での温度がウエハ支持
体３６本体３９のウエハチャック面７６の温度よりも約
５０-７０℃低いため、流動シール４６の温度を許容限
度内に十分維持するのに役立つ大きさと構成になってい
る。バリア支持体３８の設計に関して熱的な見地から受
け入れられる調査は、構造的に容認される設計について
有限要素分析を用いることにより好ましく達成される。
付加的な熱抵抗も、たとえば、中空セラミック球体をバ
リア支持体３８内に型成形してバリア支持体３８が垂直
の補強リブを備えるように修正を施し、あるいは従来の
方法又はそれ以外の方法で修正することによって達成す
ることができる。

【００３０】ウエハ支持体３６を修理又は取り替えるに
は、ユーザーは、まず、急速ディスコネクト継手のカッ
プリング６６Ａ，６８Ａ，７０Ａ，７２Ａ，７４Ａ，７
８ＡをＰＶＤチャンバ２の真下に位置するそれぞれのラ
インから離脱させることである。チャンバハウジング４
内のウエハ支持体３６へのアクセスがこれで可能にな
り、ボルト４８が取り外される。ヒータ小組立体５４を
取付けたウエハ支持体３６は、ヒータ小組立体５４の底
部材６５から伸長するライン６６，６８，７０，７２，
７４，７８及びガイド管６４と共にウエハヒータ組立体
３０のベース３２から取り外される。流動シール４６を
周みぞ４４から取り外して、みぞを清浄し、新規の流動
シール４６を溝内に取付けるようにする。ＰＶＤチャン
バの内部６に残るものはベース３２、支持管３４、ベロ
ーズ５２、及びウエハリフト組立体１６となる。適切な
修理又は取り替えが行われた後、ヒータ小組立体５４を
取付けたウエハ支持体３６と、この支持体から伸長する
ガイド管６４は、元のＰＶＤチャンバハウジング４内に
戻され、ガイド管６４は、外周バリア支持体３８のベー
ス端４２がベース３２に支えられ流動シール４６に寄り
掛かるようになるまで、支持管３４とベローズ１２を通
過する。次いで、ボルト４８はウエハ支持体３６をベー
ス３２に固定させるため用いられる。また種々の急速デ
ィスコネクト継手のコネクタ６６Ａ，６８Ａ，７０Ａ，
７２Ａ，７４Ａ，７８Ａが、ライン６６，６８，７０，
７２，７４，７８を元通りに接続するように使用され、
それによりＰＶＤチャンバ２が再度使用できるように配
置される。

【００３１】開示された具体例について以下のクレーム
で定義される本発明の主題から逸脱することなく、修正
し変更することができる。たとえば、本発明は、静電チ
ャックを用いたＰＶＤチャンバに関して記述してある。
しかしながら、従来のクランプリングチャックを用い、
またＣＶＤチャンバ及び、加熱エッチングチャンバなど
他の加熱堆積チャンバも同様に使用できる。本発明は、
ウエハ及びウエハ支持面に関して記述したもので、本出
願に用いたように、ウエハはシリコンウエハだけをカバ
ーするように意図したものではなく、堆積及びエッチン
グチャンバに用いる他の基板も同様にカバーすることを
意図したものである。

【００３２】

【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明によ
れば、ウエハヒータ組立体全体を取り外すことなくと
も、ウエハ支持体部分及び更に所望により加熱要素を、
比較的に容易にチャンバから取り外すことが可能な、堆
積／エッチングのチャンバのためのウエハヒータ組立体
が提供される。

【図面の簡単な説明】

【図１】内部構成部分を示すため一部を分解した従来か
らのＰＶＤチャンバの斜視図である。

【図２】本発明に従って作製されたウエハヒータ組立体
の側面断面図である。

【図３】図２のウエハヒータ組立体、及びヒータ組立体
支持体の斜視図である。

【図４】ウエハ支持体の本体部分及び外縁バリア支持体
の拡大断面図である。

【符号の説明】

２…ＰＶＤチャンバ、４…チャンバハウジング、６…内
部、８…ウエハヒータ組立体、１０…ハウジング底部、
１２…ヒータ組立体支持体、１４…ヒータリフト組立
体、１６…ウエハリフト組立体／組立体Ａ、１８…ウエ
ハリフト腕部、２０…切り欠き支持体／リフトピン２０
Ａ、２１…ノッチ、２２…スリットバルブ、２３…チャ
ック（＝ウエハ支持体）、２４…ウエハ支持面、２６，
２８正孔、３０…ウエハヒータ組立体、３２…底面上の
ベース、３４…支持管、３６…ウエハ支持体／チャッ
ク、３８…外周バリア支持体、３９…ウエハ支持体の本
体、４０…ウエハ端、４２…ベース端、４４…周溝、４
６…流動シール、４８…ボルト、５０…ヒータ室、５２
…ベローズ、５４…ヒータ小組立体、５６…ヒータ面、
５８，５９…ねじ、６０…電気抵抗加熱要素、６１…中
間支持板、６２…熱分散板、６４…ガイド管、６５…底
部材、６６…給水ライン、６６Ａ，６８Ａ，７０Ａ，７
２Ａ，７４Ａ，７８Ａ…急速ディスコネクト継手カップ
リング、６６，６８，７０，７２，７４，７８…底部材
からの伸長ライン、６８…回収ライン、７０…熱電対ラ
イン、７２…加熱用電力ライン、７４…静電力ライン、
７６…静電ウエハチャック面、７８…ヒータガスライ
ン、８０…浅溝、８１…傾斜導管、８２…ウエハ、８３
…冷却水導管、８４…誘電層、８５…ガラスピン、８６
…導電層、８９、９１…正孔、９２…電気接点、９４…
凹所。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 スティーヴン エー． チャン アメリカ合衆国， カリフォルニア州， フレモント， リヴァームーア コモン 43241 (72)発明者 ヴィジェイ ディー． パーキー アメリカ合衆国， カリフォルニア州， サニーヴェール， エス． フェア オー クス アヴェニュー 655， ナンバーデ ィー108

Claims (17)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 堆積チャンバ又はエッチングチャンバの
   ためのウエハヒータ組立体であって、 ベースと、 ウエハチャック面を備えるウエハ支持体と、 ウエハ端を前記ウエハ支持体に、ベース端を前記ベース
   に、有する外周のバリア支持体と、 前記ウエハ支持体と熱的につながるヒータ小組立体と、 前記バリア支持体の前記ベース端と前記ベースとの間に
   配置された流動シールと、 ユーザーが使用可能な固定具であって、前記固定具は、
   前記バリア支持体を間に嵌挿して前記ベースを前記ウエ
   ハ支持体に固定し、前記流動シールを間に嵌着して前記
   バリア支持体の前記ベース端を前記ベースに対し押圧す
   る、前記固定具とを備えるウエハヒータ組立体。
2. 【請求項２】 前記ベースと、前記ウエハ支持体と、前
   記バリア支持体とが、ヒータ室を画し、前記ヒータ小組
   立体が前記ヒータ室の内部に配置される請求項１に記載
   のウエハヒータ組立体。
3. 【請求項３】 前記ヒータ小組立体が、機械的な装着要
   素を用いて前記ウエハ支持体に堅く装着される請求項１
   に記載のウエハヒータ組立体。
4. 【請求項４】 前記ヒータ小組立体と前記ウエハ支持体
   との間に熱分散板を更に備える請求項３に記載のウエハ
   ヒータ組立体。
5. 【請求項５】 前記ベースが開口を有し、前記ウエハヒ
   ータ組立体が、前記ヒータ小組立体から始まって前記開
   口を通る導電路を更に備える請求項３に記載のウエハヒ
   ータ組立体。
6. 【請求項６】 前記ウエハヒータ組立体が、前記ベース
   内の前記開口から始まり前記ヒータ小組立体から離れる
   ように伸張するガイド管を更に備え、前記導電路が前記
   ガイド管を通る請求項５に記載のウエハヒータ組立体。
7. 【請求項７】 前記ウエハ支持体に流動的に結合し前記
   ガイド管の中に伸びる、ガス管を更に備える請求項６に
   記載のウエハヒータ組立体。
8. 【請求項８】 前記ガイド管が端部を有し、前記ウエハ
   ヒータ組立体が、前記ガイド管の外部の前記ガス管及び
   導通のための急速ディスコネクト継手コネクタを更に備
   える請求項７に記載のウエハヒータ組立体。
9. 【請求項９】 前記ウエハチャック面が前記ガス管に流
   動的に結合する請求項７に記載のウエハヒータ組立体。
10. 【請求項１０】 前記ウエハ支持体の前記ウエハチャッ
    ク面が、静電的に荷電することができる表面である請求
    項１に記載のウエハヒータ組立体。
11. 【請求項１１】 前記ウエハチャック面が、電気的絶縁
    性の材料で覆われる請求項１に記載のウエハヒータ組立
    体。
12. 【請求項１２】 前記ウエハ端から前記ベース端への熱
    移動を制限するための手段を有し、前記流動シールの温
    度が前記ウエハ支持体の前記ウエハチャック面の温度よ
    りも実質的に低く維持される請求項１に記載のウエハチ
    ャック組立体。
13. 【請求項１３】 ウエハチャック面の温度が約２００〜
    ３００℃であるとき、熱移動を制限するための前記手段
    により、前記ウエハチャック面と前記バリア支持体との
    間に少なくとも５０〜７０℃の温度降下を生じさせる請
    求項１２に記載のウエハヒータ組立体。
14. 【請求項１４】 前記流動シールが弾性的Ｏリングであ
    る請求項１に記載のウエハヒータ組立体。
15. 【請求項１５】 前記固定具が複数のボルトを備える請
    求項１に記載のウエハヒータ組立体。
16. 【請求項１６】前記バリア支持体が、前記ウエハ支持体
    の、一体一片の伸張部である請求項１に記載のウエハヒ
    ータ組立体。
17. 【請求項１７】 堆積チャンバ又はエッチングチャンバ
    のためのウエハヒータ組立体であって、 開口を備えるベースと、 ウエハチャック面を備えるウエハ支持体と、 ウエハ端を前記ウエハ支持体に、ベース端を前記ベース
    に、有する外周のバリア支持体と、 前記ウエハ支持体に装着されたヒータ小組立体と、 端部を有し、前記ベース内の前記開口から始まり前記ヒ
    ータ小組立体から離れるように伸張するガイド管と、 前記ヒータ小組立体から前記開口部を経て前記ガイド管
    の中を通る導電体と、 前記ウエハ支持体に流動結合し、前記開口部とガイド管
    を経て伸長するガス管と、 前記ガイド管外部の、前記ガス管及び導体のための急速
    ディスコネクト継手コネクタと、 前記バリア支持体の前記ベース端と前記ベースとの間に
    配置された流動シールと、 ユーザーが使用可能な固定具であって、前記固定具は、
    前記バリア支持体を間に嵌挿して前記ベースを前記ウエ
    ハ支持体に固定し、前記流動シールを間に嵌着して前記
    バリア支持体の前記ベース端を前記ベースに対し押圧す
    る、前記固定具とを備え、前記バリア支持体は、前記ウ
    エハ端から前記ベース端への熱移動を制限するための手
    段を有し、熱移動を制限するための前記手段により、前
    記流動シールの温度が前記ウエハ支持体の前記ウエハチ
    ャック面の温度よりも実質的に低く維持され、ウエハチ
    ャック面の温度が約２００〜３００℃であるとき、熱移
    動を制限するための前記手段により、前記ウエハチャッ
    ク面と前記バリア支持体との間に少なくとも５０〜７０
    ℃の温度降下を生じさせる、ウエハヒータ組立体。